(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シート供給手段により前記上シート保持手段へ供給されるPTPシートの動きを規制し当該PTPシートの前記所定方向と直交する方向に対する位置、及び、前記下シート保持手段へ供給されるPTPシートの動きを規制し当該PTPシートの前記所定方向と直交する方向に対する位置を位置決め可能な位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のPTPシート抱き合わせ集積装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、PTPシートを2枚一組の抱き合わせ状態とする抱き合わせ装置と、これらを所定数ずつ積み重ねる集積装置が生産ライン上の異なる位置に設けられ、抱き合わせ工程と集積工程とが別々に行われていた。
【0008】
つまり、従来では、抱き合わせ装置から集積装置へ、抱き合わせ状態とした2枚のPTPシートをチャックにより把持して搬送する又は押出爪により押し出して搬送する必要があった。
【0009】
このため、抱き合わせ状態とした2枚のPTPシートを搬送し集積する過程において、両PTPシートの相対位置関係にシート長手方向やシート短手方向へのずれが生じるおそれがあった。抱き合わせ状態とした際の2枚のPTPシートのずれ寸法は予め製品仕様により定められているため、両PTPシートの相対位置関係にずれが生じると、例えばピロー包装を適正に行うことができないなど、その後の工程に支障をきたすおそれがある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、2枚のPTPシートを抱き合わせ状態とした上で所定数ずつ積み上げるにあたり、PTPシートが位置ずれを起こしにくいPTPシート抱き合わせ集積装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0012】
手段1.内容物を収容するためのポケット部を備えたPTPシートを2枚一組の抱き合わせ状態とした上で所定数ずつ積み重ねるPTPシート抱き合わせ集積装置であって、
ポケット部が下を向いた状態のPTPシートの所定方向両端縁部を支持可能に設けられた一対の上シート保持手段と、
ポケット部が上を向いた状態のPTPシートの所定方向両端縁部を支持可能に設けられた一対の下シート保持手段と、
前記上シート保持手段及び前記下シート保持手段に対し前記PTPシートを供給可能なシート供給手段と、
少なくとも前記上シート保持手段及び前記下シート保持手段を相対移動可能に構成され、当該シート保持手段により保持された2枚のPTPシートを抱き合わせ状態とする抱き合わせ手段と、
前記抱き合わせ手段により抱き合わせ状態とされたPTPシートを押し上げ可能に設けられた押上げ手段と、
前記押上げ手段により押し上げられた前記抱き合わせ状態のPTPシートを順次積み重ね集積可能な集積手段とを備え
、
前記抱き合わせ手段と前記集積手段とは、生産ライン上の同じ位置に設けられていることを特徴とするPTPシート抱き合わせ集積装置。
【0013】
ここで「抱き合わせ状態」とは、2枚のPTPシートを、ポケット部を有する面が互いに向き合うように配置し、かつ、互いのポケット部がぶつかり合わない位置関係で(所定寸法だけ互いに位置をずらして)重ね合せた状態をいう。これにより、一方のPTPシートのポケット部間の空間内に、他方のPTPシートのポケット部が入り込んだ状態となる。つまり、2枚のPTPシートを抱き合わせ状態とすることにより、当該抱き合わせ状態とした2枚1組のPTPシートの高さ、ひいてはこれらを複数組積み重ねた集積体の高さを低く抑え、コンパクトにまとめることができる。
【0014】
上記手段1によれば、上下に配置した2枚のPTPシートを抱き合わせ状態とすると共に、それを押上げ手段により押し上げ、順次積み重ねていくことができる。このため、抱き合わせ状態とした2枚のPTPシートを集積していく過程において、両PTPシートの相対位置関係にシート長手方向やシート短手方向へのずれが生じにくくなる。
【0015】
また、PTPシートを2枚一組の抱き合わせ状態とする抱き合わせ工程と、これらを所定数ずつ積み重ねる集積工程とを生産ライン上の同じ位置で行うことができるため、生産ラインの長さを短くすることができる。さらに、PTPシートの抱き合わせ作業と集積作業を一連の作業で行うことができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0016】
手段2.前記シート供給手段により前記上シート保持手段へ供給されるPTPシートの動きを規制し当該PTPシートの前記所定方向と直交する方向(例えば短手方向)に対する位置、及び、前記下シート保持手段へ供給されるPTPシートの動きを規制し当該PTPシートの前記所定方向と直交する方向に対する位置を位置決め可能な位置決め手段を備えていることを特徴とする手段1に記載のPTPシート抱き合わせ集積装置。
【0017】
上記手段2によれば、上記各シート保持手段によるPTPシートの所定方向(例えば長手方向)の位置決めに加え、上記位置決め手段により前記所定方向と直交する方向(例えば短手方向)の位置決めを行うことができる。結果として、2枚のPTPシートを予め定めたずれ寸法でより適切に抱き合わせることができ、上記手段1の作用効果をさらに高めることができる。
【0018】
手段3.ポケット部が下を向いた状態の第1のPTPシートと、ポケット部が上を向いた状態の第2のPTPシートを所定位置へ交互に搬送可能な反転手段と、
前記第1のPTPシートの所定方向両端縁部を支持しつつ当該第1のPTPシートを前記上シート保持手段へ案内可能な上案内手段と、
