(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記現行方式ストリームはFull HDの解像度を有するストリームであり、前記新方式ストリームは前記Full HDの解像度を上回る解像度を有するストリームである
ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
前記新方式イベント情報が、前記現行方式イベント情報を参照することによって、前記現行方式ストリームで表される現行方式イベントと前記新方式ストリームで表される新方式イベントとはイベント共有関係にある
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の送信装置。
前記データストリームには、当該データストリーム中の3D用ストリームにおける各フレームの再生方式について、1つの視点の映像から構成されているフレームの再生方式であるか、複数の視点の各映像からなるフレームの再生方式であるかを示す3D再生方式情報が含まれる
ことを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
前記サイマル放送判別情報は、MPEG2−TS形式のデータストリームに含まれる前記新方式ストリームに対応するEIT(Event Information Table)であり、
前記EITには、現行方式ストリーム及び新方式ストリームによるサイマル放送が提供される場合には、当該サイマル放送における現行方式ストリームへのアクセスに係る現行方式アクセス情報が記載されており、
前記判断手段は、前記EITに前記現行方式アクセス情報が記載されているか否かを判断し、
前記再生手段は、前記判断手段で前記EITに前記現行方式アクセス情報が記載されていると判断される場合には前記現行方式アクセス情報を用いて前記現行方式ストリームにアクセスし、前記判断手段で前記EITに前記現行方式アクセス情報が記載されていないと判断される場合には前記新方式ストリームにアクセスする
ことを特徴とする請求項7に記載の受信再生装置。
サイマル放送における現行方式ストリームに対応する現行方式イベント情報と、新方式ストリームに対応する新方式イベント情報とを保持している保持手を有する送信装置で用いられる送信方法であって、
前記現行方式イベント情報と、前記新方式イベント情報を送信する送信ステップを含み、
前記現行方式イベント情報には、前記新方式ストリームへのアクセスに係る新方式アクセス情報が記述されており、
前記新方式イベント情報には、前記現行方式ストリームへのアクセスに係る現行方式アクセス情報が記述されており、
前記新方式イベント情報内において、
前記新方式ストリームへのアクセスに関する情報は、前記現行方式アクセス情報よりも後に記述されている
ことを特徴とする送信方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.本発明の基礎となった知見
上述したように、各家庭においても3D番組を視聴可能な3D対応デジタルテレビが普及してきているが、全ての家庭が3D番組を視聴可能な環境ではない。
【0014】
3Dの視聴環境を有していないデジタルテレビでは、ユーザ操作により視聴すべき番組として3D番組が選択された場合、3D番組として放送された各映像を2D表示のよる再生を行うこととなる。
【0015】
例えば、SBS方式による3D番組を、3D映像再生に非対応である、通常の2D再生のデジタルテレビで再生する場合には、受信した画像が左目用映像と右目用映像とに分割することなく、当該左目用映像と当該右目用映像が横並びになった映像が映し出される。または、受信した画像が左目用映像と右目用映像とに分割し、どちらか一方の映像(例えば左目用映像)を水平方向に2倍して表示することが考えられる。
【0016】
しかしながら、上述したように、SBS方式では、2つの映像(左目用映像、右目用映像)をそれぞれ水平方向に1/2に圧縮しているため、解像度はFull HDの解像度の1/2である。そのため、前者の方法では、本来の映像を1/2に圧縮変形された映像をユーザに見せることになり、一方後者の方法は、引き伸ばされた解像度の劣化した映像をユーザが視聴することとなる。いずれの場合も、本来ユーザの視聴環境で見られるべきFull HDの2D映像を提供することができない。
【0017】
視聴者においては、本来の解像度(Full HD)で視聴したいと思うのが常である。例えば、3Dの視聴環境を有さない視聴者は、3D番組として放送された番組を、3D映像としてではなく、2Dの映像として視聴したいというケースが考えられる。そのため、3D放送に非対応のテレビの視聴者に対しては、従来どおり2D映像のコンテンツを視聴できるように放送することが、放送側のサービスとして求められる。
【0018】
そこで、発明者らが鋭意検討し、同一内容の番組について視聴者の視聴環境に応じた再生を可能とする、本発明に至った。
【0019】
本発明の一態様によれば、送信装置は、サイマル放送における3D用ストリームへのアクセスに係る3D用アクセス情報、及び当該サイマル放送における2D用ストリームへのアクセスに係る2D用アクセス情報の双方を保持している保持手段と、前記3D用アクセス情報、及び前記2D用アクセス情報の双方を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
2.第1の実施の形態
以下、図面を参照しながら、本実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
2.1 概要
本実施の形態に係る番組配信システム10は、
図1に示すように、送信装置100と、デジタルテレビ(受信再生装置)200とから構成される。
【0022】
デジタルテレビ放送では、送信装置100(放送局)からの放送信号は、MPEGシステム規格によって規定されるトランスポートストリーム(TS)形式で映像・音声ストリームおよび番組配列情報が多重化されて送出される。ここで、番組配列情報とは、TSの伝送ネットワーク情報、放送局およびチャンネル(サービス)の詳細情報、および番組詳細情報などが記載されたPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)のことである。
【0023】
送信装置100は、ビデオストリーム、オーディオストリーム等が多重化されたトランスポートストリーム(TS)300を送信する。本実施の形態では、送信装置100(放送局)側から送出されるTS300は、従来の2Dデジタル放送で運用されているようにMPEG2−TSに準拠したトランスポートストリームである。MPEG2−TSに準拠したトランスポートストリームは、1つ以上のビデオ・オーディオストリームと、各ビデオ・オーディオストリームストリームがどのプログラム(番組)に属するかを記したPSIを含んでいる。PSIには、TS内に含まれるプログラム一覧を示すPAT(Program Association Table)、あるプログラム内に属する映像・音声などのストリームのPID(パケットID)を格納したPMT(Program Map Table)などがある。
【0024】
さらにMPEG2−TSに準拠したトランスポートストリームには、ネットワーク情報や編成チャンネル情報・番組情報に関して記述されているSIが含まれる。
【0025】
SIには、NIT(Network Information Table:ネットワーク情報テーブル)、SDT(Service Description Table:サービス記述テーブル)及びEIT(Event Information Table:イベント情報テーブル)等のテーブルが含まれている。
【0026】
NITには、送出されたTSが経由するネットワークに関する情報(チャンネル番号、変調方式など)が記述されている。
【0027】
SDTには、送出されるTS内に存在する編成チャンネルに関する情報(チャンネル名称、番組情報の種類、デジタルコピー制御情報など)が記載されている。
【0028】
EITには、各編成チャンネルに含まれる番組に関する詳細情報(番組名称、放送日時、放送内容など)が記載されている。
【0029】
デジタルテレビなどの放送受信機は、SIに記載された情報を利用することによって、電子番組表(Electronic Program Guide:EPG)を作成することができる。
【0030】
なお、各SIに記載される記述子の運用方法は、各国ごとの運用規定に従うものとするが、本実施の形態では、日本におけるARIB(The Association of Radio Industries and Businesses)で規定される標準規格および運用規定を範として、新たに拡張する方法を提案する。
【0031】
受信再生装置200は、放送局(送信装置100)が送出する放送波からTS300を受信し、TS300に多重化されているビデオ・オーディオストリームと番組配列情報を含むSI等を分離する。
【0032】
受信再生装置200は、分離されたSI等のPSI/SIの各情報から、電子番組表(EPG)を作成する。構成されたEPGの各情報からは、それぞれにビデオ・オーディオストリームへのリンク情報が紐付けられてあり、ユーザはEPGから視聴したい番組を選択することにより、所望する番組の映像・音声を視聴することができる。ここで、受信再生装置200は、ビデオストリームからの映像を2D表示し、3D表示には非対応である。
【0033】
2.2 送信装置100の構成
送信装置100は、一の番組について、3D映像を表示するためのビデオストリーム(以下、3D用ビデオストリームという。)と、2D映像を表示するためのビデオストリーム(以下、2D用ビデオストリームという。)を生成し、各ストリームを同時刻に配信することで、一の番組についてサイマル放送を提供するものである。
【0034】
送信装置100は、
図2に示すように、3D用ビデオエンコーダ101、2D用ビデオエンコーダ102、オーディオエンコーダ103、3D用ビデオストリーム格納部104、2D用ビデオストリーム格納部105、オーディオストリーム格納部106、多重化部107、送信部108及び番組配列情報格納部109から構成されている。
【0035】
(1)3D用ビデオエンコーダ101
3D用ビデオエンコーダ101は、一の番組について3D表示用の複数の映像(ピクチャ)について、MPEG−2、MPEG−4などの方式を使って符号化して、3D用ビデオストリームを生成し、3D用ビデオストリーム格納部104へ書き込む。
【0036】
ここで、3D用ビデオエンコーダ101は、3D映像の再生方式に応じて、例えばSide−by−Side(以下、SBSという。)方式であるか、MPEG4−MVC(以下、単にMVCという。)方式であるのかに応じて、各映像を符号化する。なお、各方式に応じた符号化が公知であるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
(2)2D用ビデオエンコーダ102
