【実施例】
【0099】
本出願において用いる略号には下記のものが含まれる:アセチル(Ac)、酢酸(HOAc)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、大気(Atm)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBNまたはBBN)、メチル(Me)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、アセトニトリル(MeCN)、ジ−tert−ブチルピロカーボネートまたは無水boc(BOC
2O)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、ブチル(Bu)、メタノール(MeOH)、ベンジルオキシカルボニル(cbzまたはZ)、融点(mp)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、MeSO
2−(メシルまたはMs)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、質量スペクトル(ms) ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、メチル t−ブチルエーテル(MTBE)、ジベンジリデンアセトン(Dba)、N−カルボキシアンヒドリド(NCA)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、クロロギ酸ピリジニウム(PCC)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、重クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジクロロメタン(DCM)、プロピル(Pr)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、フェニル(Ph)、アゾジカルボン酸ジ−イソ−プロピル,DIAD、ポンド/平方インチ(psi)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジン(pyr)、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム,DIBAL−H、室温,rtまたはRT、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、tert−ブチルジメチルシリルまたはt−BuMe
2Si(TBDMS)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン(Et
3NまたはTEA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トリフレートまたはCF
3SO
2−(Tf)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、酢酸エチル(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(Et
2O)、トリメチルシリルまたはMe
3Si(TMS)、エチル(Et)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(TsOHまたはpTsOH)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、4−Me−C
6H
4SO
2−またはトシル(Ts)、イソ−プロピル(i−Pr)、N−ウレタン−N−カルボキシアンヒドリド(UNCA),エタノール(EtOH)。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)およびネオ(neo)を含む一般的な命名法は、アルキル部分と共に用いられる場合、それらの慣用される意味をもつ。(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
【0100】
一般的条件
本発明の化合物は、以下の実施例のセクションに記載する具体的な合成反応に示す多様な方法により製造できる。
【0101】
これらの化合物を製造する際に用いる出発物質および試薬は、一般にAldrich Chemical Co.などの業者から入手できるか、あるいは当業者に既知の方法により、たとえば下記の参考文献に述べられた方法に従って製造される:Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals; およびOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40。実施例のセクションに示す合成反応スキームはそれにより本発明の化合物を合成できる若干の方法の説明にすぎず、これらの合成反応スキームに対する多様な改変が実施可能であり、本明細書に含まれる開示内容を参照した当業者に示唆されることを認識すべきである。
【0102】
合成反応スキームの出発物質および中間体は所望により一般法を用いて単離および精製することができ、それには濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどが含まれるが、これらに限定されない。そのような物質は、物理定数およびスペクトルデータを含む一般的手段で特性分析することができる。
【0103】
そうではないと明記しない限り、本明細書に記載する反応は一般に不活性雰囲気下に大気圧で、約−78℃から約150℃まで、多くの場合に約0℃から約125℃までの反応温度範囲、より多くの場合かつ好都合にはほぼ室温(または周囲温度)、たとえば約20℃において実施される。
【0104】
本発明化合物上の多様な置換基は、出発物質に存在するか、既知の置換反応または変換反応によりいずれかの中間体に付加するか、あるいは最終生成物の形成後に付加することができる。置換基自体が反応性であれば、それらの置換基自体を当技術分野で既知の手法に従って保護することができる。多様な保護基が当技術分野で知られており、それらを使用できる。可能な多数の基の例が“Protective Groups in Organic Synthesis” by Green et al., John Wiley and Sons, 1999中にある。たとえば、ニトロ基をニトロ化により付加し、このニトロ基を他の基に変換できる;たとえば還元によりアミノに変換し、このアミノ基をジアゾ化し、このジアゾ基をハロゲンで置き換えることによりハロゲンに変換できる。アシル基は、フリーデル−クラフツ(Frieder-Crafts)アシル化により付加できる。このアシル基を次いで多様な方法で対応するアルキル基に変換でき、これにはウォルフ−キシュナー(Wolff-Kishner)還元およびクレメンソン(Clemmenson)還元が含まれる。アミノ基をアルキル化して、モノ−およびジ−アルキルアミノ基を形成できる;メルカプトおよびヒドロキシ基をアルキル化して、対応するエーテル類を形成できる。第一級アルコールを当技術分野で既知の酸化剤で酸化してカルボン酸またはアルデヒド類を形成でき、第二級アルコールを酸化してケトン類を形成できる。このように、置換または変換反応を利用して、出発物質、中間体、または最終生成物(単離した生成物を含む)の分子全体に多様な置換基を付与することができる。
【0105】
製造例
製造例1.
