(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化合物(A)が、メチルn−プロピルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸、イソ酪酸、イソブチルアルデヒド、塩化エタノイル、エタノールおよびsec−ブタノールから選択される、請求項1から8いずれか1項記載のプロセス。
前記化合物(B)が、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素から選択される、請求項1から9いずれか1項記載のプロセス。
前記化合物(C)が、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドおよびジルコニウムテトラ−n−ブトキシドから選択される、請求項1から10いずれか1項記載のプロセス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、エチレンの重合および共重合のプロセスにおける高い生産性、高い嵩密度およびそのプロセスを利用することにより得られるエチレンのポリマーとコポリマーの分子量分布を調節できることの組合せを示す、固相重合触媒成分を調製するプロセスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、ポリエチレンおよびそのコポリマーを製造するのに適した固体触媒成分を調製するプロセスにおいて、
(a)ヒドロキシル基を有する脱水された担体を、一般式MgR
1R
2を有するマグネシウム化合物と接触させる工程、式中、R
1およびR
2は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される;
(b)工程(a)において得られた生成物を、改質化合物(A)、(B)および(C)と接触させる工程、ここで、
(A)は、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよび/またはアルコールからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である、
(B)は、一般式R
11f(R
12O)
gSiX
hを有する化合物である、式中、f、gおよびhは、各々、0から4の整数であり、hが4である場合、改質化合物(A)がアルコールではないという条件で、f、gおよびhの合計が4であり、Siはケイ素原子であり、Oは酸素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R
11およびR
12は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され;
(C)は、一般式(R
13O)
4Mを有する化合物である、式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子またはバナジウム原子であり、Oは酸素原子であり、R
13は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される;および
(c)工程(b)において得られた生成物を、一般式TiX
4を有するハロゲン化チタン化合物と接触させる工程、式中、Tiがチタン原子であり、Xがハロゲン原子である;
を有してなるプロセスによって達成される。
【0011】
本発明のプロセスの利点は、ハロゲン化チタン化合物と接触させる前に、固体マグネシウム含有担体を、任意の順序でまたは同時に適用してもよい改質化合物(A)、(B)および(C)で処理した場合、高い生産性およびエチレンポリマーの高い嵩密度の組合せを示す固体触媒成分が、本発明によるプロセスを適用することによって得られることである。得られた高い触媒生産性および高い生成物の嵩密度のために、最終的に、エチレンポリマーとコポリマーの製造における触媒コストが減少する。その上、高い触媒生産性のために、残留触媒成分が少なくなり、変色およびゲル形成が防がれる。生成物の嵩密度が高いと、例えば、流動床気相重合プロセスにおける生産速度が増加し、それゆえ、ポリマーの製造コストが低下する。生成物の嵩密度が高いと、反応器の床レベルを維持するための反応器からの生成物の除去を要する頻度も減少し、これにより、生成物への反応体ガスの転化効率が増加し、重合反応器内のガス組成の制御が容易になり、エチレン系生成物の品質の制御が容易になる。
【0012】
本発明によるプロセスの別の利点は、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の比、すなわち、得られた生成物のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定されるMw/Mnと定義される分子量分布が、高い触媒生産性および高い嵩密度の組合せを維持しながら、本発明の固体触媒成分を適用することによって、例えば、約3から約9の範囲に、容易に変えられることが分かったことである。この分子量分布の制御により、特定の要件による生成物の性質の制御された改善が可能になる。高い剛性およびフイルムの改善された引張特性および射出成形製品における低い収縮などの、改善された生成物の機械的性質は、約3から約5の狭い分子量分布の生成物により得られる。改善された生成物の加工可能性を必要とする用途について、本発明のプロセスにより、約5.5から約9のより広い分子量分布の生成物を容易に製造することができる。
【0013】
本発明によるプロセスの追加の利点としては、改善された転化挙動と効率をもたらす、得られたエチレンポリマーとコポリマーの改善された機械的性質、特に、増加した剛性;および改善された耐衝撃性、引張強度および引張伸びが挙げられる。さらに、そのような性質の改善により、例えば、製品の寸法低減(down-gauging)が可能になり、それゆえ、材料費を減少させることができる。
【0014】
本発明によるプロセスのさらに別の利点は、本発明のプロセスにおいて固体触媒成分を適用することによって得られる生成物の高い光沢および増加した透明度などの改善された光学的性質である。また、本発明のプロセスを適用することにって、小さいポリマー粒子(「微粒子"fines"」)のレベルがより低くなり、これには、重合反応器内の静電気の発生、被膜生成(sheeting)および汚れ(fouling)を避けることによって、重合プロセスの継続を維持する利点がある。
【0015】
本発明のさらに別の利点は、触媒調製プロセス全体を1つの容器内で行うことができ、従来技術で使用された溶媒デカンテーション、溶媒濾過および溶媒洗浄の各工程をなくせることである。
【0016】
エチレンポリマーとコポリマーを製造するのに適した担持されたチーグラー・ナッタ触媒系のための固体触媒成分を製造する本発明のプロセスは、ヒドロキシル(OH)基を有する脱水された固体担体をマグネシウム化合物と接触させて、固体マグネシウム含有担体材料を形成する第1の工程(a)を含む。
【0017】
本発明による固体担体は、ヒドロキシル基を含有するどのような材料であってもよい。そのような材料の適切な例としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、トリア、ジルコニアなどの無機酸化物およびそのような酸化物の混合物が挙げられる。本発明の担体として多孔質シリカを使用することが好ましい。何故ならば、それにより、高い嵩密度および高い触媒生産性が得られるからである。シリカは、約1マイクロメートルから約500マイクロメートル、好ましくは約5マイクロメートルから150マイクロメートル、最も好ましくは10マイクロメートルから100マイクロメートルの平均粒径を有する粒子の形態にあるであろう。それより小さい平均粒径では、より高いレベルでポリマー微粒子が生じ、それより大きい平均粒径では、ポリマーの嵩密度が低下する。シリカは、約5m
2/gから約1500m
2/g、好ましくは50m
2/gから1000m
2/gの表面積、および約0.1cm
3/gから約10.0cm
3/g、好ましくは0.3cm
3/gから3.5cm
3/gの細孔容積を有してよく、何故ならば、この範囲で高い触媒生産性が得られるからである。
【0018】
物理的結合水を除去し、ヒドロキシル基の含有量を、J.J. Fripiat and J. Uytterhoeven, J. Phys. Chem. 66, 800, 1962に記載された方法により、または
1H NMR分光法を適用することにより、決定される、担体のグラム当たり約0.1ミリモルから約5.0ミリモルのヒドロキシル基、好ましくは担体のグラム当たり約0.2ミリモルから約2.0ミリモルのヒドロキシル基であると思われるレベルに減少させるために、固体担体を乾燥させることによって、脱水固体担体を得ることができる。それは、この範囲で、活性触媒成分を担体に十分に含ませられるからである。この範囲のヒドロキシル基含有量は、担体を、窒素雰囲気下で、または空気を流しながら約1時間から約15時間の期間に亘り約150℃から約900℃の温度で担体を加熱し、流動化させることによって達成されるであろう。脱水された担体は、個々の触媒成分が少なくともある程度可溶性である適切な炭化水素溶媒中で、好ましくは撹拌によって、スラリー化することができる。適切な炭化水素溶媒の例としては、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタンおよびn−デカンが挙げられる。使用される溶媒の量は重要ではないが、溶媒は、触媒成分をよく混合する量で使用すべきである。
【0019】
マグネシウム化合物は、一般式MgR
1R
2により表され、式中、R
1およびR
