特許第5981760号(P5981760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981760
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】電磁開閉器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/54 20060101AFI20160818BHJP
   H01H 1/66 20060101ALN20160818BHJP
【FI】
   H01H50/54 D
   H01H50/54 B
   H01H50/54 C
   !H01H1/66
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-103972(P2012-103972)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-232341(P2013-232341A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】立川 裕之
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 優
(72)【発明者】
【氏名】鹿志村 修
(72)【発明者】
【氏名】高谷 幸悦
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−073352(JP,A)
【文献】 実開昭61−060430(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00−45/14
H01H 50/00−59/00
H01H 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点収納ケースと、
前記接点収納ケース内に配置され、所定間隔を保って配置された一対の固定接触子と、該一対の固定接触子に接離可能に配置された可動接触子とを備えた主接点機構と、
前記接点収納ケース内に配置され、所定間隔を保って配置された一対の固定接触子と、該一対の固定接触子に接離可能に配設された可動接触子とを備えた少なくとも1組の補助接点機構と
前記接点機構の可動接触子を保持する可動接触子保持部と、
前記可動接触子保持部に固定され、前記補助接点機構の可動接触子を保持する副可動接触子保持部と、
該可動接触子保持部を可動させる可動プランジャを有する電磁石ユニットと
を備えたことを特徴とする電磁開閉器。
【請求項2】
前記補助接点機構を2組備え、該2組の補助接点機構の可動接触子が前記副可動接触子保持部に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁開閉器。
【請求項3】
前記2組の補助接点機構は、前記可動接触子保持部を挟んで線対称に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁開閉器。
【請求項4】
前記補助接点機構は、前記補助接点機構の固定接触子を保持可能な固定接触子保持部を備え、
前記副可動接触子保持部は、接触子保持孔を有し、前記補助接点機構の可動接触子を接触スプリングによって前記接触子保持孔に保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁開閉器。
【請求項5】
前記接点収納ケースは、前記主接点機構を収納する収納区間を仕切る絶縁仕切部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電磁開閉器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一対の固定接触子及び可動接触子を有する主接点機構を含む複数の接点機構を接点収納ケース内に並列に配置し、複数の接点機構の前記可動接触子を共通の電磁石ユニットで可動させる電磁開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁継電器や電磁接触器などの電磁開閉器では、高電流の通電及び遮断を行う主接点機構と、主接点機構の動作と連動する補助接点機構を設ける場合がある。このように主接点機構及び補助接点機構を設ける場合には、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載された電磁開閉器では、電磁石ユニットの可動プランジャに連結軸によって連結された可動接触子が一対の固定接触子間に接離可能に配置されている。そして、連結軸の可動接触子より突出する先端に対向して補助接点端子プッシャが配置され、この補助接点端子プッシャによって補助接点可動端子が押圧される。