(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本実施形態のガラス基板の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス基板の製造方法の一部を示すフローチャートである。
図1に示すように、ガラス基板は、溶解工程ST1と、清澄工程ST2と、均質化工程ST3と、成形工程ST4と、冷却工程ST5と、切断工程ST6とを含む種々の工程を経て製造される。
【0016】
溶解工程ST1では、ガラス原料を加熱して溶解する。ガラス原料は、SiO
2、Al
2O
3等の組成からなる。完全に溶解したガラス原料は、溶融ガラスとなる。
清澄工程ST2では、溶融ガラスを清澄する。具体的には、溶融ガラス中に含まれるガス成分を溶融ガラスから放出する、或いは、ガス成分を溶融ガラス中に吸収する。
均質化工程ST3では、溶融ガラスを均質化する。
成形工程ST4では、ダウンドロー法(具体的には、オーバーフローダウンドロー法)により溶融ガラスをシート状のガラス、すなわちシートガラスに成形する。
冷却工程ST5では、成形工程ST4で成形されたシートガラスの徐冷を行う。当該冷却工程ST5において、シートガラスは、室温近くまで冷却される。
切断工程ST6では、室温近くまで冷却されたシートガラスを、所定の長さ毎に切断して素板ガラスとする。
なお、所定の長さ毎に切断された素板ガラスは、その後、さらに切断されて、研削・研磨、洗浄、検査が行われてガラス基板となり、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに使用される。
【0017】
次に、本実施形態のガラス基板の製造方法に用いるガラス基板製造装置について説明する。
図2は、ガラス基板製造装置100を示す模式図である。
ガラス基板の製造装置100は、主として、溶解装置200と、成形装置300とを有する。
【0018】
溶解装置200は、溶解工程ST1、清澄工程ST2、及び、均質化工程ST3を行うための装置である。溶解装置200は、
図2に示すように、溶解槽201、清澄槽202、攪拌槽203、第1配管204、及び、第2配管205を有する。
溶解槽201は、ガラス原料を溶解するための槽である。溶解槽201では、溶解工程ST1を行う。
清澄槽202は、溶解槽201で溶解された溶融ガラスから泡を除去するための槽である。溶解槽201より送り込まれた溶融ガラスを、清澄槽202でさらに加熱することで、溶融ガラスの脱泡が促進される。清澄槽202では、清澄工程ST2を行う。
攪拌槽203は、スターラーによって溶融ガラスを攪拌する。攪拌槽203では、均質化工程ST3を行う。
第1配管204及び第2配管205は、白金族元素又は白金族元素の合金製の配管である。第1配管204は、清澄槽202と攪拌槽203とを接続する配管である。第2配管205は、攪拌槽203と成形装置300とを接続する配管である。
【0019】
成形装置300は、成形工程ST4、及び、冷却工程ST5を行うための装置である。
図3は、成形装置300に含まれる成形炉室30を示す概略の側面図である。
成形装置300は、
図3に示すように、最上部に成形炉室30を備えている。成形炉室30は、外壁として炉壁24を備え、仕切り部材20によって下側の炉室と区画されている。成形炉室30の内部には、成形体14と、複数の発熱体28とが配置されている。成形体14の周囲には、成形体14と発熱体28とを仕切る内部隔壁16が設けられている。
【0020】
成形体14は、成形工程ST4を行うための装置であり、成形炉室30に設けられている。成形体14は、溶解装置200から流れてくる溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法によりシート状のガラス基板(シートガラスG)に成形する機能を有する。成形体14は、垂直方向に切断した断面形状が楔形形状を有し、例えば、ジルコン、ジルコニア、YPO
4、Al
2O
3、SiO
