(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源と、前記光源上に配置された導光板とを備える物品であって、前記導光板が、表面反射のために補正された90パーセントを超える透過率と、1.4を超える屈折率と、10未満のヘイズパーセントとを有し、少なくとも20,000g/モルの重量平均分子量を有するオルガノシロキサンブロックコポリマーを含み、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーが、
各々が直鎖状ブロック当たり平均で10〜400個のジシロキシ単位[R12SiO2/2]を有する直鎖状ブロック、の中に配置された40〜90モルパーセントの式[R12SiO2/2]のジシロキシ単位と、
各々が少なくとも500g/molの重量平均分子量を有する非直鎖状ブロック、の中に配置された10〜60モルパーセントの式[R2SiO3/2]のトリシロキシ単位と、
0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]とを含み、
式中、R1が、独立して、C1〜C30ヒドロカルビルであり、R2が、独立して、C1〜C20ヒドロカルビルであり、
前記非直鎖状ブロックの少なくとも30%が、別の非直鎖状ブロックと架橋され、ナノドメインに凝集され、
各直鎖状ブロックが、少なくとも1つの非直鎖状ブロックに連結されている、物品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光を生成することに加えて、光源はまた、熱を生成する。この理由により、多くの導光板は、熱に抵抗性であるように設計される。しかしながら、そうすることで、このような導光板は時には嵩張りかつ重く、それによって、生産及び製造コストが増大する。加えて、導光板の嵩は、光学特性に悪影響を与え得る。更に、PMMAは、加熱/老化後に物理的に劣化する傾向がある。したがって、改善された導光板を開発する機会が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、最小限の吸収損失を伴って、光源からの光を離れた点まで送光するための導光板を提供する。導光板は、表面反射のために補正された90パーセントを超える透過率、1.4を超える屈折率、及び10未満のヘイズパーセントを有する。導光板はまた、少なくとも20,000g/モルの重量平均分子量を有するオルガノシロキサンブロックコポリマーを含む。オルガノシロキサンブロックコポリマーは、各々が直鎖状ブロック毎に平均10〜400ジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]を有する直鎖状ブロック、に配置された40〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位を含む。オルガノシロキサンブロックコポリマーはまた、各々が少なくとも500g/molの重量平均分子量を有する非直鎖状ブロック、に配置された10〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位を含む。更に、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]を含む。これらの式中、R
1は、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルであり、R
2は、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルである。加えて、非直鎖状ブロックの少なくとも30%が、別の非直鎖状ブロックと架橋され、ナノドメインに凝集される。更に、各直鎖状ブロックが、少なくとも1つの非直鎖状ブロックに連結される。本開示はまた、光源、及び光源上に配設された導光板を備える物品を提供する。本開示の導光板は、改善された厚さ制御を有し、最小限の吸収損失を伴い、光源からの光を離れた点まで送光することができる。更に、導光板は、効率的に、かつ費用効果的に形成することができる。加えて、導光板は、低いヘイズ、優れた熱安定性、及び加熱老化後の物理的特性を有する。
【0007】
実施形態1は、ライトアセンブリに関し、該ライトアセンブリは、
光源と、
導光板であって、オルガノシロキサンブロックコポリマーを含み、かつ光源からの光を受光するように構成される第1の表面と、導光板の長さに沿って透過する光を発光するように構成される第2の表面とを有する導光板と、を含み、
オルガノシロキサンブロックコポリマーは、少なくとも20,000g/モルの重量平均分子量を有し、かつ
各々が直鎖状ブロック当たり平均で10〜400個のジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]を有する直鎖状ブロック、の中に配置された40〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位と、
各々が少なくとも500g/molの重量平均分子量を有する非直鎖状ブロック、の中に配置された10〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位と、
0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]とを含み、
式中、各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルであり、各R
2は、各発生において、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルである。
非直鎖状ブロックの少なくとも30%が、別の非直鎖状ブロックと架橋され、ナノドメインに凝集され、
各直鎖状ブロックが、少なくとも1つの非直鎖状ブロックに架橋される。
【0008】
実施形態2は、第1の表面が少なくとも部分的に、光源を受け入れるように構成される窪部を形成する、実施形態1のライトアセンブリに関する。
【0009】
実施形態3は、光源が第1の表面と物理的に接触している、実施形態1又は2のライトアセンブリに関する。
【0010】
実施形態4は、導光板が不規則な三次元形状に形成されている、実施形態1〜3のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0011】
実施形態5は、不規則な三次元形状が屈曲を含む、実施形態4のライトアセンブリに関する。
【0012】
実施形態6は、不規則な三次元形状が角柱を含む、実施形態4又は5のライトアセンブリに関する。
【0013】
実施形態7は、不規則な三次元形状が楔形を含む、実施形態4〜6のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0014】
実施形態8は、不規則な三次元形状が、第1の表面に近接する第1の断面と、第2の表面に近接する第2の断面とを備え、第1の断面が第
2の断面と異なる、実施形態4〜7のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0015】
実施形態9は、第1の断面及び第2の断面のうちの少なくとも1つが、円形及び矩形のうちの少なくとも1つである、実施形態8のライトアセンブリに関する。
【0016】
実施形態10は、導光板が、光を受光するように構成される複数の第1の表面を備える、実施形態1〜9のいずれか一項に記載のライトアセンブリに関する。
【0017】
実施形態11は、複数の光源を更に備える、実施形態10のライトアセンブリに関する。
【0018】
実施形態12は、複数の光源の各々が、第1の表面のうちの1つに関連付けられる、実施形態11のライトアセンブリに関する。
【0019】
実施形態13は、第1の表面によって少なくとも部分的に受光される光を発光するように構成される複数の光源を更に備える、実施形態1〜10のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0020】
実施形態14は、導光板の長さを透過した光を発光するように構成される複数の第2の表面を更に備える、実施形態1〜13のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0021】
実施形態15は、第2の表面が拡散出口である、実施形態1〜14のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0022】
実施形態16は、拡散出口がエッチングプロセスによって形成されている、実施形態15のライトアセンブリに関する。
【0023】
実施形態17は、導光板が、空気雰囲気中において250℃に曝露される700分にわたって、5重量%未満の総重量損失を有するように熱安定性を有する、実施形態1〜16のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0024】
実施形態18は、導光板が、表面反射のために補正された約95%を超える透過率、約1.4を超える屈折率、及び約10未満のヘイズパーセントを有する、実施形態1〜17のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0025】
実施形態19は、光源が発光体及び保護部材を備える、実施形態1〜18のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0026】
実施形態20は、保護部材が、ブロックコポリマーからなる、実施形態19のライトアセンブリに関する。
【0027】
実施形態21は、ライトアセンブリに関し、該ライトアセンブリは、
不規則な三次元形状に形成されたオルガノシロキサンブロックコポリマーであって、光を受光するように構成される第1の表面と、導光板の長さを透過する光を発光するように構成される第2の表面とを有するオルガノシロキサンブロックコポリマーを含み、該ブロックコポリマーが、空気雰囲気中において250℃に曝露される700分にわたって5重量%未満の総重量損失を有するような熱安定性と、表面反射のために補正された約95%を超える透過率と、約1.4を超える屈折率と、約10未満のヘイズパーセントと、を有し、
式中、
オルガノシロキサンブロックコポリマーが、少なくとも20,000g/モルの重量平均分子量を有し、かつ
各々が直鎖状ブロック当たり平均で10〜400個のジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]を有する直鎖状ブロック、の中に配置された40〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位と、
各々が少なくとも500g/molの重量平均分子量を有する非直鎖状ブロック、の中に配置された10〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位と、
0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]とを含み、
式中、各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルであり、各R
2は、各発生において、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルであり、
非直鎖状ブロックの少なくとも30%が、別の非直鎖状ブロックと架橋され、ナノドメインに凝集され、
各直鎖状ブロックが少なくとも1つの非直鎖状ブロックに連結される。
【0028】
実施形態22は、不規則な三次元形状が屈曲を含む、実施形態21の導光板に関する。
【0029】
実施形態23は、不規則な三次元形状が角柱を含む、実施形態21又は22の導光板に関する。
【0030】
実施形態24は、不規則な三次元形状が楔形を含む、実施形態21〜23のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0031】
実施形態25は、不規則な三次元形状が、第1の表面に近接する第1の断面と、第2の表面に近接する第2の断面とを備え、第1の断面が第
2の断面と異なる、実施形態21〜24のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0032】
実施形態26は、第1の断面及び第2の断面のうちの少なくとも1つが、円形断面及び矩形断面のうちの少なくとも1つである、実施形態25の導光板に関する。
【0033】
実施形態27は、導光板が、光を受光するように構成される複数の第1の表面を備える、実施形態21〜26のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0034】
実施形態28は、複数の光源を更に備える、実施形態27のライトアセンブリに関する。
【0035】
実施形態29は、数の光源の各々が、第1の表面のうちの1つに関連付けられる、実施形態28のライトアセンブリに関する。
【0036】
実施形態30は、第1の表面によって少なくとも部分的に受光される光を発光するように構成される複数の光源を更に備える、実施形態21〜29のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0037】
実施形態31は、導光板の長さを透過した光を発光するように構成される複数の第2の表面を更に備える、実施形態21〜30のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0038】
実施形態32は、第2の表面が、拡散出口である、実施形態21〜31のいずれか1つのライトアセンブリに関する。
【0039】
実施形態33は、拡散出口がエッチングプロセスによって形成されている、実施形態32のライトアセンブリに関する。
【0040】
実施形態34は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位及びトリシロキシ単位の勾配を含む、実施形態21のライトアセンブリに関する。
【0041】
実施形態35は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位、トリシロキシ単位、及びシラノール基の勾配を含む、実施形態21のライトアセンブリに関する。
【0042】
実施形態36は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーがトリシロキシ単位及びシラノール基の勾配を含む、実施形態21のライトアセンブリに関する。
【0043】
実施形態37は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位及びシラノール基の勾配を含む、実施形態21のライトアセンブリに関する。
【0044】
実施形態38は、ジシロキシ単位が、式[(CH
3)(C
6H
5)SiO
2/2]を有する、実施形態34〜37のいずれか1つの導光板に関する。
【0045】
実施形態39は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーが少なくとも30重量パーセントのジシロキシ単位を含む、実施形態34〜37のいずれか1つの導光板に関する。
【0046】
実施形態40は、R
2はフェニルである、実施形態34〜39のいずれか1つの導光板に関する。
【0047】
実施形態41は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーが1.0MPaを超える引張強度及び20%を超える破断伸度(%)を有し、各々が独立して、ASTM D412により判定される、実施形態21〜40のいずれか1つの導光板に関する。
【0048】
実施形態42は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーが25℃〜200℃の溶融流動温度を有する、実施形態21〜41のいずれか1つの導光板に関する。
【0049】
実施形態43は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーが、
25℃で0.01MPa〜500MPaの貯蔵弾性率(G’)、及び25℃で0.001MPa〜250MPaの損失弾性率(G’’)、
120℃で10Pa〜500,000Paの貯蔵弾性率(G’)、及び120℃で10Pa〜500,000Paの損失弾性率(G’’)、又は
200℃で10Pa〜100,000Paの貯蔵弾性率(G’)、及び200℃で5Pa〜80,000Paの損失弾性率(G’’)を有する、実施形態21〜42のいずれか1つの導光板に関する。
【0050】
実施形態44は、光源と、前記光源上に配設された導光板とを備える物品に関し、前記導光板は、表面反射のために補正された90%を超える透過率、1.4を超える屈折率、及び10未満のヘイズパーセントを有し、かつオルガノシロキサンブロックコポリマーを含み、このオルガノシロキサンブロックコポリマーは、少なくとも20,000g/モルの重量平均分子量を有し、かつ
各々が直鎖状ブロック当たり平均で10〜400個のジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]を有する直鎖状ブロック、の中に配置された40〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位と、
各々が少なくとも500g/molの重量平均分子量を有する非直鎖状ブロック、の中に配置された10〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位と、
0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]とを含み、
式中、R
1が、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルであり、R
2が、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルであり、
非直鎖状ブロックの少なくとも30%が別の非直鎖状ブロックと架橋され、ナノドメインに凝集され、
各直鎖状ブロックが少なくとも1つの非直鎖状ブロックに連結される。
【0051】
