(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば各種の容器類や日用品等を収容物品として複数まとめて梱包して、搬送や保管や陳列に供するための箱として、ダンボール箱等の六面体形状の箱が多用されている。ダンボール箱等の六面体形状の箱は、所定の形状に裁断されたダンボール板等の板状シート材に折曲げ加工や切込み加工等を施すと共に、必要に応じて接着剤等による接合手段を用いることにより、4方の側面部と、天面部と、底面部とを備える、好ましくは正六面体形状や直方体形状の箱として形成される。
【0003】
ダンボール箱等の六面体形状の箱は、例えばボトル形状の容器を縦横に並べて多数収容する場合に、これらが搬送中に位置ずれすることなく、梱包時の整列配置された状態を保持できるようにするために、別部材として形成された仕切り部材を箱に装着して、箱の内部を複数の区画に仕切る工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ダンボール箱等の六面体形状の箱の内部を複数の区画に仕切る一般的な仕切り部材として、例えば
図8(a)〜(d)示すように、帯板形状に裁断した一枚の板状シート材を、断面形状が凸の字形状やコの字形状となるように折り曲げた仕切り部材50,51(
図8(a)、(b)参照)や、帯板形状に裁断した複数枚の平板状の板状シート材による仕切り部材52を、略平行となるように配置したり、キの字状となるように配置して装着したもの(
図8(c)、(d)参照)が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の六面体形状の箱に装着して用いる箱用仕切り部材では、箱の内部に配置された多数の容器類や日用品等の収容物品を、複数列に仕切って各列の収容物品が混じり合わないようにすることは可能であるが、箱用仕切り部材は、それ自体が安定した状態で箱の内部に位置決めされているものではないため、例えば搬送時の振動等によって、箱の内部で収容物品が移動すると、これに伴って箱用仕切り部材が位置ずれすることになって(
図8(a)〜(d)参照)、多数の収容物品が整列配置された梱包時の状態を保持することが困難になる。
【0007】
特に、近年、例えばボトル容器や、紙製あるいは樹脂製のサック(2次包装)として、楕円形状や瞳形状等の横断面形状を備える包装や容器が梱包される場合があり(
図8(a)〜(d)参照)、このような横断面形状を備える包装や容器は、個々に回転方向に移動し易いものであることから、密集配置することで移動し難くなる円形や矩形等の横断面形状を備えるボトル容器等と比較して、例えば搬送時の振動等によって配列乱れを生じやすい。またこのような配列乱れは、個々の包装や容器等の収容物品が重いものである場合に一層顕著になる。
【0008】
本発明は、帯板形状に裁断された板状シート材を用いて簡易に形成できると共に、六面体形状の箱に多数収容された収容物品が個々に移動し易いものであっても、梱包時の整列配置された状態から、搬送時の振動等によって収容物品に配列乱れが生じるのを効果的に抑制することのできる箱用仕切り部材、該箱用仕切り部材を形成するための板状シート材、及び該箱用仕切り部材を箱に装着してなる箱の仕切り構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、帯板形状に裁断された板状シート材を折曲げ線に沿って折り曲げることにより形成され、六面体形状の箱に装着して用いる箱用仕切り部材であって、前記箱の一方の対向する一対の第1側面部のうちの一方に沿って配置される側面添設板部と、該側面添設板部に一対の第1縦方向折曲げ線を介して各々連設すると共に、前記箱の他方の対向する一対の第2側面部と平行に延設して配置される一対の仕切板部とを有しており、前記側面添設板部は、前記一対の第1縦方向折曲げ線の間の中央添設部と、端部が前記一対の第1縦方向折曲げ線と接続するように切り込まれたL字状又はコの字状の第1切込み線によって切り離されて、前記中央添設部よりも両側に張り出して設けられた、前記箱の一対の第2側面部の間の間隔幅と同様の横幅を両側の張出端部間に備える張出添設部とを備えており、前記仕切板部は、前記側面添設板部とは反対側の端部が、前記箱の一対の第1側面部と平行に配置されると共に前記箱の一対の第2側面部の間の間隔幅と同様の横幅を備える端部支持部に連設することで、当該端部が位置決めされる箱用仕切り部材を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0010】
