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前記放熱装置は、前記放熱部材と前記撮像素子との間に設けられて前記撮像素子から前記放熱部材に熱を移動させる熱処理部材をさらに備える請求項1から7のいずれかに記載の撮像素子の放熱装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施形態による第1の放熱装置120について添付図面を参照して説明する。まず、
図1及び2を用いて第1の放熱装置120を備える第1の撮像ユニット100の構成について説明する。
【0018】
第1の撮像ユニット100は、撮像素子110及び第1の放熱装置120を備える。
【0019】
撮像素子110は、CMOSであって、被写体像が結像する撮像面111と、撮像面111の裏面に設けられた端子面112とを備える。格子状に並べられた複数のボール状端子113が端子面112に設けられる。すなわち、撮像素子110はBGAパッケージである。複数のボール状端子113の中央には、撮像素子110が発する熱を発散する平面形状の放熱端子114が設けられる。放熱端子114は、撮像素子110のGNDを兼ねる。
【0020】
第1の放熱装置120は、熱処理部材を成すペルチェ素子130と、同軸ケーブル140と、第1の基板150と、第1の放熱部材180とを備える。
【0021】
ペルチェ素子130は、吸熱面131と放熱面132とを有する。図示しない電力線からペルチェ素子130に電力を供給すると、吸熱面131から放熱面132に向けて熱が移動する。熱の移動量は、ペルチェ素子130に流す電流の大きさにより決定される。熱伝導性グリスを介して吸熱面131が放熱端子114に密着される。
【0022】
同軸ケーブル140は、複数の銅線から成る芯線141と、芯線141を包み込むように周囲に設けられる絶縁体142と、絶縁体142の周囲に設けられる網組線143と、網組線143を覆うように設けられる外皮144とを備える。絶縁体142は例えばポリエチレンから成る。網組線143は遮蔽部材とも呼ばれ、複数の銅線を編んで網状にしたもの、或いは単純に巻き付けたものである。外皮144はビニールなどの絶縁体から成る。
【0023】
第1の基板150は、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子110側に位置する実装面151と、実装面151の裏面であるケーブル面152と、実装面151に開口する第1の断熱穴153と、実装面151からケーブル面152まで貫通する第1の基板貫通穴154とを有する。実装面151からケーブル面152への方向を厚さ方向とする。第1の基板150は、厚さ方向を拡大して図示されている。第1の基板150の材料は、例えばジルコニア、FR4、シリコン、ガラス、窒化アルミ、アルミナである。ジルコニアの熱伝導率は3W/m・K、FR4の熱伝導率は0.44W/m・K、シリコンの熱伝導率は168W/m・K、ガラスの熱伝導率は1W/m・K、窒化アルミの熱伝導率は150W/m・K、アルミナの熱伝導率は32W/m・Kである。熱伝導率が低い材料により第1の基板150が形成されることが望ましい。
【0024】
実装面151は、第1の断熱穴153の周囲に格子状に並べられた円盤形状の複数の円状端子155を有する。円状端子155は、ボール状端子113と半田付けされる。
【0025】
第1の断熱穴153は、実装面151に矩形の開口を有し、実装面151から第1の基板150の厚さ方向の略2/3までケーブル面152に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第1の断熱穴153の内部には空気が流入可能であって、第1の断熱穴153の内側の空間は空気を断熱体として第1の断熱部材156を形成する。空気の熱伝導率は0.024W/m・Kである。
【0026】
第1の基板貫通穴154は、円筒形状であって、第1の断熱穴153の底面157からケーブル面152に貫通する。第1の基板貫通穴154の内周面全体に雌ねじが切られる。
【0027】
第1の放熱部材180は、熱伝導率が高くかつ導電性の材料、例えば銅から成り、円柱形状の第1の軸181と、第1の軸181の先端に設けられる円盤状の第1の採熱部182とを有する。第1の軸181の外周面の一部には、雄ねじが切られた第1の雄ねじ面184が形成される。第1の採熱部182は、熱伝導性グリスを介して放熱面132と密着する。第1の軸181の後端面183には網組線143が半田付けされる。
【0028】