2は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され、1から20の炭素原子を有してよい。マグネシウム化合物の適切な例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、エチルメチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、n−プロピルエチルマグネシウム、イソプロピルエチルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、n−ブチル−n−プロピルマグネシウム、n−ブチルイソプロピルマグネシウム、イソブチルエチルマグネシウム、イソブチル−n−プロピルマグネシウム、イソブチルイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ペンチルマグネシウム、ジイソペンチルマグネシウム、n−ペンチルエチルマグネシウム、n−ペンチル−n−プロピルマグネシウム、n−ペンチルイソプロピルマグネシウム、n−ペンチル−n−ブチルマグネシウム、n−ペンチルイソブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジイソヘキシルマグネシウム、n−ヘキシルエチルマグネシウム、n−ヘキシル−n−プロピルマグネシウム、n−ヘキシルイソプロピルマグネシウム、n−ヘキシル−n−ブチルマグネシウム、n−ヘキシルイソブチルマグネシウム、イソヘキシルエチルマグネシウム、イソヘキシル−n−プロピルマグネシウム、イソヘキシルイソプロピルマグネシウム、イソヘキシル−n−ブチルマグネシウム、イソヘキシルイソブチルマグネシウム、ジ−n−オクチルマグネシウム、ジイソオクチルマグネシウム、n−オクチルエチルマグネシウム、n−オクチル−n−プロピルマグネシウム、n−オクチルイソプロピルマグネシウム、n−オクチル−n−ブチルマグネシウム、n−オクチルイソブチルマグネシウム、イソオクチルエチルマグネシウム、イソオクチル−n−プロピルマグネシウム、イソオクチルイソプロピルマグネシウム、イソオクチル−n−ブチルマグネシウム、イソオクチルイソブチルマグネシウム、ジシクロペンチルマグネシウム、シクロペンチルエチルマグネシウム、シクロペンチル−n−プロピルマグネシウム、シクロペンチルイソプロピルマグネシウム、シクロペンチル−n−ブチルマグネシウム、シクロペンチルイソブチルマグネシウム、ジシクロヘキシルマグネシウム、シクロヘキシルエチルマグネシウム、シクロヘキシル−n−プロピルマグネシウム、シクロヘキシルイソプロピルマグネシウム、シクロヘキシル−n−ブチルマグネシウム、シクロヘキシルイソブチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、フェニルエチルマグネシウム、フェニル−n−プロピルマグネシウム、フェニル−n−ブチルマグネシウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0020】
マグネシウム化合物が、ジ−n−ブチルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、およびn−オクチル−n−ブチルマグネシウムを含む群より選択されることが好ましい。
【0021】
マグネシウム化合物は、固体担体のグラム当たり約0.01から約10.0ミリモル、好ましくは担体のグラム当たり約0.1から約3.5ミリモル、より好ましくは担体のグラム当たり約0.3から約2.5ミリモルに及ぶ量で使用できる。何故ならば、この範囲を適用することにより、生成物のポリマー微粒子のレベルが減少し、触媒の生産性がより高まるからである。マグネシウム化合物は、5分間から150分間の期間に亘り約15℃から約140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り約20℃から約80℃の温度で、前記担体と、好ましくは撹拌により、反応させてもよい。
【0022】
本発明によるプロセスに適用される固体担体におけるMg対OH基のモル比は、約0.01から約10.0、好ましくは約0.1から約5.0、より好ましくは約0.1から約3.5の範囲にあって差し支えない。何故ならば、生成物のポリマー微粒子のレベルが減少し、触媒の生産性がより高まるからである。
【0023】
改質化合物(A)は、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよびアルコールからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である。改質化合物(A)は、一般式R
3COOH、R
4COOR
5、R
6COR
7、R
8COX、R
9COH、またはR
10OHにより表されてよく、式中、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10は、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され、1から20の炭素原子を有してよい。
【0024】
カルボン酸の適切な例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、エナント酸、イソエナント酸、カプリル酸、イソカプリル酸、ペラルゴン酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、イソカプリン酸、シクロペンタンカルボン酸、安息香酸およびそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
カルボン酸エステルの適切な例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸n−ブチルおよび/または酪酸イソブチルが挙げられる。
【0026】
ケトンの適切な例としては、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジ−n−ブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルフェニルケトン、エチルフェニルケトン、n−プロピルフェニルケトン、n−ブチルフェニルケトン、イソブチルフェニルケトン、ジフェニルケトン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0027】
ハロゲン化アシルの適切な例としては、塩化エタノイル、塩化プロパノイル、塩化イソプロパノイル、塩化n−ブタノイル、塩化イソブタノイル、塩化ベンゾイルおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0028】
アルデヒドの適切な例としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ペンタンアルデヒド、イソペンタンアルデヒド、n−ヘキサンアルデヒド、イソヘキサンアルデヒド、n−ヘプタンアルデヒド、ベンズアルデヒドおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0029】
アルコールの適切な例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、シクロブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキサノール、n−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、フェノール、クレゾール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0030】
改質化合物(A)は、好ましくは、メチルn−プロピルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸、イソ酪酸、イソブチルアルデヒド、塩化エタノイル、エタノールおよびsec−ブタノール、より好ましくは、メチルn−プロピルケトン、酢酸n−ブチル、イソ酪酸および塩化エタノイルを含む群より選択される少なくとも1種類の化合物である。何故ならば、より高い触媒の生産性および生成物のより高い嵩密度が得られ、これらの化合物を使用して、生成物の分子量分布を変えることができるからである。
【0031】
固体担体における改質化合物(A)対マグネシウムのモル比は、約0.01から約10.0、好ましくは約0.1から約5.0、より好ましくは約0.1から約3.5、最も好ましくは0.3から2.5の範囲にあって差し支えない。何故ならば、より高い触媒の生産性および生成物のより高い嵩密度が得られるからである。改質化合物(A)は、約5分間から約150分間の期間に亘り約15℃から約140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、好ましくは撹拌により、工程(a)において得られた反応生成物に加えられてもよい。
【0032】
改質化合物(B)は、一般式R
11f(R
12O)
gSiX
hにより表されるケイ素化合物であり、式中、f、gおよびhは、各々、0から4の整数であり、hが4である場合、改質化合物(A)がアルコールではないという条件で、f、gおよびhの合計が4であり、Siはケイ素原子であり、Oは酸素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R
11およびR
12は、同じかまたは異なる。R
11およびR
12は、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される。R
11およびR
12は、1から20の炭素原子を有してもよい。
【0033】
適切なケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、イソブチルイソプロピルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、n−ペンチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−オクチルトリクロロシラン、イソオクチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、イソブチルメチルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジイソブチルジクロロシラン、イソブチルイソプロピルジクロロシラン、ジシクロペンチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、クロロトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、ジクロロジエトキシシランおよび/またはトリクロロエトキシシランが挙げられる。
【0034】
使用される改質化合物(B)は、好ましくは、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素、より好ましくは、イソブチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素である。何故ならば、これらの好ましい化合物を利用するこによって、生成物の分子量分布を変える能力を備えて、より高い触媒の生産性およびより高い嵩密度が得られるからである。
