(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982023
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】回転/押しボタン制御装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/00 20060101AFI20160818BHJP
H01H 25/06 20060101ALI20160818BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
H01H25/00 G
H01H25/06 E
H01H9/16 G
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-31286(P2015-31286)
(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公開番号】特開2015-159111(P2015-159111A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2015年4月14日
(31)【優先権主張番号】10 2014 102 227.0
(32)【優先日】2014年2月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】メティン ゾンメツ
【審査官】
岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0276572(US,A1)
【文献】
特開2008−251414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/00−25/06
H01H 89/00
H01H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転/押しボタン制御装置(1)であって、
回路基板(14)と、
この回路基板(14)上に配置された電気スイッチ(5)と、
回転軸線(2)を中心に所定の回転角度で半径方向に移動可能である共に、上記回転軸線(2)に沿って軸線方向に移動可能であり、中心に配置されたシャフト(4)と一体的に形成された外側リング(3)であって、上記シャフト(4)が上記電気スイッチ(5)に向かって上記回転軸線(2)に沿って延びており、上記外側リング(3)の上記軸線方向への移動によって上記シャフト(4)による上記電気スイッチ(5)への直接的な接続が行なわれ、上記外側リングの内壁(7)と上記シャフト(4)との間に中間領域が形成される上記外側リング(3)と、
底面に上記回路基板(14)が固定された内側リング(6)であって、上記外側リング(3)の上記内壁(7)と上記シャフト(4)との間の上記中間領域に、上記シャフト(4)及び上記外側リング(3)と同軸に配置された上記内側リング(6)と、
上記外側リング(3)の上記内壁(7)と上記内側リング(6)の外壁(10)との間に配置され、少なくとも2列の転動体(9)を備えた転がり軸受(8)と、
上記外側リング(3)の回転運動を電気的に記録するための少なくとも1つの手段と、を有し、
上記内側リング(6)の外壁(10)の内周面は、上記シャフト(4)の外周面に対して近接するように配置され、上記回転/押しボタン制御装置(1)の最大直径は、20mm未満であることを特徴とする回転/押しボタン制御装置(1)。
【請求項2】
上記外側リング(3)の上記回転運動を電気的に記録するための手段は、光電子素子(13)である請求項1記載の回転/押しボタン制御装置(1)。
【請求項3】
上記外側リング(3)は、感光性バリアで上記外側リング(3)の回転運動を電気的に記録可能な一体化された形状である請求項2記載の回転/押しボタン制御装置(1)。
【請求項4】
更に、上記外側リング(3)の周囲に配置されるロッキングカム(16)を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の回転/押しボタン制御装置(1)。
【請求項5】
更に、上記ロッキングカム(16)に係合するばね要素を有し、触覚特性は、上記ロッキングカム(16)並びに上記ばね要素の形状及び特性に起因する請求項4記載の回転/押しボタン制御装置(1)。
【請求項6】
上記転がり軸受(8)は、転動体(9)からなる少なくとも2列の形態で設計され、1列の玉状の転動体がケージ内に置かれ、このケージは互いに離間された玉を保持する請求項1乃至5の何れか1項に記載の回転/押しボタン制御装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度の回転/押しボタン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転/押しボタンは、通常滑り軸受及び中心に配置された押しボタン作動、又は追加の歯車装置の有無に関わらず偏心して配置された押しボタン作動を有する玉軸受からなる。
【0003】
滑り軸受けは案内面の間に隙間を必要とするので、この解決策は概して回転ボタンの揺動をもたらす。玉軸受を備える第2の解決策では、押しボタンの作動は偏心であり、これは、より高い摩擦トルクを発生する。どちらの特性も、摩擦が最も小さく回転ボタンの揺動が最も小さい良好な触覚のために非常に重要である。残念なことに、両方の特性は互いに反対に働く。
