【実施例】
【0039】
本発明は、以下の例によって更に明らかにされるが、それらは本質的に例示のためだけを意図している。
【0040】
例
例1〜3および比較例1〜3
下記の例は、本発明の態様に関し、改質顔料は、対応する第四級アルキルアンモニウム対イオンを有する、少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基の塩が結合されているカーボンブラック顔料を含んでいる。これらの例は、更に、グリセロール共溶媒が用いられた態様に関している。
【0041】
例1〜3では、改質顔料のカチオン性対イオンは、テトラエチルアンモニウム(TEA
+)であり、そしてこの改質顔料は、下記の一般的なイオン交換手順を用いて、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されているカーボンブラック顔料の15%固形分の水性分散液である、Cab-O-Jet(登録商標)400有色顔料分散液のイオン交換によって調製した。
【0042】
工程1:イオン交換樹脂の活性化
1200mLのNRW160(米国、ペンシルベニア州、Bala CynwydのPuroliteから入手可能な、2.1ミリモル/mLの能力を有する、強酸イオン交換樹脂)を、45ミクロンの篩上に配置して、そして2リットルの脱イオン水で洗浄した。これを、次いで、ビーカーに移し、そしてオーバーヘッド攪拌機を用いて、2リットルの脱イオン水と混合した。この分散液に、1160gの40%水酸化テトラエチルアンモニウムをゆっくりと、3時間に亘って加えた。活性化は、一晩中続けさせた。この樹脂を、次いで篩に掛け、そして脱イオン水で、pHが10未満となって、TEA活性化NRW160が形成されるまで、水で洗浄した。
【0043】
工程2:改質顔料のイオン交換
335mLのTEA活性化NRW160を、1000mLのCab-O-Jet(登録商標)400有色顔料分散液に加えた。この混合物を2時間にわたり攪拌し、その後、この樹脂を、ろ過によって分散液から分離した。この交換の効率を調べるために、イオン選択電極を用いて、ナトリウム数を測定した。この方法を用いて、95%超の交換効率が、典型的には生み出された(従って、この分散液中には、500ppm未満のNaが残っている)。結果として得られたイオン交換分散液は、次いで5倍体積の水を用いてダイアフィルトレーションされ、そしてこの分散液は15%固形分まで濃縮された(この分散液の固形分含量は、この分散液の少量を、110℃で、オーブン中で1時間乾燥することによって測定した)。
【0044】
比較例1〜3では、改質顔料は、例1〜3の改質顔料の調製に用いられた、出発のCab-O-Jet(登録商標)400有色顔料であり、従ってナトリウム対イオンを有していた。この分散液は、5倍体積の水を用いてダイアフィルトレーションし、そして15%固形分まで濃縮した。
【0045】
それぞれの例の分散液は、85gの15質量%の改質顔料分散液と、15gの適切な量の水および/またはグリセロールとを混合することによって調製した。例1および比較例1では、15gの水を加え(0%グリセロール)、例2および比較例2では、10gのグリセロールと5gの水を加え(10%グリセロール)、そして例3および比較例3では、15gのグリセロールを加えた(15%グリセロール)。それぞれの例で用いられた、全てが12.75%の固形分含量を有する、それぞれの分散液の説明を、下記の表1中に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
それぞれの分散液の導電率を、KCl標準溶液で較正したThermal Orion導電率計を用いて、室温で、測定した。また、それぞれの分散液を、Nalgeneビン中に容れ、そして60℃で、オーブン中でエイジングし、そして種々の長さの時間の後に導電率を測定した。結果を、下記の表2中に示し、そしてまた、
図1中に図示した。
【0048】
【表2】
【0049】
これらの結果は、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されている改質顔料を含む、比較例1〜3の分散液は、初期には1000マイクロジーメンス/cm未満の導電率を有していることを示している。しかしながら、エイジングによって、この導電率は、4週間後に、1000マイクロジーメンス/cm超に増加した。比較すると、同じジェミナルビスホスホン酸基の第四級アルキルアンモニウム塩が結合されている改質顔料を含む分散液(例1〜3)は、同等の出発導電率を有していたが、しかしながら、これらの分散液は、エイジングの間に、導電率の著しい増加を示さなかった。例1〜3のこれらの分散液は、4週間のエイジングの後に、全てが1000マイクロジーメンス/cmよりも有意に小さな導電率(750マイクロジーメンス/cm未満)を有していた。更に、共溶媒としてグリセロールを更に含む、例2と3の分散液は、エイジングによる導電率の増加の、更なる抑制を示した。共溶媒の量が増加すると、4週間のエイジングの後の分散液の導電率は、より低かった(約500マイクロジーメンス/cm)。このことは、比較例の分散液でも認められたが(グリセロールを含む比較例2および3の分散液は、4週間のエイジングの後に、比較例1の分散液に比べて、より低い導電率を有していた)、これらの比較例の分散液のいずれも、1000マイクロジーメンス/cm未満の導電率を有してはいなかった。
【0050】
