特許第5981692号(P5981692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5981692ターボエキスパンダで使用するようになった可変ジオメトリ入口ノズルのための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981692
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】ターボエキスパンダで使用するようになった可変ジオメトリ入口ノズルのための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/20 20060101AFI20160818BHJP
   F01D 17/16 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F01D17/20 G
   F01D17/16 A
   F01D17/20 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-112944(P2011-112944)
(22)【出願日】2011年5月20日
(65)【公開番号】特開2011-247257(P2011-247257A)
(43)【公開日】2011年12月8日
【審査請求日】2014年5月16日
(31)【優先権主張番号】CO2010A000029
(32)【優先日】2010年5月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】505347503
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・アスティ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・スコッティ・デル・グレコ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・デル・トゥルコ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシオ・ミリアーニ
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−154307(JP,U)
【文献】 特表2007−536457(JP,A)
【文献】 特表2008−506819(JP,A)
【文献】 特開平04−232311(JP,A)
【文献】 特公昭45−037323(JP,B1)
【文献】 特開昭58−200011(JP,A)
【文献】 特開昭62−139905(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0006994(US,A1)
【文献】 特開平04−054204(JP,A)
【文献】 米国特許第05841104(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D17/00−21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの膨張段を有しかつ発電ユニットに連結されたターボエキスパンダを備えた発電のためのシステムであって、
(i)前記ターボエキスパンダの第1の膨張段の入口に設けられた第1の入口ガイドベーンの角度を該第1の膨張段の入口圧力が所定の範囲内に維持されるように制御し、また(ii)前記ターボエキスパンダの第2の膨張段の入口に設けられた第2の入口ガイドベーンの角度を前記第1の膨張段における前記入口圧力が前記所定の範囲内に維持されるように制御するように構成された制御装置、を含み、
前記制御装置が、前記第1の入口ガイドベーンの角度を固定した状態に維持しながら前記第2の入口ガイドベーンの角度を変化させかつ前記発電ユニットによって発生される電力を前記変化角度に対応させて確定するように構成され、また
前記制御装置が、前記発電ユニットの確定した電力による最高出力及び前記第2の入口ガイドベーンの対応する角度を決定しかつ該最高出力を達成するように前記第1の入口ガイドベーンの角度とは独立して該第2の入口ガイドベーンの角度を調整するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記ターボエキスパンダの第1の膨張段が、前記第1の入口ガイドベーンを含み、
前記ターボエキスパンダの第2の膨張段が、前記第2の入口ガイドベーンを含み、また
前記発電ユニットが、前記ターボエキスパンダの第1及び第2の膨張段に機械的に連結される、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記発電ユニットが、有機ランキン作動流体を使用するランキンサイクルシステムとして作動する、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記制御装置に接続され、前記発電ユニットに設けられ、かつ前記発電ユニットによって生成される電流又は電圧を測定するように構成された1つ又はそれ以上のセンサと、
前記制御装置に接続され、該発電システム内に設けられ、かつ作動流体の圧力を測定するように構成された1つ又はそれ以上のセンサと、
前記ターボエキスパンダの出口側に流体連結され、また膨張蒸気ストリームを受けかつ該膨張蒸気ストリームを液体ストリームに凝縮するように構成された凝縮器と、