【0035】
改質化合物(B)対マグネシウムのモル比は、約0.01から約5.0、好ましくは約0.01から約3.0、より好ましくは約0.01から約1.0、最も好ましくは約0.01から約0.3の範囲にあって差し支えない。何故ならば、より高い触媒の生産性および生成物のより高い嵩密度が得られるからである。改質化合物(B)は、約5分間から約150分間の期間に亘り約15℃から約140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、好ましくは撹拌により、工程(a)において得られた反応生成物に加えられてもよい。
【0036】
改質化合物(C)は、一般式(R
13O)
4Mにより表される遷移金属アルコキシドであり、式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子またはバナジウム原子であり、Oは酸素原子であり、R
13は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される。R
13は、1から20の炭素原子を有してもよい。
【0037】
適切な遷移金属アルコキシド化合物としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラ−n−ペントキシド、チタンテトライソペントキシド、チタンテトラ−n−ヘキソキシド、チタンテトラ−n−ヘプトキシド、チタンテトラ−n−オクトキシド、チタンテトラシクロヘキソキシド、チタンテトラベンゾキシド、チタンテトラフェノキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ペントキシド、ジルコニウムテトライソペントキシド、ジルコニウムテトラ−n−ヘキソキシド、ジルコニウムテトラ−n−ヘプトキシド、ジルコニウムテトラ−n−オクトキシド、ジルコニウムテトラシクロヘキソキシド、ジルコニウムテトラベンゾキシド、ジルコニウムテトラフェノキシド、バナジウムテトラメトキシド、バナジウムテトラエトキシド、バナジウムテトラ−n−プロポキシド、バナジウムテトライソプロポキシド、バナジウムテトラ−n−ブトキシド、バナジウムテトライソブトキシド、バナジウムテトラ−n−ペントキシド、バナジウムテトライソペントキシド、バナジウムテトラ−n−ヘキソキシド、バナジウムテトラ−n−ヘプトキシド、バナジウムテトラ−n−オクトキシド、バナジウムテトラシクロヘキソキシド、バナジウムテトラベンゾキシド、バナジウムテトラフェノキシドまたはそれらの混合物か挙げられる。チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドおよびジルコニウムテトラ−n−ブトキシドが本発明に使用されることが好ましい。何故ならば、これらの好ましい化合物を利用するこによって、生成物の分子量分布を変える能力を備えて、より高い触媒の生産性およびより高い嵩密度が得られるからである。
【0038】
改質化合物(C)対マグネシウムのモル比は、約0.01から約5.0、好ましくは約0.01から約3.0、より好ましくは約0.01から約1.0、最も好ましくは約0.01から約0.3の範囲にあって差し支えない。何故ならば、より高い触媒の生産性、より高い嵩密度および重合における改善された水素応答が得られるからである。改質化合物(C)は、約5分間から約150分間の期間に亘り約15℃から約140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、好ましくは撹拌により、工程(a)において得られた反応生成物と反応させられてもよい。
【0039】
改質化合物(A)、(B)および(C)は、任意の順序で、または同時に、工程(a)において得られた固体マグネシウム含有担体と接触させることができる。工程(a)において得られた反応生成物に、最初に(A)を加え、次に(B)を加え、その後(C)を添加することが好ましい。何故ならば、この順序で改質化合物を添加することによって、より高い触媒の生産性およびより生成物の高い嵩密度が得られるからである。個々の触媒成分の予混物を本発明に効果的に使用することもできる。
【0040】
改質化合物(A)がメチルn−プロピルケトンであり、改質化合物(C)がチタンテトラエトキシドである場合、同じレベルのハロゲン化チタン化合物で、改質化合物(B)が、イソブチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素からなる群より先の順序で選択されると、分子量分布のさらなる増加が得られることが好ましい。
【0041】
改質化合物(B)が四塩化ケイ素であり、改質化合物(C)がチタンテトラエトキシドである、好ましい場合、同じレベルのハロゲン化チタン化合物で、改質化合物(A)が、イソブチルアルデヒド、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルn−プロピルケトンおよびイソ酪酸からなる群より先の順序で選択されると、触媒の生産性および嵩密度のさらに改善された組合せが得られる。
【0042】
本発明に使用されるハロゲン化チタン化合物は、一般式TiX
4により表され、式中、Tiはチタン原子であり、Xはハロゲン原子である。
【0043】
適切なハロゲン化チタン化合物としては、四塩化チタン、四臭化チタン、四フッ化チタンまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましいハロゲン化チタン化合物は四塩化チタンである。何故ならば、より高い触媒の生産性が得られるからである。ハロゲン化チタン化合物対マグネシウムのモル比は、約0.01から約10.0、好ましくは約0.01から約5.0、より好ましくは約0.05から約1.0の範囲にあるであろう。何故ならば、高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の良好なバランスが得られるからである。
【0044】
このハロゲン化チタン化合物は、約5分間から約150分間の期間に亘り約15℃から約140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、撹拌などによる、任意の従来の様式で、工程(a)および工程(b)を適用することによって得られた反応生成物に加えてもよい。次いで、この反応混合物を、約15℃から約140℃、好ましくは30℃から100℃、最も好ましくは50℃から80℃の温度で窒素パージにより、および/または真空により、乾燥させて、最終的な固体触媒成分を生成してもよい。
【0045】
改質化合物(C)およびハロゲン化チタン化合物のマグネシウムに対する総モル比は、約0.01から約10.0、好ましくは約0.01から約5.0、より好ましくは約0.05から約1.0の範囲にあるであろう。何故ならば、高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の良好なバランスが得られるからである。
【0046】
改質化合物(C)およびハロゲン化チタン化合物の脱水後の担体におけるヒドロキシル(OH)基に対する総モル比は、約0.01から約10.0、好ましくは約0.01から約5.0、より好ましくは約0.05から約1.0の範囲にあるであろう。何故ならば、高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の良好なバランスが得られるからである。より高いレベルでは、特に気相重合プロセスにおいて、嵩密度が減少するが、高い触媒の生産性が生じるであろう。さらに、これらの量を適用することによって、触媒調製における溶媒デカンテーション、溶媒濾過、溶媒洗浄の各工程を行う要件がなくなり、それゆえ、極めて有害な溶媒廃棄物質を生成しなくなる。
【0047】
本発明は、ここに記載されたプロセスにより得られる固体触媒成分にも関する。固相重合触媒成分は、エチレン重合および共重合のプロセスにおける高い生産性および高い嵩密度の組合せを示し、エチレンポリマーおよびコポリマーの分子量分布は、この固体触媒成分を適用することによって、調節することができる。
【0048】
さらに、本発明は、前記固体触媒成分および助触媒を含む触媒系に関する。この助触媒は、一般に、アルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミニウム、アルキルリチウムアルミニウム(lithium aluminum alkyls)、アルキル亜鉛、アルキルカルシウム、アルキルマグネシウムまたはそれらの混合物などの有機金属化合物である。好ましい助触媒は、一般式R
14nAlX
3-nにより表され、式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0から3の整数を表し、R
14は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される。R
14は、1から20の炭素原子を有してもよい。助触媒の適切な例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、およびそれらの混合物が挙げられる。助触媒が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムおよび/またはトリ−イソブチルアルミニウムであることが好ましく、助触媒がトリエチルアルミニウムであることがより好ましい。
【0049】
この助触媒は、約1から約500、より好ましくは10から250の助触媒中のアルミニウム対固体触媒成分中のチタンのモル比で使用してよい。何故ならば、高い触媒の生産性が得られるからである。
【0050】