補助可動端子は、補助接点端子プッシャが連結軸で押圧されていない状態では、補助接点がオフ状態となり、補助接点端子プッシャが連結軸で押圧されている状態では補助接点がオン状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7944333号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、主接点機構の固定端子の近傍に補助接点機構が直列状態で配置されており、電磁石ユニットで主接点機構と補助接点機構とを駆動することはできるが、主接点機構を複数設ける場合には、複数の接触器を設ける必要があるという未解決の課題がある。また、補助接点機構は、主接点機構との絶縁をとるために接点の大きさ、接点数、接点構成が限られてしまい、補助接点機構の遮断限界値が小さく接点寿命が短いという未解決の課題がある。また、補助接点機構の可動接触子が片持ちバネ構造で剛性が弱く、ギャップ寸法のバラツキが大きく、主接点機構とのミラーコンタクトをとることが難しいという未解決の課題もある。さらに、接点構成が限られ様々な顧客の要望に対応できないという未解決の課題もある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、複数の接点機構を並列配置して、接点構成の自由度が大きく、各複数の接点機構のミラーコンタクトを確実に取ることができる電磁開閉器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る電磁開閉器の第1の態様は、接点収納ケースと、前記接点収納ケース内に配置され、所定間隔を保って配置された一対の固定接触子と、該一対の固定接触子に接離可能に配置された可動接触子とを備えた主接点機構と、前記接点収納ケース内に配置され、所定間隔を保って配置された一対の固定接触子と、該一対の固定接触子に接離可能に配設された可動接触子とを備えた少なくとも1組の補助接点機構と、前記接点機構の可動接触子を保持する可動接触子保持部と、前記可動接触子保持部に固定され、前記補助接点機構の可動接触子を保持する副可動接触子保持部と、該可動接触子保持部を可動させる可動プランジャを有する電磁石ユニットとを備えている。
この第1の態様によると、接点収納ケース内に、複数の接点機構を並列配置し、各接点機構の可動接触子を可動子保持部で保持するようにしたので、複数の可動接触子を共通の電磁石ユニットの可動プランジャで、ミラーコンタクトを確保しながら可動させることができる。
【0006】
また、本発明に係る電磁開閉器の第2の態様は、前記補助接点機構を2組備え、該2組の補助接点機構の可動接触子が前記副可動接触子保持部に保持されている。
この第2の態様によると、補助接点機構を2組設けることができるので、補助接点機構の接点構成を様々な仕様で構成することができる。
【0007】
また、本発明に係る電磁開閉器の第3の態様は、前記2組の補助接点機構は、前記可動接触子保持部を挟んで線対称に配置されている。
【0008】
また、本発明に係る電磁開閉器の第4の態様は、前記補助接点機構は、前記補助接点機構の固定接触子を保持可能な固定接触子保持部を備え、前記副可動接触子保持部は、接触子保持孔を有し、前記補助接点機構の可動接触子を接触スプリングによって前記接触子保持孔に保持している。
また、本発明に係る電磁開閉器の第5の態様は、前記接点収納ケースが、前記主接点機構を収納する収納区間を仕切る絶縁仕切部を有する。
この第5の態様によると、主接点機構が絶縁仕切り部で仕切られているので、他の接点機構との干渉を防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接点収納ケース内に複数の接点機構を並列配置し、各接点機構の可動接触子を共通の可動接触子保持部で保持し、この可動接触子保持部を共通の電磁石ユニットの可動プランジャで駆動するようにしたので、複数の接点機構でミラーコンタクトをとることができる。接点収納ケース内に2組の主接点機構を配置することが可能であり、全体の構成を小型化することができる。
また、主接点機構以外の接点機構を補助接点機構とすることにより、補助接点機構の接点構成の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を電磁接触器に適用した場合の第1の実施形態を示す外観斜視図である。
図2図1の接点収納ケースを取り外した状態の斜視図である。
図3図1の平面図である。
図4図3のA−A線状の断面図である。
図5図4のB−B線上の断面図である。
図6】本発明の第2の実施形態を示す外観斜視図である。
図7図6の接点収納ケースを取り外した状態の斜視図である。
図8図6の平面図である。
図9図8のC−C線断面図である。
図10図9のD−D線断面図である。
図11図9のE−E線断面図である。