前記第2のPTPシートの所定方向両端縁部を支持しつつ当該第2のPTPシートを前記下シート保持手段へ案内可能な下案内手段と、
前記PTPシートにおける前記所定方向と直交する方向の端縁部を押して当該PTPシートを移送可能な送り部材とを備え、
前記送り部材は、
前記反転
手段により搬送されてくる第1のPTPシート又は第2のPTPシートの一方を前記所定位置から前記上案内手段又は前記下案内手段の一方に沿って所定の中間移送位置まで移送する第1動作と、
前記第1動作の後、前記反転
手段により搬送されてくる第1のPTPシート又は第2のPTPシートの他方を前記所定位置から前記上案内手段又は前記下案内手段の他方に沿って所定の最終移送位置まで移送すると共に、前記中間移送位置にある前記第1のPTPシート又は第2のPTPシートの一方を前記上案内手段又は前記下案内手段の一方に沿って前記最終移送位置まで移送する第2動作とを行うことを特徴とする手段1又は2に記載のPTPシート抱き合わせ集積装置。
【0019】
上記手段3によれば、1つの送り部材に移動量の異なる2種類の動作を行わせることにより、所定位置へ1枚おきに交互に表裏反転して搬送されてくるPTPシートを効率よく移送することができる。つまり、1つの送り部材によりPTPシートを1枚ずつ毎回、最終移送位置まで移送する構成に比べ、中間移送位置と最終移送位置との距離の往復分だけ送り部材の移動量を減らすことができ、作業時間を短縮することができる。また、第1及び第2のPTPシートそれぞれに対応して2つの送り部材を備える構成に比べ、部品点数の削減や装置の小型化を図ることができる。
【0020】
手段4.前記送り部材は、
自身の本体部に対しシート搬送方向に沿って相対変位可能に組付けられた突出部と、当該突出部をシート搬送方向へ付勢する付勢手段とを備え、
前記シート搬送方向に対する前記本体部からの前記突出部の突出長が、少なくとも前記抱き合わせ状態となる2枚のPTPシートの前記所定方向と直交する方向(例えば短手方向)における所定のずれ寸法以上となるように設定され、
前記第1のPTPシート又は第2のPTPシートのうち一方を前記突出部により押して移送し、
前記第1のPTPシート又は第2のPTPシートのうち他方を自身の本体部により押して移送することを特徴とする手段3に記載のPTPシート抱き合わせ集積装置。
【0021】
上記手段4によれば、送り部材における上下2枚のPTPシートと接触する位置をシート搬送方向に異ならすことで、上記各シート保持手段に対しPTPシートが供給される際に予め抱き合わせ時のずれ寸法以上のずれを生じさせておくことができる。結果として、上記手段3の構成の下、上記手段2に係る位置決め作業を行うことがより容易となる。
【0022】
また、仮に送り部材に対し突出部が固定され、突出部の突出長が不変となっている場合には、製品仕様の異なるPTPシートを抱き合わせ状態とする際に、そのずれ寸法を調整する場合には、そのずれ寸法に対応する形状の送り部材に交換する必要がある。これに対し、上記手段4の構成では、突出部の突出長が可変となるため、その都度、送り部材を交換する手間もなく、汎用性を高めることができる。
【0023】
併せて、上記手段2に係る位置決め手段に関しても、各PTPシートを位置決めする位置を調整可能な構成とした場合には、さらにその効果を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず作業対象となるPTPシートについて詳しく説明する。
【0026】
図1(a),(b)に示すように、本実施形態におけるPTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。容器フィルム3はPP(ポロプロピレン)等の樹脂材料により構成され、カバーフィルム4はアルミニウムによって構成されている。
【0027】
PTPシート1は、平面視略矩形状に形成されており、その長手方向(長辺方向)に沿って配列された5個のポケット部2からなるポケット列が、その短手方向(短辺方向)に2列形成されている。つまり、計10個のポケット部2が形成されている。各ポケット部2には、内容物として錠剤5が1つずつ収容されている。
【0028】
また、PTPシート1の容器フィルム3には、例えば2つのポケット部2が含まれたペア小片に切り離すことができるように複数の横スリット6が形成されている。さらに、PTPシート1の長手方向一端部には、ロットナンバー等の識別情報が刻印されたタグ部7が付設されている。
【0029】
PTPシート1は、従来同様、ブリスター包装機(図示略)において、容器フィルム3にポケット部2を成形するポケット成形工程、ポケット部2に錠剤5を充填する充填工程、ポケット部2を塞ぐように容器フィルム3にカバーフィルム4を取着するカバーフィルム取着工程、スリット6を形成するスリット形成工程、シート状に打ち抜く打抜工程等を経て製造される。
【0030】
そして、このように製造されたPTPシート1は、ポケット部2を有する表面側(容器フィルム3側)が互いに向き合うように2枚一組の抱き合わせ状態〔
図2(a)〜(c)参照〕とされた上で、所定数ずつ積み重ねられ、ピロー包装等されることとなる。
【0031】
図2(a)〜(c)に示すように、抱き合わせ状態とされた2枚のPTPシート1は、互いのポケット部2がぶつかり合わない位置関係、すなわち互いのポケット部2の位置がシート長手方向及びシート短手方向に対し所定寸法ずつずれた状態で重ね合わされている。
【0032】
但し、本実施形態では、各PTPシート1のタグ部7の位置がシート長手方向に対し反対側に位置するように、2枚のPTPシート1が重ね合わされているため、両PTPシート1の長手方向端縁部の位置はほぼ一致している。一方、両PTPシート1の短手方向端縁部の位置は、所定寸法W0だけずれた状態となる。かかるずれ寸法W0は、予め製品仕様により定められている。