本発明による触媒系は、ポリエチレンを得るためのスラリー相、気相または液相の従来のプロセスに適用できる。これらのプロセスは、従来技術に既に記載されており、それゆえ、当業者に十分に周知されている。エチレンホモポリマーおよびコポリマーは、当該技術分野に既に公知の重合条件下で、撹拌床反応器および流動床反応器などの気相プロセスにより、またはスラリー相プロセスにより、生成されることが好ましい。米国特許第4302565号および同第4302566号の各明細書が、気相プロセスを例証している。適切な例は、乾燥またはスラリー固体触媒供給機により供給される、気相流動床型重合反応器である。固体触媒成分は、反応器の重合速度を制御するために、反応区域内のある位置で反応器に導入されるであろう。エチレンおよび他のアルファオレフィン、水素および窒素を含む反応性ガスを反応器に導入してもよい。生成されるポリマーは、排出系を通じて反応区域から排出してもよい。反応区域内のポリマー粒子の床は、流動化媒質として働く再循環流により、反応区域内で生じる発熱を分散させるために、流動状態に維持してもよい。反応熱と圧縮熱は、反応器の温度を制御するために、外部熱交換システムにおいて再循環流から除去することができる。例えば、反応器内のイソペンタン、n−ヘキサンまたはイソヘキサンなどの炭化水素の蒸発から生じる冷却による、反応器内から熱を除去する他の手段を使用しても差し支えない。これらの炭化水素は、反応器からの熱除去容量を改善するために、成分の反応体供給物の一部として反応器に、および/または別々に反応器に、供給しても差し支えない。反応器内のガス組成物は、再循環流の組成を補うために反応性ガス、水素および窒素を供給することによって、要求される仕様を有するポリマーを生成するために一定に維持することができる。
【0051】
気相流動床型反応器のための適切な動作条件は、一般に、約50℃から約115℃、より好ましくは70℃から110℃の範囲の温度、約3バールから15バール(約300kPaから1500kPa)、より好ましくは5バールから10バール(500kPaから1MPa)のエチレン分圧、および約10バールから約40バール(約1MPaから約4MPa)、より好ましくは15バールから30バール(1.5MPaから3MPa)の総反応器圧を含む。反応器内の再循環流の流量から生じるガスの空塔速度は、約0.2m/sから約1.2m/s、より好ましくは0.2m/sから0.9m/sであろう。
【0052】
本発明によるプロセスおよび触媒系を適用することによって、エチレンホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーを生成することができる。生成されるポリエチレンの例としては、ホモポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)および超低密度ポリエチレン(VLDPE)が挙げられる;本発明にしたがって、ホモポリエチレン、LLDPE、MDPEおよびHDPEが生成されることが好ましい。本発明により得られるコポリマーの適切な例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよびそれらの混合物などの3から20の炭素原子を有する、アルファオレフィンまたはジオレフィンコモノマーとのエチレンコポリマーが挙げられるであろう。1−ブテンおよび1−ヘキセンがコモノマーとして使用されることが好ましい。必要とされるコモノマーの量は、一般に、所望の生成物の性質および使用される特定のコモノマーに依存する。当業者は、所望の生成物を得るために必要な量を容易に選択できる。一般に、本発明は、0から約30質量%の1種類以上のコモノマーおよび約70から約100質量%のエチレン単位を含有するポリマー組成物を提供する。
【0053】
従来のように水素対エチレンのモル比を変えることによって、本発明の触媒系を使用することにより、約0.1g/10分から約150g/10分、好ましくは0.3g/10分から80g/10分(190℃の温度および2.16kgの荷重でASTM D1238により測定した)の範囲のメルトインデックス(MI)を有するエチレンホモポリマーまたはコポリマーを得ることができる;水素対エチレンのモル比を増加させることによって、一般に、メルトインデックスが増加する。また、重合温度および得られるポリマーの密度を制御することによって、ポリマーのメルトインデックスを変えることもできる。本発明による触媒を使用し、コモノマー対エチレンのモル比を変えることによって、約0.850g/cm
3から約0.975g/cm
3、より好ましくは0.880g/cm
3から0.970g/cm
3の範囲のポリマー密度を得ることができる;例えば、コモノマー対エチレンのモル比を増加させると、一般に、密度が減少する。水素対エチレンのより低い比およびコモノマー対エチレンの低い比を使用して、それぞれ、目的のメルトインデックスおよび目的のポリマー密度を得ることができ、水素とコモノマーを利用する費用の要件が減少する。
【0054】
本発明によるポリエチレン組成物は、例えば、買い物バッグ、買い物袋、手で引き伸ばすラップ・フイルム、食品ラップ(食品包装用フイルム(cling film))、氷枕、冷凍食品袋、パレット用ストレッチ・ラップ・フイルム、温室用フイルム、ラミネーション、ねじ込みクロージャ、ボトルの蓋、食品容器、ビールケース(crate)、トレイ、バケツ、運送用コンテナ、工業用タンク、農業用タンク、化学品運送用ドラム、カーペット包装、ゴミ箱およびおもちゃなどの物品を製造するための、インフレーション押出、キャストフイルム押出、射出成形および回転成形に使用してよい。この組成物は、例えば、滑剤、充填剤、加工安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、相溶化剤、帯電防止剤、加工助剤および顔料などの添加剤も含有してよい。
【0055】
欧州特許出願公開第0244678A1号明細書には、固体触媒成分を調製するプロセスであって、シリカをn−ブチルエーテルでスラリーにし、n−BuMgClと反応させ、n−ブチルエーテルとn−ヘプタンで多数回洗浄し、真空乾燥させて、固体中間体を得て、別の容器に移し、この中間体をn−ヘプタンと、また同時に、Ti(OBu)
4およびSi(OEt)
4とで処理し、再びn−BuMgClと反応させ、n−ヘプタンで多数回洗浄し、真空乾燥させて、固体中間体を得て、別の容器に移し、この中間体をモノクロロベンゼンおよびフタル酸ジイソブチルで処理し、この反応混合物に固液分離を行い、n−ヘプタンで多数回洗浄し、モノクロロベンゼン、n−ブチルエーテルおよび四塩化チタンで処理し、その反応混合物に固液分離を行い、モノクロロベンゼンで多数回洗浄し、再びモノクロロベンゼン、n−ブチルエーテルおよび四塩化チタンで処理し、n−ヘプタンで多数回洗浄し、真空乾燥させる各工程を含むプロセスが開示されている。
【0056】
欧州特許出願公開第0244678A1号明細書に開示された固体触媒成分は、AlEt
3およびフェニルトリエトキシシランの存在下でプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーを重合させるために使用される。欧州特許出願公開第0244678A1号明細書は、エチレンのポリマーの製造には関せず、触媒調製のプロセス中に過剰の触媒成分を使用している。
【0057】
さらに、触媒調製における芳香族エステルの使用と組み合わされた、高レベルの溶媒による多数回の溶媒洗浄により、高レベルの有害な溶媒廃棄物質が生じる。欧州特許出願公開第0244678A1号明細書の触媒合成工程では、本発明によるプロセスと比べて、より複雑な触媒組成物および固体触媒組成物の調製プロセスが必要である。
【0058】
さらに、本発明によるプロセスと比べて、異なるシリカ脱水温度が欧州特許出願公開第0244678A1号明細書で適用される。
【0059】
欧州特許出願公開第0244678A1号明細書には、塩化n−ブチルマグネシウムのための溶媒および触媒の溶媒洗浄工程のための溶媒として、四塩化チタンとの混合物である、n−ブチルエーテルが固体触媒成分の合成において、多種多様に使用されることが開示されている。反対に、本発明によるプロセスでは、エーテル化合物は使用されない。欧州特許出願公開第0244678A1号明細書には、様々な温度での塩化n−ブチルマグネシウムによる2回の処理の使用が開示されているのに対し、本発明によるプロセスでは、ジ−n−ブチルマグネシウムによるたった1回の処理が使用される。触媒組成物中の塩化n−ブチルマグネシウムとジ−n−ブチルマグネシウムとの交換は、様々な触媒組成物を生成する触媒中の他の成分との反応性に著しい差があるために、単純ではない。さらに、本発明によるプロセスに使用されるジ−n−ブチルマグネシウムと比べて、欧州特許出願公開第0244678A1号明細書のプロセスにおいて、過剰なレベルの塩化n−ブチルマグネシウムが使用される。
【0060】
別の違いは、シリカ1グラム当たり3.69ミリモルである欧州特許出願公開第0244678A1号明細書におけるSi(OEt)
4の量に関するのに対し、本発明によるプロセスでは、シリカ1グラム当たり0.10ミリモルのケイ素化合物が使用される。本発明のプロセスとは対照的に、欧州特許出願公開第0244678A1号明細書において、固体触媒成分の合成に、Ti(OBu)
4およびSi(OEt)
4が同時に添加され、その後、フタル酸ジイソブチルが添加され、次いで、n−ブチルエーテルおよび四塩化チタンが添加されるのに対して、本発明においては、各個別の成分について反応時間を伴って、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよびアルコールが連続的に添加され、その後、ケイ素化合物が、次いで、遷移金属(チタン、バナジウムおよびジルコニウム)アルコキシド化合物と、最後に、四塩化チタンが添加される。
【0061】
さらに別の違いは、欧州特許出願公開第0244678A1号明細書における芳香族エステルのフタル酸ジイソブチルの使用に関し、これは洗浄中の有害な溶媒廃棄物質の生成と、最終的なポリマー生成物における残留物の生成に関する懸念である。本発明によるプロセスでは、酢酸エチルと酢酸n−ブチルなどの非芳香族エステル、カルボン酸、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよびアルコールが使用される。その上、本発明によるプロセスでは、芳香族炭化水素もハロゲン化炭化水素も使用されない。欧州特許出願公開第0244678A1号明細書には、エーテル化合物と四塩化チタンとの混合物の多数回の処理が開示されているのに対し、本発明によるプロセスでは、エーテル化合物は使用されず、四塩化チタンによるたった1回の処理が行われる。
【0062】
