特許第5981504号(P5981504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5981504デュアル構造のパワーセルを備えるインバータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981504
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】デュアル構造のパワーセルを備えるインバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/483 20070101AFI20160818BHJP
   H02M 7/5387 20070101ALI20160818BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20160818BHJP
【FI】
   H02M7/483
   H02M7/5387
   H02M7/48 F
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-175190(P2014-175190)
(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-50931(P2015-50931A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2014年8月29日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0102913
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン チェ
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−074792(JP,A)
【文献】 特開2013−074789(JP,A)
【文献】 特開平11−041931(JP,A)
【文献】 特開平05−328731(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0076280(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102005025422(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相シフトトランスフォーマから供給される電源の印加を受けて動作する複数のパワーセルを複数段で直列接続させて各相を構成し、
前記複数のパワーセルの各々は、互いに連結されるものの、独立に動作する第1パワーセル領域及び第2パワーセル領域からなり、
前記第1パワーセル領域と連結される第1SMPS(Switching Mode Power Supply)と、前記第2パワーセル領域と連結される第2SMPSと、前記第1SMPS及び前記第2SMPSを制御するコントローラとを備えることを特徴とするデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項2】
前記第1パワーセル領域は、
前記位相シフトトランスフォーマから電源の供給を受けて整流し、突入電流防止のためのサイリスタを含む第1整流部と、
前記第1整流部と連結して、整流された電圧を平滑にして、第1直流リンク電圧を生成する第1キャパシタと、
前記第1SMPSの制御によりスイッチングしてPWM電圧を生成する第1インバータ部とを含んで構成される、請求項1に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項3】
前記第2パワーセル領域は、
前記位相シフトトランスフォーマから電源の供給を受けて整流し、突入電流防止のためのサイリスタを含む第2整流部と、
前記第2整流部と連結されて、整流された電圧を平滑にして、DC_Link2電圧を生成し、
前記第1キャパシタと直列に連結される第2キャパシタと、
前記第2SMPSの制御によりスイッチングしてPWM電圧を生成し、前記第1インバータ部と接続する第2インバータ部とを含んで構成される、請求項2に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項4】
前記第1インバータ部は、各々複数の単位インバータで構成される第1インバータ群及び第2インバータ群で構成され、
前記第2インバータ部は、各々複数の単位インバータで構成される第3インバータ群及び第4インバータ群で構成される、請求項3に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項5】
前記第1インバータ群は、前記第3インバータ群と第1接点で互いに接続し、前記第2インバータ群は、前記第4インバータ群と第2接点で互いに接続する、請求項4に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項6】
前記第1接点及び前記第2接点での信号が、前記パワーセルでのPWM信号として出力される、請求項5に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項7】
一つのコントローラが備えられ、前記第1SMPS及び第2SMPSを全部制御する、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【請求項8】
二つのコントローラが備えられ、各コントローラが、前記第1SMPS及び第2SMPSを一つずつ制御する、請求項1乃至のうちいずれか一項に記載のデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータに関し、詳細には従来の6層タイプのカスケードH−ブリッジマルチレベルインバータを変更して、高入力電圧の場合でも使用できるようにすることによって、製品開発費用及び生産費用を節減することができ、体積を減らすことができるデュアル構造のパワーセルを備えるインバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