第1の基板150の内部には、厚さ方向に対して直角な方向に延びる複数のパターン配線161と、厚さ方向に延びる複数のビア162とが設けられる。異なる層に設けられたパターン配線161をビア162が接続する。第1の基板150の側面158には、複数の側面端子163が設けられる。側面端子163は、第1の基板150の内部においてパターン配線161あるいはビア162と接続され、第1の基板150の外部において芯線141と半田付けされる。
【0029】
次に、第1の撮像ユニット100の組み立て工程について説明する。まず、第1の放熱部材180を後端面183から第1の断熱穴153に挿入し、第1の基板貫通穴154に第1の放熱部材180を螺合させる。そして、放熱端子114に吸熱面131を接触させることにより、第1の基板150とペルチェ素子130とを接続する。次に、円状端子155とボール状端子113とを半田付けする。その後、第1の放熱部材180を適切に回転させて、第1の採熱部182を放熱面132に押しつける。回転数を適切に保つことにより、第1の放熱部材180とペルチェ素子130、そしてペルチェ素子130と放熱端子114が適切な圧力で密着する。そして最後に、第1の放熱部材180の後端面183に網組線143が半田付けされ、側面端子163が芯線141と半田付けされる。第1の放熱部材180はパターン配線161の1つと電気的に接続される。このパターン配線161は撮像素子110のGNDである。前述のように第1の放熱部材180は導電性であるため、撮像素子110のGNDは、第1の放熱部材180を介して同軸ケーブル140の網組線143と接続され、接地される。なお、第1の放熱部材180とペルチェ素子130、及び基板とペルチェ素子130はそれぞれ互いに電気的に絶縁される。
【0030】
次に、撮像素子110が熱を発したときの第1の放熱装置120の状態について説明する。撮像素子110が熱を発すると、熱は放熱端子114を介してペルチェ素子130に伝達される。ペルチェ素子130は、吸熱面131から放熱面132に向けて熱を移動させる。そして、放熱面132から第1の採熱部182に熱が伝達される。第1の採熱部182を介して第1の放熱部材180に伝達された熱は、後端面183から網組線143に伝達される。網組線143を介して熱が発散される。
【0031】
第1の基板150は熱伝導率が低い材料から成るが、比較的熱伝導率が低いFR4であっても0.44W/m・Kの熱伝導率を有する。そのため、放熱端子114から第1の放熱部材180に伝達された熱が第1の基板150を介して撮像素子110に戻るおそれがある。そこで、第1の基板150の材料よりも遙かに低い熱伝導率を有する空気を第1の放熱部材180の周囲に断熱体として配置することにより、放熱端子114から第1の放熱部材180に伝達された熱が撮像素子110に戻ることを防ぐ。
【0032】
本実施形態によれば、撮像素子110が生じた熱を効率よく吸収し、再度撮像素子110に戻ることを防止しながら、効率よく放熱することができる。また、第1の放熱部材180と第1の基板貫通穴154とをねじで接続することにより、第1の放熱部材180とペルチェ素子130、そしてペルチェ素子130と放熱端子114との間の圧力を適切に調整することができる。
【0033】
次に、
図3を用いて第2の実施形態による第2の放熱装置220について説明する。第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図3において省略される。第2の放熱装置220は、基板及び放熱部材の形状が第1の実施形態と異なる。以下、これらの形状について主に説明する。
【0034】
第2の放熱装置220は、熱処理部材を成すペルチェ素子130と、図示されない同軸ケーブルと、第2の基板250と、第2の放熱部材280とを備える。
【0035】
第2の基板250は、熱伝導率が低い材料から成り、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子110側に位置する実装面151と、実装面151の裏面であるケーブル面152と、実装面151に開口する第2の素子側断熱穴253と、実装面151からケーブル面152まで貫通する第2の基板円筒穴254と、ケーブル面152に開口する第2のケーブル側断熱穴271とを有する。第2の基板250は、厚さ方向を拡大して図示されている。第2の基板250の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0036】
第2の素子側断熱穴253は、実装面151に矩形の開口を有し、実装面151から第1の基板150の厚さ方向の略1/3までケーブル面152に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第2の素子側断熱穴253の内部には空気が流入可能であって、第2の素子側断熱穴253の内側の空間は空気を断熱体として第2の素子側断熱部材256を形成する。