欧州特許出願公開第0244678A1号明細書の固体触媒成分の合成は、3種類の異なる溶媒による12回の溶媒洗浄工程、2回の中間体の乾燥と容器移送の工程、および2回の固液分離工程を含む。これらの工程の各々は、特に、各触媒成分の過剰レベル、および欧州特許出願公開第0244678A1号明細書に使用される希釈液と溶媒の性質のために、複雑であり、時間を要し、実施するのに費用がかかり、高レベルの極めて有害な溶媒廃棄物質を生成する。欧州特許出願公開第0244678A1号明細書は、少なくとも1回の50℃から120℃での芳香族炭化水素溶媒またはハロゲン化炭化水素溶媒による洗浄工程と、数回の脂肪族炭化水素溶媒による洗浄工程とを選択している。本発明によるプロセスでは、溶媒洗浄工程、中間体の乾燥と容器移送工程または固液分離は必要ない。
【0063】
欧州特許出願公開第0032309A2号明細書には、合計で25回の溶媒洗浄工程(各工程で高レベルの溶媒を使用する)、5回のデカンテーション工程、3回の濾過工程、1回の乾燥工程および3回の再懸濁工程を含む複雑な多段階プロセスが開示されている。固体触媒組成物を調製するこのプロセスは、シリカをイソパラフィン画分でスラリーにし、第一級と第二級のジブチルマグネシウムの等モル混合物と反応させ、上清をデカンテーションし、イソパラフィン画分で多数回洗浄し、イソパラフィン画分中に再懸濁させ、中間体をSiCl
4で処理し、上清をデカンテーションし、イソパラフィン画分で多数回洗浄し、濾過し、中間体をイソパラフィン画分中の安息香酸エチルで処理し、上清をデカンテーションし、イソパラフィン画分で多数回洗浄し、濾過し、中間体を四塩化チタンで処理し、上清をデカンテーションし、異なる温度でイソパラフィン画分で多数回洗浄し、イソパラフィン画分中に再懸濁させ、濾過し、真空下で乾燥させ、固体中間体の一部を採取し、別の容器に移してイソパラフィン画分を加え、Ti(OBu)
4で処理し、上清をデカンテーションし、イソパラフィン画分で多数回洗浄し、最後に、イソパラフィン画分中に再懸濁させる各工程を含む。前記工程の各々は、特に、各成分の過剰なレベルおよび使用される溶媒の性質のために、複雑であり、時間を要し、実施するのに必要がかかり、高レベルの極めて有害な溶媒廃棄物質を生成する。
【0064】
欧州特許出願公開第0032309A2号明細書には、第一級と第二級のジブチルマグネシウムの等モル混合物の反応が開示されているが、本発明によるプロセスでは、この説明に定義されたMgR
1R
2が使用される。ジブチルマグネシウムの異なる立体性質のために、欧州特許出願公開第0032309A2号明細書のプロセスと本発明によるプロセスを比べると、触媒の他の成分との著しい異なる反応速度および結果として異なる触媒組成物が得られる。欧州特許出願公開第0032309A2号明細書には、第1の成分SiCl
4の、シリカ上に担持された第2の成分ジブチルマグネシウムとの、周囲温度での60時間と、その後の80℃での4時間に亘る直接の反応により、シリカ上に塩素化マグネシウム錯体が形成されることが開示されている。また、欧州特許出願公開第0032309A2号明細書において、過剰なレベルのSiCl
4が使用され、これにより、シリカ上のマグネシウム錯体の完全な塩素化が生じる。欧州特許出願公開第0032309A2号明細書において、SiCl
4の添加後に、安息香酸エチルが添加される。芳香族エステルの要件は、洗浄中の有害な溶媒廃棄物質の生成と、最終的なポリマー生成物における残留物の生成に関する懸念である。
【0065】
本発明によるプロセスにおいて、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよびアルコールの、シリカ上に担持されたジ−n−ブチルマグネシウムとの直接の反応後にケイ素化合物が添加され、次いで、遷移金属アルコキシド化合物が添加され、次に、四塩化チタンが添加される。これらの添加は、溶媒洗浄工程、デカンテーション工程、濾過工程、中間体乾燥および容器移送工程または再懸濁工程のいずれも行わずに、1つの触媒調製容器内で行われる。本発明によるプロセスにおいて、触媒調製の全プロセスが1つの容器内で行われる。
【0066】
さらに、本発明によるプロセスと比べて、欧州特許出願公開第0032309A2号明細書では、異なるシリカ脱水温度が適用される。
【0067】
欧州特許出願公開第0032309A2号明細書と本発明との間の触媒調製における違いにより、完全に異なる触媒組成物が形成される。欧州特許出願公開第0032309A2号明細書における重合において、低い触媒生産性が得られる。
【0068】
欧州特許出願公開第1052266A1号明細書には、固体触媒成分を調製するプロセスであって、脱水(5時間に亘り700℃)シリカをヘキサンでスラリーにし、1時間に亘り50℃でジブチルマグネシウムと反応させ、2時間に亘り50℃で1−ブタノールと反応させ、1時間に亘り50℃で四塩化ケイ素と反応させ、1時間に亘り50℃で四塩化チタンと反応させ、強力な窒素流で溶媒を除去し、真空乾燥して、固体触媒成分を得る各工程を含むプロセスが開示されているのに対し、本発明のプロセスでは、触媒調製において、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよびアルコールが、シリカ上に担持されたジ−n−ブチルマグネシウムと直接反応させられ、次いで、ケイ素化合物が添加され、次いで、遷移金属アルコキシド化合物が添加され、次に、四塩化チタンが添加される。欧州特許出願公開第1052266A1号明細書において、0.66のSiCl
4対Mgのモル比が使用されているのに対し、本発明によるプロセスでは、より高い触媒生産性およびより高い嵩密度が得られるので、ケイ素化合物対Mgのモル比は最も好ましくは0.01と0.3の間に及ぶ。他の違いは、触媒調製において本発明のプロセスと比べて欧州特許出願公開第1052266A1号明細書では、シリカ脱水温度、溶媒の性質、より高いレベルの触媒成分、より長い反応時間およびより高い反応温度に関する。
【0069】
欧州特許出願公開第1052266A1号明細書によるプロセスの得られるLLDPE生成物は、広い分子量分布およびかなり低い生産性を示す。
【0070】
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明はそれにより制限されない。
【実施例】
【0071】
シリカは、Sylopol 955(44マイクロメートルの平均粒径、303m
2/gの表面積、および1.57cm
3/gの細孔容積)の商標名でGrace Davison社から購入した。触媒調製に使用する前に、シリカを垂直カラム内に入れ、窒素流で流動化させ、そのカラムを600℃に徐々に加熱し、次いで、その温度を4時間に亘り保持することによってシリカを脱水し、その後、シリカを約25℃の周囲温度に冷却した。
【0072】
脱水後に、シリカ1グラム当たりのヒドロキシル(OH)基の含有量を決定するために、2つの手法を使用した:
シリカ中のヒドロキシル基の含有量を決定するために使用した方法の1つは、J.J. Fripiat and J. Uytterhoeven, J. Phys. Chem. 66, 800, 1962に記載された方法に基づくものであった。脱水したシリカサンプルを、テトラヒドロフラン中の過剰のヨウ化メチルマグネシウム溶液で処理した。デジタル式圧力変換器に接続されたフラスコに、2.0gのシリカおよび10.0cm
3のデカヒドロナフタレンを加えた。次いで、このフラスコに、テトラヒドロフラン中のヨウ化メチルマグネシウムの3.0モル濃度溶液2.0cm
3を加え、フラスコの内容物を30分間に亘り撹拌した。全ての化合物の添加は、窒素雰囲気下で行った。シリカのヒドロキシル基をヨウ化メチルマグネシウムと反応させて、等モル量のメタンを生成し、その結果、フラスコ内の圧力が増加した。初期圧力と、所定の温度での反応後の圧力との差を測定し、得られた値を使用して、シリカのヒドロキシル基の含有量を計算した。
【0073】
シリカ中のヒドロキシル基の含有量を決定するために使用した別の方法は、溶媒として重水素化されたテトラヒドロフランと共に室温で5mmのプローブを使用した、Bruker 600 MHz NMR分光計での、
1H NMR分光法によるものであった。脱水したシリカサンプルをテトラヒドロフラン中の過剰の塩化ベンジルマグネシウム溶液で処理した。窒素雰囲気下でバイアル中に、0.2gのシリカおよび1.0質量%の濃度の塩化ベンジルマグネシウム溶液3.0gを添加した。このバイアルを30分間に亘り撹拌した。シリカのヒドロキシル基を塩化ベンジルマグネシウムと反応させて、等モル量のトルエンを生成した。生成されたトルエンの量を
1H NMR分光法により決定し、生成されたトルエンの量に基づいて、シリカのヒドロキシル基の含有量を計算した。
【0074】
実施例に用いた脱水シリカサンプルの全ては、上述したシリカのヒドロキシル基の含有量の分析手法の両方によって、シリカ1グラム当たり0.90から1.00ミリモルのヒドロキシル基を含有することが分かった。
【0075】
ポリマー樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を決定するために、1.0cm
3/分の流量および溶媒としての1,2,4−トリクロロベンゼンを使用して、160℃でPolymer Lab PL−220装置でゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析を行った。
【0076】
ポリマー樹脂のメルトインデックス(MI)を、190℃の温度および2.16kgの荷重でASTM D1238にしたがって測定した。
【0077】
ポリマーの密度は、ASTM D2389にしたがって密度勾配カラムを使用して測定した。
【0078】
嵩密度は、ASTM D1895にしたがって測定した。
【0079】
ポリマーの微粒子%は、ASTM D1921にしたがって測定した。
【0080】
1%割線係数は、ASTM D882にしたがって測定した。
【0081】
破断点引張強さは、ASTM D882にしたがって測定した。
【0082】
破断点引張伸びは、ASTM D882にしたがって測定した。
【0083】
光沢(60°の角度)は、ASTM D2457にしたがって測定した。
【0084】
実施例1
固体触媒成分Xの合成
窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ2.5gを40cm