2D用ビデオエンコーダ102は、前記一の番組について2D表示用の複数の映像(ピクチャ)について、MPEG−2、MPEG−4などの方式を使って符号化して、2D用ビデオストリームを生成し、2D用ビデオストリーム格納部105へ書き込む。
【0038】
(3)オーディオエンコーダ103
オーディオエンコーダ103は、音声データを、リニアPCMなどの方式で圧縮・符号化して、オーディオストリームを生成し、オーディオストリーム格納部106へ書き込む。
【0039】
(4)3D用ビデオストリーム格納部104
3D用ビデオストリーム格納部104は、3D用ビデオエンコーダ101で生成された3D用ビデオストリームを格納するための記憶領域である。
【0040】
(5)2D用ビデオストリーム格納部105
2D用ビデオストリーム格納部105は、2D用ビデオエンコーダ102で生成された2D用ビデオストリームを格納するための記憶領域である。
【0041】
(6)オーディオストリーム格納部106
オーディオストリーム格納部106は、オーディオエンコーダ103で生成されたオーディオストリームを格納するための記憶領域である。
【0042】
(7)番組配列情報格納部109
番組配列情報格納部109は、PSI/SIを格納するための記憶領域である。
【0043】
PSI/SI、特に、SDT、EIT及びPMTの記載内容については、後述する。なお、PSI/SIは、外部装置で作成されてもよいし、送信装置100で作成されてもよい。
【0044】
(8)多重化部107
多重化部107は、3D用ビデオストリーム格納部104に格納されている3D用ビデオストリーム、2D用ビデオストリーム格納部105に格納されている2D用ビデオストリーム、オーディオストリーム格納部106に格納されているオーディオストリーム、PSI/SIなどを多重化して、MPEG2−TS形式のトランスポートストリーム(TS)300を生成し、送信部108を介して送信する。
【0045】
なお、各種ストリームとともに多重化されるPSI/SIの詳細の説明については後述する。
【0046】
(9)送信部108
送信部108は、多重化部107で生成されたMPEG2−TS形式のトランスポートストリームを送信する。
【0047】
(10)PSI/SI
ここでは、番組配列情報格納部109に格納され、多重化部107で各種ストリームとともに多重化されるPSI/SIの記述内容、特にSDT、EIT及びPMTの記述内容について説明する。
【0048】
多重化部107で生成されるTS300には、
図3及び
図4に示すように、PSI/SIであるSDT301、EIT302、303、PMT304等が含まれており、1つのTS300に複数の編成チャンネルの番組が多重化される。
【0049】
番組配列情報格納部109では、SDT301、EIT302、303、PMT304などが格納されており、多重化部107で生成されるTS300に含まれる。
【0050】
以下、SDT301、EIT302、303、PMT304について説明する。
【0051】
(10−1)SDT301
図3に示すTS300には、2つの編成チャンネルが含まれており、各編成チャンネルそれぞれに対してSDT301内でservice_idがユニークに割当てられ、service_idごとに対応する編成チャンネルに関する情報が定義される(
図3に示す記述子320、321に相当)。
【0052】
記述子320、321のそれぞれには、対応する編成チャンネルの放送形態を示すservice_type、サービス事業者名を示すservice_provider_name、サービス名を示すservice_nameがサービス記述子として含まれている。
【0053】
(10−2)EIT302、303
次に、
図4に示すEIT302、303について説明する。
【0054】
EIT302,303は、チャンネルごとに時系列にその番組情報がまとめられている。対応するチャンネルは、service_idによってSDT301内で定義される編成チャンネルと紐付けられる。ここでは、EIT302は、service_id330により、
図3に示す記述子320で示される編成チャンネル(サービス1)と、EIT303は、service_id340により、
図3に示す記述子321で示される編成チャンネル(サービス2)と、それぞれ紐付がなされている。
【0055】
編成チャンネルに含まれる各番組情報は、event#idによってユニークに識別される。例えば、編成チャンネル(サービス1)は、EIT302のevent#id331(IDの値が100)で識別され、編成チャンネル(サービス2)は、EIT303のevent#id341(IDの値が200)で識別される。
【0056】
番組の開始時刻は、start_timeに記述され、放送時間はdurationに記述される時間で対応付けられる。
図4では、EIT302、EIT303で示される番組の双方とも、開始時刻が19:00であり、放送時間は2時間である。また、番組名称は、event_nameに記載され、
図4では、EIT302、EIT303で示される番組の双方とも、同一の番組名である。
【0057】
その他番組の詳細情報に関する記述子は、EIT302、302それぞれにおいてevent_idごとに記述される。具体的には、EIT303では、番組情報として「3D映像有り」を示すコンテント記述子343を含んでいる。コンテント記述子343は、イベントのジャンルに関する情報が記載されるものであり、例えば、“content_nibble_level_1”、“content_nibble_level_2”、及び“user_nibble”それぞれを定義することによりベントのジャンルに関する情報が特定される。ここでは、これら情報の定義について拡張し、各情報について、“content_nibble_level_1=0xE”、“content_nibble_level_2=0x0”、及び“user_nibble=0x20”と記述する。これにより、EIT303で示される、つまりevent_id=200で識別される番組には3D映像が存在することを示す。
【0058】
EIT302及びEIT303で示される各番組は、ともに同じ内容のコンテンツであるが、EIT302で示される番組(ストリーム)は2D番組として放送するもので、EIT303で示される番組(ストリーム)は3D番組として放送するものである。すなわち、両番組は互いに放送形態の異なるサイマル放送番組として放送されている。
【0059】
EIT302、303は、サイマル放送されている各番組を紐付ける情報として、サイマル放送番組として放送されている他方の番組(ストリーム)を参照する情報を示すイベントグループ記述子333、344を有している。
【0060】
従来のイベントグループ記述子は、現行の2D放送においてARIB規格(ARIB STD−B10)において定義される記述子であって、複数の番組(イベント)間に関係がある場合にそれらをグループ化して、関連する各番組のPMTに同一のESを参照するPIDを記述して番組を共有化(イベント共有)したり、番組途中で異なるサービスへ継続して放送(イベントリレー)したりする放送形態を定義する記述子である。ここでは、この記述子を拡張して、3D番組と2D番組とによるサイマル放送を関連付ける記述を新たに定義して、3D番組と2D番組のサイマル放送番組間を紐付ける。
【0061】
イベントグループ記述子333、344には、サイマル放送のおける2D番組であるか3D番組であるかを判別するグループの種別(group_type)、参照先のサイマル放送番組を含む編成チャンネルのチャンネルID(sevice_id)、および参照先のサイマル放送番組の番組ID(event_id)が定義されている。
【0062】
group_typeは、提供するデータ構造のサービス形態を区別する値であり、ここでは、サイマル放送の2D番組に対応する値として“0x6”が、サイマル放送の3D番組に対応する値として“0x7”が、それぞれ用いられる。
【0063】
これにより、イベントグループ記述子333、344を同時刻に放送されているサイマル放送番組への遷移の際のリンク情報として利用することができる。
【0064】
(10−3)PMT304
PMT304は、TS300に含まれる各種ES、例えばevent_idの値が100である2D番組に対する2D用ビデオストリーム、event_idの値が200である3D番組に対する3D用ビデオストリーム、及びこれら番組のオーディオストリームそれぞれについての情報(ES情報)が記述されている。記述内容は、従来と変更はないが、3D番組に対するES情報には、従来の記述内容に加えて、3D映像の再生方式がSBS方式であるか、MVC方式であるかを識別する情報(3D再生方式)が記述されている。
【0065】
2.3 受信再生装置200
受信再生装置200は、送信装置100から送信されたTS300を受信し、TS300に含まれるビデオストリームから2D表示用の映像を生成し、表示する、3D表示非対応のデジタルテレビである。
【0066】
受信再生装置200は、
図5に示すように、チューナ201、多重分離部202、番組情報管理部203、番組表構成部204、映像デコード部205、音声デコード部206、映像表示処理部207及び表示部208から構成されている。
【0067】
(1)チューナ201
チューナ201は、送信装置100から送信された、デジタル放送波であるトランスポートストリーム(TS)300の信号を受信し、受信した信号を復調する機能を有している。
【0068】
(2)多重分離部202
多重分離部202は、受信したTS300を、ビデオストリーム(V_ES)、オーディオストリーム(A_ES)、及びPSI/SIなどに分離し、ビデオストリームは映像デコード部205へ、オーディオストリームは音声デコード部206へ、PSI/SIは番組情報管理部203へ、それぞれ出力する。
【0069】
ここで、映像デコード部205へ出力するビデオストリームは、受信したTS300に含まれる1つ以上のビデオストリームの中から、後述する番組情報管理部203によって選択された番組に紐付けられたストリーム情報(例えば、ビデオストリームのPID)に従って選択される。ここで、ビデオストリームには、映像コーデック情報及び当該ビデオストリームに3D映像が含まれる場合には3D方式情報といったストリーム情報も含まれており、これら情報も映像デコード部205へ転送される。ここで、映像コーデック情報とは、ビデオストリームのコーデック方式を示す情報、例えばMPEG−2方式であるかMPEG−4方式であるかを示す情報である。また、3D方式情報とは、SBS方式により3D映像が生成されているのか、MVC方式により3D映像が生成されているのかを示す情報である。
【0070】
また、音声デコード部206へ出力するオーディオストリームは、受信したTS300に含まれる1つ以上のビデオストリームの中から、後述する番組情報管理部203によって選択された番組に紐付けられたストリーム情報(例えば、オーディオストリームのPID)に従って選択される。
【0071】
多重分離部202は、受信したTS300からPSI、SI及びPMTなどのシステムパケットを抽出し、TS300に含まれる番組情報と、番組に対応するストリーム情報とを取得し、番組情報管理部203に出力する。