すなわち、案内隙間が最小であると、回転ボタンの揺動が最小になるが、摩擦が大きくなる。一方、案内隙間が大きいと、摩擦が最小になるが、回転ボタンの揺動は大きくなる。
【0004】
周知の解決策では、通常これらの2つの特性間の妥協点を示す。回転押しボタン制御装置の直径及びその結果得られる設置空間の直径が小さい程、回転ボタンの揺動を最小にするのは困難である。
【0005】
スイッチ装置については、特許文献1(欧州特許出願公開第2490240号明細書)から知られており、円筒状コアの長手軸に沿った同軸アセンブリを有し、コアベースから軸方向に遠位端まで延在する。コアベースは、ベースプレートに固定される。外側ノブは、ノブベースから遠位ノブ頂部まで延在し、ノブは、円筒状コアを中心に長手方向軸線に沿って回転可能である。スイッチング手段は、ノブの回転に依存して電気信号を発生する。また、円筒状コアに対するノブの動作においてノブを案内するための手段も提供される。このノブ案内手段は、円筒状コアの遠位端付近及びノブ頂部付近における上部案内部、並びにコアベース付近及びノブベースにおける下部案内部を備える。このような形態では、上部案内部が回転要素を備え、これらの回転要素がコアの一体的な構成要素である上部案内部の内輪と、ノブの一体構成要素である上部案内部の外輪との間を回転する。したがって提供された上部玉軸受の配置によって、ノブの回転運動の結果として起こる摩擦が防止される。
【0006】
人間・機械インターフェース、特に、空調装置などの車両構成要素のための回転制御/押圧制御装置は、特許文献2(独国特許出願公開第102011083524号明細書)に記載されている。この回転制御/押圧制御装置は、回転/押圧要素を含み、回転/押圧要素は案内シャフトを中心に回転可能であり、案内軸に沿って軸方向に移動可能である。また、回転/押圧制御装置は、外側軸受リング、内側軸受リング及び外側軸受リングと内側軸受リングとの間に配置されたローラを有する転がり軸受ユニットを含む。このような形態では、外側軸受リング、或いは、内側軸受リングが回転/押圧要素に連結され、同時に回転可能である。回転センサは、回転/押圧要素の回転運動を検出する。また、回転制御/押圧制御装置は、以下の2つの特徴、すなわち、開始位置から案内シャフトに沿って陥凹位置までの回転制御/押圧制御装置の軸運動に応答する圧力センサ、及び、回転/押圧要素がその開始位置に自動的に移動するための戻り要素の少なくとも1つも含む。この場合における戻り要素は、直接的又は間接的に転がり軸受ユニットに作用する。内側軸受リング、或いは、外側軸受リングは、案内軸線上を軸方向に移動可能に案内され、軸受リングの回転を防止するために上述した軸線上に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2490240号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011083524号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、回転/押しボタン制御装置の精度及び触覚特性を改善する一方で、基本機能を保持することからなる。すなわち、
回転制御装置は、定められた分類に対応する回転角度の調節を記録し、電気信号に変換する。
押しボタンスイッチは、作動を検出し、対応する電気信号に変換する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する回転/押しボタン制御装置によって達成される。本発明による回転/押しボタン制御装置は、
回転軸線を中心に所定の回転角度で半径方向に移動可能であると共に、回転軸線に沿って軸線方向に移動可能であり、中心に配置されたシャフトと一体形成された外側リングであって、シャフトが電気スイッチへの接続部を備え、又は、シャフトの軸線方向への移動によってシャフトによる電気スイッチへの接続が行なわれ、外側リングの内壁とシャフトとの間に中間領域が形成される上記外側リングと、
外側リングの内壁とシャフトとの間の中間領域に、シャフト及び外側リングと同軸に配置された内側リングと、
外側リングの内壁と内側リングの外壁との間に配置され、少なくとも2列の転動体を備えた転がり軸受であって、外側リングの内壁及び内側リングの外壁が、転動体に対して転がり面を提供する、転がり軸受と、
外側リングの回転運動を電気的に記録するための少なくとも1つの手段と、
を有する。
【0010】
主な利点は、外側リングによって形成された回転ボタンの揺動がなく、転がり軸受及び電気スイッチを作動するために提供された、中心に配置されたシャフトに起因して生じる摩擦が最小であることである。さらに、転がり軸受、好ましくは、玉軸受の少なくとも2列が回転ボタンに一体化される。特に有利であるのは、一体化された押しボタン機能、すなわち電気スイッチを作動するためのシャフトが外側リングに一体化され、外側リングが軸方向に移動可能である、すなわちボタンの動きに対応することである。回転/押しボタン制御装置は、例えば、20mm未満の直径を有する非常に小さい回転ボタンの場合に特に適している。
【0011】
本発明の有利な一実施形態では、内側リングには回路基板が固定され、この回路基板の上に電気スイッチが配置されることが好ましい。
【0012】
光電子素子は、外側リングの回転運動を電気的に記録するための手段として特に適している。本発明の好ましい一実施形態によれば、外側リングは、感光性バリアで外側リングの回転運動を電気的に記録可能な一体化された形状、特に歯形を示す。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、ロッキングカムは外側リングの周囲に置かれる。したがって、回転制御装置に一体化されたロッキング形状は、触覚フィードバックを提供する機能を果たす。好ましくは、ロッキングカムに係合するばね要素が提供される。この場合、触覚特性は、ロッキングカム並びにばね要素の形状及び特性に起因する。
