(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記荷物の内部又は近接内に位置するセンサーのプロファイルであって、前記センサーが収集できるデータを示す、プロファイルを識別するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
配達経路候補の一つ以上のロケーションベースの制限に従って、前記荷物の配達経路を判定するステップをさらに含み、前記の判定された配達経路の前記一つ以上のロケーションベースの制限が、前記荷物の配達中に前記のセンサーの収集が許可されるデータの量を最大にする、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、概して、配達ネットワークにおいて荷物に関連付けられた一つ以上のセンサーから収集された情報の収集及び配信に関する。センサーは、荷物に関連付けられた情報を収集するために使用され、収集された情報は、収集された情報を配信するか、そうでなければ、収集された情報へのアクセスを提供する、配信サービスを実現する。収集された情報の収集、或いは配信又はアクセスは、荷物、荷物を運送するために使用される経路の一部又は全て、及び/又は荷物に関連付けられたロケーション情報と関連付けられた制限情報に従う。
【0015】
説明されるように、どの制限がセンサー収集可能情報の収集及び/又は配信に適用されるかに対する状況が存在する。例えば、所定の国は、例えば、センサー収集可能情報の収集及び/又は配信(又はアクセス)、或いはセンサー収集可能情報の所定の種類を制限するために適用する規制を有する場合がある。これらの制限を反映する情報は、データベースシステム等のデータレポジトリに記憶されてもよい。
【0016】
一例における配達ネットワークは、飛行機、列車、トラック、及び任意の種類の物品を運搬するための他の手段等、運輸車両のネットワークを備える。配達ネットワークは、発送元(例えば発送人)から荷物を収集し、荷物を発送先(例えば、受取人)へ配達するために使用されてもよい。
【0017】
品物は典型的に、荷物を形成するために容器内に保たれる。このように、荷物は、一つ以上の種類の物品を含むことができ、例えば、生もの又は規制物質を含む、発送元と発送先との間の運搬過程の一部又は全ての間、特定の条件を要求する。荷物の特定の形状又は寸法は、この説明では特に重要ではない。配達ネットワークは、多様な形状及び寸法の荷物を配達できる。
【0018】
いくつかの実施形態において、荷物は、出荷するために預けられた後、その独自の識別子を有してもよい。しかしながら、荷物は他の荷物とともに移動してもよく、したがって、小型トラック、飛行機、ULD(Unit Load Device)又は容器等の物理的グループに分けられて送られてもよい。このように荷物がグループ分けされると、個別の識別子の代わりに、グループの識別子に関連付けられてもよい。例えば、荷物は、預けられた際は個別の識別子を有してもよいが、次いで、運搬のために他の荷物とともに容器に入れた後、容器番号によって識別されてもよい。この荷物の識別子の再関連付けは、運送中に複数回発生してもよく、典型的に、項目の統合(consolidation)と呼ばれる。例えば、容器内で移動した後、荷物は、次いで、小型トラックに移されてもよく、小型トラックの識別子に関連付けられてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、荷物のロケーションは、統合された識別子の収集を通じて判定される。例えば、バックエンド(back−end)は、容器内の一つ以上のセンサーを使用して、容器全体のロケーションを判定してもよい。このように、容器の識別子に関連付けられた荷物の全ては、容器内に位置し、このロケーション情報も有する。このように、容器内の荷物に関連付けられた個別のセンサーは、統合された識別子から、それらのロケーション及び対応するルールを派生してもよい。このように、容器内のセンサーが情報を共有してもよい。
【0020】
一例示的実施形態において、一つ以上のセンサーが荷物に関連付けられてもよく、即ち、一つ以上のセンサーが荷物内に位置しても、荷物に添付されても、その他荷物の周辺内部に位置してもよい。荷物に対するセンサーの正確なロケーション(例えば、内部、添付、周辺内部、又は近接内)は重要ではなく、重要なことは、一つ以上のセンサーが荷物及び/又は荷物の内容に関連付けられた特定の種類の情報を有効に収集できることである。例えば、このセンサー収集可能情報は、荷物の外部及び/又は内部の温度、荷物の内部又は周囲の湿度、荷物の内部又は周囲の水分レベル、荷物の高度、及びセンサーが収集できる任意の他の条件を含む、任意の所与の時間の荷物又は荷物の内容に関連付けられた地理的ロケーション及び/又は他の条件を含んでもよい。
【0021】
一例示的実施形態において、制限情報を含むメモリ又はデータベース等の情報レポジトリは、荷物に関連付けられた一つ以上のセンサーが(発送元から発送先への配達ネットワーク内の運搬中に)、荷物の収集可能な情報を収集する前に、参照されてもよい。このように、特定(又は各々)の荷物上のセンサー収集可能情報の収集は、制限情報に基づいて制限されてもよい。
【0022】
別の例示的実施形態において、情報レポジトリ(制限情報を含む)は、荷物が発送元(発送人)ロケーションから発送先(受取人)ロケーションへの配達ネットワーク内の運搬中に、存在する場合、どのようなセンサー収集可能情報が(制限情報に従って)収集されてもよいか、及び/又は、存在する場合、収集されていた可能性がある、どのようなセンサー収集可能な情報が(制限情報に従って)他者に提供又は配信(又は他者によってアクセスされる)されてもよいかを判断するために、参照されてもよい。
【0023】
さらに、選択されたセンサー収集可能情報は、他のセンサー収集可能情報を収集するか否かの判断、及び/又は収集された情報を他者に提供するか否かの判断の一部として、参照されてもよい。例えば、運送中の荷物に関連付けられたセンサー収集可能ロケーション情報(GPS情報、緯度/経度、住所、郵便番号等)は、他のセンサー収集可能情報を収集するか否かを判断、及び/又は情報を他者に提供するか否かの判断のために、制限情報とともに参照されてもよい。このように、特定(又は各々)の荷物上のセンサー収集可能情報へのアクセスは、荷物ロケーションに関連付けられた制限情報、荷物を配達するために使用される経路の一部又は全て、及び/又は荷物に関連付けられたロケーション情報に基づいて制限されてもよい。いうまでもなく、収集された情報へのアクセスもまた、発送人、受取人、両者、配達又は情報技術ネットワーク運用者、或いは荷物に関連付けられた第三者又は出荷過程の場合にも設定される権限に従ってもよい。第三者の例として、税関当局、法執行機関、FDAが挙げられる。
