特許第5981922号(P5981922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5981922金融商品を自動的に定義する装置、方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981922
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】金融商品を自動的に定義する装置、方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20160818BHJP
【FI】
   G06Q40/04
【請求項の数】34
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-532312(P2013-532312)
(86)(22)【出願日】2011年10月10日
(65)【公表番号】特表2013-544390(P2013-544390A)
(43)【公表日】2013年12月12日
(86)【国際出願番号】IB2011054461
(87)【国際公開番号】WO2012049614
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年10月9日
(31)【優先権主張番号】61/391,647
(32)【優先日】2010年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513088054
【氏名又は名称】スーパーデリバティブズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】ガーション,デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ザーフラニー,オメル
(72)【発明者】
【氏名】マルシアノ,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】シェイクド ギッシュ,アダム
【審査官】 佐藤 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−514043(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/093243(WO,A2)
【文献】 特表2011−510416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融派生商品を自動的に定義するコンピュータベースの方法であって、前記方法は、
複数の予め定義された金融派生商品タイプに対応するパラメータ情報をストレージ中に記憶することであって、前記パラメータ情報は、予め定義された金融派生商品タイプに対する、前記予め定義された金融派生商品タイプを定義するための複数の金融商品パラメータと、前記複数の金融商品パラメータのうちのあるパラメータに対する、前記パラメータを定義するための複数の可能性ある入力パターンとを含むことと、
コンピューティング装置によって、一連の複数の入力トークンを含む入力シーケンスを受け取ることと、
前記複数の入力トークンに基づいて、前記入力シーケンスにより定義されることになる前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することと、
前記識別されたタイプに対応する複数の取得された金融商品パラメータを取得するために、前記識別されたタイプに基づいて、前記ストレージにアクセスすることと、
複数の異なるマッピング組み合わせを決定し、マッピング組み合わせは、前記複数のトークンの前記複数の取得された金融商品パラメータに対する異なるマッピングを含み、前記複数の異なるマッピング組み合わせを決定することは、取得されたパラメータに対応する少なくとも1つの可能性ある入力パターンに基づいて、1つ以上の前記トークンを、前記取得されたパラメータにマッピングすることを含むことと、
前記複数のマッピング組み合わせから選択されたマッピング組み合わせを決定することと、
前記選択されたマッピング組み合わせにしたがって、前記複数の取得された金融商品パラメータの複数のパラメータ値を決定することと、
前記複数のパラメータ値に基づいて、前記金融派生商品を定義する出力を生成することとにより、
前記入力シーケンスに基づいて、前記コンピューティング装置により前記金融派生商品を定義することとを含む方法。
【請求項2】
前記選択されたマッピング組み合わせを決定することは、
1つ以上のランキング基準にしたがって、前記複数のマッピング組み合わせに対する複数のランクを割り当てることと、
前記複数のランクに基づいて、前記複数のマッピング組み合わせからの前記選択されたマッピング組み合わせを決定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の取得された金融商品パラメータに対応する複数の優先度の値を前記ストレージから取得することと、
2つ以上の取得されたパラメータの優先度の値に基づいて、前記複数のトークンを、前記2つ以上の取得されたパラメータにマッピングして、マッピング組み合わせをランキングすることと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することは、前記複数のトークンのパターンに基づいて前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することを含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記トークンの1つ以上を、前記取得されたパラメータにマッピングすることは、
前記取得されたパラメータに対応する複数の可能性ある入力パターンを前記ストレージから取得することと、
前記取得されたパラメータに対応する前記複数の可能性ある入力パターンのうちの、ある可能性ある入力パターンと、2つ以上のトークンのパターンとの間のマッチングに基づいて、前記2つ以上のトークンを、前記取得されたパラメータにマッピングすることと
を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の取得された金融商品パラメータは、前記複数の入力トークンの何らかのものによって表されない少なくとも1つのパラメータを含み、前記方法は、前記少なくとも1つのパラメータの値を決定することと、前記少なくとも1つのパラメータの前記決定された値に基づいて、前記金融派生商品を定義する出力を生成することとを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
従前に定義された金融派生商品に対する前記パラメータの従前の値に基づいて、前記少なくとも一つのパラメータの値を決定することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パラメータの予め構成された値に基づいて、前記少なくとも1つのパラメータの値を決定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記入力シーケンス中の前記トークンの順位とは無関係に前記金融派生商品を定義することを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記入力シーケンスを受け入れることは、前記複数の入力トークンを含む単一テキスト行の受け入れを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記入力シーケンスを受け入れることは、前記複数の入力トークンを含む音声メッセージを受け入れることを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記入力シーケンスに基づいて定義された前記金融派生商品の取引を表す取引情報を生成することを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の金融商品パラメータは、タイプパラメータ、クラスパラメータ、コールパラメータ、プットパラメータ、ストライクパラメータ、トリガーパラメータ、満了パラメータ、量パラメータ、通貨パラメータ、および通貨ペアパラメータのうちの一つ以上を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
複数の予め定義された金融派生商品タイプに対応するパラメータ情報を記憶するストレージであって、前記パラメータ情報は、予め定義された金融派生商品タイプに対する、前記予め定義された金融派生商品タイプを定義するための複数の金融商品パラメータと、前記複数の金融商品パラメータのうちのあるパラメータに対する、前記パラメータを定義するための複数の可能性ある入力パターンとを含むストレージと、
その上に命令を記憶しているメモリと、
前記命令を実行して商品定義アプリケーションを実行するプロセッサと、を備えるシステムにおいて
前記商品定義アプリケーションは、一連の複数の入力トークンを含む入力シーケンスを受け入れ、
前記複数の入力トークンに基づいて、前記入力シーケンスにより定義されることになる前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することと、
前記識別されたタイプに対応する複数の取得された金融商品パラメータを取得するために、前記識別されたタイプに基づいて、前記ストレージにアクセスすることと、
複数の異なるマッピング組み合わせを決定し、マッピング組み合わせは、前記複数のトークンの前記複数の取得された金融商品パラメータに対する異なるマッピングを含み、前記複数の異なるマッピング組み合わせを決定することは、取得されたパラメータに対応する少なくとも1つの可能性ある入力パターンに基づいて、1つ以上の前記トークンを、前記取得されたパラメータにマッピングすることを含むことと、
前記複数のマッピング組み合わせから選択されたマッピング組み合わせを決定することと、
前記選択されたマッピング組み合わせにしたがって、前記複数の取得された金融商品パラメータの複数のパラメータ値を決定することと、
前記複数のパラメータ値に基づいて、前記金融派生商品を定義する出力を生成することとにより、
前記入力シーケンスに基づいて金融派生商品を定義するように構成されているシステム。
【請求項15】
前記商品定義アプリケーションは、
1つ以上のランキング基準にしたがって、前記複数のマッピング組み合わせに対する複数のランクを割り当てし、
前記複数のランクに基づいて、前記複数のマッピング組み合わせからの前記選択されたマッピング組み合わせを決定する
ように構成されている、請求項14に記載したシステム。
【請求項16】
前記商品定義アプリケーションは、
前記複数の取得された金融商品パラメータに対応する複数の優先度の値を前記ストレージから取得し、
2つ以上の取得されたパラメータの優先度の値に基づいて、前記複数のトークンを、前記2つ以上の取得されたパラメータにマッピングして、マッピング組み合わせをランキングする
ように構成されている、請求項15に記載したシステム。
【請求項17】
前記商品定義アプリケーションは、前記複数のトークンのパターンに基づいて前記金融派生商品の前記識別されたタイプを決定するように構成されている、請求項14に記載したシステム。
【請求項18】
前記商品定義アプリケーションは、
前記取得されたパラメータに対応する複数の可能性ある入力パターンを前記ストレージから取得し、
前記取得されたパラメータに対応する前記複数の可能性ある入力パターンのうちの、ある可能性ある入力パターンと、2つ以上のトークンのパターンとの間のマッチングに基づいて、前記2つ以上のトークンを、前記取得されたパラメータにマッピングする
ように構成されている、請求項14ないし17のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項19】