【0033】
次にPTPシート1の生産ラインについて説明する。尚、本実施形態では、生産ラインのうち、PTPシート1を2枚一組の抱き合わせ状態とした上で所定数ずつ積み重ねる機構及びそれに関連する機構に主たる特徴を有しているため、当該機構部分の構成について詳しく説明する。
【0034】
上記ブリスター包装機の下流側には、
図3に示すように、上流側より順に反転装置9、搬送装置10及び抱き合わせ集積装置11が設けられている。本実施形態では、反転装置9、搬送装置10及び抱き合わせ集積装置11によって、PTPシート抱き合わせ集積装置が構成され、反転装置9及び搬送装置10によってシート供給手段が構成される。
【0035】
反転装置9は、ブリスター包装機からコンベア8など公知の搬送機構により順次一定の方向に向けられて(本実施形態ではポケット部2が下を向いた状態で)受渡し位置P1まで搬送されてくるPTPシート1を受取り、これらを1枚おきに表裏反転しつつ受渡し位置P2へ旋回移送する機構である。
【0036】
ここで反転装置9について詳しく説明する。
図3,4に示すように、反転装置9は、回転可能に支持された駆動軸14と、駆動軸14に取付けられ、キー15により駆動軸14とともに回転するよう支持されたハウジング16とを備えている。駆動軸14は間欠駆動機構(図示略)に接続されていて所定の角度(本実施形態では90度)毎に間欠的に駆動されるようになっている。
【0037】
ハウジング16には駆動軸14の直径方向に延びる一対の軸受け孔17が形成されている。軸受け孔17内には回転軸18が挿通されており、該回転軸18はハウジング16にベアリング機構を介して回転可能に支持されている。また、ハウジング16には、回転軸18に直交するようにして固定軸19が立設固定されている。
【0038】
固定軸19及び回転軸18の外側端にはPTPシート1を把持するための把持手段としてのクランプ装置21が取り付けられている。つまり、クランプ装置21は、ハウジング16に対し固定された第1把持手段としての固定クランプ装置21Aと、ハウジング16に対し自転可能に設けられた第2把持手段としての可動クランプ装置21Bとからなる。
【0039】
クランプ装置21(21A,21B)は、固定軸19及び回転軸18に固定された本体22と、該本体22に固定された板状の固定爪23と、前記本体22に対し各軸18,19の軸線と直交する方向に移動可能に設けられた可動爪24と、該可動爪24をスライドさせるためのスライド機構25とを有している。
【0040】
通常、可動爪24は、スライド機構25に設けられたバネ等により固定爪23側に付勢されている。一方、所定のクランプ装置21が受渡し位置P1に向いた状態となり、駆動軸14が間欠停止されると、当該クランプ装置21のスライド機構25が作動して、可動爪24はバネ等の付勢力に抗して下方向へスライドし、固定爪23から離間する。また、これに連動して、図示しないシート送り機構が作動し、コンベア8上から当該クランプ装置21へPTPシート1が送出されると、コンベア8上のPTPシート1はポケット部2を下向きにした状態で両爪23,24間に挿入される。そして、PTPシート1の受渡しが完了すると、スライド機構25の作動が停止し、可動爪24は再びバネ等の付勢力により上方向へスライドする。これにより、PTPシート1は両爪23,24間に把持された状態となる。
【0041】
また、回転軸18のハウジング16側の端部には傘歯車26がそれぞれ取付けられている。該傘歯車26は、駆動軸14に関して回転可能に取付けられた傘歯車27と噛み合っている(
図5参照)。傘歯車27には平歯車28が嵌合固定されており、その平歯車28は傘歯車27とともに回転するようになっている。
【0042】
平歯車28は公知のブレーキ機構を有する連結機構(図示略)に接続され、その連結機構を介して停止保持されるか、又は、駆動軸14と同方向に同速度で回転されるようになっている。
【0043】
上記構成の下、傘歯車27及び平歯車28を連結機構により停止保持した状態から、駆動軸14を
図3において時計回り方向に90度ずつ間欠回転させると、ハウジング16もそれとともに間欠回転する。従って、クランプ装置21は駆動軸14の軸線回りで間欠的に旋回する。
【0044】
このとき、回転軸18に関しては、傘歯車27,26の作用により駆動軸14の回りで旋回しながら、自身の軸線回りで回転する。これにより、回転軸18に設けられた可動クランプ装置21Bも、回転軸18の軸線回りで回転することとなる。本実施形態では、ハウジング16が駆動軸14の軸線回りに180度回転する間に、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに180度回転することとなる。
【0045】
より詳しくは、可動クランプ装置21Bが受渡し位置P1から駆動軸14の軸線回りに180度旋回した受渡し位置P2に到達すると、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに180度回転した状態となる(
図3,4参照)。これにより、可動クランプ装置21BにクランプされたPTPシート1は、表裏面が反転されずにポケット部2が下を向いた状態のままで、かつ、シート長手方向(駆動軸14の軸線方向)に対するタグ部7の向きが180度反転した状態となる。
【0046】
一方、固定クランプ装置21Aは、固定軸19の軸線回りに回転しないため、受渡し位置P2に到達したとき、それにクランプされたPTPシート1は、シート長手方向(駆動軸14の軸線方向)に対するタグ部7の向きが変化せず、かつ、表裏面が反転されてポケット部2が上を向いた状態となる。
【0047】
