(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1は本発明を適用したテープ縫い付け装置の一実施形態の構成を示すもので、1はテーブル、2はミシン、3はテープ供給装置、4はテープラック、5は制御ボックス、6は表示装置、7はバーコードリーダ、8はミシン制御端末(操作パネル)、9は糸巻きである。
図示、上下方向をZ軸方向、これと直交する一つの方向をX軸方向(左右方向)、Z軸方向とX軸方向の両方向に直交する方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
なお、テーブル1には身頃がセットされ、ミシン2縫製パターンに基づいて身頃にテープを縫い付ける。
【0015】
図示のように、テーブル1の向こう側(Y軸方向後方側)にミシン2が配置されて、そのテーブル1及びミシン2の右側にテープ供給装置3が配置され、そのテープ供給装置3の向こう側(Y軸方向後方側)にテープラック4が配置されている。なお、テーブル1に針落ち穴10が形成され、テーブル1上に下板11及び上押え12が設けられている。また、ミシン2の頭部には、テープ縫い付け装置(テープ供給装置3とミシン2が含まれる。)のスタートスイッチ20及び停止スイッチ21が設けられている。
【0016】
テープ供給装置3は、テーブル1の右側に固定した固定ブロック31に、図示省略の直動案内としてのリニアガイドを介して可動ブロック33が取り付けられている。また、固定ブロック31にはシリンダ32が固定されている。シリンダ32の駆動ロッドの先端側は、可動ブロック33に固定されている。シリンダ32の駆動ロッド(ピストン)が進退すると、リニアガイドに案内されて、可動ブロック33は、テーブル1に対し右斜め上方から進退動作する。
そして、テーブル1の左側下方に制御ボックス5が配置され、テープ供給装置3の右側に表示装置6が配置されている。
さらに、表示装置6の手前下にバーコードリーダ7が掛けられて、表示装置6の上方にミシン制御端末8が置かれ、表示装置6の向こう側に糸巻き9が配置されている。糸巻き9から糸がミシン2に供給される。
【0017】
図2はテープを縫い付ける靴の身頃を示したもので、左外側の身頃LO、左内側の身頃LI、右内側の身頃RI、右外側の身頃ROの4枚である。
ここで、靴の踝の下に位置する高さは、左右ともに外側の身頃LO・ROの方が内側の身頃LI・RIよりも低く(幅が狭く)なっている。
そして、4枚の身頃LO・LI・RI・ROの底側に沿った部分には同一ピッチの2つの基準穴hがそれぞれ貫通形成されている。この2つの基準穴hは全サイズの身頃に共通で設けられ、靴底との接着時に折り返して基準穴hが隠されるようになっている。
【0018】
図3は表示装置6の表示画面の表示例を示したもので、作業者がバーコードリーダ7を持って図示しないバーコードシート上の、これからテープを縫い付ける所定の靴サイズのバーコードを読み取ると、図示のように、例えば読込値8が表示される。
【0019】
図4は
図1のテープ縫い付け装置をミシン側から見たもので、身頃LI(またはRO)をセットした状態を示しており、図示のように、身頃LI(またはRO)はテーブル1上の下板11と上押え12との間に挟まれる。従って、下板11と上押え12が身頃押え部を構成する。
なお、下板11と上押え12は、押え駆動装置13を介して、図示しないX−Y送り装置によりX軸方向、Y軸方向を同期移動し、また、上押え12は押え駆動装置13により上昇下降する。
【0020】
図5は
図1のテーブル1及び身頃押え部を拡大したもので、テーブル1には、基準ピン用の3つの丸穴14(14a、14b、14c)と、身頃センサ用の4つの丸穴15(15a、15b、15c、15d)が形成されている。すなわち、左右の丸穴14a、14bと、その中心を通り、向こう側(Y軸方向後方側)の丸穴14cが形成されている。
また、その左右の丸穴14a、14bの手前側に左右の丸穴15a、15dが形成され、その間で少し向こう寄りに左右の丸穴15b、15cが形成されている。
そして、基準ピンの中心の丸穴15中心を通る、Y軸方向中心線に対して、14aと14b、15aと15d、15bと15cは左右対称の位置にある。
図中、22はミシン2の針、23は針22が貫通する中押えである。また、
図5は縫製前に身頃をセットする、初期位置に身頃押押え部11、12が位置する。
【0021】
図6は
図5のテーブル1及び身頃押え部を正面側から見たもので、テーブル1の下には、丸穴14(14a、14b、14c)に出没する3つの基準ピン16と、丸穴15(15a、15b、15c、15d)の直下に位置する光電管による4つの身頃センサ17・18が配置されている。すなわち、テーブル1の下面にブラケット19を介して4つの身頃センサ17・18が取り付けられている。手前側の左右の丸穴15a、15dの直下に身頃センサ17がそれぞれ位置し、その間で少し向こう寄りの左右の丸穴15b、15cの直下に身頃センサ18がそれぞれ位置している。