前記複数の取得された金融商品パラメータは、前記複数の入力トークンの何らかのものによって表されない少なくとも1つのパラメータを含み、前記商品定義アプリケーションは、前記少なくとも1つのパラメータの値を決定し、前記少なくとも1つのパラメータの前記決定された値に基づいて、前記金融派生商品を定義する出力を生成するように構成されている、請求項14ないし17のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項20】
前記商品定義アプリケーションは、従前に定義された金融派生商品に対する前記パラメータの従前の値に基づいて、前記少なくとも一つのパラメータのを決定するように構成されている、請求項19に記載したシステム。
【請求項21】
前記商品定義アプリケーションは、前記パラメータの予め構成された値に基づいて、前記少なくとも1つのパラメータの値を決定するように構成されている、請求項19に記載したシステム。
【請求項22】
前記商品定義アプリケーションは、前記入力シーケンス内の前記トークンの順位とは無関係に前記金融派生商品を定義するように構成されている、請求項14ないし17のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項23】
前記入力シーケンスは、前記複数の入力トークンを含む単一テキスト行を含む、請求項14ないし17のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項24】
前記商品定義アプリケーションは、前記入力シーケンスに基づいて定義された前記金融派生商品の取引を表す取引情報を生成するように構成されている、請求項14ないし17のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項25】
前記複数の金融商品パラメータは、タイプパラメータ、クラスパラメータ、コールパラメータ、プットパラメータ、ストライクパラメータ、トリガーパラメータ、満了パラメータ、量パラメータ、通貨パラメータ、および通貨ペアパラメータのうちの一つ以上を含むことを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項26】
その上に命令を記憶している機械で読み取り可能な媒体であって、
前記命令はマシンにより実行されると、
複数の予め定義された金融派生商品タイプに対応するパラメータ情報をストレージ中に記憶することであって、前記パラメータ情報は、予め定義された金融派生商品タイプに対する、前記予め定義された金融派生商品タイプを定義するための複数の金融商品パラメータと、前記複数の金融商品パラメータのうちのあるパラメータに対する、前記パラメータを定義するための複数の可能性ある入力パターンとを含むことと、
コンピューティング装置によって、一連の複数の入力トークンを含む入力シーケンスを受け取ることと、
前記複数の入力トークンに基づいて、前記入力シーケンスにより定義されることになる前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することと、
前記識別されたタイプに対応する複数の取得された金融商品パラメータを取得するために、前記識別されたタイプに基づいて、前記ストレージにアクセスすることと、
複数の異なるマッピング組み合わせを決定し、マッピング組み合わせは、前記複数のトークンの前記複数の取得された金融商品パラメータに対する異なるマッピングを含み、前記複数の異なるマッピング組み合わせを決定することは、取得されたパラメータに対応する少なくとも1つの可能性ある入力パターンに基づいて、1つ以上の前記トークンを、前記取得されたパラメータにマッピングすることを含むことと、
前記複数のマッピング組み合わせから選択されたマッピング組み合わせを決定することと、
前記選択されたマッピング組み合わせにしたがって、前記複数の取得された金融商品パラメータの複数のパラメータ値を決定することと、
前記複数のパラメータ値に基づいて、前記金融派生商品を定義する出力を生成することとにより、
前記入力シーケンスに基づいて、前記コンピューティング装置により前記金融派生商品を定義することとを引き起こす、機械で読み取り可能な媒体。
【請求項27】
前記選択されたマッピング組み合わせを決定することは、
1つ以上のランキング基準にしたがって、前記複数のマッピング組み合わせに対する複数のランクを割り当てることと、
前記複数のランクに基づいて、前記複数のマッピング組み合わせからの前記選択されたマッピング組み合わせを決定することと、
を含む、請求項26に記載機械で読み取り可能な媒体。
【請求項28】
前記複数の取得された金融商品パラメータに対応する複数の優先度の値を前記ストレージから取得することと、
2つ以上の取得されたパラメータの優先度の値に基づいて、前記複数のトークンを、前記2つ以上の取得されたパラメータにマッピングして、マッピング組み合わせをランキングすることと、
を含む、請求項27に記載の機械で読み取り可能な媒体。
【請求項29】
前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することは、前記複数のトークンのパターンに基づいて前記金融派生商品の識別されたタイプを決定することを含むことを特徴とする請求項26に記載機械で読み取り可能な媒体。
【請求項30】
前記トークンの1つ以上を、前記取得されたパラメータにマッピングすることは、
前記取得されたパラメータに対応する複数の可能性ある入力パターンを前記ストレージから取得することと、
前記取得されたパラメータに対応する前記複数の可能性ある入力パターンのうちの、ある可能性ある入力パターンと、2つ以上のトークンのパターンとの間のマッチングに基づいて、前記2つ以上のトークンを、前記取得されたパラメータにマッピングすることと
を含む請求項26ないし29のいずれか1項に記載機械で読み取り可能な媒体。
【請求項31】
前記複数の取得された金融商品パラメータは、前記複数の入力トークンの何らかのものによって表されない少なくとも1つのパラメータを含み、前記命令は実行されると、前記少なくとも1つのパラメータの値を決定することと、前記少なくとも1つのパラメータの前記決定された値に基づいて、前記金融派生商品を定義する出力を生成することとを引き起こす、請求項26ないし29のいずれか1項に記載機械で読み取り可能な媒体。
【請求項32】
前記命令は実行されると、前記入力シーケンス内の前記トークンの順位とは無関係に前記金融派生商品を定義することを引き起こす、請求項26ないし29のいずれか1項に記載機械で読み取り可能な媒体。
【請求項33】
前記入力シーケンスを受け入れることは、前記複数の入力トークンを含む単一テキスト行を受け入れることを含む請求項26ないし29のいずれか1項に記載機械で読み取り可能な媒体。
【請求項34】
前記入力シーケンスに基づいて定義された前記金融派生商品の取引を表す取引情報を生成することを含む、請求項26ないし29のいずれか1項に記載機械で読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
この出願は、2010年10月10日に出願された「金融商品を自動的に定義する装置、方法およびシステム」という題名の米仮特許出願61/391,647の利益およびその優先権を主張する。なお、その開示の全体がこの参照によって、本願明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、全般的に、金融商品に関し、より詳しくは、金融商品を自動的に定めるための装置、方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
金融商品の価格を決めることは、実質的な専門知識および経験を必要とする複雑な技術である。金融商品、例えばオプション取引き、を売買することは、トレーダによって、典型的に実行される高度に複雑な価格設定プロセスを伴う。
【0004】
本出願の文脈の「オプション取引き」という用語は、例えばオプション取引きまたはオプション取引きのような要素を含む任意の金融派生商品として定義される。金融の機器のこのカテゴリはオプションまたはオプション―その他金融手段の任意型を含むことができる。そして、いくつかの下にある資産に関する。本出願で用いる資産には、有形あるいは非有形の、金融あるいは非金融の、例えば株式、通貨、商品、例えば石油、金属または砂糖、金利、金利先渡取引(FRA)、スワップ取引、先物取引、債券、天気(例えばある地域の気温)、電気、ガス放出、預金、抵当権、指標、その他等の価値があるもの全てが含まれる。例えば、本願明細書において、用いるように、オプション取引きは、単一株式での単純なバニラオプション取引きから、その交換性がいくつかのキー(例えば、天気)によって、決まる複雑な交換可能公債にまで及ぶ。
【0005】
本出願の文脈の「交換」という用語は、世界の全体にわたる一つ以上の任意の交換に関し、これらの交換において、売買され得る全ての資産/証券を含む。「取引所に価格を提示する」、「取引所に相場を提示する」等の用語は、全般的に、取引所における取引のためにトレーダが入札および/またはオファー価格を提示するために行うアクションを指す。価格は、例えばブローカーによって、手形交換制度を通しての特別な通信網上でのオンライン取引によって、および/または他の所望のシステムおよび/または方法を用いて、トレーダから取引所に伝達される。
【0006】
資産の即時の、例えば1または2営業日中での受け渡しの価格はスポット価格と呼ばれる。オプション契約で販売される資産について、権利行使価格は、オプション取引きが行使される場合には、取引が実行される際の価格に同意したものである。例えば、ストックオプションは株式の売買を伴う。スポット価格は、株式が売買される取引所における現在の株価である。ストライク価格は、オプション取引きが行使される場合は、株式を購入/販売する際の価格に同意したものである。
【0007】
オプション取引きおよび他の金融商品の取引容易にするために、マーケットメーカーは、あるオプション取引きのために指値およびオファー価格(売り指値と呼ばれる)を示唆する。指値はマーケットメーカーがオプション取引きを購入する用意がある価格であり、かつオファー価格はマーケットメーカーがオプション取引きを販売する用意がある価格である。市場の慣習として、あるオプション取引きに興味ある第1のトレーダは、例えば第1のトレーダがオプション取引きを購入しまたは販売することに興味を持っているかどうかを示すことなく、第2のトレーダに相場を求めることができる。第2のトレーダは、第1のトレーダがオプション取引きを売買することに興味があるかどうかを知ることなしに、入札およびオファー価格を見積もる。マーケットメーカーは、オプション取引きを第1の価格で購入し、かつそれらを例えば第1の価格より高い第2の価格で売ることによって、マージンをかせぐことができる。売り呼値と買い呼値の間の相違は、呼び値スプレッドと称される。
【0008】
コールオプションは、ある日のある時間に、例えば一定価格(「ストライク」)で資産を購入する権利である。プットオプションは、ある日のある時間に、例えば資産を権利行使価格で売る権利である。あらゆるオプション取引きは、オプション取引きが無くなる満了期限を有している。オプション取引き満了期限の前に、オプション取引きの保有者は、原資産についての支配的なスポット価格に応じて、オプション取引きを行使するべきか否か決定できる。満了時のスポット価格が権利行使価格より低い場合、保有者は、コールオプションを行使しないほうを選択し、オプション取引きの費用だけを失う。しかしながら、権利行使価格がスポット価格より低い場合、コールオプションの保有者は、権利行使価格で原資産を購入する権利を行使しスポット価格と権利行使価格との間の相違に等しい利益を得る。このオプション取引きの費用は、プレミアムとも称される。
【0009】
先物相場は、資産の予め定められたレートまたは価格として定義され、同意された将来の取引が生じる。先物相場は、資産の現行利率に市場を支配している現行利子率、期待される配当(株式)、資産所有費用(商品)、および/またはオプション取引きの原資産に決まる他のパラメータに基づいて計算できる、
【0010】
アットザマネーオプション取引き(ATM)は、権利行使価格が資産の先物相場に等しいオプション取引きである。いくつかの領域において、アットザマネー先物オプション取引きは、一般的に、商品および金利レートオプション取引きの共通用語のように、アットザマネーオプション取引きと称される。アットザマネー株オプションは、実際のところ、権利行使価格が現在のスポットレートまたは価格である、アットザマネー権利行使価格である。
