特許第5981788号(P5981788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981788
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20160818BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   A61H7/00 323K
   A61H7/00 320A
   A61H23/02 354
【請求項の数】2
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2012-147871(P2012-147871)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-8289(P2014-8289A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】安部田 章
(72)【発明者】
【氏名】久富 仁
(72)【発明者】
【氏名】田端 邦裕
(72)【発明者】
【氏名】真木 亨
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−128292(JP,A)
【文献】 国際公開第99/065444(WO,A1)
【文献】 特開2007−029481(JP,A)
【文献】 特開2003−180780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と背もたれ部とを備えて被施療者の身体を支持しつつ、昇降移動可能に内蔵された施療機構で施療を実行するマッサージ機において、
前記施療機構が、少なくとも被施療者の身体背面部に対する進退移動を伴う施療動作を実行可能な施療子と、当該施療子を突出状態で支持する支持アームと、当該支持アームを介して前記施療子を施療動作に対応させて動かす駆動機構部とを有して、被施療者の身体縦方向に複数組配設され、
前記複数組の施療機構が、上昇又は下降移動しながら、進行方向前方側の施療機構における施療子が被施療者身体背面部の通過部位に対し予備的施療動作を実行し、続いて、進行方向後方側の施療機構における施療子が前記予備的施療動作のなされた同じ箇所に主施療動作を実行することを
特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記請求項1に記載のマッサージ機において、
前記予備的施療動作は、施療子から被施療者の身体に強い押圧力を加えずに施療子を身体表面に沿わせて上下や左右へ動かすさすり動作であり、前記主施療動作は、揉み動作であることを
特徴とするマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揉み玉等の施療子を動作させる施療機構を複数組備えるマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者の身体を支持しつつマッサージ動作を実行する椅子型のマッサージ機では、通常、その背もたれ部に設けられる施療子としての揉み玉を、背もたれ部にもたれた被施療者に対し進退可能とし、被施療者の所望する施療の強さが得られる構成を有している。こうしたマッサージ機で、揉み玉を進退させる機構としては、揉み玉をその駆動機構部ごと傾動可能に支持し、駆動機構部を所定の傾動機構で傾動させることで一体の揉み玉も傾動させ、これにより揉み玉を被施療者の前後方向に位置変化させて、揉み玉が被施療者に対し進退調整される状況を得る仕組みが一般的に用いられていた。このような従来のマッサージ機の一例として、特開2002−159549号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−159549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマッサージ機における施療機構は、前記特許文献に示される構成とされているが、施療を実行する揉み玉が一組の場合、被施療者の身体各部を施療する場合に移動距離が大きくなり、各部への施療を短時間に連続的に実行できないことが生じ得るという課題を有していた。
【0005】
一方、マッサージ機は、マッサージ機全体の多機能化の要求を受け、施療機構として複数組の揉み玉を用いるものが従来から提案されている。ただし、こうして複数組の揉み玉を用いるにしても、各揉み玉を駆動する機構は共通の一機構であったため、それらの動きは一組の揉み玉を用いた構成の場合と大差なく、施療箇所は増やせても、施療動作のバリエーションを増やすことは困難であり、多様な施療を実行できないという課題を有していた。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、複数の施療機構を協動させて施療子を適切に動作させ、施療子から被施療者の身体の複数箇所に効率よく施療を実行でき、施療子でのより効果的なマッサージを可能にするマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマッサージ機は、座部と背もたれ部とを備えて被施療者の身体を支持しつつ、昇降移動可能に内蔵された施療機構で施療を実行するマッサージ機において、前記施療機構が、少なくとも被施療者の身体背面部に対する進退移動を伴う施療動作を実行可能な施療子と、当該施療子を突出状態で支持する支持アームと、当該支持アームを介して前記施療子を施療動作に対応させて動かす駆動機構部とを有して、被施療者の身体縦方向に複数組配設され、当該複数組の施療機構で、各施療機構の施療子が、被施療者の身体縦方向に離れた身体複数箇所へ、互いに協動して施療動作を実行し、且つ、少なくとも一つの施療機構における施療子の施療動作は、前記駆動機構部の駆動、及び/又は、施療機構の昇降移動、による身体縦方向の移動を伴う動作として実行されるものである。
【0008】
このように本発明によれば、駆動機構で施療子の身体側への進退移動を伴うたたきや揉み等の施療動作を行わせる施療機構を複数配設し、各施療機構における施療子の施療動作を協動させるようにして、被施療者の身体における所定の施療部位に一の施療子で押圧刺激を加えると共に、この施療部位に対し強い関係性を有する他の部位に、一の施療子による押圧刺激と関連した押圧刺激を、一の施療子と協働する他の施療子で、一の施療子と同時に又は極わずかな時間差で加えられることにより、関連性の高い押圧刺激を複数組合せて、施療効果を与えたい対象部位への本来意図した施療効果をより一層強化して付与できることとなり、一施療子での押圧刺激ごとの施療効果を単純に複数足し合わせただけでは得られない、効率的なマッサージを時間をかけることなくスムーズに実行できる。
【0009】
また、一の施療子及び/又は他の施療子を身体縦方向に移動させつつ、各施療子による施療動作を適切に協働させて、施療動作として身体に加えられる力の大きさや向きを、各施療子ごとの動作の組合せで様々に調整できることにより、例えば複数の施療子で施療部位を挟むなど、複数の施療子を個別に動作させた場合とは異なる態様で身体に刺激が加わる状態を得られることとなり、施療機構を個別に動作させる場合より、多様でバリエーションに富む施療を身体に対し行え、優れたマッサージ効果を付与できる。
【0010】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構のうち、一又は複数の施療機構における施療子は、被施療者の身体背面部に対し所定の接触面積を確保可能な当接面を有して、他の施療機構における施療子による施療動作の際に、被施療者の身体を押圧して体位を変化させた状態を維持するものである。
【0011】
このように本発明によれば、身体に相対する面積を広くして押圧の影響をより大きくした一部の施療子で被施療者の身体を押圧して体位を変化させ、この体位を変化させた状態で他の施療子による施療動作を実行することにより、体位変化に伴って、施療子での施療動作による刺激の強度を変化させたり、身体に刺激の加わる向きを相対的に変化させたりして、施療子から身体への刺激の加わり具合を、体位を変化させない状態とは大きく異ならせた、新たな種類の施療動作を得ることができ、施療動作のバリエーションを増大させて、被施療者の求めにより細かく対応した最適な施療を実現できる。
【0012】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、被施療者の身体縦方向について同じ経路上を個別に移動可能な別体の機構として配設されるものである。
【0013】
このように本発明によれば、複数組の施療機構がそれぞれ別体とされて個別に身体縦方向へ移動可能とされ、施療動作で同時に各施療子を用いて身体を押圧する際の施療子同士の間隔を、施療機構ごとの移動で調整できることにより、施療子の間隔の調整代を大きくして施療子による施療部位を多様に変化させられ、施療のバリエーションをさらに増やして、被施療者に対する施療の最適化が図れる。
【0014】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、被施療者における施療対象部位に対し、一の施療機構を上方に位置させると共に、他の施療機構を下方に位置させて、前記施療対象部位を一の施療機構における施療子と他の施療機構における施療子との間に位置させた上で、施療動作として、各々施療子を動かし、施療対象部位を施療子で挟んだ状態を変化させるものである。
【0015】
このように本発明によれば、複数の施療子を施療対象部位近傍に配置し、施療子を互いに接近、離隔させて、施療子間に施療部位を挟んだ状態とすると共にその挟み具合を変えて、施療子間の施療部位に対する二方向からの押圧刺激状態を変化させることにより、複数の施療子を個別に動作させた場合では得られない挟んだ状態での刺激を、その度合を変化させたり、この度合の変化を繰返し生じさせて、多様な施療として施療部位に与えられ、施療の種類を増やして、被施療者により適した施療を実行でき、施療効果を高められる。
【0016】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、一の施療機構における施療子と他の施療機構における施療子との身体横方向の位置を異ならせ、前記施療対象部位に対し各施療子を斜め上及び斜め下にそれぞれ位置させた上で、各々施療子を連動させて動かし、施療対象部位を施療子で斜め方向から挟んだ状態を変化させる施療動作を実行するものである。
【0017】
このように本発明によれば、各施療機構における施療子の位置を身体縦方向と横方向の両方でずれるように調整し、施療部位を挟む配置とした施療子を協働させて身体縦方向に対する斜め方向に接近、離隔させ、施療部位に対する斜め方向からの刺激状態を変化させることにより、複数の施療子を個別に動作させた場合では得られない、手によるマッサージのような特別な向きからの押圧刺激を身体に与えられ、手を使ったマッサージと同等の施療効果が得られる。
【0018】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、一の施療機構における施療子と他の施療機構における施療子とを身体横方向の位置を異ならせつつ身体縦方向の位置を略一致させ、前記施療対象部位に対し各施療子を左右両側にそれぞれ位置させた上で、各々施療子を連動させて動かし、施療対象部位を施療子で横方向から挟んだ状態を変化させる施療動作を実行するものである。
【0019】
このように本発明によれば、各施療機構における施療子の位置を身体縦方向で略一致させる一方、横方向でずれるように調整し、施療部位を挟む配置とした施療子を協働させて身体横方向で接近、離隔させ、施療部位に対する横方向からの刺激状態を変化させることにより、複数の施療子を個別に動作させた場合では得にくい、身体中心から離れた施療部位に対する横方向からの挟みによる押圧刺激や、同時に複数の施療部位に対する横方向からの挟みによる押圧刺激を、身体に与えることができ、複雑な施療動作を無理なく実行して、被施療者に適した施療をスムーズに行え、施療効果を高められる。