中間体キラル1−((2R,3R,4R,5S)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヨードメチル)−3−メチル−テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの製造
【0106】
【化8】
【0107】
キラル1−((2R,3R,4R,5R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(6.14g,23.6mmol)、PPh
3(9g,34.4mmol)、イミダゾール(2.4g,34.4mmol)および乾燥THF(100mL)を、3口フラスコボトル(500mL)に添加し、混合物を20℃で窒素雰囲気下に20分間撹拌した。次いで、乾燥THF(100mL)に溶解したI
2(6.6g,26mmol)を、混合物に20℃で30分間に滴加し、添加した後、混合物全体を20℃で窒素雰囲気下に18時間撹拌した。TLCは出発物質が消費されたことを示し、次いで水(50mL)をそれに添加し、混合物をEA(150mL×3)により抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、溶媒を減圧により除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(DCM:MeOH=100:1−50:1)により精製して、表題化合物を白色固体(8.2g,94%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=371.0。
【0108】
製造例2.
中間体キラル1−((2R,3R,4R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−5−メチレン−テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの製造
【0109】
【化9】
【0110】
キラル1−((2R,3R,4R,5S)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヨードメチル)−3−メチル−テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(8.2g,22mmol)をMeOH(100mL)に溶解し、NaOMe(3.73g,69mmol)をそれに窒素雰囲気下で添加し、添加した後、混合物を65℃に加熱し、窒素雰囲気下で14時間撹拌した;TLCは出発物質が消費されたことを示し、次いで混合物を室温に冷却し、IR−120(H)イオン交換樹脂をそれに添加してpHを8に調整し、濾過し、溶媒を減圧により除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(DCM:MeOH=15:1)により精製して、表題化合物を白色固体(3.3g,59%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=243.1。
【0111】
製造例3.
中間体キラル安息香酸(3R,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−フルオロ−4−メチル−2−メチレン−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステルの製造
【0112】
【化10】
【0113】
キラル1−((2R,3R,4R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−5−メチレン−テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(18.3g,75.6mmol)およびDMAP(27.7g,227mmol)の、無水THF(900mL)中における混合物に、0℃でBzCl(15.9g,113.4mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで飽和NaHCO
3を添加して反応を停止した。混合物をEA(300mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせてH
2O、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(DCM:MeOH=160:1−120:1)により精製して、表題化合物を白色固体(17g,65%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=347.1。
【0114】
製造例4.
中間体キラル(2R,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2,4−ジフルオル−O−2−(ヨードメチル)−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾエートの製造
【0115】
【化11】
【0116】
キラル安息香酸(3R,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−4−フルオロ−4−メチル−2−メチレン−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(17g,49mmol)およびAgF(31g,245mmol)の、無水THF(600mL)中における混合物に、0℃でI
2(24.8g,98mmol)のTHF溶液(600mL)を滴加した。添加が完了した後、反応混合物を室温にまで高め、3時間撹拌した。TLC分析は出発物質が完全に消費されて目的生成物が形成されたことを示した。NaS
2O
3水溶液(5%,300mL)により反応を停止した。混合物をEA(350mL×3)により抽出した。有機抽出液を合わせてブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(DCM:MeOH=120:1)により精製して、表題化合物を白色固体(11g,45%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=493.0。
【0117】
製造例5.
中間体キラル(2R,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2,4−ジフルオル−O−2−ベンゾイルメチル−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾエートの製造
【0118】
【化12】
【0119】
キラル(2R,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2,4−ジフルオル−O−2−(ヨードメチル)−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾエート(0.56g,1.15mmol)、安息香酸ナトリウム(0.825g,5.73mmol)および18−クラウン−6(0.03g,0.115mmol)をDMSO(20mL)に懸濁し、この溶液を100℃に加熱し、窒素雰囲気下で18時間撹拌し、次いで室温に冷却し、水(30mL)をそれに添加し、混合物をEA(30mL×3)により抽出し、有機層をH
2O、ブラインおよびH
2Oで洗浄し、溶媒を減圧により除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=1:2)により精製して、表題化合物を無色の油(0.34g,61%)として得た;
LC-MS (M+Na)
+=509.1。
【0120】
製造例6.