【0011】
インザマネーコールオプションは、その権利行使価格が原資産の先物レート以下であるコールオプションであり、かつインザマネープットオプションは、権利行使価格が原資産の先物のレートを上回っているプットオプションである。アウトオブザマネーコールオプションは、権利行使価格が原資産の先物レートを上回っているコールオプションであり、かつアウトオブザマネープットオプションは、権利行使価格が原資産の先物レート以下であるプットオプションである。
【0012】
エキゾチックオプションは、この出願の文脈においては、標準的なバニラオプション取引き以外の他のオプション取引きの一般名である。ある種のエキゾチックオプションが何年にもわたって大規模にかつ頻繁に売買され、かつ今日においても売買されているが、他のタイプのエキゾチックオプションはかつては用いられたものの今日では用いられていない。現在、最も一般的なエキゾチックオプション取り引きには「バリア」オプション取引き、「デジタル」オプション取引き、「バイナリ」オプション取引き、「部分バリア」オプション取引き(別名「窓口」オプション取引き)、「平均」オプション取引き、「複合」オプション取引きおよび「クォント」オプション取引きが含まれる。いくつかのエキゾチックオプション取り引きは、標準的な(バニラ)オプション取引きの複雑なバージョンとして説明できる。例えば、バリアオプション取引きは、返済が、ある期間の間に、原資産価格があるレベル(以下「トリガー」と記載する)に到達するかどうかに応じて決まるエキゾチックオプション取り引きである。オプションの「返済」は、その満了に応じてオプション保有者が実現させる現金として定義される。2つのタイプのバリアオプション取引き、すなわち、ノックアウトオプションおよびノックインオプションがある。ノックアウトオプションは、スポットがトリガーに到達したときに満了するオプション取引きである。原資産の価格がトリガーに到達する場合にだけ、ノックインオプションは生じる。なお、権利行使価格KおよびトリガーBのノックアウトオプションと権利行使価格KおよびトリガーBのノックインオプションとの複合的な影響は、両方とも同時に満了するとして、相当する権利行使価格Kのバニラオプション取引きに等しい。従って、ノックインオプションは、対応するノックアウトおよびバニラオプション取引きの価格を決めることによって、その価格を決めることができる。同様に、ワンタッチオプション取引きは、2つのノックインコールオプションおよび2つのノックインプットオプションに分解することができ、かつ二重ノータッチのオプション取引きは、2つの二重ノックアウトオプションその他に分解できる。周知の多くのタイプの他のエキゾチックオプションがあることは理解される。
【0013】
あるタイプのオプション取引き、例えばバニラオプション取引きは、一般的にヨーロッパ型あるいはアメリカ型に分類される。ヨーロッパ型のオプション取引きは、その満了時に行使できるだけである。アメリカ型のオプション取引きは、購入の後、および満了前にいつでも行使することができる。例えば、アメリカ型のバニラオプション取引きは、上述したバニラオプション取引きタイプの全ての特性を有すると共に、所有者がオプション取引きの満了日までいつでもオプション取引きを行使できるという追加の特性を有している。周知のように、満了前にアメリカ型オプション取引きを行使する権利は、対応するヨーロピアン型オプション取引きより高価なアメリカン型オプション取引きを作る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この出願においては、全般的に、「バニラ」という用語は、ヨーロッパスタイルのバニラオプション取引きを指す。ヨーロッパ型のバニラオプション取引きは、最も一般的に取引所で売買可能オプションであり、それらは典型的に店頭取引(OTC)で売買される。アメリカ型のバニラオプション取引きは、取引所でより普及していて、一般的に価格を決めるのがより困難である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
いくつかの例示的な実施形態は、金融派生商品を自動的に定義する装置、システムおよび方法を含む。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態において、方法は、一連の複数の入力トークンを含む入力シーケンスをコンピューティング装置によって、受け入れること、および複数の入力トークンに基づいて金融派生商品を構成する複数のパラメータ値を決定することにより、入力シーケンスに基づいて、コンピューティング装置により、金融派生商品を定義すること、を含む。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態において、金融派生商品を定義することは、金融派生商品のタイプを決定し、金融派生商品のタイプに対応するパラメータの定義済みリストに従って複数のパラメータを特定し、複数の入力トークンを複数のパラメータにマッピングすることによって、複数のパラメータの値を決定すること、を含む。を含むことができる。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態において、金融派生商品のタイプを決定することは、複数のトークンのパターンに基づいて金融派生商品のタイプを決定することを含む。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態において、マッピングは、各マッピング組合せが複数のトークンの複数のパラメータへの異なるマッピングを含んでいる複数の異なるマッピング組合せを決定することを含む。金融派生商品を定義することは、複数の異なるマッピングの組合せのうちの1つに従って金融派生商品を定義することを含む。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態において、方法は、金融派生商品のタイプに対応してあらかじめ定義された、複数のパラメータ間の優先度を定める優先基準に従って、複数の異なるマッピング組合せをランク付けし、かつランク付けに基づいて異なるマッピング組合せのうちの少なくとも一つを選択すること、を含む。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態において、複数の入力トークンの数は、金融派生商品を構成する複数のパラメータの数より小さい。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のパラメータのうちの少なくとも一つのパラメータは、トークンのいずれにも対応しない。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のパラメータを決定することは、あらかじめ定められた金融派生商品の少なくとも一つの各パラメータに基づいて、少なくとも一つのパラメータを決定することを含む。
【0024】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のパラメータを決定することは、少なくとも一つのあらかじめ定義されたパラメータに基づいて少なくとも一つのパラメータを決定することを含む。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のパラメータを決定することは、入力シーケンス内のトークンの順位とは無関係に複数のパラメータを決定することを含む。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態において、入力シーケンスを受け入れることは、複数の入力トークンを含む単一テキスト行の受け入れることを含む。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態において、入力シーケンスを受け入れることは、複数の入力トークンを含む音声メッセージを受け入れることを含む。
【0028】
いくつかの例示的な実施形態において、方法は、金融派生商品を売買することを含むことができる。
【0029】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のパラメータは、タイプパラメータ、クラスパラメータ、コールパラメータ、プットパラメータ、ストライクパラメータ、トリガーパラメータ、満了パラメータ、量パラメータ、通貨パラメータ、および通貨ペアパラメータのうちの一つ以上を含む。
【0030】
いくつかの例示的な実施形態において、システムは、その上に命令を記憶しているメモリと、命令を実行する結果商品定義アプリケーションとなるプロセッサと、を備え商品定義アプリケーションは、一連の複数の入力トークンを含む入力シーケンスを受け入れ、かつ複数の入力トークンに基づいて金融派生商品を構成する複数のパラメータの値を決定することにより、入力シーケンスに基づいて金融派生商品を定義する。
【0031】
いくつかの例示的な実施形態は、その上に命令を記憶している機械で読み取り可能な媒体であって、その命令はマシンにより実行されると、一連の複数の入力トークンを含む入力シーケンスを受け入れ、複数の入力トークンに基づいて金融派生商品を構成する複数のパラメータの値を決定することにより、入力シーケンスに基づいて金融派生商品を定義する。
【0032】
図の簡単さおよび明快さのために、図に示されている要素は必ずしも一定の比率で描かれてはいない。例えば、要素のいくつかの寸法は、表現の明快さのために他の要素に対してより誇張される。さらにまた、参照符号は、対応しあるいは類似する要素を示すために、複数の図の中で繰り返され。これらの図は、以下にリストされる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】いくつかの例示的な実施形態によるシステムの概略図である。
図2】いくつかの例示的な実施形態による、定義された商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図3】いくつかの例示的な実施形態による、他の定義された商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図4】いくつかの例示的な実施形態による、異なる入力シーケンスに応じて定義されたリスクリバーサル(RR)金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図5】いくつかの例示的な実施形態による、異なる入力シーケンスに応じて定義されたリスクバニラオプション金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図6】いくつかの例示的な実施形態による、異なる入力シーケンスに応じて定義されたリスクコールスプレッド金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図7】いくつかの例示的な実施形態による、異なる入力シーケンスに応じて定義されたリスクリバーサルノックアウト金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図8】いくつかの例示的な実施形態による、異なる入力シーケンスに応じて定義されたリスクUSD/トルコリラストラドル金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図9】いくつかの例示的な実施形態による、異なる入力シーケンスに応じて定義された、リスクオーストラリアドル(AUD/USD)ストラングル金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図である。
図10】いくつかの例示的な実施形態による、金融商品を自動的に定義する方法の概略を示すフローチャート図である。
