(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
大当り抽選に当選した場合の大当りの種類には利益が異なる複数種類の大当りがあり、前記大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームで大当り図柄が導出された後に大当り遊技が行われ、前記大当り遊技中に利益が大きい大当りである旨を報知する第1演出を実行可能な遊技機において、
前記大当りの種類には、第1の大当りと当該第1の大当りよりも利益が大きい第2の大当りとがあり、
前記大当り図柄には、前記第1の大当り及び前記第2の大当りの何れの大当りの場合にも導出される第1の大当り図柄と、前記第2の大当りの場合に導出される第2の大当り図柄と、を含み、
前記第1演出を実行する第1演出実行手段と、
前記図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球の中に大当りとなる始動保留球が含まれているか否かを判定する保留内当り判定手段と、
前記保留内当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、大当りの種類を判定する大当り種判定手段と、
前記大当り種判定手段が判定した大当りの種類が前記第2の大当りである場合に、前記始動保留球の中に大当りとなる始動保留球が含まれている旨を報知する第2演出を実行する第2演出実行手段と、
前記第1演出実行手段及び前記第2演出実行手段を制御する実行制御手段と、を備え、
前記実行制御手段は、前記第1の大当り図柄が導出された場合であって、前記大当り遊技中に演出用操作手段が操作されたことによって前記第1演出を実行させ、当該第1演出が実行された後に、前記第2演出を実行させることができ、前記第1の大当り図柄が導出された場合であって、前記大当り遊技中に演出用操作手段が操作されなかったときには前記第1演出並びに前記第2演出を実行させず、前記第2の大当り図柄が導出された場合は前記第1演出を実行させることなく、前記第2演出を実行させることができることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した実施形態を
図1〜
図6にしたがって説明する。
パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。本実施形態では、演出表示装置11がゲーム実行手段となる。また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0014】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
【0015】
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。
【0016】
特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置13が配設されている。特別図柄保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行保留中の図柄変動ゲームの実行回数となる。
【0017】
特別図柄表示装置12の右上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。
【0018】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(
図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態では、始動入賞口15、及び始動口スイッチSW1が始動手段を構成する。
【0019】
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(
図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。この大当り遊技については、後述する。
【0020】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(
図3に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0021】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、演出用操作手段としての演出用ボタンBTが装備されている(
図3に示す)。この演出用ボタンBTは、パチンコ遊技機において、例えば、遊技球を貯留するための球皿ユニットの上面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。また、演出表示装置11の上方には、図示しない発光体(LEDなど)をランプレンズで覆って構成した発光装置Lが配設されている。
【0022】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる特典としての確変状態を付与する機能である。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0023】
また、確変状態では、変動時間短縮(以下「変短」と示す)状態があわせて付与される。変短状態では、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が低確率(通常確率、例えば251分の13)から高確率(例えば251分の250)へ変動(向上)される。また、変短状態において始動入賞口15の開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した際に、変短状態が付与されていない非変短状態とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、予め定めた第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1回数より長い第2開放時間(例えば1.58秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。なお、変短状態は、開閉羽根16の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0024】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、時間短縮(以下「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に確変状態を付与せずに変短状態を付与する機能である。時短状態は、大当り遊技が終了してから予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、付与される。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが特定大当りとしての確変大当りとなり、大当り遊技終了後に時短状態(非確変状態)を付与する大当りが非特定大当りとしての非確変大当りとなる。
【0025】
