特許第5981464号(P5981464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981464
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】自浄式外科用吸引デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20160818BHJP
   A61M 27/00 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   A61M1/00 130
   A61M1/00 133
   A61M27/00
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-558152(P2013-558152)
(86)(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公表番号】特表2014-515644(P2014-515644A)
(43)【公表日】2014年7月3日
(86)【国際出願番号】US2012029131
(87)【国際公開番号】WO2012125769
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】61/464,922
(32)【優先日】2011年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513232129
【氏名又は名称】ニューロ エンタープライジズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】NEURO ENTERPRISES,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サレヒ,シェーン エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィッカム,ジェフ
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−108332(JP,A)
【文献】 特開2001−190656(JP,A)
【文献】 特開2007−236666(JP,A)
【文献】 特開2007−244771(JP,A)
【文献】 実開平05−051351(JP,U)
【文献】 米国特許第05300022(US,A)
【文献】 米国特許第05643229(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0264988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引デバイスであって、
1の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、実質的に不撓な吸引管と、
記第1の縦軸に実質的に平行である第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、
位端および遠位端を有する、スタイレットと、
位開口部および遠位開口部を有する、接合部導管と、
を備え、
スタイレットは、前記第2の縦軸に沿って配置され、前記ガイド構造によって取り囲まれ、
前記接合部導管の前記近位開口部は、前記実質的に不撓な吸引管の少なくとも前記遠位開口部と接触しており、その結果、
記接合部導管の前記遠位開口部が、前記実質的に不撓な吸引管と流体連通し、
スタイレットを、前記ガイド構造を通じて、前記第2の縦軸に沿って、前記接合部導管を通じて軸方向に移動させることが、前記スタイレットの前記遠位端を前記接合部導管の前記遠位開口部へと並進させ
各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、遠位取り付け領域、および前記真空コネクタと流体連通している前記中間領域上に配置される通気口を有する、管状基部部材を更に備え、前記遠位取り付け領域は、前記実質的に不撓な吸引管の前記近位開口部に動かないように固定されており、その結果、前記近位真空コネクタが、前記実質的に不撓な吸引管と流体連通し、前記管状基部部材は、前記中間領域上に配置される通気口包囲部材を更に備える、吸引デバイス。
【請求項2】
前記遠位取り付け領域に配置される受容部材を更に備え、前記受容部材は、前記スタイレットを取り囲み、前記第2の縦軸に沿った前記ガイド構造と同軸である、請求項に記載のデバイス。
【請求項3】
前記中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲する、ハンドル部材であって、前記遠位取り付け領域に近接している前記第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素と、通気口アクセス開口部と、を含み、その結果、前記通気口および通気口包囲部材が、前記通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能である、ハンドル部材を更に備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記接合部導管と接触し、それと流体連通している管状先端部と、前記スタイレットの前記近位端においてまたはその周りで固定されるノブと、を更に備え、前記実質的に不撓な吸引管は、前記近位端と遠位端との間で屈曲し、前記受容部材は、前記ガイド構造の前記近位開口部と接触しており、前記ガイド構造は、(i)前記実質的に不撓な吸引管に実質的に平行かつそれと同延であるガイド管であって、ブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位端に近接して、かつ前記ガイド管の前記遠位端に近接して配置され、そのブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管およびガイド管を共接合(conjoin)する、ガイド管、または(ii)前記実質的に不撓な吸引管に実質的に平行である短縮されたガイド管であって、ブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位端に近接して、かつ前記ガイド管の前記遠位端に近接して配置され、そのブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管およびガイド管を共接合する、ガイド管、または(iii)前記実質的に不撓な吸引管上に配置される少なくとも1つの輪である、請求項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記管状先端部は、前記接合部導管に可逆的に取り付けられている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
吸引デバイスであって、
(a)第1の縦軸、近位開口部、遠位開口部、および前記遠位開口部に近接して配置される流入ポートを有する、実質的に不撓な吸引管と、
(b)前記第1の縦軸に実質的に平行である第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、
(c)近位端およびかぎ状遠位端を有する、かぎ状スタイレットと、
を備え、
スタイレットは、前記第2の縦軸に実質的に沿って配置され、前記ガイド構造によって取り囲まれ、その結果、前記かぎ状遠位端が、前記流入ポートにおいてまたはそれに近接して配置され、
記かぎ状スタイレットが、前記遠位方向に、前記第2の縦軸に実質的に沿って、かつ前記ガイド構造を通じて押し進められるとき、前記流入ポートの前記遠位縁からの抵抗に会う前記かぎ状遠位端の前記曲率が、前記かぎ状スタイレットを前記実質的に不撓な吸引管の中にかつ前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位開口部へと並進させ
各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、遠位取り付け領域、および前記真空コネクタと流体連通している前記中間領域上に配置される通気口を有する、管状基部部材を更に備え、前記遠位取り付け領域は、前記実質的に不撓な吸引管の前記近位開口部に動かないように固定されており、その結果、前記近位真空コネクタが、前記実質的に不撓な吸引管と流体連通し、前記管状基部部材は、前記中間領域上に配置される通気口包囲部材を更に備える、吸引デバイス。
【請求項7】