また、本発明は、前記箱用仕切り部材を、六面体形状の箱に装着してなる箱の仕切り構造であって、前記六面体形状の箱に、1体の前記箱用仕切り部材が、前記箱の一方の対向する一対の第1側面部のうちの一方に沿って前記側面添設部を配置し、前記一対の第1側面部のうちの他方に沿って前記端部支持部を配置した状態で装着されている箱の仕切り構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0011】
さらに、本発明は、前記箱用仕切り部材を、六面体形状の箱に装着してなる箱の仕切り構造であって、前記六面体形状の箱に、複数体の前記箱用仕切り部材が連設して装着されており、前記箱の一方の端部に配設される前記箱用仕切り部材の前記側面添設部を、前記箱の一方の対向する一対の第1側面部のうちの一方に沿って配置し、隣接して配設される前記箱用仕切り部材の前記側面添設部を前記端部支持部として、前記箱の他方の端部側に前記箱用仕切り部材が複数連設されていると共に、前記箱の他方の端部に配設される前記箱用仕切り部材の前記端部支持部が、前記一対の第1側面部のうちの他方に沿って配置されている箱の仕切り構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の箱用仕切り部材、該箱用仕切り部材を形成するための板状シート材、又は該箱用仕切り部材を箱に装着してなる箱の仕切り構造によれば、帯板形状に裁断された板状シート材を用いて簡易に形成できると共に、六面体形状の箱に多数収容された収容物品が個々に移動し易いものであっても、梱包時の整列配置された状態から、搬送時の振動等によって収容物品に配列乱れが生じるのを効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示す本発明の好ましい第1実施形態に係る箱用仕切り部材10は、六面体形状の箱として、例えば直方体形状のダンボール箱20に装着して用いられる。本第1実施形態では、ダンボール箱20の内部には、
図3に示すように、収容物品30として、例えば液体洗剤が充填された楕円の横断面形状を備える多数のボトル容器やPPサックなどの二次包装製品(以下ボトル容器等30とする)が、3列に整列配置されて梱包されている。多数のボトル容器等30は、3列の各列において、楕円の横断面形状の短軸方向をダンボール箱20の長手方向に沿った略直線状に配置すると共に、隣接するボトル容器等30の間に隙間が生じないように密集させて梱包されている。本第1実施形態の箱用仕切り部材10は、このような多数のボトル容器等30が収容されたダンボール箱20に装着されて、ダンボール箱20の内部をボトル容器等30の各列に沿った、楕円の横断面形状の長軸の長さと同様の幅の3列の区画に仕切ると共に、ダンボール箱20に対して安定した状態で位置決めされることで、ダンボール箱20の内部の3列の区画を強固に保持して、梱包された多数の収容物品に配列乱れが生じるのを効果的に抑制する機能を備える。
【0015】
そして、本第1実施形態の箱用仕切り部材10は、好ましくは
図2に示すような帯板形状に裁断された板状シート材11を折曲げ線12a,12b,12cに沿って折り曲げることにより形成され、
図1に示すように、六面体形状の箱であるダンボール箱20に装着して用いる仕切り部材である。本第1実施形態の箱用仕切り部材10は、ダンボール箱20の一方の対向する一対の第1側面部21a,21bのうちの一方の第1側面部21aに沿って配置される側面添設板部13と、この側面添設板部13に一対の第1縦方向折曲げ線12aを介して各々連設すると共に、ダンボール箱20の他方の対向する一対の第2側面部22a,22bと平行(略平行も含む)に延設して配置される一対の仕切板部14a,14bとを有している。側面添設板部13は、一対の第1縦方向折曲げ線12aの間の中央添設部13aと、端部が一対の第1縦方向折曲げ線12aと接続するように切り込まれたL字状又はコの字状(本第1実施形態ではL字状)の第1切込み線16aによって切り離されて、中央添設部13aよりも両側に張り出して設けられた、ダンボール箱20の一対の第2側面部22a,22bの間の間隔幅B1(