【0020】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、被施療者における施療対象部位に対し、一の施療機構における施療子で主施療動作を実行すると共に、前記施療対象部位の近傍部分に対し、他の施療機構における施療子で補助施療動作を実行するものである。
【0021】
このように本発明によれば、複数の施療機構における施療子の施療動作を協働させて、一の施療機構における施療子で被施療者における施療対象部位に主となる施療動作を行って押圧刺激を加えると共に、この施療対象部位近傍となる所定部位に、他の施療機構における施療子で、補助的な施療動作としての、前記施療対象部位への施療動作とは異なる押圧刺激を、一の施療機構の場合と同時に加えることにより、二種類の押圧刺激の組合せで、施療対象部位を主として適切なマッサージを実行し、施療対象部位に対し付与しようとする施療効果を増大させて与えることができ、短時間に効率よく施療を進められる。
【0022】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、被施療者における施療対象部位に対し、一の施療機構における施療子で第一の主施療動作を実行し、且つ前記施療対象部位の近傍部分に対し、他の施療機構における施療子で補助施療動作を同時に実行する施療動作状態と、前記施療対象部位に対し、前記他の施療機構における施療子で第二の主施療動作を実行し、且つ前記施療対象部位の近傍部分に対し、前記一の施療機構における施療子で補助施療動作を同時に実行する施療動作状態とを、各施療機構の昇降移動を経つつ、交互に繰返すものである。
【0023】
このように本発明によれば、複数の施療機構における施療子の施療動作を協働させて、所定の施療機構における施療子で被施療者における施療対象部位に主となる施療動作を行って押圧刺激を加え、且つこの施療対象部位近傍となる所定部位に、別の施療機構における施療子で、前記施療対象部位への施療動作とは異なる押圧刺激を同時に加える状態を、施療対象部位に施療動作を行う施療子と近傍部位に施療動作を行う施療子とを施療機構の昇降移動で切替えながら、繰返し実行することにより、二種類の押圧刺激の組合せで、施療対象部位を中心とした身体縦方向所定範囲に適切なマッサージを実行し、この範囲の中心となる施療対象部位に対し付与しようとする施療効果をより一層増大させて与えることができ、短時間に極めて効率よく施療を進められる。
【0024】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、上昇又は下降移動しながら、進行方向前方側の施療機構における施療子が被施療者身体背面部の通過部位に対し予備的施療動作を実行し、進行方向後方側の施療機構における施療子が前記予備的施療動作のなされた同じ箇所に主施療動作を実行するものである。
【0025】
このように本発明によれば、複数組の施療機構が上昇又は下降移動しながら、進行方向前方側の施療機構における施療子であらかじめ所定の予備的な施療動作を実行し、続いて、この施療動作が実行された同じ部位に対し、進行方向後方側の施療機構における施療子で、主となる施療動作、すなわち本来の目的の施療効果を得るための施療動作を実行するようにして、身体縦方向に二つの施療動作を連続的に行っていくことにより、事前の予備的な施療動作で各施療部位を目的の施療効果を得るのに適した状態に移行させられ、身体縦方向に連続して行う主となる施療動作による施療効果を大幅に高めることができ、広い範囲に優れた施療効果を生じさせることができる。また、複数組の施療機構を用いて二つの施療動作を途切れることなく連続的に実行でき、短時間に効率よく広範囲への施療を実現できる。
【0026】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、あらかじめ設定された施療基準位置を中心として、一の施療機構を上昇移動させて離隔させつつ施療子で被施療者身体背面部の通過部位に対し施療動作を実行すると共に、他の施療機構を下降移動させて離隔させつつ施療子で被施療者身体背面部の通過部位に対し施療動作を実行するものである。
【0027】
このように本発明によれば、複数の施療機構を所定の施療基準位置から遠ざかるように上下各方向に移動させると共に、上昇移動する施療機構では上向きに施療動作を行い、下降移動する施療機構では下向きに施療動作を行って、施療基準位置を中心として外向きに施療を順次実行していくことにより、施療に伴う血流促進状態の伝わりを施療基準位置から外向きに進行させて、身体の各部位まで効率よく促進効果を行渡らせることができ、優れた施療効果が得られる。
【0028】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、あらかじめ設定された施療基準位置に向けて、一の施療機構を上昇移動させて近付けつつ施療子で被施療者身体背面部の通過部位に対し施療動作を実行すると共に、他の施療機構を下降移動させて近付けつつ施療子で被施療者身体背面部の通過部位に対し施療動作を実行するものである。
【0029】
このように本発明によれば、複数の施療機構を所定の施療基準位置に近付けるように上下各方向に移動させると共に、上昇移動する施療機構では上向きに施療動作を行い、下降移動する施療機構では下向きに施療動作を行って、施療基準位置に向って施療を順次実行していくことにより、施療に伴う血流促進状態の伝わりを施療基準位置へ向けて進行させて、施療基準位置における血流促進を効率よく実現でき、優れた施療効果が得られる。
【0030】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、初期状態で一の施療機構を背もたれ部における身体縦方向移動可能範囲の最上部に位置させると共に、他の施療機構を身体縦方向移動可能範囲の最下部に位置させ、次いで被施療者の体形検出動作として、一の施療機構を下降させて一の施療機構における施療子で被施療者の肩位置検出を行い、且つ他の施療機構を上昇させて他の施療機構における施療子で被施療者の腰から上部分の位置検出を行うものである。
【0031】
このように本発明によれば、体形検出の際に、一の施療機構をその移動可能範囲の最上部から下に移動させて身体上部の位置検出を行う一方、他の施療機構をその移動可能範囲の最下部から上に移動させて身体の残り部分の位置検出を行うなど、複数の施療機構で検出範囲を分けて同時に体形検出を実行することにより、体形検出が短時間で完了し、起動後速やかに施療動作に移行でき、被施療者を待たせずにマッサージを実行できることで、被施療者をよりリラックスした状態にすることができる。
【0032】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、被施療者の体形検出動作として、一の施療機構を下降させて一の施療機構における施療子で被施療者の肩位置検出を行い、肩位置の高さ情報から、情報を取得すべき他の部位の高さ位置を求めて、他の施療機構を上昇させて他の施療機構における施療子を求めた高さ位置に順次移動させて、施療子で身体前後方向位置情報を検出するものである。
【0033】
このように本発明によれば、体形検出としてまず一の施療機構を最上部から移動させて被施療者の肩位置の検出を行い、身体縦方向位置の基準としての肩位置を取得したら、肩位置の情報に基づいて、他の施療機構における身体前後方向の検出を行うべき複数の身体縦方向の検出対象箇所を求め、他の施療機構を各検出対象箇所に順次移動させ、且つ検出動作を行わせて各検出対象箇所での身体前後方向の位置情報を得ることにより、他の施療機構を各検出対象箇所のみに位置させるように移動させればよく、体形検出のために他の施療機構を最下部から少しずつ移動させて、体形検出動作を実行し各検出対象箇所の解析を進めながら各検出対象箇所に到達させる必要が無くなり、体形検出をより短時間で済ませることができる。
【0034】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記複数組の施療機構が、被施療者の体形検出動作として、前記他の施療機構を上昇させて他の施療機構における施療子で被施療者の腰から上部分の位置検出を行い、検出して得た情報から仮肩位置を求めて、一の施療機構を仮肩位置のわずかに上方の位置まで下降させ、当該位置から一の施療機構における施療子で被施療者の肩位置検出を行うものである。
【0035】
このように本発明によれば、体形検出として一の施療機構による肩位置検出に先立ち、他の施療機構を最下部から移動させて被施療者の腰等の身体前後方向位置の検出を行い、身体縦方向位置と前後方向位置との関係から身体縦方向位置の基準情報を取得したら、この基準情報に基づいて、一の施療機構における肩位置の検出動作を開始する基準位置となる仮肩位置を求め、一の施療機構を仮肩位置のわずかに上方の位置に移動させ、そこから肩位置の検出動作を行わせて正式な肩位置の情報を得ることにより、一の施療機構を肩に近い位置から検出動作に移行させることができ、肩位置検出のために一の施療機構を最上部から少しずつ移動させて、肩位置検出動作を実行し解析を進めながら肩位置に到達させる必要が無くなり、体形検出をより短時間で済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機におけるメカユニットの正面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の体形検出動作時における上下の各揉み玉の移動状態説明図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における上方向への各揉み玉での予備的施療動作と主施療動作の連続実行状態説明図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における施療基準位置から離隔する移動を伴う各揉み玉の施療動作実行状態説明図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における施療基準位置に向けて近付く移動を伴う各揉み玉の施療動作実行状態説明図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における上下で重ならない位置関係をなす各揉み玉での施療動作実行状態説明図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における施療対象部位上下中間位置で揉み玉を切替えての施療動作実行状態説明図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における施療対象部位を上下の揉み玉で上下から挟んでの施療動作実行状態説明図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における上下の揉み玉による施療対象部位の上下からの挟み状態説明図である。
図12】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における施療対象部位を上下の揉み玉で斜め方向から挟んでの施療動作実行状態説明図である。
図13】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における施療対象部位を上下の揉み玉で横方向から挟んでの施療動作実行状態説明図である。
図14】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における上下の揉み玉による施療対象部位の横からの挟み状態説明図である。
図15】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の体形検出動作時における上下の各揉み玉の他の移動状態説明図である。
図16】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機における揉み玉の他の配設状態説明図である。
図17】本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機におけるメカユニットの動作状態説明図である。