前記遠位取り付け領域に配置される受容部材を更に備え、前記受容部材は、前記スタイレットを取り囲み、前記第2の縦軸に沿った前記ガイド構造と同軸である、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲する、ハンドル部材であって、前記遠位取り付け領域に近接している前記第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素と、通気口アクセス開口部と、を含み、その結果、前記通気口および通気口包囲部材が、前記通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能である、ハンドル部材を更に備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記スタイレットの前記近位端においてまたはその周りで固定されるノブを更に備え、前記実質的に不撓な吸引管は、前記近位端と遠位端との間で屈曲し、前記受容部材は、前記ガイド構造の前記近位開口部と接触しており、前記ガイド構造は、(i)前記実質的に不撓な吸引管に実質的に平行である短縮されたガイド管であって、ブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位端に近接して、かつ前記ガイド管の前記遠位端に近接して配置され、そのブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管およびガイド管を共接合する、ガイド管、または(iii)前記実質的に不撓な吸引管上に配置される少なくとも1つの輪である、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
吸引デバイスであって、
(a)第1の縦軸、近位開口部、遠位開口部、および前記遠位開口部に近接して配置される流入ポートを有する、実質的に不撓な吸引管と、
(b)第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、
(c)近位端および遠位端を有する、スタイレットと、
を備え、
スタイレットは、前記第2の縦軸に実質的に沿って配置され、前記ガイド管によって取り囲まれ、
記ガイド構造の前記遠位開口部は、前記実質的に不撓な吸引管の前記流入ポートと接触しており、かつ前記遠位開口部と流体連通しており、その結果、
スタイレットを、前記ガイド構造を通じて、前記第2の縦軸に実質的に沿って軸方向に移動させることが、前記スタイレットの前記遠位端を、前記実質的に不撓な吸引管の前記流入ポートを通じて、前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位開口部へと並進させ
各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、遠位取り付け領域、および前記真空コネクタと流体連通している前記中間領域上に配置される通気口を有する、管状基部部材を更に備え、前記遠位取り付け領域は、前記実質的に不撓な吸引管の前記近位開口部に動かないように固定されており、その結果、前記近位真空コネクタが、前記実質的に不撓な吸引管と流体連通し、前記管状基部部材は、前記中間領域上に配置される通気口包囲部材を更に備える、吸引デバイス。
【請求項11】
前記遠位取り付け領域に配置される受容部材を更に備え、前記受容部材は、前記スタイレットを取り囲み、前記第2の縦軸に沿った前記ガイド構造と同軸である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲する、ハンドル部材であって、前記遠位取り付け領域に近接している前記第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素と、通気口アクセス開口部と、を含み、その結果、前記通気口および通気口包囲部材が、前記通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能である、ハンドル部材を更に備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記スタイレットの前記近位端においてまたはその周りで固定されるノブを更に備え、前記実質的に不撓な吸引管は、前記近位端と遠位端との間で屈曲し、前記受容部材は、前記ガイド構造の前記近位開口部と接触しており、前記ガイド構造は、代替的なガイド管であって、前記代替的なガイド管の前記遠位開口部が前記実質的に不撓な吸引管上の前記流入ポートと接続するまで、前記実質的に不撓な吸引管と実質的に平行である、代替的なガイド管である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
吸引デバイスであって、
(a)第1の縦軸、近位開口部、遠位開口部、および前記遠位開口部に近接して配置される流入ポートを有する、実質的に不撓な吸引管と、
(b)前記第1の縦軸に実質的に平行である第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、
(c)近位端および遠位端を有する、スタイレットと、
(d)前記流入ポートの前記遠位端の周りに配置されるリップと、
を備え、
スタイレットは、前記第2の縦軸に沿って配置され、前記ガイド構造によって取り囲まれ、
スタイレットが、前記ガイド構造を通じて、前記第2の縦軸に沿って移動するとき、前記スタイレットの前記遠位端は、前記リップの内側斜面または曲率に沿って移動し、前記流入ポートを通じて、前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位開口部まで並進し、
各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、遠位取り付け領域、および前記真空コネクタと流体連通している前記中間領域上に配置される通気口を有する、管状基部部材を更に備え、前記遠位取り付け領域は、前記実質的に不撓な吸引管の前記近位開口部に動かないように固定されており、その結果、前記近位真空コネクタが、前記実質的に不撓な吸引管と流体連通し、前記管状基部部材は、前記中間領域上に配置される通気口包囲部材を更に備える、吸引デバイス。
【請求項15】
前記遠位取り付け領域に配置される受容部材を更に備え、前記受容部材は、前記スタイレットを取り囲み、前記第2の縦軸に沿った前記ガイド構造と同軸である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲する、ハンドル部材であって、前記遠位取り付け領域に近接している前記第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素と、通気口アクセス開口部と、を含み、その結果、前記通気口および通気口包囲部材が、前記通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能である、ハンドル部材を更に備える、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記スタイレットの前記近位端においてまたはその周りで固定されるノブを更に備え、前記実質的に不撓な吸引管は、前記近位端と遠位端との間で屈曲し、前記受容部材は、前記ガイド構造の前記近位開口部と接触しており、前記ガイド構造は、(i)前記実質的に不撓な吸引管に実質的に平行である短縮されたガイド管であって、ブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管の前記遠位端に近接して、かつ前記ガイド管の前記遠位端に近接して配置され、そのブラケットが、前記実質的に不撓な吸引管およびガイド管を共接合する、ガイド管、または(iii)前記実質的に不撓な吸引管上に配置される少なくとも1つの輪である、請求項16に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術野内から残骸を除去するために用いられる、外科用器具の分野に関する。特に、本発明は、その取り入れ部分から残骸を自己掃除する(self−clearing)ための手段を含む、外科用、歯科用、または獣医用使用のための管状吸引デバイスである。
【背景技術】
【0002】