前記凝縮器の出口側に流体連結され、また前記液体ストリームを受け、該液体ストリームを加圧しかつ該液体ストリームを熱交換器に循環させるように構成されたポンプと、をさらに含み、
前記熱交換器が、前記ポンプの出口側に流体連結され、また前記加圧液体ストリームを受けかつ該加圧液体ストリームを加圧蒸気ストリームに気化させるように構成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記制御装置が、前記第1及び第2の膨張段に接続される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記制御装置が、前記第1の膨張段における前記入口圧力を前記所定の範囲内に調整した時に前記第1の入口ガイドベーンの角度及び前記第2の入口ガイドベーンの角度間に所定の関係を維持するように構成され、
前記所定の関係が、
=A・f(P,P,T,T
であり、ここで、Aは、前記第1の入口ガイドベーンにおけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積であり、Aは、前記第2の入口ガイドベーンにおけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積であり、Pは、前記第1の入口ガイドベーンの位置における作動流体の圧力であり、Pは、前記第2の入口ガイドベーンの位置における前記作動流体の圧力であり、Tは、前記第1の入口ガイドベーンの位置における前記作動流体の温度であり、Tは、前記第2の入口ガイドベーンの位置における前記作動流体の温度であり、またfは、関数である、
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記制御装置が、前記第1の膨張段における前記入口圧力を前記所定の範囲内に調整した時に前記第1の入口ガイドベーンの角度及び前記第2の入口ガイドベーンの角度間に所定の関係を維持するように構成され、
前記所定の関係が、
/At1=A/At2
であり、ここで、Aは、前記第1の入口ガイドベーンにおけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積であり、Aは、前記第2の入口ガイドベーンにおけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積であり、At1は、前記第1の入口ガイドベーンのベーンの位置における前記流体入口の総面積であり、またAt2は、前記第2の入口ガイドベーンのベーンの位置における前記第2の流体入口の総面積である、
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記制御装置が、前記第1の膨張段における前記入口圧力を前記所定の範囲内に調整した時に前記第1の入口ガイドベーンの角度及び前記第2の入口ガイドベーンの角度間に所定の関係を維持するように構成され、
前記所定の関係が、
【数1】
であり、ここで、Aは、前記第1の入口ガイドベーンにおけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積であり、Aは、前記第2の入口ガイドベーンにおけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積であり、ρは、前記第1の入口ガイドベーンの位置における作動流体の密度であり、ρは、前記第2の入口ガイドベーンの位置における前記作動流体の密度であり、Tは、前記第1の入口ガイドベーンの位置における前記作動流体の温度であり、またTは、前記第2の入口ガイドベーンの位置における前記作動流体の温度である、
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記最高出力を決定することが、前記第1の入口ガイドベーンの角度を一定に維持しながら所定の時間にわたって前記第2の入口ガイドベーンの角度を反復調整しかつ各調整した特定角度について前記発電ユニットの出力を測定することによって行なわれる、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも2つの膨張段を有しかつ発電ユニットに連結されたターボエキスパンダを備えた発電のための方法であって、
(i)前記ターボエキスパンダの第1の膨張段における第1の入口ガイドベーンの角度を該第1の膨張段の入口圧力が所定の範囲内に維持されるように、また(ii)前記ターボエキスパンダの第2の膨張段における第2の入口ガイドベーンの角度を前記第1の膨張段における前記入口圧力が前記所定の範囲内に維持されるように制御するステップと、
前記第1の入口ガイドベーンの角度を固定した状態に維持しながら前記第2の入口ガイドベーンの角度を変化させるステップと、
前記発電ユニットによって発生される電力を前記変化角度に対応させて確定するステップと、
前記発電ユニットによって発生される電力の最高出力及び前記第2の入口ガイドベーンの対応する角度を決定するステップと、
前記最高出力を達成するように前記第1の入口ガイドベーンの角度とは独立して前記第2の入口ガイドベーンの角度を調整するステップと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示した主題の実施形態は、総括的には発電システムに関し、より具体的には、そのターボエキスパンダに関する。