図18】本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機における各メカユニットの動作状態説明図である。
図19】本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機における揉み玉位置入替えを伴う主施療動作と補助施療動作の同時実行状態説明図である。
図20】本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機における揉み玉と押圧板の配置状態説明図である。
図21】本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機における押圧板での押圧による身体の傾き状態説明図である。
図22】本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機における押圧板の押圧を伴う施療動作実行状態説明図である。
図23】本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機の他のメカユニットにおける揉み玉と押圧板の配置状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機を前記図1ないし図14に基づいて説明する。 前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、着座した被施療者を支える椅子状とされ、施療子としての揉み玉51とその駆動機構部60を有して、背もたれ部13の内部で上下方向に移動可能とされる施療機構としての複数のメカユニット50、60を備える構成である。
【0038】
この本実施形態に係るマッサージ機1の全体の構造は、床面上に載置されてマッサージ機全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で被施療者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で被施療者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で被施療者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で被施療者の脚を支える脚支持部15と、揉み玉51及び駆動機構部70を有して背もたれ部内部で上下動可能とされるメカユニット50、60と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付けるリモコン30と、駆動機構部70の傾動及び上下移動を制御すると共に、揉み玉51をはじめとする施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。
【0039】
前記基台部11は、椅子各部をなす前記座部12、背もたれ部13、肘掛部14、及び脚支持部15を一体に取付けられてこれらを支持するものである。また、前記座部12は、基台部11に対し座面の傾斜角度を調整可能として取付けられ、座面にて被施療者の臀部や太腿部を支えつつ内蔵の施療機構でマッサージを実行するものであり、この施療機構として、空気の給排で動作する臀部用エアセル81、及び太腿用エアセル82を備える構成である。これらエアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ80が座部12下側のスペースに配設される。
【0040】
前記背もたれ部13は、人の背中形状に合せた表面形状とされて前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として配設され、その内部に、マッサージを実行する施療機構を備える構成である。 背もたれ部13内部には、施療子としての左右一対の揉み玉51(61)とこれを動作させる駆動機構部70が一体となったメカユニット50、60と、このメカユニット50、60を背もたれ部13上下方向に移動可能に支持しつつ、背もたれ部の各部を内部から支える枠状の背もたれ部フレーム13aと、前記エアポンプ80による空気の給排で動作する背中用エアセル83及び腰用エアセル84とがそれぞれ配設される構成である。このうちメカユニット50、60、背中用エアセル83、及び腰用エアセル84が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。
【0041】
なお、この背もたれ部13の左右両側部には、被施療者に面する内面側にエアセル等の施療機構を設けた一対の側壁部を突出配設して、被施療者の上腕部等に対して側方からマッサージを行えるようにすることもできる。
【0042】
前記背もたれ部フレーム13aは、メカユニット50、60を背もたれ部13上下方向に移動可能とし且つ他方向への動きは拘束して支持する左右一対のガイドフレーム20間に、複数の横フレームを横方向に掛渡して一体に連結して、略梯子状のフレーム構造とされるものである。
【0043】
前記メカユニット50、60のうち、上側のメカユニット50は、揉み、叩き等の刺激を被施療者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51と、これら揉み玉51をそれぞれ突出状態で支持する左右一対の揉み玉支持アーム52と、この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、背もたれ部上下方向に直交する軸線を中心として駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部53とを備える構成である。 また、下側のメカユニット60は、上側同様に、揉み玉61と、揉み玉支持アーム62と、駆動機構部70と、ベース部63とを備える構成であり、詳細な説明を省略する。
【0044】
前記駆動機構部70は、制御部40の制御に基づいて揉み玉51に揉み動作を行わせるための駆動力を発生させる揉みモータ72と、制御部40の制御に基づいて揉み玉51(61)に叩き動作を行わせるための駆動力を発生させる叩きモータ74と、各モータからの運動を揉み玉支持アーム52(62)を介して揉み玉51(61)に伝達する揉み機構及び叩き機構(図示を省略)とを備える、公知のマッサージ機に用いられるものと同様の機構であり、詳細な説明を省略する。
【0045】
前記ベース部53は、駆動機構部70を傾動可能に支持するものであり、この他、制御部40の制御に基づいて、メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57と、駆動機構部70を傾動させて揉み玉51を被施療者に対し進退させ、施療の強さを調整する進退モータ58とを備える構成である。同様に、下側のメカユニット60のベース部63も、駆動機構部70を傾動可能に支持するものであり、昇降モータ67と、進退モータ68とを備える構成である。
【0046】
メカユニット50、60は、ベース部53、63の側端部を一対のガイドフレーム20にそれぞれ上下走行可能に支持されることで、ガイドフレーム20に挟まれる配置状態となり、メカユニット全体としてガイドフレーム20に沿って移動可能とされる構成である。そして、制御部40による制御に基づき、昇降モータ57、67が作動してベース部53、63がガイドフレーム20を走行する状態となることで、ベース部53、63を含むメカユニット50、60全体が、ガイドフレーム20に沿って背もたれ部13の上下に移動することとなり、背もたれ部13における揉み玉51の位置(揉み玉による施療対象部位)を上下に変えられる仕組みである。
【0047】
そして、メカユニット50、60は、設定されたマッサージの内容に応じて、制御部40による制御で、上記のように背もたれ部13の上下に移動し、揉み玉51の上下位置を調整されると共に、進退モータ58の作動による揉み玉51と駆動機構部60の傾動で、揉み玉51の被施療者側への突出量を調整されて、揉み玉51をマッサージの対象箇所に位置させる。揉み玉51の移動後、又はこうした揉み玉51の移動と並行して、制御部40が、マッサージの種類に応じて、メカユニット50、60における駆動機構部70の揉み、叩き用のモータを作動させ、設定された揉みや叩き等のマッサージに対応した動きを揉み玉51、61に行わせることとなる。
【0048】
前記肘掛部14は、座部12の両側に位置して基台部11と一体に連結し、背もたれ部13がリクライニング角度を変化させたり、座部12が傾動しても、被施療者の前腕を安定的に支持するよう形成される構成である。この肘掛部14にも、前記エアポンプ80による空気の給排で動作するエアセルを配設して、被施療者の前腕部に対しマッサージを行える構成としてかまわない。
【0049】
前記脚支持部15は、座部12の前側に位置し、座部12前端付近を中心として傾動可能に配設され、内蔵のアクチュエータ(図示を省略)により傾斜角度を調整されるものである。この脚支持部15にも、前記エアポンプ80による空気の給排で膨縮動作する脚用エアセルや、上下に移動しつつ脚を押圧するローラ等の施療機構を配設するようにしてかまわない。
【0050】
前記リモコン30は、マッサージ機に対する各種操作入力を受付ける多数のスイッチや表示部を備え、マッサージ機1の側部におけるスタンド31に着脱自在に設置され、マッサージに係る操作入力を制御部40に送信するものである。なお、リモコン30のスイッチや表示部の位置を被施療者にとって最適位置とするために、スタンド31の位置は調整可能となっている。
【0051】
前記制御部40は、あらかじめ被施療者の身体各部位置検出を実行し、得られた検出結果に基づいて、施療機構やマッサージ機の他の各可動部分を被施療者に対応した状態に調整すると共に、施療機構や他の各可動部分に対し、リモコン操作やあらかじめ記録設定されたマッサージ内容、また前記検出結果の情報に基づいて、適切なマッサージの実行のための動作制御を行うものである。
【0052】
この制御部40は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部40として動作させる仕組みである。この制御部40をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
【0053】
この制御部40をなすコンピュータのユニットは、座部12直下等のマッサージ機1内部の所定のスペースに配設され、リモコン30と通信可能な状態とされると共に、メカユニット50、60の各種モータや、背もたれ部13や脚支持部15を傾動させるアクチュエータ、エアポンプ80とそれぞれ電気的に接続され、被施療者の身体各部位置検出の際にはあらかじめ設定された位置検出用プログラムに基づく制御信号出力により、また、マッサージ実行の際には設定されたマッサージのデータに基づく制御信号出力により、これらの駆動機構の作動を制御する。
【0054】
加えて、制御部40は、メカユニット50、60や各アクチュエータの変位量を出力するエンコーダ等の信号出力手段とも電気的に接続されており、メカユニット50、60の状態や、背もたれ部13及び脚支持部15の傾斜等の状態を把握しつつ、モータやアクチュエータ等の駆動手段の作動制御を行うこととなる。
【0055】
また、制御部40は、マッサージに先立つ被施療者の体形検出として、二つのメカユニット50、60をそれぞれ制御し、各メカユニット50、60を背もたれ部13における初期位置からガイドフレーム20に沿って移動させると共に、駆動機構部70を傾動させて、揉み玉51を背もたれ部13にもたれた被施療者に沿って動かす過程で、被施療者に沿う揉み玉51の位置から、あらかじめ設定された検出を行うべき身体複数箇所についての位置情報を順次取得して、被施療者の体形を検出、認定することとなる。
【0056】
この場合、上側のメカユニット50の初期位置は肩より上方となる背もたれ部13の最上部であり、下側のメカユニット60の初期位置は腰より下方となる背もたれ部13の最下部である。制御部40は、各メカユニットが初期位置にない場合には、メカユニットを一旦初期位置まで移動させた上で、体形検出を実行させる。
【0057】