実施形態45は、オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位及びトリシロキシ単位の勾配を含む、実施形態44の物品に関する。
【0052】
実施形態46は、オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位、トリシロキシ単位、及びシラノール基の勾配を含む、実施形態44の物品に関する。
【0053】
実施形態47は、オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位及びシラノール基の勾配を含む、実施形態44の物品に関する。
【0054】
実施形態48は、オルガノシロキサンブロックコポリマーがジシロキシ単位、トリシロキシ単位、及びシラノール基の勾配を含む、実施形態44の物品に関する。
【0055】
実施形態49は、前記ジシロキシ単位が式[(CH
3)(C
6H
5)SiO
2/2]を有する、実施形態44〜48のいずれか1つの物品に関する。
【0056】
実施形態50は、前記オルガノシロキサンブロックコポリマーが少なくとも30重量パーセントのジシロキシ単位を含む、実施形態44〜48のいずれか1つの物品に関する。
【0057】
実施形態51は、R
2がフェニルである、実施形態44〜48のいずれか1つの物品に関する。
【0058】
実施形態52は、実施形態1〜20のいずれか1つのライトアセンブリの作製方法に関する。
【0059】
実施形態53は、実施形態21〜51のいずれか1つの導光板の作製方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0061】
光源
本明細書中に記載の光源は、特に限定されず、固体ライト、発光ダイオード(LED)、蛍光灯、白熱灯、ハロゲン光等として更に定義され得る発光部材を含む、又はそれ自体であり得る。LEDは、特に限定されず、半導体LED、有機LED、ポリマーLED、量子ドットLED、赤外線LED、可視光LED(着色された白色光を含む)、紫外線LED、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上として更に説明され得る。加えて、LED、及び様々な軸に沿って光を発光する他の固体ライト、すなわち、横方向又は垂直に光を発光する光源。例えば、Z軸上に光を発光する表面発光レーザ(SEL)が組み込まれ得る。光源はまた、典型的には、LEDなどの固体ライトに関連付けられた際、当該技術分野で既知の1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、光源は、1つ以上のドライバ、光学素子、ヒートシンク、筐体、レンズ、電源装置、器具、ワイヤ、電極、回路等を含み得る。
【0062】
本明細書に開示される光源は、絶縁するように、又はそうでなければ、環境条件に対して発光部材を保護するように、及び、ある実施例においては、全体として光源からの光の発光を調節するように構成された保護部材を様々に組み込み得る。保護部材は、ガラス電球、又は蛍光、白熱、ハロゲンライト、あるLED、及び他の固体ライトにおいてよく知られている他のガラス構造などの構造であり得る。あるいは、保護部材は、固体ライトを封入するように構成された封止材であり得る。様々な実施例において、封止材は、本明細書に開示される同じ又は類似のオルガノシロキサンブロックコポリマーのものであり得る。他の保護部材が企図される。しかしながら、保護部材を含む光源の全ての場合において、保護部材は、光源の不可欠な構成要素であり、導光板から構造的かつ機械的に分離して区別されると理解され得る。保護部材が、本明細書に開示されるオルガノシロキサンブロックコポリマーから作製されている様々な実施例において、保護部材は、厚さ約1ミリメートル以下から厚さ約1センチメートルであり得る。横方向に光を発光する光源は、封入剤を必要としない場合があり、又は封入剤の代わりに比較的薄い蛍光体層を利用し得る。
【0063】
導光板
本明細書に記載の導光板は、本明細書に開示されるオルガノシロキサンブロックコポリマーから作製され得る、又はそうでなければ、それを組み込み得る。このようなブロックコポリマーは、結果として得られる導光板が、熱劣化を経験せずに様々な光源に比較的ごく近接している、又は直接接触することを可能にする熱安定性を有し得る。その結果、本明細書に開示される導光板は、表面反射のために補正された約95パーセントを超える透過率、約1.4を超える屈折率、及び約10未満のヘイズパーセントを有し得る一方で、導光板にごく近接した又は直接接触する光源を用いて、更に経時的にこれらの特性を維持することができる。本明細書に記載の導光板は、本明細書に開示されるオルガノシロキサンブロックコポリマーから作製され得る、又はそうでなければ、それを組み込み得る一方で、導光板は、好適な光透過特性及び熱安定性を有する任意の材料(例えば、空気雰囲気中において250℃に曝露される700分にわたって5重量%未満の総重量損失などの最小の総重量損失を呈する材料)から作製され得ることが理解されるべきである。このような材料は、参照することにより本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる、国際特許第2012/040453号に開示されている。
【0064】
本明細書に記載の導光板は、サイズ又は形状において限定されず、シート、フィルム、プレートであり得るか、又は任意の様々な幾何学的形状を有し得る。導光板は、均一な寸法、又は全部若しくは一部において不均一な寸法を有し得る。様々な実施形態では、導光板(及び/又は個別のシート若しくはそれらの形状)は、10μm〜2mm、10μm〜1mm、10μm〜0.5mm、10μm〜100μm、50μm〜100μm、10μm〜50μm、10μm〜90μm、20μm〜80μm、30μm〜70μm、40μm〜60μm、又は約50μmの厚さを有する。
【0065】
本明細書に開示される導光板は、導光板が意図された目的に好適な任意の様々な長さを有し得る。例えば、導光板は、密接に離間配置された電子部品間のデータ通信のために(1センチメートル以下の長さであり得るような)比較的短い距離にわたって利用され得る。あるいは、導光板は、数キロメートルなどの長距離にわたって光を透過するために利用され得る。
【0066】
様々な導光板は、比較的低い吸収損失を伴って、光源からの光を導光板内に送光するように、導光板を通り出口へ向かう光の比較的高い透過率を提供するように、及び/又は比較的低い吸収損失を伴って、導光板からの比較的高い光の出口を提供するように、比較的効率的な流束の結合を提供し得る。一般的に、具体的には断面において、導光板は、任意の様々な形状、円筒型(楕円形)、矩形(正方形)、(出口端から入口端にかけてサイズが増大する)円錐形、又は任意の特殊な形状(例えば、矢印、星形、扇形等)で作製され得る。角部を持つ矩形又は特殊な形状に対して、角部は、角部で照明を最大化するように0.5mmを超える半径であり得る。導光板の形状は、その長さに沿って徐々に変化し得る(すなわち、ランプに対応するために入口端では円形で、出口端では正方形となる)。導光板の形状は、規則的又は不規則的、対称又は非対称、幾何学的又は非幾何学的等であり得る。
【0067】
図1Aは、光源100からの損失した流束の例示である。様々な実施例において、光源100は、LEDランプであるが、当該技術分野で既知の任意の様々な光源が、本明細書で利用され得る。図示されるように、光源100は、導光板106の近位端104から距離102に位置付けられる。様々な実施例において、距離102により、流束108は、導光板106の近位端104の反射により損失され得るが、発光された光は、導光板106の近位端104上に全く入射しない。
【0068】
光源100は、発光部110及び保護部材112を含む。発光部110は、LED自体であり得るか、又はどのような照明技術であっても特定の状況において利用される。保護部材112は、導光板106と同じ又は異なる材料であり得るが、機械的かつ物理的に導光板106から区別される。
【0069】
図1Bは、レンズ200を通って光ガイド106内を通過する光を生成するLEDランプの例示である。
図1Aの例示に関する流束の損失は、光が導光板106の近位端104に影響を与えるように、レンズを伴う光源100から発光された光を集光することによって対処され得る。
【0070】
図2は、導光板202内に配設された光源100を含むライトアセンブリ200の概略図である。様々な実施例において、導光板202は、表面反射のために補正された約95%を超える透過率、約1.4を超える屈折率、及び約10未満のヘイズパーセントを有する任意の材料から形成することができる一方で、導光板202内に配設された光源100を用いて、更に経時的にこれらの特性を維持することができる。ある実施例では、導光板202は、本明細書に開示されるように、実質的に又は完全にオルガノシロキサンブロックコポリマーから形成される。
【0071】
図示されるように、導光板202は、窪部又は空洞204を含み、該空洞内に光源100が固定される又は固定され得る。空洞204は、導光板202を不規則な三次元形状にすることができる。光源100の電気接点206は、導光板202の近位端208から外側に延在する。図示されるように、導光板202中に固定された光源100を用いて、光源100から発光された光210は、完全に又は本質的に完全に内部反射され、光源100の遠位端212に透過される。
【0072】
図示されるように、保護部材112は、導光板202と物理的に接触しているが、導光板202から物理的及び機械的に区別されたままである。あるいは、間隙は、保護部材112と導光板202との間に配設され得るが、光源100が窪部204内に少なくとも部分的に依然として存在し得る。保護部材112は、導光板202の製造を考慮せずに、光源100の一部として製造され得る。様々な実施例において、保護部材112間の機械的な区別は、ライトアセンブリ200を分解して観察され得、ここでは、保護部材112は、光源100に関連付けられたままであり得、一方で導光板202は、光源100から分離され得る。様々な実施例において、保護部材112及び導光板202は、本明細書に開示されるオルガノシロキサンブロックコポリマーからなる。
【0073】
代替的な実施例において、光源100は、保護部材112を含まなくてもよい。このような実施例において、発光部110は、導光板202に対して配設され得る。このような実施例において、導光板202は、保護部材110に期待され得るものと同程度の保護を環境条件に対して提供しなくてもよい。更に、ライトアセンブリ200の分解により、発光部110から導光板202を機械的に分離し得る。
【0074】
任意に、導光板202は、第1の領域214と第2の領域216との間に屈折率の勾配を含む。様々な実施例において、屈折率の勾配は、本明細書に詳細に開示される方法によって生成され得る。勾配は、領域214、216の間で連続的であり得、領域214、216、又はこれらの組み合わせの間の点で急激であり得る。
【0075】
図3は、導光板300の透視図である。図示されるように、導光板300は、近位端302に円形断面、遠位端304に矩形輪郭を有し、その結果、不規則な三次元形状をもたらす。図示されるように、導光板300は、円形断面を有する第1の領域306、矩形断面を有する第2の領域308、及び遷移領域310を含み、該遷移領域において、円形断面が徐々に遷移領域310の長さにわたって矩形断面になる。様々な実施例において、導光板300は、第1及び第2の領域306、308を有さず、代わりに、徐々に近位端302から遠位端304になる。
【0076】
導光板300は、押出し成形、鋳造などを含むいくつかのプロセスのうちのいずれかに従って形成され得る。導光板300は、窪部又は空洞312を含み、該空洞の中に光源100(図示せず)などの光源が固定され得る。
図4は、実質的に滑らかで平坦な表面404を有する近位端402を含む導光板400の概略図である。図示されるように、導光板400は、当該技術分野で既知の光源のための別の材料が光源406から吸収された熱を低減し得るように、光源406にごく接近して存在する。ある実施例では、光源406は、レーザなどの干渉性光源であり、表面404内に光を実質的に直接導き、光は、導光板400内で実質的に又は完全に内部反射される。このような実施例において、必ずしも干渉性光源406のみに限定されないが、導光板400は、光源406が導光板400からある程度離れて位置付けられているにも関わらず、光源406からの光を効率的に透過し得る。
【0077】
図5は、滑らかな凹面端502を含む導光板500の概略図である。図示されるように、光源504は、窪部又は空洞502内に位置付けられるが、導光板500から空間的に分離され、物理的に接触しない。図示した実施例では、光源504は、非干渉性光源であり、多方向に光を発光する。図示した実施例では、光源504から発光された光は、導光板500によって実質的に捕捉されるが、完全には捕捉されない。
【0078】
図6は、凹面端602を含む導光板600の概略図である。様々な実施例において、凹面端602は、平坦な表面を有する光源と比較して、光源604からの流束結合及び光捕捉を向上させるように構成され得る。図示されるように、光源604は、電気的及び機械的に基板606に結合されている。図示されるように、光源604は、導光板600と物理的に接触しない。
【0079】
図7は、光源704の上に位置付けられた、滑らかで平坦な入口端702を含む、導光板700の概略図である。図示されるように、光源は、光源704を確保し、かつ少なくとも部分的に環境条件から単離を提供するように構成される保護部材などの発光アセンブリ706内に位置付けられる。図示のような光源704は、LEDなどの複数の発光素子708を含む。
【0080】
図8は、導光板800の概略図である。導光板800は、導光板300と類似する又は同一であり得、かつ拡散出口端802を更に含み、その結果、導光板800の端部802から発光された光の散乱をもたらす。図示されるように、光源804は、導光板800内の窪部又は空洞806内に配設される。
【0081】
図9は、90度の屈曲などの屈曲902が組み込まれる導光板900の概略図である。90度の屈曲902が図示されている一方で、導光板900は、任意の様々な屈曲角度で形成され得ることが理解されるべきである。図示されるように、光源904は、導光板内の窪部又は空洞906内に固定され、導光板900は、拡散出口端908を含む。
【0082】
図示されるように、曲げ半径は、導光板900の直径910の2倍以上である。導光板が円形輪郭を含まない実施例では、導光板の厚さの2倍以上の曲げ半径を有し得る。図示されるように、この構成は、導光板の直径の2倍未満の曲げ半径よりも比較的少ない光損失を引き起こし得る。しかしながら、導光板の直径910又は厚さの2倍未満の曲げ半径を有する導光板が、ある実施例において、肯定的に利用されることが理解されるべきである。
【0083】
図10は、45度の角柱反射体1002を含む導光板1000の概略図である。角柱反射体1002は、比較的鋭い内部反射、及び導光板1000内の光の方向転換を引き起こし得る。光源1004は、導光板1000の近位端1006と接触して位置付けられる。遠位端1008は、拡散出口を含む。
【0084】
図11Aは、発光表面1104の光を概ね反射する平面的な表面1102を実質的に含む、楔形に湾曲した導光板1100の概略図である。様々な実施例において、平面的な表面1102は、発光される光の略均一な分布を提供する。図示されるように、導光板1100は、光源1108を固定するように構成された窪部又は空洞1106を含む。
【0085】
図11Bは、発光表面1114の光を概ね反射する実質的に湾曲した表面1112を含む楔形に湾曲した導光板1110の概略図である。図示されるように、湾曲した表面1112は、発光された光の略対数分布を提供する。図示されるように、導光板1110は、光源1118を固定するように構成された窪部又は空洞1116を含む。
図12は、半透過反射型液晶ディスプレイ(LCD)の斜視
図1200である。図示されるように、液晶ディスプレイ1200は、画面1204の背面照明に楔形に湾曲した導光板1202を利用する。図示されるように、導光板1202は、複数の光源1206を固定する窪部を全く含まない。実質的に平面的な表面1208は、発光画面1204からの光を反射するように構成される。
【0086】
図13は、直角平面の楔形導光板1300の斜視図である。導光板1300は、2つの反射面1302、1304、及び拡散面1306を利用して、光源1308からの光の発光に実質的に平行に拡散光を導く。
【0087】
図14は、直角平面の楔形導光板1300の側面図である。
【0088】
図15は、直角平面の導光板1502内に配設された光源1500の概略図である。導光板1502は、光源1500を固定するように構成された窪部又は空洞1504を含み得る。
【0089】
図16A〜16Cは、3つの独立した光源1602の上に配置された、3つの様々な不規則な形状の導光板1600A、1600B、1600Cの斜視図である。
【0090】
図17A及び17Bは、複数の光源1602の上に配置された、2つの様々な不規則な形状の導光板1700A、1700Bの斜視図である。
【0091】
図18A及び18Bはそれぞれ、S字状の矩形導光板1800の斜視図及び概略図である。図示されるように、導光板1800は、拡散面1802を含む。
【0092】
図19は、4つの導光板1902の配列1900の斜視図である。導光板1902は、略管状である。導光板1902は、支持構造1904によって固定される。支持構造1904は、導光板1902と同じ材料から様々に、又は導光板1902を固定するように構成される代替材料によって作製され得る。
【0093】
図20は、4つのS字状の下位部材2002の配列2000の斜視図である。導光板2002は、導光板2002と同じ材料から形成された固定部材2004を含む。図示されるように、配列2000は、単一構造である。
【0094】
図21A及び21Bは、2つの例の導光板2100A、2100Bを通る光路の概略図であり、各々が中に配設された光源2102を含む。図示されるように、導光板2100A、Bはそれぞれ、狭いもの及び広いものであり、拡散面2104A、Bを含む。図示されるように、広い導光板2100Bは、狭い導光板2100Aよりもより広く光を拡散し得る。
【0095】
図22A及び22Bは、光源2202の上に配設された導光板2200から現れる広い及び狭い放射パターンの概略図である。