【0024】
いくつかの場合には、センサー収集可能情報を収集するための一つ以上のセンサーを含む荷物は、荷物の移動の当初から、センサー収集可能情報の収集が制限されてもよい。そのような状況において、荷物に関連付けられた一つ以上のセンサーに関する制限は、制限情報を含む情報レポジトリからの制限に従って、発送元(発送人)ロケーション(又は移動の開始時の何らかの他のポイント)で設定されてもよい。
【0025】
他の事例において、荷物に関連付けられた一つ以上のセンサーは、センサー収集可能情報の収集がその荷物で許可されているかを判断するために、その特定の荷物が運送中に情報レポジトリを参照するように構成される。さらに、いくつかの事例において、荷物上のセンサー収集可能情報は、荷物が運送中に収集され、制限情報はその後、収集された情報へのアクセスが制限又は許可されているかを判断するために、参照される。
【0026】
制限情報の上記参照は、多様な方式において有効に実行できる。例えば、荷物に関連付けられた一つ以上のセンサーは、各センサー自体の一部として、又は一つ以上のセンサーに電気的に接続して、ネットワーク上で情報を送信及び/又は受信するように構成されてもよい、トランシーバを有してもよい。荷物関連制限情報を含む情報レポジトリもまた、ネットワークに接続してもよい。センサー(複数可)は、センサー(複数可)と通信可能に接続する、コントローラ又はプロセッサを備えても、或いは関連付けられてもよく、ネットワーク上で情報を送信及び受信するように構成されるトランシーバとともに、センサー収集可能情報を収集するように構成される。また、メモリは、センサー(複数可)、コントローラ/プロセッサ、及び/又はトランシーバの中に含まれても、関連付けられてもよい。このメモリは、センサー収集可能情報及び/又は制限情報を含む、情報を記憶するように構成されてもよい。
【0027】
一例示的実施形態において、トランシーバは、荷物が運搬されている間、荷物に関連付けられたセンサーと、荷物関連制限情報を含む情報レポジトリとの間の有効な通信を可能にする、セルラー通信モジュール等、選択された構成要素を有する。センサーは、センサー収集可能情報を収集するか否か、収集する情報の内容、及び/又は収集するタイミングを判断するために、レポジトリを参照してもよい。そして、レポジトリは、荷物ベースかつ各荷物に関連付けられた制限情報に従って、収集されたセンサー収集可能情報へのアクセスを提供するために、ウェブサイト、ウェブサーバ等のシステムと関連付けられてもよい。本開示に関して、他の同様な無線及び/又は有線伝送構成が使用されてもよい。
【0028】
要約すると、制限情報は、荷物に関連付けられた該当の法規制、荷物を配達するために使用される経路の一部又は全て、及び/又は荷物に関連付けられたロケーション情報に従って、センサー収集可能情報の収集及び配信に対する有効なアクセス制限を提供できる。
【0029】
本開示の目的のために、容器又は荷物は、ある地点から別の地点へ文書又は製品を出荷するために使用される箱、封筒、又は任意の他の媒体であってもよい。センサーによって収集された情報のうちのいくつかは、例えば、地方管轄、会社規約、又は他のルールによって課される制限の下に入るデータを含む場合がある。
【0030】
運搬中、個別の物品は、物理的にグループ分けされ、一つの追跡単位として処理されてもよく、その時点で、その追跡単位は、管理される一つ以上のセンサーを含んでもよい。そのような実施形態において、個別のセンサーは、直接的又は間接的のいずれかで、新しく形成された追跡単位を認識できる。いくつかの実施形態において、ロケーション情報等、追跡単位に関連付けられた情報は、直接的又は間接的のいずれかで、関連センサーに提供されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、センサーは荷物のロケーションを判定する。荷物は、温度、音声、及び/又はビデオ等の情報の収集を禁止する制限を有する管轄内にある場合がある。これらの制限のために、センサーは、禁止された情報の収集又は記憶が妨げられてもよい。さらに、センサー又は関連データ収集及び配信システムは、禁止された情報へのアクセスを制限してもよい。
【0032】
ここで例示的実施形態の詳細を記載し、それらの例を添付の図面に例示する。可能な場合、同一の参照番号は、図面中、同一又は同様な部分を記載するために使用される。
【0033】
図1は、荷物の環境に関するデータを収集するための例示的システム100を示す。システム100は、センサー102、ネットワーク104、センサー情報配信システム106を含んでもよい。センサー102は、荷物の近接にあってもよい。例えば、センサー102は、配達される荷物に添付されてもよい。代替として、センサー102は、同じトラック、容器、又は倉庫内等、荷物の周辺にあってもよい。
【0034】
センサー102は、ネットワーク又は任意の他の媒体上からデータを送信するための入出力部107を含んでもよい。例えば、入出力部107は、無線又はケーブル上のいずれかで、ポイントツーポイント又はポイントツーマルチポイントの接続を介してデータを送信してもよい。センサー102は、荷物の環境に関するデータを収集するための一つ以上のソフトウェア及び/又はハードウェア構成要素を含む場合がある、検出部108を含んでもよい。例えば、検出部108は、荷物に関するロケーション情報を収集してもよい。いくつかの実施形態において、ロケーション情報は、全地球測位システム(GPS)の使用を含んでもよい。GPSが使用される場合、検出部104は、GPS技術において利用されるcourse acquisitionコード(C/Aコード)を使用してもよい。
【0035】