上記構成により、受渡し位置P2では、固定クランプ装置21A及び可動クランプ装置21Bから交互にPTPシート1を受取ることにより、1枚おきに表裏反転したPTPシート1を順次受取ることができる。
【0048】
次に反転装置9から抱き合わせ集積装置11へPTPシート1を搬送する搬送装置10について詳しく説明する。以下、反転装置9から抱き合わせ集積装置11へ向かう水平方向をシート搬送方向X(
図3参照)という。
【0049】
図3,6に示すように、搬送装置10は、受渡し位置P2において、反転装置9のクランプ装置21(21A,21B)に保持されているPTPシート1を当該クランプ装置21から押し出し、抱き合わせ集積装置11へ搬送するための一対の押出爪30と、当該押出爪30により押し出されるPTPシート1をガイドするガイド部材31とを有している。
【0050】
押出爪30は、反転装置9の動作に連動するように、図示しない駆動手段により反転装置9(受渡し位置P2)と、抱き合わせ集積装置11(抱き合わせ集積位置P3)との間をシート搬送方向Xに沿って往復動可能に構成されている。
【0051】
押出爪30は、鉛直方向に沿って延びる棒状の本体部30aと、当該本体部30aの上端部においてシート搬送方向X側に突出するように設けられた突出部30bとを備えている。
【0052】
突出部30bは、本体部30aに対しシート搬送方向Xに沿って相対変位可能に組付けられると共に、図示しないコイルばね等の付勢手段によりシート搬送方向X側に付勢されている。尚、本実施形態では、突出部30bに対し外部から負荷がかかっていない通常時において、本体部30aからの突出部30bの突出長W1(
図7参照)が上記ずれ寸法W0よりも大きくなるように設定されている。
【0053】
ガイド部材31は、PTPシート1の搬送経路を挟んで相対向するように配置された一対のガイド壁部31L,31Rにより構成されている。一対のガイド壁部31L,31Rの対向面にはそれぞれ、上下に所定間隔をあけて、PTPシート1の長手方向両端縁部を挿し込み可能な2本のガイド溝33,34が形成されている。
【0054】
ガイド溝33,34は、断面コ字状をなし、シート搬送方向Xに沿って形成されている。また、ガイド溝33,34の上流側には、間口が大きくなるようにテーパ部33a,34aが形成されている。これにより、反転装置9のクランプ装置21(21A,21B)から押し出されたPTPシート1を円滑にかつ確実にガイド溝33,34内に案内することができる。
【0055】
上側のガイド溝33は、可動クランプ装置21Bが受渡し位置P2に停止した際に、当該可動クランプ装置21Bに把持されたPTPシート1が停止する高さ位置に合わせて形成されている(
図7参照)。一方、下側のガイド溝34は、固定クランプ装置21Aが受渡し位置P2に停止した際に、当該固定クランプ装置21Aに把持されたPTPシート1が停止する高さ位置に合わせて形成されている(
図9参照)。つまり、上側のガイド溝33には、ポケット部2を下に向けたPTPシート1が案内され、下側のガイド溝34には、ポケット部2を上に向けたPTPシート1が案内されることとなる。
【0056】
そして、受渡し位置P2において、反転装置9のクランプ装置21(21A,21B)に把持されているPTPシート1は、当該クランプ装置21から一対の押出爪30により押し出された後、その長手方向両端部をガイド溝33,34に支持されつつ押出爪30に押されて、抱き合わせ集積装置11まで案内されることとなる。
【0057】
また、押出爪30は、突出部30bが上側のガイド溝33の高さ位置に合わせて形成されると共に、本体部30aが下側のガイド溝34の高さ位置に合わせて形成されている。これにより、可動クランプ装置21Bに把持されたPTPシート1、すなわち上側のガイド溝33により案内されるPTPシート1は、押出爪30の突出部30bにより押され移動することとなる。一方、固定クランプ装置21Aに把持されたPTPシート1、すなわち下側のガイド溝34により案内されるPTPシート1は、押出爪30の本体部30aにより押され移動することとなる。
【0058】
尚、「反転装置9」により本実施形態における「反転手段」が構成され、「上側のガイド溝33」により「上案内手段」が構成され、「下側のガイド溝34」により「下案内手段」が構成され、「押出爪30」により「送り部材」が構成される。
【0059】
次に抱き合わせ集積装置11について
図6,
図12等を参照して詳しく説明する。尚、
図6(a),(b)においては、説明の便宜上、搬送装置10と抱き合わせ集積装置11との間隔をあけて図示すると共に、後述する集積壁部46を省略している。
【0060】
抱き合わせ集積装置11は、上側のガイド溝33を介して案内されるPTPシート1の長手方向両端縁部を支持可能に設けられた一対の上シートホルダ41(41L,41R)と、下側のガイド溝34を介して案内されるPTPシート1の長手方向両端縁部を支持可能に設けられた一対の下シートホルダ42(42L,42R)と、両ガイド溝33,34を介して案内されてくるPTPシート1の動きを規制し位置合せするための位置決め部材43と、後述するように両シートホルダ41,42により抱き合わせ状態とされた2枚のPTPシート1を押し上げ可能に設けられた押上げ板44と、当該押し上げられたPTPシート1の長手方向両端縁部を支持可能に設けられた一対のシート受け部材45(45L,45R)と、当該シート受け部材45上に積み上げられる複数枚のPTPシート1の周囲を囲むように設けられた集積壁部46とを備えている。
【0061】