患者へのいずれの外科的処置に対する共通の要件は、患者において開放される手術野から、外科医の視野を遮る流体および微粒子を継続的に取り除かなければならないということである。これらの流体および微粒子には、数ある中でも、血液、かん流液、骨片または骨粉、止血剤が含まれ得る。外科手術が生じる身体の領域を問わないが、とりわけ神経学的処置または整形外科的処置に関して、相当量のこれらの流体および微粒子は、外科医による手術野の明瞭な観察に対して難題を提示する。患者に由来する流体および微粒子に加えて、止血剤として有用に用いられる異物もまた、手術野を遮る可能性があり、除去を要求する。かかる止血剤には、吸収性ゼラチンスポンジ(例えば、Baxter Healthcare CorporationからのGelfoam)、蜜蝋および鉱物蝋の捏和可能な混合物(例えば、Johnson&JohnsonからのEthicon Bone Wax)、また酸化セルロースポリマー(例えば、商標名Surgicel by Johnson&Johnsonの下で販売されるポリ無水グルクロン酸のポリマー)が含まれる。
【0003】
これらの材料を除去することは、典型的に、外科用吸引デバイスを使用し、外科用吸引デバイスの遠位先端部を手術野内およびその周りに挿入して達成され、その上で、視野を遮る材料が視野の外側の場所へと吸い取られるが、やがて、つまり、遠位先端部が、粒子状物質もしくは凝固血液またはそのような組み合わせによって塞がるようになり、それは不可避である。
【0004】
遠位先端部は、一般的に外科用吸引先端部と称され、いずれの外科的処置にも不可欠な部分である。上に提示された問題の一般的見解に対してより詳細には、吸引先端部は、プラスチック管類を介して手術室内の壁吸引ユニットに接続される。先端部において作り出される吸引(下で陰圧と称される)は、外科医の視野を妨害し得る上述の材料を視野から取り除く。
【0005】
詰まった吸引先端部を掃除するために外科手術において取られる実用的アプローチは、外科手術を中断して、先端部を浄化できるようにすることである。文字通り、外科医は、手術野を掃除することを止め、詰まった吸引を手洗い看護師に手渡して、彼女/彼が、それを食塩水フラッシュまたはスタイレット(すなわち、妨害物をつつき、真空路から除去するために用いられる用具)により掃除することができるようにする。このプロセスは、外科手術において複数回反復する必要があり得、手術時間を長引かせ、外科的処置に相当な非効率性の源を与える。
【0006】
詰まった遠位先端部の問題を排除する切望によって触発された吸引先端部の種々の形の開発にもかかわらず、吸引先端部の詰まりは、全ての手術室において問題のままである。したがって、外科医は、外科用吸引デバイスを、その遠位先端部が詰まるまで使用し、それをアシスタントに手渡し、そのアシスタントは、滅菌条件下で、手動で先端部を交換するかまたはその詰まりを取り、外科用吸引デバイスを再び外科医に手渡す。明白に、掃除のために外科用吸引デバイスをアシスタントに手渡し、次いでそれを取り戻し、次いでそれがその意図される任務を行うことができる場所にそれを配置する必要性によって、重大な時間が失われるが、やがて、悲しいことに、そのサイクルは、遠位先端部がなおも再び詰まることにより反復され、時間が失われ、患者は必要以上に長く外科手術に留まる。
【0007】
外科医が、遠位先端部を別の者に渡すか、あるいはそもそも手術野の開放を引き起こした患者の問題に対処する作業を完了して時間を失う必要なしに、遠位先端部を直接掃除することを可能にするように設計される、外科用吸引デバイスを有することは望ましいであろう。
【発明の概要】
【0008】
頻繁に詰まった外科用吸引デバイスから発生するこれらの問題に対処するために、本明細書において特許請求される本発明は、外科医が単独で、外科用吸引デバイスの遠位先端部における妨害物を除去することを可能にする。本発明は、故に、滅菌条件下で、詰まった外科用吸引デバイスを手渡され、次いで手動で先端部を交換またはその詰まりを取り、外科用吸引デバイスを再び外科医に手渡す、アシスタントに対する必要性を回避する。本明細書に記載される本発明はまた、種々の形の吸引先端部と継ぎ目なく機能し、故に、外科医に、適用に好適な先端部の形の選定を提供する。
【0009】
第1の実施形態では、本明細書に記載される本発明は、(a)第1の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、吸引管と、(b)第1の縦軸に実質的に平行である第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、(c)近位端および遠位端を有する、スタイレットと、(d)近位開口部および遠位開口部を有する、接合部導管とを含み、スタイレットは、第2の縦軸に沿って配置され、ガイド構造によって取り囲まれ、接合部導管の近位開口部は、接合部導管の遠位開口部が吸引管と流体連通するように、吸引管の少なくとも遠位開口部と接触している。スタイレットを、ガイド構造を通じて、第2の縦軸に沿って、接合部導管を通じて押し進めることは、スタイレットの遠位端を接合部導管の遠位開口部へと並進させる。
【0010】
第2の実施形態では、本発明は、スタイレットの近位端においてまたはその周りで固定されるノブ、ならびに/または各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、および遠位取り付け領域を有する、管状基部部材を更に含み、遠位取り付け領域は、近位真空コネクタが吸引管と流体連通するように、吸引管の近位開口部と接触している。管状基部部材は、管状基部部材の近位端において真空コネクタに接続される真空源と流体連通している、管状基部部材の中間領域上に配置される、通気口特徴を含むことができる。通気口は、手術野の部位において呈される陰圧を、それが妨害される度合いに制御することができる。通気口に対する妨害の度合いを容易にするために、管状基部部材は、中間領域上に配置される通気口包囲部材を含む。通気口はまた、空気の流動によって作り出される音を低減するためのマフラーとしても作用する。
【0011】
第3の実施形態では、遠位取り付け領域に配置される受容部材は、スタイレットを取り囲み、第2の縦軸に沿ったガイド構造と同軸である。
【0012】
第4の実施形態は、中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲し、遠位取り付け領域に近接している第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素を含む、ハンドル部材を含む。通気口アクセス開口部もまた、通気口および通気口包囲部材が通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能であるように、含め、配置することができる。
【0013】
第5の実施形態は、接合部導管と接触し、それと流体連通している管状先端部を含む。
【0014】
使用の利便性のために、幾つかの実施形態では、吸引管は、近位端と遠位端との間で屈曲する。吸引管が屈曲構成において用いられるとき、ガイド構造もまた、近位端と遠位端との間で屈曲してもよい。
【0015】
ガイド構造の位置を安定化するために、受容部材は、ガイド構造の近位開口部と接触しており、ブラケットは、吸引管およびガイド構造を共接合(conjoin)するために、吸引管の遠位端に近接して、かつガイド構造の遠位端に近接して配置されてもよい。
【0016】
本発明は、吸引管に実質的に平行かつそれと同延であるガイド管である、ガイド構造を有してもよい。
【0017】
幾つかの事例では、ガイド構造は、吸引管に実質的に平行である短縮されたガイド管であり、なおかつ他の事例では、ガイド構造は、吸引管上に配置される少なくとも1つの輪である。
【0018】
第6の実施形態では、吸引デバイスは、(a)第1の縦軸、近位開口部、遠位開口部、および遠位開口部に近接して配置される流入ポートを有する、吸引管と、(b)第1の縦軸に実質的に平行である第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、(c)近位端およびかぎ状遠位端を有する、かぎ状スタイレットとを含み、スタイレットは、かぎ状遠位端が流入ポートにおいてまたはそれに近接して配置されるように、第2の縦軸に実質的に沿って配置され、ガイド構造によって取り巻かれる。かぎ状スタイレットが、遠位方向に、第2の縦軸に実質的に沿って、ガイド構造を通じて押し進められるとき、流入ポートの遠位縁からの抵抗に会うかぎ状遠位端の曲率が、かぎ状スタイレットを吸引管の中にかつ吸引管の遠位開口部へと並進させる。
【0019】
第7の実施形態では、本発明は、スタイレットの近位端においてまたはその周りで固定されるノブ、ならびに/または各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、および遠位取り付け領域を有する、管状基部部材を更に含み、遠位取り付け領域は、近位真空コネクタが吸引管と流体連通するように、吸引管の近位開口部と接触している。管状基部部材は、管状基部部材の近位端において真空コネクタに接続される真空源と流体連通している、管状基部部材の中間領域上に配置される、通気口特徴を含むことができる。通気口は、手術野の部位において呈される陰圧を、それが妨害される度合いに制御することができる。通気口に対する妨害の度合いを容易にするために、管状基部部材は、中間領域上に配置される通気口包囲部材を含む。通気口はまた、空気の流動によって作り出される音を低減するためのマフラーとしても作用する。