中間体1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの製造
【0121】
【化13】
【0122】
キラル(2R,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2,4−ジフルオル−O−2−ベンゾイルメチル−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾエート(0.34g,0.7mmol)をメタノールに溶解し、メタノール中のアンモニア溶液(7N,20mL)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)および分取HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体(0.074g,38%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=279.1;
1H NMR (300MHz, DMSO-d
6) δ 11.575 (s, 1 H), 7.666-7.639 (d, 1 H, J=8.1 Hz), 6.324-6.266 (d, 1 H, J=17.4 Hz), 6.056-6.037 (d, 1 H, J=5.7 Hz), 5.821 (brs, 1 H), 5.713-5.686 (d, 1H, J=8.1 Hz), 4.057-4.023 (m, 1H), 3.636 (s, 2 H), 1.313-1.238 (d, 3H, J=22.5 Hz)。
【0123】
製造例7.
中間体キラル5−ブロモ−1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオンの製造
【0124】
【化14】
【0125】
2mLのマイクロ波バイアル内で、キラル1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(70mg,0.252mmol)およびNBS(67.2mg,0.377mmol)を、DMF(0.7ml)に溶解した。混合物に蓋をし、マイクロ波照射下に80℃で10分間加熱した。LC/MS分析は出発物質が完全に消費されて目的生成物が唯一の主生成物として形成されたことを示した。溶媒を蒸発させ、残留物を2×4gのシリカゲルカートリッジにより、ヘキサン類中の0−70% EtOAcで溶離して精製して、表題化合物を白色固体(94mg,90%)として得た;
MS (M)
+=358;
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ(ppm) 8.41 (s, 1H),6.40-6.35 (d, 1H),4.28- 4.18 (m, 1H), 3.80-3.76 (d,2H), 1.45-1.37(d, 3H)。
【0126】
実施例1.
(S)−2−{[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0127】
【化15】
【0128】
工程A.
(S)−イソプロピル 2−アミノプロパノエート塩酸塩(Oakwood,500mg,2.98mmol)およびフェニルホスホロジクロリデート(Aldrich,662mg,2.98mmol)を、無水DCM(25mL)に懸濁した。反応物を−78℃に冷却した。トリエチルアミン(604mg,830μl,5.97mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温にまで高め、一夜撹拌した。溶媒を除去し、残留物を乾燥エーテルで洗浄した。濾液を濃縮すると粗製(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエートが淡黄色の油(0.8g,88%)として得られ、それをそれ以上精製せずに使用した。
【0129】
工程B.
製造例6で製造したキラル1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(42mg,151μmol)のTHF(8.00ml)中における溶液に、tert−ブチルマグネシウムクロリド(377μl,377μmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)を滴加した。混合物を室温で15分間撹拌し、続いて(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(755μl,377μmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて,tert−ブチルマグネシウムクロリド(189μl,189μmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)、および(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(378μl,189μmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を次いで室温で2時間撹拌した。メタノール(2mL)を添加して反応を停止した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM中の0−15% MeOH)により精製し、真空乾燥して、表題化合物を淡黄色固体(18mg,22%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=548.1。
【0130】
実施例2.
(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0131】
【化16】
【0132】
工程A.
ナフタレン−1−オール(Aldrich,1.5g,10.4mmol)およびオキシ塩化リン(V)(Aldrich,1.6g,0.97ml,10.4mmol)を無水エーテル(37.5mL)に懸濁し、温度を−78℃に低下させた。トリエチルアミン(1.05g,1.45ml,10.4mmol)を滴加し、反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温にまで高め、一夜撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮すると粗製のナフタレン−1−イル ホスホロジクロリデートが淡黄色の油(2g,74%)として得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に使用した。
【0133】
工程B.