代替として、ロケーション情報は、セルラー三角測量、無線ネットワーク関連付け、固定ロケーションスキャンの収集、又は移動ロケーションスキャンの収集を通して判断されてもよい。固定ロケーション及び移動ロケーションのスキャンは、1次元又は2次元バーコード、或いは無線自動識別(RFID)を使用してもよい。例えば、センサー102は、予め定義されたロケーションに関連付けられたバーコードをスキャン又はRFIDタグを読み出してもよい。センサー102は、バーコード又はRFIDに関連付けられた値を使用してスキャン後に予め定義されたロケーションの参照が可能であってもよい。
【0036】
海外のロケーションにおいては、複数の全地球測位衛星システムが利用可能な場合がある。複数のセルラーネットワークの間のスイッチに同様の、スイッチ接続を利用することによって、向上したサービスが提供されてもよい。例えば、NaviStar(米国)、GLONASS(ロシア)及び他の衛星システムが利用可能な場合がある。このように、検出部104は、ロケーション情報を判定する際に、異なるGPSプロバイダ間をスイッチしてもよい。
【0037】
加えて、衛星ベースの拡大システムを用いてタイミング修正又はディファレンシャルGPSを加えることによって、ビルの谷間でのシステムの性能を向上でき、メートル以内まで精度を向上できる。
【0038】
ロケーション情報に加えて、検出部108は、荷物の環境に関する他のデータを収集してもよい。例えば、検出部108は、温度、光源レベル、運動、圧力、湿度、気体濃度、気流、振動、放射線、時間、音声、ビデオ、方位、又は他の環境条件についてのデータを収集してもよい。運搬中、いくつかの荷物の環境は、所定の温度、圧力、又は湿度範囲等、所定のパラメータ内であることが必要な場合がある。時間、音声、又はビデオ等の他の情報は、荷物の配達の状況を判定するために関係する場合がある。例えば、センサーは、荷物が配達されたとき、又は処理センター等の中間発送先に到着したとき、荷物を受け取っている人の写真又はビデオを撮影してもよい。センサーはまた、録音又は時間判定も行ってもよい。このように、開示される実施形態は、異種の環境データを収集するように構成された異種のセンサーを使用してもよい。いくつかの実施形態において、センサー102は、多数の検出部108を含んでもよく、その各々は、異種の環境データを収集するように構成される。いくつかの実施形態において、単一の検出部108が異種の環境データの収集が可能であってもよい。
【0039】
センサー102内の入出力部107は、処理するために、ネットワーク104を介して、収集された環境データをセンサー情報配信システム106へ送信してもよい。いくつかの実施形態において、センサー102は、処理するために収集された環境データを送信しなくてもよく、処理の全て又は一部をそれ自体で実行してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、入出力部107は、ネットワーク上からデータを送信しなくてもよく、無線又はケーブル上のいずれかで、ポイントツーポイント又はポイントツーマルチポイントの接続を介してデータを送信してもよい。
【0040】
センサー102はまた、収集された環境データ等、データを処理するために、中央演算処理装置(CPU)110及びメモリ112を含んでもよい。CPU104は、多様なプロセス及び方法を実行するために、コンピュータプログラム命令を実行するように構成された一つ以上のプロセッサを含んでもよい。CPU110は、メモリ112から、又は任意のコンピュータ読み取り可能な媒体からコンピュータプログラム命令を読み出すことができる。メモリ112は、情報及びコンピュータプログラム命令にアクセス及び記憶するように構成されたランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)を含んでもよい。メモリ112はまた、収集された環境データ等のデータ及び情報を記憶するための追加のメモリ、並びに/又はテーブル、リスト、又は他のデータ構造を記憶するための一つ以上の内部データベースを含んでもよい。
【0041】
CPU110は、検出部108によって判定されたロケーションに関連付けられた一つ以上のデータ収集ルールを識別してもよい。いくつかの実施形態において、データ収集ルールは、ロケーションベースの制限として理解されてもよい。代替として、センサー102は、一つ以上のデータ収集ルールを識別するために、ネットワーク104を介して、ロケーション情報をセンサー情報配信システム106へ送信してもよい。データ収集ルールは、ロケーションに関連付けられた制限を含んでもよい。これらのロケーションベースの制限は、所定の情報の収集を禁止してもよい。
【0042】
ネットワーク104は、センサー102等のシステム100内の多様なデバイスと、センサー情報配信システム106との間の通信を促進できる。加えて、センサー102及びセンサー情報配信システム106は、ネットワーク104を介して、システム100内には図示されていない、他のシステム又はエンティティ(entitiy)にアクセスしてもよい。ネットワーク104は、共有、公衆、又は非公開ネットワークであってもよく、広域又はローカルエリアを対象としてもよく、有線及び/又は無線通信ネットワークの任意の好適な組み合わせを通じて実装してもよい。さらに、ネットワーク104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、イントラネット、又はインターネットを備えてもよい。いくつかの実施形態において、センサー102及びセンサー情報配信システム106は、ネットワーク104を介して接続する代わりに、直接接続してもよい。
【0043】
センサー情報配信システム106は、センサー102と通信するための入出力部113を含んでもよい。入出力部113は、センサー102上の入出力部107と同様でもよい。センサー情報配信システム106はまた、CPU114及び/又はメモリ116も含んでもよく、これらは、センサー102のCPU110及びメモリ112と同様でもよい。センサー情報配信システム106はまた、データベース118も含んでもよい。データベース118は、大量のデータを記憶してもよく、磁気、半導体、テープ、光学式、又は他の種類の記憶装置を含んでもよい。いくつかの実施形態において、データベース118は、監査目的のための履歴データを記憶してもよい。
【0044】