SMPS(Switching Mode Power Supply、スイッチング方式電源供給装置)は、半導体素子のスイッチングプロセスを利用して電力の流れを制御することによって、各種電気/電子/通信機器の電流安定化電源として利用されている。
【0003】
近年半導体素子のスイッチング機能改善と回路の集積化技術の発展によって、SMPSの小型軽量化が盛んになり、信頼性及び効率改善に対する研究も活発に進行している。
【0004】
従来カスケードH−ブリッジマルチレベルインバータの各相は、直列接続された複数の単位セルを含み、各単位セルは、独立した単相インバータ構造であり、複数の単位セルを直列に連結することによって低電圧単位セル、即ち低電圧電力用半導体を用いて高電圧を得ることができる。
【0005】
各単位セルの電源が印加される入力側は、位相シフト変圧器(Phase Shift transformer)と連結され、位相シフト変圧器は、カスケードH−ブリッジマルチレベルインバータの各単位セルに独立した電源を供給する。
【0006】
独立した単相インバータ構造を有する単位セルは、3相交流電源を整流するためにダイオード及びサイリスタを含む整流部、整流された電圧を平滑にするためのDCリンク部、及びPWM信号によってパワースイッチ素子(IGBT)をスイッチングしてPWM電圧を発生させるインバータ部で構成される。
【0007】
一方、各単位セルの整流部とインバータ部を制御するためにインバータにはSMPS及びSMPSを制御するためのコントローラが備えられており、インバータに適用されるSMPSは、基本的にDCリンク部から出力されるDC電圧を電源として用いて、コントローラのPWM信号を受けてインバータ部のパワースイッチ素子を駆動するためのIGBTゲート信号を生成する一方、サイリスタを駆動するSCRゲート信号を生成して、サイリスタとパワースイッチ素子が各々IGBTゲート信号及びSCRゲート信号の入力を受けて駆動することになる。
【0008】
この時、通常のカスケードH−ブリッジマルチレベルインバータは、6層タイプで合わせて18の単位セルで構成され、従って、各単位セルの動作を制御するためのSMPS、そしてSMPSを制御するためのコントローラも単位セルと同数で備えられなければならない。
【0009】
一方、現在用いられている単位セルは、システムに入力される6600Vの電圧が位相シフト変圧器を経てシフトされた635Vを入力として受けて、この時、DCリンク電圧は890Vである。
【0010】
最近高圧インバータ分野においては、様々な入力電圧に対する高圧インバータの要求が増加し、これは様々なDC電圧を使用できるSMPSの開発が求められることを意味する。
【0011】
現在開発されて用いられているSMPSは、単位セル基準635V入力に890VのDC電源を用いるタイプであるため、1270V入力を受ける単位セルの場合には、この電圧レベルで使用できるSMPSの開発を新たに行わなければならない問題が生じる。
【0012】
特に、入力電圧が高くなる程用いられる回路の絶縁と主要スイッチング素子の正確さに制約が多くて困難が伴うだけでなく、新規開発にともなう費用が発生し、製品に対する信頼性が問題となりうる。
【0013】
従って、市場の要求に応じて、製品に対する信頼性を確保できる高圧インバータに対する考察及び研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記従来技術の問題を解決するために提案されたもので、従来の6層タイプのカスケードH−ブリッジマルチレベルインバータを変更して、高入力電圧の場合でも使用できるようにすることによって、製品開発費用及び生産費用を節減することができ、体積を減らすことができるデュアル構造のパワーセルを備えるインバータに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するための本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータは、位相シフトトランスフォーマから供給される電源の印加を受けて動作する複数のパワーセルを複数段で直列接続させて各相を構成し、前記複数のパワーセルの各々は、互いに連結され、独立に動作する第1パワーセル領域及び第2パワーセル領域からなり、前記第1パワーセル領域と連結される第1SMPS(Switching Mode Power Supply)と、前記第2パワーセル領域と連結される第2SMPSと、前記第1SMPS及び前記第2SMPSを制御するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0016】
この時、前記第1パワーセル領域は、前記位相シフトトランスフォーマから電源の供給を受けて整流し、突入電流防止のためのサイリスタを含む第1整流部と、前記第1整流部と連結されて、整流された電圧を平滑にして、第1直流リンク電圧を生成する第1キャパシタと、前記第1SMPSの制御によりスイッチングしてPWM電圧を生成する第1インバータ部とを含んで構成される。
【0017】
また、前記第2パワーセル領域は、前記位相シフトトランスフォーマから電源の供給を受けて整流し、突入電流防止のためのサイリスタを含む第2整流部と、前記第2整流部と連結されて、整流された電圧を平滑にして、第2直流リンク2電圧を生成し、前記第1キャパシタと直列に連結される第2キャパシタと、及び前記第2SMPSの制御によりスイッチングしてPWM電圧を生成し、前記第1インバータ部と接続する第2インバータ部とを含んで構成される。
【0018】
一方、前記第1インバータ部は、各々複数の単位インバータで構成される第1インバータ群及び第2インバータ群で構成されて、前記第2インバータ部は、各々複数の単位インバータで構成される第3インバータ群及び第4インバータ群で構成される。