図3参照)と同様の横幅b1(
図2参照)を両側の張出端部間に備える張出添設部13bとを備えている。一対の仕切板部14a,14bは、側面添設板部13とは反対側の端部15a,15bが、ダンボール箱20の一対の第1側面部21a,21bと平行(略平行も含む)に配置されると共にダンボール箱20の一対の第2側面部22a,22bの間の間隔幅B1と同様の横幅b2(
図1参照)を備える端部支持部17に連設することで、当該端部15a,15bが位置決めされるようになっている。
【0016】
また、本第1実施形態の箱用仕切り部材10は、一対の仕切板部14a,14bのうちの一方の仕切板部14aが、側面添設板部13とは反対側の端部15aに、第2縦方向折曲げ線12bを介して連設する、側面添設板部13の張出添設部13bの張出し幅b3(
図2参照)と同様の横幅b4(
図2参照)を備える端部第1フラップ部18を有しており、一対の仕切板部14a,14bのうちの他方の仕切板部14bが、側面添設板部13とは反対側の端部15bに、第3縦方向折曲げ線12cを介して連設する、側面添設板部13の張出添設部13bの張出し幅b3と同様の横幅b5(
図2参照)を備える外折り部19aと、端部が第3縦方向折曲げ線12cと接続するように切り込まれたL字状又はコの字状(本第1実施形態ではL字状)の第2切込み線16bによって切り離されて形成された、側面添設板部13の中央添設部13aの横幅b6(
図2参照)と同様の横幅b7(
図2参照)を備える内折り部19bとが連続する端部第2フラップ部19を有している。端部第1フラップ部18と端部第2フラップ部19とを第2縦方向折曲げ線12bや第3縦方向折曲げ線12cを介して折り曲げて、これらをダンボール箱20の一対の第1側面部21a,21bと平行(略平行も含む)に配置することで、仕切板部14a,14bの側面添設板部13とは反対側の端部15a,15bを位置決めする端部支持部17が形成されるようになっている(
図1参照)。
【0017】
さらに、本第1実施形態では、六面体形状の箱であるダンボール箱20に、上述の構成を備える1体の箱用仕切り部材10が、ダンボール箱20の一方の対向する一対の第1側面部21a,21bのうちの一方の第1側面部21aに沿って側面添設部13を配置し、一対の第1側面部21a,21bのうちの他方の第1側面部21bに沿って、端部第1フラップ部18と端部第2フラップ部19とによる端部支持部17を配置した状態で装着されていることで、ダンボール箱20の仕切り構造が形成されている。
【0018】
本第1実施形態では、六面体形状の箱であるダンボール箱20は、公知の一般的なダンボール箱と同様にして、縦横20〜40cm程度、高さ20〜30cm程度の大きさの、梱包に便利な好ましくは直方体形状に形成される。すなわち、ダンボール箱20は、例えば所定の展開形状となるように裁断された板状シート材であるダンボール板に、折曲げ加工や切込み加工等を施すと共に、必要に応じて接着剤等による接合手段を用いることにより、4方の側面部21a,21b,22a,22bと、天面部と、底面部とを備える直方体形状の箱として形成される。ダンボール箱20には、例えば天面部を開放した状態で、箱用仕切り部材10と共に多数のボトル容器等30が、整列配置された状態で内部に収容される。多数のボトル容器等30を収容した後に、天面部を閉塞することで多数のボトル容器等30が梱包されて、保管場所や販売場所まで搬送される。本第1実施形態では、多数のボトル容器等30は、箱用仕切り部材10と共に梱包されることによって、搬送され後も、梱包時の整列配置された状態を容易に保持することが可能になる。
【0019】
そして、本第1実施形態では、箱用仕切り部材10は、