【0020】
第8の実施形態では、遠位取り付け領域に配置される受容部材は、スタイレットを取り囲み、第2の縦軸に沿ったガイド構造と同軸である。
【0021】
第9の実施形態は、中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲し、遠位取り付け領域に近接している第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素を含む、ハンドル部材を含む。通気口アクセス開口部もまた、通気口および通気口包囲部材が通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能であるように、含め、配置することができる。
【0022】
使用の利便性のために、幾つかの実施形態では、吸引管は、近位端と遠位端との間で屈曲する。吸引管が屈曲構成において用いられるとき、ガイド構造もまた、近位端と遠位端との間で屈曲してもよい。
【0023】
ガイド構造の位置を安定化するために、受容部材は、ガイド構造の近位開口部と接触しており、ブラケットは、吸引管およびガイド構造を共接合するために、吸引管の遠位端に近接して、かつガイド構造の遠位端に近接して配置されてもよい。
【0024】
本発明は、吸引管に実質的に平行である短縮されたガイド管である、ガイド構造を有してもよく、なおかつ他の事例では、ガイド構造は、吸引管上に配置される少なくとも1つの輪である。
【0025】
吸引デバイスの第10の実施形態は、(a)第1の縦軸、近位開口部、遠位開口部、および遠位開口部に近接して配置される流入ポートを有する、吸引管と、(b)第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、(c)近位端および遠位端を有する、スタイレットとを含み、スタイレットは、第2の縦軸に実質的に沿って配置され、ガイド構造によって取り囲まれ、ガイド構造の遠位開口部は、吸引管の流入ポートと接触しており、遠位開口部と流体連通している。スタイレットを、ガイド構造を通じて、第2の縦軸に実質的に沿って押し進めることは、スタイレットの遠位端を、吸引管の流入ポートを通じて、吸引管の遠位開口部へと並進させる。
【0026】
第11の実施形態では、本発明は、スタイレットの近位端においてまたはその周りで固定されるノブ、ならびに/または各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、および遠位取り付け領域を有する、管状基部部材を更に含み、遠位取り付け領域は、近位真空コネクタが吸引管と流体連通するように、吸引管の近位開口部と接触している。管状基部部材は、管状基部部材の近位端において真空コネクタに接続される真空源と流体連通している、管状基部部材の中間領域上に配置される、通気口特徴を含むことができる。通気口は、手術野の部位において呈される陰圧を、それが妨害される度合いに制御することができる。通気口に対する妨害の度合いを容易にするために、管状基部部材は、中間領域上に配置される通気口包囲部材を含む。通気口はまた、空気の流動によって作り出される音を低減するためのマフラーとしても作用する。
【0027】
第12の実施形態では、遠位取り付け領域に配置される受容部材は、スタイレットを取り囲み、第2の縦軸に沿ったガイド構造と同軸である。
【0028】
第13の実施形態は、中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲し、遠位取り付け領域に近接している第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素を含む、ハンドル部材を含む。通気口アクセス開口部もまた、通気口および通気口包囲部材が通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能であるように、含め、配置することができる。
【0029】
第14の実施形態では、ガイド構造は、代替的なガイド管であり、吸引管および代替的なガイド管は、代替的なガイド管の遠位開口部が吸引管上の流入ポートと接続するまで、吸引管およびガイド構造が実質的に平行であるように、それらのそれぞれの近位端と遠位端との間で屈曲する。
【0030】
第15の実施形態では、吸引デバイスは、(a)第1の縦軸、近位開口部、遠位開口部、および遠位開口部に近接して配置される流入ポートを有する、吸引管と、(b)第1の縦軸に実質的に平行である第2の縦軸、近位開口部、および遠位開口部を有する、ガイド構造と、(c)近位端および遠位端を有する、スタイレットと、および(d)流入ポートの遠位端の周りに配置されるリップとを含み、スタイレットは、第2の縦軸に沿って配置され、ガイド構造によって取り囲まれ、スタイレットが、ガイド構造を通じて、第2の縦軸に沿って押し進められるとき、スタイレットの遠位端は、リップの曲率または斜面に沿って移動し、流入ポートを通じて吸引管の遠位開口部へと並進する。
【0031】
第16の実施形態では、本発明は、スタイレットの近位端においてまたはその周りで固定されるノブ、ならびに/または各々互いに流体連通している近位真空コネクタ、中間領域、および遠位取り付け領域を有する、管状基部部材を更に含み、遠位取り付け領域は、近位真空コネクタが吸引管と流体連通するように、吸引管の近位開口部と接触している。管状基部部材は、管状基部部材の近位端において真空コネクタに接続される真空源と流体連通している、管状基部部材の中間領域上に配置される、通気口特徴を含むことができる。通気口は、手術野の部位において呈される陰圧を、それが妨害される度合いに制御することができる。通気口に対する妨害の度合いを容易にするために、管状基部部材は、中間領域上に配置される通気口包囲部材を含む。通気口はまた、空気の流動によって作り出される音を低減するためのマフラーとしても作用する。
【0032】
第17の実施形態では、遠位取り付け領域に配置される受容部材は、スタイレットを取り囲み、第2の縦軸に沿ったガイド構造と同軸である。
【0033】
第18の実施形態は、中間領域および遠位取り付け領域に操作可能に取り付けられ、それらを包囲し、遠位取り付け領域に近接している第2の縦軸に実質的に平行に延在するトラック要素を含む、ハンドル部材を含む。通気口アクセス開口部もまた、通気口および通気口包囲部材が通気口アクセス開口部を通じてアクセス可能であるように、含め、配置することができる。
【0034】
使用の利便性のために、幾つかの実施形態では、吸引管は、近位端と遠位端との間で屈曲する。吸引管が屈曲構成において用いられるとき、ガイド構造もまた、近位端と遠位端との間で屈曲してもよい。
【0035】
ガイド構造の位置を安定化するために、受容部材は、ガイド構造の近位開口部と接触しており、ブラケットは、吸引管およびガイド構造を共接合するために、吸引管の遠位端に近接して、かつガイド構造の遠位端に近接して配置されてもよい。
【0036】
本発明は、吸引管に実質的に平行である短縮されたガイド管である、ガイド構造を有してもよく、なおかつ他の事例では、ガイド構造は、吸引管上に配置される少なくとも1つの輪である。
【0037】
本発明の前述の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付の図面と併せて読まれる、実施形態の次の詳細な説明から明らかである。詳細な説明および図面は、限定的であるよりもむしろ、本発明を単に例証するものである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって規定される。均等物の意味および範囲内の全ての変更または修正は、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1a】自浄式外科用吸引デバイスの一実施形態の斜視図。
【0039】

図1b図1aに図示される自浄式外科用吸引デバイスの実施形態の分解斜視図。
【0040】
図2a】本発明の一実施形態において用いられるガイド構造の側面図。
【0041】
図2b図2aに図示される吸引管の遠位端からの正面図。
【0042】
図3a】本発明の一実施形態において用いられるガイド管の側面図。
【0043】
図3b図3aに図示されるガイド管の遠位端からの正面図。
【0044】