【0037】
第2のケーブル側断熱穴271は、ケーブル面152に矩形の開口を有し、ケーブル面152から第2の基板250の厚さ方向の略1/3まで実装面151に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第2のケーブル側断熱穴271の内部には空気が流入可能であって、第2のケーブル側断熱穴271の内側の空間は空気を断熱体として第2のケーブル側断熱部材272を形成する。
【0038】
第2の基板円筒穴254は、円筒形状であって、第2の素子側断熱穴253の底面157から第2のケーブル側断熱穴271の底面157に貫通する。第2の基板円筒穴254の内周面全体に雌ねじが切られる。
【0039】
第2の放熱部材280は、熱伝導率が高い材料、例えば銅から成り、円柱形状の第2の軸281と、第2の軸281の先端に設けられる円盤状の第2の採熱部282とを有する。第2の軸281の外周面の一部には、雄ねじが切られた第2の雄ねじ面284が形成される。第2の採熱部282は、熱伝導性グリスを介して放熱面132と密着する。第2の軸281の後端面283には網組線143が半田付けされる。
【0040】
第2の放熱装置220を撮像素子110に取り付ける工程、及び撮像素子110が熱を発したときの第2の放熱装置220の状態は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得る。
【0042】
次に、
図4を用いて第3の実施形態による第3の放熱装置320について説明する。第1及び第2の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図4において省略される。第3の放熱装置320は、基板及び放熱部材の形状が第1の実施形態と異なる。以下、これらの形状について主に説明する。
【0043】
第3の放熱装置320は、熱処理部材を成すペルチェ素子130と、図示されない同軸ケーブルと、第3の基板350と、第3の放熱部材380とを備える。
【0044】
第3の基板350は、熱伝導率が低い材料から成り、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子110側に位置する実装面151と、実装面151の裏面であるケーブル面152と、実装面151に開口する第3の素子側断熱穴353と、実装面151からケーブル面152まで貫通する第3の基板円筒穴354と、ケーブル面152に開口する第3のケーブル側断熱穴371と、第3の素子側断熱穴353と第3のケーブル側断熱穴371との間に設けられる第3の中間断熱穴374とを有する。第3の基板350は、厚さ方向を拡大して図示されている。第3の基板350の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0045】
第3の素子側断熱穴353は、実装面151に矩形の開口を有し、実装面151から第3の基板350の厚さ方向の略1/3までケーブル面152に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第3の素子側断熱穴353の内部には空気が流入可能であって、第3の素子側断熱穴353の内側の空間は空気を断熱体として第3の素子側断熱部材356を形成する。
【0046】
第3のケーブル側断熱穴371は、ケーブル面152に矩形の開口を有し、ケーブル面152から第3の基板350の厚さ方向の略1/10まで実装面151に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第3のケーブル側断熱穴371の内部には空気が流入可能であって、第3のケーブル側断熱穴371の内側の空間は空気を断熱体として第3のケーブル側断熱部材372を形成する。
【0047】
第3の中間断熱穴374は、厚さ方向に対して第3の素子側断熱穴353と第3のケーブル側断熱穴371との間に設けられる。厚さ方向に直角を成す断面の形状は、第3の素子側断熱穴353及び第3のケーブル側断熱穴371と同じである。厚さ方向における第3の中間断熱穴374の長さは、基板の厚さの略1/5である。第3のケーブル側断熱穴371の内部には空気が存在し、第3のケーブル側断熱穴371は空気を断熱体として第3の中間断熱部材375を形成する。
【0048】
第3の基板円筒穴354は、円筒形状であって、第3の素子側断熱穴353の底面157から第3の中間断熱穴374を介して第3のケーブル側断熱穴371の底面157に貫通する。第3の基板円筒穴354の内周面全体に雌ねじが切られる。
【0049】