本実施形態のパチンコ遊技機では、100種類の特別図柄の大当り図柄のうち、60種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄ZAに設定されているとともに、40種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄ZBに設定されている。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、演出表示装置11に表示される飾り図柄のうち、予め定めた飾り図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせが、確変大当りを確定的に認識し得る確変確定の図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定されている。一方、演出表示装置11に表示される飾り図柄のうち、確変大当りを認識し得る図柄組み合わせを構成し得る飾り図柄以外の飾り図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせが、確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る確変非確定の図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄)として設定されている。
【0026】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技中に、当該大当り遊技終了後に確変状態が付与される旨を遊技者に報知する昇格演出を実行可能に構成されている。
図2(a)に示すように、本実施形態の昇格演出では、まず、演出用ボタンBTの操作が有効化される操作有効期間が設定されている旨を報知する説明演出(例えば「PUSH」の文字画像)が演出表示装置11に画像表示される。そして、
図2(b)に示すように、操作有効期間内に演出用ボタンBTが操作されたことを契機として、大当り遊技終了後に確変状態が付与される旨を報知する結果報知演出(例えば「確変おめでとう」の文字画像)が演出表示装置11に画像表示される場合がある(以下「成功演出」と示す)。また、
図2(d)に示すように、操作有効期間内に演出用ボタンBTが操作されたことを契機として、大当り遊技終了後に確変状態又は時短状態(非確変状態)の何れかが付与される旨を報知する結果報知演出(例えば「残念あきらめないで」の文字画像)が演出表示装置11に画像表示される場合がある(以下「失敗演出」と示す)。また、本実施形態の昇格演出では、操作有効期間内に演出用ボタンBTが操作されなかった場合に、操作有効期間の経過を契機として大当り遊技終了後の遊技状態を示さない非報知演出(例えば「?」の文字画像)が演出表示装置11に画像表示される。本実施形態では、昇格演出が特定演出となり、成功演出による結果報知演出(昇格演出)が第1報知演出となる。また、本実施形態では、昇格演出を実行する演出表示装置11が第1演出実行手段、特定演出実行手段、及び状態報知手段となる。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技中に、図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球の中に、確変大当りとなる始動保留球が含まれている旨を遊技者に報知する保留内当り予告演出(以下、単に「予告演出」と示す場合がある)を実行可能に構成されている。本実施形態の予告演出は、常には消灯状態にある発光装置Lを所定時間(本実施形態では1.5秒)にかけて点滅させる態様により実行される。本実施形態では、予告演出が第2報知演出となるとともに、発光装置Lが第2演出実行手段、及び保留当り報知手段となる。
【0028】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を
図3にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0029】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留記憶表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0030】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。なお、本実施形態では、前述した100種類の大当りの特別図柄毎に1つの特別図柄振分用乱数の値が対応付けられている。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0031】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。
【0032】
また、大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態時の大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態時の大当り抽選で当選する確率は600分の20となる。
【0033】
本実施形態の非確変用判定値は、「17、125」の2個に設定されている。一方、本実施形態の確変用判定値は、上記「17、125」の2個の値に、「37、83、185…(以下省略)」などの18個の値を加えた合計20個に設定されている。そして、非確変用判定値と確変用判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、125」)が共通値とされている。この共通値(「17、125」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変用判定値において、前記共通値(「17、125」)を除く、他の値(18個)は、非確変用判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
【0034】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、演出振分用乱数、昇格振分用乱数、及び予告振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。演出振分用乱数は、大当り遊技中における昇格演出の実行可否を判定する際に用いられる乱数である。また、昇格振分用乱数は、大当り遊技中における昇格演出の実行タイミングを決定する際に用いられる乱数である。予告振分用乱数は、大当り遊技中における予告演出の実行タイミングを決定する際に用いられる乱数である。演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが接続されており、演出用ボタンBTが操作された際に出力する操作信号を入力することで、演出用ボタンBTが操作されたことを認識できる。また、演出制御用CPU31aには、発光装置Lが接続されている。
【0035】
また、演出制御用ROM31bには、演出判定値が記憶されている。演出判定値は、昇格演出の実行可否を判定する際に用いる判定値であり、演出判定用乱数の取り得る数値(0〜99までの全100通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、演出判定値として、50個の値が設定されている。