【0072】
(3)番組情報管理部203
番組情報管理部203は、多重分離部202から取得した「番組情報」と「ストリーム情報」とを紐付けてデータベース管理し、電子番組表(EPG)を作成する番組表構成部204へ番組情報を提供する。
【0073】
また、電子番組表からのユーザ操作によってある番組が指定されるとき、番組情報管理部203は、番組情報に紐付けられた「ストリーム情報」を多重分離部202に出力する。
【0074】
番組情報管理部203は、
図6に示すように、PSI/SI解析部211、番組情報DB212及び選択番組解析部213から構成されている。
【0075】
(3−1)PSI/SI解析部211
PSI/SI解析部211は、多重分離部202からPSI/SIを受け取ると、その中から番組情報を抽出し、番組情報DB212へ登録する。
【0076】
例えば、PSI/SIのうちPMTには、TS内に含まれるストリームのPID情報、及びPIDで示されるストリームが3D映像である場合にはその再生方式が記載されている。また、SDTには、放送されている編成チャンネル情報が記載されており、EIT(Event Information Tableには)編成チャンネルに紐付けられて各番組の番組情報が記載されている。PSI/SI解析部211は、PSI/SIから番組ごとに各種情報を取得し、各番組の番組情報とそれぞれに紐付けられたストリーム情報をまとめて番組情報DB212に格納する。
【0077】
(3−2)番組情報DB212
番組情報DB212は、PSI/SI解析部211で取得された各番組の番組情報及びストリーム情報をデータベースとして管理し、番組情報の提供要求に応じて記録されているデータを提供する。
【0078】
例えば、番組情報DB212は、
図7に示す番組情報テーブルT100を有している。番組情報テーブルT100は、チャンネルID、チャンネル名、番組ID、番組名、放送日時、3D映像、3D再生方式、サイマル放送及びストリームIDからなる組を1つ以上格納する領域を有している。
【0079】
チャンネルIDは、対応する番組が放送されるチャンネルを示す識別子であり、チャンネル名はそのチャンネルの放送局名である。番組IDは、対応する番組を識別するものであり、番組名は対応する番組の名称である。放送日時は、対応する番組が放送される日時を示す。なお、これらの情報は全てEIT及びSDTから取得されるものである。
【0080】
3D映像は、対応する番組に3D映像が含まれるか否かを示す情報が記載される。なお、
図7では、便宜上、対応する番組に3D映像が含まれない場合には“−”を、含まれる場合には“有”と記載している。
【0081】
3D再生方式は、対応する番組が3D映像を含むものであれば、その再生方式を識別する情報が記載される。例えば、再生方式がSBS方式である場合には、その旨を示す情報(ここでは“SBS”とする。)が記載され、MVC方式である場合には、その旨を示す情報(ここでは“MVC”とする。)が記載される。この情報は、PMTから取得される。
【0082】
サイマル放送には、対応する番組についてサイマル放送がされているか否かを示す情報、及びサイマル放送がされている場合にはサイマル放送における他方の番組へのリンク情報が記載されている。例えば、サイマル放送がされている場合には、その旨を示す情報(ここでは、“有”とする。)が記載される。なお。この情報は、EITにサイマル放送について他方の番組を紐付けるインベントグループ記述子の記載の有無のより判別される。サイマル放送がされている場合には、リンク情報としてサイマル放送について他方の番組を紐付けるインベントグループ記述子の内容が記載される。
【0083】
ストリームIDには、対応する番組に割り当てられたストリームIDが記載される。
【0084】
(3−3)選択番組解析部213
選択番組解析部213は、ユーザが電子番組表などから視聴したい番組を選局したとき、そのユーザの選択操作による指示を受けて、番組情報DB212に番組情報の問い合わせを行う。
【0085】
選択番組解析部213は、ユーザによって指示された番組について番組情報DB212に問い合わせた結果、当該受信再生装置200で再生が可能であるか否かを判断する。
【0086】
再生不可であると判断した場合、つまりユーザによって指示された番組が3Dを含む番組である場合、選択番組解析部213は、番組情報DB212から視聴指示のあった番組に対応する3D再生方式を確認する。
【0087】
3D再生方式がMVCである、つまり2D再生との互換性のある方式である場合には、選択番組解析部213は、指定された3D映像を含む番組に対応する番組情報を用いて、取得すべき3D用ビデオストリームを特定する。
【0088】
3D再生方式がSBS方式である場合には、選択番組解析部213は、視聴指示のあった番組についてサイマル放送の存在の有無を確認する。2D映像のサイマル放送番組が存在するならば、選択番組解析部213は、ユーザから指定された番組に代わって、サイマル放送として紐付けられている番組情報(2D番組の番組情報)のリンク情報を用いて参照し、再度番組情報DB212に問合せを行い、取得すべき、サイマル放送番組の2D用ビデオストリームを特定する。
【0089】
サイマル放送として2D映像の番組が存在しない場合には、選択番組解析部213は、指定された3D映像を含む番組に対応する番組情報を用いて、視聴指示のあった3D番組に対応し、再生方式がSBSである3D用ビデオストリームを特定する。
【0090】
以上のようにして、2Dデジタルテレビで視聴する番組の適宜切替えが実現できる。
【0091】
(4)番組表構成部204
番組表構成部204は、番組情報管理部203から番組情報を取得し、ユーザに提供するEPGデータを構成する。構成されたEPGデータは、ユーザからの要求を受けて表示部208に出力され、EPGとして画面上に表示される。
【0092】
ここで、サイマル放送時のEPG400の表示の一例を
図8に示す。
【0093】
図8に示すEPG400は、
図7に示す番組情報テーブルT100に基づいて構成されたものである。番組情報テーブルT100におけるチャンネル名“テレビ局A”で19:00から21:00まで放送される野球中継は、2D番組と3D番組とによるサイマル放送であるので、EPG400では、サービス1及びサービス2の欄それぞれにおいて、個別に番組が表示される。
【0094】
また、
図3の記述子320、321で定義された情報(service_provider_name、service_name)は、EPG400における放送局名およびチャンネル(サービス)名称として参照される。
【0095】
サービス1は、
図3のSDT301内の情報において、service_id=1で定義された編成チャンネルであり、service_id=1で紐付けられたチャンネルの番組は、
図4のEIT302にあって、event_id=100にて識別される番組情報が参照される。これにより、2D番組としての“野球中継”401がEPG400に記述される。
【0096】
また、サービス2は、
図3のSDT301内の情報において、service_id=2で定義された編成チャンネルであり、service_id=2で紐付けられたチャンネルの番組は、
図4のEIT303にあって、event_id=200にて識別される番組情報が参照される。これにより、3D番組としての“野球中継”402がEPG400に記述される。また、“野球中継”402については、3D番組であることを示す3D番組情報403が含まれ表示される。ここで、3D番組情報403の表示の要否は、
図6中のコンテント記述子における「3D映像有り」を示す記載の有無によって判別される。受信再生装置200が前記コンテント記述子の「3D映像有り」を検出した場合に3D番組情報403がEPG400上に表示される。
【0097】
また、2D番組としての“野球中継”及び3D番組としての“野球中継”それぞれの番組情報404、405を、
図8に示す。
【0098】
番組情報404は、2D番組としての“野球中継”の番組情報であり、番組情報404は、3D番組としての“野球中継”の番組情報である。
【0099】
番組情報404には、2D番組としての“野球中継”に係る情報として、例えば番組ID(event_id)である値“100”、3D映像の有無(ここでは、“無”を示す情報)、サイマル放送の有無(ここでは、“有”を示す情報)が記載されている。また、番組情報404には、サイマル放送における他方の番組を特定するために3Dサイマル放送へのリンク情報(以下、3D番組リンク情報という。)が記載されている。3D番組リンク情報として、例えばサイマル放送における3D番組のチャンネルID(=“2”)及び番組ID(=“200”)が含まれている。この3D番組リンク情報に含まれるチャンネルID、番組ID、及び番組情報テーブルT100から、サイマル放送における3D番組に対する3D用ビデオストリームを特定することができる。
【0100】
番組情報405には、3D番組としての“野球中継”に係る情報として、例えば番組ID(event_id)である値“200”、3D映像の有無(ここでは、“有”を示す情報)、サイマル放送の有無(ここでは、“有”を示す情報)が記載されている。また、番組情報405には、サイマル放送における他方の番組を特定するために2Dサイマル放送へのリンク情報(以下、2D番組リンク情報という。)が記載されている。2D番組リンク情報として、例えばサイマル放送における2D番組のチャンネルID(=“1”)及び番組ID(=“100”)が含まれている。この2D番組リンク情報に含まれるチャンネルID、番組ID、及び番組情報テーブルT100から、サイマル放送における2D番組に対する2D用ビデオストリームを特定することができる。
【0101】
このように、
図8に示す“サービス1”の“野球中継”の番組と“サービス2”の“野球中継”の番組は、ともに同じ内容のコンテンツであるが、前者は2D番組として放送するものであり、後者は3D番組として放送するものである。すなわち、両番組は互いに放送形態の異なるサイマル放送番組として放送されている。そこで、“サービス1”の2D番組と“サービス2”の3D番組とが互いにサイマル番組であるということを関連付ける情報(2D番組リンク情報、3D番組リンク情報)を互いの番組情報に追加することで、ユーザの視聴形態に合わせた再生を行うことができる。
【0102】
(5)映像デコード部205
映像デコード部205は、ビデオストリーム(V_ES)を多重分離部202から受け取ると、受け取ったビデオストリームのデコードを行うとともに、ビデオストリーム中の映像コーデック情報及び3D方式情報を取り出す機能を有している。映像デコード部205により、フレーム単位の映像が復号される。
【0103】
ここで、3D方式情報がSBS方式を示している場合における、フレーム単位の映像とは、3D映像の左目と右目の画像が1画面中に分割されて構成されている映像である。この場合、映像デコード部205は、当該映像を、1つの2Dのフレーム映像として復号する。つまり復号されたフレーム映像とは、左目と右目との両画像が1画面中に分割された映像である。