2、SiC、SiN及びそれらの組合せからなる耐火レンガにより構成されている。成形体14の上部には、溶解装置200から流れてくる溶融ガラスMGを受け入れる溝部18が形成されている。成形体14の側面14bは、溝部18からオーバーフローした溶融ガラスMGが流下するように、鉛直方向に沿って形成されている。成形体14の傾斜面14cは、成形体14の両側面14b,14bを流下した溶融ガラスMGが、成形体14の楔形形状の断面の頂点である最下端部14dで合流するように、側面14bに対して傾斜している。
【0021】
内部隔壁16は、発熱体28と成形体14との間に配置され、成形体14を取り囲むように、成形体14の周囲に配置されている。内部隔壁16はSiC焼結体で構成されており、より詳しくは、高密度の焼結SiCの板で構成されている。内部隔壁16は、SiCの含有率が95wt%(重量%)以上のSiC焼結体で構成されていることが好ましい。また、内部隔壁16の温度の均一性を高める観点から、熱伝導率が1200℃で20W/(m・K)以上、より好ましくは25W/(m・K)以上、さらに好ましくは30W/(m・K)以上であるSiC焼結体を用いることが好ましい。上記熱伝導率の上限は、例えば490W/(m・K)とする。また、内部隔壁16の酸化膨張を防止する観点から、内部隔壁16を構成するSiC焼結体の開気孔率は1%以下とする。SiC焼結体の開気孔率は、好ましくは0.8%以下であり、さらに好ましくは、0.6%以下である。また、SiC焼結体の開気孔率は、例えば0%超とする。ここで、開気孔率とは、試料の外形容積を1とした場合、この中に占める開気孔部分の容積の百分比であり、例えば、JIS R 1634:1998に規定される測定方法により測定することができる。
【0022】
炉壁24と内部隔壁16との間には、炉壁24と内部隔壁16との間の空間を横方向に仕切る水平隔壁26が設けられている。水平隔壁26は、成形炉室30の炉壁24と内部隔壁16との間の空間を、上下に隣接した複数の空間に仕切る板状の部材であり、例えば、ジルコン、ジルコニア、YPO
4、Al
2O
3、SiO
2、SiC、SiN及びそれらの組合せからなる断熱部材である。水平隔壁26によって区画された小空間にはそれぞれ発熱体28が配置されている。成形炉室30を複数の空間に仕切り、仕切った各空間の温度を発熱体28により制御できればよく、水平隔壁26を配置する位置、数は、任意である。例えば、一定間隔ごと、隣り合う発熱体28からの距離が一定になる位置等に水平隔壁26を配置する。また、水平隔壁26の厚さは、任意に設定でき、例えば、内部隔壁16の厚さと同一、炉壁24の厚さと同一にすることもできる。水平隔壁26と内部隔壁16とが同一の材料である場合、厚さを同一にすることにより、水平隔壁26及び内部隔壁16が伝える伝熱量を等しくし、溶融ガラスMGを幅方向に均一に加熱することができる。また、内部隔壁16及び水平隔壁26にSiC焼結体を用いる場合、溶融ガラスMGを幅方向に均一に加熱するために、溶融ガラスMGにより近い位置に設けられた内部隔壁16の熱伝導率を、水平隔壁26の熱伝導率より高くすることもできる。また、内部隔壁16の開気孔率を、水平隔壁26の開気孔率より低くすることもできる。また、成形体14の最下端部14dに位置する溶融ガラスMGの温度の均一性を高めるために、最下端部14dに対向する位置にある内部隔壁16の熱伝導率を、両側面14b,14bに対向する位置にある内部隔壁16の熱伝導率より高くすることもできる。また、最下端部14dに対向する位置にある内部隔壁16の開気孔率を、両側面14b,14bに対向する位置にある内部隔壁16の開気孔率より低くすることもできる。
【0023】
発熱体28は、例えば、抵抗加熱、誘電加熱、マイクロ波加熱、誘導加熱によって発熱するシーズヒータ、カートリッジヒータ、あるいはセラミックヒータ等から構成され、発熱量(温度)を任意に調整できる。成形炉室30に配置された各発熱体28は、発熱量を独立して制御でき、例えば、熔融ガラスMGが成形炉室30内を下方に進むときに、成形体14の溝部18、両側面14b,14b、傾斜面14c、最下端部14dへと順次温度が下がるように、温度勾配を形成することができる。すなわち、内部隔壁16の成形体14の側に面する壁面の温度は、熔融ガラスMGの流れる方向に進むにしたがって、温度が下がるように、複数の発熱体28の発熱量は調整される、ことが好ましい。
