特許第5981539号(P5981539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981539
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/04 20060101AFI20160818BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20160818BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160818BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20160818BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160818BHJP
   C07C 233/05 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   C07D405/04CSP
   A61K31/4178
   A61P43/00 111
   A61P9/04
   A61P9/00
   C07C233/05
【請求項の数】30
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2014-518476(P2014-518476)
(86)(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公表番号】特表2014-520796(P2014-520796A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】PT2012000024
(87)【国際公開番号】WO2013002660
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年6月26日
(31)【優先権主張番号】61/502,647
(32)【優先日】2011年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596095518
【氏名又は名称】バイアル−ポルテラ アンド シーエー,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アレクアンデル ベリアエブ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルゲ ブルノ レイス ワノン
(72)【発明者】
【氏名】ダビド アレクアンデル レアルモントフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン マデク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン‐マリエ シュナイデル
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアム マトン
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0137390(US,A1)
【文献】 J. Med. Chem.,2006年,49(3),pp.1191-1197
【文献】 J. Comb. Chem.,2010年,12(4),pp.518-530
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07C
A61K
CAPLUS/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩の製造方法:
【化1】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、
Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)であって、該方法が、下記式Dの化合物を還元する工程:
【化2】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものである。);並びに、任意にその後該化合物RYをそれらの医薬として許容し得る塩に変換する工程:を含む、前記方法。
【請求項2】
前記Xが、Oである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記R1、R2及びR3の一つが、水素であり、且つ残りがフッ素である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記化合物RYが、下記式RY’:
【化3】
を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記化合物Dの化合物RYへの還元が、NaBH4-BF3・錯体を含む還元剤を使用し実行される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記NaBH4-BF3錯体が、NaBH4-BF3・THFである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記式Dの化合物が、下記式Cの化合物:
【化4】
を、下記式JTの化合物:
【化5】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、
Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)と縮合することにより調製される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、アルカリ金属チオシアン酸塩及び好適な酸の存在下で実行される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記アルカリ金属チオシアン酸塩が、チオシアン酸カリウム(KSCN)である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記好適な酸が、酢酸である、請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
前記式Cの化合物が、下記式Bの化合物:
【化6】
の水酸化により調製される、請求項7〜10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
前記臭化物BのヒドロキシケトンCへの変換が、好適な溶媒中での、好適なアルカリ金属ギ酸塩による処理により達成される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記好適なアルカリ金属ギ酸塩が、ギ酸カリウムである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記好適な溶媒が、メタノールである、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
前記反応が、還流下で実行される、請求項12〜14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
前記式Bの化合物が、下記式Aの化合物:
【化7】
の臭素化により調製される、請求項1115のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記臭素化工程が、臭素の存在下で実行される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
臭素化生成物Bを、好適な水性塩基で処理し、引き続き1種以上の好適な溶媒により抽出し、かつこれから結晶化する工程を更に含む、請求項16又は17記載の方法。
【請求項19】
前記好適な水性塩基が、炭酸水素水溶液である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記好適な溶媒が、MTBEである、請求項18又は19記載の方法。
【請求項21】
式Aの化合物を臭素化して、式Bの化合物を形成すること;化合物Bを、式Cの化合物へ水酸化すること;化合物Cを環化し、式Dの化合物を形成すること;並びに、化合物Dを還元し、式RYの化合物を形成すること、並びに任意に、化合物RYを、それらの医薬として許容し得る塩へ変換すること:
【化8】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、
Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)を含む、請求項1記載の式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩を製造する方法。
【請求項22】
化合物RYをそれらの塩へ変換することを更に含む、請求項1〜21のいずれか記載の方法。
【請求項23】
前記塩が、HCl塩である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
下記式Bの化合物:
【化9】
【請求項25】
下記式Cの化合物:
【化10】
【請求項26】
下記式Dの化合物:
【化11】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)。
【請求項27】
前記Xが、Oである、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
前記R1、R2及びR3の一つが、水素であり、且つ残りがフッ素である、請求項26又は27記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物Dが、下記式D’:
【化12】
を有する、請求項2628のいずれか記載の化合物。
【請求項30】
(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン又はそれらの医薬として許容し得る塩の調製のための、請求項2429のいずれか一項記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、及びそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩を調製するプロセスに関する。本発明はまた、該化合物の形成において有用な中間体を製造するプロセス、及び中間体それ自身に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドパミン-β-水酸化酵素(DβH)の阻害薬の開発における関心の中心は、この酵素の阻害は、高血圧又は慢性心不全などの心臓血管障害に罹患している患者に著しい臨床上の改善をもたらし得るという仮説にある。DβH阻害薬の使用に関する論理的根拠は、ドパミンの酵素的水酸化により達成される、ノルアドレナリンの生合成能を阻害するそれらの能力を基にしている。主として交換神経系である神経体液系の活性化は、うっ血性心不全の主たる臨床的症状発現である(Parmley, W.W.の文献、Clinical Cardiology, 18: 440-445, 1995)。うっ血性心不全患者は、血漿ノルアドレナリン濃度の上昇(Levine, T.B.らの文献、Am. J. Cardiol., 49:1659-1666, 1982)、中枢交感神経系流出の増大(Leimbach, W.N.らの文献、Circulation, 73: 913-919, 1986)、及び心腎性ノルアドレナリン漏出(spillover)の増大(Hasking, G.J.らの文献、Circulation, 73: 615-621, 1966)を有する。心筋層のノルアドレナリンに対する長期且つ過剰な曝露は、心β1-アドレナリン受容体のダウンレギュレーション、左心室のリモデリング、不整脈及び壊死につながり、これらは全て心機能の完全性を減少させ得る。高い血漿ノルアドレナリン濃度を有するうっ血性心不全患者はまた、最も好ましくない長期予後を有する(Cohn, J.N.らの文献、N. Engl. J. Med., 311: 819-823, 1984)。より重要なことは、血漿ノルアドレナリン濃度は、顕性心不全を伴わない非症候性患者において既に上昇しており、その後の罹患率及び死亡率を予測することができるという知見である(Benedict, C.R.らの文献、Circulation, 94: 690-697, 1996)。従って活性化された交感神経ドライブは、単にうっ血性心不全の臨床マーカーだけではなく、該疾患の進行性増悪の一因となり得る。
【0003】
アドレナリン受容体拮抗薬による交感神経機能の阻害は、有望なアプローチのように思われるが、かなりの割合の患者が、β-遮断薬治療に付随する即時型の血行動態の悪化に忍容性がない(Pfeffer, M.A.らの文献、N. Engl. J. Med., 334: 1396-7, 1996)。交感神経機能を直接調節する別の戦略は、交感神経におけるドパミンのノルアドレナリンへの変換に寄与している酵素であるDβHの阻害により、ノルアドレナリンの生合成を減少することである。このアプローチは、交感神経系の突然の阻害とは対照的な段階的調節、及び増加したドパミン放出を含む、いくつかの利点を有し、このことは腎血管拡張、利尿及びナトリウム排泄増加などの腎機能を改善することができる。従って、DβHの阻害薬は、従来のβ-遮断薬にまさる著しい利点を提供することができる。