【0104】
また、3D方式情報がMVC方式を示している場合、映像デコード部205は、Base Viewストリームのみを2DのMPEG4−AVC互換ストリームとして復号する。
【0105】
映像デコード部205は、復号したフレーム映像とともに、3D方式情報を映像表示処理部207へ出力する。
【0106】
(6)音声デコード部206
音声デコード部206は、多重分離部202から受け取ったオーディオストリーム(A_ES)を復号して、音声データを生成する。そして、音声デコード部206は、生成した音声データを音声として出力する。
【0107】
(7)映像表示処理部207
映像表示処理部207は、映像デコード部205から受け取ったフレーム映像に対して、クロッピング処理やスケーリング処理といった加工処理を行い、加工後の表示イメージ(Display Image)を表示部208に出力する。なお、3D方式情報がSBS方式を示す場合には、映像表示処理部207は、映像デコード部205から受け取ったフレーム映像のうち左目映像部分のみを切り取り、全画面にスケーリングさせて2D映像を生成して、当該2D映像に対して上記加工処理を行って、加工後の2D映像を表示部208に出力してもよい。
【0108】
(8)表示部208
表示部208は、映像表示処理部207から受け取った加工処理後のフレーム映像を画面に表示する。
【0109】
また、表示部208は、ユーザ操作によって電子番組表の表示が要求されたときは、番組表構成部204からEPGデータを受け取り、受け取ったEPGデータを基づく電子番組表を画面に表示する。
【0110】
2.4 動作
(1)送信装置100の動作
ここでは、送信装置100の動作について
図9に示す流れ図を用いて説明する。
【0111】
3D用ビデオエンコーダ101は、一の番組について3D表示用の複数の映像(ピクチャ)について、MPEG−2、MPEG−4などの方式を使って符号化して、3D用ビデオストリームを生成し、3D用ビデオストリーム格納部104へ書き込む(ステップS5)。なお、番組ごとにSBS方式及びMVC方式の何れかで符号化されることが決められており、3D用ビデオエンコーダ101は、予め決められた方式で番組を符号化する。
【0112】
2D用ビデオエンコーダ102は、前記一の番組について2D表示用の複数の映像(ピクチャ)について、MPEG−2、MPEG−4などの方式を使って符号化して、2D用ビデオストリームを生成し、2D用ビデオストリーム格納部105へ書き込む(ステップS10)。
【0113】
オーディオエンコーダ103は、音声データを圧縮・符号化して、オーディオストリームを生成し、オーディオストリーム格納部106へ書き込む(ステップS15)。
【0114】
多重化部107は、3D用ビデオストリーム、2D用ビデオストリーム、オーディオストリーム、及び番組配列情報格納部109で格納されているPSI/SIなどを多重化して、MPEG2−TS形式のトランスポートストリームを生成し、送信部108を介して送信する(ステップS20)。
【0115】
(2)受信再生装置200の動作
ここでは、受信再生装置200の動作について、
図10に示す流れ図を用いて説明する。
【0116】
番組情報管理部203の選択番組解析部213は、EPG400の表示中にユーザ操作により番組が選択されると、選択された番組が2D番組であるか否かを判断する(ステップS100)。具体的には、選択番組解析部213は、選択された番組に対応する番組情報に“3D映像の有”の旨が記載されているか“無”の旨が記載されているかに基づいて判断する。
【0117】
2D番組でない、つまり3D番組であると判断する場合(ステップS100における「No」)、選択番組解析部213は、3D番組の再生が可能であるか否かを判断する(ステップS105)。具体的には、選択番組解析部213は、デジタルテレビが指定した3D再生自体に対応しているか否か、あるいは、3D再生ができるテレビであっても、放送中の3D再生方式に対応しているか否かを判断する。
【0118】
3D番組の再生が可能でないと判断する場合(ステップS105における「No」)、選択番組解析部213は、2D視聴に切り替えるか否かを判断する(ステップS110)。
【0119】
2D視聴に切り替えると判断する場合(ステップS110における「Yes」)、選択番組解析部213は、選択された3D番組の再生方式を判断、つまり再生方式がSBS方式であるかMVC方式であるかを判断する(ステップS115)。具体的には、選択された番組に対応する番組情報に含まれる3D再生方式に記載された情報に基づいて判断する。
【0120】
SBS方式であると判断する場合(ステップS115における「SBS」)、選択番組解析部213は、サイマル放送として2D番組が存在するか否かを判断する(ステップS120)。具体的には、選択番組解析部213は、選択された番組に対応する番組情報に“サイマル放送の有”の旨が記載されているか“無”の旨が記載されているかに基づいて判断する。
【0121】
存在すると判断する場合には(ステップS120における「Yes」)、選択番組解析部213は、サイマル放送として存在する2D番組の2D用ビデオストリームを特定する。受信再生装置200は、特定された2D用ビデオストリームを再生、つまり2D番組を再生する(ステップS125)。具体的には、先ず、選択番組解析部213が、2D番組へのリンク情報に含まれるチャンネルID、番組ID、及び番組情報テーブルT100から、サイマル放送における2D番組に対する2D用ビデオストリームを特定する。映像デコード部205が特定された2D用ビデオストリームのデコードを行い、映像表示処理部207が、デコードされた映像から表示イメージの生成をし、表示部208に表示イメージを表示させることで、特定された2D用ビデオストリームが2D映像として再生される。
【0122】
存在しないと判断する場合には(ステップS120における「No」)、選択番組解析部213は、選択された3D番組の3D用ビデオストリームを特定する。受信再生装置200は、特定された3D用ビデオストリームのSBS方式各映像を2D映像で再生する(ステップS130)。具体的には、選択番組解析部213が、選択された3D番組に対応する番組情報を用いて、視聴指示のあった3D番組に対応し、再生方式がSBSである3D用ビデオストリームを特定する。映像デコード部205が特定された3D用ビデオストリームのデコードを行い、映像表示処理部207が、デコードされたフレーム映像から表示イメージの生成をし、表示部208に表示イメージを表示させることで、特定された3D用ビデオストリームが2D映像として再生される。つまり、映像デコード部205及び映像表示処理部207が、特定された3D用ビデオストリームの再生を行う。このとき、映像デコード部205でデコードされたフレーム映像は、左目と右目との両画像が1画面中に分割された映像となっている。
【0123】
3Dの再生方式がMVCであると判断する場合(ステップS115における「MVC」)、選択番組解析部213は、選択された3D番組の3D用ビデオストリームと特定する。受信再生装置200は、特定された3D用ビデオストリームに含まれるベースビューの各映像を2D映像として再生する(ステップS135)。具体的には、先ず、選択番組解析部213が、選択された3D番組に対応する番組情報を用いて、取得すべき3D用ビデオストリームを特定する。映像デコード部205が特定された3D用ビデオストリームのデコードを行い、映像表示処理部207が、デコードされたフレーム映像から表示イメージの生成をし、表示部208に表示イメージを表示させることで、特定された3D用ビデオストリームが2D映像として再生される。つまり、映像デコード部205及び映像表示処理部207が、特定された3D用ビデオストリームの再生を行う。このとき、映像デコード部205でデコードされたフレーム映像は、左目の画像からなる映像となっている。
【0124】
また、2D視聴に切り替えないと判断する場合(ステップS110における「No」)、選択番組解析部213は、「再生不可」の旨を示すエラーメッセージを表示し、ユーザに通知する(ステップS140)。
【0125】
3D番組の再生が可能であると判断する場合(ステップS105における「Yes」)、選択番組解析部213は、選択された3D番組の3D用ビデオストリームと特定し、特定した3D用ビデオストリームを特定する。受信再生装置200は、特定された3D用ビデオストリームを3D映像として再生する(ステップS145)。
【0126】
(3)具体例
ここでは、
図8に示すEPG400を用いて受信再生装置200の動作の具体例を示す。
【0127】
ユーザが、画面に表示されたEPG400において、サービス1の2D番組の野球中継を選択したときには、ステップS100の判断により、ステップS125へ移行し、従来の視聴再生と変わりなく、サービス1の2D番組が再生され視聴することができる。
【0128】
一方、サービス2の3D番組の野球中継を選択したときには、先ず、ステップS100、S105、S110の判断が順次なされ、その後ステップS115の判断がなされる。
【0129】
ステップS115に判断結果により、3D番組の再生方式がMVC方式であると判断される場合には(ステップS115における「MVC」)、受信再生装置200は、左目用映像として表示するBaseViewのストリームを、単体で2D映像として再生する(ステップS135)。
【0130】
また、ステップS115に判断結果により、3D番組の再生方式がSBS方式であると判断される場合には(ステップS115における「SBS」)、受信再生装置200は、サイマル放送として2D番組(2Dの野球中継)が存在するか否かを判断する(ステップS120)。
【0131】
存在すると判断する場合には(ステップS120における「Yes」)、サービス2の野球中継の番組情報中に、サイマル放送番組へのリンク情報(例えば「チャンネルID」と「番組ID」という情報)が記述されているので、ステップS125では、これを基にして、サービス1の2D番組の野球中継の再生に切替えて、ユーザに提供する。
【0132】
存在しないと判断する場合には(ステップS125における「No」)、ステップS130により、サービス2のSBS方式の映像を2D映像としてそのまま映し出すことになる。
【0133】
ステップS120、S125、及びS130が実行されるのは、以下の理由による。SBS方式では、左右の解像度を1/2にして従来の2Dと同じ方式で送出する3D放送方式である。よって、2Dの映像本来のFull HD解像度での視聴を満足することはできないからである。そこで、SBS方式に対応して、2DでのFull HD視聴を提供するには、放送局側から2D Full HD放送されるサービス1のサイマル放送を送出し、そちらに切替えることで、上記の問題を解決できる。
【0134】
また、ステップS115、及びS135が実行されるのは、以下の理由による。