【0096】
図面は、光源及び導光板の様々な組み合わせを例示することに留意されたい。図示された実施例は、限定的なものではなく、導光板と光源との様々な組み合わせが、例示された実施例の間で形成され得る。本明細書に開示される導光板は、不規則な形状であり得、導光板の形状は、シート、又は他の従来の3次元の形状以外であってもよい。様々な実施例において、本明細書に図示されるように、屈曲、湾曲、角柱、楔形、支持構造、変異断面、及び/又は窪部若しくは空洞を有する導光板は、当該技術分野で既知の他の不規則な形状のうちの不規則な三次元形状を有すると理解され得る。
【0097】
上に例示したように、光源からの流束は、比較的最小限の吸収損失を伴って、光の捕捉を可能にする(すなわち、光が導光板に入光することを可能にする)ように導光板の入口端に結合され得、その後、この光は、当該技術分野で既知の導光板と比較して効果的に透過され、利用され得る。最も典型的には、光源が、導光板の近傍に配設される、又は導光板内に配設されるとき、流束結合及び捕捉が比較的効果的であり得る。様々な実施例において、光源が導光板からより遠くに配設されるほど、流束の結合は効果的でなくなる。
【0098】
図示されるように、様々な実施例において、光源からの放射パターンが、導光板の受け入れ角度パターンと一致したとき、光源は、導光板の外部に配設され、かつ有効な流束の結合と光の捕捉が発生し得る。
図1Bに関して図示されるように、レンズはまた、光源から導光板の入口端に流束を集光させるように流束の結合のために使用され得る。様々な実施例に図示されるように、光源は導光板内に配設され得る。流束の捕捉は、完全に若しくはほぼ完全にフレネル損失の排除又は最小化によるものであり得るが、部分的には、様々な導光板の材料が原因である。
【0099】
様々な図示された実施例では、導光板は、光源からの光の進行方向と平行な1つ以上の側面を有する。1つ以上の側面は、完全に又は実質的に完全に内部反射に影響を与えるように、滑らか又は実質的に滑らかであり得る。導光板の1つ以上の側面は、塗料又は他のコーティングを含み、内部反射を増加させるように、及び、そうでなければこのような光線が導光板を抜出することを可能にし得る臨界角未満の斜めの光線を反射し得る。
【0100】
図示されるように、導光板は、1つ以上の入口端(例えば、近位端)、及び1つ以上の出口端(例えば、遠位端)を有し得、光源からの光は、それぞれ入光及び出光する。導光板の1つ以上の入口及び/又は出口端は、滑らかである、輪郭付けされている、又はそうでなければ、様々な光源からの光捕捉を促進するように形成され得、反射及び散乱を最小化し得る方法で光線が導光板に入光すること、及び所望に応じて導光板を出光することを可能にする。導光板の出口端は、様々に、滑らかである、輪郭付けされている、又は拡散されたものであり得る。拡散出口端は、光線が抜出することができる高い確率を提供するように、同様に、広い放射パターンを引き起こす光線の散乱を促進するように、表面を横切るランダムな臨界角を有し得る。
【0101】
図示されるように、導光板は、屈曲又は湾曲していてもよい。ある実施例では、曲げ半径は、導光板の2枚分の厚さ又は直径の2倍以上である。このような構成は、導光板の直径の2倍未満である曲げ半径よりも比較的少ない光損失を引き起こし得る。光線反射は、ほとんど又は全く損失を伴わず、曲げ半径の滑らかな輪郭に従い得る。図示されるように、鋭い直角方向の変更は、
図10に図示するように、反射角柱設計を使用することによって達成され得る。
【0102】
本明細書に開示される様々な導光板は、様々なプロセスに従って形成され得る。ある実施例では、導光板は、本明細書で詳細に開示されるオルガノシロキサンブロックコポリマーから溶融処理される。オルガノシロキサンブロックコポリマーは、ペレット、スフェロイド、リボン、シート、立方体、粉末(例えば、約5〜約500μm、約10〜約100μm、約10〜約50μm、約30〜約100μm、約50〜約100μm、約50〜約250μm、約100〜約500μm、約150〜約300μm、又は約250〜約500μmの平均粒径を有する粉末を含む、500μm以下の平均粒径を有する粉末)、フレーク、タブレットなどを含む多様な開始時の形態から溶融され得る。導光板は、エッチングされる、又はそうでなければ、導光板自体の材料内に含まれるという特徴を持つ。様々な実施例では、インデント及び拡散面は、エッチングプロセスによって形成され得る。
【0103】
どのように導光板が形成され得るかを示す別の例は、オルガノシロキサンブロックコポリマーのフィルムの形成によるものである。このようなフィルムは、有機溶媒中でオルガノシロキサンブロックコポリマーの溶液から鋳造され、溶媒が蒸発することを可能にし得る。このようなフィルムは、例えば、約20マイクロメートル〜約2mm、約30マイクロメートル〜約1mm、又は約40マイクロメートル〜約800マイクロメートルの厚さの範囲を有し得る。このフィルムは、溶媒を除去し、固体形態(例えば、フィルム)を生成する任意の方法で調製することができる。例えば、フィルムは、スロットダイコーティング、グラビアコーティング、ロールツーロール加工技術等を用いて形成することができる。そのようなロールツーロール技術(熱エンボス)はまた、導光板上の光抽出機能を形成するために使用することができる。このような光抽出機能を導光板の上に印刷する、スクライブするといったことなどもできる。
【0104】
オルガノシロキサンブロックコポリマー
導光板は、オルガノシロキサンブロックコポリマーを含み、いくつかの実施形態では、用語「導光板」及び「オルガノシロキサンブロックコポリマー」は、互に同義的に使用され得る。オルガノシロキサンブロックコポリマーは、固体組成物として説明され得る。固体組成物は、2つのガラス転移温度(T
g)、軟質ブロック成分と関連付けられているもの、及び硬質ブロック成分と関連付けられているものを有し得る。本明細書で使用される場合、T
gは、較差走査熱量計(DSC)を用いて評価され得る。例えば、TAインスツルメンツQ2000(DSC)を用いて、ガラス転移(T
g)を測定し得る。いくつかの実施例では、10mgの試料が、パージガス(25mL/分)として、ヘリウムを用いて20℃/分で加熱される。T
gは、半分外挿した接線でステップ中点を用いて算出され得る。いくつかの実施例では、固体組成物の2つのガラス転移温度のうちの高い方は、−30〜200、0〜130、25〜150、又は40〜120℃である。2つのガラス転移温度のうちのこの高い方を超える温度で、固体組成物は軟化して、流動し得る。様々な実施形態では、固体組成物の2つのガラス転移温度のうちの低いものは、−130℃〜25℃、−130℃〜0℃、又は−130℃〜−10℃である。
【0105】
オルガノシロキサンブロックコポリマーに戻って参照すると、このコポリマーはまた、「樹脂−直鎖状」オルガノシロキサンブロックコポリマーとして説明され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、少なくとも20,000g/モルの重量平均分子量(M
w)、あるいは少なくとも40,000g/モルの重量平均分子量、あるいは少なくとも50,000g/モルの重量平均分子量、あるいは少なくとも60,000g/モルの重量平均分子量、あるいは少なくとも70,000g/モルの重量平均分子量、又はあるいは少なくとも80,000g/モルの重量平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオルガノシロキサンブロックコポリマーは、約20,000g/モル〜約250,000g/モル又は約100,000g/モル〜約250,000g/モルの重量平均分子量(M
w)、あるいは約40,000g/モル〜約100,000g/モルの重量平均分子量、あるいは約50,000g/モル〜約100,000g/モルの重量平均分子量、あるいは約50,000g/モル〜約80,000g/モルの重量平均分子量、あるいは約50,000g/モル〜約70,000g/モルの重量平均分子量、あるいは約50,000g/モル〜約60,000g/モルの重量平均分子量を有する。他の実施形態では、本明細書に記載のオルガノシロキサンブロックコポリマーの重量平均分子量は、40,000〜100,000、50,000〜90,000、60,000〜80,000、60,000〜70,000、100,000〜500,000、150,000〜450,000、200,000〜400,000、250,000〜350,000、又は250,000〜300,000g/モルである。更に他の実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、40,000〜60,000、45,000〜55,000、又は約50,000g/モルの重量平均分子量を有する。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて判定され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、導光板(及び、例えば、オルガノシロキサンブロックコポリマー)は、ASTM E−903−96又はASTM D1003の修正版を使用して判定されるとき、表面反射のために補正された90、90.5、91、91.5、92、92.5、93、9.5、94、94.5、95、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、又は99.5パーセントを超える透過率を有し、これはCIE C級の光源を使用してどのように光の透過率を測定するかを指定する。修正版では、C級の光源は、広帯域の紫外−可視−近赤外光源、及び積分球分光光度計の一部としてのモノクロメータと置換される。積分球分光光度計の例は、200〜1700ナノメートルの測定範囲を有するVarian Cary 5000である。修正版では、透過率の測定値は、以下の手順によって、反射損失のために補正される。
【0109】
直接及び拡散透過を含む全透過率T
tの測定値、分光及び拡散透過を含む全反射R
tを使用して、A=1−T
t−R
tによって吸収Aを算出する。試料を通る単一経路のために、補正された反射R
cは、この式を用いて算出される。
【0110】
次いで、補正された透過率T
cは、次の式を用いて算出される
【0112】
導光板はまた、ASTM D542を使用して判定される際、1.4、1.44、1.5を超える、又は1.55を超える屈折率を有する。いくつかの実施形態では、2.5を超える屈折率を有する。他の実施形態では、固体組成物は、約1.4〜約2.5、例えば、約1.5〜約2.5、約1.7〜約2.4、約1.4〜約1.7、又は約1.9〜約2.3の屈折率を有する。屈折率は、632.8nmでヘリウム・ネオンレーザー源を用いて、Metricon 2010プリズム結合器を用いて判定され得、「バルク指数」モードで動作する。導光板はまた、ASTM D1003を使用して判定される際、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1未満の散乱度を表すヘイズパーセントを呈し得る。導光板はまた、約0.5〜約50、約1〜約10の破断点引張強度(MPa)を呈し得る。上述の値は、導光板の加熱老化(例えば、225℃で約1000時間)前及び/又は後に、非限定的な様々な実施形態に適用することができる。
【0113】
導光板はまた、1.0MPaを超える、あるいは1.5MPaを超える、あるいは2Mpaを超える、あるいは10Mpaを超える、あるいは20Mpを超える、あるいは30MPaを超える、又はあるいは40MPaを超える初期の破断点引張強度を有し得る。いくつかの実施形態では、固体組成物は、1.0MPa〜約50MPa、例えば、約1.5MPa〜約10MPa、約2MPa〜約10MPa、約5MPa〜約10Mpa、約7MPa〜約10Mpa、約10MPa〜約50MPa、又は約25MPa〜約50MPaの初期引張強度を有し得る。いくつかの実施形態では、固体組成物は、40%を超える、あるいは50%を超える、あるいは75%を超える破断(又は破裂)伸度(%)を有し得る。いくつかの実施形態では、固体組成物は、約20%〜約90%、例えば、約25%〜約50%、約20%〜約60%、約40%〜約60%、約40%〜約50%、又は約75%〜約90%の破断(又は破裂)伸度(%)を有し得る。本明細書で使用するとき、引張強度及び破断伸度はASTM D412により測定される。
【0114】
導光板は、加熱老化時に、引張強度及び破断伸度(%)などのある物理的性質を保持し得る。一実施形態では、導光板の引張強度は、例えば、225℃で約1000時間にわたって加熱老化したとき、初期値の20%以内、あるいは10%以内、又はあるいは5%以内に留まる。いくつかの実施形態では、導光板の引張強度は、例えば、225℃で約1000時間にわたって加熱老化したとき、初期値の約20%〜約1%以内、例えば、初期値の約10%〜約1%、約10%〜約5%、又は約5%〜約1%に留まる。いくつかの実施形態では、加熱老化は、高温で長時間にわたり(例えば、約150〜300℃、約50〜約10,000時間)、空気循環炉内で試料を加熱することにより行われ得る。いくつかの実施形態では、導光板の引張強度は、例えば、225℃で約1000時間の加熱老化時に、約1%以内に留まる、又は元の値と同じままである。他の実施形態では、破断伸度(%)は、200℃で1000時間の熱老化時に、少なくとも10%、あるいは50%、又はあるいは75%である。他の実施形態では、破断伸度(%)は、200℃で1000時間の熱老化時に、約10%〜約90%、例えば、約10%〜約50%、約25%〜約60%、約40%〜約60%、又は〜約50%〜約75%である。
【0115】
一実施形態では、導光板は、「溶融加工可能」として説明され得る。本実施形態では、導光板は、例えば、T
gを超える「溶融」又は「加熱」のように、高温で流体挙動を呈し得る。溶融流動温度は、市販の装置を使用して、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、及び貯蔵温度の関数としてのタンデルタ(tan δ)を測定することにより判定され得る。例えば、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、及び温度の関数としてのタンデルタを測定するためには、市販のレオメーター(TA Instrumentsの、2KSTD標準屈曲旋回軸スプリング変換器を備えるARES−RDAなどと、強制対流炉)が使用され得る。試験標本(例えば、8mm幅、1mm厚さ)は平行なプレートの間に装填することができ、25℃〜300℃の範囲で2℃/分にて温度を徐々に上げながら小さなひずみの振動レオロジーを使用して測定され得る(振動数1Hz)。流動開始は、G’降下(例えば、「流動」)に入る変曲温度として計算され得、120℃での粘度が溶融加工性についての尺度として報告され、硬化開始はG’上昇(例えば、「硬化」)に入る開始温度として計算される。いくつかの実施形態では、導光板の「流動」はまた、導光板中の非直鎖状区域(すなわち、樹脂成分)のガラス転移温度と相関する。あるいは、導光板の「溶融加工性」、硬化の程度、及び/又は硬化速度は、様々な温度下でのレオロジー測定値により判定され得る。更なる実施形態では、導光板は、25℃〜200℃、あるいは25℃〜160℃、あるいは50℃〜160℃の範囲の溶融流動温度を有し得る。
【0116】
様々な実施形態では、導光板は、25℃で0.01MPa〜500MPaの貯蔵弾性率(G’)及び0.001MPa〜250MPaの損失弾性率(G’’)、あるいは25℃で0.1MPa〜250MPaの貯蔵弾性率(G’)及び0.01MPa〜125MPaの損失弾性率(G’’)、あるいは25℃で0.1MPa〜200MPaの貯蔵弾性率(G’)及び0.01MPa〜100MPaの損失弾性率(G’’)を有する。他の実施形態では、導光板は、120℃で10Pa〜500,000Paの貯蔵弾性率(G’)及び10Pa〜500,000Paの損失弾性率(G’’)、あるいは120℃で20Pa〜250,000Paの貯蔵弾性率(G’)及び20Pa〜250,000Paの損失弾性率(G’’)、あるいは120℃で30Pa〜200,000Paの貯蔵弾性率(G’)及び30Pa〜200,000Paの損失弾性率(G’’)を有する。更に他の実施形態では、導光板は、200℃で10Pa〜100,000Paの貯蔵弾性率(G’)及び5Pa〜80,000Paの損失弾性率(G’’)、あるいは200℃で20Pa〜75,000Paの貯蔵弾性率(G’)及び10Pa〜65,000Paの損失弾性率(G’’)、あるいは200℃で30Pa〜50,000Paの貯蔵弾性率(G’)及び15Pa〜40,000Paの損失弾性率(G’’)を有する。溶融加工可能であることにより、例えば、初期コーティングの後、又はオルガノシロキサンブロックコポリマーがデバイス上に配設された後、様々なデバイス構造の周囲のオルガノシロキサンブロックコポリマー/導光板の再流動を可能にし得る。この特性は、様々な封入された電子デバイスに有益であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、導光板のタンデルタ=1に達する時間は、150℃で約3〜約5時間、例えば、150℃で約3〜約5分、150℃で約10〜約15分、150℃で約10〜約12分、150℃で約8〜約10分、150℃で約30分〜約2.5時間、150℃で約1時間〜約4時間、又は150℃で約2.5時間〜約5時間である。他の実施形態では、タンデルタ=1は、150℃で約3〜約60秒、例えば、150℃で約3〜約30秒、150℃で約10〜約45秒、150℃で約5〜約50秒、150℃で約10〜約30秒、又は150℃で約30秒〜約60秒である。更に他の実施形態では、タンデルタ=1は、120℃で約5〜約1200秒、例えば、120℃で約20〜約60秒、120℃で約20〜約600秒、120℃で約60〜約1200秒、120℃で約5〜約100秒、120℃で約10〜約60秒、又は120℃で約30秒〜約60秒である。
【0118】
いくつかの実施形態では、導光板は、120℃で0.0001m
2/秒(100cSt)を超える、又は120℃で0.001m
2/秒(1000cSt)を超える、120℃で0.005m
2/秒(5000cSt)を超える、又は120℃で0.01m
