【実施例】
【0022】
本発明について、製造例、実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、製造例、実施例および比較例中の部は、特に断りのない限り重量部を意味する。
【0023】
(製造例1)
3リットルフラスコにKF6004(信越化学工業(株)製)20部、ノイゲンTDS−70(第一工業製薬(株)製)10部、サンアイバックIT−20BTP(三愛石油(株)製):防腐剤)0.6部を仕込み、ディスパーで30分撹拌混合し、脱イオン水969.4部を加え60分混合し、水性粘着防止処理液(有効成分3%)を得た。
【0024】
(製造例2)
ノイゲンTDS−70(第一工業製薬(株)製)の代わりにパイオニンD−1107SP3(竹本油脂(株)製)を使用する以外は製造例1と同様な方法で製造した。
(製造例3)
ノイゲンTDS−70(第一工業製薬(株)製)の代わりにDKS NL−70(第一工業製薬(株)製)を使用する以外は製造例1と同様な方法で製造した。
【0025】
(製造例4)
KF6004(信越化学工業(株)製)の代わりにSH8400(東レ・ダウコーニング(株)製)を使用する以外は製造例1と同様な方法で製造した。
(製造例5)
3リットルフラスコに製造例1で得られた水性粘着防止処理液(有効成分3%)を70部仕込み、ディスパーで撹拌混合しながら、脱イオン水980部加え60分混合し、水性粘着防止処理液(有効成分0.2%)を得た。
【0026】
(製造例6)
3リットルフラスコにKF6004(信越化学工業(株)製)300部、ノイゲンTDS−70(第一工業製薬(株)製)150部、サンアイバックIT−20BTP(三愛石油(株)製):防腐剤)1部を仕込み、ディスパーで30分撹拌混合し、脱イオン水449部を加え60分混合し、水性粘着防止処理液(有効成分50%)を得た。
【0027】
(製造例7)
3リットルフラスコに脱イオン水970部を仕込み、ディスパーで撹拌しながら、完全ケン化ポリビニルアルコールVC−20(日本酢ビ・ポバール(株)製)30部加え、60分混合し、水性粘着防止処理液(有効成分3%)を得た。
(製造例8)
3リットルフラスコにKF6004(信越化学工業(株)製)10部、ノイゲンTDS−70(第一工業製薬(株)製)20部、サンアイバックIT−20BTP(三愛石油(株)製:防腐剤)0.6部を仕込み、ディスパーで30分撹拌混合し、脱イオン水969.4部を加え60分混合し、水性粘着防止処理液(有効成分3%)を得た。
【0028】
(製造例9)
3リットルフラスコにKF6004(信越化学工業(株)製)25部、ノイゲンTDS−70(第一工業製薬(株)製)5部、サンアイバックIT−20BTP(三愛石油(株)製:防腐剤)0.6部を仕込み、ディスパーで30分撹拌混合し、脱イオン水969.4部を加え60分混合し、水性粘着防止処理液(有効成分3%)を得た。
【0029】
(実施例1)
50mm×100mmの銅板をハニレジストE−2000(ハニー化成(株)製ネガ型カチオン電着フォトレジスト)電着液に浸漬し、液温39℃、印加電圧140Vで塗膜厚が10μmとなるように電着塗布し、水洗後、製造例1で得られた液温20℃の水性粘着防止処理液をスプレーにて2秒間塗布し、60℃で加熱乾燥後、フォトマスクと水性粘着防止処理液塗装面を密着させた。その後、メタルハライドランプ式露光機を用い、露光光量300mJ/cm
2露光し、フォトマスクを取り外してから、酸性現像液ハニレジスト現像液DEV−1(ハニー化成(株))を4%に希釈した槽に浸漬して現像後、水洗し、所定
のパターンを得た。
【0030】
(実施例2)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例2で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
(実施例3)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例3で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
【0031】
(実施例4)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例4で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
【0032】
(比較例1〜6)
(比較例1)
50mm×100mmの銅板をハニレジストE−2000(ハニー化成(株)製ネガ型カチオン電着フォトレジスト)電着液に浸漬し、液温39℃、印加電圧140Vで塗膜厚が10μmとなるように電着塗布し、水洗後、60℃で加熱乾燥し、水性粘着防止処理液での処理を行わずに、フォトマスクと電着塗装面を密着させた。その後、メタルハライドランプ式露光機を用い、露光光量300mJ/cm
2露光し、フォトマスクを取り外してから、酸性現像液ハニレジスト現像液DEV−1(ハニー化成(株))を4%に希釈した槽に浸漬して現像後、水洗し、所定のパターンを得た。
【0033】
(比較例2)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例5で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
(比較例3)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例6で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
【0034】
(比較例4)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例7で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
(比較例5)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例8で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
【0035】
(比較例6)
製造例1で得られた水性粘着防止処理液の代わりに製造例9で得られた水性粘着防止処理液を使用する以外は、実施例1と同様な方法で行った。
実施例1〜4および比較例1〜6の評価結果について表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
(水性粘着防止処理液の評価法)
(1)塗布外観:水性粘着防止処理液を塗布し加熱乾燥した後の塗膜外観で評価。
○:異常なし、
×:乾燥ムラや小皺あり。
(2)露光前の塗膜の非粘着性:露光前の加熱乾燥後塗片にPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムをかぶせる。PETフイルムをのせた塗片を50℃に加熱したホットプレート上に置いたバキュームクランプWKC−250(サンハヤト(株)製)にはさみ、1分間保持した後、2分間真空圧着させた。バキュームクランプ内を常圧に戻し、塗片を取り出した時のフォトレジスト塗膜とPETフイルムの貼りつき具合で評価した。
○:貼りつきなし、
×:貼りつきあり。
【0038】
(3)洗浄性:現像後の塗片について、蛍光X線装置で元素分析し、Si元素の検出の有無で評価した。
○:銅面、レジスト面にSi元素検出なし、
×:銅面、レジスト面のいずれもSi元素検出。
(4)水洗性:現像前の塗片を20℃の脱イオン水に1分浸漬し水洗した後、蛍光X線装置で元素分析し、Si元素の検出の有無で評価した。
○:Si元素検出なし、
×:Si元素検出。