(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981775
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】仮設汚水中継ポンプ場井工法
(51)【国際特許分類】
E03F 7/00 20060101AFI20160818BHJP
E03F 5/22 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
E03F7/00
E03F5/22
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-131686(P2012-131686)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-256757(P2013-256757A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】510101893
【氏名又は名称】高橋秋和建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】512152581
【氏名又は名称】太三機工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511296686
【氏名又は名称】株式会社 千代田工営
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁
(72)【発明者】
【氏名】菅野 公夫
(72)【発明者】
【氏名】森田 修平
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−328817(JP,A)
【文献】
特開2003−184162(JP,A)
【文献】
特開2004−204479(JP,A)
【文献】
特開平09−324464(JP,A)
【文献】
特開平11−061969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 7/00
E03F 5/00−5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入管から送られてきた汚水を流入渠の流入ゲートの遮断により、第一水路及び第二水路への汚水の流下を遮断し、前記第二水路側にバイパス管の接続及び組立式水槽の設置を行い、前記第二水路側にのみ汚水を流して前記第一水路側の増厚作業を行う作業ステージ1と、前記第一水路の増厚作業完了後、前記第二水路にバイパス管を設置した状態で第一水路側にバイパス管の接続及び組立式水槽の設置を行い、第二水路側の流入ゲートを遮断して第二水路側のバイパス管及び組立式水槽を撤去し、前記第一水路側にのみ汚水を流して前記第二水路の増厚作業を行う作業ステージ2と、前記第二水路の増厚作業完了後、前記第一水路側の流入ゲートの遮断により、前記第一水路側の汚水の流下を遮断し、第一水路側のバイパス管及び組立式水槽を撤去する作業ステージ3とからなることを特徴とする仮設汚水中継ポンプ場井工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水中継ポンプ場の地下に埋設されたコンクリート壁を耐震補強のために増厚する仮設汚水中継ポンプ場井工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各家庭や商店等から送られてくる汚水は、地下に埋設された下水管を介して勾配により自然流下するようになっている。
しかし、地域によっては自然流下させることが困難な場合があり、この場合には地下に中継ポンプ場を設置して揚水し、勾配を利用して自然流下させるようにしている。
このような中継ポンプ場は、管渠と流入水路の間に流入ゲートによって開閉される流入渠が設けられ、前記流入ゲートの開成状態で管渠から流入渠に流下してきた汚水を流入水路から吸水槽に導入して、前記吸水槽に設置されているポンプによって吸い上げるように構成されている(特許文献1を参照)。
ところで、近年は地震が多発し、建物の耐震強化が叫ばれており、中継ポンプ場も例外ではなく耐震強化のため、コンクリート壁の増厚が望まれている、しかし、中継ポンプ場は地下に埋設されているため、その増厚工法が今まで存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−195371号公報(
図2を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、汚水中継ポンプ場の地下に埋設されたコンクリート壁を耐震補強のために増厚する仮設汚水中継ポンプ場井工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の仮設汚水中継ポンプ場井工法は、流入管から送られてきた汚水を流入渠の流入ゲートの遮断により、第一水路及び第二水路への汚水の流下を遮断し、前記第二水路側にバイパス管の接続及び組立式水槽の設置を行い、前記第二水路側にのみ汚水を流して前記第一水路側の増厚作業を行う作業ステージ1と、前記第一水路の増厚作業完了後、前記第二水路にバイパス管を設置した状態で第一水路側にバイパス管の接続及び組立式水槽の設置を行い、第二水路側の流入ゲートを遮断して第二水路側のバイパス管及び組立式水槽を撤去し、前記第一水路側にのみ汚水を流して前記第二水路の増厚作業を行う作業ステージ2と、前記第二水路の増厚作業完了後、前記第一水路側の流入ゲートの遮断により、前記第一水路側の汚水の流下を遮断し、第一水路側のバイパス管及び組立式水槽を撤去する作業ステージ3とからなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の仮設汚水中継ポンプ場井工法は、吸水槽にバイパス管及び組立式水槽を設置することにより汚水の流れを止めることなく、汚水中継ポンプ場の第一水路及び第二水路のコンクリート壁の増厚作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の汚水中継ポンプ場の要部縦断面図である。
【
図2】本発明の汚水中継ポンプ場の組立式水槽1個の要部平断面図である。