システム100は、例示に過ぎず、示される多様なエンティティの数及び分散は、特定の実施形態に応じて異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、センサー102は、CPU110及び/又はメモリ112を含まなくてもよい。他の実施形態は、いくつかはCPU110及び/又はメモリ112を備え、他はこれらを備えない、複数のセンサーを含んでもよい。他の実施形態において、センサー情報配信システム106は、他の配信システム、センサー、コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、タブレットコンピュータ、又は他のコンピューティングプラットフォームを含む、複数のエンティティ上に分散されてもよい。センサー102は、任意のコンピューティングプラットフォーム上で同様に実装又は分散されてもよい。このように、システム100において記載される構成は例示に過ぎず、限定することを目的としない。
【0045】
いくつかの実施形態において、複数のセンサーは、運搬中、同じ容器又はトラック内等、同じ周辺内に位置してもよい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、多様なセンサーはセンサー102と同様でもよく、データを共有するように一体化して、又は共同で動作してもよい。例えば、センサー情報配信システム106から命令又はデータを取得してもよく、この情報を近接内の他のセンサーへ広めてもよい、一つ以上の主要(lead)センサー又はマスタセンサーが存在してもよい。
【0046】
図2は、荷物の環境に関するセンサーデータを収集するための例示的方法200の動作を示す。方法200は、CPU110、CPU114、又はこの二つの何らかの組み合わせによって実行されてもよい。したがって、方法200は、センサー102又はセンサー情報配信システム106上で発生してもよい。その上、方法200のいくつかのステップは、センサー102で実行されてもよく、一方、他はセンサー情報配信システム106によって実行されてもよい。方法200はまた、システム100には図示されない他の構成要素と共に実行されてもよい。方法200の全てのステップは任意選択であり、並び替えできる。また、追加のステップを方法200に追加することもできる。
【0047】
CPU110/114は、センサー102のプロファイルを識別してもよい(ステップ204)。プロファイルは、センサー102の収集が可能な環境データの種類を示してもよい。例えば、ロケーション情報に加えて、センサー102は、温度、ビデオ、及び音声を収集のみが可能であってもよい。プロファイルは、このセンサー102に特有の環境データの種類を識別する。
【0048】
次に、CPU110/114は、例えば、GPSを使用して、センサーのロケーションを判定してもよい(ステップ206)。一実施形態において、ロケーション情報は、センサー102の検出部108によって収集され、処理するためにメモリ112上にローカルに記憶される。加えて、又は代替として、センサー102は、記憶及び/又は処理するために、ネットワーク104を介して、ロケーション情報をセンサー情報配信システム106へ送信してもよい。
【0049】
CPU110/114は、判断されたロケーション情報に基づいて、一組のデータ収集ルールを識別してもよい(ステップ208)。データ収集ルールは、特定の地理領域において収集及び/又は記憶される種類のデータの収集に関する制限を含んでもよい。例えば、いくつかの管轄は、個人に関する所定のデータの収集を禁止する個人情報保護法を有する。荷物の配達にはしばしば受取人の識別が必要であるため、センサーによって収集された所定の環境データは、受取人に関連付けられる場合があり、このため、禁止される場合がある。例えば、センサーは、荷物が配達されたときに写真を収集するように構成される場合がある。荷物が、個人の画像の収集を禁止する特定国等の管轄に配達される場合、センサーがこれらの画像を収集することは違法となる恐れがある。
【0050】
データ収集に関する管轄法とは別に、いくつかの企業又は他の関係者は、内部のロケーション従ったデータ収集ルール及び/又はデータ収集に関するロケーションベースの制限を有する場合がある。例えば、荷物の出荷先である企業が、温度データを収集することを望まない場合がある。又は出荷元企業が、特定領域内の湿度情報を収集することを望まない場合がある。
【0051】
CPU110/114は、例えば、メモリ112、メモリ116、及び/又はデータベース118の中に記憶されたデータベースにアクセスしてもよい。データベースは、多様なデータ収集ルールを記憶してもよい。データ収集ルールは、特定のロケーションで収集できる環境データの種類を列挙してもよい。代替として又は追加して、データ収集ルールは、データの収集又はデータへのアクセス提供に関するロケーションベースの制限等、特定のロケーションにおいて収集できない環境データの種類を列挙してもよい。CPU110/114は、センサープロファイル及び収集されたロケーション情報という二つの条件を使用して、データ収集ルールを判定してもよい。
【0052】
記載のように、センサープロファイルは、センサー102が収集できる環境データを示す。このように、CPU110/114は、そうでなければセンサー102が収集できる環境データを禁止するデータ収集ルールだけを識別してもよい。このように、CPU110/114は、センサー102の収集が可能ではない環境データを収集することを禁止するデータ収集ルールの検討が不必要でもよい。
【0053】