更に、リン酸塩イオンの濃度もまた、4週間のエイジングの後に、これらの水性分散液のそれぞれについて、超高速遠心分離を用いて、これらの分散液の試料を遠心分離して、そしてイオンクロマトグラフィー(IC)により上澄み液中のリン酸塩イオンの量を測定することによって、測定した。結果を、下記の表3中に示した。
【0051】
【表3】
【0052】
これらの結果が示すように、ジェミナルビスホスホン酸基の第四級アルキルアンモニウム塩が結合されている改質顔料を含む、例1〜3の分散液は、4週間のエイジングの後に、比較例1〜3の分散液(ナトリウム対イオン有している)に比べて、有意に低いリン酸塩イオン濃度を有していた。更に、グリセロール共溶媒の添加はまた、エイジングの後のリン酸塩イオン濃度を更に低減することが見出された。
【0053】
例1〜3の分散液は、エイジングしても維持される、非常に低い導電率と低いリン酸塩イオン濃度を示したので、これらの分散液は、良好な導電性能を有する、特に圧電性インクジェット印刷、例えばせん断モード印刷ヘッドを用いるものに特に有用な、黒色インクジェットインク組成物を調製するのに用いることができると期待される。
【0054】
例4〜6および比較例4
以下の例は、本発明の態様に関し、改質顔料は、対応する第四級アルキルアンモニウム対イオンを有する、少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基の塩が結合されているマゼンタ顔料を含んでいる。これらの例は、更に、グリセロール共溶媒が用いられている例に関する。
【0055】
例4〜6では、改質顔料のカチオン性対イオンは、テトラエチルアンモニウム(TEA
+)であり、そしてこの改質顔料は、例1〜3中に記載した一般的なイオン交換手順を用いて、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されているマゼンタ顔料の15%固形分水性分散液である、Cab-O-Jet(登録商標)465有色顔料分散液のイオン交換によって調製された。比較例4では、改質顔料は、例4〜6の改質顔料を調製するのに用いられた出発の、Cab-O-Jet(登録商標)465有色顔料分散液であり、従って、ナトリウム対イオンを有していた。それぞれの例の分散液は、例1〜3および比較例1〜3中に記載したように調製した。全てが12.75%の固形分含量を有する、それぞれの例のそれぞれの分散液の説明を、下記の表4中に示した。
【0056】
【表4】
【0057】
それぞれの分散液の導電率を、KCl標準溶液で較正した、Thermal Orion導電率計を用いて、室温で、測定した。また、それぞれの分散液を、Nalgeneビン中に容れ、そして60℃で、オーブン中でエイジングし、そして種々の長さの時間の後に、導電率を測定した。結果を、下記の表5中に示し、そしてまた
図2中に図示した。
【0058】
【表5】
【0059】
これらの結果が示すように、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されている改質顔料を含む比較例4の分散液は、初期には低い導電率を有している。しかしながら、エイジングによって、導電率は、2週間後に、有意に増加しており、そして4週間後には、導電率の更に大きな増加が観察されるであろうことが予想された。比較すると、同じジェミナルビスホスホン酸基の第四級アルキルアンモニウム塩が結合されている改質顔料を含む分散液(例4〜6)はまた、非常に低い初期の導電率を有しているが、しかしながら、これらの分散液は、エイジングの間に、導電率の顕著な増加は示さなかった。例4〜6の分散液の全ては、2週間のエイジングの後に、750マイクロジーメンス/cmよりも有意に小さい導電率を有しており、そして、4週間のエイジングの後にも、これらの値は更にいっそう増加することはないと予測された。更に、共溶媒としてグリセロールを更に含む、例5および6の分散液は、エイジングによる導電率増加の更なる抑制を示した。共溶媒の量が増加すると、2週間のエイジング後の分散液の導電率は、より低かった(約500マイクロジーメンス/cm)。
【0060】
例4〜6の分散液は、非常に低い導電率を示し、それがエイジングによっても維持されるので、これらの分散液は、良好な導電特性を有する、特に圧電性インクジェット印刷、例えばせん断モード印刷ヘッドを用いるものに特に有用な、マゼンタインクジェットインク組成物を調製するのに用いることができることが期待される。
【0061】
例7〜8(例7〜8は参考例である)
以下の例は、本発明の態様に関し、改質顔料は、少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基の塩が結合されているマゼンタ顔料を含み、そして更に、このインクジェットインク組成物の総質量を基準として10質量%〜40質量%の量の共溶媒を含んでいる。
【0062】
これらの例では、改質顔料は、例4〜6の改質顔料を調製するのに用いられた、Cab-O-Jet(登録商標)465有色顔料分散液であり、そして従って、ナトリウム対イオンを有しており、そしてこの分散液は、例4〜6および比較例4中に記載したように調製した。それぞれの例で用いた、全てが12.75%の固形分含量を有する、それぞれの分散液の説明を、下記の表6中に示した。
【0063】
【表6】
【0064】