この体形検出では、制御部40が、最上部に位置する上側のメカユニット50を下に移動させると共に、その駆動機構部70を傾動させ、揉み玉51の被施療者側への突出量を最大値とした上で、揉み玉51を被施療者の肩より上方から駆動機構部70ごと下降させ(図4(A)参照)、揉み玉51が肩上側に到達した状態(図4(B)参照)を検出することで、被施療者の肩位置を検出、認定することとなる。
【0058】
また、制御部40は、こうした肩位置の検出と同時に、最下部に位置する下側のメカユニット60を上に移動させると共に、その駆動機構部70の傾動状態を調整し、揉み玉61を被施療者の背部に沿わせながら、揉み玉61を背もたれ部13の下部から上に移動させる状態を得る。そして、制御部40は、身体背面に沿って動く揉み玉61の位置を順次取得するようにして、体形検出に必要な身体背部の位置情報を得ていくこととなる。 こうして、制御部40が上側のメカユニット50を用いて肩位置を認定すると共に、並行して下側のメカユニット60を用いて他の身体背部所定位置の情報を得ていくことで、短時間に体形検出を実行できる。
【0059】
さらに、制御部40は、施療機構として二つのメカユニット50、60が存在することから、マッサージの場合においても、これら二つのメカユニット50、60を協働させて、個別のマッサージ動作の場合では得られない特別なマッサージを行わせることもできる。例えば、制御部40は、一方のメカユニットの揉み玉51を所定の施療対象部位に位置させると共に、この施療対象部位に対し強い関係性を有する、より具体的には、施療対象部位を刺激するツボに相当したり、施療対象部位の血行に影響を及すような他の部位に、他方のメカユニットの揉み玉61を位置させてから、各駆動機構部70の駆動動作で揉み玉51、61をそれぞれ動かし、一方の揉み玉51による施療対象部位のマッサージ動作と、他方の揉み玉61による前記他の部位のマッサージ動作を同時に実行させることもできる。この場合、各押圧刺激の相互の関連に伴い、施療効果を与えたい対象部位への本来意図した施療効果をより一層強化して付与でき、一施療子での押圧刺激ごとの施療効果を単純に複数足し合わせただけでは得られない、効率的な施療を一回の施療動作で実行できることとなる。
【0060】
また、他の例として、制御部40は、上側のメカユニット50の揉み玉51を施療対象部位の上方あるいは側方に位置させ、且つ下側のメカユニット60の揉み玉61を、施療対象部位を挟んで上側の揉み玉51とは反対側となる位置としての、施療対象部位の下方あるいは側方、に位置させた後、駆動機構部70の駆動動作で揉み玉51、61を動かし、揉み玉51、61で、施療対象部位を上下、又は斜め、もしくは横、から挟むようなマッサージ動作を実行させることもできる(図10図12図13参照)。
【0061】
ただし、この場合、上側メカユニット50の揉み玉51と下側メカユニット60の揉み玉61とが近付く関係上、上側メカユニット50と下側メカユニット60も互いに近付く状態となることから、メカユニット同士の接触で移動が妨げられる事態が生じないように、上側のメカユニット50の揉み玉支持アーム52を下方に延設し、下側のメカユニット60の揉み玉支持アーム62を上方に延設するのが好ましい。特に、各揉み玉支持アーム52、62を、メカユニットのベース部53、63から揉み玉が身体縦方向にはみ出す程度に延設させると(図6図7参照)、上側メカユニット50の揉み玉51位置と下側メカユニット60の揉み玉61位置とが、身体縦方向において重複(オーバーラップ)するような位置関係も実現できる。なお、この図6図7に示す構成では、駆動機構部70はベース部53、63と回動枢支点Oで枢支され、より進退方向と身体縦方向に方向成分をもって傾動可能となっている。
【0062】
この他、制御部40は、施療時等で二つのメカユニット50、60を移動させる際、上下のメカユニット50、60間の最小間隔を十分に確保して、上下のメカユニット50、60の間に指等が位置したとしてもこれらが挟まれた状態とならないよう、各メカユニット50、60の上下方向の移動制御を実行する。
【0063】
次に、本実施形態に係るマッサージ機における被施療者の体形検出動作及び揉み玉によるマッサージ動作について説明する。はじめに、被施療者の体形検出動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動したものとする。
【0064】
起動後、制御部40は、各メカユニットが初期位置にない場合は、上側のメカユニット50を上方へ移動させ、その初期位置としての背もたれ部13の最上部まで移動させて停止させる。また、下側のメカユニット60を下方へ移動させ、その初期位置としての背もたれ部13の最下部まで移動させて停止させる。
【0065】
制御部40は、体形検出動作として、まず、背もたれ部13最上部の初期位置にある上側のメカユニット50において、進退モータ58を作動させ、メカユニット50のベース部53に対し揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて、揉み玉51を背もたれ部13前方側へ最大限突出させる。揉み玉51を突出させたら(図4(A)参照)、制御部40は進退モータ58を停止させる一方、昇降モータ57を作動させ、揉み玉51を含むメカユニット50全体をガイドフレーム20に対し下に動かす。こうして、揉み玉51を背もたれ部13の上方から下降させる状態が得られる。
【0066】
この後、揉み玉51が肩上側に近接すると(図4(B)参照)、揉み玉51が被施療者の肩位置で下方への移動を阻止され、それ以上下方へ進めないので、揉み玉51の下降速度が著しく低下するのに伴い、昇降モータ57の回転数も急減することとなる。制御部40はこの昇降モータ57の回転状態を監視し、昇降モータ57の回転数が低下した状態に達した場合、制御部40は、その時点の揉み玉51の上下方向位置を取得し、この揉み玉位置を肩位置として認定する。
【0067】
こうして肩位置を認定したら、制御部40は昇降モータ57を一旦停止させた後逆転させ、メカユニット50と共に揉み玉51を上昇させて、揉み玉51を肩上側から離隔させる。また、進退モータ58を、揉み玉51と駆動機構部70が被施療者から離れる向きに傾動するよう作動させ、メカユニット50の上下動にあたり揉み玉51が被施療者の背部と接触することのない位置まで後退させて、肩位置検出動作を終了する。
【0068】
この肩位置検出と並行して、制御部40は、背もたれ部13最下部の初期位置にある下側のメカユニット60において、昇降モータ57を作動させ、ガイドフレーム20に対しメカユニット60全体を上に動かす。また、制御部40は進退モータ58も作動させ、メカユニット60のベース部63に対する揉み玉61と駆動機構部70の傾動状態を調整して、揉み玉61を被施療者の背部に沿わせる状態とする(図4(A)参照)。こうして、揉み玉61を被施療者の背部に沿わせながら、揉み玉61を背もたれ部13の下部から上に移動させる状態が得られる。
【0069】
揉み玉61が被施療者の身体背部に沿って移動する中(図4(B)参照)、制御部40は、メカユニット60の上方への移動量に基づいて揉み玉61の身体縦方向位置を、揉み玉61と駆動機構部70の傾動状態に基づいて揉み玉61の身体前後方向位置を、それぞれ随時取得していき、こうして特定された揉み玉位置から、被施療者の身体背部の位置関係を導いていく。このように揉み玉の移動に伴って順次得られる身体背部位置のデータのうち、臀部、腰部、及び背中にそれぞれ相当する所定の身体縦方向各位置における身体前後方向位置を示す値が、それぞれ体形検出用の代表値として用いられることとなる。
【0070】
この後、臀部、腰部、及び背中にあたる前記所定の身体縦方向各位置を含む、身体背部の検出範囲を揉み玉61が全て移動し終えたら、制御部40は、下側のメカユニット60による身体背部位置の検出が終了したとして、進退モータ58を揉み玉61と駆動機構部70が被施療者から離れる向きに傾動するよう作動させ、メカユニット60の上下動にあたり揉み玉61が被施療者の背部と接触することのない位置まで後退させ、一連の体形検出動作を終了する。
【0071】
こうして正確な肩位置等、体形の情報が得られた後、必要に応じて、体重測定や腰位置などの身体他部分の位置検出などのマッサージ開始前の準備動作が制御部40により実行された後、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力され、制御部40が入力を受けて、各施療機構によるマッサージ動作が開始することとなる。
【0072】
揉み玉51によるマッサージの場合、設定されたマッサージの内容に応じて、制御部40は、二つのメカユニット50、60をその昇降モータ57の作動によりガイドフレーム20に対し上下に移動させ、揉み玉51、61の上下位置を調整すると共に、進退モータ58を作動させて揉み玉51、61と駆動機構部70を傾動させ、揉み玉51、61の被施療者側への突出量を調整して、揉み玉51、61をそれぞれ施療対象部位等に位置させる。この後、又はこうした揉み玉51、61の移動と並行して、制御部40は、マッサージの種類に応じて、各メカユニットの揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させ、各メカユニット50、60の揉み玉51、61に、設定された揉みや叩き等のマッサージに対応した動きを行わせることとなる。
【0073】
施療動作については、制御部40で二つのメカユニット50、60を協働状態として同時に作動させ、それぞれ揉み玉51、61にマッサージに係る動きを行わせて、これら揉み玉51、61の押圧する身体背部の所定箇所に刺激を与える動作が主となる。
【0074】
例えば、制御部40で二つのメカユニット50、60を共に上昇移動させながら、進行方向前方側、すなわち上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の身体背面部の通過領域に対し予備的施療動作として、「さすり」の動作、すなわち、駆動機構部70で生じさせる揉み玉51の揉み動作のうち被施療者側へ突出する動きの成分のみを、駆動機構部70の逆方向(後退側)への同程度の傾動動作でキャンセルして、揉み玉51から被施療者の身体に強い押圧力を加えずに揉み玉を身体表面に沿わせて上下や左右へ動かす施療動作、を実行し、続いて、進行方向後方側、すなわち下側のメカユニット60における揉み玉61が予備的施療動作のなされた同じ箇所に、主施療動作としての揉み動作を実行するような施療を行わせることができる(図5参照)。
【0075】
この場合、予備的な施療動作としてのさすりが実行された同じ部位に対し、進行方向後方側の下側のメカユニット60における揉み玉61で、本来の目的の施療効果を得るための主施療動作である揉みを実行するようにして、身体の上方向に二つの施療動作を連続的に行っていくことにより、予備的な施療動作であるさすりで、各施療部位を本来の目的とする施療効果、例えば、揉みによるほぐし効果、を得るのに適した状態に移行させられ、上方向へ連続して行われる主施療動作としての揉みによる施療効果を大幅に高めることができ、広い範囲に優れた施療効果を生じさせることができる。また、二つのメカユニット50、60を用いて、さすりと揉みの二つの施療動作を時間を置かずに、且つ施療を途切れさせることなく連続的に実行でき、短時間に効率よく広範囲への施療を実現できる。
【0076】
こうした施療は、上方向だけでなく、下方向についても同様に適用でき、その場合、制御部40で二つのメカユニット50、60を共に下降移動させながら、進行方向前方側、すなわち下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の身体背面部の通過領域に対し予備的施療動作としてのさすり動作を実行し、進行方向後方側、すなわち上側のメカユニット50における揉み玉51が予備的施療動作のなされた同じ箇所に、主施療動作としての揉み動作を実行するような施療を行わせることとなる。
【0077】