【0019】
この時、前記第1インバータ群は、前記第3インバータ群と第1接点で互いに接続し、前記第2インバータ群は、前記第4インバータ群と第2接点で互いに接続するように構成される。
【0020】
ここで、前記第1接点及び前記第2接点での信号が、前記パワーセルでのPWM信号として出力されることを特徴とする。
【0021】
一方、本発明によると、一つのコントローラが備えられて、前記第1SMPS及び第2SMPSを全部制御するように構成してもよい。
【0022】
選択的に、二つのコントローラが備えられ、各々のコントローラが、前記第1SMPS及び第2SMPSを一つずつ制御するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の構成によると、従来635Vといった低電圧の入力を受ける2つのパワーセルからなるデュアル構造の一つのパワーセルを構成し、デュアル構造のパワーセルのインバータ部が互いに連結される接点での電圧をPWM電圧で出力すれば、1270Vのような高電圧の入力を受けて動作するパワーセルを構成することができる。
【0024】
従って、従来635Vの電圧の入力を受けるパワーセルを制御するためのSMPSをそのまま使用できるので、1270V電圧のような高電圧の入力を受けて動作するパワーセルのための別途のSMPS開発のための追加的な開発費用及び生産費用を節減することができる。
【0025】
また、一つのコントローラを利用して二つのSMPSを制御すると、コントローラの使用を減らすことができるため、生産単価が節減でき、インバータの体積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータを図示した図面である。
図2】本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータのパワーセルの構造でのSMPSとコントローラの関係を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。この過程で図面に図示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上誇張して図示することがある。また、後述の用語は、本発明での機能を考慮して、定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣例により変わりうる。従って、このような用語に対する定義は、本明細書全般にわたった内容に基づいて、行わなければならない。
【0028】
図1は、本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータを示した図面であり、図2は、本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータのパワーセルの構造でのSMPSとコントローラの関係を示した図面である。
【0029】
図1及び図2を参照すると、本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータは、独立した電源を供給する位相シフトトランスフォーマ20と連結されて、前記位相シフトトランスフォーマ20から供給される電源の印加を受けて動作する複数のパワーセルを複数段で直列接続させて各相を構成し、前記各相は多相電動機30に電力を供給する。
【0030】
この時、前記複数のパワーセルは、3段で構成される9つのパワーセル11〜19に配置され、複数の各々のパワーセル11〜19は、図2に示されたパワーセル10の構造から確認できるように、第1及び第2パワーセル領域10a、10bからなるデュアル構造を有する。
【0031】
さらに、本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータ1は、前記第1パワーセル領域10aと連結される第1SMPS210と、前記第2パワーセル領域と連結される第2SMPS220と、前記第1SMPS210及び前記第2SMPS220を制御するコントローラ300を備えて構成される。
【0032】
この時、第1パワーセル領域10aは、第1整流部110、第1キャパシタ130及び第1インバータ部150で構成され、前記第2パワーセル領域10bは、第2整流部120、第2キャパシタ140及び第2インバータ部160で構成される。
【0033】
ここで、前記第1パワーセル領域10aの構成と第2パワーセル領域10bの構成は、独立に動作する。
【0034】
前記第1整流部110は、前記位相シフトトランスフォーマ20から独立した電源の供給を受けて、3相交流電源を整流するためのもので、ダイオード及び突入電流防止のためのサイリスタ(SCR1〜SCR3)を含む。
【0035】
同様に、前記第2整流部120も前記位相シフトトランスフォーマ20から独立した電源の供給を受けて、3相交流電源を整流するためのもので、ダイオード及び突入電流防止のためのサイリスタ(SCR4〜SCR6)を含む。
【0036】
前記第1キャパシタ130は、前記第1整流部110と連結されて、前記第1整流部110により整流された電圧を平滑にして、前記第2キャパシタ140は、前記第2整流部120と連結されて、前記第2整流部120により整流された電圧を平滑にして、各々第1直流リンク(DC_Link1)電圧及び第2直流リンク(DC_Link2)電圧を生成する。
【0037】
この時、前記第1キャパシタ130と前記第2キャパシタ140は、互いに直列に連結されるように構成される。
【0038】
前記第1SMPS210は、前記第1キャパシタ130により生成される前記第1直流リンク(DC_Link1)電圧を電源として、前記第1整流部110のサイリスタ(SCR1〜SCR3)の駆動を制御するためのサイリスタゲート信号(SCR_G1〜SCR_G3)を生成する一方、前記第1インバータ部150の単位インバータ(I1〜I4)の動作を制御するインバータゲート信号(IGBT1〜IGBT4)を生成する。