2/秒(10,000cSt)を超える粘度を有し、場合によっては、無限の粘度を有し得る。いくつかの実施形態では、固体組成物は、120℃で約0.0001m
2/秒〜約0.01m
2/秒(約100cSt〜約10,000cSt)、例えば、120℃で約0.001m
2/秒〜約0.005m
2/秒(約1000cSt〜約5000cSt)、120℃で約0.0005m
2/秒〜約0.002m
2/秒(約500cSt〜約2000cSt)、120℃で約0.002m
2/秒〜約0.005m
2/秒又は約0.005m
2/秒〜約0.01m
2/秒(約2000cSt〜約5000cSt又は約5000cSt〜約10,000cSt)の粘度を有し得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、導光板は、以下の特性の1つ以上、場合によっては全てを有する:黄変に抵抗する、光吸収損失に抵抗する、増大した靭性を有する、優れた熱安定性を有する、加工において優れた柔軟性を呈する(例えば、B段階のフィルムは、予備硬化し得るが、硬化後に再流動し得る)、及び/又は場合によって、接着促進剤を必要とせずに多くの種類の表面への接着性を呈する。加えて、本明細書に記載のいくつかの実施形態の導光板は、その機械的特性が操作及びカスタマイズされるときでさえ、その屈折率を維持することができる。更に、PDMS樹脂−直鎖状は、直鎖状及び樹脂ブロックは、異なる屈折率を有する(例えば、RI Me
2−D=1.41及びRI Ph−T=1.56)場合に、利用され得る。更に、導光板は、フロントガラスなどの上板の屈折率に一致又は類似し得る、(高い)屈折率を有するように調整することができ、これは、効率を増大させる。更に、固体組成物は、いくつかの実施形態では、貯蔵安定性と同時に、優れた溶融流動性を提供する。
【0120】
例えば、本明細書で説明される実施例のオルガノシロキサンブロックコポリマーは、「樹脂−直鎖状」オルガノシロキサンブロックコポリマーと称され、(R
3SiO
1/2)、(R
2SiO
2/2)、(RSiO
3/2)、又は(SiO
4/2)(式中、Rは任意の有機基であり得る)シロキシ単位から独立して選択されるシロキシ単位を含む。これらのシロキシ単位は一般にそれぞれM、D、T、及びQ単位と呼ばれる。これらのシロキシ単位は、様々な方法で組み合わされて、環状、直鎖状、又は分枝状構造を形成することができる。結果として得られるポリマー構造の化学的及び物理的性質は、オルガノポリシロキサン中のシロキシ単位の数とタイプによって変化する。例えば、「直鎖状」オルガノポリシロキサンは、主としてD、又は(R
2SiO
2/2)シロキシ単位を含有し、その結果、ポリジオルガノシロキサン内のD単位の数により示される「重合度」、又は「DP」に応じ様々な粘度の流体であるポリジオルガノシロキサンが生じる。「直鎖状」オルガノポリシロキサンは、25℃よりも低いガラス転移温度(T
g)を有する。「樹脂」オルガノポリシロキサンは、シロキシ単位の大半がT又はQシロキシ単位から選択される場合に生じる。主にTシロキシ単位を使用してオルガノポリシロキサンを調製する場合には、多くの場合、得られるオルガノシロキサンは、「樹脂」又は「シルセスキオキサン樹脂」と称される。オルガノポリシロキサン内のT又はQシロキシ単位の量が増えると、硬度が増した及び/又はガラスのような特性を有するポリマーを生じ得る。したがって、「樹脂」オルガノポリシロキサンは、より高いT
g値を有し、例えば、シロキサン樹脂は、多くの場合、40℃を超えるT
g値、例えば、50℃を超える、60℃を超える、70℃を超える、80℃を超える、90℃を超える、又は100℃を超える値を有する。いくつかの実施形態では、シロキサン樹脂のT
gは、約60℃〜約100℃、例えば、約60℃〜約80℃、約50℃〜約100℃、約50℃〜約80℃、又は約70℃〜約100℃である。
【0121】
本明細書に記載されるように、「オルガノシロキサンブロックコポリマー」又は「樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマー」(これらの用語は、本明細書中で同義的に使用される)は、「樹脂」Tシロキシ単位と組み合わせられた「樹脂」Dシロキシ単位を含有するオルガノポリシロキサンを指す。いくつかの実施形態では、「ランダム」コポリマーとは反対に、オルガノシロキサンコポリマーは、「ブロック」コポリマーである。同様に、本明細書に記載の「樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマー」は、D及びTシロキシ単位を含有するオルガノポリシロキサンを指し、D単位(つまり、[R
12SiO
2/2]単位)は、いくつかの実施形態では、平均で10〜400D単位(例えば、平均で約10〜約350D単位、約10〜約300D単位、約10〜約200D単位、約10〜約100D単位、約50〜約400D単位、約100〜約400D単位、約150〜約400D単位、約200〜約400D単位、約300〜約400D単位、約50〜約300D単位、約100〜約300D単位、約150〜約300D単位、約200〜約300D単位、約100〜約150D単位、約115〜約125D単位、約90〜約170D単位、又は約110〜約140D単位)を有するポリマー鎖を形成するように、主に共に結合され、これは、本明細書で「直鎖状ブロック」と称される。
【0122】
T単位(すなわち、[R
2SiO
3/2])は、主に互いに結合して、分枝状高分子鎖を形成し、これは「非直鎖状ブロック」と称される。いくつかの実施形態では、ブロックコポリマーの固体形態が提供されるとき、かなりの数のこれらの非直鎖状ブロックは、更に凝集して、「ナノドメイン」を形成する。いくつかの実施形態では、これらのナノドメインは、樹脂に富む相を形成するように、D単位を有する直鎖状ブロックから形成された相から分離した相を形成する。いくつかの実施形態では、ジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]は、直鎖状ブロック当たり平均で10〜400ジシロキシ単位[R
12SiO
2/2](例えば、平均で約10〜約400のD単位、約10〜約300のD単位、約10〜約200のD単位、約10〜約100のD単位、約50〜約400のD単位、約100〜約400のD単位、約150〜約400のD単位、約200〜約400のD単位、約300〜約400のD単位、約50〜約300のD単位、約100〜約300のD単位、約150〜約300のD単位、約200〜約300のD単位、約100〜約150のD単位、約115〜約125のD単位、約90〜約170のD単位、又は約110〜約140のD単位)を有する直鎖状ブロック中に配置され、トリシロキシ単位[R
2SiO
3/2]は、少なくとも500g/モルの分子量を有する非直鎖状ブロック中に配置され、少なくとも30%の非直鎖状ブロックは、互いに架橋される。
【0123】
本開示のオルガノシロキサンブロックコポリマーは、
(A)各々が直鎖状ブロック当たり平均で10〜400個のジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]を有する直鎖状ブロック、の中に配置された40〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位と、
(B)各々が少なくとも500g/molの分子量を有する非直鎖状ブロック、の中に配置された10〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位と、
(C)0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]とを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオルガノシロキサンブロックコポリマー内の非直鎖状ブロックの少なくとも30%が互いに架橋される、例えば、非直鎖状ブロックの少なくとも40%が互いに架橋される、非直鎖状ブロックの少なくとも50%が互いに架橋される、非直鎖状ブロックの少なくとも60%が互いに架橋される、非直鎖状ブロックの少なくとも70%が互いに架橋される、又は非直鎖状ブロックの少なくとも80%が互いに架橋される。他の実施形態では、約30%〜約80%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約30%〜約70%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約30%〜約60%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約30%〜約50%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約30%〜約40%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約40%〜約80%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約40%〜約70%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約40%〜約60%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約40%〜約50%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約50%〜約80%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約50%〜約70%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約55%〜約70%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約50%〜約60%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、約60%〜約80%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される、又は約60%〜約70%の非直鎖状ブロックが互いに架橋される。
【0125】
上述の式は、代替的に、[R
12SiO
2/2]
a[R
2SiO
3/2]
bとして説明され得、式中、添え字a、bは、オルガノシロキサンブロックコポリマー中のシロキシ単位のモル分率を表す。これらの式において、aは、0.4〜0.9、あるいは0.5〜0.9、あるいは0.6〜0.9の間で様々であり得る。また、これらの式において、bは、0.1〜0.6、あるいは0.1〜0.5、あるいは0.1〜0.4の間で様々であり得る。
【0126】
上記のジシロキシ単位の式中、各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルである。この炭化水素基は独立して、アルキル、アリール、又はアルキルアリール基であり得る。本明細書で使用するとき、ヒドロカルビルはまた、ハロゲン置換ヒドロカルビルを含み、ハロゲンは、塩素、フッ素、臭素、又はそれらの組み合わせであり得る。各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
30アルキル基であり得、あるいは、各R
1は、各発生において、独立してC
1〜C
18アルキル基であり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルなどのC
1〜C
6アルキル基であり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立してメチルであり得る。各R
1は、各発生において、独立して、例えばフェニル、ナフチル、又はアントリル基などのアリール基であり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、上述のアルキル又はアリール基の任意の組み合わせであり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、フェニル、メチル、又は両方の組み合わせ(例えば、一方のR
1はメチルであり得、他方のR
1は、フェニルであり得る)である。
【0127】
上記のトリシロキシ単位の式中、各R
2は、各発生において、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルである。本明細書で使用するとき、ヒドロカルビルはまた、ハロゲン置換ヒドロカルビルを含み、該ハロゲンは、塩素、フッ素、臭素、又はそれらの組み合わせであり得る。各R
2は、各発生において、独立して、フェニル、ナフチル、アンスリル基などのアリール基であり得る。あるいは、各R
2は、各発生において、独立して、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどのアルキル基であり得る。あるいは、各R
2は、各発生において、独立して、上述のアルキル又はアリール基の任意の組み合わせであり得る。あるいは、各R
2は、各発生において、独立して、フェニル又はメチルであり得る。
【0128】
オルガノシロキサンブロックコポリマーは、オルガノシロキサンブロックコポリマーが、上で説明したモル分率のジシロキシ及びトリシロキシ単位を含む限り、Mシロキシ単位、Qシロキシ単位、(例えば、R
1又はR
2以外の有機基を有する)他の固有のD又はTシロキシ単位などの追加のシロキシ単位を含んでもよい。換言すれば、添字a及びbにより示されるモル分率の和は、必ずしも合計して1にならなければならないわけではない。a+bの和は、オルガノシロキサンブロックコポリマー内に存在し得る量の他のシロキシ単位を考慮した場合に1未満になってもよい。例えばa+bの和は、0.6を超える、0.7を超える、0.8を超える、0.9を超える、0.95を超える、又は0.98若しくは0.99を超え得る。
【0129】
一実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは実質的に、上述の重量百分率で、式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位及び式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位からなるが、0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]をもまた含む(式中、R
1及びR
2は、本明細書に記載される通りである)。それゆえに、本実施形態では、(モル分率を使用してコポリマー内のジシロキシ及びトリシロキシ単位の量を表す場合の)a+bの和は、0.95を超える、あるいは0.98を超える。更に、本実施形態では、「から本質的になる」という用語は、オルガノシロキサンブロックコポリマーが、本明細書に記載されていない他のシロキサン単位を含まないことを説明する。
【0130】
一実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、少なくとも30重量パーセントのジシロキシ単位、あるいは少なくとも50重量パーセント、あるいは少なくとも60重量パーセント、あるいは少なくとも70重量パーセントのジシロキシ単位を含む。オルガノシロキサンブロックコポリマー内のジシロキシ及びトリシロキシ単位の量は、ブロックコポリマー内のそれぞれの重量パーセントに従って記載され得る。一実施形態では、ジシロキシ単位は、式[(CH
3)
2SiO
2/2]を有する。更なる実施形態では、ジシロキシ単位は、式[(CH
3)(C
6H
5)SiO
2/2]を有する。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオルガノシロキサンブロックコポリマーは、40〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、例えば、50〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、60〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、65〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、70〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、又は80〜90モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、40〜80モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、40〜70モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、40〜60モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、40〜50モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、50〜80モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、50〜70モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、50〜60モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、60〜80モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、60〜70モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、又は70〜80モルパーセントの式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオルガノシロキサンブロックコポリマーは、10〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、例えば、10〜20モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、10〜30モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、10〜35モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、10〜40モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、10〜50モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、20〜30モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、20〜35モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、20〜40モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、20〜50モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、20〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、30〜40モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、30〜50モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、30〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、40〜50モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、又は40〜60モルパーセントの式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位を含む。