なお、進行方向前方側のメカユニットの揉み玉による予備的施療動作としては、さすりの他、叩き動作や、主施療動作として行われるのと同じ施療、例えば、主施療動作が揉みの場合、同じ揉みでその強度を弱くしたもの、具体的には揉み玉の身体側への突出量を抑えて行うものなど、各施療部位を揉み等の主施療動作による施療効果を得るのに適した状態に移行させる他の施療動作を実行することもできる。 進行方向後方側のメカユニットの揉み玉による主施療動作も、揉み以外の施療動作を実行するようにしてかまわない。
【0078】
この他、二つのメカユニット50、60を協働状態として同時に作動させる施療の別の例として、制御部40が、あらかじめ設定された施療基準位置(例えば、心臓付近)を中心として、上側のメカユニット50を上昇移動させ、上向きに移動する揉み玉51を心臓から離隔させ、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行していくと共に、下側のメカユニット60を下降移動させ、下向きに移動する揉み玉61を心臓から離隔させ、被施療者の身体背面部における通過領域に対し、前記同様の連続する施療動作を実行する施療を行わせることもできる(図6参照)。
【0079】
こうして、二つのメカユニット50、60を施療基準位置としての心臓から遠ざかるように上下各方向に移動させると共に、上昇移動する上側のメカユニット50では揉み玉51で上向きにローリング動作を行い、下降移動する下側のメカユニット60では揉み玉61で下向きにローリング動作を行って、心臓を中心として外向きに施療を順次実行していくことにより、施療に伴う血流促進状態の伝わりを心臓から外向きに進行させて、身体の各部位まで効率よく促進効果を行渡らせることができ、優れた施療効果が得られる。
【0080】
この場合、各メカユニット50、60の移動と並行して、駆動機構部70による駆動で、または駆動機構部70のベース部53との回動枢支点Oにおける傾動で、揉み玉支持アームを回動させて、各揉み玉をメカユニットの移動方向(身体縦方向)と同じ上向き又は下向きに動かすようにしてもよく(図6参照)、揉み玉の心臓を中心とした外向きの移動をさらに促して、施療効果をより一層高めることができる。また、上記揉み玉支持アームの回動により、揉み玉の移動においては、身体縦方向の移動成分だけでなく、進退方向の移動成分も発生するので、揉み玉から身体に伝わる刺激に変化を加えつつ施療することが可能となる。
【0081】
また、これとは逆に、制御部40が、あらかじめ設定された施療基準位置としての心臓に向けて、下側のメカユニット60を上昇移動させて心臓に近付けつつ、上向きに移動する揉み玉61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行すると共に、上側のメカユニット50を下降移動させて心臓に近付けつつ、下向きに移動する揉み玉51が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行する施療を行わせることもできる(図7参照)。
【0082】
この場合、二つのメカユニット50、60を施療基準位置としての心臓に近付けるように上下各方向に移動させ、心臓に向って施療を順次実行していくことにより、施療に伴う血流促進状態の伝わりを施療基準位置である心臓へ向け進行させて、心臓における血流促進を効率よく実現でき、優れた施療効果が得られる。
【0083】
この際も、各メカユニット50、60の移動と並行して、駆動機構部70による駆動で、または駆動機構部70のベース部53との回動枢支点Oにおける傾動で、揉み玉支持アームを回動させて、各揉み玉をメカユニットの移動方向と同じ上向き又は下向きに動かすようにすれば(図7参照)、揉み玉の心臓に近付く移動をさらに促して、施療効果をより一層高めることができる。そして、上記揉み玉支持アームの回動により、揉み玉の移動においては、身体縦方向の移動成分だけでなく、進退方向の移動成分も発生するので、揉み玉から身体に伝わる刺激に変化を加えつつ施療することが可能となる。
【0084】
さらに、二つのメカユニット50、60を協働状態として同時に作動させる施療の他例として、制御部40が、上側のメカユニット50における一対の揉み玉51の横方向の位置(左右の間隔)と、下側のメカユニット60における一対の揉み玉61の横方向の位置(左右の間隔)をそれぞれ調整して、二つのメカユニット50、60における揉み玉が上下で重ならない位置関係とした上で、制御部40で二つのメカユニット50、60を共に上昇又は下降移動させ、同じ方向に移動する各揉み玉51、61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し、連続する施療動作、例えば、ローリング又はローリング叩きを実行する施療を行わせることもできる(図8参照)。
【0085】
こうして、二つのメカユニット50、60の各揉み玉51、61を上下で重ならないよう配置して、二つのメカユニット50、60を共に上下いずれかに移動させ、各揉み玉51、61で施療を実行していくことにより、身体背面部の広範囲に同時に施療を実行することができ、短時間に効率よく施療効果を与えることができる。
【0086】
施療動作において、二つのメカユニット50、60を協働状態とするにあたっては、上記の各例のように二つのメカユニット50、60を同時に作動させるだけでなく、二つのメカユニット50、60を時間をおいて作動させることで、二つが協働して一つの施療を実行する状態を生じさせることもできる。
【0087】
詳細には、上下に広い施療対象部位を、揉み玉が上又は下へ徐々に移動しながら連続的に押圧していくことで所定の施療効果を得るような、揉み上げ、揉み下げ、ローリング等のマッサージ動作の場合に、被施療者の身体縦方向中間位置より上側については上側のメカユニット50の揉み玉51を用い、中間位置より下側については下側のメカユニット60の揉み玉61を用いて、一組の揉み玉による上又は下への移動を伴う施療を、中間位置で上下の揉み玉を切替えて継続実行するように、各メカユニット50、60を時間をずらして作動させることもできる(図9参照)。
【0088】
例えば身体背部の上から下まで揉み玉による押圧を加える場合、まず上側のメカユニット50を下に移動させて、揉み玉51の身体背部に対する移動を伴う押圧を実行し(図9(A)参照)、揉み玉51が身体縦方向の中間位置に達したら、あらかじめこの中間位置に位置させた下側のメカユニット60の揉み玉61による押圧に切替え、身体背部の残りの下側部分については、下側のメカユニット60を下に移動させて、揉み玉61による移動を伴う押圧を実行することとなる(図9(B)参照)。
【0089】
この場合、各メカユニットが、一つのメカユニットのみを用いる従来構成のように、メカユニット移動可能範囲の最上部から最下部まで、又は逆の最下部から最上部まで、広範囲に移動せずに済むことから、次の新たなマッサージ動作に移行する際に、前のマッサージ動作の終了位置から新たな施療対象部位までの、メカユニットの移動距離を小さくすることができ、移行に係る時間を短く抑えられる。
【0090】
続いて、二つのメカユニット50、60を協働させて行うマッサージ動作の例として、背もたれ部13にもたれた被施療者の目的の施療対象部位を、上側のメカユニット50の揉み玉51と下側のメカユニット60の揉み玉61とにより挟むことで実行するマッサージについて説明する。
【0091】
まず、揉み玉51、61で施療対象部位を上下方向から挟んでマッサージを行う場合を説明する。制御部40は、上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の施療対象部位の直上に存在するように、メカユニット50全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて揉み玉51の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉51の位置を調整する。
【0092】
また、制御部40は、下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の施療対象部位の直下に存在するように、メカユニット60全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉61と駆動機構部70を傾動させて揉み玉61の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉61の位置を調整する。
【0093】
揉み玉51、61が施療対象部位の上下にそれぞれ位置して、揉み玉同士が施療対象部位(図10中×印)を間に挟んで対向する状態(図10参照)となったら、さらに制御部40は、各メカユニットの駆動機構部70の揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させて、各揉み玉51、61に揉み及び/又は叩きに相当する動きを行わせる。
【0094】
この場合、上の揉み玉51が下に動く際には下の揉み玉61が上に動くように、上の揉み玉51が上に動く際には下の揉み玉61が下に動くように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、上下の揉み玉51、61による施療対象部位の挟み具合を変化させる他、上の揉み玉51と下の揉み玉61の動く方向が一致するように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、上下の揉み玉51、61による施療対象部位の挟み具合を維持しつつ挟んだ施療対象部位を揉み玉51、61と共に動かすこともできる。
【0095】
こうして施療対象部位に対し上下の揉み玉51、61がそれぞれ動いて、上下の揉み玉51、61に挟まれる施療対象部位に、二つの揉み玉の挟みに基づく刺激が加わる(図11参照)ことで、通常の身体背部に揉み玉を押し当てる揉みや叩き等のマッサージとは異なる、新たなマッサージ効果を付与することができ、施療効果を高められることとなる。
【0096】
引続き、前記施療対象部位を揉み玉51、61で挟むことで実行するマッサージ動作の第二の例として、揉み玉51、61で施療対象部位を斜め方向から挟んでマッサージを行う場合について説明する。 制御部40は、上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の施療対象部位の上方に存在するように、メカユニット50全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて揉み玉51の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉51の位置を調整する。加えて、制御部40は、揉み玉51の駆動機構部70に対する横方向の位置関係を調整して、揉み玉51を横方向、例えば、上側のメカユニット50における一対の揉み玉を互いに近付ける向きに所定距離移動させて、揉み玉51が施療対象部位の斜め上に位置するようにする。
【0097】
また、制御部40は、下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の施療対象部位の下方に存在するように、メカユニット60全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉61と駆動機構部70を傾動させて揉み玉61の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉61の位置を調整する。加えて、揉み玉61の駆動機構部70に対する横方向の位置関係を、前記上側のメカユニット50における揉み玉51とは異なるように調整して、揉み玉61を横方向、例えば、下側のメカユニット60における一対の揉み玉を互いに遠ざける向きに所定距離移動させて、揉み玉61が施療対象部位の斜め下に位置するようにする。
【0098】
揉み玉51、61が施療対象部位の斜め上と斜め下にそれぞれ位置して、揉み玉同士が施療対象部位を間に挟んで対向する状態(図12参照)となったら、さらに制御部40は、各メカユニットの駆動機構部70の揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させて、各揉み玉51、61に揉み及び/又は叩きに相当する動きを行わせる。