図11】いくつかの例示的な実施形態による、製品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の詳細な説明においては、いくつかの実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、いくつかの実施形態がこれらの特定の詳細なしに実践され得ることは、当業者がよく理解するところである。他の例においては、議論を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、ユニットおよび/または回路は詳細に説明はされていない。
【0035】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットまたは2値ディジタル信号上でのアルゴリズムおよび動作の象徴的表象に関して提示される。これらのアルゴリズムの説明および記載は、データ処理技術に熟練した人々が他の当業者にそれらの仕事の実体を伝達するために用いる技術である。
【0036】
アルゴリズムは、全般的に、所望の結果に至る行為または動作の首尾一貫したシーケンスであると考慮される。これらは、物理量の物理的な操作を含んでいる。通常、しかし必然的にではなく、これらの量は、記憶され、伝達され、結合され、比較され、さもなければ操作され得る電気的あるいは磁気的な信号という形をとる。主に一般的な使用を理由として、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、用語、数等と称することが便利であることが判明している。しかしながら、理解されるべきことは、これらのおよび同様の用語の全てが適切な物理量と関連しており、かつこれらの量に適用される単に便利なラベルにすぎないということである。
【0037】
本願明細書における、例えば「処理」、「コンピューティング」、「計算」「決定」「確定」、「分析」、「チェック」等の用語を用いた議論は、コンピュータのレジスタおよび/または記憶領域の中の物理的な(例えば、電子)量として示されるデータを操作し、および/または動作および/またはプロセスを実行する指示を記憶し得るコンピュータのレジスタおよび/またはメモリまたは他の情報記憶媒体の内部の物理量として同じように示される他のデータへと変換するコンピュータ、コンピューティングプラットホーム、計算機システム、または他の電子コンピューティング装置の動作および/またはプロセスを指す。
【0038】
本明細書で用いる用語「複数」および「複数の」は、例えば「多く」または「二個以上」を含む。例えば「複数の項目」は二個以上の項目を含む。
【0039】
いくつかの実施形態は、一つ以上の有線あるいは無線リンクを含み、無線通信の一つ以上の構成要素を利用し、かつ無線通信等の一つ以上の方法またはプロトコルを利用できる。いくつかの実施形態は、有線通信および/または無線通信を利用できる。
【0040】
いくつかの実施形態は、様々なデバイスおよびシステム、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、卓上計算機、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯用デバイス、パーソナル携帯情報機器(PDA)デバイス、携帯PDAデバイス、オンボードデバイス、非上場のデバイス、ハイブリッドデバイス、車両用デバイス、非車両用デバイス、モバイルあるいは携帯用デバイス、非携帯または非携帯用デバイス、無線通信ステーション、無線通信デバイス、セルラ電話、無線電話、パーソナル通信システム(PC)デバイス、無線通信装置を組み込んだPDAデバイス、一つ以上の内部アンテナおよび/または外部アンテナを有するデバイス、有線あるいは無線携帯用デバイス(例えば、ブラックベリー、パームトレオ)、無線用途プロトコル(WAP)デバイス等に関連して用いることができる。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態は、金融商品、例えば、外国為替(FX)または取引レート(ER)オプション取引き、金利(IR)先物取引上のオプション取引きおよび/または商品上のオプション取引きを自動的に定義する文脈において、本願明細書に記載されている。しかしながら、理解されるべきことは、他の実施形態が、任意の他の適切な金融商品および/または市場を自動的に定義することを含み、かつ実施形態がストックオプションには限定されないことである。当業者は、実施形態を他のオプション取引きおよび/またはオプション取引きのような金融商品、例えば任意の適切な資産商品上の任意の適切なオプション取引き、および/または非資産商品上のオプション取引き、例えば天気および/または温度等のオプション取引きに、所与の金融商品に独特のファクターに適応させるのに必要な変更と合わせて適用できる。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態は、入力テキストの形のユーザ入力に基づいて金融商品を自動的に定義する文脈において、本願明細書に説明される。しかしながら、他の形態で受け入れたユーザ入力に関して他の実施形態を実施できる。例えば、任意の適切な音声認識方法を利用することによる音声入力等の音声ユーザ入力に基づいて、金融商品を自動的に定義するいくつかの実施形態を実施できる。
【0043】
「金融派生商品」(「金融商品」「トレード構成」「トレード」「取り引き」または「トレード戦略」)というフレーズは、一つ以上の任意の適切な派生商品、例えば先渡し契約、スワップ取引、先物取引、外国為替取引、店頭オプション取引き等を指すが、それらは例えばFX、貸出レート、資産、商品、預金、天気、エネルギー、リアルエステート、抵当権等の任意の適切な「資産クラス」の一つ以上の原資産の値および特性からそれらの価値を導き出し、および/または1つを超える資産クラス(例えば、クロス資産、複数資産等)を含む。「金融商品」というフレーズは、一つ以上の金融商品の任意の適切な組合せまたは構成を指す。
【0044】
「金融商品を定義する」というフレーズは、例えば金融商品の取引、価格設定、取扱および/または処理を可能にする、金融商品を設定し、構成し、生成し、構築しおよび/または定義する複数のパラメータ(「金融商品パラメータ」)を設定し、決定し、確定しおよび/または定義することを指す。
【0045】
ユーザは、例えば金融商品の価格を決定し、金融商品を分析し、金融商品を売買し、他のユーザおよび/またはエンティティに金融商品を伝達し、金融商品を処理しおよび/または任意の他の適切な方法で金融商品を扱うために、金融商品を定義することを求められる。例えばトレーダは、取引を実行したいときに、実行したい取引のタイプを相手方に伝えなければならない。取引のタイプが与えられると、特定する必要があるフィールド名および値のリストがある。一つの実施例において、「バニラコールオプション」タイプの取り引きについては、ユーザは以下のパラメータを特定しなければならない:取り引きタイプ=バニラ、コール=USD、プット=JPY、権利行使価格=85、満期=3ヵ月、標準物=1,000,000
【0046】
より複雑な取引が追加のパラメータを有し得ることに注意されたい。
【0047】
キーワードおよび値の全リストを明示的に特定することは、わずらわしく、かつ「p JPY 85 3m 1M」といったより凝縮された描写から値を推定できるので厳密には必要でない。
【0048】
金融商品を売買する人々は、簡潔かつ経済な方法で取引を説明する言語を開発した。この言語は、トレーダが、口頭で効率的に、あるいはテキストベースのメッセージ型サービスを用いるときには速くかつ効率的に、通信できるようにする。この言語は、以下の挑戦的な特徴を有している。言語トークンは、単一の文字に短縮できる(例えばバニラは、‘van’あるいは簡単に‘v’と示される)。トークンを配置する順序は、大部分は任意である。トークンは、1つのより大きいトークンに「接着する」ことができる(例えば、トークンUSDおよびJPYは、USDJPYとなる)、いくつかのトークンは全体的に排他的であり、例えば失なわれたトークンは他のトークンから論理的に推定すことができる。および/または失われたトークンは、失われた場合に用いなければならない同意されたデフォルトを有している。
【0049】
金融商品の売買に関係するあらゆる人間は、いくつかのトレーニングの後にこの言語を「話す」ことができる。いくつかの実施形態は、この言語で与えられた文を自動的に変換しおよび/または解析し、トークンを特定し、それがサポートする作業の流れの一部として取引入力を必要とする任意のタイプのシステムに渡すことができるフォーマットで取引の完全な記述を生成することを可能にする。
【0050】
いくつかの例示的な実施形態は、情報、例えばユーザから受け入れた部分的な情報に基づいて、金融商品を自動的に定義することを含む。一つの実施例において、ユーザは、金融商品を定義するための入力情報を含む入力、例えば単一行または単一構文の入力を提供できる。
【0051】
この入力情報、例えば部分的な情報は、金融商品を定義するために必要とされる金融商品パラメータ(「ユーザ定義パラメータ」)のいくつかのみに関連する情報を含むことができる。例えばユーザは、FX商品のオプションクラス、権利行使価格、通貨ペア、想定元本および決済期日のうちのいくつかのみを含む入力情報を入力できる。一つの実施例において、ユーザは、FX商品のオプションクラス、権利行使価格、通貨ペアおよび決済期日のみを含み、FX商品の想定元本を省略した、入力情報を入力できる。
【0052】
それに加えてあるいはそれに代えて、ユーザー入力は、任意の適切な順序および/または形態のユーザ定義パラメータを含むことができる。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態において、入力情報は、入力シーケンス(「入力文」「入力構文」「入力文字列」または「入力ストリーム」とも呼ぶ)、例えば、一連の複数のトークン、例えばユーザ定義のトークンを含む単一の入力シーケンスを含むことができる。
【0054】
一つの実施例において、入力シーケンスは、テキストシーケンス、例えば単一のテキスト行を含むことができる。他の実施例において、入力シーケンスは、音声シーケンス、例えば単一の音声メッセージを含むことができる。
【0055】
例えば、ユーザは、ユーザー定義のパラメータを示しているいかなる適切なトークンを備えている入力情報を入力できる。「トークン」は、任意の適切なコード、シンボル、コード名、略語、その他含むことができる。一つの実施例において、ユーザは、バニラオプションを含む金融商品のタイプを定義するパラメータを表す、トークン「v」、トークン「va」、トークン「van」、トークン「V」、トークン「Van」、トークン「VAN」、トークン「VANILLA」および/または任意の他の適切なトークンを含む入力シーケンスを入力できる。他の実施例において、ユーザは、金融商品の想定元本を1,000,000ドルと定義するパラメータを示す、トークン「1m」、トークン「m」、トークン「1mil」、トークン「1mio」、トークン「1M」、トークン「MIO」、トークン「One」および/または任意の他の適切なトークンを含む入力シーケンスを入力できる。
【0056】
それに加えてあるいはそれに代えて、ユーザは、任意の適切な順序、例えば、ランダムな順序、任意の順序、ユーザ定義の順序、または任意の他の所望の順序のトークンを含む入力情報を入力できる。一つの実施形態において、ユーザは、金融商品タイプ、想定元本および権利行使価格の順序のトークンを含む入力情報を入力できる。他の実施例において、ユーザは、想定元本、金融商品タイプおよび権利行使価格の順序の金融商品トークンを含む入力情報を入力できる。
【0057】
いくつかの実施形態において、金融商品は、入力情報に基づいて自動的に定義できる。例えば、ユーザは、入力シーケンス「sell 25d call buy 25d put」を入力できる。すると、この入力シーケンスに基づいて、商品定義モジュールは、リスクリバーサルユーロ(EUR)/米国ドル(USD)構造を含み、その両方の決済期日が現在の取引日から3ヵ月である25デルタバニラコールオプションを売って25dバニラプットを買うことを含む、あらかじめ定義されたデフォルト想定元本に基づいて決定される想定元本が例えば10,000,000ユーロである金融商品を、自動的に定義できる。
【0058】