【0133】
式[R
12SiO
2/2]
a[R
2SiO
3/2]
b、及び本明細書で説明されるような、モル分率を用いた関連する式は、オルガノシロキサンブロックコポリマーにおけるジシロキシ[R
12SiO
2/2]及びトリシロキシ[R
2SiO
3/2]単位の構造的な順序を制限しない。むしろ、これらの式は、添字a及びbを介して上で説明されるモル分率により、オルガノシロキサンブロックコポリマー内の2つの単位の相対量を説明するための非限定的な表記法を提供する。オルガノシロキサンブロックコポリマー内の様々なシロキシ単位のモル分率並びにシラノール含有量は、
29Si NMR技術により判定することができる。
【0134】
シラノール基(≡SiOH)を再度参照すると、オルガノシロキサンブロックコポリマー中に存在するシラノール基の量は、いくつかの実施形態では、0.5〜35モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]、あるいは2〜32モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]、あるいは8〜22モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]の間で変化する。シラノール基は、オルガノシロキサンブロックコポリマー内の任意のシロキシ単位中に存在し得る。上記の量は、オルガノシロキサンブロックコポリマー内に見出されるシラノール基の合計量を表す。一実施形態では、シラノール基のモルの大部分は、トリシロキシ単位、すなわち、ブロックコポリマーの樹脂成分に結合される。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオルガノシロキサンブロックコポリマーは、0.5〜25モルパーセントのシラノール基[≡SiOH](例えば、0.5〜5モルパーセント、0.5〜10モルパーセント、0.5〜15モルパーセント、0.5〜20モルパーセント、5〜10モルパーセント、5〜15モルパーセント、5〜20モルパーセント、5〜25モルパーセント、10〜15モルパーセント、10〜20モルパーセント、10〜25モルパーセント、15〜20モルパーセント、15〜25モルパーセント、又は20〜25モルパーセント)を含む。
【0136】
オルガノシロキサンブロックコポリマーの樹脂成分上に存在するシラノール基は、オルガノシロキサンブロックコポリマーが、高温で更に反応若しくは硬化、又は架橋することを可能にし得る。非直鎖状ブロックの架橋は、様々な化学的機序及び/又は部分を介して達成され得る。例えば、オルガノシロキサンブロックコポリマー内の非直鎖状ブロックの架橋は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの非直鎖状ブロック内に存在する残留シラノール基の縮合から生じ得る。
【0137】
オルガノシロキサンブロックコポリマー内の非直鎖状ブロックの架橋はまた、「遊離樹脂」成分と非直鎖状ブロックとの間で生じ得る。「遊離樹脂」成分は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの調製中に過剰量のオルガノシロキサン樹脂を使用する結果として、オルガノシロキサンブロックコポリマー組成物中に存在し得る。遊離樹脂成分は、非ブロック中及び遊離樹脂成分中に存在する残留シラノール基の縮合により非直鎖状ブロックと架橋し得る。遊離樹脂成分は代替的に、本明細書に記載されるように、架橋剤として利用されるもののような低分子量化合物と反応させることによって架橋をもたらすことができる。遊離樹脂成分は、存在する場合、本明細書に記載の実施形態のオルガノシロキサンブロックコポリマー約10重量%〜約20重量%、例えば、本明細書に記載の実施形態のオルガノシロキサンブロックコポリマー約15重量%〜約20重量%の量で存在し得る。
【0138】
あるいは、ある化合物をオルガノシロキサンブロックコポリマーの調製時に添加して、非樹脂ブロックを架橋することができる。これらの架橋化合物は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの形成中に利用され得る、式R
5qSiX
4−qを有するオルガノシランを含み得る(例えば、本明細書に記載の方法の工程IIを参照されたい)。上述の式において、R
5は、いくつかの実施形態では、C
1〜C
8ヒドロカルビル、又はC
1〜C
8ハロゲン置換ヒドロカルビル、Xは、いくつかの実施形態では、加水分解性基、qは、0、1、又は2である。R
5は、あるいは、C
1〜C
8ハロゲン置換ヒドロカルビル、C
1〜C
8アルキル基、フェニル基、又はメチル基、エチル基、又はメチル基及びエチル基の組み合わせであり得る。Xは、任意の加水分解性基、オキシモ、アセトキシ、ハロゲン原子、ヒドロキシル(OH)、又はアルコキシ基であり得る。一実施形態では、オルガノシランは、アルキルトリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン又はこれらの組み合わせである。市販の代表的なアルキルトリアセトキシシランとしては、ETS−900(Dow Corning Corp.(Midland,MI))が挙げられる。架橋剤として有用な他の好適な非限定的なオルガノシランとしては、メチル−トリス(メチルエチルケトキシム)シラン(MTO)、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラオキシムシラン、ジメチルジアセト、ジメチルジオキシムシラン、メチルトリス(メチルメチルケトオキシム(methylmethylketoxime))シランが挙げられる。いくつかの実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマー内の架橋は、シラノール基の縮合に起因するシロキサン結合≡Si−O−Si≡である。
【0139】
オルガノシロキサンブロックコポリマー内の架橋の量は、GPC技術などでオルガノシロキサンブロックコポリマーの平均分子量を判定することにより、推定され得る。いくつかの実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーを架橋することは、平均分子量を増加させる。したがって、架橋の程度の推定は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの平均分子量、直鎖状シロキシ成分の選択(すなわち、その重合度により示されるような鎖長)、及び非直鎖状ブロックの分子量(オルガノシロキサンブロックコポリマーを調製するために使用されるオルガノシロキサン樹脂の選択により主に制御され得る)を考慮して行われ得る。
【0140】
オルガノシロキサンブロックコポリマーは、例えば、有機溶媒溶液中のオルガノシロキサンブロックコポリマーのフィルムを鋳造し、溶媒を蒸発させることにより、固体形態で単離され得る。この固体形態は、導光板として説明され得る。様々な実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーの溶液から単離された固体形態は、例えば、約20マイクロメートル〜約2mm、30マイクロメートル〜約1mm、又は約40マイクロメートル〜約800マイクロメートルの様々な厚さを有し得る。このフィルムは、溶媒を除去し、固体形態(例えば、フィルム)を生成する任意の方法で調製することができる。例えば、フィルムは、スロットダイコーティング、グラビアコーティング、ロールツーロール加工技術等を用いて形成することができる。あるいは、オルガノシロキサンブロックコポリマーの固体形態は、固体ポリマーを樹脂成分のガラス転移点を超えて加熱すること、及び溶融物中で加工することによって形成することができる。例えば、固体オルガノシロキサンブロックコポリマーを押出機又は三本ロールミルに通すことにより、結果的に、その後、冷却されたステンレスロール、冷却された水のような流体、又は窒素パージのようなガスなどの冷却された表面に転写することができる溶融した塊をもたらし得る。スロットダイコーティングなどの溶液注型成形法又は溶融押出法の両方によって、固体オルガノシロキサンブロックコポリマーは、シリコン処理PET又はフッ素化ライナーなどの剥離ライナーに適用することができる。これらのライナーは、典型的に、滑らかであるが、例えば、反射防止面内に、又は反射防止面として、非平滑化することもできる。また、真空ラミネーションを含む後続の加工工程は、粗化面の適用により利益を得ることができる。このようにして、真空をより容易に排気することができる。また、粗化されたフィルムを配置して、LEDデバイス/光源上で移動させることができる。
【0141】
固体を乾燥させる又は形成する際、オルガノシロキサンブロックコポリマーの非直鎖状ブロックは、いくつかの実施形態では、共に凝集して「ナノドメイン」を形成する。本明細書で使用される場合、「主に凝集される」は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの非線形ブロックの大部分(例えば、50%を超える、60%を超える、75%を超える、80%を超える、90%を超える、約75%〜約90%、約80%〜約90%、又は約75%〜約85%)が、いくつかの実施形態では、「ナノドメイン」として本明細書に記載の固体組成物の特定の領域に見られることを説明する。本明細書で使用される場合、「ナノドメイン」は、相分離して、少なくとも1つの寸法(例えば、1〜100ナノメートルの長さ、幅、深さ、又は高さ)を有する固体組成物内の相領域について説明する。ナノドメインの形状は様々であり得るが、但し、ナノドメインの少なくとも1つの寸法は1〜100ナノメートルのサイズである。したがって、ナノドメインは、規則的又は不規則的な形状であり得る。ナノドメインは、球状、管状、場合によっては層状であり得る。
【0142】
オルガノシロキサンブロックコポリマー(例えば、固体組成物)は、第1の相及び不相溶性の第2の相を含み得、第1の相が、ジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]を主に含み、第2の相が、トリシロキシ単位[R
2SiO
3/2]を主に含み、非直鎖状ブロックは、凝集して第1の相と不相溶性であるナノドメインとなる。
【0143】
ジシロキシ及びトリシロキシ単位の構造順序、並びにナノドメインの特徴は、透過型電子顕微鏡(TEM)法、原子間力顕微鏡法(AFM)、中性子線小角散乱法、X線小角散乱法、及び走査型電子顕微鏡法などの分析技術を用いて測定され得る。
【0144】
あるいは、オルガノシロキサンブロックコポリマー中のジシロキシ及びトリシロキシ単位の構造的な順序、並びにナノドメインの形成は、例えば、オルガノシロキサンブロックコポリマーがコーティングとして使用されるとき、固体組成物のある物理的特性を判定することによって推測され得る。一実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマー及び/又は固体組成物から形成されたコーティングは、95%を超える可視光の光透過率を有する。可視光が媒質を通過することができ、粒子(又は本明細書中で使用されるドメイン)によって分散され得ない、150ナノメートルを超えるサイズを有するとき、このような光学的透明度が可能となる。粒径(ドメイン)が減少すると、光学的透明度が増加し得る。
【0145】
オルガノシロキサンブロックコポリマーは、直鎖状D単位のブロック及び非直鎖状T単位のブロックの凝集にそれぞれ起因する「軟質」及び「硬質」区域に分離する相を含み得る。これらのそれぞれの軟質及び硬質区域は、ガラス転移温度(T
g)が異なることによって判定又は推測され得る。したがって、直鎖状区域は、「軟質」区域として説明され得る。様々な実施形態では、軟質区域は、低いT
g、例えば、25℃未満、あるいは0℃未満、あるいは更に−20℃未満を有する。直鎖状区域は、様々な条件下で「流体」のような挙動を維持し得る。反対に、非直鎖状ブロックは、「硬質区域」として説明され得る。様々な実施形態では、硬質区域は、より高い、例えば、30℃を超える、あるいは40℃を超える、あるいは更に50℃を超えるT
g値を有する。
【0146】
様々な実施形態では、樹脂−直鎖状オルガノポリシロキサンブロックコポリマーの利点は、加工温度(T
加工)が、オルガノシロキサンブロックコポリマーの最終硬化に必要とされる温度(T
硬化)よりも低く、すなわち、T
加工<T
硬化であるため、それらを複数回加工することができるということである。しかしながら、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、T
加工がT
硬化を上回るとき、硬化して、高温安定性を達成するであろう。したがって、本発明の樹脂−直鎖状オルガノポリシロキサンブロックコポリマーは、疎水性、高温安定性、水分/紫外線耐性などのシリコンに関連し得る利益と共に、「再加工可能」であるという有意な利点を提供する。
【0147】
一実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、「硬化可能」である。本実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、オルガノシロキサンブロックコポリマーを硬化させることを通じて、更に物理的特性の変化を受け得る。上で説明したように、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、一定量のシラノール基を含む。これらのシラノール基の存在は、更に、反応性、例えば、硬化機構を可能にし得る。硬化時に、オルガノシロキサンブロックコポリマーの物理的特性は、更に変化し得る。
【0148】
オルガノシロキサンブロックコポリマーを形成するとき、上で説明したオルガノシロキサンブロックコポリマー内のジシロキシ及びトリシロキシ単位の構造順序は、特定の固有の物理的特性特徴を有するオルガノシロキサンコポリマーを提供し得る。例えば、オルガノシロキサンブロックコポリマー内のジシロキシ及びトリシロキシ単位の構造順序は、可視光の高い透過率を可能にし得る。構造順序はまた、オルガノシロキサンブロックコポリマーが、加熱時に流動及び硬化するが、室温では、安定したままであることを可能にし得る。シロキシ単位はまた、ラミネーション技術を用いて加工され得る。これらの特性は、耐候性及び耐久性を改善するために、様々な電子物品にコーティングを提供するのに有用であり得る一方で、低コスト及びエネルギー効率的である容易な手順を提供する。
【0149】
いくつかの実施形態では、導光板は、本明細書で開示される潜在的な機構を通じて、異なる領域で異なる屈折率を有する。様々な実施例において、結果として得られる屈折率の勾配は、漸進的であってもよく、又は急激な変化を含んでもよい。結果として得られる屈折率は、導光板の各領域での異なる組成物の使用から生じ得る(例えば、1つの領域内に[Me
2SiO
2/2]直鎖状部分及び[PhSiO
3/2]樹脂部分を含むオルガノシロキサンブロックコポリマー組成物、並びに異なる領域内に[PhMeSiO
2/2]直鎖状部分及び[PhSiO
3/2]樹脂部分を含む異なるオルガノシロキサンブロックコポリマー組成物)、各領域での同じ組成物の異なる濃度から生じ得る、各領域内の又は1つの領域から次の領域に移動中の組成物の特定の成分の濃度又はモル量の勾配から生じ得る(例えば、
ジシロキシ単位及びトリシロキシ単位の勾配、
ジシロキシ単位、トリシロキシ単位、及びシラノール基の勾配、トリシロキシ単位及びシラノール基の勾配、又は
ジシロキシ単位及びシラノール基の勾配が存在するようにする、式[R
12SiO
2/2]のジシロキシ単位、及び/又は式[R
2SiO
3/2]のトリシロキシ単位、及び/又はシラノール基のこのモルパーセントの勾配)、1つの領域での添加剤又は組成物の合成による副生成物の存在/不在(例えば、本明細書に記載の樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーに組み込まれる直鎖状成分の合成から生じるPhMe環状副生成物)及び異なる領域での添加剤又は組成物の合成による副生成物の存在/不在から生じ得る、各領域での組成物中に存在する特定の特性のサイズ又は種類の違いから生じ得る(例えば、第1の領域は、所定のサイズ又はサイズ分布のラメラの特徴を含み得る一方、第2の領域は、所定のサイズ又はサイズ分布の球状の特徴を含み得る)、又は第2の領域中の組成物に対する1つの領域中の組成物間における上述の違いの任意の組み合わせから生じ得る。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、用語「領域」又は「複数の領域」は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの非直鎖状ブロックの凝集によって形成される「ナノドメイン」を幅広く指し得る。ナノドメインの形態は、規則的又は不規則な形状であり得る。例えば、ナノドメインの形態は、本明細書で提唱されるように、球面形状、円筒形状、管形状、及び、いくつかの例では層形状であり得る。