【0004】
いくつかのDβHの阻害薬が、これまで文献において報告されている。初期の第一世代及び第二世代の例は、ジスルフィラム(Goldstein, M.らの文献、Life Sci., 3:763, 1964)及びジエチルジチオカルバミン酸塩(Lippmann, W.らの文献、Biochem. Pharmacol., 18: 2507, 1969)又はフザリン酸(Hidaka, H.の文献、Nature, 231, 1971)及び芳香族若しくはアルキルチオ尿素(Johnson, G.A.らの文献、J. Pharmacol. Exp. Ther., 171: 80, 1970)などであるが、これらは効能が低く、DβH選択性不良を示し、且つ毒性副作用を引き起こすことがわかった。しかし例えば、早期臨床試験のために開発された、ネピカスタット(RS-25560-197, IC50 9nM) (Stanley, W.C.らの文献、Br. J Pharmacol., 121: 1803-1809, 1997)などの第三世代のDβH阻害薬は、はるかに大きい効能を有することがわかった。非常に重要な発見は、ネピカスタットは、第一世代及び第二世代のDβH阻害薬に関連したいくつかの問題点は有さないが、これは血液脳関門(BBB)を超え、これにより末梢作用に加え中枢作用を引き起こすことができ、この状況は該薬物の望ましくない潜在的に重篤なCNS副作用に繋がり得ることがわかったことであった。従って、特定の心臓血管障害の治療に使用することができる、強力で無毒の末梢選択性のあるDβH阻害薬の臨床上の必要性は、満たされないままである。ネピカスタットと同様の効能又はより大きい効能さえ持つが、CNS作用を欠いている(BBBを超えることができない)DβH阻害薬は、これまで先行技術に記載された全てのDβH阻害薬化合物にまさる有意な改善を提供するであろう。
【0005】
ドパミン-β-水酸化酵素阻害薬はまた、WO 95/29165に開示されている。更にWO 2004/033447は、高い効能及び著しく低下した脳への接近を有するドパミン-β-水酸化酵素阻害薬を開示し、これは強力且つ末梢選択性のDβH阻害薬を生じている。
【0006】
WO 2008/136695は、下記式Iの化合物:
【化1】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;R4は、-アルキルアリール又は-アルキルヘテロアリールを意味し;Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味し;且つ、nは、2又は3である。)を開示している。WO 2008/136695はまた、下記式Y’の化合物、その(R)又は(S)エナンチオマー、若しくは(R)及び(S)エナンチオマーの混合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩若しくはエステル:
【化2】
も開示している。
【発明の概要】
【0007】
本発明者らはここで、とりわけ式Y'の化合物を調製する、新規プロセスを発見した。
【0008】
本発明は、化合物Y'のR-エナンチオマーである、式RY'の化合物を調製するプロセスを提供する。本発明はまた、化合物RY'の誘導体に関し、この誘導体は、下記式RY:
【化3】
を有する。
【0009】
本発明はまた、本プロセスにおいて使用するための中間体、並びに該中間体を調製及び使用するプロセスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第一の態様に従い、下記式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩を調製するプロセス:
【化4】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、
Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)であって;
このプロセスが、下記式Dの化合物を還元する工程:
【化5】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものである。);
並びに、任意にその後化合物RYをそれらの医薬として許容し得る塩に変換する工程:を含む前記プロセスを提供する。
【0011】
本発明の好ましい実施態様に従い、式Dの化合物は、下記式Cの化合物:
【化6】
の、下記式JTの化合物:
【化7】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものである。)
との縮合により調製される。
【0012】
本発明の更に好ましい実施態様に従い、式Cの化合物は、下記式Bの化合物:
【化8】
の水酸化により調製される。
【0013】
本発明のなお更に好ましい実施態様に従い、式Bの化合物は、下記式Aの化合物:
【化9】
の臭素化により調製される。
【0014】
本発明に従い式RYの化合物を調製するのに特に好ましいプロセスは、スキーム1に示されている。
スキーム1
【化10】
本プロセスは:式Aの化合物を臭素化し、式Bの化合物を形成する工程;化合物Bを式Cの化合物へ水酸化する工程;化合物Cを式JTの化合物と縮合し、式Dの化合物を形成する工程;並びに、化合物Dを還元し、式RYの化合物を形成する工程、並びに任意に、化合物RYをそれらの医薬として許容し得る塩へ変換する工程:を含み;式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。
【0015】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、任意にアリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル又はヒドロキシカルボニル基により置換された、炭素原子1〜6個を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を意味する。
【0016】
本明細書において使用される用語「アリール」は、任意にアルキル、アルキルオキシ、ハロゲン又はニトロ基により置換された、フェニル又はナフチル基を意味する。
【0017】
本明細書において使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、複素芳香族基を意味する。
【0018】
ある実施態様において、XはOである。
【0019】
ある実施態様において、R1、R2及びR3の一つは、水素であり、且つ残りはフッ素である。
【0020】
ある実施態様において、化合物RYは、下記式RY':
【化11】
を有し、且つこのプロセスは、下記スキーム1'に定義されている。
スキーム1’
【化12】
【0021】
前述の臭素化工程は、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、ジブロモヒダントイン又は臭素などの好適な臭素化試薬の存在下で、実行される。好ましい実施態様において、該臭素化工程は、臭素の存在下で、実行される。好適には、この臭素化は、約0℃〜約25℃、好ましくは約0℃〜約5℃の範囲の温度で実行される。好ましくは、この反応混合物は、臭素添加後、室温に、すなわちほぼ25℃で加熱される。該臭素化反応は、異性体の混合物を生じ得ることが観察されている。そのような状況において、本プロセスは、臭素化生成物B(適切にはDCMによるそれらの濾過後)の、炭酸水素水溶液などの、好適な水性塩基による処理、それに続くメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)などの好適な溶媒による抽出、並びにMTBEなどの更なる好適な溶媒からの結晶化を更に含んでよい。
【0022】
ある実施態様において、臭化物BのヒドロキシケトンCへの変換は、メタノールなどの好適な溶媒中の、好ましくは沸騰メタノール中の、アルカリ金属ギ酸塩、好ましくはギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム又はギ酸セシウム、最も好ましくはギ酸カリウムによる処理により達成される。この工程に関して、式Bの粗臭化物は、精製せずに(すなわち、HBr塩として、又は遊離塩基としてのいずれか)使用することができる。有利なことに、ヒドロキシケトンCは、安定した結晶性物質として得られることがわかった。好ましくは、この反応温度は、約50℃以上であり、より好ましくは約50℃から使用される溶媒の還流温度までである。最も好ましくは、この反応は、還流下で実行される。
【0023】
前記変換にHBr塩が使用される場合、アルカリ金属ギ酸塩は、少なくとも3モル当量で存在する。この変換に遊離塩基が使用される場合、アルカリ金属ギ酸塩は、少なくとも2モル当量で存在する。
ヒドロキシケトンCの化合物JTによる環化は、好ましくは2-プロパノールなどの好適な溶媒中で、チオシアン酸カリウムなどの、アルカリ金属チオシアン酸塩、並びに酢酸(AcOH)などの好適な酸を使用し実行される。有利なことに、2-プロパノールの使用は、化合物Dのクロマトグラフィーによる精製が不要である。
【0024】
ある実施態様において、化合物Dの目標物質である化合物RYへの還元は、THF又はMe-THFなどの好適な溶媒中、好ましくはTHF中(これは現場でのボラン形成を生じると考えられる)において、NaBH4-BF3・Et2O、NaBH4-BF3・THFなどのNaBH4-BF3・錯体、好ましくはNaBH4-BF3・THFを含む還元剤を使用し、実行される。還元剤の適量は、各々5又は2.5モル当量であるか、或いはNaBH4の2.5モル当量とBF3・Et2O 又はBF3・THFの3.3モル当量、好ましくはNaBH4の2.5モル当量とBF3・THFの3.3モル当量である。別の還元剤は、水素化ビス(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(RedAl(商標))、ボラン-THF錯体(BTHF)及びNaBH4-メタンスルホン酸である。
【0025】
ある実施態様において、本プロセスは、化合物RYのそれらの医薬として許容し得る塩への変換を更に含む。好適な医薬として許容し得る塩は、酸付加塩を含む。好ましくは、該医薬として許容し得る塩は、HCl塩である。
【0026】
本プロセスにおいて使用するためのいくつかの中間体は、それらを調製するためのプロセス及びそれらの使用に関与するプロセスと同様に、新規性及び進歩性があることは理解されるであろう。これらの中間体及びプロセスは、以下に説明するような、本発明の更なる態様を形成する。
【0027】
本発明の別の態様に従い、下記式Bの化合物:
【化13】
が提供される。
【0028】
本発明の別の態様に従い、式Bの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0029】
本発明の別の態様に従い、式Bの化合物から式Cの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩を調製するプロセスにおける化合物Bの使用を提供する。
【0030】
本発明の別の態様に従い、下記式Cの化合物:
【化14】
が提供される。
【0031】
本発明の別の態様に従い、式Cの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0032】
本発明の別の態様に従い、式Cの化合物から式Dの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩を調製するプロセスにおける化合物Cの使用を提供する。
【0033】
本発明の別の態様に従い、下記式Dの化合物:
【化15】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味し;ここで、用語アルキルは、任意にアリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル又はヒドロキシカルボニル基により置換された、炭素原子1〜6個を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を意味し;用語アリールは、任意にアルキル、アルキルオキシ、ハロゲン又はニトロ基により置換された、フェニル又はナフチル基を意味し;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。)が提供される。
【0034】
ある実施態様において、XはOである。
【0035】
ある実施態様において、R1、R2及びR3の一つは、水素であり、且つ残りはフッ素である。
【0036】
ある実施態様において、化合物Dは、下記式D':
【化16】
を有する。
【0037】
本発明の別の態様に従い、式Dの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0038】
本発明の別の態様に従い、式Dの化合物から式RYの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩を調製するプロセスにおける化合物Dの使用を提供する。好ましくは、化合物D'を、化合物RY'の調製に使用する。
【0039】