データ収集ルールは、特定のロケーションにおける環境データの収集及び/又は記憶を許可又は禁止するため、CPU110/114はまた、収集されたロケーション情報を使用してデータ収集ルールを識別してもよい。このように、センサープロファイル及びセンサーの収集したロケーション情報の両方を使用して、CPU110/114は、センサーのためのデータ収集ルールを判定してもよい。いくつかの実施形態において、CPU110/114はまた、データ収集ルールを判定するために、両方ではなく、センサープロファイル又は収集されたロケーション情報のうちの一つだけを使用してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、CPU110/114は、二つ以上の組の該当するデータ収集ルールを判定してもよい。このため、他方よりも優先される一組のデータ収集ルールの判定が必要になる場合がある。例えば、特定のセンサープロファイル及びセンサーロケーションに対して、CPU110/114は、荷物がドイツを通過する際、ドイツのデータ収集ルールに加えて、配達ネットワーク運用者が有する内部のデータ収集ルールが適用されると判定する場合がある。これらの2組のルールが競合する場合があるため、CPU110/114は、どちらの組のルールが優先されるかの判定が必要になる場合がある。いくつかの実施形態において、CPU110/114は、優先ルールとして、法的なデータ収集ルール、この場合、ドイツを選択する場合がある。他の実施形態において、CPU110/114は、どのようなデータが収集可能であるかを判定する際に、最も制限の厳しいルールを使用してもよい。これは、センサーがそれ自体のメモリ内部に収集した情報を記憶し、センサーに関連付けられた荷物が移動すると、制限されたデータが管轄地域を横断することになる場合に使用されてもよい。いくつかの実施形態において、センサーは、いずれかが移動全体で優先され得る場合、受取人又は発送人に関する法律についてのデータを記憶してもよい。当業者は、どのルールが優先されるかを判定するために、本開示によって検討される多数の他の様式が存在することを認識するであろう。
【0055】
上述のように、データ収集ルールは、所定の環境データの収集及び/又は記憶を許可又は禁止する場合がある。データ収集ルールはまた、荷物を運搬中に発生する場合がある物理的状況に基づいて、無効権限(override authority)を指定してもよい。データ収集ルールが無効にされる場合、データ収集ルールは、センサー102からのデータ収集の責任を、無効に関わった特定の状況のより優れたリアルタイムの理解を有する場合がある、現地の代理人又は配達サービスへ委ねてもよい。例えば、センサー102が、運搬中の容器への侵入があると判定した場合、配達サービスは、容器が食品医薬品局(FDA)等の検査当局へ経路を変更すべきであると判定してもよい。この例では、FDAは、荷物の収集環境データの少なくとも部分的な責任を引き継いでもよく、無菌性、荷物の完全性、及び他の環境データを確認してもよい。
【0056】
センサープロファイルを参照することによって該当するデータ収集ルールを判定した(ステップ208)後、CPU110/114は、センサー102が収集できる全ての環境データを収集しようとしたか否かを判定してもよい(ステップ210)。CPU110/114が、センサー102の収集が可能な全ての環境データをまだ収集しようとしていない場合、CPU110/114は、CPU110/114がまだ収集しようとしておらず、かつセンサー102が収集できる次の環境データを選択する(ステップ212)。
【0057】
CPU110/114は、選択された環境データの収集及び/記憶がデータ収集ルールによって許可されているか(又は禁止されているか)否かを判定する(ステップ214)。データ収集ルールが選択された環境データの収集及び/又は記憶を許可する場合、CPU110/114は、センサー102の検出部108によって収集された選択された環境データを受信してもよい(ステップ216)。例えば、CPU110/114は、データ収集ルールが温度情報の収集を許可すると判定する場合、検出部108が、温度情報を収集し、CPU110/114に提供してもよい。いくつかの実施形態において、CPU110/114は、検出部108に、選択された環境データを収集するように命令してもよく、次いで、収集された後、選択された環境データを記憶、送信、又はその他処理してもよい。他の実施形態において、CPU110/114は、選択された環境データを既に収集していてもよく、CPU110/114は、収集された後、選択された環境データを記憶、送信、又はその他処理してもよい。
【0058】
代替として、データ収集ルールが選択された環境データの収集及び/又は記憶を禁止する(ステップ214)場合、CPU110/114は、選択された環境データへのアクセスを制限してもよい(ステップ218)。例えば、CPU110/114がデータ収集ルールが温度情報の収集を禁止すると判定する場合、CPU110/114は、検出部108が収集できる場合がある温度情報へのアクセスを制限してもよい。
【0059】
CPU110/114は異なる様式で環境データ(例えば、温度)へのアクセスを制限してもよい。一実施形態において、CPU110/114は、センサー102の検出部108に、禁止された環境データを収集しないように命令してもよい。別の実施形態において、検出部108は禁止された環境データを収集してもよいが、CPU110/114はこのデータを削除してもよく、或いは決して読み出したり、記憶したりしない、又はその他検討しなくてもよい。別の実施形態において、検出部108は、禁止された環境データを収集してもよく、CPU110/114は、環境データを難読化するような形式に記憶してもよい。いくつかの実施形態において、難読化は、データが読み出し不可能及び/又は修復不可能であるように記憶することを意味してもよい。例えば、CPU110/114は、フィールド当たり一つの収集された環境データを用いて、任意の所与の時間でセンサーに関連付けられた複数のフィールドに書き込んでもよい。フィールドのデータ構造を維持するために、CPU110/114は、収集及び記憶が禁止されているデータであっても、各フィールドに値を書き込むことが必要であってもよい。このような状況において、CPU110/114は、これらのフィールドに難読化されたデータを書き込んでもよい。難読化されたデータは、読み出し、又は理解が不可能であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、難読化は、PII(個人識別情報)として識別を保護、又は分類を回避するために、データの粒度又は特異性を変更してもよい。例えば、CPU110/114は、荷物受取人の住所の代わりに、受取人の郵便番号を記憶することによって、住所を難読化してもよい。代替として、CPU110/114は、これらのフィールドのプレースホルダー(placeholder)として他のデータを書き込んでもよい。CPU110/114が環境データを受信(ステップ216)、又は環境データへのアクセスを制限(ステップ218)した後、CPU110/114は、ステップ210に戻ってもよい。CPU110/114がセンサー102が収集可能である全ての環境データをまだ収集しようとしていなかったと判定した場合(ステップ210)、CPU110/114は、ステップ212に戻ってもよい。代替として、CPU110/114がセンサー102が収集可能である全ての環境データを収集しようとしていた場合(ステップ210)、CPU110/114は、ステップ220に戻ってもよい。