【0039】
また、前記第1SMPS210は、前記第1直流リンク(DC_Link1)電圧を検出して、前記コントローラ300に伝送し、前記コントローラ300からPWM信号の印加を受けて、前記単位インバータ(I1〜I4)のインバータゲート信号(IGBT1〜IGBT4)を生成する。
【0040】
一方、前記第2SMPS220は、前記第2キャパシタ140により生成される前記第2直流リンク(DC_Link2)電圧を電源として、前記第2整流部120のサイリスタ(SCR4〜SCR6)の駆動を制御するためのサイリスタゲート信号(SCR_G1〜SCR_G3)を生成する一方、前記第2インバータ部160の単位インバータ(I5〜I8)の動作を制御するインバータゲート信号(IGBT5〜IGBT8)を生成する。
【0041】
また、前記第2SMPS220は、前記第2直流リンク(DC_Link2)電圧を検出して、前記コントローラ300に伝送し、前記コントローラ300からPWM信号の印加を受けて、前記単位インバータ(I5〜I8)のインバータゲート信号(IGBT5〜IGBT8)を生成する。
【0042】
前記第1インバータ部150は、複数の単位インバータ(I1〜I4)で構成され、前記第1SMPS210のインバータゲート信号(IGBT1〜IGBT4)の印加を受けてスイッチングしてPWM電圧を生成する。
【0043】
この時、前記第1インバータ部150は、互いに並列に連結される第1インバータ群151と第2インバータ群152で構成され、前記第1インバータ群151は、直列に連結される複数の単位インバータ(I1、I3)で構成され、前記第2インバータ群152は、直列に連結される複数の単位インバータ(I2、I4)で構成してもよい。
【0044】
前記第2インバータ部160は、複数の単位インバータ(I5〜I8)で構成されて、前記第2SMPS220のインバータゲート信号(IGBT5〜IGBT8)の印加を受けてスイッチングしてPWM電圧を生成する。
【0045】
この時、前記第2インバータ部160は、互いに並列に連結される第3インバータ群161と第4インバータ群162で構成され、前記第3インバータ群161は、直列に連結される複数の単位インバータ(I5、I7)で構成されて、前記第4インバータ群162は、直列に連結される複数の単位インバータ(I6、I8)で構成してもよい。
【0046】
一方、前記第1インバータ部及び第2インバータ部150、160は、互いに直列に連結されて、前記第1及び第2インバータ150、160が連結される接点での信号がPWM電圧として出力される。
【0047】
即ち、第1インバータ部150の第1インバータ群151と第2インバータ部160の第3インバータ群161が、第1接点(S1)で互いに接続し、第1インバータ部150の第2インバータ群152と第2インバータ部160の第4インバータ群162が、第2接点(S2)で互いに接続する。
【0048】
この時、前記第1接点(S1)と前記第2接点(S2)での信号が、パワーセル10のPWM電圧として出力される。
【0049】
前記コントローラ300は、前記第1SMPS210及び第2SMPS220にPWM信号を出力し、前記第1SMPS210及び第2SMPS220は、前記PWM信号によりインバータゲート信号(IGBT1〜IGBT8)を生成する。
【0050】
一方、本実施形態では、前記コントローラ300が一つ備えられて、前記第1SMPS210及び第2SMPS220を全部制御する構成を一例として説明するが、二つのコントローラが備えられて、二つの各コントローラが前記第1SMPS及び第2SMPS220を制御するように構成してもよい。
【0051】
以上のような本発明によると、従来635Vの電圧の入力を受ける2つのパワーセルからなるデュアル構造の一つのパワーセルを構成し、デュアル構造のパワーセルのインバータ部が互いに連結される接点での電圧をPWM電圧で出力すれば、1270Vの電圧の入力を受けて動作するパワーセルを構成することができる。
【0052】
また、このように構成すれば、従来635Vの電圧の入力を受けるパワーセルを制御するためのSMPSをそのまま使用できるため、1270V電圧のような高電圧の入力を受けて動作するパワーセルのための別途のSMPS開発のための追加的な開発費用及び生産費用を節減することができる。
【0053】
また、本実施形態のように、一つのコントローラを利用して二つのSMPSを制御すると、コントローラの使用を減らすことができるため、生産単価が節減でき、インバータの体積を減らすことができる。
【0054】
一方、本発明に係るデュアル構造のパワーセルを備えるインバータを限定された実施形態を通して説明したが、本発明の範囲は、特定実施形態に限定されるのではなく、本発明と関連して通常の知識を有する者に自明な範囲内で種々の代案、修正及び変更して実施することができる。
【0055】
従って、本発明に記載された実施形態及び添付図面は、本発明の技術思想を限定するためのものでなく説明するためのものであって、このような実施形態及び添付図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるのではない。本発明の保護範囲は請求範囲によって解釈されるべきで、これと同等な範囲内にあるいずれの技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0056】
1 インバータ
10〜19 パワーセル
10a 第1パワーセル領域
10b 第2パワーセル領域
20 位相シフトトランスフォーマ
30 多相電動機
110 第1整流部
120 第2整流部
130 第1キャパシタ
140 第2キャパシタ
150 第1インバータ部
151 第1インバータ群
152 第2インバータ群
160 第2インバータ部
161 第3インバータ群
162 第4インバータ群
I1〜I8 単位インバータ
SCR1〜SCR6 サイリスタ
図1
図2