【0150】
オルガノシロキサンブロックコポリマーの形成方法
オルガノシロキサンブロックコポリマーは、c)溶媒内のa)直鎖状オルガノシロキサンと、b)式[R
2SiO
3/2]の少なくとも60モル%のシロキシ単位を含むオルガノシロキサン樹脂とを反応させる工程I)を含む方法を用いて形成され得る。一実施形態では、直鎖状オルガノシロキサンは、式R
1q(E)
(3−q)SiO(R
12SiO
2/2)
nSi(E)
(3−q)R
1qを有し、式中、各R
1は、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルであり、nは10〜400であり、qは、0、1、又は2であり、Eは、少なくとも1つの炭素原子(例えば、1〜10の炭素原子、1〜5の炭素原子、1〜4の炭素原子、又は1〜3炭素原子)を含む加水分解性基である。別の実施形態では、各R
2は、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルである。更に別の実施形態では、工程Iで使用されるa)及びb)の量が、オルガノシロキサンブロックコポリマーに40〜90モル%のジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]、及び10〜60モル%のトリシロキシ単位[R
2SiO
3/2]をもたらすように選択される。また更に別の実施形態では、工程Iで添加される直鎖状オルガノシロキサンの少なくとも95重量%が、オルガノシロキサンブロックコポリマーの中に組み込まれる。
【0151】
更に別の実施形態では、本方法は、工程Iからのオルガノシロキサンブロックコポリマーを反応させる、例えば、オルガノシロキサンブロックコポリマーのトリシロキシ単位を架橋する、及び/又はオルガノシロキサンブロックコポリマーの重量平均分子量(M
w)を少なくとも50%増加させる工程IIを含む。更なる実施形態は、オルガノシロキサンブロックコポリマーを更に加工して、貯蔵安定性及び/又は光学的透明性を向上する工程、及び/又は有機溶媒を除去する任意の工程を含む。
【0152】
第1の工程の反応は、概して、以下の概略図に従って表され得る。
【化1】
オルガノシロキサン樹脂上の様々なOH基(すなわち、SiOH基)は、直鎖状オルガノシロキサン上の加水分解性基(E)と反応して、オルガノシロキサンブロックコポリマー及びH−(E)化合物を形成し得る。工程Iにおける反応は、オルガノシロキサン樹脂と直鎖状オルガノシロキサンとの間の縮合反応として説明され得る。
【0153】
(a)直鎖状オルガノシロキサン:
本発明のプロセスの工程Iにおける成分a)は、式R
1q(E)
(3−q)SiO(R
12SiO
2/2)
nSi(E)
(3−q)R
1qを有する直鎖状オルガノシロキサンであり、式中、各R
1は独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルであり、添字「n」は直鎖状オルガノシロキサンの重合度(dp)として見なされ得、かつ10〜400の間で様々であり得、添字「q」は0、1又は2であり得、Eは少なくとも1個の炭素原子を含有する加水分解性基である。成分a)は式R
1q(E)
(3−q)SiO(R
12SiO
2/2)
nSi(E)
(3−q)R
1qを有する直鎖状オルガノシロキサンとして記載されるが、当業者は、T(R
1SiO
3/2)シロキシ単位などの少量の代替的シロキシ単位が直鎖状オルガノシロキサンの中に組み込まれ得、かつ依然として成分a)として使用され得ることを認識している。同様に、オルガノシロキサンは、主としてD(R
12SiO
2/2)シロキシ単位を有することにより、「主に」直鎖状であるとして見なされ得る。更に、成分a)として使用される直鎖状オルガノシロキサンは、複数の直鎖状オルガノシロキサンの組み合わせであり得る。なお更に、成分aとして使用される直鎖状オルガノシロキサン)は、シラノール基を含み得る。いくつかの実施形態では、成分a)として使用される直鎖状オルガノシロキサンは、約0.5〜約5モル%のシラノール基、例えば、約1モル%〜約3モル%、約1モル%〜約2モル%、又は約1モル%〜約1.5モル%のシラノール基を含む。
【0154】
上記の直鎖状オルガノシロキサンの式中の各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
30ヒドロカルビルである。この炭化水素基は独立して、アルキル、アリール、又はアルキルアリール基であり得る。本明細書で使用するとき、ヒドロカルビルはまた、ハロゲン置換ヒドロカルビルを含み、ハロゲンは、塩素、フッ素、臭素、又はそれらの組み合わせであり得る。各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
30アルキル基であり得る、あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、C
1〜C
18アルキル基であり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルなどのC
1〜C
6アルキル基であり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立してメチルであり得る。各R
1は、各発生において、独立して、例えばフェニル、ナフチル、又はアントリル基などのアリール基であり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、上述のアルキル又はアリール基の任意の組み合わせであり得る。あるいは、各R
1は、各発生において、独立して、フェニル、メチル、又は両方の組み合わせ(例えば、一方のR
1はメチルであり得、他方のR
1はフェニルであり得る)である。
【0155】
Eは、少なくとも1つの炭素原子を含有する任意の加水分解性基から選択され得る。いくつかの実施形態では、Eは、オキシモ、エポキシ、カルボキシ、アミノ、アミド基、又はこれらの組み合わせから選択される。あるいは、Eは、式R
1C(=O)O−、R
12C=N−O−、又はR
4C=N−O−を有し得、式中、R
1は上で定義された通りであり、R
4は、ヒドロカルビルである。一実施形態では、EはH
3CC(=O)O−(アセトキシ)であり、qは1である。一実施形態では、Eは(CH
3)(CH
3CH
2)C=N−O−(メチルエチルケトオキシミル(methylethylketoxyimyl))であり、qは1である。
【0156】
一実施形態では、直鎖状オルガノシロキサンは、式
(CH
3)
q(E)
(3−q)SiO[(CH
3)
2SiO
2/2)]
nSi(E)
(3−q)(CH
3)
qを有し、式中、E、n及びqは上で定義した通りである。
【0157】
一実施形態では、直鎖状オルガノシロキサンは、式
(CH
3)
q(E)
(3−q)SiO[(CH
3)(C
6H
5)SiO
2/2)]
nSi(E)
(3−q)(CH
3)
qを有し、式中、E、n及びqは上で定義した通りである。
【0158】
成分a)として好適な直鎖状オルガノシロキサンを調製するためのプロセスは、既知である。いくつかの実施形態では、シラノール末端ポリジオルガノシロキサンは、アルキルトリアセトキシシラン(alkyltriacetoxysilane)又はジアルキルケトオキシム(dialkylketoxime)などの「末端ブロック」化合物と反応させられる。末端封鎖反応の化学量は、ポリジオルガノシロキサン上の全てのシラノール基と反応させるのに十分な量の末端封鎖化合物が添加されるように、調整され得る。いくつかの実施形態では、ポリジオルガノシロキサン上のシラノールのモル当たり1モルの末端封鎖化合物が使用される。あるいは、1〜10%といったわずかにモル過剰の末端封鎖化合物が使用されてもよい。反応は、シラノールポリジオルガノシロキサンの縮合反応を最小化する無水条件下で行われる。いくつかの実施形態では、シラノール末端ポリジオルガノシロキサン及び末端封鎖化合物を、無水条件下で有機溶媒中に溶解させ、室温又は高温(例えば、最高で溶媒の沸点)で反応させる。
【0159】
(b)オルガノシロキサン樹脂:
本発明のプロセスにおける成分b)は、その式中に少なくとも60モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含むオルガノシロキサン樹脂であり、式中、各R
2は、各発生において、独立して、C
1〜C
20ヒドロカルビルである。本明細書で使用するとき、ヒドロカルビルはまた、ハロゲン置換ヒドロカルビルを含み、ハロゲンは、塩素、フッ素、臭素、又はそれらの組み合わせであり得る。各R
2は、各発生において、独立して、フェニル、ナフチル、アンスリル基などのアリール基であり得る。あるいは、各R
2は、各発生において、独立して、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどのアルキル基であり得る。あるいは、各R
2は、各発生において、独立して、上述のアルキル又はアリール基の任意の組み合わせであり得る。あるいは、各R
2は、各発生において、独立して、フェニル又はメチルであり得る。
【0160】
オルガノシロキサン樹脂は、任意の量及び組み合わせの他のM、D及びQシロキシ単位を含有し得るが、但し、オルガノシロキサン樹脂は、少なくとも70モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含有し、あるいはオルガノシロキサン樹脂は、少なくとも80モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含有し、あるいはオルガノシロキサン樹脂は、少なくとも90モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含有し、あるいはオルガノシロキサン樹脂は、少なくとも95モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含有する。いくつかの実施形態では、オルガノシロキサン樹脂は、約70〜約100モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位、例えば、約70〜約95モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位、約80〜約95モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位、又は約90〜約95モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含む。成分b)として有用なオルガノシロキサン樹脂としては、「シルセスキオキサン」として知られるものが挙げられる。
【0161】
オルガノシロキサン樹脂の重量平均分子量(M
w)は、限定されないが、いくつかの実施形態では、1000〜10,000、あるいは1500〜5000g/モルに及ぶ。
【0162】
当業者は、このような多量の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含有するオルガノシロキサン樹脂が特定の濃度のSi−OZを本質的に有し、式中、Zは、水素(すなわち、シラノール)、アルキル基(したがって、OZはアルコキシ基である)であり得、あるいはOZはまた、上で説明するようないずれかの「E」加水分解性基であり得ることを認識している。オルガノシロキサン樹脂上に存在する全てのシロキシ基のモル百分率によるSi−OZ含有量は、
29Si NMRにより容易に判定され得る。オルガノシロキサン樹脂上に存在するOZ基の濃度は、樹脂の調製モード及び後続処理に応じ様々である。いくつかの実施形態では、本発明のプロセスにおける使用に好適なオルガノシロキサン樹脂のシラノール(Si−OH)含有量は、少なくとも5モル%、あるいは少なくとも10モル%、あるいは25モル%、あるいは40モル%、あるいは50モル%のシラノール含有量を有する。他の実施形態では、シラノール含有量は、約5モル%〜約60モル%、例えば、約10モル%〜約60モル%、約25モル%〜約60モル%、約40モル%〜約60モル%、約25モル%〜約40モル%、又は約25モル%〜約50モル%である。
【0163】
少なくとも60モル%の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位を含有するオルガノシロキサン樹脂及びこれらの調製方法は、当該技術分野において既知である。それらは、いくつかの実施形態では、有機溶媒中のハロゲン又はアルコキシ基などの、シリコン原子上の3つの加水分解性基を有するオルガノシランを加水分解することにより調製される。シルセスキオキサン樹脂を調製するための代表的な例は、米国特許第5,075,103号に見出され得る。更に、多くのオルガノシロキサン樹脂は市販されており、固体(フレーク又は粉末)か又は有機溶媒溶液のいずれかとして販売されている。成分b)として有用な、好適な非限定的な市販のオルガノシロキサン樹脂としては、Dow Corning(登録商標)217フレーク樹脂、233フレーク、220フレーク、249フレーク、255フレーク、Z−6018フレーク(Dow Corning Corporation(Midland,MI))が挙げられる。
【0164】
当業者は更に、このような多量の[R
2SiO
3/2]シロキシ単位及びシラノール含有量を含有するオルガノシロキサン樹脂はまた、特に高湿度条件下で、水分子を保持し得ることを認識している。したがって、工程Iにおける反応に先立ってオルガノシロキサン樹脂を「乾燥」させることにより、樹脂上に存在する過剰な水を除去することが、多くの場合、有益である。これは、オルガノシロキサン樹脂を有機溶媒中に溶解させ、加熱して還流させ、分離技術(例えば、Dean Starkトラップ又は同等のプロセス)により水を除去することによって達成され得る。
【0165】
工程Iの反応で使用されるa)及びb)の量は、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーに40〜90モル%のジシロキシ単位[R
12SiO
2/2]及び10〜60モル%のトリシロキシ単位[R
2SiO
3/2]をもたらすように選択される。成分a)及びb)内に存在するジシロキシ及びトリシロキシ単位のモル%は、
29Si NMR技術を使用して、容易に判定され得る。次に、開始時のモル%により、工程Iにおいて使用される成分a)及びb)の質量を決定する。
【0166】
選択される成分a)及びb)の量はまた、添加する直鎖状オルガノシロキサンの量に対するオルガノシロキサン樹脂上のシラノール基のモル過剰をもたらし得る。したがって、工程I)において添加した全ての直鎖状オルガノシロキサンと反応させることができるように、十分な量のオルガノシロキサン樹脂が添加され得る。同様に、モル過剰のオルガノシロキサン樹脂が使用される。使用する量は、直鎖状オルガノシロキサンのモル当たりに使用されるオルガノシロキサン樹脂のモル数を計算することにより決定され得る。
【0167】
上で論じたように、工程Iにおいて達成される反応は、直鎖状オルガノシロキサンの加水分解性基とオルガノシロキサン樹脂上のシラノール基との間の縮合反応である。本明細書に記載のプロセスの工程IIにおいて更に反応させるためには、形成された樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーの樹脂成分上に十分な量のシラノール基が残存している必要がある。いくつかの実施形態では、少なくとも10モル%、あるいは少なくとも20モル%、又はあるいは少なくとも30モル%のシラノールが、本明細書に記載のプロセスの工程Iで生成された樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーのトリシロキシ単位上に残存し得る。いくつかの実施形態では、約10モル%〜約60モル%、例えば、約20モル%〜約60モル%、又は約30モル%〜約60モル%が、本明細書に記載のプロセスの工程Iで生成された樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーのトリシロキシ単位上に残存し得る。
【0168】
上述の(a)直鎖状オルガノシロキサンを(b)オルガノシロキサン樹脂と反応させるための反応条件は限定されない。いくつかの実施形態では、反応条件は、a)直鎖状オルガノシロキサンとb)オルガノシロキサン樹脂との間の縮合型反応を達成するように、選択される。様々な非限定的な実施形態及び反応条件が、本明細書の実施例において説明される。一部の実施形態では、(a)直鎖状オルガノシロキサンと(b)オルガノシロキサン樹脂は、室温にて反応する。他の実施形態では、(a)及び(b)は、室温を超え、最高約50、75、100、又は更に最高150℃の範囲の温度で反応する。あるいは、(a)及び(b)は、溶媒の還流で共に反応し得る。更に他の実施形態では、(a)及び(b)を室温より5、10、又は更に10℃以上下回る温度で反応させる。更に他の実施形態では(a)及び(b)は、1、5、10、30、60、120、若しくは180分、又は更に長い時間で反応する。いくつかの実施形態では、(a)及び(b)は、窒素又は希ガスなどの不活性雰囲気下で反応する。あるいは、(a)と(b)は、一部の水蒸気及び/又は酸素を含む雰囲気下で反応し得る。更に、(a)及び(b)は、任意のサイズの容器中で、ミキサー、ボルテクサー、攪拌機、ヒーター等を含む任意の装置を使用して反応され得る。他の実施形態では、(a)及び(b)は、極性又は非極性であり得る1つ以上の有機溶媒中で反応する。代表的な芳香族溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。有機溶媒中に溶解させるオルガノシロキサン樹脂の量は様々であり得るが、その量は、直鎖状オルガノシロキサンの鎖の延長又はオルガノシロキサン樹脂の早すぎる縮合を最小化するように、選択され得る。