【0022】
図7は
図6のテーブル1下部分を下方から見たもので、
図8は
図7の部分を右側から見たものである。
図示のように、テーブル1の下部には、ロッド111を介して支持板112が固定されている。この支持板112上にシリンダユニット113が搭載され固定されている。シリンダユニット113の駆動ロッド(ピストン)には可動板114が固定されている。可動板114には、ナットで固定した3つのネジ棒115上に基準ピン16がそれぞれ組み付けられている。この基準ピン16は、ネジ棒115に対し所定以上の荷重がかかると内部に引っ込むようバネを介装して組み付けられている。シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン116が上昇、下降する。
【0023】
図9は
図4の身頃押え部を拡大したもので、図示のように、テーブル1上で下板11の上に置いた身頃LI(またはRO)の2つの基準穴hに、作業者側から見て右側の基準ピン16bと中央向こう側の基準ピン16cが挿入して位置決めされる。なお、各身頃LI、LO、RI、ROは、その先端側(靴先側)が、Y軸方向後方側に配置されて位置決めされる。
【0024】
図10は
図9と内外が異なる身頃をセットした状態を示すもので、図示のように、テーブル1上で下板11の上に置いた身頃LO(またはRI)の2つの基準穴hに、作業者側から見て左側の基準ピン16aと中央向こう側の基準ピン16cが挿入して位置決めされる。
【0025】
図11は
図1のテープ供給装置3にテープをセットする状態を示したもので、
図12はそのテープをセットする方向から見た状態を示したものである。
図示のように、テープラック4は、上段ラック41、中段ラック42、下段ラック43の3段構成となっており、上段ラック41の回転板44上に小さい幅のテープTsが、中段ラック42の回転板44上に一般幅のテープTmが、下段ラック42の回転板44上に大きい幅のテープTwが、それぞれロール状態で置かれている。
【0026】
図示例では、最も多く用いられる普通幅のテープTmがテープ供給装置3のテープ供給経路にセットされる。
ここで、上段ラック41、中段ラック42、下段ラック43はともに、テープTs・Tm・Twをテープ供給装置3にセットする場合は、ガイド45に掛けて供給用穴46に通す。この供給用穴46にテープを通すと、近接スイッチによるテープセンサ47がテープを検出する。なお、LEDランプ48は、前記バーコードリーダ7で所定の靴サイズのバーコードを読み取った際、靴サイズに適合したテープ幅ラック(41〜43)の該当ラックLEDランプが点灯し、オペレータ(作業者)に知らせる。
また、使用しないテープの先端は待機用穴49に通しておく。
【0027】
図13は
図1のテープ供給装置3を拡大したもので、可動ブロック33の左下がり形状の上面がテープ供給経路となっていて、そのテープ供給経路は固定テープガイド34と可動テープガイド35により幅補正可能となっている。すなわち、固定テープガイド34に組み込んだ前後一対のネジ棒37が可動テープガイド35に螺合されている。また、一対のネジ棒37の下方には、ネジ棒37に直交するように、不図示の1本の伝達軸が配置されている。この伝達軸と一対のネジ棒37は、各々不図示のウオームギアにより連結されている。また、伝達軸の一端は不図示のパルスモータにギア連結されている。
そして、図示しないパルスモータの駆動により、伝達軸、ウオームギアを介して、一対のネジ棒37が回転すると、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35が平行移動してテープ供給経路の幅が補正される。
【0028】
図14は
図13のテープ送り出し機構部38を拡大したもので、図示のように、テープ送り出し機構部38は、テープ供給経路上のテープ上面に圧接してテープを送る前ローラ381及び後ローラ382と、これら前ローラ381及び後ローラ382の回転軸をそれぞれ回転自在に保持するホルダ383と、前ローラ381及び後ローラ382の間の中央直下において、可動ブロック33に固定された図示しないモータとを備える。
なお、ホルダ383は、前ローラ381及び後ローラ382の間の中央において、支軸385に回動可能に支持されている。支軸385は、ブラケット384に固定され、また、ブラケット384は可動ブロック33に固定されている。
また、前ローラ381と後ローラ382は、テープの送り出し方向に間隔を開けて配置され、テープに圧接してテープを送る2つのローラである。