【背景技術】
【0002】
ランキンサイクルは、密閉サイクル内で作動流体を使用して、熱源又は高温リザーバから熱を収集しかつ高温気体ストリームを発生させ、タービンを通してこの高温気体ストリームを膨張させて発電する。膨張ストリームは、凝縮器内で熱を低温リザーバに伝達することよって凝縮されかつ加熱圧力まで再びポンプ加圧されて、サイクルを完了する。ガスタービン又は往復動エンジンのような発電システム(一次システム)は、高温排出ガスを生成し、この高温排出ガスは、後続の発電プロセス内で(二次システムによって)使用されるか或いは廃熱として周囲環境に失われるかのいずれかになる。例えば、大型エンジンの排出ガスは、付加的電力の発生のために使用される廃熱回収システム内に回収し、従って全体システム効率を向上させることができる。図1に、ランキンサイクルとして作動する一般的廃熱発電システムを示している。発電システム1は、ボイラ又は蒸発器としても公知である熱交換器2、エキスパンダ4、凝縮器6及びポンプ8を含む。作動中に、熱交換器2で開始して、例えば高温煙道ガス(排出ガス)のような外部熱源10により、熱交換器2が加熱される。この加熱により、受入れ加圧液体媒体12が加圧蒸気14になり、この加圧蒸気14は、エキスパンダ4に流れる。エキスパンダ4は、加圧蒸気ストリーム14を受けかつ加圧蒸気が膨張するにつれて電力16を発生する。エキスパンダ4によって放出された膨張低圧蒸気ストリーム18は、凝縮器6に流入し、凝縮器6は、膨張低圧蒸気ストリーム18を低圧液体ストリーム20に凝縮する。低圧液体ストリーム20は次に、ポンプ8に流入し、ポンプ8は、高圧液体ストリーム12を発生させると共に閉ループシステムを流れ状態に保つ。高圧液体ストリーム12は次に、熱交換器2に流入して、このプロセスを継続する。
【0003】
ランキンサイクルで使用することができる1つの作動流体は、有機作動流体である。そのような有機作動流体は、有機ランキンサイクル(ORC)流体と呼ばれる。ORCシステムは、高温煙道ガスストリームから廃熱を捕捉する、エンジン並びに小規模及び中規模ガスタービン用のレトロフィットとして開発されてきた。この廃熱は、二次発電システムで使用して、高温煙道ガスを発生させるだけのエンジンによって送給される電力に加えて最大で付加的な20%までの電力を発電することができる。
【0004】
そのような炭化水素流体は高温(〜500℃)ガスタービン排出ストリームに直接露出した場合に劣化及び/又は着火するおそれがあるという懸念故に、ORC作動流体を内蔵した蒸発器内の熱交換表面の表面温度を制限する処置を取る必要がある。ORC作動流体を内蔵した蒸発器内の熱交換表面の表面温度を制限するために現在使用されている方法は、熱交換システム内に中間熱オイルループを導入すること、つまりORC流体がガスタービンの排出筒を通って循環するのを回避することである。従って、中間熱オイルループは、高温煙道ガスと蒸発可能ORC流体との間で中間熱交換器の一部として使用することができる。
【0005】
上記のように、ターボエキスパンダ4は、発電システム内で使用される。ターボエキスパンダ4は、それを通して高圧ガスを膨張させて発電に使用することができる仕事を生成する遠心又は軸流タービンとすることができる。図2及び図3には、ターボエキスパンダ4の一部の実施例を示しており、これらの図は、その全体を参考文献として本明細書に組入れている米国特許第5,851,104号(’104特許)から再現したものである。図2は、半径方向流入タービンにおける可変ノズル配置を示している。半径方向流入タービンは、環状入口104を備えたハウジング102を有する。固定円形プレート106が、環状入口104の一方の側面に配置される。ノズル調整システムが、環状入口104の他方の側面に設けられる。調整リング108が、クランプリング110の半径方向外側に配置される。調整リング108は、クランプリング110の周りで回転することができ、クランプリング110は、固定円形プレート106内に据付けたノズルピボットピン112によって回転を阻止される。
【0006】
ベーン114が、環状入口104の周りに設置される。これらのベーンは、一側の固定円形プレート106と他側のクランプリング110及び調整リング108との間に配置される。ベーン114は、それらの間に流線形流れ通路を形成するように構成される。この通路は、ベーン114の回転位置に基づいてその断面積が増大又は減少するようにすることができる。ベーン114は、ノズルピボットピン112の周りに枢動可能に取付けられる。クランプリング110に対するベーン114の相対的位置は、図3に重ねて描いた仮線で示している。
【0007】
’104特許では、ノズル調整機構は、カム及びカムフォロア機構を含む。カムフォロア116は、図3に示すように、ピン112の軸線から側方にずらして配置されかつシャフトによってベーン114内に固定される。カムフォロア116は、シャフトの周りで自由に回転する。カムフォロア116と協働するように、調整リング108内には、バイアススロット118の形態になったカムが配置される。カムは、カムフォロア116を受けて、調整リング108が回転する時に自由な転動移動を可能にするような寸法になっている。ベーン114、カムフォロア116、バイアススロット118及び調整リング108のこの配置により、ベーン114の開放が調整リング108の回転に応じた線形になる。従って、ベーン114を調整することによって、ターボエキスパンダ4内に許容される流体の量を制御することができる。