第3の放熱部材380は、熱伝導率が高い材料、例えば銅から成る円柱である。第3の放熱部材380の外周面の一部には、雄ねじが切られた第3の雄ねじ面384が形成される。第3の放熱部材380の先端面382は、熱伝導性グリスを介して放熱面132と密着する。第3の放熱部材380の後端面383には網組線143が半田付けされる。
【0050】
次に、第3の放熱装置320を撮像素子110に取り付ける工程について説明する。まず、放熱端子114に吸熱面131を接触させることにより、撮像素子110とペルチェ素子130とを接続する。次に、円状端子155とボール状端子113とを半田付けして、撮像素子110に基板を接続する。そして、第3の放熱部材380の先端面382をケーブル面152から第3の基板円筒穴354に挿入して、第3の基板円筒穴354に第3の放熱部材380を螺合させる。その後、第3の放熱部材380を適切に回転させて、第3の放熱部材380の先端面382を放熱面132に押しつける。回転数を適切に保つことにより、第3の放熱部材380とペルチェ素子130、そしてペルチェ素子130と放熱端子114が適切な圧力で密着する。そして最後に、第3の放熱部材380の後端面383に網組線143が半田付けされ、側面端子163が芯線141と半田付けされる。第3の放熱部材380はパターン配線161の1つと電気的に接続される。このパターン配線161は撮像素子110のGNDである。前述のように第3の放熱部材380は導電性であるため、撮像素子110のGNDは、第1の放熱部材180を介して同軸ケーブル140の網組線143と接続され、接地される。
【0051】
撮像素子110が熱を発したときの第3の放熱装置320の状態は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得る。
【0053】
次に、
図5を用いて第4の実施形態による第4の放熱装置420について説明する。第1から第3の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図5において省略される。第4の放熱装置420は、基板の形状が第1の実施形態と異なる。以下、これらの形状について主に説明する。
【0054】
第4の放熱装置420は、熱処理部材を成すペルチェ素子130と、図示されない同軸ケーブルと、第4の基板450と、第3の放熱部材380とを備える。
【0055】
第4の基板450は、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子110側に位置する実装面151と、実装面151の裏面であるケーブル面152と、実装面151に開口する第4の断熱穴453と、実装面151からケーブル面152まで貫通する第4の基板円筒穴454とを有する。第4の基板450は、厚さ方向を拡大して図示されている。第4の基板450の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0056】
第4の断熱穴453は、実装面151に矩形の開口を有し、実装面151から第4の基板450の厚さ方向の略1/4までケーブル面152に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第4の断熱穴453の内部には空気が流入可能であって、第4の断熱穴453の内側の空間は空気を断熱体として第4の断熱部材456を形成する。
【0057】
第4の基板円筒穴454は、円筒形状であって、第4の断熱穴453の底面157からケーブル面152に貫通する。第4の基板円筒穴454の内周面の一部に雌ねじが切られる。
【0058】
第3の放熱部材380の構成、第4の放熱装置420を撮像素子110に取り付ける工程、及び撮像素子110が熱を発したときの第4の放熱装置420の状態は第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得る。
【0060】
次に、
図6を用いて第5の実施形態による第5の放熱装置520について説明する。第1から第4の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図6において省略される。第5の放熱装置520は、基板の形状、及びペルチェ素子130が設けられない点が第1の実施形態と異なる。以下、これらについて主に説明する。
【0061】
第5の放熱装置520は、図示されない同軸ケーブルと、第5の基板550と、第3の放熱部材380とを備える。
【0062】
第5の基板550は、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子110側に位置する実装面151と、実装面151の裏面であるケーブル面152と、実装面151に開口する第5の断熱穴553と、実装面151からケーブル面152まで貫通する第5の基板円筒穴554とを有する。第5の基板550は、厚さ方向を拡大して図示されている。第5の基板550の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0063】