ここで図1を参照すると、いくつかの例示的な実施形態によるシステム100のブロックダイアグラムが図式的に示されている。
【0059】
いくつかの例示的な実施形態において、システム100は、例えばユーザから、または以下に説明する任意の他のソースから受け入れることができる入力に基づいて一つ以上の金融商品を自動的に定義する、金融商品定義モジュール160を含むことができる。
【0060】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、任意の適切な原資産、例えば通貨、貸出レート、商品、資産、エネルギー、預金、天気等における任意の適切な金融商品を自動的に定義できる。
【0061】
いくつかの例示的な実施形態において、システム100は、一つ以上のユーザステーションまたはデバイス102、例えばPC、ラップトップコンピュータ、PDAデバイスおよび/または端末を含み、一人以上のユーザが本願明細書に記載するようにモジュール160を用いて、一つ以上の金融商品を定義できるようにする。
【0062】
いくつかの例示的な実施形態において、デバイス102は、適切なハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネント、例えばプロセッサ、制御装置、記憶装置、記憶ユニット、入力装置、出力装置、通信ユニット、オペレーティングシステム、アプリケーション等を用いて実施できる。
【0063】
デバイス102のユーザには、例えばトレーダ、事業アナリスト、会社ストラクチャリングマネージャ、販売員、リスクマネージャ、フロントオフィスマネジャ、事務処理部門、ミドルオフィス、システムアドミニストレータ等が含まれる。
【0064】
いくつかの例示的な実施形態において、システム100は、ユーザ102とシステム100の一つ以上の要素、例えばモジュール160の間をインターフェースするインターフェース110を含むこともできる。インターフェース110は、ユーザ102と一つ以上の金融の商品(FI)システムおよび/またはサービス140の間で選択的にインターフェースすることができる。サービス140には、例えば、任意の適切な価格設定方法および/またはアルゴリズムに従って一つ以上の金融商品の価格を決定できる適切な価格決定モジュール145、一つ以上の市場データサービス149、一つ以上の取引システム147、一つ以上の取引所連結システム148、一つ以上の分析サービス146、および/または一つ以上の他の適切なFI関連サービス、システムおよび/またはプラットホームが含まれる。
【0065】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、直接的または間接的に、例えばインターフェース110および/または任意の他のインターフェースを介して、システム100の一つ以上の適切なモジュール、例えば一つ以上のFIシステム140、データベース、記憶装置、アーカイブ、HTTPサービス、FTPサービス、アプリケーション、および/または例えば自動的にモジュール160に入力を提供しおよび/またはモジュール160によって、生み出された出力を受け入れることができる任意の適切なモジュールと通信できる。
【0066】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、FIシステム/サービス140の一部例えば価格決定モジュール145の一部としてあるいはそれに関連するデバイス102の一部として、および/または任意の他の適切なシステムまたはモジュール例えば任意の適切なサーバまたは専用サーバの一部として、実施できる。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、任意の適切な計算機システム183により実行されるローカルあるいはリモートアプリケーションを含むことができる。例えば、計算機システム183は、その上にアプリケーション命令189を記憶している適切なメモリ187、および結果としてモジュール160となっている、命令189を実行するのに適したプロセッサ185。を含むことができる。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態において、計算機システム183は、モジュール160の機能をユーザ102に提供するサーバ含みあるいはその一部でありえる。他の実施形態として、計算機システム183は、ユーザステーション102の一部として実施できる。例えば、命令189は、ユーザ102によって、他の計算機システムからダウンロードしおよび/または受け入れることができ、モジュール160はユーザ102によって、ローカルに実行されることができる。例えば、命令189は、例えば一時的に、ユーザ装置102のメモリまたは任意の適切な短期メモリまたはバッファに、例えばユーザ装置102のプロセッサにより実行される前に、受け入れて記憶できる。他の実施形態として、計算機システム183は、任意の他の適切な演算装置、サーバおよび/またはスキームを含むことができる。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態において、演算システム183は、一つ以上のFIシステム/サービス140を実行することもできる。他の実施形態では、モジュール160は、一つ以上のFIシステム/サービス140とは別に実施できる。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態において、インターフェース110は、モジュール160、FIシステム/サービス140の一部として、および/または任意の他の適切なシステムまたはモジュールの一部として、例えば任意の適切なサーバの一部として実施できる。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態において、インターフェース110は、デバイス102の一部に関連させおよび/またはその一部に含めることができる。一つの実施例において、インターフェース110は、例えばミドルウエアとして、任意の適切なアプリケーションの一部および/またはサーバの一部として実施できる。インターフェース110は、任意の適切なハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネント、例えばプロセッサ、制御装置、記憶装置、記憶ユニット、入力装置、出力装置、通信ユニット、オペレーティングシステム、アプリケーションを用いて実施できる。いくつかの例示的な実施形態において、インターフェース110は、ウェブベースの価格設定アプリケーションインターフェース、ウェブサイト、ウェブページ、スタンドアロンアプリケーション、プラグイン、ActiveXコントロール、リッチコンテントコンポーネント(例えばFlashまたはShockwave)またはその他を含むことができあるいはその一部でありえる。
【0072】
いくつかの例示的な実施形態において、インターフェース110は、ユーザ102と一つ以上のFIシステムおよび/またはサービス140の間でインターフェースすることもできる。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態において、インターフェイス110は、ユーザ102がコマンドを入力できるようにし、金融商品を定義するための入力情報を含む、例えば単一行または単一構文入力の入力シーケンスを入力し、金融商品に対応して取引を定義しおよび/または構築し、取引を行い、および/または任意の他の適切な動作を実行するように構成できる例えばインターフェース110は、適切なグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を含みあるいはそれに関連できる。
【0074】
いくつかの例示的な実施形態において、インターフェイス110およびモジュール160は、例えば市場データサービス149から受け入れることができる取引情報およびユーザ102から受け入れることができる利用者情報を処理するアプリケーションサーバの一部として実施できる。システム100は、利用者情報および/または取引情報を記憶するための記憶装置161(例えばデータベース)を含むこともできる。
【0075】
利用者情報は、例えば通信網、例えばインターネット、例えば直接的な電話接続あるいはセキュアソケットレイヤー(SSL)接続、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて、あるいは周知の任意の他の通信網を介して、ユーザ102から受け入れることができる。モジュール160は、インターフェイス110を介したユーザ入力に基づいて金融商品を定義する金融商品パラメータを、例えばユーザ102に対するプレゼンテーションに便利なフォーマットで、ユーザ102に通信できる。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、ユーザ102から、入力情報、例えば部分的な情報を受け入れることができる。一つの実施例において、ユーザ102は、金融商品を定義するための入力情報を含む、単一行または単一構文入力の形態のユーザ入力を提供できる。
【0077】
いくつかの実施形態において、モジュール160は、一連の複数の入力トークンを含むテキスト入力シーケンス、例えば単一テキスト行を受け入れることができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、モジュール160は、例えばmp3ファイル、WAVファイル等の任意の適切な形態のオーディオファイルの音声メッセージを受け入れることができる。モジュール160は、音声メッセージに含まれる複数の入力トークンを決定しおよび/または特定する、任意の適切な音声認識モジュールおよび/またはアルゴリズムを含むことができる。例えば、インターフェイス110は、ユーザ102からの音声メッセージを含むユーザ102からの音声入力を受け入れることができる、任意の適切な音声インターフェースを含むことができる。モジュールは、音声メッセージに任意の適切な音声認識アルゴリズムを適用することにより、複数のトークンを特定できる。モジュール160は、以下に詳細に説明するように、特定されたトークンに基づいて金融派生商品を自動的に定義できる。
【0079】
入力情報は、部分的な情報、例えば金融商品を定義するために必要な金融商品パラメータ(「ユーザ定義パラメータ」または「ユーザ定義トークン」とも呼ぶ)のいくつかのみに関連する情報、を含むことができる。例えば、ユーザ102は、オプションクラス、権利行使価格、通貨ペア、想定元本、およびFX商品の決済期日のうちのいくつかだけを含む入力情報を入力できる。一つの実施形態において、ユーザ102は、FX商品の想定元本を省略して、FX商品のオプションクラス、権利行使価格、通貨ペアおよび決済期日のみを含む入力情報を入力できる、
【0080】
それに加えてあるいはそれに代えて、ユーザ入力は、任意の適切な順序および/または形態のトークンを含むことができる。
【0081】
例えばユーザ102は、ユーザ定義のパラメータを示す任意の適切なトークンを含む入力情報を入力できる。一つの実施形態において、ユーザ102は、トークン「v」、トークン「va」、トークン「van」、トークン「V」、トークン「Van」、トークン「VAN」、トークン「VANILLA」および/またはバニラオプションを含むタイプの金融商品を定義するパラメータを示す任意の他の適切なトークンを含む入力シーケンスを入力できる。他の実施例において、ユーザ102は、トークン「1m」、トークン「m」、トークン「1mil」、トークン「1mio」、トークン「1M」、トークン「MIO」、トークン「1」および/または金融商品の想定元本が1,000,000ドルであると定めるパラメータを示す任意の他の適切なトークンを含む入力シーケンスを入力できる。
【0082】
それに加えてあるいはそれに代えて、ユーザ102は、任意の適切な順序、例えばランダムな順序、任意の順序、ユーザ定義の順序または任意の他の所望の順序のユーザ定義のトークンを含む入力情報を入力できる。一つの実施例において、ユーザ102は、金融商品タイプ、想定元本および権利行使価格の順序の金融商品トークンを含む入力情報を入力できる。他の実施例において、ユーザ102は、想定元本、金融商品タイプおよび権利行使価格の順序の金融商品トークンを含む入力情報を入力できる。