【0008】
幾つかのケースでは、ターボエキスパンダ4は、その各々が流体流れを制御する入口ガイドベーン114の組を有する複数の膨張段を有することができる。しかしながら、複数の膨張段におけるベーン114を制御することは、発電システムにおける様々なパラメータを変化させる可能性があり、このことにより、従来型発電システム内に、例えば出力効率を最適にしながらシステム圧力を調節することを不能にするなどの困難な問題を引起すおそれがある。
【特許文献1】米国特許第5,851,104号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、発電システムをより効率的に作動させるためのシステム及び方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
例示的な実施形態によると、少なくとも2つの膨張段を有しかつ発電ユニットに連結されたターボエキスパンダを備えた発電のためのシステムを提供する。本システムは、
(i)ターボエキスパンダの第1の膨張段の入口に設けられた第1の入口ガイドベーンの角度を該第1の膨張段の入口圧力が所定の範囲内に維持されるように制御し、また(ii)ターボエキスパンダの第2の膨張段の入口に設けられた第2の入口ガイドベーンの角度を第1の膨張段における入口圧力が所定の範囲内に維持されるように制御するように構成された制御装置を含む。制御装置は、第1の入口ガイドベーンの角度を固定した状態に維持しながら第2の入口ガイドベーンの角度を変化させかつ発電ユニットによって発生される電力を該変化角度に対応させて確定するように構成される。制御装置は、発電ユニットの確定した電力による最高出力及び第2の入口ガイドベーンの対応する角度を決定しかつ該最高出力を達成するように第1の入口ガイドベーンの角度とは独立して該第2の入口ガイドベーンの角度を調整するように構成される。
【0011】
別の例示的な実施形態によると、少なくとも2つの膨張段を有しかつ発電ユニットに連結されたターボエキスパンダを備えた発電のための方法を提供する。本方法は、(i)ターボエキスパンダの第1の膨張段における第1の入口ガイドベーンの角度を該第1の膨張段の入口圧力が所定の範囲内に維持されるように、また(ii)ターボエキスパンダの第2の膨張段における第2の入口ガイドベーンの角度を第1の膨張段における入口圧力が所定の範囲内に維持されるように制御するステップと、第1の入口ガイドベーンの角度を固定した状態に維持しながら第2の入口ガイドベーンの角度を変化させるステップと、発電ユニットによって発生される電力を変化角度に対応させて確定するステップと、発電ユニットによって発生される電力の最高出力及び第2の入口ガイドベーンの対応する角度を決定するステップと、最高出力を達成するように第1の入口ガイドベーンの角度とは独立して第2の入口ガイドベーンの角度を調整するステップとを含む。
【0012】
さらに別の例示的な実施形態によると、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体を提供し、本コンピュータ可読媒体では、命令は、それが実行されると、少なくとも2つの膨張段を有しかつ発電ユニットに連結されたターボエキスパンダを備えた発電のための方法を実施する。本方法のステップは、前のパラグラフで説明したステップと同様である。
【0013】
添付図面は、例示的な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ランキンサイクルを示す図。
図2】半径方向流入タービンにおける可変ノズル配置を示す図。
図3】ターボエキスパンダにおけるクランプリングに対するベーンの相対的位置を示す図。
図4】例示的な実施形態によるランキンサイクルを示す図。
図5】例示的な実施形態による、ターボエキスパンダの膨張段の入口ガイドベーンセクションを示す図。
図6】例示的な実施形態による、流体開口部に対する入口ガイドベーンの様々な位置を示す図。
図7】例示的な実施形態による、流体開口部に対する入口ガイドベーンの様々な位置を示す図。
図8】例示的な実施形態による、流体開口部に対する入口ガイドベーンの様々な位置を示す図。
図9】例示的な実施形態による、制御システムの要素を示す図。
図10】例示的な実施形態による、発電の方法についてのフローチャートを示す図。
図11】例示的な実施形態による、発電システムの制御装置として機能することができる装置を示す図。
図12】例示的な実施形態による、発電の方法についての別のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面を参照している。異なる図面における同じ参照符号は、同じ又は同様な要素を特定している。加えて、図面は、必ずしも正しい縮尺では描いていない。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。それよりむしろ、本発明の技術的範囲は、提出した特許請求の範囲によって定まる。
【0016】