【
図3】本発明の汚水中継ポンプ場の組立式水槽2個の要部平断面図である。
【
図4】プラグの(a)正面図、(b)側面図の説明図である。
【
図6】底面パネルの(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図の説明図である。
【
図7】側面基本パネルの
(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図の説明図である。
【
図8】既設ポンプ配管接続用パネル
の説明図である。
【
図10】水槽下部用開口部付パネルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の仮設汚水中継ポンプ場井工法の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の要部縦断面図及び
図2の要部平断面図に示すように、汚水中継ポンプ場は、流入管1と2列並列の流入水路2との間に流入ゲート3によって開閉される流入渠4が設けられ、前記流入ゲート3の開成状態で前記流入管1から前記流入渠4に流下してきた汚水を前記各流入水路2から流出ゲート5を介して吸水槽6に導入して、前記吸水槽6から汚水ポンプ7によって吸い上げるように構成されている。
また、前記流入水路2には、その上流側から粗目スクリーン8、し渣破砕機9を直列に配置した構造となっている。
なお、前記流入水路2と並列にバイパス水路10が設けられており、前記流入渠4側にはバイパスゲート11を設けている。なお、番号12は水槽、13は砂留、14は水槽、15は圧力水ポンプ、26はポンプ井攪拌機である。
【0009】
次に、本発明の仮設汚水中継ポンプ場井工法の作業手順を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図2及び
図3における2列並列の流入水路2を説明の都合上、
図2の上側の流入水路2を第一水路16とし、下側の流入水路2を第二水路17とする。
【0010】
<作業ステージ1>
図2に示すように、流入管1から送られてきた汚水を流入渠4の流入ゲート3の遮断により、第一水路16及び第二水路17への汚水の流下を遮断し、前記第二水路17側にバイパス管18の接続及び組立式水槽19の設置を行う。
前記バイパス管18の接続は、前記流出ゲート5に
図4(a)正面図、(b)側面図に示すプラグ20を固定し、該プラグ20に
図5に示すバイパス管18を接続する。
前記組立式水槽19の設置は、前記吸水槽6の前記第二水路17側に、
図6(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図に示す底面パネル21、
図7(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図に示す側面基本パネル22、図
8に示す既設ポンプ配管接続用パネル23、
図9に示すバイパス管接続用パネル24、
図10に示す水槽下部用開口部付パネル25により直方体に組み立てられる。
必要に応じて、前記組立式水槽19内に水位計・ポンプ運転のためのフロート等を設置し、自動運転が可能な状態とする。
前記第二水路17側のみ流入ゲート3を開放し、汚水を第二水路17に流してバイパス管18から組立式水槽19へ貯水させ、汚水ポンプ7の駆動により前記組立式水槽19から汚水を吸い上げる試運転を行う。
そして、前記第二水路17側にのみ汚水を流して、前記第一水路16側の増厚作業を行う。
なお、問題が生じた場合には、前記第二水路17の流入ゲート3を閉じ、第一水路16側から汚水を流下させ、
図2上で上側の2台の汚水ポンプ7により運転を行い、不具合を改善する。
【0011】
<作業ステージ2>
図3に示すように、前記第一水路16の増厚作業完了後、第二水路17にバイパス管18を設置した状態で第一水路16側にバイパス管18の接続及び組立式水槽19の設置を行う。第一水路16は遮断されており、第二水路17は汚水が流通しているため、汚水の流通を妨げることなく作業可能である。
前述と同様に、前記バイパス管18の接続は、前記流出ゲート5に
図4(a)正面図、(b)側面図に示すプラグ20を固定し、該プラグ20に
図5に示すバイパス管18を接続する。前記組立式水槽19の設置は、前記吸水槽6の前記第二水路17側に、
図6(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図に示す底面パネル21、
図7(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図に示す側面基本パネル22、図
8に示す既設ポンプ配管接続用パネル23、
図9に示すバイパス管接続用パネル24、
図10に示す水槽下部用開口部付パネル25を組み立てて直方体水槽に形成する。
前記バイパス管18の接続及び組立式水槽19の設置完了後、前記第一水路16側のみ流入ゲート3を開放し、汚水を第一水路16側に流してバイパス管18を通して組立式水槽19へ貯水させ、汚水ポンプ7の駆動により前記組立式水槽19から汚水を吸い上げる試運転を行う。そして、問題がなければ第二水路17側の流入ゲート3を遮断して第二水路17側のバイパス管18及び組立式水槽19を撤去する。
そして、前記第一水路16側にのみ汚水を流して、前記第二水路17の増厚作業を行う。
【0012】
<作業ステージ3>
増厚完了後、前記第一水路16側の流入ゲート3の遮断により、前記第一水路16側の汚水の流下を遮断し、第一水路16側のバイパス管18及び組立式水槽19を撤去する。
そして、前記第一水路16及び第二水路17の流入ゲート3の開放により、通常運転状態の中継ポンプ運転作業が行われる
【符号の説明】
【0013】
1 流入管
2 流入水路
3 流入ゲート
4 流入渠
5 流出ゲート
6 吸水槽
7 汚水ポンプ
8 粗目スクリーン
9 し渣破砕機
10 バイパス水路
11 バイパスゲート
12 水槽
13 砂留
14 水槽
15 圧力水ポンプ
16 第一水路
17 第二水路
18 バイパス管
19 組立式水槽
20 プラグ
21 底面パネル
22 側面基本パネル
23 既設ポンプ配管接続用パネル
24 バイパス管接続用パネル
25 水槽下部用開口部付パネル
26 ポンプ井攪拌機