それぞれの分散液の導電率を、KCl標準溶液で較正した、Thermal Orion導電率計を用いて、室温で測定した。また、それぞれの分散液を、Nalgeneビン中に容れ、そして60℃で、オーブン中でエイジングし、そして種々の長さの時間の後に、導電率を測定した。結果を、下記の表7中に示し、そしてまた
図3中に図示した。
【0065】
【表7】
【0066】
これらの結果が示しているように、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されている改質顔料を含む、比較例4の分散液は、初期には低い導電率を有していた。しかしながら、エイジングによって、この導電率は、2週間後に有意に増大しており、そして4週間後には、導電率の更なる大幅な増加が観察されるであろうことが予測された。比較すると、同じ改質顔料を含み、そして更に共溶媒を含む分散液(例7〜8)はまた、非常に低い初期導電率を有しているが、しかしながら、これらの分散液は、エイジングの間に導電率の顕著な増加は示さなかった。例7〜8の分散液は、全てが、2週間のエイジングの後に、1000マイクロジーメンス/cm未満の導電率を有しており、そしてこれらの値は、4週間のエイジングの後に、1000マイクロジーメンス/cm超に増加しないであろうと予測された。
【0067】
例7〜8の分散液は、非常に低い導電率を示し、それがエイジングによっても維持されるので、これらの分散液は、良好な導電性能を有する、特に圧電性インクジェット印刷、例えばせん断モード印刷ヘッドを用いるものに特に有用な、マゼンタインクジェットインク組成物を調製するのに用いることができることが期待される。
【0068】
例9〜15および比較例5〜11
以下の例は、本発明の態様に関し、改質顔料は、対応する第四級アルキルアンモニウム対オンを有する、少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基の塩を有するカーボンブラックを含んでおり、そして幾つかは、更に種々の種類の共溶媒を含んでいる。
【0069】
例9〜15では、改質顔料のカチオン性対イオンは、テトラエチルアンモニウム(TEA
+)であり、そしてこの改質顔料は、例1〜3中に記載された一般的なイオン交換手順を用いて、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩を有するカーボンブラック顔料の15%固形分水性分散液である、Cab-O-Jet(登録商標)400有色顔料分散液の、イオン交換によって調製された。比較例5〜11では、改質顔料は、例9〜15の改質顔料の調製に用いられた出発のCab-O-Jet(登録商標)400有色顔料分散液であり、従って、ナトリウム対イオンを有していた。更に、例10〜15および比較例6〜11では、この分散液は、更に、この分散液の総量を基準として10質量%の共溶媒を含んでおり、そして、異なる共溶媒を用いてはいるが、例2および比較例2中に記載されているように調製された。全てが12.75%の固形分含量を有する、それぞれの例で用いられたそれぞれの分散液の説明を、下記の表8中に示した。この表において、TEGMBEは、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルであり、そしてdantacolは、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントインである。
【0070】
【表8】
【0071】
それぞれの分散液の導電率を、上記の例1〜3中に記載したように測定し、そしてまた、それぞれの分散液を、例1〜3中に記載したようにエイジングした。結果を、下記の表9中に示した。
【0072】
【表9】
【0073】
これらの結果に示されるように、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されている改質顔料を含み、更に種々の共溶媒を含む、比較例5〜11の分散液は、初期には1000マイクロジーメンス/cm未満の導電率を有していた。しかしながら、エイジングによって、この導電率は、4週間の後に、1000マイクロジーメンス/cm超に増加した。比較として、同じジェミナルビスホスホン酸基の第四級アルキルアンモニウム塩が結合されている改質顔料を含む分散液(例9〜15)は、同様の出発導電率を有しているが、しかしながら、これらの分散液は、エイジングの間に、導電率の顕著な増加を示さなかった。例9〜15の分散液は、全てが、1000マイクロジーメンス/cmよりも有機に小さい導電率を有していた。更に、例10〜15の分散液は、それぞれが更に共溶媒を含んでおり、4週間のエイジングの後に、例9の導電率よりも小さい導電率を有していた。従って、これらの共溶媒の添加は、エイジングによる導電率の増加に更なる抑制を与える。特に、例10および15では、共溶媒は、それぞれ1,2−ヘキサンジオールおよびグリセロールであるが、導電率は、4週間のエイジングの後に、750マイクロジーメンス/cm未満であった。
【0074】
例9〜15の分散液は、非常に低い導電率を示し、それがエイジングによっても維持されるので、これらの分散液は、良好な導電性能を有する、特に圧電性インクジェット印刷、例えばせん断モード印刷ヘッドを用いるものに特に有用な、黒インクジェットインク組成物を調製するのに用いることができることが期待される。
【0075】
例16および比較例12〜13
例16では、ジェミナルビスホスホン酸基のテトラエチルアンモニウム(TEA