【0061】
CPU110/114は、センサー102及びセンサー102の対応する荷物が最終発送先にあるか否かを判定してもよい(ステップ220)。荷物がその最終発送先にある場合、プロセスは終了してもよい(ステップ222)。代替として、荷物がその最終発送先にない場合、CPU110/114はステップ224に戻ってもよい。
【0062】
CPU110/114は、センサー102(及びセンサー102の対応する荷物)が移動したか否かを判定してもよい(ステップ224)。センサー102が移動していない場合、CPU110/114は、ステップ224にループして戻り、センサー102が移動したか否かの確認を継続してもよい。代替として、CPU110/114がセンサー102が移動したと判定する場合、新しいセンサーのロケーションを判定してもよい(ステップ206)。
【0063】
上述のように、開示される実施形態の態様は、センサー102上、センサー情報配信システム106、又はこの二つの何らかの組み合わせで実行されてもよい。一実施形態において、センサー102は、環境データを収集し、適当なデータ収集ルールを識別するために、環境データをセンサー情報配信システム106へ送信する。センサー情報配信システム106は、メモリ116及び/又はデータベース118に記憶された多数のデータ収集ルールの中から、データ収集ルールの識別が可能であってもよい。他の実施形態において、センサー102は、多数のデータ収集ルールから適当なデータ収集ルールを識別するために、メモリ112、又は他の記憶装置の中に十分な記憶装置を有してもよい。
【0064】
しかし、他の実施形態において、センサー102は、比較的小型のデバイスであってもよく、限定された処理能力及び記憶装置を含んでもよい。これらの実施形態において、最初に、センサー102が荷物を配達するためにとる経路を判定することと、その経路に該当するそれらのデータ収集ルールだけをセンサー102上に記憶することとが必要であってもよい。さらに他の実施形態において、センサー102が収集ルールを記憶してもよいが、センサー情報配信システム106は、センサー102上のCPU110及び/又はメモリ112が失敗する場合のバックアップとして機能してもよい。
【0065】
図3は、センサー102上にデータの収集ルールのうちのサブセット(subset)を記憶するためのプロセス300を示す。上述のように、これは、センサー102及びその関連付けられた荷物が出荷される前に行われてもよい。プロセス300は、追加又はこれより少ないブロックを含んでもよく、又はブロックを並び替えしてもよい。さらに、プロセス300に示される所定の特徴は、
図3に明示的に記載される以外の実施形態において使用されてもよい。プロセス300は、センサー情報配信システム106のCPU114によって実行し又は実行されてもよい。他の実施形態において、プロセス300は、センサー102のCPU110等の他のCPU、又は任意の他のコンピューティングプラットフォームによって実行されてもよい。さらに、プロセス300のいくつかのステップ又は機能は、多種多様なコンピューティングプラットフォームによって実行されてもよい。
【0066】
最初に、CPU114は、荷物の配達のための経路を判定してもよい(ステップ302)。CPU114は、複数の経路候補の中から経路を判定してもよい。経路候補の各々は、経路が通過するロケーションに従って、データ収集ルールに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態において、CPU114は、収集できる環境データの量を最大限にするデータ収集ルールを含む好ましい配達経路を識別してもよい。他の実施形態において、好ましい配達経路は、所定の望ましい環境データを収集できるように選択される。
【0067】
例えば、荷物がフランスからチェコ共和国へ出荷される場合、ドイツを通過するか、又はスイス及びオーストリアを通過するかのいずれかの可能性がある。仮定上、ドイツのデータ収集ルールは、スイス及びオーストリアのデータ収集ルールが禁止していない所定の環境データ、例えば、温度の収集を禁止する場合がある。しかしながら、荷物受取人は、運搬中の荷物の温度を監視することに関心を抱いている場合がある。したがって、CPU114は、センサー102が運搬中の荷物の温度を追跡できるように、ドイツではなく、スイス及びオーストリアを通過する荷物の配達経路を作成してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、CPU114は、荷物の配達経路を判定するために、異なるルールを使用してもよい。例えば、CPU114は、データの収集のルールに加えて、又はこの代わりに、物品の輸送のルールを検討してもよい。例えば、CPU114は、HAZMAT(危険物・可燃物)貨物を禁止する所定の道路を識別してもよく、荷物がHAZMATで配達され、分類される場合、これらの道路を回避する経路を判定してもよい。これによって、物品の移動の管理を規制要件による推進を可能にしてもよく、これは、運搬ポイントの法順守にとって重要な場合がある。
【0069】
CPU114が経路を判定した後、その経路のデータ収集ルールを識別してもよい(ステップ306)。いくつかの実施形態において、ステップ306は、ステップ304と同時に実行してもよい。例えば、CPU114がスイス及びドイツを通過する配達経路を識別する間、又はその後、その経路のロケーションに関連付けられた全てのデータ収集ルールを判定してもよい。さらに、CPU114は、データ収集ルールのうちどれを他より優先するかを判定してもよい。いくつかの実施形態において、CPU114は、競合するデータ収集ルールを識別してもよく、その競合を解決してもよい。例えば、CPU114は、法的管轄に関連付けられたデータ収集ルールが機関又は企業のデータ収集ルールより優先されると判定してもよい。或いは、いくつかの実施形態において、CPU114は、複数の競合するルールのうちより厳格なルールが他のルールより優先されると判定されてもよい。
【0070】