【0014】
外側リングの半径方向運動は、本発明の有利な実施形態により末端止め部によって制限される。この場合の外側リングは、好ましくは360°移動可能である。
【0015】
上述したように、転がり軸受は、好ましくは、玉状の転動体からなる少なくとも2列の形態であり、1列の玉状の転動体がケージ内に置かれ、ケージは互いに離間された玉を保持する。回転/押しボタン制御装置は、好ましくは、溝付き玉軸受と同様に設計され、基本的に以下の3つの個々の構成要素からなる。
1.中心に配置されたシャフトを備えた外側リング
2.2列の転がり軸受であって、各列は、好ましくは、玉状の転動体を備えたケージからなる
3.内側リング
【0016】
さらに、スナップフックは、装飾部品を締結するために本発明による回転/押しボタン制御装置に一体化されてもよい。スナップフックは、外側リングの周囲に取り付けられてもよい。スナップフックの数、形状及びサイズは、機械的要件に従って設計されてもよい。
【0017】
本発明のさらなる詳細、特徴及び利点は、関連した図面を参照して例示的実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による回転/押しボタン制御装置の概略断面図である。
【
図2】本発明の実施形態による回転/押しボタン制御装置の外側リングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態による回転/押しボタン制御装置1又は回転/押しボタン1の概略断面を示し、この回転/押しボタン制御装置1又は回転/押しボタン1は、回転軸線2を中心に移動可能な外側リング3と、押しボタン5又は電気スイッチ5を作動するために外側リング3の内側の中心に配置されたシャフト4とを備えている。この場合、シャフト4は外側リング3の構成要素に一体化されており、シャフト4及び外側リング3が単一構造の構成要素を形成している。さらに、回転/押しボタン1は、内側リング6を備え、内側リング6は、外側リング3内に同軸に配置されると共に、シャフト4を取り囲む。これは、内側リング6がシャフト4と外側リング3の内壁7との間の中間領域に配置されていることを意味する。転動体9からなる2列の転がり軸受8は、回転ボタン1に一体化され、転動体9は、外側リング3の内壁7と内側リング6の外壁10との間の中間領域に配置されている。このような形態では、1列の転動体9は、それぞれがケージ11によって等しい離間に維持される。この例の実施形態では、
図1に示すように転がり軸受8を含み、玉は転動体9として機能し、また、玉軸受8とも呼ばれる。回転/押しボタン1は、設計上、溝付き玉軸受に類似している。
図1に示すように、少なくとも一部の弓状凹部12は、転動体9又は玉9に対する案内面又は転がり面の領域内で内側リング6の外壁10及び外側リング3の内壁7の双方に設けられている。
【0020】
外側リング3は、半径方向、すなわち約360°の回転角度、並びに、軸方向、すなわち回転軸線2の軸線方向でのボタンの移動のどちらにも移動可能又は変位可能である。回転運動は、光電子要素13を利用して電気的に記録される。回路基板14は、内側リング6に、
図1によれば内側リング6の底面に固定される。中心に配置されたシャフト4は、電気スイッチ5又は押しボタン5に接続し、電気スイッチ5又は押しボタン5も回路基板14上に配置されている。
【0021】
さらに、ロッキングカムは、有利には外側リング3の周囲に配置される。触覚特性は、ロッキングカム並びにばね要素の形状及び特性に起因し、ばね要素はロッキングカムに係合する。
【0022】
図2は、回転/押しボタン制御装置1の外側リング3の斜視図を示す。この図の外側リング3は、感光性バリアを利用して外側リング3の回転運動を電気的に記録することを可能にする、一体化された形状を示す。
図2に示す例では、この形状が歯要素15で構成された歯形であり、歯要素15は、外側リング3の底面の全周に沿って一定の間隔で配置されている。
【0023】
図2に示す本発明の実施形態によれば、ロッキングカム16は、外側リングの全周に配置される。したがって、回転制御装置1に一体化されたロッキング形状は、触覚フィードバックを提供する機能を果たす。ばね要素(
図2に図示せず)は、好ましくは、ロッキングカムに係合するように設けられている。
【0024】
さらに、スナップフック17は、装飾部品を締結するために回転/押しボタン制御装置1に一体化され、スナップフック17は、外側リングの周囲に取り付けられる。その連結は、スナップフック17と共に構成要素をクリッピングすることにより行われる。スナップフック17の数、形状及び寸法は、機械的要件に従って設定することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 回転/押しボタン、回転/押しボタン制御装置、回転制御装置
2 回転軸線
3 外側リング
4 シャフト、押しボタン作動部
5 押しボタン、電気スイッチ
6 内側リング
7 外側リングの内壁
8 転がり軸受
9 転動体、玉軸受の列
10 内側リングの外壁
11 ケージ
12 凹部
13 光電子スイッチ、電気検出部
14 回路基板
15 歯要素
16 ロッキングカム
17 スナップフック