【0036】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0037】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。保留記憶数が4未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)し、始動入賞口15へ入賞した遊技球を始動保留球として記憶する。したがって、本実施形態では、主制御用RAM30cが保留記憶手段として機能する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、及び特別図柄振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。
【0038】
続いて、主制御用CPU30aは、今回の特別図柄入力処理(制御周期)で主制御用RAM30cから取得した大当り判定用乱数の値が、大当り抽選に当選する値であるか否かを判定する事前判定処理を実行する。事前判定処理において主制御用CPU30aは、最初に、取得した大当り判定用乱数の値と共通値(=非確変用判定値)を比較し、両値が一致するか否かの共通事前判定を行う。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、入賞検知の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選時の遊技状態に関係なく(確変状態又は非確変状態の何れでも)大当りになることを事前に認識する。この場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値とともに読み出した特別図柄振分用乱数の値に対応する特別図柄(大当り図柄)の種別が特別図柄ZA,ZBの何れであるかを判定する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された保留記憶数を判定する。
【0039】
次に、主制御用CPU30aは、判定した特別図柄の種別及び保留記憶数に基づき事前判定コマンドを生成するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力するための送信バッファにセットする。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、特別図柄の種別が特別図柄ZAである場合には事前判定コマンド「A1HxxH」を、特別図柄ZBである場合には事前判定コマンド「A2HxxH」を送信バッファにセットする。なお、各事前判定コマンドにおける下位バイト「xxH」には、保留記憶数1〜4を示す値「01H」〜「04H」の何れかが設定される。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理(事前判定処理)を終了する。
【0040】
一方、共通事前判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値と非共通値を比較し、両値が一致するか否かの非共通事前判定を行う。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、入賞検知の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選時に確変状態が付与されている場合に大当りになることを事前に認識する。なお、共通事前判定及び非共通事前判定に用いる大当り判定用乱数の値は同じ値である。そして、主制御用CPU30aは、共通事前判定で肯定判定した場合と同様に、特別図柄の種別及び保留記憶数を判定して事前判定コマンドを生成するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力するための送信バッファにセットする。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、特別図柄の種別が特別図柄ZAである場合には事前判定コマンド「B1HxxH」を、特別図柄ZBである場合には事前判定コマンド「B2HxxH」を送信バッファにセットする。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理(事前判定処理)を終了する。また、主制御用CPU30aは、非共通事前判定の判定結果が否定の場合、事前判定コマンドを生成することなく特別図柄入力処理(事前判定処理)を終了する。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機では、はずれに対応する事前判定コマンドは設定されていない。
【0041】
このような構成により、事前判定コマンド「A1HxxH」,「A2HxxH」によれば、確変状態又は非確変状態の何れに関係なく大当りとなる旨、及び特別図柄(大当り図柄)の種別、及び保留記憶数を認識し得る。一方、事前判定コマンド「B1HxxH」,「B2HxxH」によれば、確変状態である場合にのみ大当りとなる旨、及び特別図柄(大当り図柄)の種別、及び保留記憶数を認識し得る。
【0042】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0043】
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。
【0044】
続いて、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が、非確変状態であるか否かを判定する。この非確変状態であるか否かの判定は、主制御用RAM30cに記憶されている遊技状態フラグ(後述する確変フラグ)の設定値をもとに行う。現在の遊技状態が非確変状態の場合、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と非確変用判定値を比較し、当該非確変用判定値と一致するか否かの大当り判定をする。また、上記非確変状態であるか否かの判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と確変用判定値を比較し、当該確変用判定値と一致するか否かの大当り判定をする。この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。なお、大当り変動は、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。
【0045】
大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特別図柄振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該特別図柄振分用乱数の値に対応する特別図柄の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として決定する。なお、本実施形態では、大当り抽選で大当りに当選した際、主制御用CPU30aが特別図柄の大当り図柄を決定することにより、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定する。したがって、本実施形態では、主制御用CPU30aが状態判定手段として機能する。また、特別図柄の大当り図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0046】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。なお、はずれ変動は、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0047】