第5の断熱穴553は、実装面151に矩形の開口を有し、実装面151から第5の基板550の厚さ方向の略1/3までケーブル面152に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第5の断熱穴553の内部には空気が流入可能であって、第5の断熱穴553の内側の空間は空気を断熱体として第5の断熱部材556を形成する。
【0064】
第5の基板円筒穴554は、円筒形状であって、第5の断熱穴553の底面157からケーブル面152に貫通する。第5の基板円筒穴554の内周面の一部に雌ねじが切られる。
【0065】
第3の放熱部材380の先端面382は、熱伝導性グリスを介して放熱端子114と密着する。
【0066】
次に、第5の放熱装置520を撮像素子110に取り付ける工程について説明する。まず、円状端子155とボール状端子113とを半田付けする。そして、第3の放熱部材380の先端面382をケーブル面152から第5の断熱穴553に挿入し、第5の基板円筒穴554に第3の放熱部材380を螺合させる。その後、第3の放熱部材380を適切に回転させて、放熱端子114に先端面382を押しつける。回転数を適切に保つことにより、第3の放熱部材380と放熱端子114が適切な圧力で密着する。そして最後に、第3の放熱部材380の後端面383に網組線143が半田付けされ、側面端子163が芯線141と半田付けされる。ここで前述のように、放熱端子114は撮像素子110のGNDを兼ね、第3の放熱部材380は導電性である。そのため、撮像素子110のGNDは、第1の放熱部材180を介して同軸ケーブル140の網組線143と接続され、接地される。
【0067】
次に、撮像素子110が熱を発したときの第5の放熱装置520の状態について説明する。撮像素子110が熱を発すると、熱は放熱端子114を介して第3の放熱部材380に伝達される。第3の放熱部材380に伝達された熱は、後端面383から網組線143に伝達される。網組線143は、同軸ケーブル140を介して熱を発散させる。
【0068】
第3の放熱部材380の構成は第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得るとともに、ペルチェ素子130の電力の分だけ第5の放熱装置520の消費電力を低減できる。また、第3の放熱部材380を撮像素子110のGNDと直接接続することにより、撮像素子110のGNDを容易に接地させることができる。
【0070】
次に、
図7を用いて第6の実施形態による第6の放熱装置620について説明する。第1から第5の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図7において省略される。第6の放熱装置620は、基板、放熱部材、及び断熱部材の形状が第1から第5の実施形態と異なる。以下、これらについて主に説明する。
【0071】
第6の放熱装置620は、ペルチェ素子130と、同軸ケーブル140と、第6の基板650と、第3の放熱部材380と、第6の素子側断熱部材656と第6のケーブル側断熱部材672とを備える。
【0072】
第6の基板650は、直方体形状を有する多層基板であって、実装面151からケーブル面152まで貫通する第1の基板貫通穴154を有する。第1の基板貫通穴154は、円筒形であって、実装面151に円形の開口を有し、厚さ方向に対して直角な断面の形状は、全て同じ円である。また、第6の基板650の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0073】
第6のケーブル側断熱部材672は熱伝導率が低い材料から成る円筒であって、内周面には雌ねじが切られる。材料には、例えば熱伝導率が0.21W/m・Kであるエポキシ樹脂等が用いられる。第6のケーブル側断熱部材672の軸方向長さは、第1の基板貫通穴154の軸方向長さの約4/5である。
【0074】
第1の基板貫通穴154の内部には、第6のケーブル側断熱部材672がケーブル面152側から圧入される。第1の基板貫通穴154と第6のケーブル側断熱部材672との間には、耐熱性の接着剤が設けられ、第1の基板貫通穴154と第6のケーブル側断熱部材672とが互いに密着して動かないように固定される。第6のケーブル側断熱部材672の軸方向端面は、ケーブル面152と面一と成るように設けられる。ここで第6のケーブル側断熱部材672の軸方向長さは第1の基板貫通穴154の軸方向長さの約4/5であるため、第1の基板貫通穴154の実装面151側には、第6のケーブル側断熱部材672が設けられない領域ができる。この領域は空気を断熱体とする第6の素子側断熱部材656を形成する。