本明細書全体にわたる「1つの実施形態」又は「実施形態」という表現は、実施形態に関連して説明した特定の特徴形状、構造又は特性が、開示した主題の少なくとも1つの実施形態内に含まれることを意味している。従って、明細書全体にわたる様々な箇所における「1つの実施形態では」又は「実施形態では」という語句の表現は、必ずしも同一の実施形態について説明しているとは限らない。さらに、それらの特定の特徴形状、構造又は特性は、1つ又はそれ以上の実施形態においてあらゆる好適な方法で組合せることができる。
【0017】
背景技術の項において説明しまた図1に示したように、ランキンサイクルは、発電システム内で使用して、廃熱エネルギーの一部分を捕捉することができる。例示的な実施形態によると、複数の膨張段を備えたターボエキスパンダは、例えば発電機による出力効率を最適にしながら発電システムを上限圧力(又は、望ましい上限圧力範囲内)で作動させるのを可能にすることができる。次に、そのような例示的なターボエキスパンダを備えた発電のための例示的なシステム(そこでは、簡単かつ簡略にするために従来型のランキンシステムの幾つかの構成要素を取除いている)を図4に関して説明する。しかしながら、例示的な実施形態によると、ランキンサイクルについて説明しかつ図1に示した構成要素は、以下に説明する例示的なターボエキスパンダ及び制御システムを使用する同様な発電ユニットにおいて使用することができる。
【0018】
最初に、本システムは加圧され、また作動流体はポンプ402によって閉ループランキンサイクルシステム内で循環する(矢印で示す方向に)。例えば、ORC流体のような作動流体は、蒸発器404にポンプ圧送され、作動流体は、蒸発器404において蒸発される。この加圧蒸気は次に、第1の膨張段408及び第2の膨張段410を有するターボエキスパンダ406に流れる。1つの用途では、複数段を有する単一のエキスパンダの代わりに複数のエキスパンダ(物理的に互いに分離された)を使用することができる。本明細書で説明する新規な特徴は、複数のエキスパンダ又は複数段を備えた単一のエキスパンダの両方に当てはまる。第1の膨張段408は、該第1の膨張段408に流入する加圧蒸気の量/速度を調節する入口ガイドベーン412を含む。加圧蒸気は、膨張時に幾らかのエネルギーを消費しかつ第2の膨張段410に移動して、該第2の膨張段410に流入する蒸気の量/速度を同様に調節する別の入口ガイドベーン414を通して該第2の膨張段410に流入する。
【0019】
蒸気が膨張段408及び410内で膨張すると、ギヤボックス420に連結されたそれらのそれぞれのシャフト416、418を回転させる仕事が行なわれる。単一のシャフト422が、ギヤボックス420を発電機424に結合する。電力426が次に、発電機424から出力される。
【0020】
図4のランキンサイクル部分に戻ると、膨張蒸気は、第2の膨張段を離れかつ復熱装置428に向けてターボエキスパンダ406から流出し、復熱装置428は、作動流体の熱交換を可能にする。作動流体は次に、ランキンサイクルの他のステップ(図示せず)を通ってポンプ402に向けて流れて、このサイクルを反復する。センサ430は、圧力監視センサを表しており、またセンサ432は、出力効率を監視するために使用する1つ又はそれ以上のセンサ(例えば、電流及び/又は電圧センサ)を表している。制御装置434が、発電システムの設定値を制御する。
【0021】
図5には、入口ガイドベーン412の実施例を示している。可変ジオメトリ入口ガイドベーン502は、膨張段内への作動流体の流れ(流量)を制御するように変更することができる様々な位置又は角度に設定することができる。加えて、例示的な実施形態によると、ベーン502の位置を制御することによって、圧力P1(図4に示す)を上限最大範囲内にあるように調節することができる。簡単にするために、図6図8は、対応する流体入口602に対する単一のベーン502の異なる位置を示している。Aは、流体入口602の開放面積を表しており、またA01は、可変ジオメトリ入口ガイドベーン502によって閉鎖された流体入口602の面積を表している。図6は完全開放流体入口602を表し、図7は部分開放流体入口602を表し、また図8は完全閉鎖流体入口602を表している。図6図8には3つの位置のみを示しているが、ベーン502のその他の角度位置も可能である。加えて、流体入口602に対するベーン502の様々な位置は、ターボエキスパンダ406の膨張セクションに流入する流体のための可変ジオメトリ入口ノズルを形成する。
【0022】
例示的な実施形態によると、上記のように、制御装置434は、発電システムに関連する設定値、パラメータ、ソフトウェア及び他の制御機器を制御することができる。図9には、制御装置434を含む様々な制御要素及び例示的な通信リンクを示している。その他の制御機器には、例えば発電機のような関連する発電ユニットから電流、電圧及び/又は他の電力関連情報を収集するために使用することができる1つ又は複数の電力センサ432を含むことができる。圧力センサ430は、発電サイクル内の様々な位置から圧力データを収集するために使用することができる。
【0023】
発電システム内では、図9に示すような他の制御機材902もまた、使用することができる。これらの制御要素は全て、制御装置434と通信状態にすることができるが、その他の通信リンクもまた存在し、例えば、バックアップリンク又は制御要素間のその他の直接リンクを設けることもできる。制御装置434はまた、ターボエキスパンダ446並びに入口ガイドベ−ン412及び414の制御機器と通信状態になっている。それにより、制御装置434は、入口ガイドベーン412及び414を変更する命令を発することができる。制御装置434は単一のユニットとして図示しているが、必要に応じて役割をユニット間に分散させた状態で複数の制御装置434をシステム内に存在させることができる。加えて、本明細書に説明した例示的な実施形態は、例えばターボエキスパンダ406の制御機器のような機材の別の部品と統合した制御装置434によって行なうことができる。