特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
【0048】
次に、大当り遊技の実行に関して主制御用CPU30aが行う大当り遊技処理を説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機において、大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置12の図柄変動ゲームで、特別図柄の大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18の大入賞口扉17が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(本実施形態では7回)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の大入賞口扉17の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18に、規定個数(入球上限個数、本実施形態では8個)の遊技球が入球する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間、本実施形態では25秒)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、2種類の大当りA,Bの中から1つの大当りを決定するとともに、その決定した大当りの種類に基づき大当り遊技を付与する。2種類の大当りA,Bのうち何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種別に応じて決定される。より具体的には、特別図柄ZAが決定された場合には大当りAが、特別図柄ZBが決定された場合には大当りBが決定される。
【0049】
そして、大当り遊技処理において主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング演出の演出時間(例えば6秒)の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、各ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力するとともに、エンディング演出の演出時間(例えば15秒)の経過時にエンディング演出を終了させることによって大当り遊技を終了させる。
【0050】
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する処理を説明する。
主制御用CPU30aは、大当りAに基づく大当り遊技終了後、主制御用RAM30cに記憶される確変フラグ及び作動フラグに「1」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに確変状態であることを示す確変コマンド、及び変短状態であることを示す作動コマンドを出力する。確変フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が確変状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非確変状態であることを示す。また、作動フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が変短状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非変短状態であることを示す。
【0051】
一方、主制御用CPU30aは、大当りBに基づく大当り遊技終了後、確変フラグに「0」を設定するとともに、作動フラグに「1」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、演出制御用CPU31aに非確変コマンド、及び作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、作動コマンドを出力した場合、主制御用RAM30cに記憶されるとともに、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を示す作動回数に所定回数(本実施形態では100回)を設定する。作動回数は、図柄変動ゲームを実行させる毎に−1(1減算)する。そして、主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。
【0052】
このような設定によれば、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当りAに基づく大当り遊技の終了後、確変状態が次回の大当りが生起される迄の間付与される。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当りBに基づく大当り遊技の終了後、100回の図柄変動ゲームの終了時まで時短状態が付与される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機において、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かは、大当り抽選で当選した際に決定する特別図柄の大当り図柄の種別に依存する。本実施形態では、大当りAが確変大当りとなる一方で、大当りBが非確変大当りとなる。
【0053】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aがサブ制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから事前判定コマンドを入力する毎に、該入力した事前判定コマンドの値を、該事前判定コマンドで指定された保留記憶数(1〜4)に対応付けて演出制御用RAM31cに記憶する。また、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力する毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて事前判定コマンドの値を演出制御用RAM31cに記憶する。すなわち、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機として、保留記憶数n(n=2〜4)に対応付けて記憶されている事前判定コマンドを、保留記憶数n−1(1〜3)に新たに対応付けて記憶させる。この場合、保留記憶数1に対応付けて記憶されていた事前判定コマンドは、保留記憶数2に対応付けて記憶されていた事前判定コマンドに上書きされる。このため、保留記憶数に対応付けて記憶した事前判定コマンドは、その保留記憶数(始動保留球)に基づく図柄変動ゲームの開始に伴って演出制御用RAM31cから消去される。
【0054】