図12図11の補助接点を示す断面図であって、(a)は図11のF−F線上の断面図、(b)は図11のG−G線上の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の電磁開閉器として電磁接触器を適用した場合の一例を示す外観斜視図、図2図1の接点収納ケースを取り外した状態の斜視図である。
図中、1は電磁接触器である。この電磁接触器1は、接点機構を配置した接点装置2と、この接点装置2を駆動する電磁石ユニット3とが電磁石ユニット3を下側として上下方向に直列に配設されている。
接点装置2は、接点収納ケース4を有し、この接点収納ケース4は、セラミックスで形成される下端を開放した有底角筒形の桶状体5とその開放端面に気密状態で固定された金属製の接合部材6とで構成されている。そして、接合部材6が電磁石ユニット3の後述する上部磁気ヨーク42の上面にロウ付け、溶接等によって気密状態で固定されている。
【0012】
この接点収納ケース4は、図2及び図5に示すように、桶状体5の内面における左右方向の中央部で、絶縁性を有する絶縁仕切部7で左右に分割されて接点収納室8A及び8Bが形成されている。この絶縁仕切部7は、図5に示すように、中央部で前後に分割された分割体7A及び7Bで構成されている。これら分割体7A及び7Bには、中央側端部に後述する可動接触子保持部15、連結軸17、止め輪18,19及び接触スプリング20の可動を許容する切欠部7aが形成されている。
【0013】
左右の接点収納室8A及び8Bには、それぞれ主接点機構9A及び9Bが収納されている。これら主接点機構9A及び9Bは、図2図3及び図5に示すように、桶状体5の上面板5aに前後方向に所定間隔を保って配設された挿通孔5b,5c及び5d,5eに気密状態でロウ付け、溶接等で気密状態に固定された一対の固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbを有する。これら固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbのそれぞれは、桶状体5の上面板5aの上面に接触する大径部11とこの大径部11の下面から挿通孔5b,5c及び5d,5eを通じて接点収納室8A及び8B内に延長する小径部12とで構成されている。
【0014】
また、主接点機構9A及び9Bは、図2及び図5に示すように、固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbの小径部12の下面に対して所定のギャップを保って対向し、固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbに対して接離可能に配設された可動接触子14A及び14Bを有する。
可動接触子14A及び14Bは、接点収納ケース4内における前後方向の中央部に左右方向に延長して配設された可動接触子保持部15に固定保持されている。この可動接触子保持部15には、上面における左右端部側に前後方向に延長する凹溝16が形成され、この凹溝16内に可動接触子14A及び14Bが嵌合保持されている。
【0015】
そして、可動接触子保持部15は、その左右方向の中央部が電磁石ユニット3の後述する可動プランジャ45に固定された連結軸17に装着されている。すなわち、可動接触子保持部15は、上方への移動が連結軸17に固定されたCリング或いはEリングで構成される止め輪18によって規制され、下端面が連結軸17に固定されたCリング或いはEリングで構成される止め輪19との間に介挿された接触スプリング20によって上方に押圧されている。
【0016】
また、桶状体5は下方の開放端面が絶縁板21によって閉塞されている。この絶縁板21には、中央部に、連結軸17を挿通する挿通孔21aが形成されている。
一方、電磁石ユニット3は、図4に示すように、扁平なU字状の磁気ヨーク41と、この磁気ヨーク41の開放端側に橋架された長方形板状の上部磁気ヨーク42とを有する。
磁気ヨーク41には、内部に円筒状の励磁コイル43が配置され、この励磁コイル43の内周面に非磁性金属製の有底円筒体状に形成されたキャップ44が配置されている。
このキャップ44は、上端に外方に延長するフランジ部44aが形成され、このフランジ部44aが上部磁気ヨーク42の下面にロウ付け、溶接等によって気密状態に固定されている。
【0017】
キャップ44の内部には、円柱状の可動プランジャ45が上下方向に可動可能に配置され、この可動プランジャ45の上部中心位置に連結軸17が嵌合されて固定されている。また、可動プランジャ45の上面における連結軸17の回りに円筒体46が固定されている。この円筒体46は、上部磁気ヨーク42の中央部に形成された挿通孔42aを通じて上部磁気ヨーク42の上面側に僅かに延長されている。そして、連結軸17の回りで円筒体46の上面と絶縁板21との間に復帰スプリング47が介挿されている。
そして、接点収納ケース4、上部磁気ヨーク42及びキャップ44で形成される密封空間内に、水素ガス、窒素ガス、水素及び窒素の混合ガス、空気、SF等のアーク消弧ガスが封入されている。