【0024】
例示的な実施形態によると、上記の例示的なシステム及び制御要素を使用することにより、本システム及び方法は、二段の(又はそれ以上の)ターボエキスパンダとして、第1の膨張段にランキンサイクルの上限圧力を調整させて、第2の膨張段がそれ自体を調整して例えば関連する発電システム内の発電機から最大出力に関連する最適膨張比を自動的に見出すことができるような圧力範囲内になるようにすることができる。例示的な実施形態によると、この例示的なプロセスは、発電システムが部分負荷で作動している時に行なって出力を向上させることができる。後でより詳しく説明するように、ターボエキスパンダの一部の状態(チョーク状態)の場合に、キスパンダの効率は、該ターボエキスパンダによって駆動される発電機の出力に正比例する。このプロセスは、図10のフローチャートに示すように行なうことができる。最初に、発電システムは作動しており、ステップ1002において、作動流体がターボエキスパンダの第1の膨張段の入口ガイドベーン412に流入する時に、作動流体は圧力P1の初期値になっている。ステップ1004において、入口ガイドベーン412は、ガスの流量を調節して、所望の範囲、例えば+/−1又は+/−0.5バールの範囲内で所望のP1の設定値、例えば50バールを取得しかつ維持する。例示的な実施形態によると、入口ガイドベーン412は、例えば制御装置434によって調節されて、例えばプラント最適性能パラメータによって決定又は設定することができる所望の圧力P1を取得するようにベーンの角度を調整する。ステップ1006に示すように、入口ガイドベーン412は第1の段のガスの流量を調節する一方、入口ガイドベーン414は、第2の段のガスの流量を調節する。入口ガイドベーン414は、後で説明するようにガスの流量を調節して、入口ガイドベーン412がガスの流量を調節している間にシステム圧力を乱さないようにする。これにより、入口ガイドベーン412が常に所定のウィンド内の所望のP1値を取得しかつ維持するためにベーンの角度を変更することが防止される。ステップ1008に示すように、P1が設定値を中心とした帯域内になると、入口ガイドベーン412は固定され、また入口ガイドベーン414は、ターボエキスパンダの膨張効率を最大にするように該ターボエキスパンダの第2の段を通るガスの流量を動的に調節し始める。この膨張効率を最大にすることは、関連する発電機426の出力を最大にすることに関連する。本明細書で使用する場合に、ターボエキスパンダの膨張効率は以下の等式(1)で説明される。
膨張効率=発電量/エンタルピー流量 (1)
ここでは、入口ガイドベーン412が固定されかつターボエキスパンダがチョーク状態になるとエンタルピー流量は一定になる。ターボエキスパンダがチョーク状態になると、一定の質量が、装置を通って流れることに注目されたい。計算を簡単にするために、ターボエキスパンダの両方の段がチョーク状態になっていると見なす。エンタルピー流量はチョーク状態下では一定であるので、ターボエキスパンダの膨張効率は、関連する発電機の発電量に比例する。
【0025】
入口ガイドベーン412が固定されていることを前提とすると、入口ガイドベーン414は、様々なベーン角度にわたって移動するように制御されて、発電の出力が変化するようになる。この出力は、測定されかつ1つの用途ではデータベースに記憶される。制御装置434は、入口ガイドベーン414において初期角度開始ポイントからベーンを開放方向及び閉鎖方向の両方向に移動させることによって、最大出力のポイントを調査しかつ各ベーン位置におけるデータを捕捉する。例示的な実施形態によると、この全範囲にわたる移動(sweeping)は約20秒以内で行なうことができるが、必要に応じて、他の時間フレームも使用することができる。ステップ1010に示すように、ベーンの各角度位置について、発電機424の出力が確定される。確定した結果が最大出力に到達していない場合には、プロセスが反復され、またそうでない場合には、プロセスが終了して、入口ガイドベーン414のベーン角度は確定した状態になる。1つの用途では、制御装置434は、データベースから、入口ガイドベーン414の角度が発電機424の出力を最大にするように確定し、かつそれに従って入口ガイドベーン414の角度を設定する。この全範囲にわたる移動プロセスは、必要に応じて反復することができまた時間の経過と共に再検査することができる。加えて、P1が、作動流体の温度及び圧力に影響を与える可能性があるシステム変化、例えば負荷変化のために所望の範囲外になった場合には、図10のフローチャートに示すプロセス全体を反復することができる。1つの用途では、P1が所望の範囲外になった場合に、入口ガイドベーン414は、ターボエキスパンダ406の効率を最大にする角度を放棄し、かつP1が所望の範囲内になるまで入口ガイドベーン412に従うように構成される。
【0026】