【0075】
次に、第6の放熱装置620を撮像素子110に取り付ける工程について説明する。まず、放熱端子114に吸熱面131を接触させることにより、第1の基板150とペルチェ素子130とを接続する。次に、第6のケーブル側断熱部材672の軸方向端面とケーブル面152とが面一と成る位置まで、第1の基板貫通穴154の内部に第6のケーブル側断熱部材672をケーブル面152側から圧入する。そして、接着剤を介して、第1の基板貫通穴154と第6のケーブル側断熱部材672とを互いに密着して動かないように固定する。さらに、円状端子155とボール状端子113とを半田付けして、撮像素子110に基板を接続する。次に、第3の放熱部材380の先端面382をケーブル面152から第3の基板貫通穴に挿入して、第3の基板貫通穴に第3の放熱部材380を螺合させる。その後、第3の放熱部材380を適切に回転させて、先端面382を放熱面132に押しつける。回転数を適切に保つことにより、第3の放熱部材380とペルチェ素子130、そしてペルチェ素子130と放熱端子114が適切な圧力で密着する。そして最後に、第3の放熱部材380の後端面383に網組線143が半田付けされ、側面端子163が芯線141と半田付けされる。第3の放熱部材380はパターン配線161の1つと電気的に接続される。このパターン配線161は撮像素子110のGNDである。前述のように第3の放熱部材380は導電性であるため、撮像素子110のGNDは、第3の放熱部材380を介して同軸ケーブル140の網組線143と接続され、接地される。
【0076】
次に、撮像素子110が熱を発したときの第6の放熱装置620の状態について説明する。撮像素子110が熱を発すると、熱は放熱端子114を介してペルチェ素子130に伝達される。ペルチェ素子130は、吸熱面131から放熱面132に向けて熱を移動させる。そして、放熱面132から先端面382に熱が伝達される。先端面382を介して第3の放熱部材380に伝達された熱は、後端面383から網組線143に伝達される。網組線143は、同軸ケーブル140を介して熱を発散させる。
【0077】
第6の基板650は熱伝導率が低い材料から成るが、比較的熱伝導率が低いFR4であっても、0.44W/m・Kの熱伝導率を有する。そのため、放熱端子114から第3の放熱部材380に伝達された熱が第6の基板650を介して撮像素子110に戻るおそれがある。そこで、第6の基板650の材料よりも遙かに低い熱伝導率を有する空気及び第6のケーブル側断熱部材672を断熱体として用いることにより、放熱端子114から第3の放熱部材380に伝達された熱が撮像素子110に戻ることを防ぐ。
【0078】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ると共に、第6のケーブル側断熱部材672が第3の放熱部材380を確実に支持することが出来る。
【0079】
なお、第6のケーブル側断熱部材672は円筒形でなくても良い。軸方向の断面において、外側面が矩形を有し、内側面が円形を有しても良い。このとき、第1の基板貫通穴154は、矩形断面を有する筒形となる。
【0080】
次に、
図8を用いて第7の実施形態による第7の放熱装置720について説明する。第1から第6の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図8において省略される。第7の放熱装置720は、基板及び断熱部材の形状が第1から第6の実施形態と異なる。以下、これらについて主に説明する。
【0081】
第7の放熱装置720は、ペルチェ素子130と、同軸ケーブル140と、第7の基板750と、第7の放熱部材780と、第7の素子側断熱部材756と第7のケーブル側断熱部材772とを備える。
【0082】
第7の基板750は、直方体形状を有する多層基板であって、実装面151からケーブル面152まで貫通する第7の基板円筒穴753を有する。第7の基板円筒穴753は、円筒形であって、実装面151に円形の開口を有し、厚さ方向に対して直角な断面の形状は、全て同じ円である。内周面の一部には、雌ねじが切られる。第7の基板750の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0083】
第7のケーブル側断熱部材772は熱伝導率が低い材料から成る円筒であって、外周面には雌ねじが切られる。材料には、例えば熱伝導率が0.21W/m・Kであるエポキシ樹脂等が用いられる。第7のケーブル側断熱部材772の軸方向長さは、第7の基板円筒穴753の軸方向長さの約4/5である。
【0084】