本発明の別の態様に従い、下記式RYの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩を調製するプロセス:
【化17】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)であって;
このプロセスが、下記式Kの化合物を脱保護する工程:
【化18】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものであり、且つNsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。);
並びに、任意にその後化合物RYをそれらの医薬として許容し得る塩に変換する工程:を含む前記プロセスが提供される。
【0040】
本発明の好ましい実施態様に従い、式Kの化合物は、下記式Iの化合物:
【化19】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)を;
下記式JZの化合物:
【化20】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものであり、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味し、且つZは、L-酒石酸塩、塩酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩(trifluotoacetate)、クエン酸塩、グリコール酸塩及びシュウ酸塩から選択される。)と反応させることにより調製される。
【0041】
本発明の更なる好ましい実施態様に従い、式Iの化合物は、下記式Gの化合物:
【化21】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)の水酸化により調製される。
【0042】
本発明の更なる好ましい実施態様に従い、式Iの化合物は、下記式Hの化合物:
【化22】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)の加水分解により調製される。
【0043】
本発明の更なる好ましい実施態様に従い、式Hの化合物は、下記式Gの化合物:
【化23】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)のアシル化により調製される。
【0044】
本発明のまた更なる好ましい実施態様に従い、式Gの化合物は、下記式Fの化合物:
【化24】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)の臭素化により調製される。
本発明のまた更なる好ましい実施態様に従い、式Fの化合物は、下記式Eの化合物:
【化25】
の、o-ニトロフェニルスルホニル(suplonyl)クロリドとの反応により調製される。
【0045】
特に好ましい本発明の式RYの化合物を調製するプロセスは、スキーム2に示されている。
スキーム2
【化26】
このプロセスは:ベンジルアミンEを、o-ニトロフェニルスルホニルクロリド及びメチルビニルケトン(MVK)などの好適な溶媒の存在下で、式Fの化合物へ変換すること;化合物Fを式Gの化合物へ、臭素化剤の存在下で変換すること;化合物Gを、式Iの化合物へ水酸化するか、又は化合物Gをアセチル化し、式Hの化合物を形成し、引き続き化合物Hを加水分解し、式Iの化合物を形成すること;化合物Iを、式JZの化合物と反応させ、式Kの化合物を形成すること;並びに、化合物Kを脱保護し、化合物RYを形成すること:を含み、ここでNsは、o-ニトロフェニルスルホニルであり、Zは、L-酒石酸塩、塩酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩及びシュウ酸塩から選択され、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;且つ、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。
【0046】
ある実施態様において、XはOである。
【0047】
ある実施態様において、R1、R2及びR3の一つは、水素であり、且つ残りはフッ素である。
【0048】
ある実施態様において、Zは、L-酒石酸塩である。この実施態様において、化合物JZは、下記式JTを有し、且つ化合物JZ'は、下記式JT'を有する。
【化27】
【0049】
ある実施態様において、化合物RYは、下記式RY':
【化28】
を有し、且つこのプロセスは、下記スキーム2'に定義されている。
スキーム2’
【化29】
【0050】
ある実施態様において、化合物Eの化合物Fへの変換は、塩基、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンなど、好ましくはトリエチルアミン、及び触媒量の好適なアルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムtert-ブトキシド(t-BuOK)、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド又はナトリウムtert-ブトキシドなど、好ましくはカリウムtert-ブトキシドの存在下で、実行される。
【0051】
ある実施態様において、化合物Fの臭素化は、MeOHの存在下で、Br2を用いて達成される。
【0052】
ある実施態様において、化合物Gのアセチル化は、好適な酸、例えば酢酸(AcOH)の存在下で、アルカリ金属酢酸塩、例えば酢酸カリウム(KOAc)、酢酸ナトリウム又は酢酸セシウムなど、好ましくは酢酸カリウムを用いて達成される。
【0053】
ある実施態様において、化合物Hの加水分解は、好適な溶媒、例えば2-プロパノールの存在下で、好適な酸、例えばHClを用いて達成される。
【0054】
ある実施態様において、化合物Gの式Iの化合物への水酸化は、メタノール中のギ酸の存在下で、アルカリ金属ギ酸塩、例えばギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム又はギ酸セシウムなど、好ましくはギ酸カリウムによる処理により達成される。好適には、その反応温度は、約50℃以上、好ましくは約50℃から使用される溶媒の還流温度までである。最も好ましくは、この反応は、還流下で実行される。有利なことに、式Iの化合物は、化合物Gから一工程手順で得られた。
【0055】
ある実施態様において、化合物IとJZの縮合は、アルカリ金属チオシアン酸塩、例えばチオシアン酸カリウム(KSCN)、チオシアン酸ナトリウム及びチオシアン酸セシウムなど、好ましくはチオシアン酸カリウム、又はチオシアン酸テトラアルキルアンモニウム、例えばチオシアン酸テトラブチルアンモニウム、並びに酸、例えば酢酸(AcOH)又はプロピオン酸など、好ましくはAcOHの存在下で実行される。別の実施態様において、化合物Iは、先に説明された化合物Jの塩酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩及びシュウ酸塩の同等物と、縮合することができる。
【0056】
ある実施態様において、ノシル化合物Kの脱保護は、極性非プロトン性溶媒、例えばDMF、DMSO及びNMPなど、好ましくはDMSO又はDMF中、塩基、好適にはLiOH、NaOH、KOH、CsOH又は水酸化第4級アンモニウム、例えば水酸化テトラブチルアンモニウム、好ましくはLiOH又はKOHの存在下で、チオグリコール酸により達成される。好適には、この脱保護は、室温で、すなわち、約25℃又は約40℃で実行される。有利なことに、単離された化合物RYの収率は、91%〜96%の範囲であり、且つHPLCは、粗生成物の純度が面積のほぼ98%である(Kromasil 100 5C4 250×4.6カラム、移動相0.1%TFA−ACN 25:75、1ml/分、270nm)ことを示した。
【0057】
ある実施態様において、化合物RYは、脱保護工程から単離され、その後精製される。ある実施態様において、精製は、メタノール性HClによるMeOH中のHCl塩の形成、及びMeOH除去後の、化合物RYのHCl塩のトルエンからの結晶化、それに続く遊離塩基型での化合物RYの単離を含む、二工程手順により実行される。ある実施態様において、この二工程精製プロセスの全体の収率は、約85%である。別の実施態様において、この精製は、2-ブタノン中の再スラリー化により実行される。ある実施態様において、この精製プロセスの収率は、約85%である。ある実施態様において、化合物RYは、RY'である。
【0058】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製される、化合物RY又はRY'、及びそれらの医薬として許容し得る塩が提供される。
【0059】
本発明の別の態様に従い、下記式Fの化合物:
【化30】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルである。)が提供される。
【0060】
本発明の別の態様に従い、式Fの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0061】
本発明の別の態様に従い、式Fの化合物から、先に記載のように、式Gの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩の調製のプロセスにおける、化合物Fの使用を提供する。
【0062】
本発明の別の態様に従い、下記式Gの化合物:
【化31】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルである。)が提供される。
【0063】
本発明の別の態様に従い、式Gの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0064】
本発明の別の態様に従い、式Gの化合物から、先に記載のように、式Hの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩の調製のプロセスにおける、化合物Gの使用を提供する。
【0065】
本発明の別の態様に従い、下記式Hの化合物:
【化32】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルである。)が提供される。
【0066】
本発明の別の態様に従い、式Hの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0067】
本発明の別の態様に従い、式Hの化合物から、先に記載のように、式Iの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩の調製のプロセスにおける、化合物Hの使用を提供する。
【0068】
本発明の別の態様に従い、下記式Iの化合物:
【化33】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルである。)が提供される。
【0069】
本発明の別の態様に従い、式Iの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0070】
本発明の別の態様に従い、式Iの化合物から、先に記載のように、式Kの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩の調製のプロセスにおける、化合物Iの使用を提供する。
【0071】
本発明の別の態様に従い、下記式Kの化合物:
【化34】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルであり、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味し;ここで、用語アルキルは、任意にアリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル又はヒドロキシカルボニル基により置換された、炭素原子1〜6個を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を意味し;用語アリールは、任意にアルキル、アルキルオキシ、ハロゲン又はニトロ基により置換された、フェニル又はナフチル基を意味し;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。)が提供される。
【0072】
ある実施態様において、XはOである。
【0073】
ある実施態様において、R1、R2及びR3の一つは、水素であり、且つ残りはフッ素である。
【0074】
ある実施態様において、化合物Kは、下記式K':
【化35】
を有する。
【0075】
本発明の別の態様に従い、式Kの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0076】
本発明の別の態様に従い、式Kの化合物から、先に記載のように、式RYの化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩の調製プロセスにおける、化合物Kの使用を提供する。
【0077】
本発明の別の態様に従い、式K'の化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。
