特許第5981621号(P5981621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5981621
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】ハンダ付け装置及びハンダ付け方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20160818BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20160818BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20160818BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20160818BHJP
   B23K 3/00 20060101ALI20160818BHJP
   B23K 3/02 20060101ALI20160818BHJP
   B23K 101/42 20060101ALN20160818BHJP
【FI】
   G01N21/956 B
   H05K3/34 512B
   H05K3/34 507N
   B23K1/00 A
   B23K1/00 330E
   B23K3/06 K
   B23K3/00 310Z
   B23K3/02 L
   B23K101:42
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-183119(P2015-183119)
(22)【出願日】2015年9月16日
【審査請求日】2015年11月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515196919
【氏名又は名称】昭立電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128624
【弁理士】
【氏名又は名称】穂坂 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138483
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 晃一
(74)【代理人】
【識別番号】100193792
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 宏
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩介
(72)【発明者】
【氏名】山本 忍
(72)【発明者】
【氏名】三村 猛
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3962782(JP,B2)
【文献】 特開平11−304721(JP,A)
【文献】 特開平10−300448(JP,A)
【文献】 特開平04−203916(JP,A)
【文献】 特開平11−277224(JP,A)
【文献】 特開2012−240316(JP,A)
【文献】 特開2009−010164(JP,A)
【文献】 特開平07−270239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 − G01N 21/958
G01B 11/00 − G01B 11/30
B23K 1/00 − B23K 3/08
B23K 31/02
B23K 33/00
H05K 3/32
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品がハンダ付けされる基板のハンダ付け箇所にその先端が配されるハンダごてであって、該ハンダごての中心軸周りに回転可能である、ハンダごてと、
このハンダごての先端にハンダを供給するハンダ供給手段と、
上記ハンダごての先端を上記ハンダ付け箇所に配して上記部品をハンダ付けしつつ、上記ハンダ付けを外観検査する制御手段と、
Nを2以上の自然数としたときに、
各々が、上記ハンダごての前記中心軸周りにN回回転対称となるように、上記ハンダごてに斜めにそれぞれ固定され、かつ、上記ハンダごての先端にそれぞれ同時に光を照射するN個の光源手段と、
各々が、上記光源手段の各々と対に、上記ハンダごての前記中心軸周りにN回回転対称となるように、上記ハンダごてに上記光源手段と異なる角度で斜めにそれぞれ固定され、かつ、上記ハンダごての先端をそれぞれ同時に撮影して上記制御手段の外観検査に供するN個の撮影手段とを備え
前記ハンダごての前記中心軸周りの回転に伴って前記N個の光源手段及び前記N個の撮影手段の位置が変更される
ことを特徴とするハンダ付け装置。