例えば、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンド「A1H04H」が保留記憶数4に対応付けて記憶されている場合、変動パターン指定コマンドの入力を契機に事前判定コマンド「A1H04H」を保留記憶数3に新たに対応付けて演出制御用RAM31cに記憶する。そして、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンド「A1H04H」が保留記憶数1に対応付けて記憶されている場合、変動パターン指定コマンドの入力を契機に事前判定コマンド「A1H04H」を消去する。したがって、本実施形態において演出制御用RAM31cには、事前判定コマンドを出力する契機となった入賞検知に対応する始動保留球が記憶されてから該始動保留球に基づく図柄変動ゲームが開始されるまで記憶保持される。
【0055】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、特別図柄として特別図柄ZAの大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄の大当り図柄として、確変確定の図柄組み合わせ、及び確変非確定の図柄組み合わせの何れかの図柄組み合わせを生成する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄として特別図柄ZBの大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄の大当り図柄として、確変非確定の図柄組み合わせを生成する。一方、演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄を生成する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御するとともに、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、生成した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0056】
次に、昇格演出及び予告演出を設定するために演出制御用CPU31aが実行する演出設定処理について、
図4にしたがって説明する。
図4に示すように、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからオープニングコマンドを入力したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。一方、ステップS1の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、今回の大当り遊技を付与することになった直前の大当り変動の図柄変動ゲームで導出(確定停止表示)させた飾り図柄の大当り図柄が確変非確定の図柄組み合わせであるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、大当り変動の図柄変動ゲームの開始時に主制御用CPU30aから指定された特別図柄の大当り図柄が、特別図柄ZAであったか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定結果が肯定の場合(今回の大当りが大当りAである場合)、演出制御用CPU31aは、昇格演出の演出内容として「成功演出」と「失敗演出」のうち何れかの演出内容を決定し、決定した演出内容の昇格演出の実行を設定する(ステップS4)。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから演出振分用乱数の値を取得するとともに、取得した演出振分用乱数の値と演出判定値とを比較し、両値が一致する場合に成功演出を決定する一方で、一致しない場合に失敗演出を決定する。次に、演出制御用CPU31aは、昇格演出を実行する実行タイミング(以下「実行ラウンド」と示す)として1〜7ラウンド目のラウンド遊技のうちから1のラウンド遊技を決定し、設定する(ステップS5)。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから昇格振分用乱数の値(0〜6の全7通りの整数値)を取得するとともに、取得した昇格振分用乱数の値に対応するラウンド数のラウンド遊技を決定する。
【0057】
次に、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて、保留記憶数1〜4のうち1つ又は2つ以上の保留記憶数に対応付けて事前判定コマンド「A1HxxH」,「A2HxxH」,「B1HxxH」,「B2HxxH」が記憶されているか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、演出制御用CPU31aは、ステップS6の判定処理によって、図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球の中に、大当りの始動保留球が含まれているか否かを判定している。したがって本実施形態では、演出制御用CPU31aが保留内当り判定手段として機能する。次に、ステップS6の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、大当りの始動保留球のうち最先の始動保留球が確変大当りであるか否かを判定する(ステップS7)。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドが対応付けて記憶されている保留記憶数のうち、最も小さい保留記憶数に対応付けられている事前判定コマンドが「A1HxxH」であるか否かを判定する。例えば、保留記憶数4である場合において、保留記憶数2及び保留記憶数4に対応付けて事前判定コマンドが記憶されている場合には、保留記憶数2に対応付けられた事前判定コマンドが「A1HxxH」であるか否かを判定する。したがって、本実施形態では、演出制御用CPU31aが大当り種判定手段として機能する。
【0058】
ステップS7の判定結果が肯定の場合(最先の大当りの始動保留球が確変大当りの場合)、演出制御用CPU31aは、1〜7ラウンド目のラウンド遊技、及びエンディング演出のうちから予告演出を実行する予告タイミングを選択し、設定する(ステップS8)。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから予告振分用乱数の値を取得するとともに、該取得した予告振分用乱数の値、昇格演出の実行の設定の有無、及び昇格演出の実行ラウンドをもとに、
図5に示す予告タイミング振分テーブルTAを参照して予告タイミングを選択する。なお、
図5に示す「R」は、ラウンド遊技の回数を示している。
【0059】
この予告タイミング振分テーブルTAは、演出制御用ROM31bに記憶されている。予告タイミング振分テーブルTAでは、「昇格演出なし」の欄に示すように、昇格演出の非実行が設定されている場合には、予告タイミングとして1〜7ラウンド目のラウンド遊技、及びエンディング演出の何れかが等しい確率で選択され得るように予告演出振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。また、予告タイミング振分テーブルTAでは、「昇格演出あり」の欄に示すように、昇格演出の実行可、及び昇格演出の実行ラウンドが設定されている場合には、予告タイミングとして、実行ラウンドの終了後に開始されるラウンド遊技及びエンディング演出の何れかが略等しい確率で選択され得るように予告演出振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。例えば、ステップS5の処理で昇格演出の実行ラウンドとして3ラウンド目のラウンド遊技が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、4〜7ラウンド目のラウンド遊技、及びエンディング演出のうちから予告タイミングを選択する。その後、演出制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS6の判定結果が否定の場合(事前判定コマンドが記憶されていない場合)、又はステップS7の判定結果が否定の場合(最先の大当りの始動保留球が非確変大当りの場合)、演出制御用CPU31aは、予告タイミングを設定することなく演出設定処理を終了する。すなわち、この場合、演出制御用CPU31aは、保留内当りの予告演出の非実行を決定したことになる。