例示的な実施形態によると、様々なアルゴリズムを使用して、それらのそれぞれのガス流量を調節する異なる段のための入口ガイドベーン412及び入口ガイドベーン414間の関係を記述することができる。下記のアルゴリズムで使用する前提には、1のマッハ数を使用すること及びシステムがチョーク状態で作動していることが含まれる。例示的な実施形態によると、入口ガイドベーン412が最初に所望の圧力範囲に入るようにガス流量を調節し始めた時(又は、ガスの流量を調節し始める直前)には、2つの段間の関数関係は、等式(2)に示すものとして記述することができる。
=A・f(P,P,T,T) (2)
ここで、Aは、入口ガイドベーン412におけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積(図7参照)であり、Aは、入口ガイドベーン414におけるベーンによって閉鎖されていない流体入口の面積(図示していないが図7におけるAと同様である)であり、Pは、入口ガイドベーン412の位置における作動流体の圧力であり、Pは、入口ガイドベーン414の位置における作動流体の圧力であり、Tは、入口ガイドベーン412の位置における作動流体の温度であり、またTは、入口ガイドベーン414の位置における作動流体の温度である。
【0027】
別の例示的な実施形態によると、入口ガイドベーン412が最初に所望の圧力範囲に入るように調節し始めた時(又は、調節し始める直前)には、2つの段間の関係は、等式(3)に示すものとして記述することができる。
/At1=A/At2 (3)
ここで、At1は、入口ガイドベーン412のベーンを通る流体入口の総面積(図7におけるA+A01参照)であり、またAt2は、入口ガイドベーン414のベーンを通る流体入口の総面積(図示していないが図7におけるAt1と同様である)である。
【0028】
別の例示的な実施形態によると、入口ガイドベーン412が所望の圧力範囲に入るようにガスの流量を調節している時には、入口ガイドベーン412及び入口ガイドベーン414間の関係は、該入口ガイドベーン414が該入口ガイドベーン412に流入するガスの流れの圧力に実際には影響を与えないように設定される。この状況では、入口ガイドベーン414は、等式(4)に基づいて入口ガイドベーン412に追従するように設定される。
【0029】
【数1】
ここで、ρは、入口ガイドベーン412の位置における作動流体の密度であり、またρは、入口ガイドベーン414の位置における作動流体の密度である。
【0030】
別の例示的な実施形態によると、入口ガイドベーン412が、所望の圧力範囲内の圧力を有するようにガスの流量を調節し終え、かつその圧力が安定している時には、入口ガイドベーン412の角度は固定され、かつ入口ガイドベーン414の角度のみが、ターボエキスパンダ406の効率が最大になるまで調整される。従って、入口ガイドベーン414は、入口ガイドベーン412とは独立した状態になり、かつ該入口ガイドベーン414の閉鎖されていない流体入口の面積Aは、等式(5)によって記述することができる。
【0031】
【数2】
ここで、kは、ガスの等エントロピー係数であり、mは、作動流体質量流量であり、またRは、気体定数である。このポイントから、入口ガイドベーン414は、様々な角度を通って開放方向及び閉鎖方向に移動して、上記のようにターボエキスパンダ406の膨張効率を最大にすることに関連する発電機424の最大出力ポイントを決定することができる。制御装置434(又は、その関連する制御要素の1つ)によって制御されるようなこの全範囲にわたる移動は、P1が所定の範囲から離れることができないような範囲内に保たれる。しかしながら、P1が所定の(所望の)範囲から離れた場合には、入口ガイドベーン414における全範囲移動プロセスが中断され、かつ入口ガイドベーン412が、P1が所定の範囲になるようにガスの流量を調整し始める。入口ガイドベーン414における角度の様々な値及び膨張効率を表す測定変数は、メモリ内に記憶することができる。全範囲移動プロセスが完了した後に、制御装置434は、記憶した変数を比較し、ターボエキスパンダ406の膨張効率を最大にする値を選択し、かつ選択した値を有するように入口ガイドベーン414の値を設定することができる。
【0032】
別の例示的な実施形態によると、ターボエキスパンダ406は、システム圧力を調節する少なくとも1つの膨張段及び出力効率を最大にする別の膨張段を備えた2つよりも多い膨張段を有することができる。
【0033】
例示的な実施形態によると、第1の膨張段408の入口ガイドベーン412を使用して圧力を調節することによって、作動流体が第1の膨張段408に流入する時に該作動流体に合せてシステム圧力を制御するようになった専用バルブの必要性がなくなる。加えて、例示的な実施形態は、発電システムの作動状態、例えば部分負荷及び様々な周囲温度が変化した状況において使用することができる。
【0034】
例示的な実施形態によると、ランキンサイクルで使用することができる1つの作動流体は、ORC流体である。ORC流体の実施例には、それに限定されないが、ペンタン、プロパン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ブタン、R−245faのようなフッ化炭化水素、並びにアセトンのようなケトン或いはトルエン又はチオフェンのような芳香族化合物が含まれる。しかしながら、背景技術の項で述べたように、高温に直接曝された場合には、ORC流体の劣化のリスクがある。従って、例示的な実施形態によると、例示的なターボエキスパンダ406を使用した発電システムでは、中間熱オイルループ又は別の流体を使用することができる。