図2に示すような帯板形状に裁断された板状シート材11として、ダンボール板を用いて形成される。ダンボール板11は、ダンボール箱20の高さよりも若干小さな、これと同様の幅を有する横長の帯板形状を備えている。ダンボール板11の
図2における横長方向の中央部分には、罫線やミシン目等からなる一対の第1縦方向折曲げ線12aが、間隔をおいて平行に配置されると共に、上辺部11aから垂直下方に上下方向中間部分まで延設して設けられている。また、ダンボール箱20の横長方向の中央部分には、一対の第1縦方向折曲げ線12aの下端部に一端部が各々接続されて、角部が斜めに面取りされたL字状の一対の第1切込み線16aが、一対の第1縦方向折曲げ線12aから両側に張り出すようにして各々設けられている。これらのL字状の一対の第1切込み線16aは、他端部がダンボール板11の下辺部11bに臨むように形成されている。
【0020】
ここで、ダンボール板11の中央部分の一対の第1縦方向折曲げ線12a及び一対の第1切込み線16aによって挟まれる部分が、箱用仕切り部材10の側面添設板部13を構成する。一対の第1縦方向折曲げ線12aの間の部分が、側面添設板部13の中央添設部13aを構成する。一対の第1切込み線16aの間の部分が、側面添設板部13の、ダンボール箱20の一対の第2側面部22a,22bの間の間隔幅B1と同様の横幅b1を両側の張出端部間に備える張出添設部13bを構成する。
【0021】
また、本第1実施形態では、ダンボール板11の、
図2における左側の端部分には、左側の端辺部11cから、側面添設板部13の張出添設部13bの第1縦方向折曲げ線12aからの張出し幅b3と同様の間隔をおいて、罫線やミシン目等からなる第2縦方向折曲げ線12bが、上辺部11aと下辺部11bとの間を横断するようにして端辺部11cと平行に延設して設けられている。第2縦方向折曲げ線12bと左側の端辺部11cとの間の部分が、側面添設板部13の張出添設部13bの張出し幅b3と同様の横幅b4を備える箱用仕切り部材10の端部第1フラップ部18を構成する。
【0022】
さらに、本第1実施形態では、ダンボール板11の、
図2における右側の端部分には、右側の端辺部11dから、側面添設板部13の張出添設部13bの第1縦方向折曲げ線12aからの張出し幅b3と同様の間隔をおいて、例えば罫線やミシン目等からなる第3縦方向折曲げ線12cが、上下方向中間部分まで垂直下方に延設して設けられている。またダンボール板11の右側の端部分には、第3縦方向折曲げ線12cの下端部に一端部が接続して、角部が斜めに面取りされたL字状の第2切込み線16bが、第3縦方向折曲げ線12cからダンボール板11の中央側に張り出すようにして設けられている。L字状の第2切込み線16bは、他端部がダンボール板11の下辺部11bに臨むように形成されている。
【0023】
ここで、ダンボール板11の右側の端辺部11dと第3縦方向折曲げ線12c及び第2切込み線16bとの間の部分が、箱用仕切り部材10の端部第2フラップ部19を構成する。第3縦方向折曲げ線12cよりも右側の部分が、端部第2フラップ部19の、側面添設板部13の張出添設部13bの張出し幅b3と同様の横幅b5を備える外折り部19aを構成する。第3縦方向折曲げ線12cよりも左側の、第2切込み線16bによって囲まれる部分が、端部第2フラップ部19の、側面添設板部13の中央添設部13aの横幅b6と同様の横幅b7を備える内折り部19bを構成する。
【0024】
さらにまた、本第1実施形態では、ダンボール板11の、左側の端部分の第2縦方向折曲げ線12bと、中央部分の左側の第1縦方向折曲げ線12a及び第1切込み線16aとによって挟まれる部分が、端部15aに端部第1フラップ部18が連設する、一方の仕切板部14aを構成する。ダンボール板11の、右側の端部分の第3縦方向折曲げ線12c及び第2切込み線16bと、中央部分の右側の第1縦方向折曲げ線12a及び第1切込み線16aとによって挟まれる部分が、端部15bに端部第2フラップ部19が連設する、他方の仕切板部14bを構成する。これらの仕切板部14a,14bは、第2縦方向折曲げ線12bと第1縦方向折曲げ線12aとの間の横幅b8や、第3縦方向折曲げ線12cと第1縦方向折曲げ線12aとの間の横幅b9が、いずれも、ダンボール箱20の一対の第1側面部21a,21bの間の間隔幅B2(