【0018】
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、主接点機構9A及び9Bの固定接触子10Ab及び10Bbが外部接続端子(図示せず)を介して例えば大電流を供給する電力供給源に接続し、固定接触子10Aa及び10Baが外部接続端子(図示せず)を介して負荷に接続しているものとする。
この状態で、電磁石ユニット3における励磁コイル43が非通電状態にあって、電磁石ユニット3で可動プランジャ45を可動させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、図2及び図5に示すように、可動プランジャ45が、復帰スプリング47によって、上部磁気ヨーク42から離れる下方向に付勢されて、キャップ44の底部に当接している。このため、可動プランジャ45に連結軸17を介して連結された主接点機構9A及び9Bの可動接触子14A及び14Bは、固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbに対して所定ギャップを介して下方から対向し、固定接触子10Aa及び10Ab間と固定接触子10Ba及び10Bb間とが電気的に切り離された開極状態となっている。
【0019】
この主接点機構9A及び9Bの釈放状態から、電磁石ユニット3の励磁コイル43に通電すると、この電磁石ユニット3で励磁力を発生させて、可動プランジャ45を復帰スプリング47に抗して上方に押し上げる。これに応じて、可動プランジャ45に連結軸17を介して連結されている可動接触子保持部15が上方に移動し、この可動接触子保持部15に保持されている主接点機構9A及び9Bの可動接触子14A及び14Bが上方に移動する。このため、可動接触子14A及び14Bが固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbの下面に接触スプリング20の接触圧で接触する。
【0020】
このため、主接点機構9Aは、外部電力供給源の大電流iを外部接続端子(図示せず)、固定接触子10Ab、可動接触子14A、固定接触子10Aa及び外部接続端子(図示せず)を通じて負荷に供給する投入状態となる。
同様に、主接点機構9Bも、外部電力供給源の大電流iを外部接続端子(図示せず)、固定接触子10Bb、可動接触子14B、固定接触子10Ba及び外部接続端子(図示せず)を通じて負荷に供給する投入状態となる。
この主接点機構9A及び9Bの投入状態から、負荷への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット3の励磁コイル43への通電を停止する。
【0021】
これによって、電磁石ユニット3で可動プランジャ45を上方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ45が復帰スプリング47の付勢力によって下降する。この可動プランジャ45が下降することにより、連結軸14を介して連結された可動接触子保持部15が下降し、これに応じて可動接触子14A及び14Bが下降する。このとき、可動接触子14A及び14Bは、接触スプリング20の接触圧が無くなるまでの間は固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbに接触している。その後、接触スプリング20の接触圧が無くなった時点で可動接触子14A及び14Bが固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbから下方に離間する開極状態となる。
【0022】
この開極状態となると、固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbと可動接触子14A及び14Bとの間にアークが発生する。発生したアークは、図示しないアーク消弧用永久磁石の磁力によって引き伸ばされて消弧される。
このように、上記第1の実施形態によると、共通の電磁石ユニット3の可動プランジャ45によって、連結軸17を介して可動接触子保持部15を上下動させることにより、並列に配置された2つの主接点機構9A及び9Bを同時に釈放状態及び投入状態とすることができる。
【0023】
このとき、2つの主接点機構9A及び9Bの可動接触子14A及び14Bを共通の可動接触子保持部15で保持するので、可動接触子14A及び14Bと固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbとが同時に接触状態となるミラーコンタクトが可能となる。特に、接触スプリング20を可動接触子保持部15側に配置することにより、各可動接触子14A及び14Bに個別に接触スプリングを設ける場合に比較してより正確なミラーコンタクトを取ることができる。
【0024】