+)塩が結合されているカーボンブラック顔料を含む改質顔料の分散液を、上記の例1中に記載したように調製した。比較例12〜13では、ジェミナルビスホスホン酸基のテトラメチルアンモニウム(TMA+)塩が結合されているカーボンブラック顔料を含む改質顔料の分散液を、ジェミナルビスホスホン酸基のナトリウム塩が結合されているカーボンブラック顔料の15%固形分水性分散液である、Cab-O-Jet(登録商標)400有色顔料分散液のイオン交換によって、水酸化テトラエチルアンモニウムの代わりに水酸化テトラメチルアンモニウムを用いた以外は例1〜3中に記載した一般的なイオン交換手順を用いて、調製した。共溶媒は、加えなかった。
【0076】
それぞれの分散液の導電率は、上記の例1〜3中に記載したように測定し、そしてまた、それぞれの分散液を例1〜3中に記載したようにエイジングした。結果を、下記の表10中に示した。
【0077】
【表10】
【0078】
これらの結果に示されるように、ジェミナルビスホスホン酸基のテトラメチルアンモニウム塩(これは少なくとも6個の総炭素を有してはいない)が結合されている改質顔料を含む比較例12および13の分散液では、導電率は、4週間にわたるエイジングによって有意に増加した。比較すると、同じジェミナルビスホスホン酸基のテトラエチルアンモニウム塩(これは少なくとも6個の総炭素を有している)が結合されている改質顔料を含む、例16の分散液は、非常に低い初期の導電率を有しているが、しかしながら、この分散液は、エイジングの間に、導電率の顕著な増加を示さなかった。例16の分散液は、4週間のエイジングの後に、1000マイクロジーメンス/cm未満の導電率を有していた。
【0079】
例16の分散液は非常に低い導電率を示し、それがエイジングによっても維持されるので、この分散液は、良好な導電性能を有する、特に圧電性インクジェット印刷、例えばせん断モード印刷ヘッドを用いるものに特に有用な、黒インクジェットインク組成物を調製するのに用いることができることが期待される。
【0080】
上述した本発明の好ましい態様の記載は、例示と説明の目的のために提示したものであある。網羅的であること、または本発明を開示した厳密な形に限定することを意図したものではない。修正および変更が、上記の教示を踏まえて可能であり、または本発明の実行を通して取得されることができる。これらの態様は、当業者が、本発明の原理とその実際的な応用を、想定される具体的な用途に適合するように、本発明を種々の態様で、そして種々の変更を加えて用いることができるように、説明するために選択され、そして記載されている。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって規定されることが意図されている。
【0081】
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)a)液体ビヒクル、
b)場合による共溶媒、ならびに、
c)対応するNR'4
+の構造を有する第四級アンモニウム対イオンを有する、少なくとも1つの、ジェミナルビススルホン酸基の塩もしくはその部分エステルが結合されている顔料を含む少なくとも1種の改質顔料、を含んでなるインクジェットインク組成物であって、R'は、同一でも異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル基、アリール基であるか、または環を形成しており、かつ該第四級アンモニウム対イオンは、総炭素が少なくとも6個である、インクジェットインク組成物。
(2)前記第四級アンモニウム対イオンが、第四級アルキルアンモニウム対イオンであり、かつ少なくとも1つのR'が、C2〜C6アルキル基である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(3)前記インクジェットインク組成物が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、1000マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(4)前記インクジェットインク組成物が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、750マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(5)前記インクジェットインク組成物が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、500マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(6)前記インクジェットインク組成物が、更に、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、60℃で4週間後に、1000マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(3)記載のインクジェットインク組成物。
(7)前記インクジェットインク組成物が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、400ppm以下のリン酸塩イオン濃度を有している、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(8)前記インクジェットインク組成物が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、300ppm以下のリン酸塩イオン濃度を有している、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(9)前記有機基が、式−CQ(PO