【請求項2】
部品がハンダ付けされる基板のハンダ付け箇所に、ハンダごての中心軸周りに回転可能であるハンダごてであって該ハンダごての該中心軸周りの回転に伴ってN個の光源手段及びN個の撮影手段の位置が変更される該ハンダごての先端を配し、
このハンダごての先端にハンダ供給手段からハンダを供給し、
制御手段により、上記ハンダごての先端を上記ハンダ付け箇所に配して上記部品をハンダ付けしつつ、上記ハンダ付けを外観検査し、
Nを2以上の自然数としたときに、
各々が、上記ハンダごての中心軸周りにN回回転対称となるように、上記ハンダごてに斜めにそれぞれ固定した前記N個の光源手段により、上記ハンダごての先端にそれぞれ同時に光を照射し、
各々が、上記光源手段の各々と対に、上記ハンダごての中心軸周りにN回回転対称となるように、上記ハンダごてに上記光源手段と異なる角度で斜めにそれぞれ固定した前記N個の撮影手段により、上記ハンダごての先端をそれぞれ同時に撮影して上記制御手段の外観検査に供することを特徴とするハンダ付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板のハンダ付け箇所にハンダごてを配して部品をハンダ付けしつつ、このハンダ付けを監視カメラで撮影し外観検査を行うハンダ付け装置及びハンダ付け方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
オートメーション化されたハンダ付け装置では、ハンダ付けとその外観検査とが工程的に分離されており、一つの基板におけるハンダ付け箇所全てのハンダ付けを終えた後に外観検査へと移り、ハンダ付けの各々について良否判定を行っていた。
【0003】
しかしこのようなハンダ付け装置では、例えば何か不具合が発生してハンダ付け不良ばかり繰り返すようになっても、不具合を抱えたまま、一つの基板におけるハンダ付け箇所全てにハンダ付け不良を無駄に行った後でないと外観検査に移ることができない。したがってハンダ付け不良の発生に、ひいては不具合の発生に速やかに気付いて対処することができず、作業性の点でもコストの点でも問題があった。
【0004】
そこで次に示す従来のハンダ付け装置ではハンダ付けをリアルタイム監視し、この問題を解決している。
【0005】
図5は従来のハンダ付け装置の構成を示す断面図である。この従来のハンダ付け装置は特許文献1に開示されている。
図5において、101は従来のハンダ付け装置、102は基台、103は基板を載置するための載置部、103pは柱体、104は遮光ボックス、105は監視カメラ、106は赤外線を発する光源、107はハンダごて、108は糸ハンダ、109はハンダ供給部、110は制御部である。
【0006】
次に動作について説明する。
ハンダ付け装置101では、まず基台102上の載置部103に基板Bが載置されると、遮光ボックス104により基板Bが載置部103ごと覆われて暗中状態とされる。続いて遮光ボックス104の中において、監視カメラ105に設けられた光源106から基板Bのハンダ付け箇所へ赤外線を照射する。
【0007】
以上の準備が整ったら制御部110は、ハンダ付け箇所に対しハンダ供給部109から糸ハンダ108の供給を開始し、ハンダごて107によりハンダ付け箇所に部品Pをハンダ付けする。これと並行して制御部110は、監視カメラ105によりハンダ付けをリアルタイム監視し、得られた画像を元にハンダ付けの外観検査を行う。
【0008】
この外観検査に基づく良否判定の結果が「良」であれば、制御部110はそのハンダ付け箇所への糸ハンダの供給を終了してハンダ付けを完了する。そして次のハンダ付け箇所があればそこへ移行し、次のハンダ付けを行う。一方、良否判定の結果が「否」であれば、制御部110は所定の条件の下、これをハンダ付け不良として検出する。
【0009】
このようにハンダ付け装置101では、基板Bのハンダ付け箇所ごとにハンダ付けをリアルタイム監視して外観検査し、これに基づきハンダ付けの良否判定を行うようにしているので、不具合が発生してハンダ付け不良となった時点で速やかにこれに気付いて対処することが可能であり、作業性を改善でき、コスト低減を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3962782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のハンダ付け装置は以上のように構成されているので、基板上における各部品の実装状況に応じて、ハンダ付け箇所が各部品に遮られないように監視カメラ及び光源の位置を適宜変更しなければならず、作業性が悪いという課題があった。
【0012】