次に、CPU114は、ブロック306において識別されたデータ収集ルールをセンサー102に記憶又はダウンロードしてもよい(ステップ308)。いくつかの実施形態において、CPU114は、優先するデータ収集ルールだけを記憶してもよい。他の実施形態において、CPU114は、判定された経路に関連付けられた全てのデータ収集ルールを記憶してもよい。いくつかの実施形態において、CPU114は、センサー情報配信システム106上のデータ収集ルールのうちいくつか又は全てを記憶してもよい。
【0071】
データ収集ルールがセンサー102上に記憶されると、センサー102は、どのような環境データを収集及び/又は記憶するか、並びにどの環境データへのアクセスを制限するかを独立的に判定可能であってもよい。いくつかの実施形態において、センサー102は、どのデータ収集ルールを記憶するか、いつ記憶するか等、所定の動作をログに記録又は記憶してもよい。センサー102はまた、所定の環境データへのアクセスを制限することをいつ判定したか、及び対応するセンサーのロケーションもログに記録してもよい。センサー102は、このログに記録したデータをセンサー情報配信システム106へ送信してもよい。代替として、これは、センサー情報配信システム106にあてはまってもよく、センサー102の代わりに、又はこれに加えてデータ収集ルールを記憶してもよい。
【0072】
CPU114は、ログの記録及び/又は監査のために、センサー102からデータを受信してもよい(ステップ310)。いくつかの実施形態において、センサー102は、上記のように、多様なロケーションで該当するデータ収集ルールに関して、その動作のログに記録されたデータを有してもよい。受信された記録されたデータは、ログの記録及び監査目的のために、追跡システム102によって使用されてもよい。例えば、受信されたデータは、収集及び/又は記憶が許可されていなかった所定の環境データへのアクセスをセンサー102が適切に制限した証拠として機能してもよい。
【0073】
図4は、本開示の一実施形態において、センサー102上で実行するプロセス400を示す。プロセス400は、一例である。センサー102は、発送先へ出荷される運搬中の荷物の近接内にあってもよい。センサー102の検出部108は、荷物のロケーションを判定してもよい(ステップ404)。センサー102の入出力部107は、そのロケーションをセンサー情報配信システム106へ伝送してもよい(ブロック406)。センサー102の入出力部107は、センサー102がセンサー情報配信システム106から収集が禁止されている環境データのリストを受信してもよい(ブロック408)。センサー102は、センサー情報配信システム106によって識別された環境データの収集を禁止してもよい(ブロック410)。
【0074】
図5は、本開示の一実施形態において、センサー情報配信システム106上で実行するプロセス500を示す。プロセス500は、一例である。センサー情報配信システム106の入出力部113は、センサー102から荷物のロケーションを受信してもよい(ステップ504)。センサー情報配信システム106のCPU114は、受信されたロケーションに関連付けられたデータ収集ルールを識別してもよい(ステップ506)。データ収集ルールは、センサー情報配信システム106のデータベース118内に記憶されてもよい。データ収集ルールは、センサー102が収集する場合がある所定の種類の環境データに関する制限を含んでもよい。例えば、制限は、センサー102が所定の環境データを収集することを禁止する場合がある。追跡センター106のCPU114は、ルールを分析して、どの種類の環境データが禁止されているかを判定してもよい(ステップ508)。センサー情報配信システム106の入出力部113は、禁止された種類の環境データ(例えば、温度、ビデオ、及び/又は音声)をセンサー102へ伝送してもよい(ステップ510)。
【0075】
図6は、データ収集ルールを記憶するためのテーブル600の例を示す。テーブル600は、センサー102内のメモリ112に記憶されてもよい。代替として又は加えて、テーブル600は、センサー情報配信システム106のメモリ116及び/又はデータベース118に記憶されてもよい。テーブル600は、列610及び620を含んでもよい。列610は、データ収集ルールを有する多様なロケーションを列挙してもよい。列612は、各ロケーションのデータ収集ルールを列挙してもよい。例えば、列612は、特定のロケーションで収集できるデータに関する制限を列挙してもよい。
【0076】
例えば、テーブル600の行614は、ロケーションとして「ロケーションA」、制限として「音声禁止」を識別してもよい。つまり、センサー102がロケーションAにある間、音声情報を収集することは許可されない。同様に、テーブル600の行616は、ロケーションとして「ロケーションB」、制限として「ビデオ禁止」及び「温度禁止」を識別してもよい。つまり、センサー102がロケーションBにある間、ビデオ又は温度情報のいずれかを収集することは許可されない。いくつかの実施形態において、テーブル600は、センサー102が通過してもよい、多様なロケーションの多数の行を含んでもよい。別の例において、行618は、ロケーションとして「ロケーションC」、制限として「なし」を識別してもよい。つまり、センサー102がロケーションCにある間、収集できるデータに関する制限は存在しない。
【0077】
センサー102は、データの機密性を保護するために、収集されたデータを暗号化された形式で記憶してもよい。さらに、いくつかの開示される実施形態は、荷物又はセンサーのロケーションに従って、センサー収集可能データを保存する際にセンサー102が実施してもよい暗号化の使用又は種類の制限を可能にしてもよい。例えば、荷物は、センサー収集可能データの暗号化が違法又は制限されているロケーションへ移動している場合、センサー102は、暗号化に関する地域の規制に応じてデータの保存が必要な場合がある。ロケーション情報に基づいてセンサー収集可能データの収集を制限することに関して上述した同じ原則の多くは、ロケーション情報に基づいてセンサー収集可能データの暗号化の制限にも適用される。
【0078】