また、可動ブロック33に固定された図示しないモータは、2つのローラを回転させる駆動源としての1つのモータである。
また、ホルダ383は、2つのローラの回転軸をそれぞれ回転自在に支持する。
【0029】
そして、ホルダ383を挟んで前ローラ381及び後ローラ382の反対側において、その回転軸とモータの駆動軸がタイミングベルト機構(動力伝達機構)39で連動連結される。
すなわち、タイミングベルト機構39は、前ローラ381及び後ローラ382の回転軸とモータの駆動軸に歯付きプーリ391・392・393をそれぞれ装着し、これら3つの歯付きプーリ391・392・393にタイミングベルト394を巻き付けて、ブラケット384の両側部において、タイミングベルト394の外周面にそれぞれ圧接するテンションプーリ395を設けて構成されている。テンションプーリ395は、ホルダ383の側面にブラケット396を介して取り付けられている。
タイミングベルト機構(動力伝達機構)39は、ホルダ383を挟んで2つのローラ(381、382)と反対側において、1つのモータの駆動軸の回転動力を、2つのローラの回転軸に伝達する。
詳細に述べると、タイミングベルト機構(動力伝達機構)39は、2つのローラの回転軸と1つのモータの駆動軸にそれぞれ設けられた歯付きプーリ391、392、393と、これら歯付きプーリに掛け渡されたタイミングベルト394から構成されている。
【0030】
また、前ローラ381及び後ローラ382の間のテープ供給経路上には、テープを切断するメス301が可動ブロック33の上面に可動に取り付けられている。メス301に上下動を付与する伝達腕303は、前ローラ381、後ローラ382のY軸方向後方側に配置されている。このメス301には一体化したレバー302が設けられている。
すなわち、メスを一端側で保持し、メスともに上下動する伝達腕303と、
伝達腕303に支持され、メスとともに上下動し、テープ供給経路上のテープを押圧可能な押えレバー(302)を備えている。
【0031】
さらに、テープ供給経路上には、テープセット側にテープ継目を検出する光電管によるテープ継目センサ303がブラケット304を介して可動ブロック33の上面に設置され、テープ送り出し側端にテープを検出する光電管によるテープセンサ305がブラケット306を介して可動ブロック33の上面に設置されている。
【0032】
図15はメス386を作動させた状態を示したものである。押えレバー302は板ばねで、メス301が作動した状態(
図15)で、テープを上方から押え付ける。これによってテープ供給装置3が進退動作時にテープがずれるのを防止する。テープをテープ供給装置3にセットする際は、手でレバー302を持ち上げ交換前のテープを抜き取り、使用するテープを挿入してテープ端をメス301側面に突き当て、レバー302を戻し固定する。
【0033】
図16は
図13のテープ供給経路を平面で示したものである。
【0034】
図17は
図14のテープ送り出し機構部38を側面で示したもので、図示のように、ホルダ383を揺動して前ローラ381と後ローラ382とを切り替えるローラ切り替え機構330が設けられている。
ローラ切り替え機構330は、レバー332及びシリンダユニット335等により構成される。
【0035】
すなわち、ホルダ383の側面に取り付けられた後側のブラケット396に形成した下方への延長部397に係合ピン398固定する。この係合ピン398を、可動ブロック33の側面に固定した第2支軸331に中間部で回動自在に支持された、連結レバー332の前側端に形成した長穴333に挿入する。
また、連結レバー332の後側端には、上方に向けたピストンロッド336を有するシリンダユニット335が配置されている。シリンダユニット335は可動ブロック33の側面に固定されている。レバー332の後側は、連結コマ334を介して、ピストンロッド336の上端部に連結されている。
すなわち、ローラ切り替え機構330は、ホルダ383を、2つのローラの間を支点として揺動させ、2つのローラの一方のみを選択的にテープに圧接させる。
詳細に述べると、ローラ切り替え機構330は、一端側がホルダ383に連結される連結レバー332と、連結レバー332を回動可能に支持する第2支軸331と、連結レバー332の後端部に連結されるシリンダユニット335)を有する。
【0036】
図17は後ローラ382がテープ供給経路上に降りてテープを送る状態を示している。
この状態から
図18に示すように、シリンダユニット335を動作させてピストンロッド336を下げると、レバー332が中間部の支軸331を支点に時計回りに揺動する。これにより、長穴333及び係合ピン398を介して後側のブラケット396が上方に移動し、ブラケット396と一体化されたホルダ383が中央の支軸385を支点に反時計回りに揺動する。これにより、後ローラ382がテープ供給経路から上昇すると同時に、前ローラ381がテープ供給経路上に下降してテープを送る状態となる。