【0099】
この場合、斜め上の揉み玉51が施療対象部位に近づく向きに動く際には、斜め下の揉み玉61も施療対象部位に近づく向きに動くように、斜め上の揉み玉51が施療対象部位から離れる向きに動く際には、斜め下の揉み玉61も施療対象部位から離れる向きに動くように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、斜め上の揉み玉51と斜め下の揉み玉61とによる施療対象部位の挟み具合を変化させる他、斜め上の揉み玉51と斜め下の揉み玉61の動く方向が一致するように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、揉み玉51、61による施療対象部位の挟み具合を維持しつつ挟んだ施療対象部位を揉み玉51、61と共に動かすこともできる。
【0100】
こうして施療対象部位に対し斜め上の揉み玉51と斜め下の揉み玉61がそれぞれ動いて、これら揉み玉51、61に挟まれる施療対象部位に、二つの揉み玉の挟みに基づく刺激が加わることで、通常の身体背部に揉み玉を押し当てる揉みや叩き等のマッサージとは異なる、新たなマッサージ効果を付与することができ、施療効果を高められることとなる。
【0101】
さらに、前記施療対象部位を揉み玉51、61で挟むことで実行するマッサージ動作の第三の例として、揉み玉51、61で施療対象部位を横方向から挟んでマッサージを行う場合について説明する。 制御部40は、上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の施療対象部位の側方に存在するように、メカユニット50全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて揉み玉51の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉51の位置を調整する。加えて、制御部40は、揉み玉51の駆動機構部70に対する横方向の位置関係を調整して、揉み玉51を横方向、例えば、上側のメカユニット50における一対の揉み玉を互いに近付ける向きに所定距離移動させて、揉み玉51が身体中央部に近い側で施療対象部位のすぐ横に位置するようにする。
【0102】
また、制御部40は、下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の施療対象部位の側方で、前記上側のメカユニット50における揉み玉51の場合とは別の側方に存在するように、メカユニット60全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉61と駆動機構部70を傾動させて揉み玉61の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉61の位置を調整する。加えて、揉み玉61の駆動機構部70に対する横方向の位置関係を、前記上側のメカユニット50における揉み玉51とは異なるように調整して、揉み玉61を横方向、例えば、下側のメカユニット60における一対の揉み玉を互いに遠ざける向きに所定距離移動させて、揉み玉61が身体外側部に近い側で施療対象部位のすぐ横に位置するようにする。
【0103】
揉み玉51、61が施療対象部位の左右にそれぞれ位置して、揉み玉同士が施療対象部位を間に挟んで対向する状態(図13参照)となったら、さらに制御部40は、各メカユニットの駆動機構部70の揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させて、各揉み玉51、61に揉み及び/又は叩きに相当する動きを行わせる。
【0104】
この場合、身体中央部寄りの揉み玉51が施療対象部位に近づく向きに動く際には、身体外側部寄りの揉み玉61も施療対象部位に近づく向きに動くように、身体中央部寄りの揉み玉51が施療対象部位から離れる向きに動く際には、身体外側部寄りの揉み玉61も施療対象部位から離れる向きに動くように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、左右の揉み玉51、61による施療対象部位の挟み具合を変化させる他、身体中央部寄りの揉み玉51と身体外側部寄りの揉み玉61の動く方向が一致するように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、左右の揉み玉51、61による施療対象部位の挟み具合を維持しつつ挟んだ施療対象部位を揉み玉51、61と共に動かすこともできる。
【0105】
こうして施療対象部位に対し左右の揉み玉51、61がそれぞれ動いて、左右の揉み玉51、61に挟まれる施療対象部位に、二つの揉み玉の挟みに基づく刺激が加わる(図14参照)ことで、通常の身体背部に揉み玉を押し当てる揉みや叩き等のマッサージとは異なる、新たなマッサージ効果を付与することができ、施療効果を高められることとなる。
【0106】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、駆動機構部70で施療子としての揉み玉51、61の身体側への進退移動を伴う揉みやたたき等の施療動作を行わせる、二つのメカユニット50、60を配設し、これら各メカユニット50、60における揉み玉をそれぞれ駆動機構部70により主に身体縦方向の上向き又は下向きに移動させつつ、揉み玉による施療動作を協働させるようにして、施療動作として身体に加えられる力の大きさや向きを、各揉み玉51、61ごとの動作の組合せで様々に調整できることから、例えば複数の揉み玉で施療部位を挟むなど、複数の揉み玉を個別に動作させた場合とは異なる態様で身体に刺激が加わる状態が得られることとなり、メカユニット50、60を個別に動作させる場合より、多様でバリエーションに富む施療を身体に対し行え、優れたマッサージ効果を付与できる。
【0107】
また、マッサージ前の体形検出の過程では、上側のメカユニット50を背もたれ部13の最上部から下に移動させて肩位置検出を行う一方、下側のメカユニット60を背もたれ部13の最下部から上に移動させて身体背部各位置の検出を行うようにするなど、二つのメカユニット50、60で検出範囲を分けて同時に体形検出を実行することにより、体形検出が短時間で完了し、起動後速やかに施療動作に移行でき、被施療者を待たせずにマッサージを実行できることで、被施療者をよりリラックスした状態にすることができる。
【0108】
さらに、複数のメカユニット50、60を同時に使用して、被施療者の身体における所定の施療部位に一の揉み玉で押圧刺激を加えると共に、この施療部位に対し強い関係性を有する他の部位、例えば、前記施療部位の近傍部位や、前記施療部位と一定の位置関係にある別の離れた施療部位に、一の揉み玉による押圧刺激と関連した押圧刺激を、一の揉み玉と協働する他の揉み玉で、一の揉み玉と同時に又は極わずかな時間差で加えられることから、関連性の高い押圧刺激を複数組合せて、施療効果を与えたい対象部位への本来意図した施療効果をより一層強化して付与できることとなり、押圧刺激ごとの施療効果を単純に複数足し合わせただけでは得られない、効率的なマッサージを時間をかけることなくスムーズに実行できる。
【0109】
なお、前記実施形態に係るマッサージ機においては、上下の各メカユニット50、60による体形検出として、上側のメカユニット50を背もたれ部最上部から下方に移動させて揉み玉51で肩位置検出を実行し、同時に、下側のメカユニット60を背もたれ部最下部から上方に移動させて揉み玉51で身体背部位置、特に、臀部、腰部、背中等の主要位置、の身体前後方向位置の検出を実行する構成としているが、これに限らず、上側のメカユニット50における揉み玉51を用いた肩位置検出を先に実行し、検出された肩位置の情報、すなわち、身体縦方向の位置決めの基準となる現実の位置情報に基づいて、被施療者ごとに異なる、身体縦方向における体形検出に必要な他の測定対象位置(臀部、腰部、背中等)の、現実の位置を求め、こうして得られた少数の測定対象位置に限って、下側のメカユニット60における揉み玉61を用いた体形検出に係る測定動作を実行する構成とすることもできる。この場合、下側のメカユニット60での測定動作としては、身体縦方向での必要最小限の測定対象位置に、順次揉み玉61をメカユニット60ごと移動させ、身体前後方向位置の測定を実行すればよく、体形検出のためにメカユニット60を最下部から少しずつ移動させて身体縦方向と前後方向の位置測定動作を実行し、測定結果の解析を進めながら複数の代表的な位置の位置情報を取得していく必要が無くなり、短時間に体形検出が完了し、より短時間でマッサージ動作に移行できる。
【0110】
この他、上記と逆に、下側のメカユニット60における揉み玉61を用いた体形検出に係る測定動作を先に実行し(図15(A)参照)、下側のメカユニット60を背もたれ部最下部から移動させて被施療者の臀部、腰部、背中等の身体前後方向位置の検出を行い、得られた身体背部所定範囲の身体縦方向位置と身体前後方向位置との関係を一般的な体形データと比較照合して身体縦方向の概略位置情報を取得したら、この概略位置情報に基づいて仮肩位置を導き、上側のメカユニット50における揉み玉51が仮肩位置の少し上方に位置するように上側のメカユニット50を移動させ、そこから肩位置の検出動作を実行して(図15(B)参照)、正式な肩位置の情報を得る構成とすることもでき、上側のメカユニット50をより肩に近い位置から位置検出動作に移行させられ、肩位置検出のために揉み玉51を含む上側メカユニット50を最上部から少しずつ移動させて肩位置に到達させる必要が無くなり、上記の場合と同様に体形検出をより短時間で済ませて、マッサージへの移行を早められ、被施療者の待ち時間を短くできる。
【0111】
また、前記実施形態に係るマッサージ機においては、上下の各メカユニット50、60における各駆動機構部70から揉み玉51、61にそれぞれ動きを伝える揉み玉支持アーム52、62には、揉み玉51、61を一つずつ取付ける構成としているが、これに限らず、図16に示すように、揉み玉支持アーム59、69を駆動機構部70側のアーム基端部から二方向に分岐突出する形状とすると共に、揉み玉支持アーム59、69の突出した各先端部にそれぞれ揉み玉51、61を取付けるようにして、一つの揉み玉支持アームに揉み玉を二つ配設する構成とすることもでき、駆動機構部70で一体に駆動される支持アーム59、69上の二つの揉み玉がそれぞれ身体に接して施療を行う状態が、上下のメカユニット50、60でそれぞれ実現することで、身体のより多くの箇所に、上下のメカユニット50、60の協働による効率的な施療を行うことができる。
【0112】
また、前記実施形態に係るマッサージ機において、上下の各メカユニット50、60は、背もたれ部13に内蔵されたガイドフレーム20の存在する上下方向の範囲内で移動可能とされる構成としているが、これに限らず、メカユニットが座部にも移動して、被施療者の臀部から大腿部にかけての部位も施療を行える構成とすることもできる。例えば、座部内にガイドレールが配設され、背もたれ部と座部との角度が、背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールが適切に連続してメカユニットが背もたれ部と座部のガイドレール間をスムーズに移行できる角度範囲にある場合に、メカユニットを背もたれ部から座部、又はその逆に移動させるようにしてもよい。
【0113】
この場合、メカユニットは、そのベース部の側端部において、背もたれ部の場合と同様、座部のガイドレールで走行移動可能に支持され、ガイドレールに沿って身体縦方向に移動することとなる。これにより、被施療者の背中から臀部、大腿部にかけての広い領域を施療子としての揉み玉で連続的にマッサージできる。また、座部を含むメカユニットの移動可能範囲で、複数のメカユニットの動作を協働させることで、被施療者の臀部から大腿部にかけての部位についても、臀部や腰部、背中の場合と同様に、それぞれの揉み玉を個別に用いた場合では実現できない特別なマッサージを行うことができる。
【0114】