【0035】
上記の例示的な実施形態は、ランキンサイクルにおける上限圧力を調節しかつ次に例えば発電機426の出力効率を最大にするようになった方法及びシステムを提供する。制御装置434(図11に示すような)は、プロセッサ1102(又は複数のプロセッサコア)、メモリ1104、1つ又はそれ以上の二次記憶装置1106、通信インタフェース1108及びソフトウェアアプリケーション1110を内蔵することができる。プロセッサ1102は、本明細書に説明したような例示的な実施形態を実施するための命令を実行することができる。加えて、プロセッサ1102は、発電システムの作動及び制御を支援する実行のための命令を含むことができる。メモリ1104は、それらの命令並びにセンサ情報及びベーンの全範囲移動により取得した結果を記憶することができる。加えて、P1及び圧力範囲などに関連する情報もまた制御装置434内に記憶することができる。ソフトウェアアプリケーション1110は、本明細書に説明した例示的な実施形態に関連するプログラム並びに発電システムに関連するプログラムを表すことができる。通信インタフェース1108は、センサ、その他の制御装置などと通信して、発電システムを作動させかつ入口ガイドベーン角度を変更することに関連する命令を送信することができる。従って、上記の例示的な実施形態は、制御装置434によって制御することができる。
【0036】
例示的な実施形態によると、発電のための方法は、図12のフローチャートに示すように、少なくとも2つの膨張段を備えたターボエキスパンダを含む。本方法は、(i)ターボエキスパンダの第1の膨張段における第1の入口ガイドベーンの角度を該第1の膨張段の入口圧力が所定の範囲内に維持されるように、また(ii)ターボエキスパンダの第2の膨張段における第2の入口ガイドベーンの角度を第1の膨張段における入口圧力が該所定の範囲内に維持されるように制御するステップ1200と、第1の入口ガイドベーンの角度を固定した状態に維持しながら第2の入口ガイドベーンの角度を変化させるステップ1202と、発電ユニットによって発生される電力を変化角度に対応させて確定するステップ1204と、発電ユニットによって発生される電力の最高出力及び第2の入口ガイドベーンの対応する角度を決定するステップ1206と、最高出力を達成するように第1の入口ガイドベーンの角度とは独立して第2の入口ガイドベーンの角度を調整するステップ1208とを含む。
【0037】
上記の例示的な実施形態は、全てに点において本発明の限定ではなくて例示であることを意図している。従って、本発明は、本明細書に含まれる説明から当業者が派生させることができる詳細な実施の多くの変形形態を可能にする。全てのそのような変形及び修正形態は、特許請求の範囲によって定まる本発明の技術的範囲及び技術思想の範囲内にあると考えられる。本出願の説明で使用する要素、作用又は指示はいずれも、そうではないことを明確に記載していない限り、極めて重要なもの或いは必須なものと解釈してはならない。また、本明細書で使用する場合に、数詞を付していない表現は、1つ又はそれ以上の項目を含むことを意図している。
【0038】
本明細書は最良の形態を含む実施例を使用して、本発明を開示し、また当業者が、あらゆる装置又はシステムを製作しかつ使用しまたあらゆる組込み方法を実行することを含む本発明の実施を行なうことを可能にもする。本発明の特許性がある技術的範囲は、特許請求の範囲により定めており、また当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。そのようなその他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を含むか又はそれらが特許請求の範囲の文言と均等な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲の技術的範囲内に属することになることを意図している。
【符号の説明】
【0039】
1 発電システム
2 熱交換器
4 ターボエキスパンダ
6 凝縮器
8 ポンプ
10 外部熱源
12 加圧液体媒体、高圧液体ストリーム
14 加圧蒸気ストリーム
16 電力
18 膨張低圧蒸気ストリーム
20 低圧液体ストリーム
102 ハウジング
104 環状入口
106 固定円形プレート
108 調整リング
110 クランプリング
112 ノズルピボットピン
114 ベーン
116 カムフォロア
118 バイアススロット
402 ポンプ
404 蒸発器
406 ターボエキスパンダ
408 第1の膨張段
410 第2の膨張段
412 入口ガイドベーン
414 入口ガイドベーン
416 シャフト
418 シャフト
420 ギヤボックス
422 単一のシャフト
424 発電機
426 電力
428 復熱装置
430 圧力センサ
432 電力センサ
434 制御装置
502 可変ジオメトリ入口ガイドベーン(形状可変入口のためのガイドベーン)
602 流体入口
902 他の制御機材
1102 プロセッサ
1104 メモリ
1106 二次記憶装置
1108 通信インタフェース
1110 ソフトウェアアプリケーション
P1 圧力
閉鎖されていない流体入口の面積
01 閉鎖された流体入口の面積
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12