3H
2)
2を有する基の塩を含んでおり、Qは、水素、R、OR、SRまたはNR
2であり、Rは同一でも異なっていてもよく、H,C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基、またはアリール基である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(10)前記有機基が、式−(CH
2)
n−CQ(PO
3H
2)
2を有する基の塩を含んでおり、nは1〜3である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(11)前記有機基が、式−CR(PO
3H
2)
2を有する基の塩またはその部分エステルを含んでおり、RはHもしくはC1〜C6アルキル基である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(12)前記有機基が、式−CO−Q−CH(PO
3H
2)
2または−SO
2−Q−CH(PO
3H
2)
2を有する基の塩またはその部分エステルを含んでおり、QはO、S、もしくはNR'であり、R'は、H、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基、またはアリール基である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(13)Qが、NHである、(12)記載のインクジェットインク組成物。
(14)前記有機基が、式−X−CO−Q−CH(PO
3H
2)
2または−X−SO
2−Q−CH(PO
3H
2)
2を有する基の塩あるいはその部分エステル、またはそれらの塩を含んでおり、Xは、該顔料に結合しており、アリーレン、ヘテロアリーレン、アルキレン、アルカリレン、またはアラルキレン基である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(15)Xが、アリーレン基である、(14)記載のインクジェットインク組成物。
(16)Qが、NHである、(14)記載のインクジェットインク組成物。
(17)前記有機基が、式−C
6H
4−CONHCH(PO
3H
2)
2基、−C
6H
4−SO
2NHCH(PO
3H
2)
2基、それらの部分エステル、またはそれらの塩である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(18)前記顔料が、青顔料、黒顔料、茶顔料、シアン顔料、緑顔料、白顔料、紫顔料、マゼンタ顔料、赤顔料、橙顔料、黄顔料またはそれらの混合物である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(19)前記顔料が、黒顔料である、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(20)前記液体ビヒクルが、水性ビヒクルである、(1)記載のインクジェットインク組成物。
【0082】
(21)前記共溶媒が、1,2−ヘキサンジオール、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ピロリドン、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、またはグリセロールである、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(22)前記共溶媒が、1,2−ヘキサンジオールまたはグリセロールである、(1)記載のインクジェットインク組成物。
(23)a)液体ビヒクル、
b)インクジェットインク組成物の総質量を基準として、10質量%〜15質量%の量の共溶媒、ならびに、
c)少なくとも1つの、ジェミナルビスホスホン酸基の塩もしくはその部分エステルが結合されている顔料を含む少なくとも1種の改質顔料、
を含んでなるインクジェットインク組成物であって、該インクジェットインク組成物は、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、1000マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有しており、かつ更に、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、60℃で4週間の後に1000マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、インクジェットインク組成物。
(24)対応するNR'4
+の構造を有する第四級アンモニウム対イオンを有する、ジェミナルビスホスホン酸基の少なくとも1つの塩を有する顔料を含んでなる改質顔料であって、R'は、同一でも異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル基、アリール基であるか、または環を形成しており、該第四級アンモニウム対イオンは、少なくとも6個の総炭素を有している、改質顔料。