【0083】
いくつかの実施形態において、モジュール102は、ユーザ入力情報に基づいて金融商品を自動的に定義できる。例えば、ユーザ102が入力シーケンス「3m EUR/USD ATM Std」を入力すると、この入力シーケンスに基づいて、モジュール160は、アトザマネー(ATM)の権利行使価格のストラドルユーロ(EUR)/米国ドル(USD)、決済期日が現在の取引日から3ヵ月、および例えばあらかじめ定義されたデフォルト想定元本に基づいて決定される想定元本10,000,000ユーロを含む金融商品を自動的に定義できる。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、あらかじめ定義され、価格を決められ、売買され、および/またはさもなければユーザ102によって、取り扱われおよび/または処理された、一つ以上の以前の金融商品を考慮に入れて金融商品を定義できる。例えば、以前の金融商品の全てがある想定元本、例えば100,000,000USDに関連づけられている場合で、例えばユーザ102が入力シーケンスで想定元本を提供しない場合は、モジュール160は金融商品がその想定元本を有するように自動的に定義する。例えば、以前の金融商品の全てがある通貨ペア、例えば通貨ペアEUR/USDに関するFX商品を含む場合で、例えばユーザ102が入力シーケンスにおいて、通貨ペアまたは金融商品のタイプを提供しない場合、モジュール160は、FX金融商品がその通貨ペアに関連するように自動的に定義できる。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、例えば以前の金融商品に基づいて、一つ以上の任意の金融商品を選択するようにユーザ102に促すことができる。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態において、金融商品は、通貨ペアパラメータ、オプションクラスパラメータ、商品タイプパラメータ、権利行使価格パラメータ、決済期日パラメータ、トリガーおよび/またはバリヤパラメータおよび/または任意の他の適切なパラメータの組み合わせを定義することによって、定義できる。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、金融商品パラメータの一つ以上を定義する入力シーケンスのトークンを、例えば任意の適切な形態および/または順序で、ユーザから受け入れることができる。モジュール160は、受け入れた入力シーケンスに基づいて金融商品を定義するように構成できる。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160および/またはインターフェイス110は、入力シーケンスに対応する少なくとも一つの可能性がある金融商品をユーザ102に提示すると共に、可能性がある金融商品のうちの一つを選択しあるいは可能性がある金融商品の全てを拒否するようにユーザ102を促す。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、例えば入力シーケンスがデフォルトパラメータに関する情報を含まない場合に、一つ以上のあらかじめ定義されたデフォルト金融商品パラメーター値を利用できる。デフォルトパラメータは、ユーザ102によって、および/または管理者によって、あらかじめ定義できる。それに加えてあるいはそれに代えて、一つ以上のデフォルトパラメータは、上述したようにユーザ102により定義されあるいは取り扱われた以前の金融商品に基づいて定義できる。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、ユーザ102の定義に基づいたおよび/またはユーザ102が取り扱った以前の金融商品に基づいた、デフォルトのオプションクラス、ユーザ102の定義に基づいたおよび/またはユーザ102が取り扱った以前の金融商品に基づいた、デフォルトの通貨ペア、ーザ102の定義に基づいたおよび/またはユーザ102が取り扱った以前の金融商品に基づいた、デフォルトの額面価額、例えば基準通貨および/または任意の他の値で10,000,000、ユーザ102の定義に基づいたおよび/またはユーザ102が取り扱った以前の金融商品に基づいた、デフォルト決済期日、例えば現在の取引日および/または任意の他の値から3ヵ月、例えばユーザ102の定義に基づいたおよび/またはユーザ102が取り扱った以前の金融商品に基づいたデフォルト商品タイプ、例えば「コール」および/または任意の他の値、のうちの少なくとも1つを利用できる。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、分析をサポートするように構成できる。例えば入力シーケンスが、小数点なしの権利行使価格および/またはトリガーの値を含む場合、モジュール160は、その値を小数点を含む適切な値に変換できる。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、上のケースおよび/または下のケースのトークンを含む入力シーケンスをサポートすることができる。
【0093】
1つの例示的な実施形態において、モジュール160は、トークン「Vanilla」、「Van」および/または「Va」を、バニラオプションクラスに関連するものとして自動的に特定することができ、モジュール160は、トークン「Knock Out」、「KnockOut」、「KO」、「KNO」および/または「ko」を、ノックアウトオプションクラスに関連するものとして自動的に特定することができ、モジュール160は、トークン「Reverse Knock out」、「RKO」および/または「ReverseKnockOut」を、リバースノックアウトクラスに関連するものとして自動的に特定することができ、モジュール160は、トークン「Straddle」、「STD」および/または「STRAD」を、ストラドルクラスに関連するものとして自動的に特定することができ、かつモジュール160は、トークン「Strangle」、「STG」および/または「STRAN」を、ストラングルクラスに関連するものとして自動的に特定できる。モジュール160は、トークン「one」、「1」および/または「ONE」を、量として1つを指すものとして自動的に特定することができ、モジュール160は、トークン「Mi」、「Mi」、「Mio」および/または「Million」を、量として1,000,000を指すものとして自動的に特定できる。モジュール160は、価格に関して以下のトークンの形態を価格、例えば権利行使価格に関連させて自動的に特定できる:1.45, 145, 20 Delta, 20D, D20, 20, 02, 21, 12, F, ATM, A.モジュール160は、トークン「C」,「Ca」, 「Cal」または「Call」を、「コール」を指すものとして自動的に特定できる。モジュール160は、トークン「P」、「Pu」および/または「Put」を、「プット」を指すものとして自動的に特定できる。モジュール160は、トークン「EURO」,「EUR」および/または「Eu」を、通貨ユーロを指すものとして自動的に特定できる。モジュール160は、トークン「EUR/USD」および/または「EURUSD」を、通貨ペアEUR/USDを指すものとして自動的に特定できる。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態において、入力シーケンスが1つの通貨だけを含む場合、モジュール160は、ユーザ102による定義に基づいておよび/またはユーザ102によって、取り扱われた以前の金融商品に基づいて、第2の通貨があらかじめ定義された通貨、例えばUSDおよび/または任意の他の通貨を含むと仮定できる。
【0095】
一つの実施例において、モジュール160は、ユーザ102から入力シーケンス:「3m EUR/USD ATM Std」を受け入れることができる。入力シーケンスに基づいて、モジュール160は金融商品を自動的に定義できる。例えば、モジュール160は、例えばユーザ102により定義され、および/またはユーザ102によって、取り扱われた以前の金融商品に基づいてモジュール160によって、決定できる、デフォルトの想定元本に従って、金融商品の想定元本を10,000,000ユーロであると自動的に定義できる。モジュール160は、金融商品が、ATM権利行使価格のストラドルEUR/USD、現在の取引日から3ヵ月の決済期日、および10,000,000ユーロの想定元本を含むものと定義できる。図2は、定義された商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる。
【0096】
他の実施形態において、モジュール160は、ユーザ102からシーケンス:「RKI 1.4 1.5 Euro 10k」を受け入れることができる。この入力シーケンスに基づいて、モジュール160は、金融商品を自動的に定めることができる。例えばモジュール160は、金融商品の決済期日を、ユーザ102により定義されおよび/またはユーザ102によって、取り扱われた以前の金融商品に基づいてモジュール160により決定されたデフォルトの決済期日に従って、現在の取引日から3ヵ月であると自動的に定めることができる、モジュール160は、ユーザ102により定義されおよび/またはユーザ102によって、取り扱われた以前の金融商品に基づいてモジュール160により決定されたデフォルトの商品タイプに従って、金融商品の商品タイプを「コール」であると自動的に定めることができる。および/または、モジュール160は、ユーザ102により定義されおよび/またはユーザ102によって、取り扱われた以前の金融商品に基づいてモジュール160により決定されたデフォルトの通貨ペアに従って、金融商品の通貨ペアをEUR/USDであると自動的に定めることができる。モジュール160は、権利行使価格が1.4のEUR/USDコールリバースノックイン、トリガーが1.5、決済期日が現在の約定日から3ヵ月、想定元本が100,000ユーロであると金融商品を定めることができる。モジュール160は、入力シーケンス内での外観の順序に関係なく、トークン「1.4」が権利行使価格に関連し、トークン「1.5」がトリガーに関連するものと決定できる。モジュール160は、金融商品に対する関連する論理的な制約、例えば権利行使価格はトリガー価格より低くなければならないことをベースとして、そのような決定をなすことができる。図3は、定義された商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる。
【0097】
図4は、以下の異なる入力シーケンスのそれぞれに対応してモジュール160により定義されるリスクリバーサル(RR)金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる:3m yen 25drr 10mio, USD/JPY 25D 3M in 10, J 3M D25 RR, 3M USDJPY 10 MIO RR25D
【0098】
図5は、例えば以下の異なる各入力シーケンスに対応してモジュール160により定義されるバニラオプション金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる:125 usd c jpy p 10m ly, One year Call 125 USD/JPY 10,000,000, PUT JPY 125 10 MIO 1y
【0099】
図6は、例えば以下の異なる各入力シーケンスに対応してモジュール160により定義されるコールスプレッド金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる:Atm vs 25 d euro call spread ly 10m leg, Eur/usd Call spread 25d/atm 1Y 10 a/1, Euro call spread ly 10 per atm 25d, Spread Call Euro 25d vs atm in 10 1 year.