しかも、2つの主接点機構9A及び9Bを共通の電磁石ユニット3で駆動するので、全体の構成を2つの電磁接触器を設ける場合に比較して小さくすることができる。
そして、2つの主接点機構9A及び9Bが同一の接点収納ケース4内に収納され、各主接点機構9A及び9Bが絶縁仕切部7によって、アークを発生する固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbと可動接触子14A及び14Bとの接触部が分離されているので、アークが互いに干渉することを確実に防止して、アークの消弧を確実に行うことができる。
【0025】
なお、上記第1の実施形態においては、固定接触子10Ab及び10Bbを電力供給源に接続し、固定接触子10Aa及び10Baを負荷に接続した場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、固定接触子10Aa及び10Baを電力供給源に接続し、固定接触子10Ab及び10Bbを負荷に接続するようにしてもよい。さらには、固定接触子10Aa及び10Baの一方例えば固定接触子10Aaを電力供給源に接続し、他方の固定接触子10Baを負荷に接続し、固定接触子10Ab及び10Bbの一方の固定接触子10Abを負荷に接続し、他方の固定接触子10Bbを電力供給源に接続するようにしてもよい。
【0026】
また、上記第1の実施形態においては、可動接触子14A及び14Bの上側に固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbを対向させた場合について説明したが、此れに限定されるものではなく、可動接触子14A及び14Bの下側に固定接触子10Aa,10Ab及び10Ba,10Bbを対向させるようにしてもよい。
さらに、上記第1の実施形態においては、主接点機構を2組並列に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、主接点機構を3組以上並列に形成するようにしてもよい。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態を図6図12について説明する。
この第2の実施形態では、2つの主接点機構の一方を省略し、省略した主接点機構に代えて補助接点機構を配設して、主接点機構と補助接点機構とを同時に駆動するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図6図12に示すように、前述した第1実施形態における主接点機構9Aはそのまま残し、主接点機構9Bに代えて2つの補助接点機構51A及び51Bを設けるようにしている。
【0028】
2つの補助接点機構51A及び51Bは、可動接触子保持部15を挟んで前後に線対称に配設されている。そして、接点収納室8Bには、前後内壁に絶縁体で形成された固定接触子保持部52A及び52Bが配設されている。これら固定接触子保持部52A及び52Bは、それぞれ両者の対向面に、図12(a)及び(b)に示すように、左右方向及び上下方向にそれぞれ所定距離を保って4つの固定接触子保持孔53Aa,53Ab及び53Ba,53Bbが形成されている。これら固定接触子保持孔53Aa,53Ab及び53Ba,53Bbのそれぞれは断面形状が左右方向に延長する扁平な長方形に形成されている。
【0029】
また、可動接触子保持部15には、図8及び図11に示すように、左右方向の両端側に前後方向に延長する副可動接触子保持部54が嵌合固定されている。この副可動接触子保持部54には、図11及び図12(a),(b)に示すように、前後両端部側に左右方向に貫通する可動接触子保持孔54a及び54bが形成されている。
そして、補助接点機構51Aは、図8図11及び図12(a)に示すように、固定接触子保持部52Aの固定接触子保持孔53Ab及び53Bbに固定接触子55Aa及び55Abを保持している。また、副可動接触子保持部54の可動接触子保持孔54a内に可動接触子56Aと接触スプリング57Aとが可動接触子56Aを下側としてこの可動接触子56Aが接触スプリング57Aによって下方に押圧されるように保持されている。
【0030】
このため、補助接点機構51Aでは、図12(a)に示すように、電磁石ユニット3が非励磁状態で、可動接触子56Aが固定接触子55Aa及び55Abに接触スプリング57Aの接触圧で接触するb接点構成とされている。そして、固定接触子55Aa及び55Abが図示しないが、導電体を介して桶状体5に配設された補助接点導入端子部60Aの端子61Aa及び61Abに接続されている。
【0031】
一方、補助接点機構51は、図8図11及び図12(b)に示すように、固定接触子保持部52Bの固定接触子保持孔53Aa及び53Baに固定接触子55Ba及び55Bbを保持している。また、副可動接触子保持部54の可動接触子保持孔54b内に可動接触子56Bと接触スプリング57Bとが接触スプリング57Bを下側として可動接触子56Bが接触スプリング57Bによって上方に押圧されるように保持されている。