すなわち製造の現場では、パッケージング上の要請から基板の一方の面のみならず他方の面も有効に活用し、出来るだけ無駄なく各部品を基板に実装することが要求される。このため基板の一方の面に既に実装された各部品が存在し、その周辺にこれからハンダ付けする部品のリードが突出している、といった事態がしばしば起こり得る。
【0013】
このような場合、従来のハンダ付け装置では、これから着手するハンダ付け箇所が実装済み部品に遮られて監視の死角とならぬように監視カメラ及び光源の位置を適宜変更する必要がある。これは作業として煩わしく、効率が良いとは言えない。
【0014】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、基板上における各部品の実装状況に応じて監視カメラ及び光源の位置を変更する必要がほとんどなく、作業性を改善することが可能なハンダ付け装置及びハンダ付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に係るハンダ付け装置は、部品がハンダ付けされる基板のハンダ付け箇所にその先端が配されるハンダごてであって、該ハンダごての中心軸周りに回転可能である、ハンダごてと、このハンダごての先端にハンダを供給するハンダ供給手段と、ハンダごての先端をハンダ付け箇所に配して部品をハンダ付けしつつ、ハンダ付けを外観検査する制御手段と、Nを2以上の自然数としたときに、各々が、ハンダごての中心軸周りにN回回転対称となるように、ハンダごてに斜めにそれぞれ固定され、かつ、ハンダごての先端にそれぞれ同時に光を照射するN個の光源手段と、各々が、光源手段の各々と対に、ハンダごての中心軸周りにN回回転対称となるように、ハンダごてに上記光源手段と異なる角度で斜めにそれぞれ固定され、かつ、ハンダごての先端をそれぞれ同時に撮影して制御手段の外観検査に供するN個の撮影手段とを備え、ハンダごての中心軸周りの回転に伴ってN個の光源手段及びN個の撮影手段の位置が変更されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、基板上における各部品の実装状況に応じて撮影手段及び光源手段の位置を変更する必要がほとんどなく、作業性を改善できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施の形態1によるハンダ付け装置の構成を示す正面図である。
図2図1のハンダ付け装置におけるハンダごてユニット周辺を示す図である。
図3】基板上における各部品の実装状況の一例を示す鳥瞰図である。
図4】この発明の実施の形態1によるハンダ付け装置の効果をイメージ的に説明するための図である。
図5】従来のハンダ付け装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお各図面において、同一の又は相当する構成要素については同一の又は相当する符号を付してある。
【0019】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるハンダ付け装置の構成を示す正面図である。また図2図1のハンダ付け装置におけるハンダごてユニット周辺を示す図であり、図2(a),図2(b)はそれぞれ正面図、上面図である。
【0020】
図1図2において、1はこの実施の形態1によるハンダ付け装置、3は基板を載置するための載置部、5,5’はそれぞれ監視カメラ(撮影手段)、5a,5’aはそれぞれ監視カメラ5,5’の光軸(その光学系の中心を通る対称軸。)、5sは監視カメラ5,5’用のステイ(固定手段)、6,6’はそれぞれ白色光を発する光源(光源手段)、6a,6’aはそれぞれ光源6,6’の光軸、7はハンダごて、7aはハンダごて7の中心軸である。図2に示す通り、ハンダごて7は中心軸7a周りに360°回転可能となっている。
【0021】
また図1図2において、9はハンダごてユニットケーブル、10はロボット本体(制御手段)、11はX方向並進運動部、12はZ方向並進運動部、13はハンダごて7先端の温度を調整するヒーターユニット(制御手段)、14はハンダごて7の先端に糸ハンダを供給する糸ハンダ供給ユニット(ハンダ供給手段)である。図2のハンダごてユニットは、監視カメラ5,5’,ステイ5s,光源6,6’,ハンダごて7及びハンダごてユニットケーブル9から構成されている。なお光源6,6’用のステイなどの一部の構成については図示を省略した。
【0022】
この実施の形態1を特徴付けているのは、ステイ5sによりハンダごて7に固定された2つの監視カメラ5,5’である。
【0023】
図2(a)の正面図に示す通り、監視カメラ5,5’は、その光軸5a,5’aがそれぞれ、水平線Hと60°の角度をなしており、ハンダごて7の中心軸7aと30°の角度をなしている。そして監視カメラ5,5’は、ハンダごて7に遮られぬように、中心軸7aに対し光軸5a,5’aが斜めに固定されており、ハンダごて7の先端を同時に撮影できるようになっている。