図4】吸引管の遠位端がブラケットの遠位開口部を越えて延在する、一実施形態の斜視図。
【0045】
図5a】接合部要素の斜視図。
【0046】
図5b】接合部導管の近位開口部の正面図。
【0047】
図5c】横断面A−Aに沿った接合部導管の断面図。
【0048】
図6】管状先端部の側面図および正面図。
【0049】
図7a】管状基部部材の上面図。
【0050】
図7b】管状基部部材の側面図。
【0051】
図7c】管状基部部材の遠位端の正面図。
【0052】
図8a】取り付けられたノブを有するスタイレットの斜視図。
【0053】
図8b】ノブの正面図。
【0054】
図9】背側ハンドルピースの斜視図。
【0055】
図10】腹側ハンドルピースの斜視図。
【0056】
図11】組み立てられ、腹側ハンドルピース内に配置された、管状基部、スタイレット、吸引管、およびガイド管の斜視図。
【0057】
図12】一旦ハンドルピースの取り付けが完成したときの、遠位取り付け領域の外壁への遠位背側陥凹および遠位腹側陥凹の近さを例証する斜視図。
【0058】
図13】組み立てられ、完成したハンドルピース内に配置された、管状部材、スタイレット、およびノブの横断面A−Aに沿った断面斜視図。
【0059】
図14】少なくとも1つの輪を利用して、スタイレットを接合部導管へと誘導する、代替的な実施形態の斜視図。
【0060】
図15】短縮されたガイド管がスタイレットを接合部導管中へと誘導する、代替的な実施形態の斜視図。
【0061】
図16】少なくとも1つの輪を使用して、スタイレットのかぎ状端部を吸引管の遠位開口部近くの流入ポート内に維持する、代替的な実施形態の斜視図。
【0062】
図17】短縮されたガイド管を使用して、スタイレットのかぎ状端部を吸引管の遠位開口部近くの流入ポート内に維持する、代替的な実施形態の斜視図。
【0063】
図18】代替的なガイド管が、スタイレットを、吸引管の遠位開口部近くの吸引管中へと直接供給することができる、本発明の代替的な実施形態の斜視図。
【0064】
図19】短縮されたガイド管がスタイレットをリップへと誘導する、本発明の代替的な実施形態の斜視図。
【0065】
図20】少なくとも1つの輪がスタイレットをリップへと誘導する、本発明の代替的な実施形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1aおよび1bに示されるように、自浄式外科用吸引デバイス1の一実施形態は、吸引管10、ガイド構造20、ブラケット30、接合部導管40、管状先端部50、基部部材60、スタイレット70、およびハンドル部材100を備え、ガイド構造20は、ガイド管20’の形態である。
【0067】
自浄式外科用吸引デバイス1の一実施形態では、吸引管10およびガイド管20′は、相互に実質的に平行かつ同延である。図2aに示されるように、吸引管10は、第1の縦軸12、近位開口部14、および遠位開口部16を含む。図示される実施形態では、吸引管10は、長さが約5インチ〜約6インチであり、約0.05インチ〜約0.1インチの内径、および約0.1インチ〜約0.15インチの外径を有する。本発明の他の実施形態は、意図される使用に適するように実質的により小さいまたはより大きい内径および外径を有する、実質的により短いまたはより長い吸引管10を含む。例えば、適切に鎮静された大型動物において、残骸を裂傷から外科的に除去しようとする獣医には、大きい外科用吸引デバイス1の使用がよりよく役立つ一方で、幼児の歯の形を整えることを必要とする歯科医は、より小さいかかるデバイスがより実用的であることに気付くであろう。したがって、吸引管、ならびに本発明の他の構成要素のために提示される寸法は、本発明の種々の記載される実施形態の単なる例であり、決して限定的であるように見なされない。
【0068】
図3aは、第2の縦軸22、近位開口部24、および遠位開口部26を含む、ガイド管20′を例証する。ガイド管20´は、長さが約5インチ〜約6インチであり、約0.05インチ〜約0.1インチの内径、および約0.1インチ〜約0.15インチの外径を有する。
【0069】
吸引管10およびガイド管20′は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、管状構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。
【0070】
図1に示されるように、吸引管10およびガイド管20′は、斜めに屈曲してもよい。代替的に、吸引管10およびガイド管20′は、およそ直角に屈曲してもよい。なおも他の実施形態では、吸引管10およびガイド管20′は、屈曲しない。
【0071】
吸引管10およびガイド管20′は、図1aにおける完成したアセンブリによって例証されるように、吸引管10の遠位開口部16およびガイド管20′の遠位開口部26に近接するブラケット30によって共接合されてもよい。ブラケット30は、吸引管10およびガイド管20′の周囲のオーバーモールド成形、摩擦型取り付け、溶接、および/または糊付けによって、吸引管10およびガイド管20′の遠位端に配置されてもよい。一実施形態では、ブラケットは、吸引管10およびガイド管20′の周囲でオーバーモールド成形および糊付けされる。図4に示されるように、吸引管10の短い長さが、ブラケット30の遠位端を越えて延在する。他の実施形態では、吸引管10およびガイド管20′の両方の短い長さが、ブラケット30の遠位端を越えて延在してもよく、またはガイド管20′の短い長さが、ブラケット30の遠位端を越えて延在してもよい。
【0072】
ブラケット30の遠位端を越えて延在する吸引管10の遠位開口部16は、接合部導管40の遠位開口部44が、第1の縦軸12に沿った吸引管10と実質的に同軸であり、吸引管10と流体連通するように、ブラケット30の遠位端を越えて延在する吸引管10の遠位端を、接合部導管40の近位開口部42中へと挿入することを通して、接合部導管40と接触し、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite(登録商標)4011(商標)または4161(商標)Prism(登録商標)等の、シアノアクリレート接着剤によって定着される。
【0073】
代替的な実施形態では、接合部導管40の遠位開口部44は、第1の縦軸12に沿った吸引管10と同軸でない。近位開口部42は、図5bに示されるように、内部の短軸の長さ43が約0.1インチ〜約0.15インチの範囲である、楕円形を有する。接合部導管40は代替的に、溶接によって定着されてもよい。接合部導管40はまた、接合部導管40の吸引管10からの係脱を可能にする摩擦型取り付けによって定着されてもよい。
【0074】
ブラケット30および接合部導管40は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、意図される構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。
【0075】
図1に示されるように、管状先端部50は、接合部導管40と接触していてもよい。図6は、管状先端部50が近位開口部52および遠位開口部54を有することを例証する。管状先端部50は、吸引管10およびガイド管20のための代替的な材料について上述されるように、金属、合金、ポリマー、またはセラミックで作製されてもよい。近位開口部52および遠位開口部54は、約0.1インチ〜約0.15インチの範囲である外径、約0.05インチ〜約0.1インチの範囲である内径を有し、均一であってもなくてもよい。一実施形態では、管状先端部50は、管状先端部50が、第1の縦軸12に沿った吸引管10と同軸であり、吸引管10と流体連通するように、管状先端部50の近位端を、接合部導管40の遠位開口部44を通じて挿入することを通して、接合部導管40と接触し、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite(登録商標)4011(商標)または4161(商標)Prism(登録商標)等の、シアノアクリレート接着剤によって定着される。代替的な実施形態では、管状先端部50は、第1の縦軸12に沿った吸引管10と同軸でない。
【0076】
管状先端部50は代替的に、溶接によって定着されてもよい。管状先端部50はまた、溶接または接着剤なしに嵌合して、管状先端部50の接合部導管40からの係脱を可能にしてもよい。例えば、管状先端部50は、先端部が接合部導管40の遠位開口部44の中に押込まれ、摩擦力によって保持されることを可能にする外径を有してもよい。別の例では、管状先端部50の近位端は、それが接合部導管40中へねじ込まれ得るように、螺入されてもよく、この例においてそれは、接合部導管40の遠位開口部44の内径に近接して配置される、対応するねじ山を有する。