【0037】
図19は
図16のテープ供給経路の幅補正機構部を示す斜視図で、図示しないパルスモータの駆動によりネジ棒37が回転し、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35が平行移動して、図示のように、テープ供給経路の幅が広く補正された状態である。
【0038】
図20は
図19のテープ供給経路の幅を狭く補正した状態を示したものである。
【0039】
図21は身頃LI(またはRO)にテープTmを供給する直前の縫い始め状態を拡大して示したもので、この時、図示のように、身頃LI(またはRO)上に針22を落とし、縫い始め少なくとも3針以上して、身頃LI(またはRO)と上糸を下糸を介して結節させる。
【0040】
図22は身頃LI(またはRO)にテープTmを供給した時を示したもので、図示のように、テープTmを針22下まで供給して上糸に突き当てる。
【0041】
図23は身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付け始めた状態を示したもので、身頃LI(またはRO)上のテープTm上に針22を落とし、且つ通常の縫いピッチよりも小さい1mm前後(例えば、0.7mm〜1.3mm)の小ピッチで2針以上して、テープTmと身頃LI(またはRO)を上糸・下糸にて結合させる。
また、この時、図示しないX−Y送り装置による身頃の縫い目に同期させ、前ローラを回転させてテープを送る。この時のテープ送り量は縫い目ピッチ〜縫い目ピッチの2倍の量とし、その量は使用するテープの特性(硬さ、伸び縮み、滑り)による為、表示装置6にて設定変更可能となっている。
【0042】
その後、通常の縫いピッチで身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付ける。
【0043】
図24は
図23の身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付け始める際の中押え23の高さを示したものである。この中押え23は針22と同期して一定のストロークで上下動するもので、特許4526917号に記載があるように、縫製中に高さが変更可能となっている。前述したように、身頃LI(またはRO)上のテープTm上に針22を落とし、且つ通常の縫いピッチよりも小さ1mm前後の小ピッチで2針以上する際には、中押え23を下降して身頃LI(またはRO)上にテープTmを押え付ける。
【0044】
図25は
図23の身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付け始めた以降の中押え23の高さの変更を示したもので、通常の縫いピッチで身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付ける際には、中押え23を上昇して通常の高さ(身頃厚み+テープ厚み)に戻す。
【0045】
図26は
図13と同様のテープ供給装置3の斜視図で、テープ継目(テープ繋ぎ目)TGの検出時を示したものである。
長尺のテープを金テープ(金色の反射テープ)で繋いだテープ継目(テープ繋ぎ目)TGがテープ供給装置3上のテープ供給経路に到達すると、図示のように、光電管によるテープ継目センサ303において、テープ継目TGが金テープによる反射で検出されると、後ローラ382で送られてメス301によりテープ継目TGの手前で切断されて、再び後ローラ382で送られてメス301によりテープ継目TGの後側で切断される。
すなわち、テープ継目センサ303は、2つのローラ381、382に対し、長尺のテープの送り出し方向の上流側に配置され、テープの継目を検出する。
【0046】
図27はテープ継目TGの送り出し状態を示したもので、切断後のテープ継目TGは前ローラ381で送り出されて、図示のように、光電管によるテープセンサ305によりテープの送り出しが検出される。
すなわち、テープセンサ305は、2つのローラ381、382に対しテープの送り出し方向の下流側に配置され、テープの有無を検出する。
【0047】
図28は
図27のテープ継目TGの取り除き方を示したもので、図示のように、送り出された切断後のテープ継目TGを作業者が手指で摘んで取り除く。
【0048】
ここで、テープが載る可動ブロック33の先端は、メッキ処理により反射する表面である。
【0049】
切断後のテープ継目TGは、その切断位置(寸法)によって、
図39(a)から(c)の3通りの状態が発生する。