【0169】
成分a)及びb)の添加順序は、様々であり得る。いくつかの実施形態では、直鎖状のオルガノシロキサンが、有機溶媒に溶解されたオルガノシロキサン樹脂の溶液に添加される。この添加の順序は、直鎖状オルガノシロキサンの鎖の延長又はオルガノシロキサン樹脂の早すぎる縮合を最小化するが、直鎖状オルガノシロキサン上の加水分解性基とオルガノシロキサン樹脂上のシラノール基との縮合を向上させると考えられている。他の実施形態では、オルガノシロキサン樹脂が、有機溶媒に溶解された直鎖状オルガノシロキサンの溶液に添加される。
【0170】
工程Iにおける反応の進行及び樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーの形成は、GPC、IR又は
29Si NMRなどの様々な分析技術によりモニターされ得る。いくつかの実施形態では、工程Iで添加された少なくとも95重量パーセント(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の直鎖状オルガノシロキサンが、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマー内に組み込まれるまで、工程Iの反応が継続することが許容される。
【0171】
オルガノシロキサンブロックコポリマーを調製するプロセスの工程IIは、工程Iから得た樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーを更に反応させて、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーのトリシロキシ単位を架橋させて、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーの分子量を少なくとも50%、あるいは少なくとも60%、あるいは少なくとも70%、あるいは少なくとも80%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも100%増加させる工程を含む。いくつかの実施形態では、工程IIは、工程Iからの樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーを更に反応させ、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーのトリシロキシ単位と架橋して、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーの分子量を約50%〜約100%、例えば、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100 %、又は約90%〜約100%増加させることを含む。
【0172】
本方法の第2の工程の反応は、概して、以下の概略図に従って表され得る。
【化2】
【0173】
工程Iにおいて形成された樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーのトリシロキシブロックが、工程IIの反応により架橋され、これがブロックコポリマーの平均分子量を増加させると考えられている。本発明者らはまた、トリシロキシブロックの架橋により、トリシロキシブロックが凝集し濃縮されたブロックコポリマーが生成され、これが最終的にブロックコポリマーの固体組成物内に「ナノドメイン」を生成する助けとなり得ると考えている。換言すれば、このトリシロキシブロックの凝集による濃縮は、ブロックコポリマーがフィルム又は硬化済みコーティングなどの固体形態で単離される場合には、相分離し得る。ブロックコポリマー内のトリシロキシブロックの凝集による濃縮及びその後のブロックコポリマーを含有する固体組成物内での「ナノドメイン」の生成は、これらの組成物の光学的透明度並びにこれらの物質に関連する他の物理的特性の向上をもたらし得る。
【0174】
工程IIにおける架橋反応は、様々な化学的機序及び/又は部分を介して達成され得る。例えば、ブロックコポリマー内の非直鎖状ブロックの架橋は、コポリマーの非直鎖状ブロック内に存在する残留シラノール基の縮合から生じ得る。ブロックコポリマー内の非直鎖状ブロックの架橋はまた、「遊離樹脂」成分と非直鎖状ブロックとの間で生じ得る。「遊離樹脂」成分は、ブロックコポリマーの調製工程Iにおいて過剰量のオルガノシロキサン樹脂を使用する結果として、ブロックコポリマー組成物中に存在し得る。遊離樹脂成分は、非直鎖状ブロック上及び遊離樹脂上に存在する残留シラノール基の縮合により非直鎖状ブロックと架橋し得る。遊離樹脂は、本明細書に記載ように、架橋剤として添加された低分子量化合物と反応することにより、架橋をもたらし得る。
【0175】
本発明の方法の工程IIは、工程Iの樹脂−直鎖状オルガノシロキサンの形成と同時に生じ得る、又は工程IIの反応を達成するように条件を修正した分離反応を伴う。工程IIの反応は、工程Iと同じ条件下で生じ得る。この状況において、工程IIの反応は、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーが形成されるにつれて、進行する。あるいは、工程I)に使用される反応条件は、更に工程IIの反応にも拡大適用される。あるいは、反応条件は変更することができ、又は、工程IIの反応を達成するために追加の成分を添加することができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、工程IIの反応条件は、出発物質である直鎖状オルガノシロキサンにおいて使用される加水分解性基(E)の選択によって異なり得る。直鎖状オルガノシロキサン内の(E)がオキシム基である場合、工程IIの反応が工程Iと同じ反応条件下で生じる可能性がある。すなわち、直鎖状−樹脂オルガノシロキサンコポリマーが工程Iにおいて形成されると、それは、樹脂成分上に存在するシラノール基の縮合を介して継続して反応し、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーの分子量を更に増加させる。いかなる理論によっても束縛されることを望むものではないが、(E)がオキシモ基であるとき、工程Iの反応から得られた加水分解されたオキシモ基(例えば、メチルエチルケトオキシム(methyl ethylketoxime))は、工程IIの反応のための縮合触媒として作用し得ると考えられている。同様に、工程IIの反応は、工程Iと同じ条件下で同時に進行し得る。換言すれば、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーが工程Iにおいて形成されるにつれて、それは更に同じ条件下で反応して、コポリマーの樹脂成分上に存在するシラノール基の縮合反応を介してその分子量を更に増加させ得る。しかしながら、直鎖状オルガノシロキサン上の(E)がアセトキシ基である場合、生じる加水分解性基(酢酸)は工程II)の反応を十分に触媒しない。したがって、この状況では、工程IIの反応は、樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーの樹脂成分の縮合を達成する更なる成分により向上され得る。
【0177】
一実施形態では、式R
5qSiX
4−qを有するオルガノシロキサンを工程II)中に添加し、式中、R
5はC
1〜C
8ヒドロカルビル又はC
1〜C
8ハロゲン置換ヒドロカルビルであり、Xは加水分解可能な基であり、qは0、1、又は2である。R
5はC
1〜C
8ヒドロカルビル又はC
1〜C
8ハロゲン置換ヒドロカルビルであり、あるいはR
5はC
1〜C
8アルキル基又はフェニル基であり、あるいはR
5はメチル、エチル、又はメチルとエチルの組み合わせである。Xは任意の加水分解性基であり、あるいはXは上記に定義されたようなE、ハロゲン原子、ヒドロキシル(OH)又はアルコキシ基であり得る。一実施形態では、オルガノシランは、アルキルトリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン又はこれらの組み合わせである。市販の代表的なアルキルトリアセトキシシランとしては、ETS−900(Dow Corning Corp.(Midland,MI))が挙げられる。本実施形態において有用な、他の好適な非限定のオルガノシランとしては、メチル−トリス(メチルエチルケトキシム)シラン(MTO)、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラオキシムシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジオキシムシラン、メチルトリス(メチルメチルケトキシム)シランが挙げられる。
【0178】
工程II)中に添加する際の式R
5qSiX
4−qを有するオルガノシランの量は様々であり得るが、プロセスにおいて使用されるオルガノシロキサン樹脂の量に基づき得る。使用されるシランの量は、オルガノシロキサン樹脂上のSiのモル当たり2〜15モル%のオルガノシランのモル化学量をもたらし得る。更に、工程II)中に添加される式R
5qSiX
4−qを有するオルガノシランの量は、オルガノシロキサンブロックコポリマー上の全てのシラノール基を消費しない化学量を確保するように制御される。一実施形態では、工程IIにおいて添加されるオルガノシランの量は、0.5〜35モルパーセントのシラノール基[≡SiOH]を含有するオルガノシロキサンブロックコポリマーをもたらすように選択される。
【0179】
本発明の方法における工程IIIは任意であり、貯蔵安定性及び/又は光学的透明性を向上させるために、上述の方法工程を用いて形成されたオルガノシロキサンブロックコポリマーを加工することを更に含む。本明細書で使用するとき、句「更に加工する」は、貯蔵安定性及び/又は光学的透明度を向上させるためにオルガノシロキサンブロックコポリマーの任意の更なる反応又は処理を説明する。工程IIにおいて生成される樹脂−直鎖状オルガノシロキサンコポリマーは、反応性「OZ」基(例えば、≡SiOZ基、式中、Zは上で定義した通りである)、及び/又はX基(式R
5qSiX
4−qを有するオルガノシランが工程IIにおいて使用される場合、Xはブロックコポリマーの中に導入される)をある量含有し得る。この段階でオルガノシロキサンブロックコポリマー上に存在するOZ基は、樹脂成分上に元々存在したシラノール基、又はオルガノシランが工程IIにおいて使用される場合に、式R
5qSiX
4−qを有するオルガノシラン及びシラノール基の反応から生じ得るシラノール基であり得る。あるいは、残留シラノール基の更なる反応は、樹脂ドメインの形成を更に向上させ、オルガノシロキサンブロックコポリマーの光学的透明度を改善し得る。したがって、任意の工程IIIは、工程II中に生じるオルガノシロキサンブロックコポリマー上のOZ又はXを更に反応させて、貯蔵安定性及び/又は光学的透明度を改善するために、実行され得る。工程IIIのための条件は、使用される直鎖状成分及び樹脂成分、これらの量、及び末端封鎖化合物の選択に応じ、様々であり得る。
【0180】
本方法の一実施形態では、工程IIIは、工程IIからのオルガノシロキサンブロックコポリマーを水と反応させ、本方法で形成される酢酸などの任意の小分子量化合物を除去することにより、実行される。本実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、いくつかの実施形態で直鎖状オルガノシロキサンから生じ、Eはアセトキシ基であり、及び/又はアセトキシシランが工程IIにおいて使用される。いかなる理論によっても束縛されることを望むものではないが、工程IIで形成されたオルガノシロキサンブロックコポリマーは、ある量の加水分解性Si−O−C(O)CH
3基を含み得、これは、オルガノシロキサンブロックコポリマーの貯蔵安定性を制限し得る。したがって、工程IIから形成される樹脂−直鎖状オルガノシロキサンコポリマーに水を添加してもよく、これは、Si−O−C(O)CH
3基を加水分解して、トリシロキシ単位を更に連結し、酢酸を除去し得る。形成された酢酸及び過剰な水は、既知の分離技術により除去され得る。本実施形態では添加される水の量は様々であり得るが、いくつかの実施形態では、全固形分当たり10重量%、あるいは5重量%が添加される(反応媒質中のオルガノシロキサンブロックコポリマーに基づいたとき)。
【0181】
本方法の別の実施形態では、工程IIIは、アルコール、オキシム、又はトリアルキルシロキシ化合物から選択される末端封鎖化合物と、工程IIからのオルガノシロキサンブロックコポリマーとを反応させることによって実行される。本実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、Eがオキシム基である直鎖状オルガノシロキサンから生成される。末端封鎖化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、又はこの一連の他のものなどの、C
1〜C
20アルコールであり得る。あるいは、アルコールはn−ブタノールである。末端封鎖化合物はまた、トリメチルメトキシシラン又はトリメチルエトキシシランなどのトリアルキルシロキシ化合物であってもよい。末端封鎖化合物の量は様々であり得、オルガノシロキサンブロックコポリマーに対して3〜15重量%の間であり得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、工程IIIは、工程IIからの樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーに超強塩基触媒又は安定剤を添加することを含む。工程IIIで使用される超強塩基触媒及び安定剤の量は、上に説明したものと同じである。
【0183】
工程IVは任意であり、工程I及びIIの反応において使用される有機溶媒を除去する工程を含む。有機溶媒は任意の既知の技術により除去され得るが、いくつかの実施形態では、大気条件下又は減圧条件下のいずれかで高温にて樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマー組成物を加熱する工程を含む。いくつかの実施形態では、全ての溶媒が除去されるわけではない。本実施形態では、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%の溶媒が除去され、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の溶媒が除去される。いくつかの実施形態では、20%未満の溶媒が除去され、例えば、15%未満、10%未満、5%未満、又は0%の溶媒が除去される。他の実施形態では、約20%〜約100%の溶媒が除去され、例えば、約30%〜約90%、約20%〜約80%、約30〜約60%、約50〜約60%、約70〜約80%、又は約50%〜約90%の溶媒が除去される。
【0184】
追加の非限定的な実施形態では、本開示は、公開されているPCT国際特許第2012/040302号、国際特許第012/040305号、国際特許第2012/040367号、国際特許第2012/040453号、及び国際特許第2012/040457号(これらは全て、参照することにより本明細書に組み込まれる)のうちの1つ以上に記載されているように、1つ以上の要素、成分、方法工程、試験方法等を含む。
【0185】
導光板の形成方法
本開示はまた、導光板(52)の形成方法を提供する。導光板(52)は、単に、オルガノシロキサンブロックコポリマーを形成することによって、形成され得る。様々な実施形態では、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、上に説明されるように、シート形状等を形成するように更に加工され、それによって、導光板(52)を形成する。オルガノシロキサンブロックコポリマーは、当該技術分野で既知の任意の方法、上で説明する任意の工程等を用いて、導光板(52)を形成するように加工され得る。例えば、オルガノシロキサンブロックコポリマーは、シート状に形成され得、このシートは、次いで、リボン/ストリップに切断され得、これは、その後、折り畳まれる、又はそうでなければ、導光板(52)を形成するように操作される。
【0186】
物品
本開示はまた、光源(54)と、その上に配設される導光板(52)を含む物品(50)を提供する。用語「その上に配設される」は、導光板(52)が、光源(54)上に直接接触して配設され得る、又は光源(54)上に配設されるが離間した状態であり、それにも関わらず、その上に配設され得ることを説明する。
【0187】
物品(50)は、代替的に、固体照明として説明され得、インストルメントパネル&スイッチ、カーテシ照明、ウィンカー及びストップ信号、家庭用器具、VCR/DVD/ステレオ/オーディオ/ビデオデバイス、おもちゃ/ゲーム器具類、防犯設備、スイッチ、建築照明、標識(経路識別文字)、マシンビジョン、小売ディスプレイ、非常用照明、ネオンサイン及び電球代替品、懐中電灯、アクセント照明、フルカラービデオ、白黒メッセージボード、交通、鉄道、航空用途に、携帯電話に、PDA、デジタルカメラ、ラップトップ、医療機器に、バーコードリーダー、色&マネーセンサー、エンコーダー、光スイッチ、光ファイバー通信、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の用途で使用することができる。
【0188】
物品(50)はまた、基板及び/又は上板を含み得る。基板は、物品(50)の裏面に保護を提供し得る一方、上板は、物品(50)の前面に保護を提供し得る。基板及び上板は同じ又は異なっていてもよく、各々が、独立して、当該技術分野において既知の任意の好適な材料を含み得る。基板及び/又は上板は、柔軟かつ可撓性であってもよいか、又は剛性かつ硬質であってもよい。あるいは、基板及び/又は上板は、剛性かつ硬質の部分を含みつつ、同時に柔軟かつ可撓性の部分を含んでもよい。基板及び/又は上板は、光に透明であってもよく、半透明でもよく、光を透過させなくてもよい(すなわち、光を通さなくてもよい)。いくつかの実施形態では、上板は、光を透過させる。一実施形態では、基板及び/又は上板は、ガラスを含む。別の実施形態では、基板及び/又は上板は、金属箔、ポリイミド、エチレン−ビニルアセテート共重合体、及び/又は有機フルオロポリマー(限定されるものではないが、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、Tedlar(登録商標)、ポリエステル/Tedlar(登録商標)、Tedlar(登録商標)/ポリエステル/Tedlar(登録商標)が挙げられる)、ポリエチレンテレフタレート(PET)単独又はケイ素と酸化材料(SiOx)でコーティングされたもの、並びにこれらの組み合わせを含む)を含む。一実施形態では、基板は更に、PET/SiOx−PET/Al基板(式中、xは1〜4の値である)として定義される。