図3参照)と同様の幅となるように形成されている。
【0025】
また、本第1実施形態では、ダンボール板11は、ダンボール箱20の他方の対向する一対の第2側面部22a,22bと平行に延設して配置される部分である、一対の仕切板部14a,14bを構成する部分と、その他の部分である、側面添設板部13や端部第1フラップ部18や端部第2フラップ部19を構成する部分とが、色分けされて形成されている。ダンボール箱20の他方の対向する一対の第2側面部22a,22bと平行に延設して配置される一対の仕切板部14a,14bと、その他の部分とが色分けされていることにより、当該ダンボール板11を購入した使用者が、当該ダンボール板11を用いて、正しい立体形状の箱用仕切り部材10をスムーズに形成できるように容易に誘導することが可能になる。
【0026】
さらに、本第1実施形態では、ダンボール板11の端部第2フラップ部19の内折り部19bの先端部に、係止片23が、L字状の第2切込み線16bの縦線部の中間部分をダンボール板11の中央部分側に凸状に食い込ませることによって形成されている。一方、ダンボール板11の左側の端部分の第2縦方向折曲げ線12bには、係止片23と対応する高さ位置に、係止孔24が切り込み形成されている。後述するように、ダンボール板11から立体形状の箱用仕切り部材10を組み立てる際に、端部第2フラップ部19の内折り部19bの先端部の係止片23を、第2縦方向折曲げ線12bに形成された係止孔24に挿入係止することで、組み立てた箱用仕切り部材10の立体形状を安定した状態で保持させることが可能になる。
【0027】
本第1実施形態の箱用仕切り部材10は、
図2に示す帯板形状に裁断されたダンボール板11を用いて、容易に組立て形成することができる。すなわち、ダンボール板11の横長方向の中央部分の一対の第1縦方向折曲げ線12aを介して、一対の仕切板部14a,14bを、側面添設板部13に対して垂直に、且つ互いに平行に延設するように折り曲げる。これによって、側面添設板部13の下部の張出添設部13bは、一対の仕切板部14a,14bの両側に張り出した状態となる。しかる後に、一方の仕切板部14aの側面添設板部13とは反対側の端部15aに連設する端部第1フラップ部18を、第2縦方向折曲げ線12bを介して外側に、仕切板部14aに対して垂直に折り曲げる。また、他方の仕切板部14bの側面添設板部13とは反対側の端部15bに連設する端部第1フラップ部19を、第3縦方向折曲げ線12cを介して、外折り部19aが外側に、内折り部19bが内側に各々配置されるように仕切板部14bに対して垂直に折り曲げる。そして、内折り部19bの先端部の係止片23を、一方の仕切板部14aと端部第1フラップ部18との間の第2縦方向折曲げ線12bに形成された係止孔24に挿入係止することで、
図1に示すような立体形状の箱用仕切り部材10を容易に形成することができる。
【0028】
形成された箱用仕切り部材10は、上述のように、ダンボール箱20の一方の第1側面部21aに沿って側面添設部13を配置し、他方の第1側面部21bに沿って、端部第1フラップ部18と端部第2フラップ部19とによる端部支持部17を配置した状態で、ダンボール箱20に装着され、一対の仕切板部14a,14bで仕切ることによって、ダンボール箱20の内部を3列に区画する。内部が3列に区画されたダンボール箱20には、
図3に示すように、多数のボトル容器等30が、各列において、楕円の横断面形状の短軸方向をダンボール箱20の長手方向に沿った略直線状に配置すると共に、隣接するボトル容器等30の間に隙間が生じないように密集して整列配置された状態で、梱包されることになる。
【0029】
そして、本第1実施形態によれば、箱用仕切り部材10は、帯板形状に裁断された板状シート材としてのダンボール板11を用いて、簡易に形成できると共に、六面体形状のダンボール箱20に多数収容された収容物品が、楕円の横断面形状を備えるボトル容器等30であって個々に移動し易いものであっても、梱包時の整列配置された状態から、搬送時の振動等によって収容されたボトル容器等30に配列乱れが生じるのを効果的に抑制することが可能になる。