【0032】
このため、補助接点機構51Bでは、図12(b)に示すように、電磁石ユニット3が非励磁状態で、可動接触子56Bが固定接触子55Ba及び55Bbに対して所定距離離間しているa接点構成とされている。そして、固定接触子55Ba及び55Bbが図示しないが、導電体を介して桶状体5に配設された補助接点導入端子部60Bの端子61Ba及び61Bbに接続されている。
【0033】
次に、上記第2の実施形態の動作を説明する。
主接点機構9Aについては、前述した第1実施形態と同様に、電磁石ユニット3の励磁コイル43が非通電状態であるときに、可動動接触子14Aが固定接触子10Aa及び10Abに対して下方に離間している開極状態を維持する釈放状態となる。また、電磁石ユニット3の励磁コイル43が通電状態であるときに、可動接触子14Aが固定接触子10Aa及び10Abに接触スプリング20の接触圧で接触して閉極状態を維持する投入状態となる。
【0034】
これに対して、第1の補助接点機構51Aは、電磁石ユニット3の励磁コイル43が非通電状態であって可動プランジャ45が復帰スプリング47によってキャップ44の底部に当接している状態では、図12(a)に示すように、可動接触子56Aが固定接触子55Aa及び55Abに接触スプリング57Aの接触圧で接触する閉極状態となっている。このため、補助接点導入端子部60Aの端子61Abを電源に接続し、端子61Aaを負荷に接続することにより、端子61Abから固定接触子55Ab、可動接触子56A、固定接触子55Aaを通じて端子61Aaへ電流が流れる。
【0035】
この閉極状態から、電磁石ユニット3の励磁コイル43に通電することにより、可動プランジャ45を復帰スプリング47に抗して上方に移動させると、可動接触子保持部15が上方に移動し、これに応じて副可動接触子保持部54が上方に移動することにより、可動接触子56Aが固定接触子55Aa及び55Abから上方に離間して、両者間に流れていた電流が遮断されて開極状態となる。
【0036】
これに対して、第2の補助接点機構51Bでは、上記第1の補助接点機構51Aとは逆に、電磁石ユニット3の励磁コイル43が非通電状態にあって、可動プランジャ45が復帰スプリング47によってキャップ44の底面に当接している状態では、図12(b)に示すように、可動接触子56Bが固定接触子55Ba及び55Bbから下方に離間している。このため、補助接点導入端子部60Aの端子61Abを電源に接続し、端子61Aaを負荷に接続したときに、端子61Ab及び端子61Aa間の電流が遮断された開極状態を維持する。
【0037】
この開極状態から、電磁石ユニット3の励磁コイル43に通電することにより、可動プランジャ45を復帰スプリング47に抗して上方に移動させると、可動接触子保持部15が上方に移動し、これに応じて副可動接触子保持部54が上方に移動することにより、可動接触子56Bが固定接触子55Ba及び55Bbに接触スプリング57Bの接触圧で接触して、端子61Bbから固定接触子55Bb、可動接触子56B、固定接触子55Baを通じて端子61Baへ電流が流れる閉極状態となる。
なお、上記構成は、第1の補助接点機構51Aをb接点構成とし、第2の補助接点機構51Bをa接点構成として1a1b構成とした場合について説明した。第1の補助接点機構51Aをa接点構成とし、第2の補助接点機構51Bをb接点構成とすることもできる。
【0038】
このためには、第1の補助接点機構51Aで、固定接触子55Aa及び55Abを固定接触子保持部52Aの接触子保持孔53Ab,53Bbに代えて接触子保持孔53Aa,53Baに保持させる。また、第2の補助接点機構51Bで、固定接触子55Ba及び55Bbを固定接触子保持部52Bの接触子保持孔53Aa,53Baに代えて接触子保持孔53Ab,53Bbに保持させる。さらに、副可動接触子保持部54を表裏反転して可動接触子保持部15に固定するか又は副可動接触子保持部54の接触子保持孔54a及び54b内の可動接触子56A及び56Bと接触スプリング57A及び57Bとの上下関係を反転させる。これにより、第1の補助接点機構51Aをa接点構成とし、第2の補助接点機構51Bをb接点構成とすることができる。
【0039】
さらに、第1の補助接点機構51Aを上記と同様にa接点構成に変更することにより、a2接点構成とすることができ、逆に、第2の補助接点機構51Bを上記と同様にb接点構成に変更することにより、b2接点構成とすることができる。
このように、上記第2の実施形態では、主接点機構9Aと第1及び第2の補助接点機構51A及び51Bとが接点収納ケース4内に並列に配置されている。このため、共通の電磁石ユニット3の励磁コイル43への通電を制御することにより、主接点機構9Aを釈放状態と投入状態とに駆動することができるとともに、第1の補助接点機構51Aを閉極状態と開極状態とに駆動し、第2の補助接点機構51Bを開極状態と閉極状態とに駆動することができ、主接点機構9Aと1a1b接点構成の補助接点機構51A及び51Bとを同時に駆動することができる。したがって、主接点機構9Aと補助接点機構51A及び51Bとを別個に設ける場合に比較して全体の構成を小型化することができる。