【0078】
本発明の別の態様に従い、式K'の化合物から、先に記載のように、式RY'の化合物を調製するプロセスが提供される。このプロセスは、先に説明されているようなものである。本発明はまた、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、特に塩酸塩の調製のプロセスにおける、化合物K'の使用を提供する。
【0079】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された、化合物RY若しくはRY'、又はそれらの医薬として許容し得る塩を、1種以上の医薬として許容し得る賦形剤と一緒に含有する医薬組成物が提供される。
【0080】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された、化合物RY若しくはRY'又はそれらの医薬として許容し得る塩、好ましくは化合物RY若しくはRY'又はそれらの医薬として許容し得る塩の治療有効量を、医薬として有効な担体及び以下に記載のクラスから選択された1種以上の化合物と組合せて含有する組成物が提供される。
【0081】
特に、本発明により調製された化合物RY又はRY'は、下記の化合物クラスの1種以上と組合せてよい:利尿薬;β-アドレナリン受容体拮抗薬;α2-アドレナリン受容体作動薬;α1-アドレナリン受容体拮抗薬;デュアルβ-及びα-アドレナリン受容体拮抗薬;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャネル活性化薬;抗不整脈薬;ACE阻害薬; AT1受容体拮抗薬;レニン阻害薬;脂質低下薬、バソペプチダーゼ阻害薬;硝酸塩;エンドセリン拮抗薬;中性エンドペプチダーゼ阻害薬;抗-アンジオテンシンワクチン(anti-angiotensin vaccine);血管拡張薬;ホスホジエステラーゼ阻害薬;強心配糖体;セロトニン拮抗薬;及び、CNS作用薬。
【0082】
最も有用な利尿薬としては、以下が挙げられる:
(1)ループ利尿薬、特に、フロセミド、ブメタニド、エタクリン酸、トラセミド、アゾセミド、ムゾリミン、ピレタニド、トリパミド、
(2)チアジド利尿薬、特に、ベンドロフルメチアゾール、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、
(3)チアジド-様利尿薬、特に、クロルタリドン、インダパミド、メトザロン(metozalone)、キネタゾン、
(4)カリウム保持性利尿薬、特に、アミロリド、トリアムテレン、
(5)アルドステロン拮抗薬、特に、スピロラクトン、カンレノン、エプレレノン、
(6)前述の利尿薬の組合せ。
【0083】
前述の利尿薬の2種以上が使用されてよい。
【0084】
最も有用なβ-アドレナリン受容体拮抗薬としては、以下が挙げられる:チモロール、メトプロロール、アテノロール、プロプラノロール、ビソプロロール、ネビボロール。前述のβ-アドレナリン受容体拮抗薬の2種以上が使用されてよい。
【0085】
最も有用なα2-アドレナリン受容体作動薬としては、以下が挙げられる:クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン。前述のα2-アドレナリン受容体作動薬の2種以上が使用されてよい。
【0086】
最も有用なα1-アドレナリン受容体拮抗薬としては、以下が挙げられる:プラゾシン、ドキサゾシン、フェントラミン。前述のα1-アドレナリン受容体拮抗薬の2種以上が使用されてよい。
【0087】
最も有用なデュアルβ-及びα-アドレナリン受容体拮抗薬としては、以下が挙げられる(本明細書の別所において言及したもの以外):カルベジロール、ラベタロール。前述のデュアルβ-及びα-アドレナリン受容体拮抗薬の2種以上が使用されてよい。
【0088】
カリウムチャネル活性化薬としては、ニコランジルが挙げられる。
【0089】
最も有用なカルシウムチャネル遮断薬としては、以下が挙げられる:アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ベラパミル。前述のカルシウムチャネル遮断薬の2種以上が使用されてよい。
【0090】
本明細書の別所において言及したもの以外の抗不整脈薬としては、以下が挙げられる:ナトリウムチャンネル遮断薬、例えばキニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、メキシレチン、トカイニド、フェニトイン、エンカイニド、フレカイニド、モリシジン、及びプロパフェノンなど;カリウムチャンネル遮断薬、例えばアミオダロン、ブレチリウム、イブチリド、ドフェチリド、アジミリド、クロフィリウム、テジサミル、セマチリド、ソタロール;並びに、エスモロール、プロプラノロール、メトプロロール。本明細書において言及した抗不整脈薬の2種以上が使用されてよい。
【0091】
最も有用なACE阻害薬としては、以下が挙げられる:ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、イミダプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル。前述のACE阻害薬の2種以上が使用されてよい。
【0092】
最も有用なAT1受容体拮抗薬としては、以下が挙げられる:カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、エプロサルタン。前述のAT1受容体拮抗薬の2種以上が使用されてよい。
【0093】
脂質低下薬としては、以下が挙げられる:スタチン類、例えばアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン;胆汁酸金属イオン封鎖剤、例えばコレスチラミン、コレスチポール及びコレセベラム;コレステロール吸収阻害薬、例えばエゼチミブ;フィブレート類、例えばフェノフィブレート、ゲンフィブロジル;ナイアシン。前述の脂質低下薬の2種以上が使用されてよい。
【0094】
最も有用な硝酸塩としては、以下のような有機硝酸塩が挙げられる:亜硝酸アミル、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、5-一硝酸イソソルビド、四硝酸エリスリチル。前述の有機硝酸塩の2種以上が使用されてよい。
【0095】
エンドセリン拮抗薬としては、以下が挙げられる:ボセンタン、シタキセンタン。前述のエンドセリン拮抗薬の2種以上が使用されてよい。
【0096】
最も有用な血管拡張薬としては、以下が挙げられる(本明細書の別所において言及したもの以外):ヒドララジン、ミノキシジル、ナトリウムニトロプルシド、ジアゾキシド。前述の血管拡張薬の2種以上が使用されてよい。
【0097】
最も有用なホスホジエステラーゼ阻害薬としては、以下が挙げられる:ミルリノン、イナムリノン。前述のホスホジエステラーゼ阻害薬の2種以上が使用されてよい。
【0098】
強心配糖体としては、以下が挙げられる:アロカル(allocar)、コルラメダン(corramedan)、ジギトキシン、ジゴキシン、ラノキシン、プルゴキシン(purgoxin)、セジラニド-D、クリストジギン、ラノキシカプス(lanoxicaps)。前述の強心配糖体の2種以上が使用されてよい。
【0099】
セロトニン拮抗薬としては、以下が挙げられる:クロザピン、ロキサピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、リタンセリン、ケタンセリン、アモキサピン。前述のセロトニン拮抗薬の2種以上が使用されてよい。
【0100】
本明細書の別所において既に言及したもの以外のCNS作用薬としては、モキソニジンなどの、イミダゾリン受容体作動薬が挙げられる。最も有用なCNS作用薬は、メチルドパである。
【0101】
最も有用なレニン阻害薬としては、以下が挙げられる:アリスキレン、エナルキレン、ジテキレン、テルラキレン、レミキレン、ザンキレン、シプロキレン。前述のレニン阻害薬の2種以上が使用されてよい。
【0102】
最も有用なバソペプチダーゼ阻害薬としては、以下が挙げられる:オマパトリラト、サムパトリラト、ゲモパトリラット(gemopatrilat)。前述のバソペプチダーゼ阻害薬の2種以上が使用されてよい。
【0103】
心不全の治療において使用される他の医薬品もまた、本発明により調製された化合物RY又はRY'と組合せることができる。これらは、カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害薬;バソプレッシン拮抗薬;アデノシンA1受容体拮抗薬;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)作動薬;キレート剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン-様ペプチド-1作動薬;Na/K ATPアーゼ阻害薬;糖化反応後期生成物(AGE)架橋切断薬;混合型ネプリライシン/エンドセリン-変換酵素(NEP/ECE)阻害薬;ノシセプチン受容体(ORL-1)作動薬(例えば、アルプラゾラム);キサンチンオキシダーゼ阻害薬;ベンゾジアゼピン作動薬;心筋ミオシン活性化因子;キマーゼ阻害薬;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写増強薬;チオルファンなどの中性エンドペプチダーゼ阻害薬を含む。
【0104】
本発明はまた、先に記載した化合物のクラスを伴うネピカスタットの使用を想定している。
【0105】
化合物RY又はRY'の医薬組成物の調製に関して、不活性な医薬として許容し得る担体が、該活性化合物と混合される。この医薬として許容し得る担体は、固形又は液体のいずれかであってよい。固形型調製品としては、散剤、錠剤、分散性顆粒剤及びカプセル剤が挙げられる。担体は、希釈剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤又は錠剤崩壊剤としても作用することができる1種以上の物質であることができ;これはまた、封入剤であってもよい。
【0106】
好ましくは、本医薬調製品は、単位剤形、例えば包装された調製品であり、この包装は、バイアル又はアンプル中に充填された錠剤、カプセル剤及び散剤のような個別の量の調製品を含む。
【0107】
その用量は、患者の必要性、疾患の重症度及び利用される特定の化合物に応じて変動してよい。便宜上、総一日量は、分割され且つ一日を通じて少量ずつ投与されてよい。化合物RY又はRY'に関して好適な投与レジメンは、一日3回、一日2回、一日1回、隔日から週一回までである。一日1回又は2回の投与が最も適していると予想される。特定の状況に関する適量の決定は、医療分野の業者の技術の範囲内である。
【0108】
本発明の別の態様に従い、医薬品として使用するための、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'が提供される。
【0109】
本発明の別の態様に従い、ドパミンのノルアドレナリンへの水酸化の減少が治療上有益である障害を治療する医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される。
【0110】
化合物RY又はRY'はまた、下記の化合物のクラスから選択された1種以上の化合物と複合して使用してもよい:利尿薬;β-アドレナリン受容体拮抗薬;α2-アドレナリン受容体作動薬;α1-アドレナリン受容体拮抗薬;デュアルβ-及びα-アドレナリン受容体拮抗薬;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャネル活性化薬;抗不整脈薬;ACE阻害薬; AT1受容体拮抗薬;レニン阻害薬;脂質低下薬、バソペプチダーゼ阻害薬;硝酸塩;エンドセリン拮抗薬;中性エンドペプチダーゼ阻害薬;抗-アンジオテンシンワクチン;血管拡張薬;ホスホジエステラーゼ阻害薬;強心配糖体;セロトニン拮抗薬;CNS作用薬;カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害薬;バソプレッシン拮抗薬;アデノシンA1受容体拮抗薬;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)作動薬;キレート剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン-様ペプチド-1作動薬;Na/K ATPアーゼ阻害薬;糖化反応後期生成物(AGE)架橋切断薬;混合型ネプリライシン/エンドセリン-変換酵素(NEP/ECE)阻害薬;ノシセプチン受容体(ORL-1)作動薬(例えば、アルプラゾラム);キサンチンオキシダーゼ阻害薬;ベンゾジアゼピン作動薬;心筋ミオシン活性化因子;キマーゼ阻害薬;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写増強薬;チオルファンなどの中性エンドペプチダーゼ阻害薬。
【0111】
本明細書において使用される用語治療及び「治療する」又は「治療している」などの変形は、ヒト又は非ヒト動物に恩恵があり得る任意のレジメンをいう。治療は、存在する状態に関するものであってよく、又は予防的(防御的治療)であってよい。治療は、治癒的効果、緩和的効果又は予防的効果を含んでよい。他のクラスの化合物の一つと組合せた化合物RY又はRY'による治療は、これらの2種以上の薬物の同時投与又は逐次投与を含む。