【0189】
基板及び/又は上板は、耐荷重性又は非耐荷重性でもよく、物品(50)の任意の部分に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、基板は、耐荷重性である。基板は、いくつかの実施形態では、発光ダイオードの後方に位置付けられ、機械的支持として作用する物品(50)の「底層」であり得る。あるいは、物品(50)は、第2の若しくは追加の基板及び/又は上板を含み得る。基板は、物品(50)の底層であり得る一方、第2の基板は、最上層であり得、上板として機能し得る。いくつかの実施形態では、第2の基板(例えば、上板として機能する第2の基板)は、光(例えば、可視、紫外、及び/又は赤外光)に対して透明であり、基板の上に位置付けられる。第2の基板は、雨、雪、熱等の環境条件から物品(50)を保護するために使用され得る。一実施形態では、第2の基板は、上板として機能し、光に対して透明であり、物品(50)の前面を保護するために使用される剛性のガラス盤である。
【0190】
加えて、物品(50)はまた、1つ以上の結合層を含み得る。1つ以上の結合層は、発光ダイオードを基板に接着するように、基板上に配設され得る。一実施形態では、物品(50)は、基板を含まず、結合層を含まない。結合層は、紫外線、赤外線、及び/又は可視光に対して透明であり得る。しかしながら、結合層は、光に対して不透過性又は不透明であってもよい。結合層は、粘着性であり得、ゲル、ガム、液体、ペースト、樹脂、又は固体であり得る。一実施形態では、結合層は、フィルムである。
【0191】
更に、物品(50)は蛍光体を含み得る。蛍光体は、特に限定されず、当該技術分野で既知の任意のものを含み得る。一実施形態では、蛍光体は、ホスト材料と、銅活性化硫化亜鉛及び銀活性化硫化亜鉛などの賦活体とから作製される。好適であるが、非限定的なホスト材料としては、酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、セレン化物、亜鉛のハロゲン化物若しくはケイ酸塩、カドミウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素、又は様々な希土類金属が挙げられる。追加の好適な蛍光体としては、Zn
2SiO
4:Mn(ケイ酸亜鉛鉱);ZnS:Ag+(Zn,Cd)S:Ag;ZnS:Ag+ZnS:Cu+Y
2O
2S:Eu;ZnO:Zn;KCl;ZnS:Ag、Cl又はZnS:Zn;(KF,MgF
2):Mn;(Zn,Cd)S:Ag又は(Zn,Cd)S:Cu;Y
2O
2S:Eu+Fe
2O3,ZnS:Cu,Al;ZnS:Ag+Co−オン−Al
2O
3;(KF,MgF
2):Mn;(Zn,Cd)S:Cu,Cl;ZnS:Cu又はZnS:Cu,Ag;MgF
2:Mn;(Zn,Mg)F
2:Mn;Zn
2SiO
4:Mn,As;ZnS:Ag+(Zn,Cd)S:Cu;Gd
2O
2S:Tb;Y
2O
2S:Tb;Y
3Al
5O
12:Ce;Y
2SiO
5:Ce;Y
3Al
5O
12:Tb;ZnS:Ag,Al;ZnS:Ag;ZnS:Cu,Al又はZnS:Cu,Au,Al;(Zn,Cd)S:Cu,Cl+(Zn,Cd)S:Ag,Cl;Y
2SiO
5:Tb;Y
2OS:Tb;Y
3(Al,Ga)
5O
12:Ce;Y
3(Al,Ga)
5O
12:Tb;InBO
3:Tb;InBO
3:Eu;InBO
3:Tb+InBO
3:Eu;InBO
3:Tb+InBO
3:Eu+ZnS:Ag;(Ba,Eu)Mg
2Al
16O
27;(Ce,Tb)MgAl
11O
19;BaMgAl
10O
17:Eu,Mn;BaMg
2Al
16O
27:Eu(II);BaMgAl
10O
17:Eu,Mn;BaMg
2Al
16O
27:Eu(II),Mn(II);Ce
0.67Tb
0.33MgAl
11O
19:Ce,Tb;Zn
2SiO
4:Mn,Sb
2O
3;CaSiO
3:Pb,Mn;CaWO
4(灰重石);CaWO
4:Pb;MgWO
4;(Sr,Eu,Ba,Ca)
5(PO4)
3Cl;Sr
5Cl(PO
4)
3:Eu(II);(Ca,Sr,Ba)
3(PO
4)
2Cl
2:Eu;(Sr,Ca,Ba)
10(PO
4)
6Cl
2:Eu;Sr
2P
2O
7:Sn(II);Sr
6P
5BO
20:Eu;Ca
5F(PO
4)
3:Sb;(Ba,Ti)
2P
2O
7:Ti;3Sr
3(PO
4)
2.SrF
2:Sb,Mn;Sr
5F(PO
4)
3:Sb,Mn;Sr
5F(PO
4)
3:Sb,Mn;LaPO
4:Ce,Tb;(La,Ce,Tb)PO
4;(La,Ce,Tb)PO
4:Ce,Tb;Ca
3(PO
4)
2.CaF
2:Ce,Mn;(Ca,Zn,Mg)
3(PO
4)
2:Sn;(Zn,Sr)
3(PO
4)
2:Mn;(Sr,Mg)
3(PO
4)
2:Sn;(Sr,Mg)
3(PO
4)
2:Sn(II);Ca
5F(PO
4)
3:Sb,Mn;Ca
5(F,Cl)(PO
4)
3:Sb,Mn;(Y,Eu)
2O
3;Y
2O
3:Eu(III);Mg
4(F)GeO
6:Mn;Mg
4(F)(Ge,Sn)O
6:Mn;Y(P,V)O
4:Eu;YVO
4:Eu;Y
2O
2S:Eu;3.5 MgO・0.5 MgF
2・GeO
2:Mn;Mg
5As
2O
11:Mn;SrAl
2O
7:Pb;LaMgAl
11O
19:Ce;LaPO
4:Ce;SrAl
12O
19:Ce;BaSi
2O
5:Pb;SrFB
2O
3:Eu(II);SrB
4O
7:Eu;Sr
2MgSi
2O
7:Pb;MgGa
2O
4:Mn(II);Gd
2O
2S:Tb;Gd
2O
2S:Eu;Gd
2O
2S:Pr;Gd
2O
2S:Pr,Ce,F;Y
2O
2S:Tb;Y
2O
2S:Eu;Y
2O
2S:Pr;Zn(0.5)Cd(0.4)S:Ag;Zn(0.4)Cd(0.6)S:Ag;CdWO
4;CaWO
4;MgWO
4;Y
2SiO
5:Ce;YAlO
3:Ce;Y
3Al
5O
12:Ce;Y
3(Al,Ga)
5O
12:Ce;CdS:In;ZnO:Ga;ZnO:Zn;(Zn,Cd)S:Cu,Al;ZnS:Cu,Al,Au;ZnCdS:Ag,Cu;ZnS:Ag;アントラセン,EJ−212,Zn
2SiO
4:Mn;ZnS:Cu;NaI:Tl;CsI:Tl;LiF/ZnS:Ag;LiF/ZnSCu、Al、Au、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0192】
蛍光体は、物品(50)の任意の部分に存在し得る。蛍光体は、固体組成物中に分散されてもよく、及び/又は物品(50)内の別個の層として存在してもよい。換言すれば、蛍光体は、固体組成物から独立した層中に存在し得る、若しくは(例えば、ある勾配パターンで)均一に全体に分散する固体組成物と組み合わされ得る、又は固体組成物の一部の領域でより高い濃度で、及び固体組成物の他の領域でより低い濃度で存在し得る。別の実施形態では、蛍光体は、レンズ内に存在する。
【0193】
物品(50)はまた、剥離ライナーを含み得る。剥離ライナーは、シリコン処理されたPET又はフッ素化ライナーなどの当該技術分野で既知の任意のものであり得る。いくつかの実施形態では、これらの剥離ライナーは滑らかだが、(例えば、反射防止面に、又は反射防止面として)テクスチャ加工することもできる。
【0194】
物品の形成方法:
本開示は、物品(50)を形成する方法も提供する。本方法は、光源(54)及び導光板(52)を組み合わせて物品(50)を形成する工程を含む。組み合わせ工程は、特に限定されず、互いに隣接して若しくは互いの上に、及び/又は互いに直接的又は間接的に接触するように、光源(54)及び導光板(52)を配設することを含み得る、又は更にそのように定義され得る。例えば、導光板(52)は、光源(54)上に、かつ直接接触して配設され得る。あるいは、導光板(52)は、光源(54)上に配設され得るが、分離されて直接接触せず、なおかつ光源(54)上に配置され得る。
【0195】
導光板(52)は、流れるように加熱される、溶融される、プレスされる、(真空)積層される、圧縮成形される、注入転写成形される、カレンダー加工される、ホットエンボス加工される、注入成形される、押出成形される、又は固体から液体若しくは軟化した固体に導光板(52)を変化させる任意の他の加工工程が行われ得る。次いで、液体又は軟化した導光板(52)は、前述の技術のうちの任意の1つ以上によって、噴霧、注入、塗装、コーティング、浸漬、ブラッシング等を介して、光源(54)に適用され得る。
【0196】
一実施形態では、組み合わせる工程は、導光板(52)が、光源(54)上にかつ直接接触して配設されるようにするように、導光板(52)を溶融することとして、更に定義される。別の実施形態では、組み合わせる工程は、導光板(52)が、光源(54)上にかつ直接接触して配設されるようにするように、導光板(52)を溶融することとして、更に定義される。更に別の実施形態では、本方法は、溶媒中の固体組成物(例えば導光板(52))の溶液を提供する(例えば、溶媒中で溶解又は部分的に溶解する)工程を更に含む。なお更なる実施形態では、本方法は、溶媒を除去して固体組成物及び導光板(52)を形成する工程の後、導光板(52)及び光源(54)を組み合わせる工程を含む。更に別の実施形態では、本方法は、溶媒を除去する工程の後、並びに導光板(52)及び光源(54)を組み合わせる工程の前に、固体組成物を形成する工程を更に含む。
【0197】
他の実施形態では、本方法は、例えば、縮合反応、フリーラジカル反応、又はヒドロシリル化反応を介して、固体組成物を硬化させる工程を含む。任意の触媒、添加剤等が、硬化工程において利用され得ることが企図される。例えば、酸性又は塩基性の縮合触媒が利用され得る。あるいは、白金触媒などのヒドロシリル化触媒が利用され得る。一実施形態では、硬化工程は、固体組成物の溶融温度よりも高い温度で起こる。あるいは、硬化の工程は、固体組成物の溶融温度よりも高い温度で起こる。
【実施例】
【0198】
(実施例1)
【0199】
【表1】
【0200】
手順:
2Lの3首丸底フラスコに、トルエン(544.0g)及びフェニルT樹脂(216.0g)を装填した。このフラスコに、温度計と、Teflon撹拌パドルと、水冷凝縮器に取り付けたDean Stark装置とを装備させた。窒素封入を行った。Dean Stark装置をトルエンで予め充填した。加熱マントルを加熱に使用した。溶液を30分間還流で加熱し、次いで、108℃(ポットの温度)まで冷却した。OH−PhMe−OHにメチルトリアセトキシシラン(MTA)/エチルトリアセトキシシラン(ETA)を添加して、2時間室温で混合することによって、トルエン(176.0g)及びOH−のPhMe−OH(264.0g)の溶液を、(同日)窒素下のグローブボックス内で50/50 MTA/ETA(4.84g、0.0209molsのSi)でキャップした。次いで、この溶液を108℃でフェニルT樹脂に迅速に添加し、2時間還流で加熱し、次いで、108℃まで冷却した。50/50 MTA/ETAの追加量(38.32g、0.166molsのSi)を添加し、2時間還流で加熱し、次いで、90℃のポットの温度まで冷却した。次いで、脱イオン(DI)水(33.63g)を添加して、(水を除去せず)1時間還流で加熱した。次いで、水を加熱しながら共沸蒸留により除去した。次いで、還流を3時間継続し、溶液を100℃まで冷却した。次いで、予備乾燥させたDarco G60カーボンブラック(4.80g)を添加し、この溶液を撹拌しながら室温まで冷却し、次いで、室温で一晩撹拌した。溶液は、次いで、式D
PhMe0.519T
アルキル0.050T
Ph0.431を有するオルガノシロキサンブロックコポリマーを回収するように0.45μmの濾過器を通して加圧濾過された(
29Si NMRによって確認されるとき、OZ=22mol%)。
【0201】
(実施例2)
【0202】
【表2】
【0203】
手順:
5Lの4首丸底フラスコに、トルエン(1000.0g)及びフェニルT樹脂(280.2g)を装填した。このフラスコに、温度計と、Teflon撹拌パドルと、水冷凝縮器に取り付けたDean Stark装置とを装備させた。窒素封入を行った。加熱には油浴を使用した。Dean Stark装置をトルエンで予め充填し、30分間還流で溶液を加熱し、次いで、108℃(ポットの温度)まで冷却した。次いで、トルエン(500.0g)及びシラノール末端PDMS(720.0g)の溶液を50/50のMTA/ETAで末端封鎖し、末端封鎖は、MTA/ETA(23.77g、0.1028molsのSi)をシラノール末端PDMSに添加し、室温にて30分にわたって混合することにより、窒素下でグローブボックス内で(同日)行った。次いで、この溶液を108℃でフェニルT樹脂溶液に迅速に添加し、反応混合物は不透明になり、その後19分で透明になる。次いで、約3時間15分還流で反応混合物を加熱した。次いで、50/50 MTA/ETA(22.63g、0.0979molsのSi)を反応混合物に加え、1時間還流で加熱した。次いで、溶液を100℃まで冷却し、追加の脱イオン水(36.1g)を添加した。その後、溶液を30分間88〜90℃に加熱し、次いで、還流で加熱し、共沸蒸留を介して水を除去した。次いで、溶液を室温で一晩放置し、2時間還流で加熱し、その後、100℃まで冷却した。酢酸レベルを低減させるために、次いで、126.8gの脱イオン水を加え、水を3.25時間の間にわたって共沸的に除去した。追加量の脱イオン水(162.8g)を添加し、4.75時間の間にわたって共沸的に除去した。次いで、予備乾燥させたDarco G60カーボンブラック(10g)を添加し、溶液を攪拌しながら室温まで冷却し、次いで、室温で一晩撹拌させた。溶液は、次いで、式D
Me20.815T
アルキル0.017T
Ph0.168を有するオルガノシロキサンブロックコポリマーを回収するように0.45μmの濾過器を通して加圧濾過された(
29Si NMRによって確認されるとき、OZ=6.56mol%)。
【0204】
(実施例3)
【0205】
【表3】
【0206】
手順:
12Lの3首丸底フラスコに、トルエン(3803.9g)及びフェニルT樹脂(942.5g)を装填した。このフラスコに、温度計と、Teflon撹拌パドルと、水冷凝縮器に取り付けたDean Stark装置とを装備した。窒素封入を行った。Dean Stark装置をトルエンで予め充填した。加熱マントルを加熱に使用した。溶液を30分間還流で加熱し、次いで、108℃(ポットの温度)まで冷却した。次いで、トルエン(1344g)+OH−PDMS−OH(1829.0g)の溶液を、窒素雰囲気中で5Lの3首丸底フラスコ中においてMTOでキャップし、2時間室温で混合した。続いて、この溶液を110℃でフェニルT樹脂に添加した。この反応混合物は、最初は不透明であったが、その後、2分以内に透明になった。反応混合物を還流させながら2時間10分にわたって加熱した。次いで、n−ブタノール(276.0g)の量を添加し、3時間還流で溶液を加熱した。次いで、トルエン(2913g)を留去して、〜50%の固体含有量を増加させた。次いで、〜2.5時間にわたって65〜75℃のポットの温度で真空を適用した。溶液は、次いで、3日間、式D
Me20.774T
Me0.009T
Ph0.217を有するオルガノシロキサンブロックコポリマーを回収するように据付けされた後、5.0μmの濾過器を通して加圧濾過された(
29Si NMRによって確認されるとき、OZ=6.23mol%)。
【0207】
実施例1〜3の組成物を形成した後、各試料を評価して、加熱老化前及び後の両方において、色、屈折率、及び破断点引張強度を判定した。標準的な工業比較例としてPMMAの試料をもまた評価して、加熱老化前及び後の両方において同じ特性を判定した。これらの判定の結果を以下に示す。
【0208】
【表4】
*「該当なし」は、試料が物理的な劣化により試験できないことを示す。
【0209】
色は、目視検査、及びSylgard 184などの従来の硬化したPDMSと比較することによって評価される。
【0210】
屈折率は、632.8ナノメータでヘリウム・ネオンレーザー源を使用して、かつ「バルク指数」モードで動作するMetricon 2010プリズム結合器を使用して評価される。
【0211】
破断点引張強度は、ASTM D412を使用して評価される。
【0212】
透過は、上で説明した式を用いて評価される。
【0213】
ヘイズは、ASTM D1003を用いて評価される。
【0214】
上記のデータは、本開示の例1〜3の組成物が、加熱老化後にPMMAをしのぐことを明らかに示す。より具体的には、PMMAは、更なる物理的特性試験を完了することができない程度まで全体的に低下する。LEDを含むものなどの物品に適用される際、PMMAは、加熱された光源と直接接触して、又は高熱環境においては、効果的に使用することができない。本開示の組成物は、このような環境において使用することができ、PMMAをしのぎ得る。
【0215】
上で説明した値の1つ以上は、変動が本発明の範囲内に留まる限り、±5%、±10%、±15%、±20%、±25%などで変動し得る。全ての他の要素から独立したマーカッシュ群の各要素から予期せぬ結果が生じ得る。各部材は、個別にかつ/又は組み合わせで依存してもよく、添付の「特許請求の範囲」に含まれる特定の実施形態を十分に支援する。独立請求項及び従属請求項(単一項従属及び多項従属の両者とも)の全ての組み合わせの対象が、本明細書で明確に企図される。本開示は、説明を明示的に包含するものであり、なんら制限するものではない。上記の教示を鑑みれば、本開示の多数の修正及び変形が可能となり、本開示は、本明細書で具体的に説明した以外の形でも実施され得る。