MVC方式では、3D番組において配信されるビデオストリームの構成は、エンコードされたHD×2ストリーム(BaseViewストリーム、NonBaaseViewストリーム)からなり、BaseViewストリームは独立して当該ストリームだけでもデコードが可能である。そのため、BaseViewストリームから得られる映像の解像度と、2Dの映像本来のFull HD解像度とは同等のものとなり、BaseViewストリームの再生を行っても、2D用ストリームの再生を行った場合と同等の視聴満足度を得ることができる。以上のように、2D再生との互換性を持ったMVC方式では、ユーザの視聴環境に適宜合わせて3D番組でも2Dとして視聴することが可能である。これにより、サービス2の3D番組の映像を2D映像として再生することができる。
【0135】
2.5 変形例1
上記実施の形態では、1つのトランスポートストリーム(TS)300に2つの編成チャンネルが含まれるとしたが、これに限定されない。
【0136】
サイマル放送における各番組は、必ずしも1つのTSで配信される必要はなく、個別のTSで配信されてもよい。
【0137】
図11及び
図12は、サイマル放送における2つの番組が個別のTS(TS1300a、TS1300b)により配信される場合の一例を示すものである。
【0138】
TS1300aは、
図11、12に示すように、SDT1301a、EIT1302aが含まれている。
【0139】
TS1300aは、SDT1301aにおける編成チャンネルに関する情報が定義される記述子1320で示されるように、編成チャンネルが“1”(service_id=1)、テレビ局名が“テレビ局A”(service_provider_name=“テレビ局A”)、及びチャンネル名が“サービス1”(service_name=“サービス1”)で示される放送局から配信された番組のトランスポートストリームであることが分かる。
【0140】
また、TS1300bは、SDT1301bにおける編成チャンネルに関する情報が定義される記述子1325で示されるように、編成チャンネルが“2”(service_id=2)、テレビ局名が“テレビ局A”(service_provider_name=“テレビ局A”)、及びチャンネル名が“サービス2”(service_name=“サービス2”)で示される放送局から配信された番組のトランスポートストリームであることが分かる。
【0141】
また、TS1300aとTS1300bとは、その生成と発生したネットワーク由来が異なるため、ストリームID(transport_stream_id)とネットワークID(original_network_id)が異なる。具体的には、
図11に示すように、TS1300aのストリームID1310及びネットワークID1311は、transport_stream_id=x1とoriginal_network_id=y1と定義され、TS1300bのストリームID1315及びネットワークID1316は、transport_stream_id=x2とoriginal_network_id=y2と定義されている。すなわち、transport_stream_idとoriginal_network_idの2つによってTSの所在はユニークに特定ができる。
【0142】
図8は、TS1300a及びTS1300bそれぞれに含まれるEIT1302a及びEIT1302bの記述内容の一例を示している。
【0143】
EIT1302aのイベントID1331では、event_id=100と定義されており、EIT1302aが含まれるTS1300aは、event_id=100に対応する番組の映像・音声のストリームが含まれていることが分かる。
【0144】
また、EIT1302bのイベントID1341では、event_id=200と定義されており、EIT1302bが含まれるTS1300bは、event_id=200に対応する番組の映像・音声のストリームが含まれていることが分かる。さらに、EIT1302bのコンテント記述子1343においてevent_id=200に対応する番組が3D番組であることが分かる。
【0145】
TS1300a及びTS1300bとは、サイマル放送に係るトランスポートストリームであるので、イベントグループ記述子1333及び1344により、互いに関連付けを行う。上記実施の形態と異なる点は、他方の編成チャンネルについてのtransport_stream_idとoriginal_network_idが記述されることである。例えば、EIT1302aのイベントグループ記述子1333では、event_id=200であるTS1300bについてのストリームIDとネットワークID(ここでは、transport_stream_id=x2、original_network_id=y2)とが記述される。他の記述内容は、上記実施の形態で示したイベントグループ記述子333と同様である。逆に、EIT1302bのイベントグループ記述子1344では、event_id=100であるTS1300aについてのストリームIDとネットワークID(ここでは、transport_stream_id=x1、original_network_id=y1)とが記述される。他の記述内容は、上記実施の形態で示したイベントグループ記述子344と同様である。
【0146】
このように、イベントグループ記述子にストリームIDとネットワークIDを追加するのは、以下の理由による。
【0147】
本変形例では、異なるTSに編成チャンネルが分かれて含まれていることから、参照情報としては、編成チャンネルID(service_id)と番組ID(event_id)に加えて、TSを特定するためのtransport_stream_idとoriginal_network_idが必要となるからである。これら情報を追加することで、互いのサイマル放送番組を特定することができるようになる。
【0148】
TS1300bに含まれるPMT1304bには、上記実施の形態で示したPMT304と同様に、当該TS1300bに含まれる3D映像の再生方式が記載されている。
【0149】
以上のように、サイマル放送に係る各番組が個別のTSで配信される場合であっても、番組情報であるEIT内にサイマル放送番組を関連付ける情報を追加することで、サイマル放送番組間を互いに切替えて再生することが実現できる。
【0150】
なお、サイマル放送番組が1TSに含まれるときと、異なる2つのTSに分かれて含まれる場合では互いの番組情報への参照情報が異なることから、イベントグループ記述子で定義されるgroup_typeは異なる値が定義されてもよい。
【0151】
2.6 変形例2
上記実施の形態では、サイマル放送により2番組及び3D番組が存在する場合には、イベントグループ記述子に新たな記述内容を定義し、2D番組及び3D番組を紐付けた。新たな記述内容を追加すると、既存のデジタルテレビ(3D非対応のデジタルテレビ)では、当該新たな記述内容を解釈することができないため、サイマル放送番組間を互いに切替えて再生することができない可能性がある。
【0152】
そこで、本変形例では、既存のデジタルテレビにおいても、サイマル放送番組間を互いに切替えて再生することができるようEITの記述内容を定義する。
【0153】
図13は、本変形例において、サイマル放送における2つの番組が1つのTS2300により配信される場合の一例を示すものである。TS2300は、
図13に示すように、EIT2302、2303が含まれている。
【0154】
EIT2302には、編成チャンネル“1”、イベント識別子“100”(event_id=100)である2D番組の番組情報が記載されている。
【0155】
EIT2302の記述子2330には、イベント識別子(event_id)、開始時刻(start_time)、放送時間(duration)、番組名(event_name)及びイベントグループ記述子2331が記載されている。イベント識別子、開始時刻、放送時間、及び番組名については、上記実施の形態で示すEIT302のものと同様である。
【0156】
EIT2302におけるイベントグループ記述子2331には、従来と同様に、イベントを共有する内容が記載されている。具体的には、イベントグループ記述子2331のgroup_type=0x1の記載により当該イベントグループ記述子2331がイベント共有に関する記述であることが分かる。また、EIT2302が参照される側であるため、イベントグループ記述子2331には、参照される側の情報(service_id=1及びevent_id=100)、参照する側の情報(service_id=2及びevent_id=200)が記載されている。このような記載内容は、既に規定されており、従来のデジタルテレビにおいても解釈が可能である。
【0157】
EIT2303には、編成チャンネル“2”、イベント識別子“200”(event_id=200)である3D番組の番組情報が記載されている。
【0158】
EIT2303の記述子2340には、イベント識別子(event_id)、開始時刻(start_time)、放送時間(duration)、番組名(event_name)及びイベントグループ記述子2341、及び記述子2342が記載されている。イベント識別子、開始時刻、放送時間、及び番組名については、上記実施の形態で示すEIT303のものと同様である。
【0159】
EIT2303におけるイベントグループ記述子2341には、従来と同様に、イベントを共有する内容が記載されている。具体的には、イベントグループ記述子2331のgroup_type=0x1の記載により当該イベントグループ記述子2331がイベント共有に関する記述であることが分かる。また、EIT2303は参照する側であるため、イベントグループ記述子2341には、参照される側の情報(service_id=1及びevent_id=100)のみが記載されている。このような記載内容は、既に規定されており、従来のデジタルテレビにおいても解釈が可能である。
【0160】
さらに、記述子2342は、コンテント記述子2343及びイベントグループ記述子2344を含んでいる。コンテント記述子2343及びイベントグループ記述子2344は、上記実施の形態で示したコンテント記述子343及びイベントグループ記述子344と同様の記載内容である。つまり、これら記載内容は、新たな記述内容が追加されているため、従来のデジタルテレビでは解釈できない内容である。
【0161】
しかしながら、従来のデジタルテレビで解釈することのできる記述子2340の後に、従来のデジタルテレビでは解釈できない記述子2342を配置することで、従来のデジタルテレビは、記述子2340の内容から、service_id=2に係る番組は、service_id=1に係る番組とイベント共有されていると解釈する。
【0162】
ここで、記述子2342を解釈することのできるデジタルテレビ、及び記述子2342を解釈することができない、従来のデジタルテレビそれぞれにおけるEPGでの番組の表示例を、
図14に示す。
【0163】