【0112】
本発明の別の態様に従い、不安障害に罹患した対象を治療する医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される。
【0113】
不安障害は、全般性不安障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、強迫神経症、パニック発作などのパニック障害、及び広場恐怖症、社会恐怖症、特定恐怖症などの恐怖症を含むが、これらに限定されるものではない。更に、本発明の化合物を用いて治療可能な不安障害は、「アメリカ精神医学会:精神障害の診断と統計マニュアル(American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistic Manual of Mental Disorders)」、第4版、Text Revision、ワシントンDC、アメリカ精神医学会(APA)、2000年の429〜484頁に認めることができる。
【0114】
本発明の別の態様に従い、片頭痛を治療する医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される。
【0115】
本発明の別の態様に従い、心臓血管障害に罹患した対象を治療する医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される。
【0116】
本発明の別の態様に従い、高血圧、又は慢性若しくはうっ血性心不全を治療する医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される。
【0117】
本発明の別の態様に従い、以下の適応症の1つ以上を治療する医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される:狭心症、不整脈、及びレイノー現象などの循環障害。
【0118】
本発明の別の態様に従い、ドパミン-β-水酸化酵素の阻害において使用するための医薬品の製造における、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の使用が提供される。
【0119】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、不安障害を治療する方法が提供される。
【0120】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、片頭痛を治療する方法が提供される。
【0121】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、心臓血管障害を治療する方法が提供される。
【0122】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、高血圧を治療する方法が提供される。
【0123】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、慢性又はうっ血性心不全を治療する方法が提供される。
【0124】
本発明の別の態様に従い、先に記載のように調製された化合物RY又はRY'の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、以下の適応症の1つ以上を治療する方法が提供される:狭心症、不整脈、及びレイノー現象などの循環障害。
【0125】
前述の治療方法は、下記の化合物クラスの1つからの薬物の同時又は逐次投与を更に含んでよい:利尿薬;β-アドレナリン受容体拮抗薬;α2-アドレナリン受容体作動薬;α1-アドレナリン受容体拮抗薬;デュアルβ-及びα-アドレナリン受容体拮抗薬;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャネル活性化薬;抗不整脈薬;ACE阻害薬;AT1受容体拮抗薬;レニン阻害薬;脂質低下薬、バソペプチダーゼ阻害薬;硝酸塩;エンドセリン拮抗薬;中性エンドペプチダーゼ阻害薬;抗-アンジオテンシンワクチン;血管拡張薬;ホスホジエステラーゼ阻害薬;強心配糖体;セロトニン拮抗薬;CNS作用薬;カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害薬;バソプレッシン拮抗薬;アデノシンA1受容体拮抗薬;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)作動薬;キレート剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン-様ペプチド-1作動薬;Na/K ATPアーゼ阻害薬;糖化反応後期生成物(AGE)架橋切断薬;混合型ネプリライシン/エンドセリン-変換酵素(NEP/ECE)阻害薬;ノシセプチン受容体(ORL-1)作動薬(例えば、アルプラゾラム);キサンチンオキシダーゼ阻害薬;ベンゾジアゼピン作動薬;心筋ミオシン活性化因子;キマーゼ阻害薬;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写増強薬;チオルファンなどの中性エンドペプチダーゼ阻害薬。
【実施例】
【0126】
(実施例)
下記の非限定的実施例は、本発明の実施態様を説明している。
【0127】
NMRスペクトルは、Bruker Avance DPX 400MHz、又は600MHz Avance III分光計上で、内部標準として使用した溶媒と一緒に、20℃で記録した。データは、下記の順番で記載した:概算の化学シフト(ppm)、プロトン数、多重度(br、広幅線;dd、二重二重線;dt、二重三重線;m、多重線;md、多重二重線;mt、多重三重線;s、一重線)、及びカップリング定数(Hz)。
【0128】
(実施例1:N-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(化合物C))
ジクロロメタン(350ml)中のN-ベンジル-3-オキソブタンアミド(化合物A 50g, 261mmol)の溶液へ、臭素(14.82ml, 288mmol)を0〜5℃で添加し、その後20〜25℃で3時間攪拌した(臭素の色が消失した)。この混合物へ、攪拌しながら、水(300ml)を添加し、10分間攪拌した。有機相を分離し、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固させた(化合物B)。固形残渣(化合物B)を、メタノール(900ml)に溶解し、ギ酸カリウム(44.0g, 523mmol)を添加し、この混合物を還流下で2時間加熱した。メタノールを、回転蒸発装置で除去し、残渣を酢酸エチル(EA)(500ml)に溶かし、還流下で熱濾過し、フィルターケーキを温EA(100ml)により洗浄した。一緒にした濾液を、5〜10℃に冷却させ、1.5時間熟成させた。沈殿物を収集し、冷EA(50ml)により洗浄し、乾燥させ、明ベージュ色の粗生成物25g(46.1%)を生じた。活性炭(1g)を含む、水(300ml)から、再結晶した。セライト上で加熱濾過し、氷中で冷却し、1時間熟成させ、結晶を収集し、冷水(20ml)で洗浄し、一晩風乾させ、N-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(21g, 101mmol, 収率38.8%)を生じた。
【化36】
【0129】
(実施例2:N-ベンジル-4-ブロモ-3-オキソブタンアミド(化合物B))
ジクロロメタン(500ml)中のN-ベンジル-3-オキソブタンアミド(化合物A 100g, 522.9mmol)の溶液へ、0〜5℃で、臭素溶液(25.55ml, 575.2mmol)を6時間かけて滴加した。この反応混合物を、20〜25℃まで温め、2時間攪拌した(臭素の色が消失した)。この混合物へ、炭酸水素ナトリウム(65.9g, 784.44mmol)の水溶液(600mL)を添加した。有機層を分離し、ブライン(200ml)で洗浄し、その後蒸発乾固させ、N-ベンジル-4-ブロモ-3-オキソブタンアミド(114.25g, 定量的)を生じ、更に精製することなく次工程で使用した。
【化37】
【0130】
(実施例3:N-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(化合物C))
N-ベンジル-4-ブロモ-3-オキソブタンアミド(化合物B 50g, 185.1mmol)を、メタノール(400ml)中に溶解し、ギ酸カリウム(31.14g, 370.2mmol)を添加した。得られた混合物を、2時間還流加熱した。メタノールを、減圧下での蒸留により除去し;残渣を、酢酸エチル(250ml)へ溶かし、還流下で熱濾過し、フィルターケーキを温酢酸エチル(100ml)により洗浄した。一緒にした濾液を、-10℃まで冷却させ、1.5時間熟成させた。沈殿物を収集し、冷酢酸エチル(2×25ml)により2回洗浄し、乾燥させ、N-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(18.2g, 101mmol, 収率38.8%)を生じた。
【化38】
【0131】
(実施例4:(R)-N-ベンジル-2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)アセトアミド(化合物D'))
2-プロパノール(150ml)中の(R)-6,8-ジフルオロクロマン-3-アミン(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩(化合物JT', 15g, 44.7mmol)及びチオシアン酸カリウム(5.22g, 53.7mmol)の混合物へ、酢酸(38.4ml, 671mmol)、引き続きN-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(化合物C, 11.13g, 53.7mmol)を1時間の間に5回に分けて添加した。この混合物を、攪拌しながら、80℃で2時間加熱した。更なるN-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(1.854g, 8.95mmol)及びチオシアン酸カリウム(0.870g, 8.95mmol)を添加し、1時間攪拌した。更なるN-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(1.854g, 8.95mmol)及びチオシアン酸カリウム(0.870g, 8.95mmol)を添加し、1時間攪拌し(合計でN-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-オキソブタンアミド(14.83g, 71.6mmol)及びチオシアン酸カリウム(6.96g, 71.6mmol))、210nmでHPLCにより精製し(Kromasil 100 5C4 250×4.6カラム, 0.1%TFA−ACN 50:50, 1ml/分)、化合物JT'は1.5%未満であった。およそ50℃で、水(110ml)により希釈し、5℃まで冷却し、1時間熟成した。沈殿物を収集し、水で洗浄した。湿ったフィルターケーキを、水(300ml)中に再スラリー化し、水(100ml)中の炭酸水素ナトリウム(4.13g, 49.2mmol)の溶液を何回かに分けて添加し、この混合物を15分間攪拌し、濾過し、水で洗浄し(湿重量21g)、風乾し、(R)-N-ベンジル-2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)アセトアミド(12.2g, 29.4mmol, 収率65.6%)を生じた。
【化39】
【0132】
(実施例5:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(化合物RY'))
テトラヒドロフラン(10ml)中の(R)-N-ベンジル-2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)アセトアミド(1g, 2.407mmol)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(0.455g, 12.03mmol)、引き続きテトラヒドロフラン(5ml)中のボロントリフルオリド・エチルエーテル(1.525ml, 12.03mmol)の溶液を、氷冷しながら10分間かけて滴加し、自然に温め、且つAr下、20〜25℃で攪拌した。7時間後、依然7.5%の出発物質(SM)が存在し、この反応物を一晩攪拌放置した。氷冷しながら、1N塩酸(5ml, 5.00mmol)でクエンチし(最初の数滴は激しい発泡を引き起こした)、6N 塩酸(2ml, 12.00mmol)によりpHを1とし、この混合物を30分間還流した。水で希釈し、THFを回転蒸発装置上で除去し(結晶化が起こった)、残渣を室温で1時間熟成した。沈殿物を収集し、水で洗浄した。真空中50℃で乾燥し、固形物1.13gを生じた。メタノール(15.00ml)及び水(2.3ml)中に溶解し、還流加熱し、1N水酸化ナトリウム(2.65ml, 2.65mmol)を添加した(pH8〜9)。直ぐに結晶化は生じず、およそ50℃で結晶化した。20〜25℃まで冷却し、30分間熟成し、沈殿物を収集し、MeOHで洗浄し、真空中、50℃で乾燥し、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(0.73g, 1.818mmol, 収率76%)を生じた。