【0024】
仕切り部材20は、成形体14の最下端部14dの近傍に配置される板状の部材であり、例えば、ジルコン、ジルコニア、YPO
4、Al
2O
3、SiO
2、SiC、SiN及びそれらの組合せからなる断熱部材である。仕切り部材20は、先端が互いに対向するように一対設けられている。仕切り部材20は、成形体14の最下端部14dから流下していくシートガラスGの厚み方向の両側に、水平となるように配置されている。仕切り部材20は、シートガラスが通過する隙間を残してその上下の雰囲気を仕切り、断熱することにより、仕切り部材20の上側から下側への熱の移動を抑制している。仕切り部材20の下方には、冷却ローラ22が配置されている。
【0025】
冷却ローラ22は、仕切り部材20の下方に位置する炉室に配置されている。また、冷却ローラ22は、シートガラスGの厚み方向の両側に、且つ、その幅方向の両端部分に対向するように配置されている。冷却ローラ22は、例えば、内部に通された空冷管により空冷されている。シートガラスGは、冷却ローラ22を通る際に、空冷された冷却ローラ22に接触する幅方向の両端部分の表裏面が冷却される。これにより、当該両端部の粘度は、所定値以上、例えば、10
9.0poise(10poise=1Pa・秒)以上に調整される。冷却ローラ22は、駆動モータによる駆動力が伝達されることにより、シートガラスGを下方に引っ張る。
【0026】
成形炉室30の下方には、冷却工程ST5を行う不図示の徐冷炉室が設けられている。徐冷炉室は、シートガラスGの流れに沿って複数の炉室に区画され、シートガラスGの流れに沿って複数の引張りローラが設けられている。引張りローラはモータにより駆動され、シードガラスGを下方に引張りながら搬送する。また、各炉室には、シートガラスGの周囲の雰囲気の温度を調節するためのヒータが設けられている。このヒータを用いてシートガラスGの周囲の雰囲気の温度を制御することにより、シートガラスGの温度を制御し、シートガラスGの板厚偏差、反り、歪、を低減する温度プロファイルに従って、シートガラスGを徐冷する。
【0027】
切断工程ST6は、不図示の切断装置によって行う。切断装置は、徐冷炉室の下方に配置されている。切断装置は、成形装置300において流下するシートガラスGを、その長手面に対して垂直な方向に切断する装置である。シート状のシートガラスGは、切断装置によって切断されることで、所定の長さを有する複数の素板となる。素板はさらに切断され、端面加工、洗浄、検査を経て梱包され、ガラス基板として出荷される。
【0028】
次に、本実施形態の作用について説明する。
成形工程ST4において、成形体14の溝部18を流れた溶融ガラスMGは、当該溝部18の頂部においてオーバーフローし、成形体14の両側面14b,14bに沿って流下する。そして、成形体14の両側面14b,14bを沿って流下した溶融ガラスGは、傾斜面14c,14cを経て、成形体14の最下端部14dで合流してシートガラスGとなる。シートガラスGは、一対の仕切り部材20,20の間のスリット状の隙間を通して、成形炉室30の下方の徐冷炉室に供給される。
【0029】
このとき、発熱体28により内部隔壁16が加熱され、加熱された内部隔壁16と成形体14を流れる溶融ガラスMGとの間で熱交換が行われ、溶融ガラスMGは冷却される。
【0030】
成形炉室30内の酸素を含む雰囲気は、1000℃以上、例えば1200℃程度の温度に保たれるが、内部隔壁16がこのような高い温度で酸素を含む雰囲気に曝されることで、内部隔壁16を構成するSiC焼結体は酸素に接する部分から酸化されSiO
2に変化する。このとき、SiC焼結体の開気孔率が1%よりも大きいと、表面からだけでなく内部からも酸化が進行しやすくなる。内部酸化が進行した場所では体積が増すため、変形や更には割れにつながることになる。特に、高温粘性が高い、無アルカリガラスやアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスを成形炉室30で形成する場合、成形炉室30内の温度を、従来より高温に保つ必要がある。成形炉室30内の温度を従来より高くすると、内部隔壁16の変形が促進され、割れにつながる。SiC焼結体は、高温に強く、また、耐熱性や耐酸化性に優れる材料である。しかし、SiC焼結体が酸素と反応する酸化開始温度は、約700℃であり、この温度以上になると酸化が始まり、変形や更には割れにつながる。成形炉室30内の温度は、上述したように1000℃以上であるため、SiC焼結体は、成形炉室30内において酸化され易い。
