【実施例1】
【0008】
図1から
図5は本発明の1実施例のキャスタ取付構造を示すもので、家具等の対象物に設けられた脚部などの角筒状の幅の狭い被取付体20をキャスタ1の上部に水平に配置された支持板2に固定するための構造である。
即ち、被取付体20は、キャスタ1の中心軸Cから車輪Wの旋回する最大側の半径以下の幅からなっている。
【0009】
一方、支持板2は、被取付体20を固定するための固定領域2aを有しており、その固定領域2aの縁部は、キャスタ1の旋回する最大側の半径と等しいか、それ以上に突出して設けられている。
また、本実施例では、前記固定領域2aで固定された被取付体20の側壁面でキャスタ1の中心軸C側の壁面と当接して位置決めする位置に、支持板2に突設した
位置決め部材としての位置決め壁部11が設けられている。
これにより、固定領域2aに被取付体20が固着されても、 キャスタ1の先端が被取付体20を超えて外側に突出することがない。
【0010】
前記位置決め壁部11は、本実施例の場合、中央に位置決めをする基準壁部11aが設けられ、その左右に直角に折れ曲がって基準壁部11aを補強する補助壁部11b、11cを有する平面視コ字状の壁部からなっており、支持板2上に基準壁部11aが同一直線上になるように2つの位置決め壁部11を離間して並べた形状からなっている。
これにより、被取付体20を強固に支持することができる。
【0011】
ここで、前記被取付体20には、前記基準壁部11aと対向する位置に窓孔21を穿設している。
該窓孔21は、後述の締結部材3を被取付体20内に挿入するための孔であり、図示例では基準壁部11aの上端を超えた個所から挿入されるが、基準壁部11aの高さを更に高く設定し、基準壁部11aにも前記窓孔21と整合する窓孔(図示せず)を穿設してもよい。
【0012】
上記のように固定領域2aに配置された被取付体20は固定ボルトVによって支持板2に固着される。
即ち、支持板2の固定領域2aで、前記被取付体20が取り付けられる所定位置(図示例では2個所)にはボルト穴H1が上下に貫通しており、また、被取付体20の底壁で取付時に前記ボルト穴H1と整合する位置にボルト穴22が穿設されている。
【0013】
従って、固定ボルトVの先端をボルト穴H1からボルト穴22に通し、固定ボルト頭部が固定領域2aの底面側に掛止められるようにする。
本実施例では、上記固定ボルトVは、締結部材3により固定される。
【0014】
締結部材3は、被取付体20の底壁上に隙間なく重なる水平面からなる底板部3aに形成された穴部で内周面に雌ねじが刻設された(または穴部の上に図示しないナットを溶着した)ナット部4と、前記底板部3aから略垂直に前記窓孔21位置の長さまで延びる立上り片部3bと、該立上り片部3bから折れ曲がって下方へ延びるフック部5とからなっている。
【0015】
上記締結部材3を用いる場合は、
図5に示すように、被取付体20を位置決め壁部11の基準壁部11aに衝合させ、基準壁部11aを超えて窓孔21から締結部材3を下(底板部3a)側から挿入する(
図5(a)、(b)参照)。
【0016】
そして、底板部3aのナット部4を前記ボルト穴H1、ボルト穴22と整合し、固定ボルトVのネジ側を挿入し、ナット部4に形成された雌ねじと螺合させる。
これにより、立上り片部3bが被取付体20の側壁の内壁面と接し、フック部5が、重なり合った窓孔21の縁部と基準壁部11aの上端縁部に掛け止められる(
図5(c)、(d)参照)。
【0017】
これにより、固定ボルトVは、被取付体20を支持板2に固定すると同時に締結部材3を共締めすることで、被取付体20と基準壁部11aとを一体に重ね合わせた状態で拘束するので、縦方向だけでなく横方向への動きに対しても強固に固定することができる。
なお、上記実施例では、締結部材3のフック部5の掛止縁部が直線状の場合、即ち、対応する窓孔21や基準壁部11aの縁部が直線状の場合に掛止められる例を示したが、フック部5の掛止縁部の形状は、窓孔21や基準壁部11aの縁部の形状に対応していればよく、円弧状や山形状などの任意の形状であってもよい。
【実施例2】
【0018】
図6に示す締結部材3は、被取付体20の窓孔21が円形の場合の異なる実施例を示す。
この場合に、締結部材3は、前記実施例のようにフック部を設けてもよいが、本実施例ではフック部を省略した構造からなっている。
【0019】
即ち、締結部材3は、被取付体20の底壁上に隙間なく重なる水平面からなる底板部3aに形成された穴部で内周面に雌ねじが刻設された(または前述のように穴部の上に図示しないナットを溶着した)ナット部4と、前記底板部3aから略垂直に前記窓孔21位置の長さまで延びる立上り片部3bと、該立上り片部3bから直角に折れ曲がる押圧片部6とからなっている。
前記底板部3aとナット部4の構造は前記を設ける実施例と同様であるが、立上り片部3bおよび押圧片部6は、断面が前記窓孔21の円形と同じ曲率で湾曲した断面円弧状に形成されている。
【0020】
また、本実施例では、位置決め壁部11を設けても、設けなくてもよい。
そして、固定ボルトVは、被取付体20を支持板2に固定すると同時に締結部材3を共締めすることで、被取付体20を底部と窓孔21との2個所で同時に拘束することで、強固に固定することができる。
【実施例3】
【0021】
図8から
図10に示すキャスタ取付構造では、支持板2上で位置決め壁部11の基準壁部11aが略中央となるように配置し、該基準壁部11aと対向する位置で被取付体20の外側を向く側壁面と接する位置に
被取付体側壁面支持壁部としての端面支持壁部8が突設されている。
【0022】
該端面支持壁部8は、被取付体20が衝合される位置決め壁部11の基準壁部11aが被取付体20を支承するほぼ全長に亘って延びている。
本実施例では、被取付体20の対向する側壁面間で対峙するボルト穴23,24を穿設しておくと共に、端面支持壁部8と位置決め壁部11の基準壁部11aとに、前記ボルト穴23、24と整合する位置にボルト穴H2、H3を穿設している。
【0023】
そこで、固定ボルトVを端面支持壁部8のボルト穴H2から被取付体20のボルト穴23,24を通し、基準壁部11aのボルト穴H3まで貫挿し、基準壁部11aから突出した固定ボルトVのねじの先端をナットNで緊締している。
これにより、端面支持壁部8と位置決め壁部11の基準壁部11aに挟まれた被取付体20を前期固定ボルトVにより横方向にも固定することができる。
また、被取付体20の縦方向の固定は、前記実施例と同様であってもよいし、設けなくてもよい。
【0024】
この発明のキャスタは、単輪用でも双輪用でもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。