【0061】
また、ステップS3の判定結果が否定の場合(特別図柄ZBの場合)、演出制御用CPU31aは、昇格演出の演出内容として「失敗演出」を一義的に決定し、この決定した演出内容の昇格演出の実行を設定する(ステップS9)。続けて、演出制御用CPU31aは、ステップS5の処理と同様に、昇格演出の実行ラウンドとして1〜7ラウンド目のラウンド遊技のうちから1のラウンド遊技を決定し、設定する。その後、演出制御用CPU31aは、前述したステップS6〜S8の処理を実行する。また、ステップS2の判定結果が否定の場合(飾り図柄の大当り図柄が確変確定の図柄組み合わせの場合)、演出制御用CPU31aは、昇格演出の非実行を設定する(ステップS11)。その後、演出制御用CPU31aは、ステップS6〜S8の処理を実行する。
【0062】
以上のように、本実施形態では、ステップS2の判定結果が肯定である(確変非確定の図柄組み合わせが決定されている)ことを条件に、昇格演出の実行が設定される。したがって、本実施形態では、大当り変動の図柄変動ゲームで演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の大当り図柄を決定する演出制御用CPU31aが確変状態の付与を非報知とするか否かを判定する報知判定手段として機能する。
【0063】
そして、昇格演出の実行を設定した場合、演出制御用CPU31aは、昇格演出の実行ラウンドに対応するラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出として設定した演出内容による昇格演出が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドの入力を契機として説明演出が画像表示されるように演出表示装置11を制御するとともに、ラウンドコマンドの入力から所定期間(例えば15秒)を演出用ボタンBTの操作有効期間として設定する。演出制御用CPU31aは、操作有効期間に演出用ボタンBTから操作信号を入力すると、設定されている演出内容の結果報知演出(昇格演出)が画像表示されるように演出表示装置11を制御するとともに、操作有効期間を終了させる。また、演出制御用CPU31aは、演出用ボタンBTの操作に基づき成功演出又は失敗演出による結果報知演出(昇格演出)を実行させた場合、結果報知演出を実行した旨を示す実行フラグに「1」を設定する。この実行フラグは、演出制御用RAM31cに記憶され、その値として「1」が設定されている場合には結果報知演出(昇格演出)を実行済みである旨を示し、その値として「0」が設定されている場合には結果報知演出を実行していない旨を示す。なお、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからエンディングコマンドを入力したことを契機として、実行フラグに「0」を設定して実行フラグをクリアする。一方、操作有効期間内に演出用ボタンBTから操作信号を入力しなかった場合、演出制御用CPU31aは、非報知演出が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。したがって、本実施形態では、演出制御用CPU31aが期間設定手段として機能する。
【0064】
また、演出制御用CPU31aは、昇格演出の実行ラウンド以外のラウンド数に対応するラウンドコマンドを入力すると、入力したラウンドコマンドに対応するラウンド遊技用のラウンド演出が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。一方、昇格演出の非実行を設定した場合、演出制御用CPU31aは、各ラウンド遊技に対応するラウンドコマンドを入力すると、入力したラウンドコマンドに対応するラウンド遊技用のラウンド演出が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0065】
また、保留内当りの予告演出の予告タイミングとしてラウンド遊技を設定した場合、演出制御用CPU31aは、予告タイミングとして設定したラウンド数に対応するラウンドコマンドを入力すると、前記実行フラグが設定されているか否か(実行フラグ=1であるか否か)を判定する。実行フラグが設定されている場合、演出制御用CPU31aは、予告演出を実行可能と判定し、今回のラウンド遊技中に予告演出が実行されるように発光装置Lの発光態様を制御する。同様に、予告演出の予告タイミングとしてエンディング演出を設定した場合、演出制御用CPU31aは、エンディング演出を指定するエンディングコマンドを入力すると、前記実行フラグが設定されているか否かを判定する。実行フラグが設定されている場合、演出制御用CPU31aは、予告演出を実行可能と判定し、エンディング演出中に予告演出が実行されるように発光装置Lの発光態様を制御する。一方、実行フラグが設定されていない場合、演出制御用CPU31aは、予告演出を実行不能と判定し、予告演出を発光装置Lに実行させることなく、入力したコマンドに対応するラウンド演出又はエンディング演出が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0066】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機における昇格演出、及び予告演出の実行態様について
図6にしたがって説明する。なお、
図6では、大当り遊技の開始時点において図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球に大当りの始動保留球が含まれており、且つ大当りの始動保留球のうち最先の始動保留球が確変大当り(大当りA)である状況を示している。
【0067】
図6(a)では、今回の大当り遊技の直前に実行された大当り変動の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置11に確変確定の図柄組み合わせが確定停止表示された場合を示している。この場合、演出表示装置では、1〜7ラウンド目のラウンド遊技において昇格演出が画像表示されない。また、演出表示装置11では、1〜7ラウンド目のラウンド遊技、及びエンディング演出の何れかにおいて、発光装置Lが点滅されることにより保留内当りの予告演出が実行される。
【0068】
次に、
図6(b)〜(d)では、今回の大当り遊技の直前に実行された大当り変動の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置11に確変非確定の図柄組み合わせが確定停止表示された場合を示している。