【0100】
図7は、例えば以下の異なる各入力シーケンスに対応してモジュール160により定義されるリバースノックアウト金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる:160 gbp c usd p rko 170 6mio 2y, 2 years Call GBP/USD 160/170 in 6, Put USD Call GBP reverse ko two years sp 160 ko 170 6mm, Rko 170 call GBP 2y strike 160 6 million.
【0101】
図8は、例えば以下の異なる各入力シーケンスに対応してモジュール160により定義されるUSD/トルコリラ(TRY)ストラドル金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる:Try 2m atm straddle 10 a/l, Atm std usd/try two m in 10, Usd/try a stra 2m 10 per。
【0102】
図9は、例えば以下の異なる各入力シーケンスに対応してモジュール160により定義されるオーストラリアドル(AUD/USD)ストラングル金融商品のインターフェイス要素のスクリーンショット図を含んでいる:4M AUD 20D Strangle in 50, Aud/usd stg four mon d20 50 al, Strangle AUD 4M 20 Delta 50 per。
【0103】
ここで図10を参照すると、いくつかの例示的な実施形態による、金融商品を自動的に定義する方法が略図で例示されている。いくつかの実施形態において、図10の方法の一つ以上の動作は、システム、例えばシステム100(図1)の一つ以上の要素、例えば金融商品定義モジュール、例えばモジュール160(図1)により実行され、ユーザから受け入れたユーザ入力に基づいて金融商品を自動的に定義する。
【0104】
ブロック1002で示したように、この方法は、定義する金融商品に対応するユーザ入力を受け入れることを含む。例えば、ユーザ入力は、ユーザ102(図1)から受け入れた入力シーケンスを含むことができる。例えばこの入力シーケンスは、上で定義したように、一連の複数のトークンを含むテキスト入力または音声入力を含むことができる。
【0105】
ブロック1004で示したように、この方法は、ユーザ入力を複数のトークンに分割することを含むことができる。例えばモジュール160(図1)は、ユーザ102(図1)からの入力シーケンスを、例えばスペース、コンマ等の区切り文字で区切られた入力シーケンスの一部をそれぞれ含む、複数のトークンに分解できる。
【0106】
ブロック1006で示したように、この方法は、一つ以上のトークンを適切なフォーマットに変換すること、例えばアルファベットの形態で入力された数「five」を数値的形態の「5」に変換することを含むことができる。
【0107】
ブロック1008で示したように、この方法は、定義する金融商品のタイプを決定することを含むことができる。
【0108】
ブロック506に示したように、金融商品のタイプを決定することは、例えば、入力シーケンスが金融商品のタイプを特定するトークンを含んでいる場合、複数のトークンのうちの一つのトークンに従って金融商品のタイプを決定することを含むことができる。
【0109】
ブロック1012で示したように、金融商品のタイプを決定することは、例えば入力シーケンスが金融商品のタイプを特定するトークンを含んでいない場合は、入力シーケンスのうちの一つ以上の他のトークンに基づいて金融商品のタイプを決定することを含むことができる。例えば、入力シーケンスがシーケンス「buy atm call sell 25d put」を含んでいる場合、モジュール160(図1)は、金融商品のタイプがリスクリバーサル商品を含むように決定できる。
【0110】
ブロック1014で示したように、金融商品のタイプを決定することは、例えば金融商品のタイプを入力シーケンスの一つ以上の他のトークンに基づいて決定することができない場合には、デフォルトの設定に基づいて金融商品のタイプを決定することを含むことができる。
【0111】
ブロック1016に示したように、この方法は、例えば金融商品の決定されたタイプに基づいて、金融商品を定義するために必要な複数のパラメータを決定することを含むことができる。例えば、バニラ商品は、原資産、権利行使価格、決済期日、コール/プット、買い/売り、想定元本、およびノーショナルサイド(notionalSide)の定義を必要とし得る。例えば、モジュール160(図1)は、金融商品のあらかじめ定義された一つ以上のタイプに対応して必要とされるパラメータの、例えば記憶装置161(図1)に記憶されているあらかじめ定義されたリストを含むことができる。
【0112】
ブロック1018で示したように、この方法は、一つ以上の可能性がある金融商品を入力シーケンスに基づいて決定することを含むことができる。
【0113】
ブロック1020で示したように、この方法は、可能性がある金融商品から金融商品を選択することを含むことができる。例えばこの方法は、可能性がある金融商品を任意の適切なランク付けの基準に従ってランク付けすること、および最も高いランクの金融商品を選択することを含むことができる。
【0114】
再び図1を参照すると、いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、入力シーケンス(「文」)を、セパレーターとして用いられている文字にしたがってトークンに分解すると共に、例えば取引の名称にマップするトークンを見いだすことによって、公知のパターンから取引を推定することによって、または他の識別スキームが失敗した場合にはデフォルトの取引タイプを用いることによって、手元の取引を特定する。
【0115】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、取引の記載の一部である各タイプのトークンのためのパラメータパターンのリスト(正規表現)をロードすることができる。モジュール160は、トークンを、可能性があるマッピングのリストの結果としてのパターンにマップすることを試みる。各マッピングは、各トークンが取引の記述のいくつかの領域に対しどのようにマップするかを定義できる。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、特定された取引に特有な論理に対して可能性のある各マッピングの正当性を立証できる。例えば、ダブルノックアウトオプションについては、現在のポイントは2つのトリガーの間になければならず、2つのトリガー値が共に下方あるいは上方にある場合は、そのポイントは論理的ではなく、したがって放棄できる。
【0117】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、構成アイテムを取り扱うためにトークンの可能性のある各マッピングにあらかじめ定義されたルールに従ってスコアを与えることができる。モジュール160は、スコアによって、ランク付けされた結果の設定を用いて、全ての可能性がある結果としてのマッピングを決定できる。モジュール160は、最も高いスコアのマッピングをユーザ102のために選択し、あるいはユーザ102がトップの結果ランキングから選択できるようにする。
【0118】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、フィードバックループを実施できる。例えばユーザ102にいくつかのオプションが提示された場合、モジュール160は、ユーザ102の選択を記録できる。ユーザが結果としての取引を変更する場合、モジュール160はその変更を記録できる。ユーザが好むマッピングには、例えばそれらが同一のユーザによって、将来的に繰り返される場合、より高い優先度が与えられる。
【0119】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、例えば設定段階において、アルゴリズムキャリブレーションタスクを実行できる。例えば、モジュール160は、各商品が一組の取引構成品目を有すると認めることができる。取引構成品目は、所与の商品のための入力トークンを示すことができる(権利行使価格、満期およびノーショナルは、バニラオプションを定義するために必要とされる品目の例である)。取引構成品目は、パラメータが適切なデフォルトを有するときに、それがユーザによって、如何に省かれそうであるかとは反対に、それがユーザによって、如何に明確に表示されたかに基づいて、定義された商品の範囲内で優先度を有する。
【0120】
以下の表は、取引のリストおよびそれらの取引に関連する取引項目に割り当てられた優先度の実施例を示している。
【表1】
【0121】
例えば表1に示したように、ノックアウト取引については、権利行使価格を特定することが最も重要であり、次にトリガー、次に満期、および最後にノーショナルである。
【0122】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、例えば、特別なフレーズおよびサインを変換しおよび取り換えることによって、(例えば、文言で示された数を数字の5に変換する)、および/または入力シーケンスをあらかじめ定義された区切り文字によって、区切られたトークンに分解することによって、入力シーケンスを前処理できる。
【0123】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、明確に認められる商品の名称あるいはショートカット(例えば「vanilla」「van」「v」)の特定を試みることによって、目標とする商品の特定を試みる。明確な名称が見いだされない場合、モジュール160は、それから特有の商品タイプが示され得るパターンの見いだしを試みる(例えば「buy <strike token> call sell <strike token> put」は、リスクリバーサル取引と特定できる)。上述した両方のステップが失敗した場合、モジュール160は、ユーザ102により構成され得るデフォルトの商品タイプを用いることができる(例えば外国為替取引においてはバニラ)。