【化40】
【0133】
(実施例6:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(化合物RY'))
テトラヒドロフラン(133ml)中の(R)-N-ベンジル-2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)アセトアミド(16.62g, 40mmol)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(3.78g, 100mmol)を添加した。その後この懸濁液を0℃に冷却し、テトラヒドロフラン(85ml)中のボロントリフルオリド・テトラヒドロフラン(14.56ml, 132mmol)の溶液とした。この混合物を室温(20〜25℃)まで温め、24時間攪拌した。0℃へ冷却した後、1N塩酸(64ml, 64mmol)を添加し、6N塩酸(17.7ml, 108mmol)によりpHを1とし、この混合物を30分間還流した。テトラヒドロフランを減圧下で除去した。沈殿物を収集し、水(50mL)で洗浄した。湿った固形物を、メタノール(250ml)と水(38ml)の混合液中に懸濁した。この懸濁液を、完全に溶解するまで、還流加熱し;1N水酸化ナトリウム(45ml, 48mmol)を添加した(pH8〜9)。結晶化が、およそ50℃で起こった。この懸濁液を15℃まで冷却し、3時間熟成した。沈殿物を収集し、メタノール(33mL)で洗浄し、真空中、50℃で乾燥し、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(12.5g, 30.01mmol, 収率76%)を生じた。
【化41】
【0134】
(実施例7:N-ベンジル-2-ニトロ-N-(3-オキソブチル)ベンゼンスルホンアミド(化合物F))
ジクロロメタン(DCM)(150ml)中のベンジルアミン(10.92ml, 100mmol)の溶液へ、トリエチルアミン(13.67ml, 100mmol)、引き続きDCM(70ml)中の2-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(22.16g, 100mmol)の溶液を、5〜10℃で、攪拌しながら添加した。この混合物を、1時間攪拌し(HPLCにより完了した)、攪拌を1時間続け、水、ブラインで洗浄し、ほとんどのDCMを回転蒸発装置で除去し、酢酸エチル(150ml)を添加し、減圧下で別に25〜30ml蒸留した。得られた溶液に、カリウムtert-ブトキシド(0.561g, 5.00mmol)、引き続きメチルビニルケトン(9.07ml, 110mmol)を、攪拌しながら、20〜25℃で一気に添加した。この混合物を、20〜25℃で1時間攪拌し、ヘプタン(70ml)で希釈し、ブライン+1N HCl(5ml)で洗浄し、有機相を乾燥し(MgSO4)、およそ100mlまで蒸発させ、化合物Fの結晶種を入れ(結晶化が始まった)、0〜5℃まで冷却し、ヘプタンでおよそ200mlにゆっくり希釈した。この混合物を、氷中で1時間熟成させ、結晶を収集し、ヘプタンで洗浄し、風乾させ、N-ベンジル-2-ニトロ-N-(3-オキソブチル)ベンゼンスルホンアミド(31.4g, 87mmol, 収率87%)を生じた。
【化42】
【0135】
(実施例8:N-ベンジル-2-ニトロ-N-(3-オキソブチル)ベンゼンスルホンアミド(化合物F))
酢酸エチル(10ml)中のベンジルアミン(1ml, 9.16mmol)の溶液へ、トリエチルアミン(1.252ml, 9.16mmol)、引き続き2-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(2.03g, 9.16mmol)を、5〜10℃で攪拌しながら添加した。この混合物を1時間攪拌し(HPLCにより完了した)、攪拌を1時間続けた。反応混合物を、水でクエンチした。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(8ml)中に溶解させ、得られた溶液へカリウムtert-ブトキシド(0.051g, 0.458mmol)、引き続きメチルビニルケトン(0.755ml, 9.16mmol)を攪拌しながら一気に20〜25℃で添加した。この混合物を20〜25℃で2時間攪拌し、ブラインでクエンチした。有機相を分離し、水層を酢酸エチル(5mL)により戻し抽出した。一緒にした有機層を、0.6N HCl(10ml)で洗浄し、3容量に濃縮した。この溶液をイソプロパノール(20mL)で希釈し、沈殿物が出現するまで、減圧下で濃縮した。その後得られたスラリーを、20℃で4時間攪拌し、濾過した。収集した固形物を次に、2-プロパノール(2×40mL)で洗浄し、乾燥し、N-ベンジル-2-ニトロ-N-(3-オキソブチル)ベンゼンスルホンアミド(2.5g, 6.87mmol, 収率75%)を生じた。
【化43】
【0136】
(実施例9:N-ベンジル-N-(4-ブロモ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物G))
メタノール(300ml)中のN-ベンジル-2-ニトロ-N-(3-オキソブチル)ベンゼンスルホンアミド(化合物F, 30g, 83mmol)の溶液へ、臭素(4.69ml, 91mmol)を、20〜25℃で一気に添加した。20時間攪拌し(臭素色なし)、水(20ml)を添加し、30分間還流加熱し、MeOH(100ml)で希釈した。この溶液を攪拌しながら30℃に冷却し、化合物Gの結晶種を入れ、25〜30℃で5分間攪拌し(結晶化が起こった)、15℃まで冷却し、1時間熟成した。結晶を収集し、MeOH(20〜25℃)の2×15mlで洗浄し、風乾し、N-ベンジル-N-(4-ブロモ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(19.4g, 44.0mmol, 収率53.1%)を生じた。
【化44】
【0137】
(実施例10:N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物I))
酢酸(130ml)中のN-ベンジル-N-(4-ブロモ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(16g, 36.3mmol)及び酢酸カリウム(8.90g, 91mmol)の混合物を、110〜115℃まで加熱し(視認できるゆっくりした還流)、1時間攪拌した(HPLCにより完了)。冷却し、酢酸(80ml)を減圧下で除去し、残渣を、DCM(120ml)と水(120ml)の間で分配した。有機相を、水で洗浄し、その容積が半分になるまで蒸発させ、2-プロパノール(65.0ml)で希釈し、残りのDCMを除去した。水(18.20ml)、引き続き濃塩酸(2.102ml, 25.4mmol)を添加し、残留DCMを、上部温度(head temperature)が77℃に達するまで、大気圧で蒸留除去し、その後還流下で3時間攪拌した。水(65ml)で希釈し、2-プロパノールを60℃/180mbarで除去し、二相性の残留物へ、EA(80ml)を添加し、引き続き炭酸水素ナトリウムを攪拌しながら、気体の発生が停止するまで添加した。有機相を乾燥し(MgSO4)、蒸発乾固させ、N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(13.2g, 34.9mmol, 収率96%)を生じた。
【化45】
【0138】
(実施例11:N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物I))
メタノール(2ml)中のN-ベンジル-N-(4-ブロモ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物G, 200mg, 0.453mmol)、ギ酸(0.100ml, 2.65mmol)及びギ酸カリウム(76mg, 0.906mmol)の懸濁液を、2時間還流加熱した。次にこの反応混合物を、室温まで冷却し、次に濾過し、無機塩を除去した。次に濾液を、減圧下で濃縮し、その後酢酸エチルで希釈した。得られたスラリーを次に濾過し、固形物を酢酸エチルで洗浄した。得られた一緒にした濾液を、減圧下で濃縮した。N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物I, 169mg, 0.447mmol, 収率99%)を、淡黄色油状物として得た。
【化46】
【0139】
(実施例12:(R)-N-ベンジル-N-(2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物K'))
酢酸(12.5ml)中の(R)-6,8-ジフルオロクロマン-3-アミン(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩(化合物JT', 1.7g, 5.07mmol)、N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物I, 2.303g, 6.08mmol)の混合物へ、チオシアン酸カリウム(0.591g, 6.08mmol)を一気に添加した。この混合物を、HPLCで管理しながら、100℃で3時間攪拌加熱し、20℃に冷却し、2-プロパノール(55ml)で希釈し、0℃に冷却し、1時間熟成した。沈殿物を収集し、冷2-プロパノール(55ml)で洗浄し、乾燥し、12.54gを生じた。この固形物を、水(38ml)とエタノール(EtOH)(19ml)の混合液中に懸濁し、固形の炭酸水素ナトリウム(2.255g, 26.8mmol)を、攪拌しながら20〜25℃で数回に分けて添加し、30分間攪拌した。固形物を収集し、水で洗浄し、乾燥し、(R)-N-ベンジル-N-(2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物K', 8.4g, 14.32mmol, 収率64.0%)を生じた。
【化47】
【0140】
(実施例13:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(粗化合物RY'))
ジメチルホルムアミド(DMF)(80ml)中の(R)-N-ベンジル-N-(2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物K', 8g, 13.64mmol)及び2-メルカプト酢酸(2.84ml, 40.9mmol)の溶液へ、10N水酸化カリウム(10.23ml, 102mmol)を、水冷しながら一気に添加し、この混合物を、HPLCで管理しながら、20〜25℃で3時間攪拌した。メタノール−水1:1(160ml)を、攪拌しながらゆっくり添加し、この混合物を、20〜25℃で2時間攪拌した。沈殿物を収集し、MeOH−水1:1(80ml)で洗浄し、乾燥し、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(4.96g, 12.35mmol, 収率91%)を生じた。
【化48】
【0141】
(実施例14:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(粗化合物RY'))
水中の水酸化カリウム(5M水溶液, 52.5ml, 263mmol)の溶液に、10℃で、2-メルカプト酢酸(8.30ml, 119mmol)を滴加した。得られた溶液を、室温で10分間攪拌し、且つDMSO(150ml)中の(R)-N-ベンジル-N-(2-(3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(28g, 47.7mmol)の溶液を、20分間かけて滴加した。KOHの添加時に、発熱性の事象が認められた。得られたスラリーを、HPLCで管理しながら、40℃で3時間攪拌した。その後この反応物を、20℃まで冷却し、メタノール(105ml)、引き続き水(45ml)を添加した。得られたスラリーを、20℃で30分間熟成し、その後濾過した。ベージュ色の固形物を、水/MeOH(9:1)(100ml)、水(200ml)、及び最後にメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(50ml)により連続洗浄し、乾燥し、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(化合物RY', 18.3g, 12.35mmol, 収率96%)を生じた。
【0142】
(実施例15:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩(精製した化合物RY'のHCl塩))
メタノール(MeOH)(30ml)中の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(2g, 4.98mmol)の懸濁液へ、MeOH中の1.5M塩酸(3.32ml, 4.98mmol)を添加し、透明な溶液を生じた。この溶液へ、トルエン(30.0ml)を添加し、MeOH(30ml)を回転蒸発装置上で除去し、引き続きトルエン(20ml)を添加した。この混合物を、攪拌しながら、0〜5℃で1時間熟成し、沈殿物を収集し、トルエン(10ml)で洗浄し、真空中で50℃で乾燥し、精製した(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩2.05g(94%)を生じた。