本実施形態では、「上シートホルダ41(41L,41R)」により「上シート保持手段」が構成され、「下シートホルダ42(42L,42R)」により「下シート保持手段」が構成される。また、これらを駆動制御する図示しない駆動手段及び制御手段により「抱き合わせ手段」が構成される。さらに、「押上げ板44」により「押上げ手段」が構成され、「シート受け部材45(45L,45R)」により「集積手段」が構成され、「位置決め部材43」により「位置決め手段」が構成される。
【0062】
一対の上シートホルダ41L,41Rは、上側のガイド溝33の高さ位置に合わせて、搬送装置10(押出爪30)によるPTPシート1の搬送方向(シート搬送方向X)に沿って延びるように設けられている。一対の上シートホルダ41L,41Rの対向面には、それぞれシート搬送方向Xに沿って、PTPシート1の長手方向両端縁部を挿し込み可能な断面コ字状の支持溝51が形成されている。
【0063】
支持溝51の上流側には、間口が大きくなるようにテーパ部51aが形成されている。これにより、搬送装置10の上側のガイド溝33を介して案内されるPTPシート1を円滑にかつ確実に支持溝51内に案内することができる。
【0064】
また、一対の上シートホルダ41L,41Rは、図示しない駆動手段により、シート搬送方向Xと直交する水平方向に沿って開閉動作可能に設けられている。より詳しくは、上シートホルダ41L,41Rが互いに接近し、PTPシート1の長手方向両端縁部を支持可能な所定の接近位置と、上シートホルダ41L,41Rが互いに離間し、PTPシート1を開放可能な所定の離間位置と間を相対移動可能に設けられている(
図14参照)。
【0065】
一対の下シートホルダ42L,42Rは、搬送装置10(押出爪30)によるPTPシート1の搬送方向(シート搬送方向X)に沿って延びるように設けられている。一対の下シートホルダ42L,42Rの対向面には、それぞれシート搬送方向Xに沿って、PTPシート1の長手方向両端縁部を挿し込み可能な断面コ字状の支持溝52が形成されている。但し、本実施形態では、シート搬送方向Xと直交する水平方向に対する上壁部53aの突出長が下壁部53bの突出長よりも短く設定されている(
図15参照)。
【0066】
支持溝52の上流側には、間口が大きくなるようにテーパ部52aが形成されている。これにより、搬送装置10の下側のガイド溝34を介して案内されるPTPシート1を円滑にかつ確実に支持溝52内に案内することができる。
【0067】
また、一対の下シートホルダ42L,42Rは、図示しない駆動手段により上下方向に沿って昇降動作可能に設けられている。より詳しくは、一対の上シートホルダ41L,41Rに接近する所定の接近位置と、一対の上シートホルダ41L,41Rから離間する所定の離間位置との間を上下方向に沿って昇降移動可能に設けられている(
図13参照)。ここで、前記離間位置は、下側のガイド溝34の高さ位置に合わせて形成されている。
【0068】
位置決め部材43は、一対の上シートホルダ41L,41R間、並びに一対の下シートホルダ42L,42R間に配置されている。位置決め部材43は、上側のガイド溝33を介して案内されるPTPシート1の動きを規制し位置合せするための上規制壁部43aと、下側のガイド溝34を介して案内されるPTPシート1の動きを規制し位置合せするための下規制壁部43bとを備えている。これにより、位置決め部材43は、PTPシート1の動きを規制する規制面側が段差状となる。より詳しくは、シート搬送方向Xに対する上規制壁部43aと下規制壁部43bとの段差寸法は、上シートホルダ41L,41R及び下シートホルダ42L,42Rが支持する2枚のPTPシート1を抱き合わせる際のシート短手方向のずれ寸法W0に合わせて設定されている。
【0069】
押上げ板44は、図示しない駆動手段により上下方向に沿って昇降動作可能に設けられている。より詳しくは、一対の下シートホルダ42L,42Rから下方へ離間した所定の待機位置と、一対の上シートホルダ41L,41Rひいてはシート受け部材45L,45Rよりも上方へ突き出す押上げ位置との間で、上下方向に沿って昇降移動可能に設けられている(
図15参照)。
【0070】
一対のシート受け部材45L,45Rは、シート搬送方向Xに沿って形成されると共に、その上端部がそれぞれ互いに相対向する側へ鉤状に屈曲した形状となっている。これにより、シート受け部材45L,45Rの上端部には、PTPシート1を載置可能な受台部55が形成されることとなる。
【0071】
また、一対のシート受け部材45L,45Rは、それぞれシート搬送方向Xを回動軸として回動可能に設けられている。より詳しくは、一対のシート受け部材45L,45Rの受台部55の先端が互いに接近し、その間隔がPTPシート1の長手方向の長さよりも短くなる所定の接近位置(
図14参照)と、一対のシート受け部材45L,45Rの受台部55の先端が互いに離間し、その間隔がPTPシート1の長手方向の長さよりも長くなる離間位置(
図15参照)との間で回動変位可能となっている。
【0072】
受台部55の上面部は略平坦に形成されており、一対のシート受け部材45L,45Rが接近位置にある場合には略水平面となる。そして、一対のシート受け部材45L,45Rが接近位置にある場合には、一対の受台部55間に掛け渡すようにして、PTPシート1を受台部55上に載置することが可能となる(
図16,17参照)。
【0073】
一方、受台部55の下面先端側には、テーパ部55aが形成されている(
図12参照)。テーパ部55aは、一対のシート受け部材45L,45Rが接近位置にある場合において、鉛直方向及び水平方向に対し傾斜するように形成されている。これにより、受台部55は、先端部に向けて先細りした断面形状となっている。
【0074】
通常、シート受け部材45L,45Rは、図示しないバネ等により接近位置側へ付勢されている。一方、受台部55のテーパ部55aに対し下方より力がかかった場合には、その作用により、一対のシート受け部材45L,45Rはバネ等の付勢力に抗して互いに離間位置側へ回動する。