【0040】
しかも、主接点機構9Aの可動接触子14Aと、第1及び第2の補助接点機構51A及び51Bの可動接触子56A及び56Bを共通の可動接触子保持部15と副可動接触子保持部54とで保持している。このため、各接点機構の可動接触子14A及び56A,56Bが同時に上下動されるので、主接点機構9Aと補助接点機構51Bとの可動接触子のミラーコンタクトを確実に取ることができる。
【0041】
また、第1及び第2の補助接点機構51A及び51Bは、固定接触子保持部52A及び52Bを有し、これら固定接触子保持部52A及び52Bは固定接触子55Aa,55Ab及び55Ba,55Bbを上下に選択して保持可能な固定接触子保持孔53Aa,53Ab及び53Ba,53Bbを備えているので、固定接触子55Aa,55Ab及び55Ba,55Bbを上下に選択的に装着することができる。これと同時に、副可動接触子保持部54の接触子保持孔54a及び54bに可動接触子56A及び56Bと接触スプリング57A及び57Bとの上下関係を選択することにより、第1及び第2の補助接点機構51A及び51Bをa接点構成及びb接点構成の何れかに任意に設定することができ、需要者の要望に応じて接点構成を選択することができる。したがって、別途補助接点機構を構成することなく、同一構成で、a2接点構成、b2接点構成及び1a1b接点構成を任意に選択することができ、補助接点機構の接点構成の自由度を向上させることができる。
【0042】
なお、上記第2の実施形態においては、前述した第1の実施形態において主接点機構9Aを残した場合について説明したが、主接点機構9Bを残し、主接点機構9Aに代えて第1の補助接点機構51A及び第2の補助接点機構51Bを適用することもできる。
また、上記第2の実施形態においては、主接点機構と第1及び第2の補助接点機構とを並列に配置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、主接点機構を第1及び第2の補助接点機構を挟んで2組設けるようにすることもでき、逆に主接点機構を挟んで両側に2組の第1及び第2の補助接点機構を配置することもできる。
【0043】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、接点収納ケース4をセラミックス製の桶状体5と接合部材6とで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、内周面に絶縁材製の筒状体を配設した金属製筒体と、その上面を閉塞するセラミックス製の蓋板部とで構成することもできる。
【0044】
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては、接点収納ケース4と上部磁気ヨーク42とキャップ44とで密封空間を形成し、この密封空間にアーク消弧用のガスを封入する場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、主接点機構9A,9Bへの通電電流値が低い場合には、アーク消弧用ガスの封入を省略することができる。この場合には、キャップ44も省略することができる。
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては、本発明を電磁接触器に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電磁継電器や他の電磁的に開閉動作を行う機器を含む任意の電磁開閉器に適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1…電磁接触器、2…接点装置、3…電磁石ユニット、4…接点収納ケース、5…桶状体、6…接合部材、7…絶縁仕切部、9A,9B…主接点機構、10Aa,10Ab,10Ba,10Bb…固定接触子、14A,14B…可動接触子、15…可動接触子保持部、17…連結軸、20…接触スプリング、41…磁気ヨーク、42…上部磁気ヨーク、43…励磁コイル、44…キャップ、45…可動プランジャ、47…復帰スプリング、51A…第1の補助接点機構、51B…第2の補助接点機構、52A,52B…固定接触子保持部、53Aa,53Ab,53Ba,53Bb…固定接触子保持孔、54a,54b…可動接触子保持孔、55Aa,55Ab,55Ba,55Bb…固定接触子、56A,56B…可動接触子、57A,57B…接触スプリング、60A,60B…補助接点導入端子部
図1
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図12