【化49】
【0143】
(実施例16:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(精製した化合物RY'))
(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩(8g, 18.27mmol)を、メタノール(120ml)中に40〜45℃で溶解し、水(18.00ml)で希釈し、結晶化が起こった。沈殿物を、67〜68℃まで加熱し且つ攪拌することにより溶解した。この溶液へ、1N水酸化ナトリウム(19.18ml, 19.18mmol)を、1時間かけて、シリンジポンプにより滴加した。この混合物を、67℃で30分間熟成し、1時間かけて20℃まで冷却し、20℃で30分間熟成した。結晶を収集し、MeOH−水1:1(36ml)で洗浄し、乾燥し、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(6.7g, 16.69mmol, 収率91%)を生じた。
【0144】
(実施例17:(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(精製した化合物RY'))
2-ブタノン(MEK, 150ml)中の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(15g, 37.4mmol)の懸濁液を、80℃まで加熱した。得られたスラリーを、80℃で2時間攪拌し、その後2時間かけて20℃までゆっくり冷却した。固形物を濾過し、2-プロパノール(45mL)で洗浄し、その後50℃で真空乾燥した。(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(12.6g, 31.38mmol, 84%)を、乳白色固形物として得た。
【0145】
(実施例18:N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物I))
1,1-ジメトキシアセトンのジメチルホルムアミドジメチルアセタールとの反応は、N,N-ジメチルエナミノンを生成し、これはベンジルアミンとの処理時に、N-ベンジルエナミノンを生じた。後者を、アミノアルコールへ完全に還元させ、且つNs-基によりN-保護した。アセタールの酸性切断と同時に起こる転位は、クロマトグラフィー精製後に、目標ヒドロキシケトンをもたらした(スキーム3)。
スキーム3
【化50】
【0146】
これらの工程を、以下のように実行した。
(a)(E)-4-(ジメチルアミノ)-1,1-ジメトキシブタ-3-エン-2-オン−Mauryらの文献、J. Heterocyclic Chem., 1978, 15, p.1041に記載のように調製した。
(b)(E)-4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタ-3-エン-2-オン
トルエン(130ml)中の(E)-4-(ジメチルアミノ)-1,1-ジメトキシブタ-3-エン-2-オン(11g, 63.5mmol)及びベンジルアミン(6.94ml, 63.5mmol)の混合物を、還流下で4時間攪拌した。真空下で蒸発乾固させ、残渣をカラムに装加し、石油エーテル−酢酸エチル混合液3:1により溶離し、画分を収集し、(E)-4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタ-3-エン-2-オン(6.4g, 27.2mmol, 収率42.8%)を暗黄色油状物として生じた。
(c)4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタン-2-オール
2-プロパノール(60ml)と水(4.80ml)の混合液中の(E)-4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタ-3-エン-2-オン(4.71g, 20mmol)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(3.03g, 80mmol)を数回に分けて20〜25℃で添加し、この混合物を一晩攪拌した。5N HCl(およそ10ml)によりpH7へクエンチし、pHを5N NaOHにより8〜9に調節し、MTBE(100ml)及びブライン(50ml)により希釈した。有機相を乾燥し(MgSO4)、蒸発させ、カラム上で酢酸エチル−MeOH混合液4:1により分離し、画分を収集し、4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタン-2-オール(3.55g, 14.83mmol, 収率74.2%)を無色油として生じた。
(d)N-ベンジル-N-(3-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタン-2-オールの単離なし)
2-プロパノール(12.5ml)と水(1.200ml)の混合液中の(E)-4-(ベンジルアミノ)-1,1-ジメトキシブタ-3-エン-2-オン(1.176g, 5mmol)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(0.757g, 20.00mmol)を数回に分けて添加し、この混合物を7時間攪拌した。5N HCl(およそ2.5ml)によりpH7へクエンチし、5N NaOHによりpHを8〜9に調節し、MTBE(25ml)及びブライン(15ml)により希釈した。有機相を分離し、トリエチルアミン(0.767ml, 5.50mmol)を氷冷しながら添加し、引き続き2-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.108g, 5.00mmol)を添加した。この混合物を、0〜5℃で(冷蔵庫)一晩放置した。水で洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固し、残渣をカラムに装加し、石油エーテル−酢酸エチル混合液1:1により溶離し、画分を収集し、N-ベンジル-N-(3-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(1.9g, 4.48mmol, 収率90%)を黄色油状物として生じた。
(e)N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド
1-プロパノール(1.5ml)中のN-ベンジル-N-(3-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(0.212g, 0.5mmol)の溶液へ、37%塩酸(0.104ml, 1.250mmol)を添加し、この混合物をWeatonバイアル中90℃で攪拌した。冷却し、真空下で蒸発乾固し、石油エーテル−酢酸エチル混合液1:1中のカラムに装加し、同じ系で溶離した。画分を収集し、N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(0.085g, 0.225mmol, 収率44.9%)を黄色油として生じた。
【0147】
(実施例19:N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(化合物I))
スキーム4
【化51】
(1-ヒドロキシブタ-3-エン-2-オン)
ブタ-2-イン-1,4-ジオールから調製した(Justus Liebigs Annalen der Chemie, 1955, v.596, p. 38-78)。Pd、Cu及びZn触媒を、Hg触媒の代わりに使用した。
【0148】
(N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド)
DCM(150ml)中のベンジルアミン(10.92ml, 100mmol)の溶液へ、トリエチルアミン(13.67ml, 100mmol)、引き続きDCM(70ml)中の2-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(22.16g, 100mmol)の溶液を5〜10℃で攪拌しながら添加した。この混合物を1時間攪拌し、攪拌を1時間継続し、水、ブラインで洗浄し、DCMのほとんどを減圧下で除去した。酢酸エチル(150ml)を添加し、別に25〜30mlを減圧下で蒸留除去した。生じた溶液へ、カリウムtert-ブトキシド(0.561g, 5.00mmol)を添加し、引き続き1-ヒドロキシブタ-3-エン-2-オン(9.47g, 110mmol)を攪拌しながら一気に20〜25℃で添加した。この混合物を20〜25℃で1時間攪拌し、ヘプタン(70ml)で希釈し、ブライン及び1N HCl(5ml)で洗浄し、有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で蒸発乾固した。生じた油状物を、カラム上で、溶離液として酢酸エチル−石油エーテル混合液を用いて精製した。所望の生成物を含む画分を収集し、減圧下で蒸発乾固し、N-ベンジル-2-ニトロ-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)ベンゼンスルホンアミド(29.1g, 77mmol, 収率77%)を生じた。
【0149】
(実施例20:N-ベンジル-N-(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)-エチルメタン酸塩(代替保護基を有する化合物I−Nsの代わりにエチルエタン酸塩))
スキーム5
【化52】
これらの工程を、以下のように実行した:
(a)ベンジル(4-ヒドロキシブタ-2-イニル)カルバミン酸エチル
ベンジルアミン(2.185ml, 20.00mmol)と4-クロロブタ-2-イン-1-オール(1.045g, 10.00mmol)の混合物を、EtOH(20ml)中、還流下で、1時間攪拌した。この混合物を冷却し、真空下で蒸発乾固させ、半固形物の残渣をアセトン(50ml)に溶かし、不溶性物質を濾過により除去し(ベンジルアミン塩酸塩)、濾液を蒸発乾固した。残渣を、96% EtOH(20ml)に溶解し、トリエチルアミン(4.18ml, 30.0mmol)を添加し、引き続きクロロギ酸エチル(2.113ml, 22.00mmol)を氷冷し攪拌しながら滴加した。1時間かけて攪拌しながら自然に温め、真空下で蒸発乾固させ、残渣をDCM(50ml)と1N HCl(25ml)の間で分配した。有機相を乾燥させ、蒸発乾固させ、カラムに装加し、石油エーテル−酢酸エチル混合物4:1=>2:1で溶離し、画分を収集し、極性の低い黄色を帯びた油状物2g及びより極性のある油状物0.34gを生じた。極性の低い画分を、エーテルに溶解し、HCl/EtOHにより酸性とし、(石油エーテル)PE(およそ1:1)により希釈した。分離した油分から液体をデカントし、且つ蒸発乾固させ、油状物1.6gを生じた。この油状物を、MeOH(20ml)に溶解し、5N水酸化ナトリウム(2.000ml, 10.00mmol)を添加し、20-25℃で16時間攪拌した。濃HClによりpH6まで酸性とし、蒸発乾固させ、DCMに溶かし、有機相を乾燥させ、より極性のある油状物と一緒にし、カラム上で石油エーテル−酢酸エチル混合物4:1=>2:1により分離した。画分を、HPLC-MS管理下で収集し、ベンジル(4-ヒドロキシブタ-2-イニル)カルバミン酸エチル(0.71g, 2.87mmol, 収率28.7%)を生じた。
【化53】
(b)ベンジル(4-ヒドロキシ-3-オキソブチル)カルバミン酸エチル
アセトニトリル(0.5ml)及び水(0.250ml)中のベンジル(4-ヒドロキシブタ-2-イニル)カルバミン酸エチル(0.05g, 0.202mmol)、酢酸水銀(II)(6.44 mg, 0.020mmol)及びボロントリフルオリド・エチルエーテル(5.12μl, 0.040mmol)の混合物を、Wheatonバイアル内で90℃で30分間攪拌した。HPLC-MSにより、主要ピークは、予想された生成物に対応している。
【0150】
(実施例21:(R)-6,8-ジフルオロクロマン-3-アミン L-酒石酸塩(化合物JT'))