【0077】
図1に示されるように、自浄式外科用吸引デバイス1の実施形態はまた、管状基部部材60を備える。図7aは、管状基部部材60が、近位真空コネクタ62、中間領域64、遠位取り付け領域66、および近位真空コネクタ62と流体連通している遠位取り付け開口部67を備えることを示す。管状基部60は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、意図される構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。一実施形態では、管状基部60は、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンで作製される。
【0078】
吸引管10の近位端は、吸引管10が近位真空コネクタ62と流体連通するように、遠位取り付け領域66中へと、遠位取り付け開口部67を通じて挿入される。吸引管10は、管状基部部材60が第1の縦軸12に沿った吸引管10と同軸であるように、溶接または接着剤によって、遠位取り付け領域66内に定着される。一実施形態では、吸引管10は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite 4011または4161 Prism(登録商標)等の、シアノアクリレート接着剤によって、遠位取り付け領域66内に定着される。図示されない代替的な実施形態は、吸引管10が管状基部部材60と同軸であるように、遠位取り付け領域66が溶接または接着剤によって吸引管10内に定着されるような接続を含む。
【0079】
図7bに示されるように、管状基部部材60はまた、受容部材65、近位受容部材開口部68、および遠位受容部材開口部69を備える。受容部材65は、溶接、糊付けによって遠位取り付け領域66上に配置されてもよく、または管状基部部材60の一体成形もしくは鋳型の一部であってもよい。一実施形態では、受容部材65は、管状であり、受容部材65が遠位取り付け領域66に実質的に平行であるように、管状基部部材60の一体成形の一部として遠位取り付け領域66上に配置される。
【0080】
ガイド管20の近位開口部24は、ガイド管20の近位端を、受容部材65中に、遠位受容部材開口部69を通じて挿入することを通して、受容部材65と接触している。ガイド管20は、受容部材65が第2の縦軸22に沿ったガイド管20と同軸であるように、溶接または接着剤によって受容部材65内に定着されてもよい。一実施形態では、ガイド管20は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite 4011または4161 Prism(登録商標)等の、シアノアクリレート接着剤によって、受容部材65内に定着される。図示されない代替的な実施形態は、受容部材65が第2の縦軸22に沿ったガイド管20と同軸であるように、受容部材65が溶接または接着剤によってガイド管20内に定着されるような接続を含む。
【0081】
近位真空コネクタ62は、真空管類(図示されず)の真空コネクタ62への堅固な取り付けを容易にする、外部ねじ山62aを有しても、有さなくてもよい。
【0082】
図7aに示される、通気口61は、管状基部部材60の中間領域64上に配置され、近位真空コネクタ62および管状先端部50の遠位開口部54と流体連通している。通気口61は、急速な気流からのノイズを減少させることによって、マフラーとして作用することができる。通気口61はまた、通気口61が妨害される量を変動させることによって、管状先端部50の遠位開口部54における陰圧の量を制御することができる。
【0083】
通気口包囲部材63は、通気口61を包囲し、妨害の度合いの手動制御を容易にする。通気口包囲部材63は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、意図される構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。一実施形態では、通気口包囲部材63は、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンで作製される。
【0084】
通気口包囲部材63は、管状基部部材60に溶接されても、管状基部部材60に糊付けされても、または管状基部部材60の一体成形もしくは鋳型の一部であってもよい。一実施形態では通気口包囲部材63は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite 4011または4161(商標)Prism等の、シアノアクリレート接着剤によって、管状基部部材60の中間領域64上に糊付けされる。一実施形態では通気口包囲部材63は、通気口61が妨害される度合いを制御することを更に補助するために、凹状であり、楕円形状を有する。他の実施形態は、長方形、および/または平坦な通気口包囲部材63を含んでもよい。別の実施形態は、通気口包囲部材63を含まない。
【0085】
図8aに示される、近位端72および遠位端74を有するスタイレット70は、スタイレット70の遠位端74を、近位受容部材開口部68中へと、受容部材65を通じて、遠位受容部材開口部69から出て、ガイド管20′中へと挿入することによって、ガイド管20′内に配置される。スタイレット70の長さは、約7インチ〜約9インチの範囲である。スタイレット70の直径は、約0.05インチ〜約0.1インチの範囲である。スタイレット70は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、または(b)ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、(ここで好適な金属、合金、またはプラスチックは、それぞれ、非線形移動に好適な弾性を有し、医療使用のために滅菌することができる)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。一実施形態では、スタイレットは、ポリマー化合物から構成され、より詳細には、スタイレットは、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチックから構成され、その適格性は、十分な可撓性、剛性、および少なくとも1回滅菌される能力という機能である。
【0086】
図8bに示されるように、ノード76、ウェブ77、フランジ78、およびグリップ79を有する、ノブ75は、グリップ79をスタイレット70の近位端の周りに溶接、糊付け、および/または摩擦により取り付けることによって、スタイレット70に固定されてもよい。一実施形態ではノブ75は、グリップ79への摩擦型取り付けによって、スタイレット70の近位端72の周りで固定され、別の実施形態では、ノブ75は、スタイレット70の一体成形または鋳型の一部として、スタイレット70の近位端の周りに位置してもよい。一実施形態では、ノブ75は、ノード76を遠位方向に手動でずらすことによって、スタイレット70を、遠位方向に、ガイド管20′を通じて、第2の縦軸22に沿って手動で押し進めることを容易にする。スタイレット70の遠位端74が接合部導管40を通じて押し進められるとき、遠位端74の運動は、第2の縦軸22から第1の縦軸12へと、接合部導管40の遠位開口部44から出て、管状先端部50を通じて並進する。スタイレット70の遠位端74は、ノード76を近位方向に押し進めることによりノブ75を手動でずらすことによって、後退させることができる。管状先端部50の遠位開口部54において呈される陰圧は、スタイレット70の遠位端74が吸引管10と一致するとき、ノブ75の手動による変位に比例して変動させられてもよい。
【0087】
フランジ78は、図8bに示される本発明の実施形態に対する正面図から示されるように、湾曲した屈曲を有する「L」字形をとってもよい。フランジ78は、フランジ78およびグリップ79アセンブリが管状基部部材60を回避することを可能にする、鋭角の屈曲を有する「L」字形または任意の他の好適な形等の他の形をとってもよい。
【0088】
ノブ75は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、意図される構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。一実施形態では、ノブ75は、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンで作製される。
【0089】