第7の基板円筒穴753の内部には、第7のケーブル側断熱部材772がケーブル面152側から挿入される。第7の基板円筒穴753の内周に設けられた雌ねじと第7のケーブル側断熱部材772が外周面に設けられた雄ねじとが螺合する。第7のケーブル側断熱部材772の軸方向端面は、ケーブル面152と略面一と成るように設けられる。ここで第7のケーブル側断熱部材772の軸方向長さは第1の基板貫通穴154の軸方向長さの約4/5であるため、第7の基板円筒穴753の実装面151側には、第7のケーブル側断熱部材772が設けられない領域ができる。この領域は空気を断熱体とする第7の素子側断熱部材756を形成する。
【0085】
第7の放熱部材780は、熱伝導率が高い材料、例えば銅から成り、円柱形状の第7の軸781と、第7の軸781の先端に設けられる円盤状の第7の採熱部782とを有する。第7の採熱部782は、熱伝導性グリスを介して放熱面132と密着する。第7の軸781の後端面783には図示されない網組線143が半田付けされる。
【0086】
次に、第7の放熱装置720を撮像素子110に取り付ける工程について説明する。まず、放熱端子114に吸熱面131を接触させることにより、第1の基板150とペルチェ素子130とを接続する。次に、第7のケーブル側断熱部材772の実装面151側から第7の放熱部材780の後端面783を挿入して、第7の採熱部782が第7のケーブル側断熱部材772に突き当たるまで第7の放熱部材780を第7のケーブル側断熱部材772に圧入する。そして、第7のケーブル側断熱部材772の軸方向端面とケーブル面152とが面一と成る位置まで、第7の基板円筒穴753の内部に第7のケーブル側断熱部材772をケーブル面152側からねじ込む。すなわち、第7のケーブル側断熱部材772と第7の放熱部材780とを組み合わせたものを第7の基板750にねじ込む。さらに、円状端子155とボール状端子113とを半田付けして、撮像素子110に基板を接続する。その後、第7のケーブル側断熱部材772を適切に回転させて、第7の採熱部782を放熱面132に押しつける。回転数を適切に保つことにより、第7の放熱部材780とペルチェ素子130、そしてペルチェ素子130と放熱端子114が適切な圧力で密着する。そして最後に、第7の放熱部材780の後端面783に網組線143が半田付けされ、側面端子163が芯線141と半田付けされる。第7の放熱部材780はパターン配線161の1つと電気的に接続される。このパターン配線161は撮像素子110のGNDである。前述のように第7の放熱部材780は導電性であるため、撮像素子110のGNDは、第7の放熱部材780を介して同軸ケーブル140の網組線143と接続され、接地される。
【0087】
撮像素子110が熱を発したときの第7の放熱装置720の状態は、第6の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ると共に、第7のケーブル側断熱部材772が第7の放熱部材780を確実に支持することが出来る。
【0089】
なお、第7のケーブル側断熱部材772は円筒形でなくても良い。軸方向の断面において、外側面が矩形を有し、内側面が円形を有しても良い。このとき、第7の基板円筒穴753は、矩形断面を有する筒形となる。
【0090】
次に、
図9を用いて第8の実施形態による第8の放熱装置820について説明する。第1から第7の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。同軸ケーブルの構成は第1の実施形態と同様であるため、
図9において省略される。第8の放熱装置820は、基板及び放熱部材の形状が第1の実施形態と異なる。以下、これらの形状について主に説明する。
【0091】
第8の放熱装置820は、熱処理部材を成すペルチェ素子130と、図示されない同軸ケーブルと、第8の基板850と、第8の放熱部材880とを備える。
【0092】
ペルチェ素子130は、吸熱面131と放熱面132とを有する。電力線894を介してペルチェ素子130に電力が供給されると、吸熱面131から放熱面132に向けて熱が移動する。熱の移動量は、ペルチェ素子130に流す電流の大きさにより決定される。
【0093】
第8の基板850は、熱伝導率が低い材料から成り、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子110側に位置する実装面151と、実装面151の裏面であるケーブル面152と、実装面151に開口する第8の断熱穴853と、実装面151からケーブル面152まで貫通する第8の基板貫通穴854とを有する。第8の基板850は、厚さ方向を拡大して図示されている。第8の基板850の材料は、第1の基板150の材料と同様である。
【0094】