【0030】
すなわち、本第1実施形態によれば、上述のように、所定の箇所に折曲げ線12a,12b,12cや切込み線16a,16bを設けただけの、帯板形状に裁断された1枚のダンボール板11を用いて、箱用仕切り部材10を簡易に形成することができる。
【0031】
また、本第1実施形態によれば、箱用仕切り部材10は、ダンボール箱20の一方の第1側面部21aに沿って配置される側面添設板部13が、ダンボール箱20の一対の第2側面部22a,22bの間の間隔幅B1と同様の横幅b1を両側の張出端部間に備える張出添設部13bを有している。また一対の仕切板部14a,14bの側面添設板部13とは反対側の端部15a,15bは、当該端部15a,15bに連設する端部第1フラップ部18と端部第2フラップ部19とによる、ダンボール箱20の他方の第1側面部21bに沿って配置されると共にダンボール箱20の一対の第2側面部22a,22bの間の間隔幅B1と同様の横幅b2を有する端部支持部17によって各々支持されている。
【0032】
したがって、本第1実施形態によれば、ダンボール箱20に装着された箱用仕切り部材10は、ダンボール箱20の一方の第1側面部21aの内側面に沿って配置された側面添設板部13の張出添設部13bの両側の張出し端部が、一方の第1側面部21aの両側の一対の第2側面部22a,22bとの間の角部分に固定されると共に、ダンボール箱20の他方の第1側面部21bの内側面に沿って配置された端部支持部17の両側の端部が、他方の第1側面部21bの両側の一対の第2側面部22a,22bとの間の角部分に固定されることになる。これらによって、一方の第1側面部21aの内側面に沿って側面添設板部13が強固に位置決めされることになると共に、他方の第1側面部21bの内側面に沿って端部支持部17が強固に位置決めされることになる。またこれらに連設していることで両端が各々支持された一対の仕切板部14a,14bもまた、位置ずれを生じることのない安定した状態でダンボール箱20の内部に位置決めされることになるので、これらの仕切板部14a,14bによって仕切られた3列の区画を強固に保持して、ボトル容器等30が個々に移動し易い収容物品であっても、梱包された多数の収容物品に搬送時の振動等による配列乱れが生じるのを、効果的に抑制することが可能になる。
【0033】
図4は、本発明の好ましい第2実施形態の箱用仕切り部材40を説明するものである。本第2実施形態の箱用仕切り部材40は、
図5に示すような帯板形状に裁断されたダンボール板41を用いて形成される。本第2実施形態の箱用仕切り部材40は、側面添設板部43が、上下各一対の第1縦方向折曲げ線42aの間の上下の中央添設部43aと、端部が上下各一対の第1縦方向折曲げ線42aと接続するように切り込まれたコの字状の第1切込み線46aによって切り離されて、中央添設部43aよりも両側に張り出して設けられた、ダンボール箱20の一対の第2側面部22a,22bの間の間隔幅B1と同様の横幅b10を両側の張出端部間に備える張出添設部43bとからなっている点で、側面添設板部13が略T字形状となっている上記第1実施形態の箱用仕切り部材10と相違している。
【0034】
また、本第2実施形態の箱用仕切り部材40は、仕切板部44a,44bの側面添設板部43とは反対側の端部45a,45bが位置決めされる端部支持部47の構成が、上記第1実施形態の箱用仕切り部材10のものと相違している。
【0035】
すなわち、本第2実施形態では、一対の仕切板部44a,44bのうちの一方の仕切板部44bが、側面添設板部43とは反対側の端部45bに、第4縦方向折曲げ線42bを介して連設する、側面添設板部43の張出添設部43bの一方の張出し幅b11に中央添設部43aの横幅b12を加えた横幅と同様の横幅b13を備える内折り部49bと、端部が第4縦方向折曲げ線42bと接続するように切り込まれたL字状の第3切込み線46bによって切り離されて形成された、側面添設板部13の張出添設部43bの一方の張出し幅b11と同様の横幅b14を備える外折り部49aとが連続する端部第3フラップ部49を有している。この端部第3フラップ部49を第4縦方向折曲げ線42bを介して折り曲げて、ダンボール箱20の一対の第1側面部21a,21bと平行に配置することで、仕切板部44a,44bの側面添設板部43とは反対側の端部45a,45bを位置決めする端部支持部47が形成されるようになっている。