また、前記実施形態に係るマッサージ機において、上下の各メカユニット50、60は、背もたれ部13に内蔵されたガイドフレーム20の存在する上下方向の範囲内で、それそれ昇降モータ57を作動させることで、ガイドフレーム20に沿ってそれぞれ移動可能とされる構成としているが、この他、二つのメカユニット50、60を近付けた状態で同じ方向に移動させる場合に、一方のメカユニットを他方のメカユニットに連結状態とし、いずれか一方の昇降モータのみを作動させ、二つのメカユニットをまとめて移動させるようにする構成とすることもでき、各メカユニットごとに移動に係る駆動力を発生させずに済み、消費電力等の抑制が図れる。
【0115】
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージ機においては、施療機構として、施療子としての揉み玉51、61及びその駆動機構部70を有する上下二つのメカユニット50、60が配設され、これらが個別に背もたれ部上下方向に移動可能な構成としているが、これに限らず、第2の実施形態として、図17に示すように、複数組の施療機構が、背もたれ部上下方向に一体に移動可能な一ユニットとして組合わされて配設される構成、具体的には、施療機構をなす各揉み玉51、61と駆動機構部70は前記第1の実施形態同様に上下二組配設される一方、各駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部55は上下で共通の一つのみ配設され、この一つのベース部55が上下の駆動機構部70をそれぞれ支持する構成とすることもでき、揉み玉51、61と駆動機構部70を上下に二組配設して、上下の揉み玉51、61を協働させて施療を行える一方、施療機構を一つのメカユニット54としてまとめて昇降移動させられることで、昇降移動のための機構を簡略化できる。
【0116】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機を前記図18及び図19に基づいて説明する。 前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、前記第1の実施形態同様、背もたれ部13の内部で身体縦方向に移動可能とされる二つのメカユニット50、60を備える一方、異なる点として、上側のメカユニット50が、揉み玉51及び揉み玉支持アーム52の駆動機構部70から突出する方向を斜め下方に向けた配置とされる構成を有するものである。 なお、上側のメカユニット50における揉み玉51及び揉み玉支持アーム52の突出方向に係る点以外については、前記第1の実施形態の場合と同様の構成であり、詳細な説明を省略する。
【0117】
上側のメカユニット50は、前記第1の実施形態同様、施療子としての揉み玉51と、揉み玉支持アーム52と、駆動機構部70と、ベース部53とを備える一方、異なる点として、図18に示すように、ガイドフレーム20に対し前記第1の実施形態の場合とは上下位置関係を逆にして配置されて、揉み玉51及び揉み玉支持アーム52を斜め下向きに突出させた構成を有するものである。
【0118】
これに対し、下側のメカユニット60では、前記第1の実施形態同様に、揉み玉61及び揉み玉支持アーム62が駆動機構部70から斜め上方に突出する配置状態となっている。これにより、上下の揉み玉51、61が向い合わせになって、互いの距離をより近くして配設されることとなる。
【0119】
上下の揉み玉51、61を近付けられることで、身体背部の狭い範囲に全ての揉み玉で集中的に施療動作を行えることとなり、所定の狭い範囲に絞った施療対象部位に対しても、上下のメカユニット50、60の協働による効率的な施療を行うことができる。そして、揉み玉支持アームにより突出状態にある揉み玉とメカユニットとの位置関係から、揉み玉51、61同士が接近してもメカユニット同士は離隔状態を維持でき、施療において揉み玉同士を近付けたとしても上下のメカユニット50、60同士の接触が避けられ、各メカユニットを無理なく移動させられる。
【0120】
よって、前記第1の実施形態で示した、被施療者の目的の施療対象部位を、上側のメカユニット50の揉み玉51と下側のメカユニット60の揉み玉61とにより上下、又は斜め、もしくは横、から挟む施療を行う場合、本実施形態の上下メカユニットの構成であれば、上下のメカユニット50、60同士の離隔状態を維持しつつ施療動作を有効に実行できることとなる。
【0121】
次に、本実施形態に係るマッサージ機における施療動作について説明する。より具体的には、二つのメカユニット50、60を協働させて行う施療動作の例として、背もたれ部13にもたれた被施療者の目的の施療対象部位を、一方のメカユニットの揉み玉でマッサージすると同時に、施療対象部位の近傍部分を、他方のメカユニットの揉み玉でマッサージする動作について説明する。
【0122】
前提として、着座した被施療者に対し、体形検出などのマッサージ開始前の準備動作が実行された後、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力され、制御部40が入力を受けて、各施療機構によるマッサージ動作を開始させたものとする。
【0123】
まず、制御部40は、上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の施療対象部位に存在するように、メカユニット50全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて揉み玉51の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉51の位置を調整する。
【0124】
また、制御部40は、下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の施療対象部位の下側近傍に存在するように、メカユニット60全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉61と駆動機構部70を傾動させて揉み玉61の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉61の位置を調整する。
【0125】
揉み玉51、61が施療対象部位とその近傍にそれぞれ位置する状態となったら、さらに制御部40は、各メカユニットの駆動機構部70の揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させて、各揉み玉51、61に揉み及び/又は叩きに相当する動きを行わせる(図19(A)参照)。
【0126】
この場合、制御部40は、上の揉み玉51による施療対象部位の揉み及び/又は叩きの強度を強くする際には下の揉み玉61による施療対象部位近傍への揉み及び/又は叩きの強度を弱くするように、上の揉み玉51による施療対象部位の揉み及び/又は叩きの強度を弱くする際には下の揉み玉61による施療対象部位近傍への揉み及び/又は叩きの強度を強くするように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、上下の揉み玉51、61による施療対象部位とその近傍への施療の強度を異ならせる。こうして上の揉み玉51による施療対象部位への主となるマッサージと、これと強度を変えた下の揉み玉61による施療対象部位近傍への補助的なマッサージを同時に実行させる状態となり、このマッサージ状態が所定時間継続される。
【0127】
続いて、制御部40は、上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の施療対象部位の上側近傍に存在するように、メカユニット50全体をガイドフレーム20に対し上に移動させると共に、揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて揉み玉51の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉51の位置を調整する。
【0128】
また、制御部40は、下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の施療対象部位に存在するように、メカユニット60全体をガイドフレーム20に対し下に移動させると共に、揉み玉61と駆動機構部70を傾動させて揉み玉61の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉61の位置を調整する。
【0129】
こうして下側の揉み玉61が上側の揉み玉51と入れ替る形で施療対象部位に位置すると共に、上側の揉み玉51が施療対象部位の近傍に位置する状態となったら、さらに制御部40は、各メカユニットの駆動機構部70の揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させて、各揉み玉51、61に揉み及び/又は叩きに相当する動きを行わせる(図19(B)参照)。
【0130】
この場合も、下の揉み玉61による施療対象部位の揉み及び/又は叩きの強度を強くする際には上の揉み玉51による施療対象部位近傍への揉み及び/又は叩きの強度を弱くするように、下の揉み玉61による施療対象部位の揉み及び/又は叩きの強度を弱くする際には上の揉み玉51による施療対象部位近傍への揉み及び/又は叩きの強度を強くするように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、上下の揉み玉51、61による施療対象部位とその近傍への施療の強度を変化させる。こうして、下の揉み玉61による施療対象部位への主のマッサージと、これと強度を変えた上の揉み玉51による施療対象部位近傍への補助的なマッサージを同時に実行させる状態となり、このマッサージ状態が所定時間継続される。
【0131】
この後、制御部40は、前記同様に、上の揉み玉51による施療対象部位への主のマッサージと、下の揉み玉61による施療対象部位近傍への補助的なマッサージを同時に実行させる状態(図19(A)参照)と、下の揉み玉61による施療対象部位への主のマッサージと、上の揉み玉51による施療対象部位近傍への補助的なマッサージを同時に実行させる状態(図19(B)参照)とを、交互に繰返させるようにする。これにより、施療対象部位への本来のマッサージに加えて、施療対象部位を挟む上下所定範囲の近傍部分への補助的なマッサージを並行して行えることとなる。
【0132】
この場合、二つの施療機構における揉み玉51、61の、各メカユニット50、60ごとの身体縦方向の上向き又は下向きの移動を伴いながらの、施療動作の協働の結果、被施療者における施療対象部位へのマッサージによる直接的な刺激と、施療対象部位の近傍部位へのマッサージに伴い施療対象部位に対し間接的に伝わる別の刺激との、二種類の刺激が組合わされることで、施療対象部位のみに揉み玉を押し当てる揉みや叩き等の通常のマッサージの場合に比べて、施療の中心となる施療対象部位に対し付与しようとするマッサージ効果をより一層増大させて与えることができ、施療対象部位について短時間に極めて効率よくマッサージを進められる。
【0133】
なお、施療対象部位へのマッサージを行う揉み玉51、61を入替えて上下で交互に施療対象部位のマッサージを実行すると共に、近傍部位も上下を入替えてマッサージを行う構成に限られるものではなく、施療対象部位へのマッサージと近傍へのマッサージを位置を変えずに継続して行う構成とすることもできる。
【0134】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機を前記図20ないし図22に基づいて説明する。 前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、前記第1の実施形態同様、背もたれ部13の内部で身体縦方向に移動可能とされる複数のメカユニット50、60を備える一方、異なる点として、一方のメカユニットの施療子として、揉み玉に代えて、被施療者の身体を押圧する押圧面の面積を大きくして形成される押圧板65が配設される構成を有するものである。
【0135】