(S)−イソプロピル 2−アミノプロパノエート塩酸塩(Oakwood,1.28g,7.64mmol)およびナフタレン−1−イル ホスホロジクロリデート(2g,7.66mmol)を、無水DCM(35mL)に懸濁した。反応物を−78℃に冷却した。トリエチルアミン(1.55g,2.13mL,15.3mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温にまで高め、5時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物を乾燥エチルエーテルで洗浄し、濾過した。濾液を濃縮すると粗製の(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−1−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエートが淡黄色の油(2.5g,92%)として得られ、それをそれ以上精製せずに使用した。
【0134】
工程C.
製造例6で製造したキラル1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(150mg,539μmol)の、THF(24ml)中における溶液に、tert−ブチルマグネシウムクロリド(1.35mL,1.35mmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)を滴加した。混合物を室温で15分間撹拌し、続いて(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−1−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(2.7mL,1.35mmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いでさらにtert−ブチルマグネシウムクロリド(0.68mL,0.68mmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)、および(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−1−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(1.35mL,0.68mmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を、次いで室温で3時間撹拌した。メタノール(6mL)を添加して反応を停止した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM中の0−15% MeOH)により精製し、真空乾燥して、表題化合物を白色固体(0.2g,62%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=596.0。
【0135】
実施例3.
(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0136】
【化17】
【0137】
工程A.
ナフタレン−2−オール(Aldrich,2g,13.9mmol)およびオキシ塩化リン(V)(Aldrich,2.13g,1.29ml,13.9mmol)を、無水エーテル(50mL)に懸濁し、温度を−78℃に低下させた。トリエチルアミン(1.4g,1.93ml,13.9mmol)を滴加し、反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温にまで高め、一夜撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮すると粗製のナフタレン−2−イル ホスホロジクロリデートが淡黄色の油(2.5g,69%)として得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に使用した。
【0138】
工程B.
(S)−イソプロピル 2−アミノプロパノエート塩酸塩(Oakwood,500mg,2.98mmol)およびナフタレン−2−イル ホスホロジクロリデート(724mg,2.98mmol)を、無水DCM(25mL)に懸濁した。反応物を−78℃に冷却した。トリエチルアミン(604mg,830μl,5.97mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温にまで高め、5時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物を乾燥エチルエーテルで洗浄し、濾過した。濾液を濃縮すると粗製の(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−2−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエートが淡黄色の油(0.8g,75%)として得られ、それをそれ以上精製せずに使用した。
【0139】
工程C.
製造例6で製造したキラル1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(60mg,216μmol)の、THF(8ml)中における溶液に、tert−ブチルマグネシウムクロリド(539μl,539μmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)を滴加した。混合物を室温で15分間撹拌し、続いて(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−2−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(1.08mL,539μmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いでさらにtert−ブチルマグネシウムクロリド(270μl,270μmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)、および(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−2−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(0.54mL,270μmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を、次いで室温で18時間撹拌した。メタノール(2mL)を添加して反応を停止した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM中の1−18% MeOH)により精製し、真空乾燥して、表題化合物を白色固体(75mg,58%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=596.1。
【0140】
実施例4.
(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−[((S)−1−イソプロポキシカルボニル−エチルアミノ)−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルオキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0141】
【化18】
【0142】
実施例3 工程Cの(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造について記載した方法で、(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−[((S)−1−イソプロポキシカルボニル−エチルアミノ)−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルが第2生成物として得られた:白色固体,8mg(4%);
LC-MS (M+H)
+=917.2。
【0143】
実施例5.
(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−4−メチル−3−プロピオニルオキシ−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0144】
【化19】
【0145】
実施例2で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(86mg,144μmol)の、THF(10mL)中における溶液に、プロピオニルクロリド(66.6mg,720μmol)およびDMAP(87.9mg,720μmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,40g,DCM中の0−15% MeOH)により精製して、表題化合物を白色固体(45mg,48%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=652.1。
【0146】
実施例6.
キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0147】
【化20】
【0148】
実施例3で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(50mg)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(27mg,54%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=596.1。
【0149】
実施例7.
キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0150】
【化21】
【0151】
実施例3で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(50mg)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(12mg,24%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=596.1。
【0152】
実施例8.
キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0153】
【化22】
【0154】
実施例2で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(100mg)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(24mg,24%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=596.1。
【0155】
実施例9.
キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0156】
【化23】
【0157】
実施例2で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(100mg)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(53mg,53%)として得た;
LC-MS (M-H)
+=596.1。
【0158】
実施例10.
キラル(S)−2−{(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0159】
【化24】
【0160】
実施例1で製造した(S)−2−{[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステル(0.18g)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−{(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(60mg,33%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=548.0。
【0161】
実施例11.
キラル(S)−2−{(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0162】
【化25】
【0163】
実施例1で製造した(S)−2−{[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステル(0.18g)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−{(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−フェノキシ−ホスホリルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(28mg,16%)として得た;
LC-MS (M+H)
+=548.0。
【0164】
実施例12.
キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0165】
【化26】
【0166】
工程A.
製造例7で製造したキラル5−ブロモ−1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(50mg,0.14mmol)の、THF(3ml)中における溶液に、0℃でtert−ブチルマグネシウムクロリド(0.35mL,0.35mmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)を滴加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、続いて実施例2 工程Bで製造した(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−1−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(0.7mL,0.35mmol)のTHF溶液(0.5M)を添加した。反応混合物を室温にまで高め、2時間撹拌した。メタノール(2mL)を添加して反応を停止した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中の5−10% MeOH)により精製して、(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(50mg,52%)として得た。
【0167】
工程B.
(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(50mg)をキラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(11mg,22%)として得た;
LC-MS (M)
+=676.0。
【0168】
実施例13.
キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0169】
【化27】
【0170】
実施例16で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(50mg)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離して、キラル(S)−2−[(S)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルを白色固体(27mg,54%)として得た;
LC-MS (M)
+=676.0。
【0171】
実施例14.
キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0172】
【化28】
【0173】
実施例12 工程Bで(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(50mg)をキラルSFCクロマトグラフィーにより分離する際に、キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−1−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルが第2生成物として得られた:白色固体(8mg,16%);
LC-MS (M)
+=676.0。
【0174】
実施例15.
キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0175】
【化29】
【0176】
実施例16で製造した(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステル(50mg)をキラルSFCクロマトグラフィーにより分離する際に、キラル(S)−2−[(R)−[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルが第2生成物として得られた:白色固体(16mg,32%);
LC-MS (M)
+=675.9。
【0177】
実施例16.
キラル(S)−2−[[(2S,3S,4R,5R)−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イルメトキシ]−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ホスホリルアミノ]−プロピオン酸イソプロピルエステルの製造
【0178】
【化30】
【0179】