【0036】
本第2実施形態の箱用仕切り部材40によっても、ダンボール箱20の一方の第1側面部21aに沿って側面添設部43を配置し、他方の第1側面部21bに沿って、端部第3フラップ部49による端部支持部47を配置して、強固に位置決めされた状態でダンボール箱20に装着されることにより、一対の仕切板部14a,14bによってダンボール箱20の内部を3列に区画して、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0037】
図6は、六面体形状のダンボール箱60に箱用仕切り部材50,50’を複数体装着してなる仕切り構造を説明するものである。
図6に示す仕切り構造では、横長の直方体形状のダンボール箱60に、例えば3体の箱用仕切り部材50,50’が連設して装着されている。ここで、連設される3体の箱用仕切り部材50,50’のうちの、
図6における左側の2体の箱用仕切り部材50は、側面添設板部53と、この側面添設板部53と連設してダンボール箱60の他方の対向する一対の第2側面部62a,62bと平行に延設して配置される、一対の仕切板部54とを有しているのみで、端部支持部に相当する部分を備えていないものとなっている。
図6における右端の1体の箱用仕切り部材50’は、上記第1実施形態や第2実施形態の箱用仕切り部材10,40と同様に、仕切板部54’の側面添設板部53’とは反対側の端部55’を位置決めする端部支持部57’が、当該端部55’と連設して設けられている。
【0038】
そして、ダンボール箱60の左側の端部に配設される箱用仕切り部材50の側面添設部53を、ダンボール箱60の一方の対向する一対の第1側面部61a,61bのうちの一方の側面部61aに沿って配置し、隣接して配設される箱用仕切り部材50の側面添設部53,53’を端部支持部57として、ダンボール箱60の右側の端部側に箱用仕切り部材50が複数(2体)連設されている。またダンボール箱60の右側の端部に配設される箱用仕切り部材50’の端部支持部57’が、一対の第1側面部62a,62bのうちの他方の側面部62bに沿って配置されている。
【0039】
図6に示す箱の仕切り構造によっても、側面添設部53,53’や端部支持部57,57’に両端が支持されることで、安定した状態で位置決めされた各一対の仕切板部54,54’によってダンボール箱60の内部を3列に区画して、多数の収容物品30を整列配置した状態で収容することにより、上記各実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0040】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、帯板形状の板状シート材は、ダンボール板である必要は必ずしもなく、相当の保形剛性を備えると共に折り曲げ線に沿って折り曲げることが可能な、合成樹脂等からなるその他の種々の板状のシート材であっても良い。箱用仕切り部材が装着される六面体形状の箱は、ダンボール箱の他、合成樹脂等からなるその他の種々の箱体であっても良い。箱用仕切り部材と共に六面体形状の箱に収容される収容物品は、楕円や瞳形の横断面形状を備える位置ずれし易い形状のボトル容器等である必要は必ずしもなく、円形や略矩形等の横断面形状を備えるボトル容器等であっても良い。ボトル容器等以外の、その他の容器類や日用品等の、種々の形状を有する収容物品であっても良い。
【0041】
本発明の箱用仕切り部材によって、六面体形状の箱の内部を3列の区画の仕切る必要は必ずしもなく、また箱用仕切り部材は、他の仕切り部材と組み合わせて用いることもできる。例えば
図7に示すように、箱用仕切り部材70の一対の仕切板部71の間に収容物品72を2列配置すると共に、これらの2列の収容物品72の間に平板状の仕切り板73を挟みこんで、収容物品72を4列に整列配置して収容することもできる。