図14(a)は、記述子2342を解釈することのできるデジタルテレビで表示されるEPG500の一例を示している。この場合、当該デジタルテレビでは、記述子2342を解釈することで、EPG500において、上記実施の形態と同様に、2D番組としての“野球中継”501、及び3D番組としての“野球中継”502が、それぞれ区別して表示される。
【0164】
図14(b)は、従来のデジタルテレビで表示されるEPG550の一例を示している。この場合、従来のデジタルテレビでは、記述子2342を解釈できないので当該記述子2342の記述内容は無視される。そして、EPG550では、解釈された記述子2340のイベントグループ記述子2341でのイベント共有の記載内容に基づいて、1つの番組(2D番組としての野球中継)551のみが表示される。
【0165】
2.7 変形例3
図15は、デジタルテレビにおけるEPGの表示について、
図8とは異なる表示例を示すものである。
【0166】
上記実施の形態で説明したように、2D番組と3D番組とのサイマル放送の際、番組情報としては、各編成チャンネルに2D番組に対応する番組情報と3D番組に対応する番組情報がそれぞれ1つのTS300に含まれて送信されている。
【0167】
TS300を受信したデジタルテレビが3D方式に対応している場合には、EPGを
図8にて示すような形式表示しても問題はない。
【0168】
一方、3D方式に非対応のデジタルテレビならば、デジタルテレビは3D放送を再生することができない。番組が3D映像を含むかどうかということは、当該番組の番組情報であるEITの中のコンテント記述子で「3D映像=有」の記述を検知することで識別することができる。3D方式に非対応のデジタルテレビが、「3D映像=有」の記述を検知した際に、3D視聴できない旨をユーザに明示することが考えられる。
【0169】
そこで、
図15に示すように、放送中の当該番組の3D方式に非対応テレビのEPG600では、2D番組としての“野球中継”601と3D番組としての“野球中継”602との表示について色分けし、3D番組については当該デジタルテレビでは視聴できないことを明示する。すなわち色を変えることによってユーザに当該番組が3Dであること、および視聴不可であることをユーザに対して示すことができる。
【0170】
なお、放送中の3D方式に非対応テレビでは、ユーザが3D番組を選択できないようにEPG選択を制限してもよいが、上述のような色分けをする目的は、ユーザに対して「番組が3D放送である」、という事実を認知させることにあるため、ユーザはEPGから3D番組を選択できてもかまわない。
【0171】
選択可能とする場合において、ユーザが3D方式に非対応のデジタルテレビで3D番組を選択したときのデジタルテレビの動作は、上記実施の形態と同様となるので、ここでの説明は省略する。
【0172】
また別の表示方法として、
図16に示すように、3D方式非対応テレビで3D番組を再生できない場合には、そもそもEPGには表示しないようにしてもよい。
【0173】
サービス2の野球中継における番組情報には、「3D映像=有」を示す情報と3D方式を示す情報を含んでいる。これらの情報から、サービス2の野球中継の番組がSBS方式の3D番組であることが判別できる。また、番組情報にサイマル放送が存在して、関連付ける情報としてチャンネルIDと番組IDから、サービス1の野球中継の番組へのリンク情報を有している。
【0174】
以上から、当該デジタルテレビが3D放送方式に非対応のとき、視聴できない3D番組をEPG上に表示する代わりに、サービス1の2D放送の野球中継の番組651が再生されるように、EPG650の番組欄を連結して表示させてもよい(
図15参照)。
【0175】
この表示方法では、ユーザは視聴可能なものだけを目にするため、無用な混乱を与えることはない。
【0176】
しかしながら、実際には3D放送が存在しているにもかかわらず、ユーザに3D放送を提示しないことは、ユーザの機会を逸することにもなる。その点では前者(2D番組と3D番組とを色分けして表示する方法)は、3D番組が放送されていることをユーザに周知できるため、3D番組視聴への関心を与える一助ともなる。
【0177】
2.8 変形例4
ここでは、3D放送の放送形態としてイベントリレー放送を実施する際の、番組情報を関連付ける方法について説明する。
【0178】
イベントリレー放送(以下、リレー放送と呼ぶ)とは、番組コンテンツの途中で異なる編成チャンネル(サービス)を跨いで継続的に放送する放送形態である。
【0179】
図17では、野球中継の番組を例にとり、同一チャンネルにおけるサービス1とサービス2との間でリレー放送するときの番組情報を示している。なお、
図17に示す野球中継の番組はサイドバイサイド(SBS)方式による3D放送である。
【0180】
また、説明の便宜上、サービス1にて18:00〜19:00の時間で放送される野球中継の番組における番組情報を、第1の番組情報700とし、サービス2にて19:00〜21:00の時間で放送される野球中継の番組における番組情報を、第2の番組情報710とする。
【0181】
第1の番組情報700と第2の番組情報710には、それぞれの番組を識別するための番組ID(event_id)が割当てられる。具体的には、第1の番組情報にはイベントIDとして値“300”が、第2の番組情報にはイベントIDとして値“420”が、それぞれ割当てられている。
【0182】
また、第1の番組情報700と第2の番組情報710それぞれに対する番組の放送形態は「3D放送」であって、番組情報から「3D放送」であることを識別可能とするためにコンテント記述子701、711にて3D識別信号が記述されている。例えば、コンテント記述子701には、“content_nibble_level_1=0xE”、“content_nibble_level_2=0x0”、及び“user_nibble=0x20”が記載されている。デジタルテレビは、上記内容を検出することで、番組中に「3D映像あり」ということが判明し「3D放送」であることがわかる。
【0183】
さらに、番組が3D放送である場合、その放送で使用される「3D再生方式」を番組情報に記載する。具体的には、イベントを構成する映像コンポーネントストリーム属性を記述するコンポーネント記述子にて、3D放送で使用される「3D再生方式」を記述する。例えば、コンポーネント記述子のcomponent_typeに「3D再生方式」として”SBS”を表す値を定義して記述することによって、サイドバイサイド(SBS)方式の3D番組であることを表せる。また、MVC方式である場合には、component_typeに“MVC”を表す値を定義して記述する。
【0184】
第1の番組情報700と第2の番組情報710とは、各々番組ID(event_id)で識別される別個の番組であり、上記の「3D放送」であることを示すコンテント記述子701、711及び「3D再生方式」を表すコンポーネント記述子702、712において、各々の番組情報として記載される。
【0185】
一方、第1の番組情報700と第2の番組情報710がリレー放送として継続する番組であるということを関連付ける情報としては、従来の2D放送においてARIB規格(ARIB STD−B10)で規定されている方法と同様に、イベントグループ記述子によるイベントリレー用の参照情報を第1の番組情報に記述する。具体的には、イベントグループ記述子703に含まれるグループ種別で、group_type=2(イベントリレー)を記述すれば、リレー放送にて後続する番組情報へのリンク情報を示すことができる。
【0186】
図17では、第1の番組情報700から第2の番組情報710へのリレー放送を示しており、第1の番組情報700の中に、第2の番組情報710が属するサービス2のチャンネルID(すなわち、service_id=2)と、第2の番組情報710の番組ID(すなわち、event_id=420)を記載している。このグループ種別がイベントリレーであるイベントグループ記述子によって、二つの番組がリレー放送の関係にあることが判明し、第1の番組情報700で示される番組から第2の番組情報710で示される番組へと継続することがわかる。
【0187】
ここで、従来の2D放送におけるリレー放送であれば、リレー放送の番組間で放送形態が変わるということは特に想定はされていなかったが、3D放送になると、同一の番組であっても2D放送と3D放送とのサイマル放送が行われたり、3D放送であってもその方式が異なる(MVC方式やSBS方式といった違いがある)ことも考えられる。そのため、3D放送におけるリレー放送では、リレー放送の番組間において番組の放送形態に違いがあると正しく接続して視聴することができない恐れがある。したがって、3Dのリレー放送ではリレーする前後の番組の放送形態が同じであることが望ましい。
【0188】
図17に示すように、第1の番組情報に記述されるイベントグループ記述子703によって、第1の番組情報700と第2の番組情報710がリレーすることが判明し、且つ、第1の番組情報700に3D識別信号を表すコンテント記述子が存在するならば、第2の番組情報710もまた3D放送であって、3D識別信号を表すコンテント記述子が存在しなければならない。すなわち、3D番組からリレー放送される番組もまた3D番組であるべきである。
【0189】
さらに、第1の番組情報700及び第2の番組情報710それぞれで示される番組がともに3D放送であるときは、それらの3D方式は同一であるように記述されなければならない。ここでは、
図17に示すように、第1の番組情報700のコンポーネント記述子702のcomponent_typeが”SBS”であるとき、第2の番組情報710のコンポーネント記述子712のcomponent_typeもまた”SBS”である。
【0190】
なお、第1の番組情報700が3D識別信号を有していないならば、第2の番組情報710もまた3D識別信号を有すべきではない。ただし、第2の番組情報710が2D再生と互換性のある3D再生方式(例えばMPEG4−MVC方式)ならば、3D識別信号があってもよいが、再生時には2D互換再生されなければならない。
【0191】
以上のようにすることにより、3D番組のリレー放送においてもスムーズな番組視聴の継続が実現できる。
【0192】
なお、上述するイベントリレー番組を録画するレコーダでは、リレー放送される2つの番組を1つの番組として連結して記録することもできる。このとき2つの異なる編成チャンネルに跨ったストリーム間で放送形態が変わらないことにより、レコーダはストリームの単純な結合だけでよく、容易な実装にてユーザにスムーズな視聴の提供を保証することができる。
【0193】
以上が3D放送のイベントリレー放送における番組情報を関連付ける方法について説明である。
【0194】
3.その他の変形例
また、上記各実施の形態などに限らず、例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0195】
(1)上記実施の形態では、受信再生装置の一例としてデジタルテレビであるとしたが、これに限定されない。受信再生装置は、DVDレコーダ、BD(Blu−ray Disc)レコーダやセットトップボックス等、トランスポートストリームを受信し、再生する装置であればよい。