【0024】
また図2(b)の上面図に示したように、2つの監視カメラ5,5’は、一方をハンダごて7の中心軸7a周りに(360°÷2)=180°の角度だけ回転させると他方と重なるように、いわゆる2回回転対称に固定されている。
【0025】
さらに図2(a)に示した通り、光源6,6’は、その光軸6a,6a’がそれぞれ水平線Hと角度35°をなしている。そして光源6,6’は、ハンダごて7の先端へ白色光を照射するように不図示のステイによりハンダごて7にそれぞれ固定されている。
【0026】
次に動作について説明する。
ハンダ付け装置1では、まずロボット本体10上の載置部3に基板が載置されると、ロボット本体10がハンダごてユニットをX方向並進運動部11及びZ方向並進運動部12によりx軸方向及びz軸方向へそれぞれ適切な距離だけ並進運動させて基板へ接近させる。続いてハンダごてユニットに設けられた光源6,6’から基板のハンダ付け箇所へ白色光を照射する。
【0027】
以上の準備が整ったらロボット本体10は、ハンダごて7の先端にあるハンダ付け箇所に対し糸ハンダ供給ユニット14から糸ハンダの供給を開始し、ハンダごて7によりハンダ付け箇所に部品をハンダ付けする。これと並行してロボット本体10は、監視カメラ5,5’によりハンダ付けをリアルタイム監視し、得られた画像を元にハンダ付けの外観検査を行う。
【0028】
この外観検査に基づく良否判定の結果が「良」であれば、ロボット本体10はそのハンダ付け箇所への糸ハンダの供給を終了してハンダ付けを完了する。そして次のハンダ付け箇所があればそこへ移行し、次のハンダ付けを行う。一方、良否判定の結果が「否」であれば、ロボット本体10はハンダ付けをもう一度試み、それでも良否判定の結果が「否」と出た場合にこれをハンダ付け不良として検出する。
【0029】
このようにハンダ付け装置1では、基板のハンダ付け箇所ごとにハンダ付けをリアルタイム監視して外観検査し、これに基づきハンダ付けの良否判定を行うようにしているので、不具合が発生してハンダ付け不良となった時点で速やかにこれに気付いて対処することが可能であり、作業性を改善でき、コスト低減を実現できる。
【0030】
そしてもう一点、従来のハンダ付け装置101と比較してハンダ付け装置1が有利な点について説明する。
【0031】
図3は基板上における各部品の実装状況の一例を示す鳥瞰図であり、基板のスルーホールなど一部の図示を省略している。
図3において、Bは基板、P1〜P6,Pmはハンダ付けにより基板Bの一方の面にそれぞれ実装された部品である。
【0032】
前述したように製造の現場では、パッケージング上の要請から基板の一方の面のみならず他方の面も有効に活用し、出来るだけ無駄なく各部品を基板に実装することが要求される。このため図3(a)に示すように例えば、基板Bの一方の面に部品P1〜P6,Pmがそれぞれ実装されている場合において、部品Pmの周辺に、他方の面にこれからハンダ付けされる部品のリードLnが突出するような事態がしばしば生じる(図3(b)参照。)。
【0033】
ここでいま、図3(a)前方のブロック矢印V1の方位から鳥瞰図的視点により部品Pmの周辺を眺めてみると、図3(b)の拡大図に示すように、一方の面側に突出しているリードLnが視認される。しかしながらもし図3(a)左方のブロック矢印V2の方位から鳥瞰図的視点により部品Pmの周辺を眺めた場合は、図3(c)に示した通り、ハンダ付け箇所のリードLnは部品Pmに遮られてしまい、視認することができない。
【0034】
このため図5に示した従来のハンダ付け装置101において、もし監視カメラ105がブロック矢印V2の方位に位置している場合には、リードLnは実装済みの部品Pmに遮られそのハンダ付けを外観検査することができない。したがって図3の基板Bに対し監視カメラ105の位置をブロック矢印V2の方位から例えばブロック矢印V1の方位へと適宜変更しなければならず、これが作業効率の低下に繋がってしまう。
【0035】
これに対し、この実施の形態1によるハンダ付け装置1は、次に説明するように、この煩わしい作業を行う必要がほとんどない。
【0036】
図4はこの発明の実施の形態1によるハンダ付け装置の効果をイメージ的に説明するための図である。
この図4の場合でも、図3(c)の場合と同様に、既にハンダ付けされた部品Pmの周辺に、これからハンダ付けされる部品PnのリードLnが突出しており、一方の監視カメラ5や光源6の方位から見ると部品Pmの一部領域R1,R2により遮られている。
【0037】
しかしながらハンダ付け装置1では、一方の監視カメラ5及び光源6と2回回転対称の位置に他方の監視カメラ5’及び光源6’を設けているので、一方の監視カメラ5及び光源6による撮影が部品Pnに遮られても、他方の監視カメラ5’及び光源6’によりハンダ付けの外観検査を行うことが可能となっている。