図1に示されるように、実施形態はまた、背側ハンドルピース80および腹側ハンドルピース90からなる、ハンドル部材100を含む。図9に示される、背側ハンドルピース80は、通気口アクセス開口部82、複数の締り嵌め柱84、近位背側陥凹86、および遠位背側陥凹88を含む。背側ハンドルピース80は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで材料は、製造される構造を維持する引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することができる)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。実施形態では、背側ハンドルピース80は、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンで作製され、4つの締り嵌め柱84を含む。
【0090】
図10に示される、腹側ハンドルピース90は、背側ハンドルピース80の締りフリット(frit)柱84を受容する複数のソケット92、トラック要素94、近位腹側陥凹96、および遠位腹側陥凹98を含む。腹側ハンドルピース90は、限定を意図することなく、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで材料は、製造される構造を維持する引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することができる)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。一実施形態では、背側ハンドルピース90は、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンで作製され、4つのソケット92を含む。
【0091】
図11に示されるように、腹側ハンドルピース90の内部空洞は、管状基部部材60およびスタイレット70の近位端72に近接する領域を、その内部空洞内に配置するのに好適である。ノブ75のウェブ77は、図11に示されるトラック要素94の幅を横切るために、当業者に既知の適切な長さを有し、故に、接続されるスタイレット70を第2の縦軸22に沿って押し進めるための、ノブ75のノード76へのアクセスのしやすさを可能にする。複数の締りフリット柱84は、基部部材60の中間領域64および遠位取り付け領域66を包囲するハンドル部材100を完成するために、背側ハンドルピース80の対応するソケット92に挿入される。締りフリット柱84を対応するソケット92中へと挿入した後、背側ハンドルピース80および腹側ハンドルピース90は、相互に溶接、糊付け、および/または摩擦により取り付けされてもよい。一実施形態では、背側ハンドルピース80は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite 4011または4161 Prism等の、シアノアクリレート接着剤によって、腹側ハンドルピース90に糊付けされる。他の実施形態では、ハンドル部材100は、管状基部部材60上にオーバーモールド成形されてもよい。
【0092】
図12に示されるように、近位背側陥凹86および対応する近位腹側陥凹96は、管状基部部材60の外壁への近位背側陥凹86および近位腹側陥凹96の近さが、糊付け、溶接、および/または摩擦型取り付けを可能にするように、近位真空コネクタ62に近接して管状基部部材60を取り囲む。
【0093】
遠位背側陥凹88および遠位腹側陥凹98は、管状基部部材60の外壁への遠位背側陥凹88および遠位腹側陥凹98の近さが、糊付け、溶接、および/または摩擦型取り付けを可能にするように、遠位取り付け領域66に近接して管状基部部材60を取り囲む。
【0094】
一実施形態では、背側ハンドピース80および腹側ハンドピース90は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite 4011または4161 Prism等の、シアノアクリレート接着剤によって、近位背側陥凹86、近位腹側陥凹96、遠位背側陥凹88、および遠位腹側陥凹98において管状基部部材60の外壁に糊付けされる。
【0095】
通気口アクセス開口部82は、通気口包囲部材61を包囲して、溶接、糊付け、および/または摩擦型取り付けを可能にするための、当業者に既知の寸法を有する。一実施形態では、通気口アクセス開口部82は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite(登録商標)4011または4161 Prism等の、シアノアクリレート接着剤によって、通気口包囲部材62に糊付けされる。
【0096】
図1に示される一実施形態では、管状基部部材60の近位真空コネクタ62は、曝露されたままである。
【0097】
図10に示される一実施形態では、腹側ハンドルピース90上のトラック要素94の深さは、背側ハンドルピース80を腹側ハンドルピース90上に配置することによって、ノブ75を、トラック要素94に沿って第2の縦軸22に実質的に平行である変位に限定するように好適であるべきである。図11および図13に示される一実施形態では、当業者に既知のウェブ77の適切な長さは、フランジ78を、ハンドル部材100の内側空洞に制限し、それによりノブ75の水平移動を妨げ、ノブ75を、トラック要素94に沿って第2の縦軸22に実質的に平行である変位に更に限定する。
【0098】
図14に示されるように、自浄式外科用吸引デバイス1の1つの代替的な実施形態は、輪20″が、スタイレット70を、接合部導管40の近位開口部42を通じて誘導し、第2の縦軸22と実質的に同軸であるように、吸引管10上に配置される少なくとも1つの輪20″のガイド構造20を備える。更に、輪20″は、スタイレット70の遠位端74が、遠位方向に、第2の縦軸22に実質的に沿って押し進められるときに好適なガイダンスを提供するために、吸引管10上に配置されるべきである。輪20″は、溶接、糊付けによって、または吸引管10の一体成形もしくは鋳型の一部として、吸引管上に配置されてもよい。輪20″は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、環状構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。
【0099】
図15に示されるように、自浄式外科用吸引デバイス1の1つの代替的な実施形態は、第2の縦軸22、近位開口部24、および遠位開口部26を有する短縮されたガイド管20'''の形態で、ガイド構造20を備える。短縮されたガイド管20'''は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、管状構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。
【0100】
短縮されたガイド管20'''は、吸引管10に実質的に平行であってもよい。吸引管10および短縮されたガイド管20'''は、図15における完成したアセンブリによって例証されるように、吸引管10の遠位開口部16および短縮されたガイド管20'''の遠位開口部26に近接するブラケット30によって共接合されてもよい。ブラケット30は、吸引管10および短縮されたガイド管20'''の周囲のオーバーモールド成形、摩擦型取り付け、溶接、および/または糊付けによって、吸引管10および短縮されたガイド管20'''の遠位端に配置されてもよい。
【0101】
図15の図示される実施形態では、近位開口部24は、短縮されたガイド管20'''の近位端を、受容部材65中へと、遠位受容部材開口部69を通じて挿入することを通して、受容部材65と接触している。短縮されたガイド管20'''は、受容部材65が第2の縦軸22に沿った短縮されたガイド管20'''と同軸であるように、溶接または接着剤によって受容部材65内に定着されてもよい。1つの代替的な実施形態では、短縮されたガイド管20'''は、好適な接着剤、例えば、Henkelによって製造されるLoctite 4011または4161 Prism等の、シアノアクリレート接着剤によって、受容部材65内に定着される。図示されない代替的な実施形態は、受容部材65が第2の縦軸22に沿った短縮されたガイド管20'''と同軸であるように、受容部材65が溶接または接着剤によって短縮されたガイド管20'''内に定着されるような接続を含む。
【0102】