図39(a)は、テープ継目TGがちょうどテープセンサ305下に位置した場合で、この時、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、ON(金テープ)→OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
図39(b)は、テープ継目TGの後にテープセンサ305が位置した場合で、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
図39(c)は、テープ継目TGの前にテープセンサ305が位置した場合で、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、OFF(テープ)→ON(金テープ)→OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
いずれの場合も、テープ継目TGを取り除くとテープセンサ305はOFF→ONの切替りが発生するようにしている。
【0050】
次に、以上の構成によるテープ縫い付け装置の制御を
図29以降のフローチャートに従って説明する。
なお、以下の制御は、制御ボックス5に内蔵した制御ユニットによって処理される。
【0051】
図29はテープ縫い付けのゼネラルフローチャートで、まず、電源を投入し(ステップS1)、テープ供給装置3を初期化(ステップS2)する。
【0052】
図31はテープ供給装置3の初期化(ステップS2)のフローチャートで、可動テープガイド35の原点を検索し(ステップS201)、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)に移動する(ステップS202)。続いて、テープ供給装置3を待機位置に移動し(ステップS203)、前ローラ381を下降して後ローラ382を上昇し(ステップS204)、カッター(メス)301を下降して(ステップS205)、処理を終了する。
【0053】
図29のゼネラルフローチャートにおいて、テープ供給装置3の初期化(ステップS2)に続いて、表示装置6の表示画面の初期画面に表示される図示しない準備キーの押し下げを待機し(ステップS3)、準備キーが押し下げられると、上押え12、下板11をワークセット位置(
図5に示す初期位置)へ移動する(ステップS4)。続いて、上押え12を上昇し(ステップS5)、位置決めピン(基準ピン16)を上昇する(ステップS6)。
【0054】
次に、バーコードリーダ7によるバーコードの読み込みの有無を判断し(ステップS7)、バーコード読み込み有りで、そのバーコードに基づいて靴サイズとテープ幅を取得する(ステップS8)。続いて、テープ幅変化の有無を判断し(ステップS9)、テープ幅変化有りで、幅補正値を0にし(ステップS10)、テープ幅に対応するPL(パイロットランプ)であるLEDランプ48を点灯し、その他のPLを消灯する(ステップS11)。なお、ステップS9において、テープ幅変化無しの場合は、ステップS11に進む。
続いて、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)に移動し(ステップS12)、再びステップS7の処理に戻る。
【0055】
また、ステップS7において、バーコード読み込み無しの場合は、幅補正値入力の有無を判断し(ステップS13)、幅補正値入力有りで、幅補正値を更新し(ステップS13)、ステップS12に進む。なお、ステップS13において、幅補正値入力無しの場合は、
図30のステップS15に進む。
【0056】
図30は
図29に続くゼネラルフローチャートで、ステップS15において、起動SW(スタートスイッチ)20のONか否かを判断し、スタートスイッチ20のONで、テープのチェックを行い(ステップS16)、スタートスイッチ20がOFFの場合は、再びステップS7の処理に戻る。
【0057】
図32はテープチェック(ステップS16)のフローチャートで、テープ幅に対応するテープセンサ47がONでそれ以外のテープセンサ47がOFFか否かを判断し(ステップS1601)、テープ幅に対応するテープセンサ47がONでそれ以外のテープセンサ47がOFFの場合は、供給元テープ有無センサ47であるか否かを判断し(ステップS1602)、供給元テープ有無センサ47であれば、OKとして(ステップS1603)、処理を終了する。
【0058】
なお、ステップS1601において、テープ幅に対応するテープセンサ47がONでそれ以外のテープセンサ47がOFFでない場合には、NGとして(ステップS1604)、処理を終了する。
また、ステップS1602において、供給元テープ有無センサ47でない場合には、NGとして(ステップS1604)、処理を終了する。