前記メカユニット50、60のうち、下側のメカユニット60は、被施療者を押圧可能な施療子としての左右一対の押圧板65と、この押圧板65を突出状態で支持する左右一対の支持アーム66と、この支持アーム66を介して押圧板65をあらかじめ設定された移動の動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、背もたれ部上下方向に直交する軸線を中心として駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部63とを備える構成である。
【0136】
なお、上側のメカユニット50は、前記第1の実施形態と同様に、施療子としての左右一対の揉み玉51と、揉み玉支持アーム52と、駆動機構部70と、ベース部53とを備える構成であり、詳細な説明を省略する。
【0137】
前記押圧板65は、略板状体で形成され、被施療者の身体背面部に対し所定の押圧面積を確保可能な押圧面を有する構成である。この押圧板65は、上側のメカユニット50における揉み玉51による施療動作の際に、被施療者の身体を押圧して動かし、被施療者の体位を変化させて、施療対象部位と揉み玉51との位置関係の変化を生じさせるものである。揉み玉51に比べて押圧板65の押圧面積を著しく大きくしていることで、押圧板65で押圧した状態では、揉み玉による押圧時のように圧力の集中による指圧のような刺激が生じることはなく、また身体はその表面の局部的な凹みにとどまらず移動を余儀なくされることとなり、押圧を確実に体位の変化に繋げられる。
【0138】
この押圧板65には、被施療者に当接する表面部にヒータを設けたり、当接する表面側で膨縮して押圧状態を変化させられるエアセルを設ける構成とすることもできる。
【0139】
この押圧板65は、背もたれ部13の中央を挟む形で左右にそれぞれ配設される場合、左右の押圧板のうち一方のみを動かして被施療者の身体を押圧し、その体位を変化させることもできる。この場合、押圧板65による押圧により、被施療者の身体は押圧板65で押される側から反対側の押圧のない側へ傾くこととなる。
【0140】
また、押圧板65は、揉み玉51と異なり単純に被施療者の身体を押圧するのみであるため、背もたれ部13の中央に達するような形状(図20参照)として、被施療者の背部の中央部を含む広い範囲を押圧可能な構成とすることもできる。
【0141】
次に、本実施形態に係るマッサージ機における揉み玉と押圧板を用いたマッサージ動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動すると共に、被施療者の体形検出動作が完了して、各施療機構によるマッサージ動作が開始可能となっているものとする。
【0142】
二つのメカユニット50、60を協働させて行う具体的なマッサージ動作として、まず、制御部40は、上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の施療対象部位に存在するように、メカユニット50全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、揉み玉51と駆動機構部70を傾動させて揉み玉51の被施療者側への突出量を変化させ、揉み玉51の位置を調整する(図22(A)参照)。
【0143】
また、制御部40は、下側のメカユニット60における押圧板65があらかじめ設定された被施療者の施療に対応して体位を変化させるのに適した所定部位に存在するように、メカユニット60全体をガイドフレーム20に対し上又は下に移動させると共に、押圧板65と駆動機構部70を傾動させて押圧板65の被施療者側への突出量を変化させ、押圧板65の位置を調整する(図22(A)参照)。
【0144】
そして、下側のメカユニット60においては、進退モータ58を作動させて押圧板65と駆動機構部70を傾動させ、押圧板65の被施療者側への突出量を調整して、押圧板65で被施療者の身体の所定箇所を押し、被施療者の体位を変化させる。ただし、押圧板65の突出に伴う被施療者の体位変化の度合は、揉み玉51による施療の強度に応じて調整することが望ましい。
【0145】
押圧板65が施療対象部位とは異なる箇所を押圧して、被施療者の体位が変化する状態となった後、又は、体位が変化するのと同時に、制御部40は、上側のメカユニット50の進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動機構部70をさらに傾動させ、揉み玉51の突出量を増大させて背もたれ部13にもたれた被施療者の施療対象部位に揉み玉を強く押し当てたり、上側のメカユニット50における駆動機構部70の揉みモータ72及び/又は叩きモータ74を作動させて、施療対象部位に位置する揉み玉51に揉み及び/又は叩きの動きを行わせたりする。すなわち、上側のメカユニット50の揉み玉51に、駆動機構部70の駆動による揉み玉51の上向き又は下向きの移動を伴った、あらかじめ設定された指圧や、揉み、叩き等のマッサージに対応した動きを行わせることとなる。この場合、上側のメカユニット50ごと揉み玉51を上下に移動させるのと並行して、揉み玉51に、設定された揉みや叩き等のマッサージに対応した動きを行わせるようにすることもできる。
【0146】
押圧板65による押圧により、被施療者の身体の一部が押されて前方へ動くことで、揉み玉51のある側に対し左右のどちらか反対側で押圧板65での押圧を実行する場合は、被施療者の身体は押圧板65で押される側から反対側の揉み玉51のある側へ傾き、この揉み玉51に対し身体が傾きながら相対的に押付けられることとなる(図21参照)。また、揉み玉51のある位置に対し上下のいずれかで押圧板65での押圧を実行する場合も、被施療者の身体は押圧板65で押される部位が浮上がる分、揉み玉51の位置する施療対象部位では逆に背もたれ部側へ後退し、揉み玉51に対し身体が傾きながら相対的に押付けられることとなる(図22(B)参照)。
【0147】
こうして施療対象部位に対し揉み玉51が動いて、施療対象部位に揉み玉51の動きによる刺激が加わる際に、押圧板65で被施療者を押圧して被施療者の体位を変化させることで、施療対象部位と揉み玉との位置関係変化を生じさせることとなり、この施療対象部位に対しては、通常姿勢の被施療者における身体背部に対し揉み玉を動かす揉みや叩き、指圧等のマッサージとは異なる、新たなマッサージ効果を付与することができ、施療効果を高められることとなる。
【0148】
この他、揉み玉51の動きの変化に合せて押圧板65の押圧状態を変化させる場合、押圧板65で押すと身体が傾いて、施療対象部位を背もたれ部13に押付け、施療対象部位の揉み玉51による押圧を強めるように作用するので、制御部40は押圧板65の押すタイミングと揉み玉51の押すタイミングを同調させる。すなわち、制御部40は、揉み玉51が施療対象部位を押すように動く際には、押圧板65も被施療者を押すように、揉み玉51が施療対象部位から離れる向きに動く際には、押圧板65も被施療者から離れる向きに動くように、上下のメカユニット50、60における各駆動機構部70を協働させて、揉み玉51が押圧する状態での圧力と押圧していない状態での圧力との差をより大きくする体位変化を、押圧板65で生じさせるのが好ましい。このように、揉み玉51の動きに対応させて押圧板65の突出に伴う被施療者の体位変化の度合を連続的に変えるようにすれば、施療をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0149】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、揉み玉51に比べ接触面積を広くして押圧の影響をより大きくした押圧板65で、被施療者の身体を押圧して体位を変化させ、この体位を変化させている状態で揉み玉51による施療動作を実行することから、体位変化に伴って、揉み玉51での施療動作による刺激の強度を変化させたり、身体に刺激の加わる向きを相対的に変化させたりして、揉み玉51から身体への刺激の加わり具合を、体位を変化させない状態とは大きく異ならせた、新たな種類の施療動作を得ることができ、施療動作のバリエーションを増大させて、被施療者の求めにより細かく対応した最適な施療を実現できる。
【0150】
なお、前記第4の実施形態に係るマッサージ機においては、揉み玉51を備えたメカユニット50を上側に、押圧板65を備えたメカユニット60を下側にそれぞれ配置して、これらを背もたれ部上下方向に移動させて施療を行える構成としているが、これに限らず、揉み玉51を備えたメカユニット50を下側に、押圧板65を備えたメカユニット60を上側にそれぞれ配置する構成としてもかまわない。
【0151】
また、前記第4の実施形態に係るマッサージ機においては、施療子としての揉み玉51と押圧板65、並びにその駆動機構部70を有する上下二つのメカユニット50、60がそれぞれ配設され、これらが個別に背もたれ部上下方向に移動可能な構成としているが、これに限らず、図23に示すように、揉み玉51と駆動機構部70の組と共に、押圧板65とその駆動機構部70の組が、前記第4の実施形態同様に上下に配設される一方、各駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部56は上下で共通の一つのみ配設され、この一つのベース部56が上下の駆動機構部70をそれぞれ支持して、各機構が背もたれ部上下方向に一体に移動可能な一つのメカユニット64として組合わされて配設される構成とすることもでき、揉み玉51と押圧板65をそれぞれの駆動機構部70で独立に駆動して、上下の揉み玉51と押圧板65を協働させて施療を行える一方、施療機構をまとめて一つのメカユニット64として昇降移動させられることで、昇降移動のための機構を簡略化できる。
【0152】
この場合、図23に示すように、メカユニット64において、ガイドフレーム20に対する押圧板65及び駆動機構部70の配置を前記第4の実施形態の場合とは上下位置関係を逆に設定して、押圧板65及び支持アーム62の駆動機構部70から突出する方向を斜め下方に向けた配置としており、一つのメカユニット64上で揉み玉51と押圧板65との間隔を大きくとれるようにしている。こうした押圧板65や揉み玉51の突出方向については、揉み玉51と押圧板65が同じ斜め上方又は斜め下方に突出するようにしたり、互いに異なる向きに突出するようにするなど、施療の用途に応じたものとなるように各駆動機構部70をベース部56に配置して設定できる。
【0153】
さらに、前記第1ないし第4の各実施形態に係るマッサージ機においては、施療機構を上下に二つ配置して用いる構成としているが、これに限らず、三つ以上の施療機構を配置してそれぞれ協働させて用いる構成とすることもでき、前記各実施形態同様、複数の施療機構における各施療子の施療動作を協働させるようにして、被施療者の身体における所定の施療部位に一の施療子で押圧刺激を加えると共に、この施療部位に対し強い関係性を有する他の複数部位に、それぞれ他の施療子で同時に刺激を加えられることにより、関連性の高い押圧刺激を複数組合せて、施療対象部位への本来意図したマッサージ効果をより一層強化して付与でき、効率的なマッサージを時間をかけることなくスムーズに実行できる。また、複数の施療子を個別に動作させた場合とは異なる態様(挟みなど)で身体に刺激が加わる状態も得られ、より多様でバリエーションに富む施療を身体に対し行え、優れたマッサージ効果を付与できる。
【符号の説明】
【0154】
1 マッサージ機
11 基台部
12 座部
13 背もたれ部
13a 背もたれ部フレーム
14 肘掛部
15 脚支持部
17 フレーム
20 ガイドフレーム
30 リモコン
31 スタンド
40 制御部
50、60 メカユニット
51、61 揉み玉
52、62 揉み玉支持アーム
53、63 ベース部
54、64 メカユニット
55、56 ベース部
57、67 昇降モータ
58、68 進退モータ
59、69 揉み玉支持アーム
65 押圧板
66 支持アーム
70 駆動機構部
72 揉みモータ
74 叩きモータ
80 エアポンプ
81 臀部用エアセル
82 太腿用エアセル
83 背中用エアセル
84 腰用エアセル
図1
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