図16に示される、自浄式外科用吸引デバイス1の別の代替的な実施形態は、接合部導管40を組み込まない。代わりに、かぎ状スタイレット112は、かぎ状スタイレット112のかぎ状遠位端113が、吸引管10の遠位端に近接して配置される流入ポート114内に配置されるように、少なくとも1つの輪20″のガイド構造20によって誘導される。輪20″は、溶接、糊付けによって、または吸引管10の一体成形もしくは鋳型の一部として、吸引管上に配置されてもよい。かぎ状スタイレット112が、遠位方向に、第2の縦軸22に実質的に沿って、輪20″を通じて押し進められるとき、流入ポート114の遠位縁からの抵抗に会うかぎ状遠位端113の曲率は、かぎ状スタイレット112を、吸引管10中へと、および吸引管10の遠位開口部16へと並進させる。
【0103】
かぎ状スタイレット112は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、または(b)ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー(ここで好適な金属、合金、またはプラスチックは、それぞれ、非線形移動に好適な弾性、かぎ状スタイレット112の遠位端におけるかぎ状配置を保持するのに好適な形状記憶を有し、医療使用のために滅菌することができる)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。輪20″は、本明細書に記載される材料から作製することができる。
【0104】
図17に示される、自浄式外科用吸引デバイス1の別の代替的な実施形態は、接合部導管40を組み込まない。代わりに、かぎ状スタイレット112は、かぎ状スタイレット112のかぎ状遠位端113が、吸引管10の遠位端に近接して配置される流入ポート114内に配置されるように、短縮されたガイド管20'''の形態でのガイド構造20によって誘導される。吸引管10および短縮されたガイド管20'''は、図15における完成したアセンブリによって例証されるように、吸引管10の遠位開口部16および短縮されたガイド管20'''の遠位開口部26に近接するブラケット30によって共接合されてもよい。ブラケット30は、吸引管10および短縮されたガイド管20'''の周囲のオーバーモールド成形、摩擦型取り付け、溶接、および/または糊付けによって、吸引管10および短縮されたガイド管20'''の遠位端に配置されてもよい。かぎ状スタイレット112が、遠位方向に、第2の縦軸22に実質的に沿って押し進められるとき、流入ポート114の遠位縁からの抵抗に会うかぎ状遠位端113の曲率は、かぎ状スタイレット112を、吸引管10中へと、および吸引管10の遠位開口部16へと並進させる。かぎ状スタイレット112は、本明細書に記載される材料から作製されてもよい。短縮されたガイド管20'''は、本明細書に記載される材料から作製することができる。
【0105】
図18に示される、自浄式外科用吸引デバイス1の代替的な実施形態は、接合部導管40または管状先端部50を組み込まない。代わりに、図14の代替的な実施形態は、第1の縦軸12を横断する縦軸(図示されず)、近位開口部(図示されず)、および図16に示されるように吸引管10の遠位端に近接して配置される流入ポート114と接触している遠位開口部(図示されず)を有する、代替的なガイド管116の形態でのガイド構造20を備える。代替的なガイド管116は、遠位開口部が流入ポート114に接触するまで、吸引管10に実質的に平行であってもよい。スタイレット70を、代替的なガイド管116の縦軸に沿って押し進めることは、スタイレット70の遠位端74を、吸引管10の流入ポート114を通じて、吸引管10の遠位開口部16へと並進させる。
【0106】
代替的なガイド管116は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、管状構造を維持するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。
【0107】
図19に示されるように、自浄式外科用吸引デバイス1の別の代替的な実施形態は、接合部導管40または管状先端部50を組み込まない。代わりに、図19に図示される代替的な実施形態は、スタイレット70の遠位移動を、流入ポート114中へと、および吸引管10の遠位開口部16へと並進させるように機能する、リップ118を備える。スタイレット70が、短縮されたガイド管20'''の形態でのガイド構造20を通じて押し進められるとき、流入ポート114の遠位端の周りに配置されるリップ118が、遠位端74を、リップ118の内側斜面または曲率に沿って、流入ポート114中へと、および吸引管10の遠位開口部16へと誘導する。リップ118は、一体型の吸引管10構造の一部として流入ポート114の遠位端の周りに配置されてもよく、またはそれは、流入ポート114の遠位端の周りに糊付けされてもよく、またはそれは、流入ポート114の遠位端の周りに溶接されてもよい。
【0108】
リップ118は、限定を意図せずに、次のうちのいずれか等の材料から作製されてもよい:(a)ステンレス鋼、アルミニウム、および他の好適な金属等の、金属もしくはそれらの合金、(b)ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン、ポリプロピレン、および他の好適なプラスチック等の、ポリマー、または(c)炭化ケイ素、炭化タングステン、アパタイト、および他の好適なセラミック等の、セラミック(ここで好適な金属、合金、プラスチック、またはセラミックは、それぞれ、スタイレット70の遠位端74がリップ118構造の内側斜面または曲率に沿って移動し得るように、スタイレット70の並進移動に対する好適な抵抗を提供するのに十分な引張り強さを有し、医療使用のために滅菌することが可能である)。当業者は、必然的に、特定される使用のためのそれらの適格性に関連して、特定される特性を有する、代替的な材料の指定される範囲に精通している。
【0109】
吸引管10および短縮されたガイド管20'''は、図19における完成したアセンブリによって例証されるように、吸引管10の遠位開口部16および短縮されたガイド管20'''の遠位開口部26に近接するブラケット30によって共接合されてもよい。ブラケット30は、吸引管10および短縮されたガイド管20'''の周囲のオーバーモールド成形、摩擦型取り付け、溶接、および/または糊付によって、吸引管10および短縮されたガイド管20'''の遠位端に配置されてもよい。
【0110】
図20に示される、自浄式外科用吸引デバイス1のなおも別の代替的な実施形態もまた、接合部導管40または管状先端部50を組み込まない。図19に示される先の実施形態と同様に、図20に図示される代替的な実施形態は、スタイレット70の遠位移動を、流入ポート114中へと、および吸引管10の遠位開口部16へと並進させるように機能する、リップ118を備える。しかしながら、ガイド構造20は、少なくとも1つの輪20″である。輪20″は、溶接、糊付けによって、または吸引管10の一体成形もしくは鋳型の一部として、吸引管上に配置されてもよい。
【0111】
スタイレット70が、少なくとも1つの輪20″を通じて押し進められるとき、流入ポート114の遠位端の周りに配置されるリップ118は、遠位端74を、リップ118の内側斜面または曲率に沿って、流入ポート114中へと、および吸引管10の遠位開口部16へと誘導する。リップ118は、一体型の吸引管10構造の一部として流入ポート114の遠位端の周りに配置されてもよく、またはそれは、流入ポート114の遠位端の周りに糊付けされてもよく、またはそれは、流入ポート114の遠位端の周りに溶接されてもよい。リップ118は、本明細書に記載される材料から作製されてもよい。
【0112】
本明細書に上述される種々の実施形態によって共有される共通の特徴は、次のステップを含む方法である:(a)スタイレット70を、ガイド構造20を通じて、第2の縦軸22に沿って押し進めるステップ、(b)スタイレット移動を、第2の縦22軸から、第1の縦軸12に沿った吸引管10中へと並進させるステップ、(c)スタイレット70が第2の縦軸22に実質的に沿ったガイド構造20内に実質的に配置されるように、スタイレット70を後退させるステップ。この方法は、本発明の外科用吸引デバイスから妨害物を掃除する必要に応じて、任意の回数反復することができる。
【0113】
本発明は、その種々の実施形態においてある程度の詳細を用いて説明されているが、この説明が、例として提供されているにすぎないこと、ならびに本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、部品または材料の組み合わせおよび配列における変更を含む、構築、製作、および使用の詳細における多数の変更が行われてもよいことが理解される。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20