【0031】
本実施形態においては、内部隔壁16に開気孔率が1%以下であるSiC焼結体を用いる。そのため、酸素を含む高温の雰囲気と接するのは表面のみとなり、組織内部にSiCの酸化が進行することを抑制することができる。これにより、内部隔壁16の内部酸化による異常膨張が抑制され、変形、表面の亀裂、割れの発生を抑制することができる。したがって、内部隔壁16の均熱効果が低下することを防止して、ガラス基板の品質を向上させることができる。また、内部隔壁16の寿命を延長し、ガラス基板の生産性を改善することができる。また、SiC焼結体が酸化すると、酸化物であるSiO
2がSiC焼結体表面を完全に覆って酸化に対する保護膜となるため、内部隔壁16の内部の酸化を抑制することができる。
【0032】
また、成形体14上の溶融ガラスMGは、発熱体28と直接熱交換するのではなく、内部隔壁16を介する。したがって、各発熱体28の温度が場所によりばらついていても、内部隔壁16の均熱効果により成形体14上の溶融ガラスMGの温度にはほとんどその温度ばらつきの影響を及ぼすことがない。
図4は、発熱体28周辺の温度分布を説明する図であり、溶融ガラスMGと内部隔壁16と発熱体18を、
図3の上方から下方に見た図である。発熱体28が発熱すると、発熱体28から出た熱は発熱体28を中心として球状に広がっていき、内部隔壁16と水平隔壁26と炉壁24で囲まれた小空間では、発熱体28を中心とした球状の温度分布が形成される。球状に広がった熱が内部隔壁16に達すると、内部隔壁16に熱が吸収され、内部隔壁16には熱が蓄積される。内部隔壁16には均熱効果があるため、内部隔壁16に蓄積された熱は、内部隔壁16の側壁に沿って平面状に放出される。このため、内部隔壁16内の空間では、内部隔壁16に沿って、少なくとも溶融ガラスMGの幅方向に沿ってほぼ一定の温度分布が形成される。この内部隔壁16に沿ったほぼ一定の温度分布により、溶融ガラスMGの温度が溶融ガラスMGの幅方向で均一になり、成形体14の最下端部14dにおいて、シートガラスGの温度が例えば約1150℃で幅方向に均一になる。
【0033】
また、本実施形態の内部隔壁16は、熱伝導率が1200℃で20W/(m・K)以上であり、より好ましくは25W/(m・K)以上、さらに好ましくは30W/(m・K)以上である。したがって、各発熱体28の温度が場所によりばらついていても、内部隔壁16の温度は溶融ガラスMGの幅方向で場所によるばらつきが少なくなり、温度が溶融ガラスMGの幅方向で均一になりやすい。すなわち、内部隔壁16の均熱効果を向上させ、成形体14を流れる溶融ガラスMGの温度を溶融ガラスMGの幅方向でより均一に冷却して、ガラス基板の品質を向上させることができる。
【0034】
成形炉室30内の炉壁24と内部隔壁16との間の雰囲気は、発熱体28によって所要温度に保たれる。一方、成形体14を流れる溶融ガラスMGは流下に伴い、徐々に温度を下げる必要がある。
【0035】
本実施形態では、成形炉室30の炉壁24と内部隔壁16との間に、成形炉室30を上下に隣接する複数の空間に仕切る水平隔壁26を設けている。水平隔壁26で仕切られた複数の空間には複数の発熱体28が設けられ、各発熱体28は、発熱量を独立して制御できる。水平隔壁26は、断熱性の高い材料、例えば、内部隔壁16に比べて断熱性の高い材料で構成されている。これにより、成形体の表面を流下する溶融ガラスの対向面である内部隔壁面の温度を流下方向で任意に変えることができるようになり、溶融ガラスに対して、溶融ガラスの流下方向で所望の温度差をつけることができ、ガラス基板の品質を向上させることができる。なお、溶融ガラスに流下方向で所望の温度差をつけるために、成形炉室30に設置された測温抵抗体、熱電対等の温度センサ(図示せず)が計測した温度に基づいて、発熱体28の発熱量を調整することもできる。例えば、温度センサで計測した温度が、成形体14の両側面14b,14bと、傾斜面14cとで同一である場合には、両側面14b,14bに対向する位置にある発熱体28の発熱量を増加する、または、傾斜面14cに対向する位置になる発熱体28の発熱量を抑制することにより、両側面14b,14b及び傾斜面14cを流れる熔融ガラスMGにおいて流下方向で温度差をつけることができる。