(25)前記第四級アンモニウム対イオンが、第四級アルキルアンモニウム対イオンであり、かつ少なくとも1つのR'が、C2〜C6アルキル基である、(24)記載の改質顔料。
(26)前記改質顔料が、水性分散液の形態にある、(24)記載の改質顔料。
(27)前記水性顔料が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、1000マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(26)記載の改質顔料。
(28)前記水性顔料が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、750マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(26)記載の改質顔料。
(29)前記水性顔料が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、500マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(26)記載の改質顔料。
(30)前記水性顔料が、更に、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、60℃で4週間の後に1000マイクロジーメンス/cm以下の導電率を有している、(27)記載の改質顔料。
【0083】
(31)前記水性分散液が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、400ppm以下のリン酸塩イオン濃度を有している、(27)記載の改質顔料。
(32)前記水性分散液が、10質量%〜15質量%の改質顔料含量で、300ppm以下のリン酸塩イオン濃度を有している、(27)記載の改質顔料。
(33)前記有機基が、式−CQ(PO
3H
2)
2を有する基の塩を含んでおり、Qは、水素、R、OR、SRまたはNR
2であり、Rは同一でも異なっていてもよく、H,C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基、またはアリール基である、(24)記載の改質顔料。
(34)前記有機基が、式−(CH
2)
n−CQ(PO
3H
2)
2を有する基の塩を含んでおり、nは1〜3である、(24)記載の改質顔料。
(35)前記有機基が、式−CR(PO
3H
2)
2を有する基の塩またはその部分エステルを含んでおり、RはHもしくはC1〜C6アルキル基である、(24)記載の改質顔料。
(36)前記有機基が、式−CO−Q−CH(PO
3H
2)
2または−SO
2−Q−CH(PO
3H
2)
2を有する基の塩またはその部分エステルを含んでおり、QはO、S、もしくはNR'であり、R'は、H、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基、またはアリール基である、(24)記載の改質顔料。
(37)Qが、NHである、(36)記載の改質顔料。
(38)前記有機基が、式−X−CO−Q−CH(PO
3H
2)
2または−X−SO
2−Q−CH(PO
3H
2)
2を有する基の塩あるいはその部分エステル、またはそれらの塩を含んでおり、Xは、該顔料に結合しており、アリーレン、ヘテロアリーレン、アルキレン、アルカリレン、またはアラルキレン基である、(24)記載の改質顔料。
(39)Xが、アリーレン基である、(38)記載の改質顔料。
(40)Qが、NHである、(38)記載の改質顔料。
【0084】
(41)前記有機基が、式−C
6H
4−CONHCH(PO
3H
2)
2基、−C
6H
4−SO
2NHCH(PO
3H
2)
2基、それらの部分エステル、またはそれらの塩である、(24)記載の改質顔料。
(42)前記顔料が、青顔料、黒顔料、茶顔料、シアン顔料、緑顔料、白顔料、紫顔料、マゼンタ顔料、赤顔料、橙顔料、黄顔料またはそれらの混合物である、(24)記載の改質顔料。
(43)前記顔料が、カーボンブラックである、(24)記載の改質顔料。
(44)改質顔料の水性分散液の導電率増加を低減する方法であって、以下の工程、
i)対応する対イオンを有する、ジェミナルビスホスホン酸基の少なくとも1種の塩またはその部分エステルが結合されている顔料を含む改質顔料の水性分散液を準備する工程、
ii)該改質顔料の対イオンをイオン交換して、NR'
4+の構造を有する対応する第四級アンモニウム対イオンを有する、少なくとも1種の、ジェミナルビスホスホン酸基の塩もしくはその部分エステルが結合されている顔料を含む改質顔料の水性分散液を形成する工程であって、ここでR'は、同じでも異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル基、アリール基であるか、または環を形成しており、そしてこの第四級アンモニウム対イオンは総炭素が少なくとも6個である、工程、ならびに、
iii)場合により、工程ii)の水性分散液を、50℃〜100℃の温度で、0.5〜5日間の期間にわたり熱エイジングして、更に脱着イオンを含む改質顔料の水性分散液を形成し、そして脱着イオンを除去して;導電率増加が低減された改質顔料の水性分散液を形成する工程、
を含んでなる、方法。
(45)前記第四級アンモニウム対イオンが、第四級アルキルアンモニウム対イオンであり、かつ少なくとも1つのR'が、C2〜C6アルキル基である、(44)記載の方法。