図7は、暗号化に関するロケーションベースのルールに従ってデータを保存するためのプロセス700を示す。プロセス700は、追加又はこれより少ないブロックを含んでもよく、又はブロックを並び替えしてもよい。プロセス700は、センサー情報配信システム106のCPU114、センサー102のCPU110、任意の他のコンピューティングプラットフォーム、又はこれらの何らかの組み合わせによって実行し又は実行されてもよい。さらに、プロセス700のいくつかのステップ又は特徴は、多種多様なコンピューティングプラットフォームによって実行されてもよい。
【0079】
最初に、CPU110/114は、荷物のロケーションを識別してもよい(ステップ704)。例えば、CPU110/114は、荷物が米国から移動中であり、中国に到着した、又は到着するところであると判定してもよい。CPU110/114は、GPS、RFID、バーコード、又はセンサー102によって収集された他の情報に基づいてこの情報を判定してもよく、又は荷物の移動予定を独立的に把握してもよい。当業者は、荷物のロケーションが判定されてもよい無数の方法が存在することを認識するであろう。
【0080】
CPU110/114は、次いで、荷物のロケーションに関連付けられた一つ以上のデータ記憶ルールを識別してもよい(ステップ706)。データ記憶ルールは、荷物のロケーションでセンサー収集可能データの所定の種類に対して許可された暗号化の種類を示してもよい。例えば、いくつかの管轄は、センサー102がセンサー収集可能情報を暗号化された形式で記憶することを許可しない場合がある。別の例として、いくつかの管轄は、所定の強度の暗号化、所定のアルゴリズムを有する、暗号の長さ等、所定の種類の暗号化だけを許可する場合がある。
【0081】
したがって、CPU110/114は、そのロケーションのデータ記憶ルールによって許可された暗号化を判定してもよい(ステップ708)。例えば、荷物が中国にある場合、ビデオ情報等、センサーによって収集された所定のデータの暗号化が違法な場合がある。このため、CPU110/114は、地方の規制に準拠するために、ビデオ暗号化を暗号化されていない形式で保存してもよい。しかしながら、暗号化されていない形式でデータを記憶することは、センサーへのアクセスを有する何者かによって読み出される場合があるため、データの機密性を損なう場合がある。したがって、CPU110/114は、機密性を維持するために、何らかの方法でデータを難読化してもよい。
【0082】
例えば、センサー収集可能データが暗号化されていない形式でセンサー102上に記憶される場合、CPU110/114は、センサー収集可能データの機密性を保護しようとして、ロケーション情報の収集を中止してもよい。例えば、CPU110/114は、GPSロケーションに関連付けられた暗号化されていないビデオ情報は、ビデオの中の個人の機密性を損なう可能性があると判定してもよい。このため、CPU110/114は、中国でセンサー102上に暗号化されていない形式でビデオを記憶することを余儀なくされた場合、ビデオ情報の機密性を保護するために、GPS情報を難読化してもよい。荷物が、例えば、ドイツ等の別のロケーションに移動したとき、センサーは、ビデオ情報の暗号化を再開してもよく、ドイツに関連付けられた一つ以上のデータ収集ルールに応じてGPS情報を収集してもよい。
【0083】
他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の明細書及び実践の検討から、当業者には明らかであろう。例えば、地理的ロケーションに基づいて売上手数料が計算される企業の場合、管轄又は売上領域内の管理の時間に基づいて手数料の分割を判定することは、より容易に計算されてもよい。例えば、販売担当者が医薬用品一式を販売し、補給する会社に勤務している場合、所定の病院との関係を管理する場合がある。販売担当者は、医薬用品一式が病院の敷地にある時間に従って、手数料を受け取ってもよい。医療用品一式に添付しているセンサー102は、ロケーション情報等の環境データを収集してもよい。このように、センサー102は、医療用品一式が病院にある時間を判定してもよく、販売担当者の手数料は、販売担当者が自分の販売地域内で活動していることを確認することによって、これに応じて計算されてもよい。同じ会社の第二の販売担当者が同じ販売地域内で医療用品を有する場合、その会社の活動ルールを違反している場合があり、自分の手数料の分配に影響する可能性がある。
【0084】
他の実施形態において、在庫管理は、所与の項目のどの程度の在庫がある地域にあるかを判定し、特定のロケーションにその項目の余りがある場合、在庫を再割当することによって達成できる。例えば、所定の管轄は、あるロケーションに所定の項目が過剰にある場合、販売業者又は配達サービスに罰金を課してもよい。所定の管轄は、Sudafed等の偽エフェドリンを含有する医薬品は、メタンフェタミンに変化する可能性があるという恐れから、所定量を超えては同じロケーションにできないというルールを有する場合がある。同様な制限は、他の有害貨物又は危険物に存在してもよい。開示される実施形態は、容器及びそのロケーションのSudafedの量等、出荷に関する追加の必要な情報を提供してもよい。同一地理領域内部の監視される容器全体のSudafedの量又は合計量が規制閾値を超える場合、開示される実施形態は、使用者に警告を伝えても、又は出荷の一部を再割当してもよい。また、法律の執行となり、罰金につながる可能性もある。
【0085】
本発明の所定の特徴及び実施形態が開示されたが、本発明の他の実施形態は、記載事項の検討及び本明細書に開示される本発明の実施形態の実行から、当業者には明らかであろう。さらに、本発明の実施形態の態様は、ソフトウェア、コンピュータ実行可能命令、及び/又はメモリ及び他の記憶媒体に記憶された他のデータとして部分的に記載してきたが、当業者は、これらの態様が、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク又はCD−ROM、或いは他の形式のRAM又はROMのような二次記憶装置等、他の種類の有形の持続的なコンピュータ読み取り可能な媒体上にも記憶又はこれから読み出すことができることを理解するであろう。さらに、開示される方法のステップは、本発明の原則から逸脱することなく、ステップを並び替え、及び/又はステップを挿入又は削除することによる等、多様な様式で変更してもよい。
【0086】
明細書及び実施例は例示のみとして検討され、本発明の真の範囲及び精神は添付の請求項によって示されることを意図する。