【0196】
(2)上記実施の形態において、3D再生方式は、PMTに記載されるとしたが、これに限定されない。
【0197】
3D再生方式は、EITのコンポーネント記述子に記載してもよい。
【0198】
(3)上記実施の形態において、
図10に示す受信再生装置の動作は、一例であり、同図に示す動作に限定されない。
【0199】
図10に示す各ステップが部分的に実用化、運用されてもよい。例えば、ステップS115では3D再生方式の違いによる再生方法を分岐しているが、当該ステップを省略し、ステップS120による分岐を行う、つまり2Dサイマル方法が存在するか否かによってだけで2D再生する番組が切替えられてもよい。
【0200】
(4)上記実施の形態において、
図10に示す動作は、視聴再生時に適用しているが、これに限定されない。
【0201】
当該動作を、予約録画機能を備えるレコーダに対しても適用してもよい。すなわち、ユーザが予約録画した番組が3D番組であったとき、レコーダが3D再生方式に対応しなければ同様の手順にて2D番組を選局して録画すればよい。
【0202】
(5)同じ番組内容であって、2Dと3Dの違いのみの2つの番組情報を紐付けるリンク情報としては、必ずしも同時刻に放送されることに限定されるものではなく、異なる時間帯に放送される2つの番組情報間で2Dと3Dを振り替えることができてもよい。
【0203】
これは予約録画機能を備えるレコーダにおいて、3D視聴に非対応の場合には、ユーザが3D番組を予約録画したとしても録画可能な2D番組に自動的に切替えて録画を実行する機能として有効である。
【0204】
(6)上記実施の形態において、サイマル放送の関係にある2つ以上の番組の関連付けを、イベントグループ記述子を用いて行ったが、これに限定されない。
【0205】
サイマル放送の関係にある2つ以上の番組を関連付けるものとして新たな構造の記述子を利用してもよい。
【0206】
また、サイマル放送の番組情報間を双方向に参照することもできるが、番組間に主従関係を定義して一方向に参照づけする方法であってもよい。例えば、2D番組と3D番組のサイマル放送に対して、2D番組を主放送、3D番組を従属放送と定義したときは、従属放送である3D番組の番組情報にだけイベントグループ記述子を主放送である2D番組への参照情報を記述する方法もある。
【0207】
また、サイマル放送の関係にある2D番組及び3D番組の関連付けにおいて、上記実施の形態では、双方向に関連付けを行ったが、関連付けは少なくとも3D番組から2D番組への関連付けがなされていればよい。
【0208】
(7)上記実施の形態では、放送波としてサイマル放送を配信する際における2D番組と3D番組との紐付けを行ったが、これに限定されない。
【0209】
放送波として配信されるサイマル放送だけでなく、PC(Personal computer)による配信、IP(Internet Protocol)放送、及びVOD(Video ON Demand)によるサイマル放送について、2D番組と3D番組との紐付けを行ってもよい。
【0210】
この場合の紐付け方法として、リンク先の番組が格納されている場所を示すURL(Uniform Resource Locator)を用いる。
【0211】
当該URLは、番組が配信されるストリーム中に、当該番組とともに記述されてもよいし、番組表を構成するファイルに記述されてもよい。
【0212】
または、URLやイベントグループ記述子などの紐付け情報により、放送、PC(Personal computer)による配信、IP(Internet Protocol)放送、及びVOD(Video ON Demand)といった異なる配信形態間で番組の紐付けを行ってもよい。
【0213】
この場合、紐付け情報を用いて、視聴環境(テレビ、PC、モバイル端末等)に応じて最適な放送(ストリーム)を選択できるようにしてもよい。
【0214】
(8)上記実施の形態では、3D番組が視聴できないデジタルテレビで、3D番組が視聴対象の番組として選択された場合に、リンク情報を用いて2D番組への切り替えを行うことを説明した。
【0215】
リンク情報の利用は、上記の場合に限られない。
【0216】
例えば、3D視聴が可能なデジタルテレビにおいて、サイマル放送における2D番組を視聴中に、リモコンのボタン等で2D視聴から3D視聴への切り替え指示があった場合には、視聴中の2D番組に対応するEITに記載されたリンク情報を用いて、サイマル放送における3D番組への切り替えを行ってもよい。
【0217】
または、3D視聴が可能なデジタルテレビにおいて、EPGに、2D番組と3D番組とからなるサイマル放送が表示されている場合、2D番組が選択されると、リンク情報を用いて3D番組へと優先的に切り替えてもよい。
【0218】
(9)上記実施の形態において、EIT302、303の生成、特にイベントグループ記述子333、344の生成は、例えば、EITを生成する装置(送信装置100又は外部の装置)において、パラメータ変数として、“group_type”、“service_id”及び“event_id”を予め記憶しておき、これらパラメータ変数に対する情報をユーザから受け付けることで行ってもよい。また、上記生成の方法は、一例であり他の方法であってもよい。
【0219】
なお、イベントグループ記述子333、344に記載内容以外は、従来の記載内容となんら変更はないため、説明は省略する。
【0220】
(10)本実施の形態では、2D放送方式と3D放送方式とのサイマル放送を想定しているが、本発明が適用されるのは、どのような組み合わせの放送方式でのサイマル放送であってもよい。
【0221】
本発明の本質とするところは、新しい放送方式が運用されるときに、現行の放送方式で継続視聴する視聴者に対して、映像品質を落とすことなく後方互換性を保ってサービスを提供することである。
【0222】
例えば、今後提供が期待されるものとしては、現行方式の映像解像度であるFull HD(1920×1080)に対して、それを上回るより高画質高精細な4K2K解像度や8K4K解像度の映像サービスを提供するものがある。
【0223】
この場合、2D方式/3D方式のサイマル放送の場合と同じようにして、Full HD方式/4K2K方式のサイマル放送、あるいは、Full HD方式/8K4K方式のサイマル放送が運用される可能性がある。このとき、本発明における3D放送方式が4K2K方式に置き換えられたとしてもなんらその作用、効果に変わりはなく、後方互換性を確保する手段として有効である。
【0224】
(11)上記実施の形態において、解像度がHalf HDとなる3D映像の一例としてSBS方式を用いたが、解像度がHalf HDとなる3D映像はこれに限定されない。例えば、左目用映像と右目用映像をそれぞれ垂直方向に1/2に圧縮した映像を2つ縦に並べる方式であるトップアンドボトム方式であってもよい。
【0225】
また、2D再生との互換性のある方式としてMVCを用いたが、2D再生との互換性のある方式はこれに限定されない。例えば、MPEG2形式により生成されたデュアルストリームであってもよい。デュアルストリームとは、互いに独立した左目用のストリームと右目用のストリームとからなるものである。
【0226】
(12)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0227】
(13)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個の集積回路から構成されているとしてもよい。
【0228】
(14)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。
【0229】
(15)上記の実施の形態及び変形例で説明した手法の手順を記述したプログラムをメモリに記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)などがメモリからプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行することによって、上記の手法が実現されるようにしてもよい。
【0230】
また、当該手法の手順を記述したプログラムを記録媒体に格納して、頒布するようにしてもよい。なお、上記プログラムを記憶する媒体としては、例えば、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。
【0231】
(16)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0232】
4.まとめ
近年、デジタルテレビ放送において3D番組の放送が拡大しつつあるが、3Dの視聴環境が整っていないデジタルテレビでは、ユーザ操作により視聴すべき番組として3D番組が選択された場合、3D番組として放送された各映像を2D表示のよる再生を行うこととなる。
【0233】
そこで、同一の番組内容に対して、2D再生と3D再生の両方をサポートすることが要件として求められる。このとき、2D表示する際には、Full HDの映像として再生するのが望ましい。そのため、放送局側(送信装置側)では、上記実施の形態で示すように、同一の番組内容に対して2D再生用の番組と3D再生用の番組の2つの番組をサイマル放送により放送する。
【0234】
また、3D番組に対するPSI/SIのような番組配列情報の中にはコンテンツ内容を記載する記述子にて当該番組が3D映像を含むかどうかを識別する3D映像識別信号が含まれている。そこで、デジタルテレビがEPGを画面に表示する際には、3D映像識別信号を検出して、EPG上に3D番組であることを明示するために利用することができる。
【0235】
サイマル放送により、同一内容の番組について2D用の番組と3D用の番組とが同一時刻で放送される場合には、3D映像識別信号の有無に応じて、EPGでは、例えば
図8のように、2D番組と3D番組の両方を区別して表示し、サイマル放送が行われていることを視覚的に示す必要がある。なぜなら、現状では、各ユーザの視聴環境としては、3D対応テレビと3D非対応テレビは入り混じって存在し、同じ番組でもさまざまな視聴形態で視聴されるケースが今後あり続けると考えられるからである。
【0236】
3D再生に非対応であるデジタルテレビ(以下、3D非対応テレビという。)及び3D再生に対応したデジタルテレビ(以下、3D対応テレビという。)の双方において、EPG上に2D番組と3D番組の両方を区別して表示してもなんら問題はない。
【0237】
3D対応デジタルテレビでは、3D番組があることをEPGにてユーザに明示することによって、ユーザは3D番組を容易に視聴することができる。
【0238】
しかしながら、3D非対応テレビでは、ユーザが3D番組の存在を知り得ても3D番組を視聴再生することはできないので、ユーザに3D番組を選択できないように操作を禁止させることもできるが、ユーザの不便を排除するため3D番組をEPGから選択することを許可することも考えられる。ただし、EPGから3D番組を選択したとしても3D番組を視聴再生することはできないので、3D映像を2D表示することとなる。