3のフラスコに入れた。15cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、2.5ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに3.5ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに0.25ミリモルのテトラエトキシシランを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。次に、フラスコに0.25ミリモルのチタンテトラエトキシドを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに1.50ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、60分間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0085】
実施例2
重合
2.0リットルの容積を有するオートクレーブ反応器を30分間に亘り130℃で窒素でパージした。55℃に冷却した後、反応器を水素でパージし、次いで、この反応器に1.0リットルのイソペンタンを入れた。次いで、反応器を、3.0バール(300kPa)の水素圧まで加圧した。反応器の圧力を20.0バール(2MPa)まで上昇させるように、反応器にエチレンを導入し、反応器の温度を85℃に上昇させた。次いで、1.2ミリモルのトリエチルアルミニウムTEAを反応器に注入した。この後に、20cm
3のイソペンタン中でスラリーにされた後の50.0mgの固体触媒成分Xを注入した。反応器の総圧を20.0バール(2MPa)に維持するように要求に応じてエチレンを供給しながら、重合を1時間に亘り行った。0.405g/cm
3の樹脂嵩密度、2800gPE/g触媒の触媒生産性、35402g/モルのMn、147119g/モルのMwおよび4.16のMWDを有する、140グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0086】
実施例3
固体触媒成分Yの合成
1.75ミリモルの四塩化チタンを加えたことを除いて、実施例1を繰り返した。
【0087】
実施例4
重合
固体触媒成分Yを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.416g/cm
3の樹脂嵩密度、3400gPE/g触媒の触媒生産性、29177g/モルのMn、124349g/モルのMwおよび4.26のMWDを有する、170グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0088】
実施例5
固体触媒成分Zの合成
テトラエトキシシラン(Si(OEt)
4)の代わりに、四塩化ケイ素(SiCl
4)を加えたことを除いて、実施例1を繰り返した。
【0089】
実施例6
重合
固体触媒成分Zを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.381g/cm
3の樹脂嵩密度、3000gPE/g触媒の触媒生産性、25209g/モルのMn、127784g/モルのMwおよび5.07のMWDを有する、150グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0090】
実施例7
固体触媒成分Dの合成
1.75ミリモルの四塩化チタンを加えたことを除いて、実施例5を繰り返した。
【0091】
実施例8
重合
固体触媒成分Dを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.363g/cm
3の樹脂嵩密度、5060gPE/g触媒の触媒生産性、25692g/モルのMn、133859g/モルのMwおよび5.21のMWDを有する、253グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0092】
実施例9
固体触媒成分Eの合成
四塩化ケイ素の代わりに、ジメチルジクロロシラン(Me
2SiCl
2)を加えたことを除いて、実施例7を繰り返した。
【0093】
実施例10
重合
固体触媒成分Eを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.402g/cm
3の樹脂嵩密度、3180gPE/g触媒の触媒生産性、24151g/モルのMn、121935g/モルのMwおよび5.05のMWDを有する、159グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0094】
実施例11
固体触媒成分Fの合成
ジメチルジクロロシランの代わりに、n−ブチルトリクロロシラン(n−BuSiCl
3)を加えたことを除いて、実施例9を繰り返した。
【0095】
実施例12
重合
固体触媒成分Fを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.420g/cm
3の樹脂嵩密度、3280gPE/g触媒の触媒生産性、32056g/モルのMn、150236g/モルのMwおよび4.69のMWDを有する、164グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0096】
実施例13
固体触媒成分Gの合成
n−ブチルトリクロロシランの代わりに、イソブチルトリメトキシシランを加えたことを除いて、実施例11を繰り返した。
【0097】
実施例14
重合
固体触媒成分Gを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.430g/cm
3の樹脂嵩密度、4920gPE/g触媒の触媒生産性、42793g/モルのMn、171173g/モルのMwおよび4.00のMWDを有する、246グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0098】
実施例15
固体触媒成分Hの合成
イソブチルトリメトキシシランの代わりに、n−プロピルトリエトキシシランを加えたことを除いて、実施例13を繰り返した。
【0099】
実施例16
重合
固体触媒成分Hを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.424g/cm
3の樹脂嵩密度、3300gPE/g触媒の触媒生産性、31381g/モルのMn、125801g/モルのMwおよび4.01のMWDを有する、165グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0100】
実施例17
固体触媒成分Iの合成
チタンテトラエトキシドの代わりに、チタンテトラ−n−ブトキシドを加えたことを除いて、実施例3を繰り返した。
【0101】
実施例18
重合
固体触媒成分Iを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.430g/cm
3の樹脂嵩密度、3200gPE/g触媒の触媒生産性、30644g/モルのMn、127434g/モルのMwおよび4.16のMWDを有する、160グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0102】
実施例19
固体触媒成分Jの合成
メチルn−プロピルケトンの代わりに、酢酸n−ブチルを加えたことを除いて、実施例3を繰り返した。
【0103】
実施例20
重合
固体触媒成分Jを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.367g/cm
3の樹脂嵩密度、3260gPE/g触媒の触媒生産性、42970g/モルのMn、185125g/モルのMwおよび4.31のMWDを有する、163グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0104】
実施例21
固体触媒成分Kの合成
テトラエトキシシランの代わりに、四塩化ケイ素を加えたことを除いて、実施例19を繰り返した。
【0105】
実施例22
重合
固体触媒成分Kを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.378g/cm
3の樹脂嵩密度、4280gPE/g触媒の触媒生産性、27990g/モルのMn、170670g/モルのMwおよび6.10のMWDを有する、214グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0106】
実施例23
固体触媒成分Lの合成
酢酸n−ブチルの代わりに、酢酸エチルを加えたことを除いて、実施例21を繰り返した。
【0107】
実施例24
重合
固体触媒成分Lを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.370g/cm
3の樹脂嵩密度、3460gPE/g触媒の触媒生産性、26027g/モルのMn、117615g/モルのMwおよび4.52のMWDを有する、173グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0108】
実施例25
固体触媒成分Mの合成
酢酸エチルの代わりに、イソブチルアルデヒドを加えたことを除いて、実施例23を繰り返した。
【0109】
実施例26
重合
固体触媒成分Mを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.380g/cm
3の樹脂嵩密度、3100gPE/g触媒の触媒生産性、29957g/モルのMn、121536g/モルのMwおよび4.06のMWDを有する、155グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0110】
実施例27
固体触媒成分Nの合成
酢酸n−ブチルの代わりに、塩化エタノイルを使用し、1.00ミリモルの四塩化チタンを加えたことを除いて、実施例19を繰り返した。
【0111】
実施例28
重合
固体触媒成分Nを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.391g/cm
3の樹脂嵩密度、3700gPE/g触媒の触媒生産性、25543g/モルのMn、148403g/モルのMwおよび5.81のMWDを有する、185グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0112】
実施例29
固体触媒成分Oの合成
1.50ミリモルの四塩化チタンを加えたことを除いて、実施例27を繰り返した。
【0113】
実施例30
重合
固体触媒成分Oを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.402g/cm