【0075】
また、シート受け部材45上に積み上げられる複数枚のPTPシート1の周囲を囲むように集積壁部46が設けられることにより、積み上げられる複数枚のPTPシート1に積み重ねずれが生じたり、積み上げられた複数枚のPTPシート1が崩れたりする等の不具合の発生を抑制することができる。
【0076】
次に、ブリスター包装機によって製造されたPTPシート1を2枚一組の抱き合わせ状態とした上で所定数ずつ積み重ねる手順について詳しく説明する。
【0077】
図3に示すように、ブリスター包装機からコンベア8により受渡し位置P1まで搬送されてきたPTPシート1は、反転装置9のクランプ装置21(21A,21B)に対しポケット部2が下を向いた状態で1枚ずつ順次受け渡される。そして、反転装置9は、これらを1枚おきに表裏反転しつつ受渡し位置P2へ旋回移送する。
【0078】
受渡し位置P2においては、まず可動クランプ装置21Bによって、ポケット部2が下を向いた状態のPTPシート1が移送されてくると(
図7参照)、待機していた押出爪30が作動し、当該可動クランプ装置21BからPTPシート1が押し出される(
図8参照)。
【0079】
その後、当該PTPシート1は、押出爪30の突出部30bにより押されて、その長手方向両端縁部をガイド部材31の上側のガイド溝33に支持されつつ移動していく。
【0080】
ここでの押出爪30の移動量は、当該PTPシート1を中間移送位置であるガイド部材31の所定位置まで移送するだけの第1移動量S1に設定されており(
図8参照)、押出爪30はここまで移動すると一旦受渡し位置P2まで戻る(
図9参照)。PTPシート1を中間移送位置まで移送する押出爪30の動作が本実施形態における「第1動作」に相当する。
【0081】
これにより、可動クランプ装置21Bから押し出されたPTPシート1は、一旦、ガイド部材31のガイド溝33の途中で停留されることとなる(
図9参照)。
【0082】
続いて、固定クランプ装置21Aによって受渡し位置P2へ、ポケット部2が上を向いた状態のPTPシート1が移送されてくると(
図9参照)、押出爪30が再び作動し、当該固定クランプ装置21AからPTPシート1が押し出される(
図10参照)。
【0083】
その後、当該PTPシート1は、押出爪30の本体部30aにより押されて、その長手方向両端縁部をガイド部材31の下側のガイド溝34に支持されつつ移動していく。
【0084】
そして、押出爪30は、その本体部30aによって、ポケット部2が上を向いた状態のPTPシート1を下側のガイド溝34に沿って移動させつつ、ガイド部材31の所定位置まで達すると、その突出部30bによって、先に上側のガイド溝33に停留させていたPTPシート1を併せて移動させていく(
図10参照)。
【0085】
これにより、上下2枚のPTPシート1が互いにポケット部2を向き合せた状態でかつシート搬送方向Xに突出部30bの突出長W1分のずれ量をもって、抱き合わせ集積装置11(抱き合わせ集積位置P3)まで移送されていくこととなる。
【0086】
そして、押出爪30に押されて、ガイド部材31のガイド溝33,34に沿って移動してきた上下2枚のPTPシート1は、抱き合わせ集積装置11まで移送されてくると、その長手方向両端縁部がそれぞれシートホルダ41,42の支持溝51,52に案内され、支持された状態となる(
図12参照)。これにより、上下2枚のPTPシート1は、その長手方向に位置決めされた状態となる。
【0087】
ここでの押出爪30の移動量は、当該上下2枚のPTPシート1が最終移送位置である位置決め部材43に当接する位置まで移動可能な第2移動量S2に設定されている(
図11参照)。PTPシート1を最終移送位置まで移送する押出爪30の動作が本実施形態における「第2動作」に相当する。
【0088】
つまり、押出爪30に押されて、上下2枚のPTPシート1がシートホルダ41,42へ移送されてくると、まず上シートホルダ41の支持溝51に差し込まれた上側のPTPシート1の短手方向端縁部が位置決め部材43の上規制壁部43aに当接する。さらに、押出爪30が進むと、突出部30bが上側のPTPシート1に押され、コイルばね等の付勢力に抗して相対変位する。そして、本体部30aからの突出部30bの突出長が上下規制壁部43a,43bの段差寸法W0と同じになると、下シートホルダ42の支持溝52に差し込まれた下側のPTPシート1の短手方向端縁部が位置決め部材43の下規制壁部43bに当接する。これにより、上下2枚のPTPシート1は、その短手方向にずれ寸法W0をもって位置決めされた状態となる。
【0089】
このように上下のシートホルダ41,42に対しPTPシート1が位置決めされた状態となると、一対の下シートホルダ42L,42Rが上昇し、一対の上シートホルダ41L,41Rに接近した接近位置へ移動する(
図13参照)。これにより、上下2枚のPTPシート1がほぼ抱き合わされた状態となる。
【0090】
続いて、一対の上シートホルダ41L,41Rが互いに離間し、上側のPTPシート1を開放する。これにより、上下2枚のPTPシート1の抱き合わせが完了する(
図14参照)。
【0091】
同時に、押上げ板44が上昇し、一対の下シートホルダ42L,42Rに支持された下側のPTPシート1を押し上げる(
図14参照)。これにより、下側のPTPシート1の長手方向両端縁部が一対の下シートホルダ42L,42Rの支持溝52から抜け、抱き合わせ状態となった2枚のPTPシート1がさらに上方へ押し上げられていく。
【0092】
尚、本実施形態では、上述したように下シートホルダ42L,42Rの支持溝52の上側を形成する上壁部53aの突出長が、支持溝52の下側を形成する下壁部53bの突出長よりも短く設定されているため、PTPシート1が上方へ押し上げられる際に、PTPシート1の長手方向両端縁部が支持溝52から抜けやすくなる(