容器に、(R)-6,8-ジフルオロクロマン-3-イルカルバミン酸メチル(1.0重量)及びメタノール(12.66容量)を充填し、内容物の温度を攪拌しながら65℃に調節した。水(4.15容量)中の水酸化カリウム(2.76重量)の溶液を、65℃に維持しながら、容器に移し、且つこの混合物を24時間攪拌した。内容物を、35℃に調節し、水(5.6容量)を充填し、且つ容器を常圧蒸留(atmospheric distillation)に配置した。残渣容積が8〜10容量に達するまで、内容物を、70℃の内部温度及び二層ジャケット中の80℃で蒸留した。この内容物を、30℃に調節し、ジクロロメタン(6.5容量)を投入しながら、内容物温度を20/25℃まで冷却した。15分間攪拌し、15分間静置させ、下側有機相を分離した。ジクロロメタン(3.0容量)を投入し、この混合物を15分間攪拌し、15分間静置し、下側有機相を分離した。一緒にした有機相を、ブラインで2回洗浄し、容器に移し、真空蒸留に配置した。容器に、エタノール(20.0容量)を充填し、蒸留物4.3容量を蒸留除去した。容器を、常圧蒸留に配置し;容器の内容物を、容器容積が20.0容量となるまで、内部温度65/75℃及び二層ジャケット中の90℃で蒸留し、その後エタノールの添加により、屈折率がジクロロメタンが存在しないことを示すまで、定容で蒸留した。水(3.0容量)中のL-酒石酸(0.647重量, 1.108当量)の溶液を調製し、70℃に調節した。この溶液を、先に得たエタノール性溶液へ、75℃でゆっくり添加した。この混合物を、75℃で5時間攪拌し、その後0℃まで、10℃/時で冷却した。内容物を、0℃で12時間攪拌し、エタノール(2.5容量)を投入し、その温度を0℃に調節した。容器の内容物をフィルターに移した。フィルターケーキを、エタノール(5.0容量及び2.5容量)で洗浄し、真空下、45℃で乾燥した。(R)-6,8-ジフルオロクロマン-3-アミン L-酒石酸塩の収率は、理論値の90%であった。
【化54】
【0151】
前述の本発明は、添付された請求項の範囲内で変更され得ることは理解されるであろう。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
下記式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩の製造方法:
【化1】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、
Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)であって;
該方法が、下記式Kの化合物を脱保護する工程:
【化2】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものであり、且つNsはo-ニトロフェニルスルホニルを意味する。);
並びに、任意にその後該化合物RYをそれらの医薬として許容し得る塩に変換する工程:を含む、前記方法。
(構成2)
前記Xが、Oである、構成1記載の方法。
(構成3)
前記R1、R2及びR3の一つが、水素であり、且つ残りがフッ素である、構成1又は2記載の方法。
(構成4)
前記化合物RYが、下記式RY’:
【化3】
を有する、構成1〜3のいずれか記載の方法。
(構成5)
前記脱保護工程が、式Kの化合物を、塩基、好ましくはLiOH又はKOHの存在下、好適な溶媒中で、チオグリコール酸により、処理することを含む、構成1〜4のいずれか記載の方法。
(構成6)
前記脱保護工程から単離された化合物RYが、精製される、構成1〜5のいずれか記載の方法。
(構成7)
前記精製が:
(i)式RYの化合物のHCl塩の形成、及び、(ii)そのように形成されたHCl塩の、好適な溶媒、好ましくはトルエンからの結晶化を含む二工程手順によるか;或いは、2-ブタノン中の再スラリー化により実行される、構成5記載の方法。
(構成8)
前記式Kの化合物が、下記式Iの化合物:
【化4】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)を;
下記式JZの化合物:
【化5】
(式中、R1、R2、R3及びXは、構成1において先に定義したものであり、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味し、且つZは、L-酒石酸塩、塩酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩及びシュウ酸塩から選択される。)と反応させることにより調製される、構成1〜7のいずれか記載の方法。
(構成9)
前記反応が、アルカリ金属チオシアン酸塩、好ましくはチオシアン酸カリウム(KSCN)、及び好適な酸、好ましくは酢酸の存在下で実行される、構成8記載の方法。
(構成10)
前記式Iの化合物が、下記式Gの化合物:
【化6】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)の水酸化により調製される、構成8又は9記載の方法。
(構成11)
前記化合物Gの水酸化が、メタノール中のギ酸の存在下で、好ましくは還流下で、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム又はギ酸セシウムなどの、アルカリ金属ギ酸塩による、好ましくはギ酸カリウムによる処理により達成される、構成10記載の方法。
(構成12)
前記式Iの化合物が、下記式Hの化合物:
【化7】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)の加水分解により調製される、構成8又は9記載の方法。
(構成13)
前記化合物Hの加水分解が、HClの使用により達成される、構成12記載の方法。
(構成14)
前記式Hの化合物が、下記式Gの化合物:
【化8】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)のアシル化により調製される、構成12又は13記載の方法。
(構成15)
前記化合物Gのアセチル化が、好適な酸、好ましくは酢酸の存在下で、アルカリ金属酢酸塩、好ましくはKOAcを使用し達成される、構成14記載の方法。
(構成16)
前記式Gの化合物が、下記式Fの化合物:
【化9】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルを意味する。)の臭素化により調製される、構成10〜15のいずれか記載の方法。
(構成17)
前記化合物Fの臭素化が、Br2を用い達成される、構成16記載の方法。
(構成18)
前記式Fの化合物が、下記式Eの化合物:
【化10】
の、o-ニトロフェニルスルホニルクロリドとの反応により調製される、構成16又は17記載の方法。
(構成19)
前記化合物Eの化合物Fへの変換が、好適な塩基、好ましくはトリエチルアミン、及び触媒量の好適なアルカリ金属アルコキシド、好ましくはt-BuOKの存在下で実行される、構成18記載の方法。
(構成20)
ベンジルアミンEを、o-ニトロフェニルスルホニルクロリド及びメチルビニルケトン(MVK)の存在下で、式Fの化合物へ変換すること;化合物Fを式Gの化合物へ臭素化すること;化合物Gを、式Iの化合物へ水酸化するか、又は化合物Gをアセチル化し、式Hの化合物を形成し、引き続き化合物Hを加水分解し、式Iの化合物を形成すること;化合物Iを、式Jの化合物と反応させ、式Kの化合物を形成すること;並びに、化合物Kを脱保護し、化合物RYを形成すること、並びに任意に、化合物RYを、それらの医薬として許容し得る塩へ変換すること:
【化11】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルであり、並びにR1、R2、R3及びXは、構成1に定義されたものである。)を含む、構成1記載の式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩を製造する方法。
(構成21)
下記式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩の製造方法:
【化12】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、
Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)であって、該方法が、下記式Dの化合物を還元する工程:
【化13】
(式中、R1、R2、R3及びXは、式RYにおいて先に定義したものである。);並びに、任意にその後該化合物RYをそれらの医薬として許容し得る塩に変換する工程:を含む、前記方法。
(構成22)
前記Xが、Oである、構成21記載の方法。
(構成23)
前記R1、R2及びR3の一つが、水素であり、且つ残りがフッ素である、構成21又は22記載の方法。
(構成24)
前記化合物RYが、下記式RY’:
【化14】
を有する、構成21〜23のいずれか一記載の方法。
(構成25)
前記化合物Dの化合物RYへの還元が、NaBH4-BF3・錯体を含む還元剤を使用し実行される、構成21〜24のいずれか一記載の方法。
(構成26)
前記NaBH4-BF3・錯体が、NaBH4-BF3・THFである、構成25記載の方法。
(構成27)
前記式Dの化合物が、下記式Cの化合物:
【化15】

を、下記式JTの化合物:
【化16】
(式中、R1、R2、R3及びXは、構成19において定義したものである。)と縮合することにより調製される、構成21〜26のいずれか一記載の方法。
(構成28)
前記反応が、アルカリ金属チオシアン酸塩、好ましくはチオシアン酸カリウム(KSCN)、及び好適な酸、好ましくは酢酸の存在下で実行される、構成27記載の方法。
(構成29)
前記式Cの化合物が、下記式Bの化合物:
【化17】
の水酸化により調製される、構成27又は28記載の方法。
(構成30)
前記臭化物BのヒドロキシケトンCへの変換が、好適な溶媒、好ましくはメタノール中での、好適なアルカリ金属ギ酸塩、好ましくはギ酸カリウムによる処理により達成される、構成29記載の方法。
(構成31)
前記反応が、還流下で実行される、構成30記載の方法。
(構成32)
前記式Bの化合物が、下記式Aの化合物:
【化18】
の臭素化により調製される、構成29〜31のいずれか一記載の方法。
(構成33)
前記臭素化工程が、臭素の存在下で実行される、構成32記載の方法。
(構成34)
臭素化生成物Bを、好適な水性塩基、好ましくは炭酸水素水溶液で処理し、引き続き1種以上の好適な溶媒、好ましくはMTBEにより抽出し、かつこれから結晶化する工程を更に含む、構成32又は33記載の方法。
(構成35)
式Aの化合物を臭素化して、式Bの化合物を形成すること;化合物Bを、式Cの化合物へ水酸化すること;化合物Cを環化し、式Dの化合物を形成すること;並びに、化合物Dを還元し、式RYの化合物を形成すること、並びに任意に、化合物RYを、それらの医薬として許容し得る塩へ変換すること:
【化19】
(式中、R1、R2、R3及びXは、構成18に定義されたものである。)を含む、構成19記載の式RYの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩を製造する方法。
(構成36)
化合物RYをそれらの塩へ変換することを更に含む、構成1〜35のいずれか記載の方法。
(構成37)
前記塩が、HCl塩である、構成36記載の方法。
(構成38)
下記式Bの化合物:
【化20】

(構成39)
下記式Cの化合物:
【化21】

(構成40)
下記式Dの化合物:
【化22】
(式中、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味する。)。
(構成41)
前記Xが、Oである、構成40記載の化合物。
(構成42)
前記R1、R2及びR3の一つが、水素であり、且つ残りがフッ素である、構成40又は41記載の化合物。
(構成43)
前記化合物Dが、下記式D’:
【化23】
を有する、構成40〜42のいずれか記載の化合物。
(構成44)
Nsが、o-ニトロフェニルスルホニルである、下記式Fの化合物:
【化24】

(構成45)
Nsが、o-ニトロフェニルスルホニルである、下記式Gの化合物:
【化25】

(構成46)
Nsが、o-ニトロフェニルスルホニルである、下記式Hの化合物:
【化26】

(構成47)
Nsが、o-ニトロフェニルスルホニルである、下記式Iの化合物:
【化27】

(構成48)
下記式Kの化合物:
【化28】
(式中、Nsは、o-ニトロフェニルスルホニルであり、R1、R2及びR3は、同じ又は異なり、且つ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を意味し;並びに、Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を意味し;ここで、用語アルキルは、任意にアリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル又はヒドロキシカルボニル基により置換された、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を意味し;用語アリールは、任意にアルキル、アルキルオキシ、ハロゲン又はニトロ基により置換された、フェニル又はナフチル基を意味し;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。)。
(構成49)
前記Xが、Oである、構成48記載の化合物。
(構成50)
前記R1、R2及びR3の一つが、水素であり、且つ残りがフッ素である、構成48又は49記載の化合物。
(構成51)
前記化合物Kが、下記式K’:
【化29】
を有する、構成48〜50のいずれか記載の化合物。
(構成52)
(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン又はそれらの医薬として許容し得る塩の調製に関する、構成38〜51のいずれか一記載の化合物の使用。
(構成53)
実質的に実施例を参照し本明細書において説明される、方法。
(構成54)
実質的に実施例を参照し本明細書において説明される、化合物。