【0036】
本実施形態の製造方法は、成形炉内を、高温に保つ必要がある場合に適している。具体的には、成形炉内が1000℃以上である場合に適しており、1200℃以上である場合にさらに適しており、1300℃以上である場合に特に適している。
高温粘性が大きいガラス(熔融ガラス)を用いてガラス基板を製造する場合には、成形炉内を高温に保つ必要があるので、本実施形態は、高温粘性が大きいガラス(溶融ガラス)を用いてガラス基板を製造する際に適している。具体的には、本実施形態では、ガラス(溶融ガラス)の粘度が10
5poiseのとき、1000℃以上であるガラス(溶融ガラス)を用いてガラス基板を製造する際に適している。また、粘度が10
5poiseのときの溶融ガラスの温度の上限は、例えば1700℃である。
【0037】
また、無アルカリガラスやアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスは、高温粘性が高いので、本実施形態は、無アルカリガラスやアルカリ微量含有ガラスから構成されるガラス基板を製造する場合に適している。無アルカリガラスの一例として、質量%で表示して、以下の組成範囲のガラス基板が挙げられる。
SiO
2:50〜70%、
Al
2O
3:0〜25%、
B
2O
3:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、を含有する無アルカリガラス。
なお、上述したように、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’
2Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’
2Oの合計が0.10%未満でもよい。すなわち、本発明は、無アルカリガラスやアルカリ微量のガラス基板が使用されるフラットパネルディスプレイを製造する場合に適している。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよい。
【0039】
[実施例]
上述の実施形態において説明したガラス基板製造装置を用いて、ガラス基板を製造した。内部隔壁として、SiCの含有率が99wt%であり、熱伝導率が1200℃で25W/(m・K)であり、開気孔率が1%である高密度の焼結SiCを用いた。
内部隔壁の使用を開始して2年以内では、内部隔壁の酸化膨張により変形する事例は見られず、ガラス基板を安定して製造することができた。
上述の実施形態において説明したガラス基板の製造装置を用いて、ガラス基板を製造した。内部隔壁として、SiCの含有率が98wt%であり、熱伝導率が1200℃で30W/(m・K)であり、開気孔率が0.6%である高密度の焼結SiCを用いた。
上述の実施形態において説明したガラス基板の製造装置を用いて、ガラス基板を製造した。内部隔壁として、SiCの含有率が95wt%であり、熱伝導率が1200℃で35W/mKであり、開気孔率が0.5%である高密度の焼結SiCを用いた。
内部隔壁の使用を開始して3年以内では、内部隔壁の酸化膨張により変形する事例は見られず、ガラス基板を安定して製造することができた。
[比較例]
内部隔壁としてSiCの含有率が74wt%であり、熱伝導率が350℃で12.6W/(m・K)であり、開気孔率が14.6%である窒ケイ素結合SiCを用いた以外は、実施例と同様にガラス基板を製造した。
内部隔壁の使用を開始してから約18ヶ月後に、内部隔壁の酸化膨張による変形が許容できないほど大きくなり、内部隔壁の交換が必要になるものが30%程度の頻度で発生した。
以上の結果から、上記実施形態の効果は明確である。