3の樹脂嵩密度、4400gPE/g触媒の触媒生産性、25615g/モルのMn、163568g/モルのMwおよび6.39のMWDを有する、220グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0114】
実施例31
固体触媒成分Pの合成
イソブチルアルデヒドの代わりに、1.5ミリモルの酢酸を加えたことを除いて、実施例25を繰り返した。
【0115】
実施例32
重合
固体触媒成分Pを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.355g/cm
3の樹脂嵩密度、4500gPE/g触媒の触媒生産性、37466g/モルのMn、164144g/モルのMwおよび4.38のMWDを有する、225グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0116】
実施例33
固体触媒成分Qの合成
メチルn−プロピルケトンの代わりに、イソ酪酸を加え、チタンテトラエトキシドの代わりに、チタンテトラ−n−ブトキシドを加えたことを除いて、実施例15を繰り返した。
【0117】
実施例34
重合
固体触媒成分Qを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.425g/cm
3の樹脂嵩密度、3280gPE/g触媒の触媒生産性、38861g/モルのMn、153909g/モルのMwおよび3.96のMWDを有する、164グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0118】
実施例35
固体触媒成分Rの合成
イソブチルアルデヒドの代わりに、イソ酪酸を加えたことを除いて、実施例25を繰り返した。
【0119】
実施例36
重合
固体触媒成分Rを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.404g/cm
3の樹脂嵩密度、5240gPE/g触媒の触媒生産性、28081g/モルのMn、130571g/モルのMwおよび4.65のMWDを有する、262グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0120】
実施例37
固体触媒成分Sの合成
メチルn−プロピルケトンの代わりに、エタノールを加えたことを除いて、実施例11を繰り返した。
【0121】
実施例38
重合
固体触媒成分Sを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.380g/cm
3の樹脂嵩密度、3200gPE/g触媒の触媒生産性、39565g/モルのMn、139533g/モルのMwおよび3.53のMWDを有する、160グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0122】
実施例39
固体触媒成分Tの合成
エタノールの代わりに、sec−ブタノールを加えたことを除いて、実施例37を繰り返した。
【0123】
実施例40
重合
固体触媒成分Tを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.385g/cm
3の樹脂嵩密度、3540gPE/g触媒の触媒生産性、24880g/モルのMn、111309g/モルのMwおよび4.47のMWDを有する、177グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0124】
実施例41
固体触媒成分Uの合成
チタンテトラエトキシドの代わりに、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドを加えたことを除いて、実施例7を繰り返した。
【0125】
実施例42
重合
固体触媒成分Uを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.408g/cm
3の樹脂嵩密度、3220gPE/g触媒の触媒生産性、27951g/モルのMn、121852g/モルのMwおよび4.36のMWDを有する、161グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0126】
実施例43
固体触媒成分Vの合成
メチルn−プロピルケトンの代わりに、酢酸n−ブチルを加えたことを除いて、実施例41を繰り返した。
【0127】
実施例44
重合
固体触媒成分Vを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.388g/cm
3の樹脂嵩密度、3500gPE/g触媒の触媒生産性、34360g/モルのMn、135596g/モルのMwおよび3.95のMWDを有する、175グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0128】
実施例45
固体触媒成分Wの合成
チタンテトラエトキシドの代わりに、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドを加えたことを除いて、実施例39を繰り返した。
【0129】
実施例46
重合
固体触媒成分Wを使用したことを除いて、実施例2を繰り返した。0.387g/cm
3の樹脂嵩密度、4420gPE/g触媒の触媒生産性、32122g/モルのMn、127315g/モルのMwおよび3.96のMWDを有する、221グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0130】
比較例1
固体触媒成分CE−1の合成
窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ2.5gを40cm
3のフラスコに入れた。15cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、2.5ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに3.5ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに1.50ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、60分間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0131】
比較例2
重合
2.0リットルの容積を有するオートクレーブ反応器を30分間に亘り130℃で窒素でパージした。55℃に冷却した後、反応器を水素でパージし、次いで、この反応器に1.0リットルのイソペンタンを入れた。次いで、反応器を、3.0バール(300kPa)の水素圧まで加圧した。反応器の圧力を20.0バール(2MPa)まで上昇させるように、反応器にエチレンを導入し、反応器の温度を85℃に上昇させた。次いで、1.2ミリモルのトリエチルアルミニウムTEAを反応器に注入した。この後に、20cm
3のイソペンタン中でスラリーにされた後の50.0mgの固体触媒成分CE−1を注入した。反応器の総圧を20.0バール(2MPa)に維持するように要求に応じてエチレンを供給しながら、重合を1時間に亘り行った。0.351g/cm
3の樹脂嵩密度、2060gPE/g触媒の触媒生産性、30331g/モルのMn、149471g/モルのMwおよび4.93のMWDを有する、103グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0132】
比較例3
固体触媒成分CE−2の合成
1.75ミリモルのTiCl
4を使用したことを除いて、比較例1を繰り返した。
【0133】
比較例4
重合
固体触媒成分CE−2を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.356g/cm
3の樹脂嵩密度、2840gPE/g触媒の触媒生産性、26995g/モルのMn、125419g/モルのMwおよび4.65のMWDを有する、142グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0134】
比較例5
固体触媒成分CE−3の合成
メチルn−プロピルケトンの代わりに、酢酸エチルを使用したことを除いて、比較例3を繰り返した。
【0135】
比較例6
重合
固体触媒成分CE−3を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.354g/cm
3の樹脂嵩密度、2120gPE/g触媒の触媒生産性、45912g/モルのMn、209785g/モルのMwおよび4.57のMWDを有する、106グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0136】
比較例7
固体触媒成分CE−4の合成
酢酸エチルの代わりに、イソ酪酸を使用したことを除いて、比較例5を繰り返した。
【0137】
比較例8
重合
固体触媒成分CE−4を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.351g/cm
3の樹脂嵩密度、2240gPE/g触媒の触媒生産性、39505g/モルのMn、146036g/モルのMwおよび3.70のMWDを有する、112グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0138】
比較例9
固体触媒成分CE−5の合成
イソ酪酸の代わりに、エタノールを使用したことを除いて、比較例7を繰り返した。
【0139】
比較例10
重合
固体触媒成分CE−5を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.262g/cm
3の樹脂嵩密度、2760gPE/g触媒の触媒生産性、39727g/モルのMn、160451g/モルのMwおよび4.04のMWDを有する、138グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0140】
比較例11
固体触媒成分(CE−6)の合成
窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ2.5gを40cm