【0239】
3D番組の映像がMPEG4−MVC方式のようにFull HDでかつ2Dと互換性のあるストリームならば、3D放送番組用に送信されるストリームをそのまま2D映像にて再生しても、2D映像の画質と同様の画質で視聴することができる。
【0240】
一方、SBS方式の3D映像の場合、SBS映像は2D化して表示すると解像度が本来のFull HDに対して1/2に落ちてしまう。そのため、このときは2D視聴するユーザと比較して、画質の悪い映像で視聴することとなる。
【0241】
そこで、上記実施の形態で示すように、3D非対応テレビでの視聴においては、編成チャンネル上において3D放送と同じ番組を2D番組として同時放送(サイマル放送)されていれば、サイマル放送における2D番組に切替えて視聴再生すればよい。これにより、画質を落とすことなく、Full HDの2D番組をユーザに視聴させることができる。
【0242】
本実施の形態では、ユーザに2D番組のサイマル放送に切替えることを意識させることなく、デジタルテレビが自動的に選局して切替える仕組みを導入している。
【0243】
具体的には、トランスポートストリーム中のEITに、2D番組と3D番組の双方の番組情報にサイマル放送番組であることを関連付けるリンク情報(紐付け情報)を付加する。
【0244】
リンク情報が付加された場合であっても、EPG上の表示においては、2D番組と3D番組とは編成チャンネルも異なり、番組情報としても独立であるため、個別に表示されることも許される。そのため、2D番組と3D番組とのサイマル放送を実施するとき、EPG上は、2つのチャンネルそれぞれに2D放送用と3D放送用の同じ番組が、それぞれ表示されることになる。
【0245】
このとき、本実施の形態では、2D番組を視聴するユーザの操作としては当該番組をEPG上から選択する際、表示される2D番組と3D番組のいずれを選んでもなんら問題はない。なぜなら、3D非対応テレビにおいて、ユーザがEPGから3D番組の項目を選択したとしても、3D非対応テレビでは、リンク情報を利用して、自動的にサイマル放送における2D番組にリンクさせることができ、2D番組を再生するからである。
【0246】
このように、本実施の形態では、2D番組と3D番組とのサイマル放送が実施される場合には、送信装置が、2D番組と3D番組の双方の番組情報にサイマル放送番組であることを関連付けるリンク情報を送信することで、受信再生装置では、ユーザが3D番組を選択した場合であっても、リンク情報を用いることで、ユーザに2D番組のサイマル放送に切替えることを意識させることなく、2D番組を再生することができる。
【0247】
6.補足
(1)本発明の一態様は、送信装置であって、サイマル放送における3D用ストリームへのアクセスに係る3D用アクセス情報、及び当該サイマル放送における2D用ストリームへのアクセスに係る2D用アクセス情報の双方を保持している保持手段と、前記3D用アクセス情報、及び前記2D用アクセス情報の双方を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0248】
この構成によると、送信装置は、サイマル放送における3D用アクセス情報及び2D用アクセス情報の双方を出力する。そのため、2Dストリームの再生を行う装置では2D用アクセス情報を、3D用ストリームの再生を行う装置では3D用アクセス情報を、それぞれ利用することで、自身の視聴環境に応じた再生を行うことができる。なお、2D用アクセス情報とは、上記実施の形態における、2D番組に対するEITの記述内容、及び3D番組に対するEITで記述されたリンク情報の双方の概念を含むものである。また、保持手段は、上記実施の形態における番組配列情報格納部109に相当するものであり、送信手段は、上記実施の形態における多重化部107及び送信部108の組み合わせに相当するものである。
【0249】
(2)ここで、前記3D用ストリームは、MPEG2−TS形式のストリームであり、前記保持手段は、前記3D用アクセス情報及び前記2D用アクセス情報の双方ともが記載された、前記3D用ストリームに対応するEIT(Event Information Table)を保持し、前記送信手段は、 前記3D用ストリームと、前記EITとが少なくとも多重化されたデータストリームを送信するとしてもよい。
【0250】
この構成によると、送信装置は、3D用アクセス情報及び2D用アクセス情報の双方を、3D用ストリームに対応するEITに含めている。そのため、2D用ストリームの再生を行う装置において、前記EITの内容に基づいて表示されたEPGから3D用ストリームが選択されたとしても、3D用ストリームから2D用ストリームへの切替えることをユーザに意識させることなく、2D用アクセス情報を用いて前記2D用ストリームにアクセスさせることができる。
【0251】
(3)ここで、前記データストリームには、当該データストリーム中の3D用ストリームにおける各フレームの再生方式について、1つの視点の映像から構成されているフレームの再生方式であるか、複数の視点の各映像からなるフレームの再生方式であるかを示す3D再生方式情報が含まれるとしてもよい。
【0252】
この構成によると、送信装置は、データストリームに3D再生方式を含めて送信している。これにより、送信装置は、2D用ストリームの再生を行う装置で3D用ストリームが選択された場合、3D再生方式が示す再生方式に応じて3D用ストリーム及び2D用ストリームの何れかを、2D用ストリームの再生を行う装置に選択させることができる。なぜなら、再生方式が1つの視点の映像から構成されたフレームの再生方式を示す場合には、当該1つの視点の映像の解像度と、2D用ストリームの映像の解像度とは同等であるため、3D用ストリームから1つの視点の映像を再生しても2D用ストリームの再生と画質面で同じとなる。また、再生方式が複数の視点の映像から構成されたフレームの再生方式を示す場合には、3D用ストリームの映像の解像度は、2D用ストリームの映像の解像度よりも低いため、2D用ストリームを再生させることで、高画質の画像を提供することができるからである。
【0253】
(4)ここで、前記3D用アクセス情報は、前記EITにおいて、前記2D用アクセス情報の後に配置されているとしてもよい。
【0254】
この構成によると、送信装置は、3D用ストリームに対するEITにおいて、3Dアクセス情報を2Dアクセス情報の後に配置して送信しているので、3Dアクセス情報を解釈できない受信側の装置に対して、当該EITを解釈させる際には必ず先に2Dアクセス情報を解釈させることができる。
【0255】
(5)また、本発明の一態様は、配信されたストリームを受信し、2D映像の再生を行う受信再生装置であって、ユーザからの操作により受信再生すべきストリームの選択を受け付ける受付部と、2D用ストリーム及び3D用ストリームによるサイマル放送が配信されているか否かを判別するためのサイマル放送判別情報を受信する受信手段と、前記受付部が受信再生すべきストリームとして3D用ストリームの選択を受け付けた場合、前記サイマル放送判別情報を用いて当該3D番組に対応する2D番組がサイマル放送として配信されているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果が肯定的である場合には、前記サイマル放送における2D用ストリームの再生を行い、前記判断手段の判断結果が否定的である場合には、前記サイマル放送における3D用ストリームで2D表示するよう再生を行う再生手段とを備えることを特徴とする。
【0256】
この構成によると、受信再生装置は、3D用ストリームが選択されても、サイマル放送として2D用ストリームが配信されている場合には、当該2D用ストリームの再生を行う。これにより、受信再生装置は、3D用ストリームの選択の指示を受け付けた場合であっても、再生対象のストリームを3D用ストリームから2D用ストリームへの切替えることをユーザに意識させることなく行うことができる。ここで、受付部は、上記実施の形態における選択番組解析部213におけるユーザからの指示を受け付ける機能に相当する。受信手段は、チューナ201に相当し、判断手段は、選択番組解析部213におけるサイマル放送の有無を判断する機能に相当する。さらに、再生手段は、多重分離部202、映像デコード部205、音声デコード部206、映像処理部207及び表示部208の組み合わせに相当する。
【0257】
(6)ここで、前記サイマル放送判別情報は、MPEG2−TS形式のデータストリームに含まれる前記3D用ストリームに対応するEIT(Event Information Table)であり、前記EITには、2D用ストリーム及び3D用ストリームによるサイマル放送が提供される場合には、当該サイマル放送における3D用ストリームへのアクセスに係る3D用アクセス情報、及び当該サイマル放送における2D用ストリームへのアクセスに係る2D用アクセス情報の双方が記載されており、前記判断手段は、前記EITに2D用アクセス情報が記載されているか否かを判断し、前記再生手段は、前記判断手段で前記EITに2D用アクセス情報が記載されていると判断される場合には前記2D用アクセス情報を用いて前記2D用ストリームにアクセスし、前記判断手段で前記EITに2D用アクセス情報が記載されていないと判断される場合には前記3D用アクセス情報を用いて前記3D用ストリームにアクセスするとしてもよい。
【0258】
この構成によると、受信再生装置は、EITの記載内容に基づいて表示されたEPGから3D用ストリームが選択されたとしても、3D用ストリームから2D用ストリームへの切替えることをユーザに意識させることなく、2D用アクセス情報を用いて前記2D用ストリームにアクセスすることができる。
【0259】
(7)ここで、前記判断手段は、前記判断に先立って、前記3D用ストリームにおける各フレームが、1つの視点の映像から構成されているか、複数の視点の各映像から構成されているかを判断し、前記再生手段は、前記3D用ストリームにおける各フレームが1つの視点の映像から構成されていると判断される場合、前記3D番組に対応する2D番組がサイマル放送として配信されているかにかかわらず、当該3D番組についての3D用ストリームを2D表示するよう再生するとしてもよい。
【0260】
この構成によると、受信再生装置は、サイマル放送の有無を判断する前に、3D用ストリームの各フレームの構成形態を判断している。これにより、受信再生装置は、EPGから3D用ストリームが選択されたとしても、3D用ストリームから2D用ストリームへの切替えを行わずとも、2D用ストリームの映像の解像度と同等の解像度の映像を2D表示で表示するよう再生することができる。なぜなら、3D用ストリームの各フレームが1つの視点の映像から構成されている場合には、当該1つの視点の映像の解像度と、2D用ストリームの映像の解像度とは同等であるため、3D用ストリームから1つの視点の映像を2D映像として再生しても2D用ストリームの再生と画質面で同じとなるからである。