図15参照)。
【0093】
そして、押上げ板44によってPTPシート1が押し上げられていくと、当該PTPシート1の長手方向両端縁部が一対のシート受け部材45L,45Rのテーパ部55aに接触する。さらに押上げ板44が上昇すると、テーパ部55aがPTPシート1に押され、一対のシート受け部材45L,45Rがバネ等の付勢力に抗して互いに離間するように回動する。これにより、押上げ板44によって押し上げられたPTPシート1は、一対のシート受け部材45L,45Rの受台部55間を通過し、当該受台部55の上方へ移動する。PTPシート1が通過すると、一対のシート受け部材45L,45Rはバネ等の付勢力により元の接近位置へ戻る。
【0094】
その後、押上げ板44が降下していくと、抱き合わせ状態となった2枚のPTPシート1が、一対のシート受け部材45L,45Rの受台部55間に掛け渡されるように、受台部55上に載置された状態となる(
図16参照)。
【0095】
以降、上記一連の動作が繰り返し行われることにより、集積壁部46内に既に積み上げられたPTPシート1の最下部に新たに抱き合わせ状態とされたPTPシート1が順次差し込まれ、積み上げられていく。そして、所定数(例えば5組10枚)のPTPシート1が集積壁部46内に積み上げられると、当該集積体(例えば5組10枚のPTPシート1の束)は、集積壁部46から次の包装工程へと送り出される。そして、当該包装工程においては、前記集積体にバンドが掛けられたり、集積体がピロー包装されることとなる。
【0096】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上下に配置した2枚のPTPシート1を抱き合わせ状態とすると共に、それを押上げ板44により押し上げ、シート受け部材45上に順次積み重ねていくことができる。このため、抱き合わせ状態とした2枚のPTPシート1を集積していく過程において、両PTPシート1の相対位置関係にシート長手方向やシート短手方向へのずれが生じにくくなる。
【0097】
また、PTPシート1を2枚一組の抱き合わせ状態とする抱き合わせ工程と、これらを所定数ずつ積み重ねる集積工程とを生産ライン上の同じ位置で行うことができるため、生産ラインの長さを短くすることができる。さらに、PTPシート1の抱き合わせ作業と集積作業を一連の作業で行うことができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0098】
加えて、各シートホルダ41,42によりPTPシート1の長手方向の位置決めを行うことができると共に、位置決め部材43によりPTPシート1の短手方向の位置決めを行うことができる。結果として、2枚のPTPシート1を予め定めたずれ寸法でより適切に抱き合わせることができ、上記作用効果をさらに高めることができる。
【0099】
また、本実施形態では、1つの押出爪30に移動量の異なる2種類の動作を行わせることにより、反転装置9から1枚おきに交互に表裏反転して搬送されてくるPTPシート1を効率よく移送することができる。つまり、1つの押出爪30によりPTPシート1を1枚ずつ毎回、最終移送位置まで移送する構成に比べ、中間移送位置と最終移送位置との距離の往復分だけ押出爪30の移動量を減らすことができ、作業時間を短縮することができる。また、上下2枚のPTPシート1それぞれに対応して2種類の押出爪を備える構成に比べ、部品点数の削減や装置の小型化を図ることができる。
【0100】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0101】
(a)上記実施形態では、内容物が錠剤5である場合について具体化しているが、内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品等が内容物として充填される構成であってもよい。勿論、これらの内容物に対応して形成されるポケット部2の形状や大きさ等に関しても上記実施形態に限定されるものではない。
【0102】
(b)容器フィルム3及びカバーフィルム4の素材、ポケット部2の数や配列、形状など、PTPシート1の構成は上記実施形態(2列10個のポケット部)に限定されるものではない。
【0103】
例えば、容器フィルム3をアルミニウムなど他の材質で形成してもよい。また、例えば3列12個のポケット部2を有するタイプをはじめ、様々な配列、個数からなるPTPシート1を採用することができる。勿論、横スリット6やタグ部7が省略された構成としてもよいし、横スリット6に代えて又は加えて縦スリットが形成された構成としてもよい。
【0104】
(c)2枚のPTPシート1の抱き合わせ形態は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、各PTPシート1のタグ部7の位置がシート長手方向に対し反対側に位置するように、2枚のPTPシート1が重ね合わされており、両PTPシート1の長手方向端縁部の位置はほぼ一致している一方、両PTPシート1の短手方向端縁部の位置は、所定寸法W0だけずれた状態となっている。
【0105】
これに代えて又は加えて、両PTPシート1の長手方向に対して所定のずれ寸法が予め設定された構成としてもよい。
【0106】
(d)シート供給手段の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、1つの押出爪30に移動量の異なる2種類の動作を行わせることにより、反転装置9から1枚おきに交互に表裏反転して搬送されてくるPTPシート1を各シートホルダ41,42に移送する構成となっている。