第8の断熱穴853は、実装面151に矩形の開口を有し、実装面151から第8の基板850の厚さ方向の略1/5までケーブル面152に向けて延びる。厚さ方向に対して直角な断面の形状は、厚さ方向の全長に渡り同じ矩形である。第8の断熱穴853の内部には空気が流入可能であって、第8の断熱穴853の内側の空間は空気を断熱体として第8の断熱部材856を形成する。
【0095】
第8の基板貫通穴854は、円筒形状であって、第8の断熱穴853の底面157からケーブル面152に貫通する。
【0096】
第8の放熱部材880は、熱伝導率が高い材料、例えば銅から成る円柱であって、第8の基板貫通穴854に挿入され、熱伝導性が高い接着剤等により固定される。第8の放熱部材880の先端面882は、熱伝導性グリスを介して放熱面132と密着する。第8の放熱部材880の後端面883には網組線143が半田付けされる。
【0097】
後端面883から第8の放熱部材880の軸方向にセンサ穴884が設けられる。センサ穴884は円筒形であって、後端面883から先端面882に向けて、第8の放熱部材880の軸方向長さの約4/3まで延びる。センサ穴884には温度センサ891が挿入される。温度センサ891から延びる信号線892は、制御部材893に接続される。制御部材893は、電力線894に接続され、温度センサ891からの信号に応じて、ペルチェ素子130に流す電流の値を調節する。
【0098】
次に、第8の放熱装置820を撮像素子110に取り付ける工程について説明する。まず、放熱端子114に吸熱面131を接触させることにより、撮像素子110とペルチェ素子130とを接続する。次に、円状端子155とボール状端子113とを半田付けして、撮像素子110に基板を接続する。そして、第8の放熱部材880の先端面882をケーブル面152から第8の基板貫通穴854に挿入して、第8の基板貫通穴854に第8の放熱部材880を固定する。このとき、先端面882を放熱面132に押しつける。これにより、第8の放熱部材880とペルチェ素子130、そしてペルチェ素子130と放熱端子114が密着する。そして、センサ穴884に温度センサ891を挿入して、耐熱性接着剤で固定する。最後に、第8の放熱部材880の後端面883に網組線143が半田付けされ、側面端子163が芯線141と半田付けされる。第8の放熱部材880はパターン配線161の1つと電気的に接続される。このパターン配線161は撮像素子110のGNDである。前述のように第8の放熱部材880は導電性であるため、撮像素子110のGNDは、第8の放熱部材880を介して同軸ケーブル140の網組線143と接続され、接地される。
【0099】
次に、撮像素子110が熱を発したときの第8の放熱装置820の状態について説明する。撮像素子110が熱を発すると、熱は放熱端子114を介してペルチェ素子130に伝達される。ペルチェ素子130は、吸熱面131から放熱面132に向けて熱を移動させる。そして、放熱面132から第8の放熱部材880に熱が伝達される。第8の放熱部材880に伝達された熱は、後端面883から網組線143に伝達される。網組線143は、同軸ケーブル140を介して熱を発散させる。温度センサ891は第8の放熱部材880の温度を測定し、制御部材893に測定値を送信する。制御部材893は、ペルチェ素子130に流す電流の値を測定値に応じて変化させる。すなわち、温度が所定値よりも高い場合にはペルチェ素子130に流す電流の値を大きくして、吸熱面131から放熱面132に向けて移動する熱量を大きくする。これにより撮像素子110は、さらに冷却される。他方、温度が所定値よりも低い場合にはペルチェ素子130に流す電流の値を小さくして、吸熱面131から放熱面132に向けて移動する熱量を小さくする。これにより撮像素子110の冷却量を小さくする。これによりペルチェ素子130の消費電力量を小さくしながら、撮像素子110を充分に冷却することが出来る。
【0100】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得るとともに、ペルチェ素子130の消費電力量を小さくしながら、撮像素子110を充分に冷却することが出来る。
【0101】
なお、撮像素子110はCCDであっても良く、撮像面の裏面に端子が設けられる撮像素子に限定されず、撮像素子110の側面又は撮像面に端子が設けられても良い。
【0102】
また、いずれの実施形態においても断熱部材の大きさは前述の大きさに限定されず、他の大きさであっても良い。また、基板、放熱部材、及び断熱部材の材料は前述の材料に限定されず、それぞれの特性に適合した材料であればよい。そして、基板の形状は直方体に限定されない。
【0103】
放熱部材と網組線143とは、半田付けでなく、圧着等の熱伝達率が高くかつ導電性を確保できる手段により接続されても良い。