図6(b)に示すように、成功演出の昇格演出が設定されている場合、演出表示装置11では、設定された実行ラウンドの開始に伴って説明演出が画像表示されるとともに、操作有効期間中に演出用ボタンBTが操作されることで、成功演出の結果報知演出が行われる。一方、
図6(c)に示すように、失敗演出の昇格演出が設定されている場合、演出表示装置11では、操作有効期間中に演出用ボタンBTが操作されることで、失敗演出の結果報知演出が行われる。そして、
図6(b),(c)に示すように、演出表示装置11では、ラウンド遊技で結果報知演出が実行されると、昇格演出が実行されたラウンド遊技の次回以降に開始されるラウンド遊技、及びエンディング演出の何れかにおいて、発光装置Lが点滅されることにより保留内当りの予告演出が実行される。なお、
図6(d)に示すように、演出表示装置11では、説明演出(操作有効期間)中に演出用ボタンBTが操作されなかった場合、操作有効期間の経過(終了)に伴って非報知演出が画像表示される。この場合、昇格演出が実行されたラウンド遊技の次回以降に開始されるラウンド遊技、及びエンディング演出の全てにおいて保留内当りの予告演出が実行されない。
【0069】
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)大当り遊技中に図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球に確変大当り(大当りA)の始動保留球が含まれている場合、確変状態の付与が報知されているか否かにかかわらず、保留内当りの予告演出が実行される。特に、本実施形態では、昇格演出の実行に伴って、大当り遊技終了後に確変状態が付与される旨が確定的に報知されない場合であっても、予告演出を実行する。したがって、昇格演出の実行に伴って、大当り遊技終了後に確変状態が付与される旨が確定的に報知されない場合であっても、遊技者の興趣が低下することを抑制し得る。
【0070】
(2)本実施形態では、大当り変動の図柄変動ゲームで演出表示装置11に確定停止表示させた図柄組み合わせが確変非確定の図柄組み合わせである場合に、失敗演出による昇格演出が実行され得る。そして、失敗演出による昇格演出が実行された場合には、大当り変動の図柄変動ゲーム及び大当り遊技を通して、遊技者に対して大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かが非報知とされる。このため、本実施形態では、確変状態が付与されることに対して遊技者に期待感を抱かせることができる。また、予告演出が実行された状況から、今回の大当りが確変大当り(大当りA)及び非確変大当り(大当りB)の何れであったのかを推測する楽しみを与えることができる。
【0071】
(3)しかしながら、遊技者によっては、確変状態が付与されることに対して強く期待するあまりに、失敗演出による昇格演出が実行されることで興趣が低下してしまう場合もあり得る。本実施形態では、大当り遊技中に予告演出を実行することで、このような遊技者の興趣の低下抑制できる。
【0072】
(4)また、昇格演出を実行したラウンド遊技の次回以降のラウンド遊技、又はエンディング演出で予告演出を実行するようにした。したがって、昇格演出の実行に伴って確変状態の付与が確定的に報知されなかった場合であっても、遊技者の興趣が低下することを好適に抑制し得る。
【0073】
(5)本実施形態のパチンコ遊技機のように、昇格演出と予告演出の両演出を大当り遊技中に実行可能に構成する場合、両演出の実行タイミングを考慮しないまま予告演出を実行することで、両演出の効果を十分に発揮させることが出来ない場合がある。例えば、予告演出を実行して始動保留球に確変大当りの始動保留球が含まれる旨を報知した後、失敗演出による昇格演出を実行する場合には、既に保留内で確変大当りとなる旨を把握している遊技者に対して昇格演出そのものに対する興味を持たせることができない。これに対して、本実施形態では、昇格演出が実行された後に予告演出を実行する。したがって、本実施形態では、報知演出を適切なタイミングで実行して遊技者の興趣向上を図ることができる。
【0074】
(6)大当りの始動保留球のうち最先の始動保留球が確変大当りであることを条件に予告演出を実行する。すなわち、非確変大当りの始動保留球である場合には、予告演出が実行されない。したがって、予告演出が実行されなかったとしても、始動保留球の中に大当りの始動保留球が含まれていることに期待させることができる。
【0075】
(7)昇格演出における操作有効期間に演出用ボタンBTが操作されたことに伴い、成功演出又は失敗演出による結果報知演出が実行されたことを条件として予告演出が実行される。このため、演出用ボタンBTを操作した遊技者に対してのみ、予告演出が実行されるという特典を与えることができる。
【0076】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態において、連続して実行される複数回の図柄変動ゲーム毎に所定の予告演出を実行し、複数回の図柄変動ゲームを跨いだ連続演出を実行可能に構成してもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、各事前判定コマンドを入力した際に、該事前判定コマンドに示される保留記憶数分の図柄変動ゲームを対象に所定の予告演出を実行するように構成すればよい。
【0077】
・ 上記実施形態において、
図5に示す予告タイミング振分テーブルTAは、失敗演出による昇格演出が設定された場合と、成功演出による昇格演出が設定された場合とで、予告タイミングの選択態様が異なるように構成してもよい。例えば、失敗演出による昇格演出が設定された場合、昇格演出の実行ラウンドに関係なく、予告タイミングとして常にエンディング演出が選択されるようにしてもよい。このように構成することで、失敗演出による昇格演出が実行されてから時間をおいて予告演出が実行されるため、エンディング演出において遊技者の期待感を飛躍的に高めることができる。
【0078】
・ 上記実施形態において、図柄変動ゲームを実行させるための演出モードを備えてもよい。この場合、現在の遊技状態が確変状態である旨を確定的に示す確変確定モードと、現在の遊技状態が確変状態及び時短状態の何れかである旨を示すチャンスモードとを設ける。そして、大当り変動の図柄変動ゲームで確変確定の図柄組み合わせを確定停止表示させた場合、及び成功演出による結果報知演出(昇格演出)を実行させた場合には、大当り遊技終了後に確変確定モードへ移行させる。一方、大当りの図柄変動ゲームで確変非確定の図柄組み合わせを確定停止表示させ、且つ成功演出による結果報知演出(昇格演出)を実行させなかった場合には、大当り遊技終了後にチャンスモードへ移行させる。このように構成することで、大当り遊技終了後にチャンスモードへ移行したとしても、確変状態及び時短状態の何れの可能性もあり、遊技者に確変状態への期待感を持続させることができる。特に、チャンスモードへ移行した場合であっても、大当り遊技中に予告演出が実行された場合には、遊技者が保留内当りとなる旨を認識しているため、実際には確変状態が付与されているのか否かについて推測させる楽しみを与えることができる(以下「別例(a)」と示す)。
【0079】