【0107】
これに限らず、例えば上下2枚のPTPシート1それぞれに対応して2種類の押出爪を備え、上下のPTPシート1を個別に移送する構成としてもよい。また、押出爪に代えて、PTPシート1を把持搬送可能なチャックや、PTPシート1を吸着搬送可能な吸着ヘッドを搬送手段として採用してもよい。
【0108】
また、上のPTPシート1によりも、下のPTPシート1を先行して搬送する構成としてもよい。
【0109】
(e)反転手段の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態に係る反転装置9では、固定クランプ装置21Aと可動クランプ装置21Bとが90度間隔で1つおきに交互に計4つ設けられた構成となっているが、反転装置9に設けられるクランプ装置21の個数は4つに限定されるものではなく、例えば6つでもよいし、8つでもよい。但し、受渡し位置P1,P2の位置関係や、傘歯車27,26のギヤ比との関係で適切な個数設けられることが好ましい。
【0110】
(f)ガイド部材31を省略した構成としてもよい。例えば反転装置9において、クランプ装置21に代えて、上下2段の把持部を有し、2枚のPTPシート1を互いにポケット部が向かい合うように同時に把持することのできるクランプ装置を備え、受渡し位置P2へ2枚のPTPシート1を同時に搬送可能な構成(特開2006−16169号公報参照)とすることにより、上側のPTPシート1を先に中間移送位置であるガイド部材31まで移送し一旦停留させておく必要がなく、2枚のPTPシート1を同時に各シートホルダ41,42へ案内することができるため、ガイド部材31を省略することができる。かかる構成により、生産ラインの長さをさらに短くすることができる。
【0111】
(g)上シートホルダ41L,41Rや下シートホルダ42L,42R、押上げ板44等の構成や動作態様は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0112】
例えば上記実施形態では、上下のシートホルダ41,42にPTPシート1が位置決めされた状態となると、まず一対の下シートホルダ42L,42Rが上昇し、続いて一対の上シートホルダ41L,41Rが互いに離間することにより、上下2枚のPTPシート1が抱き合わせ状態となる。また、これと同時に押上げ板44が上昇を開始し、抱き合わせ状態となった2枚のPTPシート1を上方へ押し上げる構成となっている。
【0113】
これに限らず、例えば上シートホルダ41L,41Rが昇降動作可能に構成され、当該上シートホルダ41L,41Rが下降して下シートホルダ42L,42Rに接近することで、上下2枚のPTPシート1が抱き合わせ状態となる構成としてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、一対の下シートホルダ42L,42Rに支持された下側のPTPシート1は、押上げ板44に押し上げられることにより、その長手方向両端縁部が支持溝52から抜け出る構成となっているが、これに代えて、押上げ板44が下側のPTPシート1を押し上げる動作に連動して、一対の下シートホルダ42L,42Rが互いに離間するように動作し、下側のPTPシート1を開放する構成としてもよい。
【0115】
また、動作順序に関しても上記実施形態に限定されるものではなく、例えば押上げ板44が上昇しつつ、各シートホルダ41,42に保持されたPTPシート1を順次載置していき、上下2枚のPTPシート1を抱き合わせ状態とする構成としてもよい。
【0116】
(h)一対の上シートホルダ41L,41R等が互いに離間する動作を行う際には、この動作に追従するようにして、PTPシート1が長手方向に位置ずれを起こすおそれがあるため、この位置ずれを防止する構成を採用してもよい。
【0117】
例えば
図18(a),(b)に示すように、一対の上シートホルダ41L,41Rの対向面側にそれぞれ開口しかつ支持溝51に連通したU字溝60を形成すると共に、当該U字溝60に対し上方から挿入可能な規制ピン61を備えた構成としてもよい。かかる構成においては、まず
図18(a)に示すように、PTPシート1の長手方向両端縁部を支持した各上シートホルダ41L,41RのU字溝60に対し上方から規制ピン61を挿入する。続いて、
図18(b)に示すように、一対の上シートホルダ41L,41Rが互いに離間する動作を行う。この際、PTPシート1の長手方向両端縁部が規制ピン61に規制された状態となるため、上述したように上シートホルダ41L,41Rの離間動作に追従して、PTPシート1が長手方向に位置ずれを起こしてしまうような不具合の発生を防止することができる。
【0118】
(i)押出爪30や位置決め部材43の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば押出爪30の本体部30aに対し突出部30bが固定され、突出部30bの突出長が不変となった構成としてもよい。また、位置決め部材43における上規制壁部43aと下規制壁部43bとの段差寸法を調整可能な構成としてもよい。
【0119】
(j)シート受け部材45の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、一対のシート受け部材45L,45Rが、押し上げられるPTPシート1に押されることにより、バネ等の付勢力に抗して互いに離間するように回動し、PTPシート1が通過すると、元の位置へ戻る構成となっている。
【0120】
これに限らず、例えば押上げ板44の昇降動作に連動して、一対のシート受け部材45L,45Rが開閉動作を行う構成としてもよい。また、一対のシート受け部材45L,45R(受台部55)が水平方向に沿って直線的に開閉動作を行う構成としてもよい。