【0124】
いくつかの例示的な実施形態において、取引が一旦特定されると、モジュール160は、その取引を説明するために必要な取引項目をリストする。品目を特定するために用いるパターンのリストは、品目毎にあり得るとともに、例えば記憶装置161に記憶される。モジュール160は、パターンを選択すると共に各パターンに確率を表示する数値スコアを割り当て、各パターンはある取引品目を特定するために実際に用いられる。
【0125】
以下の表は、パターン、それらの説明およびそれらに関連する優先度の2、3の実施形態を示している。
【表2】
【0126】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、各取引品目パターンと入力テキストとの突き合わせを試みる。例えば、モジュール160は、その取引に関連する全ての取引構成品目をループ化する。各品目のために、モジュール160は、可能性がある全てのパターンを環状にする。各パターン毎に、モジュール160は、入力テキストとの突合わせを試みる。一致が見つかった場合、モジュール160は、取引構成品目をトークンと関連させてリストに保持する。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、パターンマッチング段階の結果に基づいて、割り当てられたトークンのあらゆる可能性のある組み合わせの構築を試みる。このタスクを実行する一つのやり方は、回帰的な方法である。例えば、モジュール160は、ある取引構成品目から開始して、可能性があるトークンを次から次へと選択させる。各トークンの選択のために、モジュール160は、そのトークンを取り除くとともに、残りの品目にそれら自身のトークンを残りのトークンから選択させる。モジュール160は、可能性がある全ての組合せが確実に見いだされるように、各トークンが最初に選択する機会を与える。モジュール160は、その結果として生じた全てのマッピングを収集し、かつその過程で生じたあらゆる重複を取り除く。
【0128】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、構文的に正当な一組の組合せを有するが、その全てが論理的であるというわけではない。モジュール160は、可能性がある取引の記載である結果として生じた組合せを観察し、一組のビジネスルールに対してその正当性を立証する。例えば、一組の2つのトリガーがダブルノックアウト商品について特定された場合、それらの値はその下にある観測速度のいずれかの側に配置されなければならない(例えば、1つのトリガーはスポットより高く、他方は低くなければならない)。正当性の立証に失敗した組み合わせは省かれる。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、残りの有効な組合せをランク付けするために、動的なアルゴリズムを適用できる。例えば、モジュール160は、以下の情報のうちの少なくとも一部を考慮に入れることができる。各組合せについて実際に特定された取引品目の優先度。例えば、表1において、権利行使価格および満期にマッチする組み合わせは満期およびノーショナルにマッチングする組合せに好ましい。任意の所与のトークンのある品目へのマッピングに割り当てられた優先度。例えば、25dを25日の満期と特定する際の優先度は、25dを権利行使価格と特定する際の優先度より高い。所与の品目を所与の値にマッチングさせる際の確率。例えば、USD JPYオプションについて、値1000000をノーショナルにかつ85を権利行使価格にマッチングさせる際の確率は、1000000を権利行使価格にかつ85をノーショナルにマッチングさせる確率より高い。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態において、モジュール160は、ベストの結果を表示し、あるいはユーザが2、3の可能性の内から選択できるようにする。
【0131】
いくつかの例示的な実施形態において、ユーザが選択できる場合、あるいは結果として生じたパターンを変更する場合、変更されたパターンがモジュール160に戻され、再び遭遇した場合にそれがより高くランク付けされるようにこの選択が記憶される。
【0132】
ここで図11を参照すると、いくつかの例示的な実施形態による製品1100に関する略図が例示されている。製品1100は、論理1104を記憶する機械で読み取り可能な記憶媒体1102を含むことができ、それは、例えば、モジュール160(図1)および/またはインターフェイス111(図1)の機能の少なくとも一部を実行するために、および/または本願明細書に記載した一つ以上の動作を実行するために用いられる。
【0133】
いくつかの例示的な実施形態において、製品1100および/または機械で読み取り可能な記憶媒体1102は、データを記憶できる1つ以上のタイプのコンピュータ可読の記憶装置メディアを含むことができ、それらには、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、取り外し可能であるか取り外し不可能なメモリ、消去可能であるか非消去可能なメモリ、書き込み可能であるか書き換え可能なメモリ等が含まれる。ラム、DRAM、ダブルデータ転送速度DRAM(DDR―DRAM)、SDRAM、スタティックラム(SRAM)、ROM、プログラマプルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去書込み可能型ROM(EEPROM)、CD―ROM(CD―ROM)、CD―R(CD―R)、CD―RW(CD―RW)、フラッシュメモリ(例えば、NORまたはNAND型フラッシュメモリ)、コンテントアドレサブルメモリ(CAM)、ポリマーメモリー、位相変化メモリー、強誘電性メモリー、酸化シリコン―窒素化合物―酸化シリコン(SONOS)メモリー、ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、光学ディスク、磁気ディスク、カード、磁気カード、光学的カード、テープ、カセット等が含まれる。コンピュータ可読の記憶装置メディアは、搬送波または他の伝搬媒質で具体化されるデータ信号により、通信リンク、例えばモデム、無線またはネットワーク接続を介して、遠隔コンピュータから要求側コンピュータへと運ばれる、コンピュータープログラムのダウンロードあるいは伝達を伴う、任意の適切なメディアを含むことができる。
【0134】
いくつかの例示的な実施形態において、ロジック1104は命令、データおよび/またはコードを含むことができるが、それは、機械により実行される場合、その機械が方法、プロセスおよび/または動作を実行するようにする。機械は、例えば、任意の適切な処理プラットホーム、コンピューティングプラットホーム、コンピューティング装置、処理デバイス、演算システム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ等を含むことができ、かつハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等の任意の適切な組合せを用いて実施できる。
【0135】
いくつかの例示的な実施形態において、いくつかの例示的な実施形態において、ロジック1104は、ソフトウェア、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、プログラム、サブプログラム、命令、命令セット、演算コード、ワード、数値、シンボルを含むことができ、あるいを、実施できる。命令は、ソースコード、コンパイルドコード、解釈されたコード、実行可能コード、静的なコード、動的なコード等の任意の適切なタイプのコードを含むことができる。命令は、プロセッサにある機能を実行するように指示するために、予め定められた計算機言語、方法または文法に従って実行できる。命令は、例えばC、C++、Java(登録商標)、BASIC、Matlab、Pascal、Visual Basic、アセンブリ言語、マシンコード等の、任意の適切なハイレベル、ローレベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイルドおよび/または、インタープリティッドプログラミング言語を用いて実行できる。
【0136】
本願明細書において、提示されたプロセスおよびディスプレイは、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連しない。様々な汎用システムは、本願明細書の教示に従うプログラムによって、用いられることができ、あるいは所望の方法を実行するためにより特殊な装置を構成することが便利であると判明することもある。これらの様々なシステムのための所望の構成は、以下の説明から明らかである。加えて、いくつかの実施形態は、任意の特定のプログラミング言語に関して記載されていない。本願明細書に記載したように、本発明の教示を実施するために様々なプログラミング言語を用い得ることは言うまでもない。
【0137】
一つ以上の実施形態に関して本願明細書に記載した機能、動作、構成要素および/または特徴は、一つ以上の他の実施形態に関して本願明細書に記載した一つ以上の他の機能、動作、構成要素および/または特徴と組み合わせることができ、その逆もまた同じである。
【0138】
本発明のある特徴を例示し本願明細書に記載したが、多くの修正、置換、変更および等価物は当業者に心に浮ぶであろう。したがって、ここで理解されるべきことは、本発明の真の精神の範囲内に含まれるそのような修正および変更の全てを、添付の請求の範囲が包含することが意図されていることである。
【符号の説明】
【0139】
100 システム
105 ユーザデバイス
110 インターフェース
140 金融商品サービス
145 価格決定
149 市場データ
147 取引
146 分析
148 為替
160 商品を定義するもの
161 記憶装置
183 コンピューティングシステム
185 プロセッサ
187 メモリ
189 命令
1100 製品
1102 記憶装置
1004 ロジック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11