・ 上記別例(a)において、特別図柄ZA,ZBに加えて、大当り遊技終了後にチャンスモードへ移行させる旨を定めた確変大当りの特別図柄ZAaを設けてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、特別図柄ZAaが指定された場合、飾り図柄の大当り図柄として確変非確定の図柄組み合わせを決定するとともに、失敗演出による昇格演出の実行、又は昇格演出の非実行を設定するようにし、さらに大当り遊技終了後に上記チャンスモードへ移行させる。このように構成することで、簡便な制御構成により、確実に確変状態の付与を非報知とすることができる。この場合、特別図柄の大当り図柄を決定する主制御用CPU30aが報知判定手段として機能する。
【0080】
・ 上記実施形態において、大当り変動の図柄変動ゲームでは、常に飾り図柄の大当り図柄として確変非確定の図柄組み合わせを確定停止表示させるようにしてもよい。
・ 上記実施形態において、昇格演出、及び予告演出の演出態様は適宜変更してもよい。例えば、昇格演出は、演出用ボタンBTを用いない演出態様により実行してもよい。この場合、昇格演出の開始から所定時間が経過したことを契機に結果報知演出を行えばよい。また、昇格演出、及び予告演出は、複数回のラウンド遊技をまたいで実行してもよく、大当り遊技中に複数回実行してもよい。なお、昇格演出を複数回のラウンド遊技をまたいで実行する場合や、大当り遊技中に複数回にわたって実行する場合には、全ての昇格演出が終了した後に予告演出を実行する。この場合、演出制御用CPU31aは、
図4に示す演出設定処理のステップS5,S10の処理において、昇格演出を開始するラウンド遊技や、実行回数を決定すればよい。そして、演出制御用CPU31aは、ステップS8の処理において、全ての昇格演出の終了後に開始されるラウンド遊技及びエンディング演出から予告タイミングを選択すればよい。また、昇格演出や予告演出は、エンディング演出として実行してもよい。
【0081】
・ 上記実施形態において、予告演出は昇格演出を伴うラウンド遊技内において成功演出による結果報知演出の開始後に実行してもよく、成功演出による結果報知演出と同時(略同時)に実行してもよい。予告演出を結果報知演出と同時に実行する場合、成功演出の演出内容を異ならせることで予告演出を実行してもよい。例えば、
図4に示す演出設定処理のステップS7の判定結果が否定の場合には「成功だよ」の文字画像を演出表示装置11に画像表示する態様で成功演出を実行する一方で、ステップS7の判定結果が肯定の場合には「大成功だよ」の文字画像を演出表示装置11に画像表示する態様で成功演出を実行すればよい。このように構成することで、演出用ボタンBTを操作する遊技者の意欲をより高め得る。
【0082】
・ 上記実施形態において、昇格演出、及び予告演出は、演出表示装置11による表示演出、発光装置Lによる発光演出、及びスピーカによる音声演出の何れか、またはこれらを組み合わせて実行してもよい。
【0083】
・ 上記実施形態において、大当りの始動保留球のうち最先の始動保留球が非確変大当りの場合にも、予告演出を実行してもよい。
・ 上記実施形態において、
図4に示すステップS6〜S8の処理は、異なるタイミングで実行してもよい。例えば、昇格演出が実行されたラウンド遊技の次のラウンド遊技を指定するラウンドコマンドの入力を契機として実行してもよい。このように構成することで、より多くの始動保留球を対象として予告演出を実行することができる。また、
図4に示す演出設定処理を、大当り変動の図柄変動ゲームの開始時(変動パターン指定コマンド及び停止図柄指定コマンドの入力時)や、図柄変動ゲームの終了時(図柄停止コマンドの入力時)に実行してもよい。
【0084】
・ 上記実施形態において、大当りの種類(特別図柄の大当り図柄の種類)を適宜変更してもよい。例えば、規定ラウンド数を2回に定めた2ラウンド確変大当り、及び2ラウンド非確変大当りを設けてもよい。また、この場合には、大当り遊技終了後に、変短状態を付与しないで確変状態のみを付与する大当りを設けてもよい。
【0085】
・ 上記実施形態において、演出表示装置11を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板を設けるとともに、各サブ制御基板を統括的に制御するサブ統括制御基板を備えたパチンコ遊技機や、主制御基板30及び演出制御基板31の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0086】
・ 上記実施形態において、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよいし、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いたパチンコ遊技機に具体化しても良い。
【0087】
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記第2演出実行手段は、前記大当り種判定手段が判定した大当りの種類が前記特定の大当りとは異なる非特定大当りである場合に、前記第2報知演出を実行しな
い。
【0088】
(ロ)遊技者が操作可能な演出用操作手段と、前記特定演出中において前記演出用操作手段の操作が有効な操作有効期間を設定する期間設定手段と、をさらに備え、前記第1演出実行手段は、前記特定演出を実行する特定演出実行手段であり、前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された場合に、前記特定演出の実行に伴って前記確率変動状態が付与されるか否かを報知する一方で、前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作されなかった場合に、前記特定演出の実行に伴って、前記大当り遊技終了後に前記確率変動状態が付与されるか否かを報知しないようになっており、前記第2演出実行手段は、前記操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作されたことを条件に第2報知演出を実行可能に構成され
ている。
【0089】
(ハ)始動手段へ入球した遊技球を始動保留球として記憶する保留記憶手段と、前記始動保留球に基づく大当り抽選の抽選結果に応じて図柄変動ゲームを実行するゲーム実行手段と、を備え、前記図柄変動ゲームで大当り表示結果が導出された後に大当り遊技を付与する遊技機において、前記大当り抽選で当選した場合に、前記大当り遊技終了後の遊技状態として前記大当り抽選の当選確率を低確率から高確率へ変動させる確率変動状態を付与するか否かを判定する状態判定手段と、前記状態判定手段の判定結果を前記図柄変動ゲーム及び前記大当り遊技の少なくとも何れか一方の実行中に報知するか否かを判定する報知判定手段と、前記報知判定手段の判定結果が肯定の場合に、前記図柄変動ゲーム及び前記大当り遊技の少なくとも何れか一方の実行中に前記状態判定手段の判定結果を報知する状態報知手段と、前記大当り抽選で当選した場合に前記保留記憶手段に記憶されている始動保留球に前記大当り抽選で当選する大当りの始動保留球が含まれているか否かを判定する保留内当り判定手段と、前記保留内当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、大当りの種類を判定する大当り種判定手段と、前記大当り種判定手段が判定した大当りの種類が予め定めた特定大当りである場合に、前記始動保留球の中に大当りとなる始動保留球が含まれている旨を、前記報知判定手段の判定結果にかかわらず報知する保留当り報知手段と、を備えた遊技機。