3のフラスコに入れた。15cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、2.5ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに0.25ミリモルのテトラエトキシシランを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに1.75ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、60分間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0141】
比較例12
重合
固体触媒成分CE−6を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.293g/cm
3の樹脂嵩密度および300gPE/g触媒の触媒生産性を有する、15グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0142】
比較例13
固体触媒成分(CE−7)の合成
窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ2.5gを40cm
3のフラスコに入れた。15cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、2.5ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに3.5ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに0.25ミリモルのテトラエトキシシランを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに1.75ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、60分間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0143】
比較例14
重合
固体触媒成分CE−7を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.360g/cm
3の樹脂嵩密度、2200gPE/g触媒の触媒生産性、35705g/モルのMn、140763g/モルのMwおよび3.94のMWDを有する、110グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0144】
比較例15
固体触媒成分CE−8の合成
メチルn−プロピルケトンの代わりに、エタノールを使用したことを除いて、比較例13を繰り返した。
【0145】
比較例16
重合
固体触媒成分CE−8を使用したことを除いて、比較例2を繰り返した。0.355g/cm
3の樹脂嵩密度、1720gPE/g触媒の触媒生産性、51177g/モルのMn、191206g/モルのMwおよび3.74のMWDを有する、86グラムのホモポリエチレンが回収された。
【0146】
実施例47
固体触媒成分SS−1のスケールアップ合成
実施例1に記載された固体触媒成分Xのスケールアップを行った。窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ325gを10リットルのフラスコに入れた。1950cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、325.0ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに455.0ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに32.5ミリモルのテトラエトキシシランを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。次に、フラスコに32.5ミリモルのチタンテトラエトキシドを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに195.0ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、3.5時間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0147】
比較例17
固体触媒成分CE−9の合成
比較例1に記載された固体触媒成分CE−1のスケールアップを行った。窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ320gを10リットルのフラスコに入れた。1920cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、320.0ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに448.0ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに192.0ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、3.5時間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0148】
実施例48
固体触媒成分SS−2のスケールアップ合成
実施例3に記載された固体触媒成分Yのスケールアップを行った。窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ340gを10リットルのフラスコに入れた。2040cm
3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、340.0ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに476.0ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに34.0ミリモルのテトラエトキシシランを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。次に、フラスコに34.0ミリモルのチタンテトラエトキシドを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに238.0ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、3.5時間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。
【0149】
実施例49から52および比較例18および19
重合
流動床気相式重合反応器における、1.0g/10分のメルトインデックスおよび0.918g/cm
3のポリマー密度を有する1−ブテン直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の合成に、固体触媒成分SS−1、固体触媒成分SS−2および固体触媒成分CE−9を使用した。流動床気相式重合反応器は、45cmの内径を有し、140cmの反応区域の高さで動作した。毎時10kgの生産速度を維持するために、乾燥固体触媒供給機を使用して、反応器に固体触媒成分を供給した。エチレン、1−ブテン、水素および窒素を反応器に導入して、要求される仕様を有するポリマーを生成した。イソペンタン中5質量%のトリエチルアルミニウム(助触媒)を毎時0.08kgの供給速度で反応器に連続的に導入した。反応器の温度を86℃に、エチレンの分圧を7.0バール(700kPa)に、反応器の総圧を20.7バール(2.07MPa)に、そして空塔速度を0.42m/sに維持した。上述した固体触媒成分の各々を、流動床気相式重合反応器内で連続3日間に亘り実験した。対応する重合データが表4に報告されている。
【0150】
200ppmのIrganox 1076、500ppmのステアリン酸亜鉛および800ppmのWeston 399をHenschelミキサ内に添加剤として加え、5分間に亘り一緒に混合し、固体触媒成分SS−1、固体触媒成分SS−2および固体触媒成分CE−9を使用して、25kgの1−ブテン直鎖状低密度ポリエチレンを生成した。化合された材料を以下の条件下でZSK−30二軸スクリュー押出機を使用してペレット化した:130℃から210℃の温度プロファイル、200rpmのスクリュー速度、30mmのスクリュー直径、26のスクリューの長さ対直径の比および毎時20kgの生産速度。得られたペレットを、以下の条件下でBatenfield装置を使用して、25マイクロメートルのインフレートフイルムに転換させた:190℃から200℃の温度プロファイル、60rpmのスクリュー速度、60mmのスクリューの直径、27のスクリューの長さ対直径の比、2.3mmのダイギャップ、40cmのフロストライン高さ、2.5:1のブローアップ比(BUR)および毎時58kgの生産速度。固体触媒成分SS−1、固体触媒成分SS−2および固体触媒成分CE−9を使用を使用して得られたフイルム製品の評価が、表5に報告されている。
【0151】
実施例において得られた固体触媒成分は、より高い触媒の生産性およびエチレンのポリマーとコポリマーのより高い嵩密度の組合せを示すと同時に、分子量分布が制御されている。
【0152】
スラリー重合に示された触媒の利点に加え、気相流動床型重合においても、より高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の組合せが観察される(表4参照)。さらに、より低いレベルのポリマー微粒子、より低い水素対エチレンのモル比、およびより低い1−ブテン対エチレンのモル比を使用して、1.0g/10分のメルトインデックスおよび0.918g/cm
3の密度を有するポリマーが得られる(表4における、実施例49と50対比較例18を参照のこと)。対応するインフレートフイルム製品の特徴は、流れ方向(MD)および横断方向(TD)における改善された剛性(1%割線係数により測定)、流れ方向(MD)および横断方向(TD)における改善された破断点引張強さ、流れ方向(MD)および横断方向(TD)における改善された破断点引張伸び%、および改善された光沢(60°の角度)を示した(表5における実施例51と52対比較例19を参照のこと)。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】