製造例7で製造したキラル5−ブロモ−1−((2R,3R,4S,5S)−3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(92mg,0.26mmol)の、THF(3ml)中における溶液に、0℃でtert−ブチルマグネシウムクロリド(0.64mL,0.64mmol)のTHF溶液(Aldrich,1M)を滴加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、続いて実施例3 工程Bで製造した(2S)−イソプロピル 2−(クロロ(ナフタレン−2−イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(1.29mL,0.64mmol)のTHF溶液(0.5M)を滴加した。反応混合物を室温にまで高め、2時間撹拌した。メタノール(2mL)を添加して反応を停止した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中の5−10% MeOH)により精製して、表題化合物を白色固体(56mg,32%)として得た;
LC-MS (M)
+=676.0。
【0180】
生物学的実施例
HCVレプリコンアッセイ
このアッセイは、式Iの化合物がHCV RNA複製を阻害する能力、したがってHCV感染症の処置に対するそれらの潜在的有用性を測定する。このアッセイは、細胞内HCVレプリコンRNAレベルの簡単な読み出しとしてレポーターを利用する。レニラ(ウミシイタケ)ルシフェラーゼ(Renilla luciferase)遺伝子を、遺伝子型1bレプリコン構築体NK5.1(N. Krieger et al., J. Virol. 2001 75(10):4614)の第1オープンリーディングフレーム内に、内部リボソーム侵入部位(internal ribosomal entry site)(IRES)配列の直後に導入し、口蹄疫ウイルス由来の自己開裂ペプチド2Aを介してネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子と融合させた(M.D. Ryan & J. Drew, EMBO 1994 13(4):928-933)。インビトロ転写の後、そのRNAをヒトヘパトーマHuh7細胞内へエレクトロポレーションにより導入し、G418耐性コロニーを分離して増殖させた。安定選択した細胞系2209−23は、複製HCVサブゲノムRNAを含み、このレプリコンにより発現するレニラルシフェラーゼの活性は、細胞におけるそれのRNAレベルを反映する。化学物質の抗ウイルス活性および細胞毒性を並行して測定するためにアッセイを二重のプレート(1つは不透明白色、1つは透明)で実施して、観察された活性が細胞増殖低下によるものまたは細胞死によるものではないことを確認した。
【0181】
レニラルシフェラーゼレポーターを発現するHCVレプリコン細胞(2209−23)を、5%のウシ胎仔血清(FBS,Invitrogen カタログno.10082−147)を含むダルベッコのMEM(Dulbecco’s MEM)(Invitrogen カタログno.10569−010)で培養し、96ウェルプレートにウェル当たり細胞5000個で播種し、一夜インキュベートした。24時間後、増殖培地中における化学物質の種々の希釈液を細胞に添加し、それを次いで37℃で3日間、さらにインキュベートした。このインキュベーション期間が終了した時点で、白色プレートの細胞を収穫し、レニラルシフェラーゼアッセイシステム(Promega カタログno.E2820)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。以下の節に記載する試薬はすべて製造業者のキットに含まれ、試薬の調製については製造業者の指示に従った。細胞をウェル当たり100μLのリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.0)(PBS)で1回洗浄し、20μlの1×レニラルシフェラーゼアッセイ用溶解緩衝液で細胞溶解した後、室温で20分間インキュベートした。プレートを次いでCentro LB 960マイクロプレートルミノメーター(Berthold Technologies)に挿入し、100μlのレニラルシフェラーゼアッセイ緩衝液を各ウェルに注入し、2秒遅れ、2秒測定のプログラムを用いて信号を測定した。IC
50、すなわち非処理細胞対照値と対比してレプリコンレベルを50%低下させるのに要する薬物濃度を、ルシフェラーゼ活性低下率パーセント−対−前記の薬物濃度のプロットから計算することができる。
【0182】
Roche Diagnostic(カタログno.1644807)からのWST−1試薬を細胞毒性アッセイに用いた。10μlのWST−1試薬を透明プレートの各ウェルに添加し、これにはブランクとして培地のみを入れたウェルも含まれていた。細胞を次いで37℃で2時間インキュベートし、MRX Revelationマイクロタイタープレートリーダー(Lab System)を用いて450nm(基準フィルターは650nm)でOD値を読み取った。この場合も、CC
50、すなわち非処理細胞対照値と対比して細胞増殖を50%低下させるのに要する薬物濃度を、WST−1値低下率パーセント−対−前記の薬物濃度のプロットから計算することができる。
【0183】
代表的な生物学的データを下記の表IIに示す。
【0184】
【表3】
【0185】
本明細書中で処置という表記は予防および既存状態の治療にまで及ぶこと、また動物の処置にはヒトおよび他の哺乳動物の処置が含まれることは理解されるであろう。さらに、本明細書中で用いるC型肝炎ウイルス(HCV)感染症の処置には、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症に関連するかまたはそれにより媒介される疾患もしくは状態またはその臨床症状の治療または予防も含まれる。
【0186】
以上の明細書または以下の特許請求の範囲または添付の図面に開示される特徴であって、それらの具体的形態で表わされたもの、あるいは開示した機能を実施するための手段または開示した結果を達成するための方法もしくはプロセスにより表わされたものは、適宜、個別に、またはそのような特徴のいずれかの組合わせで、本発明をその多様な形態で実現するために利用できる。
【0187】
以上の本発明は、明確さおよび理解を目的として説明および例によってある程度詳細に記載されている。特許請求の範囲内で変更および改変を実施できることは当業者には明らかであろう。したがって、以上の記載は説明のためのものであって、限定ではないことを理解すべきである。したがって、本発明の範囲は、以上の記載を参照して判断すべきではなく、以下の特許請求の範囲、ならびにそのような特許請求の範囲が権利を付与される均等物の全範囲を参照にして判断すべきである。
【0188】
本出願に引用したすべての特許、特許出願および刊行物を、個々の特許、特許出願および刊行物が個別にそのように明記されたと同程度に、あらゆる目的で全体として本明細書に援用する。