【0038】
したがって、ハンダ付け装置1では、基板B上における各部品Pの実装状況に応じて監視カメラの位置を変更する必要がほとんどなく、従来のハンダ付け装置101と比較して、作業性を改善することが可能である。
【0039】
このハンダ付け装置1において唯一、監視カメラ5,5’及び光源6,6’の位置を変更する必要が生じるのは、一方の監視カメラ5及び光源6による撮影が第1の部品に遮られ、同時に他方の監視カメラ5’及び光源6’による撮影が第2の部品に遮られる場合だけである。こういった事態が絶対に起こらないとは言えないので、その場合に初めて図2に示したように、ハンダごての中心軸7a周りにハンダごて7を適切に回転させ監視カメラ5,5’及び光源6,6’の位置を変更する。
【0040】
また例えばこのような事態に対応するために、監視カメラ及び光源の数を増やして3組以上とし、3組以上の撮影手段及び光源手段によりハンダごて7の先端を同時に撮影するようにしても良い。このことにより、監視カメラ及び光源の全てによる撮影が遮られてしまう事態をより起こりにくくすることができる。
【0041】
特にNを2以上の自然数としたときに、N組(N個)の監視カメラ及び光源の各々がハンダごて7の中心軸7a周りにN回回転対称となるようにハンダごて7に固定し、かつ、N組の監視カメラ及び光源の各々がハンダごて7の先端を撮影するようにハンダごて7に固定することで、ハンダごて7の中心軸7a周りに各監視カメラ及び光源を最もバランス良く配することができ、監視カメラ及び光源の全てによる撮影が実装済み部品によって遮られてしまう事態を最も起こりにくくすることができる。
【0042】
なお図2では、光軸5a,5’aと水平線Hとのなす角度が60°,光軸5a,5’aと中心軸7aとのなす角度が30°,光軸6a,6a’と水平線Hとのなす角度が35°としたが、これらの角度は適当に設計変更することが可能であり、限定されるものではない。
【0043】
以上のようにこの実施の形態1によれば、部品Pがハンダ付けされる基板Bのハンダ付け箇所にその先端が配されるハンダごて7と、このハンダごて7の先端に糸ハンダを供給する糸ハンダ供給ユニット14と、ハンダごて7の先端をハンダ付け箇所に配して部品Pをハンダ付けしつつ、ハンダ付けを外観検査するロボット本体10と、ステイ5sによりハンダごて7にそれぞれ固定され、かつ、ハンダ付けを、ハンダごて7を中心とする2個の異なる方位からそれぞれ同時に撮影してロボット本体10の外観検査に供する2組の監視カメラ5,5’及び光源6,6’とを備えるようにしたので、基板B上における各部品Pの実装状況に応じて監視カメラ5,5’及び光源6,6’の位置を変更する必要がほとんどなく、作業性を改善できる。
【0044】
またこの実施の形態1によれば、2組の監視カメラ5,5’及び光源6,6’は、各々の光軸5a,5’a及び光軸6a,6a’がハンダごて7の中心軸7a周りに2回回転対称となるように、かつ、各々がハンダごて7の先端を撮影するように、ハンダごて7にそれぞれ固定されるようにしたので、ハンダごて7の中心軸7a周りに2組の監視カメラ5,5’及び光源6,6’を最もバランス良く配することができ、実装済みの部品P1〜P6,Pmによって監視カメラ5,5’及び光源6,6’の撮影が遮られてしまう事態を最も起こりにくくすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ハンダ付け装置、3 載置部、5,5’ 監視カメラ(撮影手段)、5a,5’a 光軸、5s ステイ(固定手段)、6,6’ 光源(光源手段)、6a,6’a 光軸、7 ハンダごて、7a 中心軸、9 ハンダごてユニットケーブル、10 ロボット本体(制御手段)、11 X方向並進運動部、12 Z方向並進運動部、13 ヒーターユニット(制御手段)、14 糸ハンダ供給ユニット(ハンダ供給手段)、B 基板、Ln リード、P1〜P6,Pm,Pn 部品、R1,R2,R3 領域。
【要約】      (修正有)
【課題】基板上における各部品の実装状況に応じて監視カメラ及び光源の位置を変更する必要がほとんどなく、作業性を改善することが可能なハンダ付け装置及びハンダ付け方法を提供する。
【解決手段】部品がハンダ付けされる基板のハンダ付け箇所にその先端が配されるハンダごて7と、ハンダごて7の先端に糸ハンダを供給する糸ハンダ供給ユニットと、ハンダごて7の先端をハンダ付け箇所に配して部品をハンダ付けしつつ、ハンダ付けを外観検査するロボット本体と、ステイ5sによりハンダごて7にそれぞれ固定され、かつ、ハンダ付けを、ハンダごて7を中心とする2個の異なる方位からそれぞれ同時に撮影してロボット本体の外観検査に供する2組の監視カメラ5,5’及び光源6とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5