【0059】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、テープチェック(ステップS16)に続いて、テープチェックがOKか否かを判断し(ステップS17)、テープチェックOKで、ABセンサ(身頃センサ17)のチェックを行い(ステップS18)、テープチェックNGの場合は、表示装置6に「材料なし」を表示し再びステップS7の処理に戻る。
尚、この表示装置6に「材料なし」は、材料(テープ)がセットされたことを供給元テープ有無センサ47でチェック(ステップS18)されると表示が消える。
【0060】
図33はABセンサチェック(ステップS18)のフローチャートで、左右の身頃センサ17の内一つのみONか否かを判断し(ステップS1801)、左右の身頃センサ17の内一つのみONで、左右の身頃センサ17の状態を取得し(ステップS1802)、つまり、左、右のどちらがONか?を取得する。
すなわち、ステップS1802においては、
図38の(a)に示すように、左の身頃センサ17aがONであれば、テーブル1に左外側身頃LOか右内側身頃RIがセットされており、また、右の身頃センサ17bがONであれば、テーブル1に左内側身頃LIか右外側身頃ROがセットされている。
【0061】
そして、ステップS1802の処理後、OKとして(ステップS1803)、処理を終了する。
なお、ステップS1801において、左右の身頃センサ17の内一つのみONでない場合には、NGとして(ステップS1804)、表示装置6に「ワークセット待ち」を表示して処理を終了する。
尚、この表示装置6に「ワークセット待ち」は、材料(身頃)がセットされ、左右の身頃センサ17の内一つのみONされると表示が消える。
【0062】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、ABセンサチェック(ステップS18)に続いて、ABセンサチェックがOKか否かを判断し(ステップS19)、ABセンサチェックOKで、IOセンサ(身頃センサ18)の位置演算を行い(ステップS20)、ABセンサチェックNGの場合は、再びステップS7の処理に戻る。
【0063】
図34はIOセンサ位置演算(ステップS20)のフローチャートで、靴サイズ・左右の身頃センサ17(17a、17b)の状態より、左右の身頃センサ18の何れか一方のチェック位置へ移動するための、パターンNo、又は、座標を取得(左右の身頃センサ18の何れか一方の位置情報の取得)して(ステップS2001)、処理を終了する。
つまり、左の身頃センサ17aがONであれば左の身頃センサ18aをIOセンサーとして選択すると共にそのチェック位置を取得し、右の身頃センサ17bがONであれば右の身頃センサ18bをIOセンサーとして選択すると共にそのチェック位置を取得する。
図38に示すように本実施例では、左右の身頃センサ17、18を対称に配置し、左右おのおのの身頃センサ18のチェック位置は、縦方向Dの距離となる。
【0064】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、IOセンサ位置演算(ステップS20)に続いて、上押え12を下降し(ステップS21)、基準ピン16を下降し(ステップS22)、下板11及び上押え12をその間に挟んだ身頃とともに左右の何れか一方の身頃センサ18(18a、18b)のチェック位置に移動し(ステップS23)、左右の身頃センサ18のチェックを行う(ステップS24)。
【0065】
図35はIOセンサチェック(ステップS24)のフローチャートである。左右の身頃センサ18が共にONであるか判断し(ステップS2401)、共にONでなければABセンサーチェック(身頃センサ17のチェック)で取得した左右どちらか一方の身頃センサ18にてIO検出を行う(ステップS2402)。
すなわち、ステップS2402においては、
図33のABセンサチェック(ステップS18)のステップS1802で左の身頃センサ17aがONでテーブル1に左外側身頃LOか右内側身頃RIがセットされている場合、左の身頃センサ18aがOFFで、踝下の高さが低い(幅が狭く)方の左外側身頃LOがテーブル1にセットされており、また、左の身頃センサ17aがON、左の身頃センサ18aがONで、踝下の高さが高い(幅が広い)方の右内側身頃RIがテーブル1にセットされている。
【0066】
また、ステップS2402において、
図33のABセンサチェック(ステップS18)のステップS1802で右の身頃センサ17bがONで左内側身頃LIかテーブル1に右外側身頃ROがセットされている場合は、右の身頃センサ18bがOFFで、踝下の高さが低い(幅が狭く)方の右外側身頃ROがテーブル1にセットされており、また、右の身頃センサ17bがON、右の身頃センサ18bがONで、踝下の高さが高い(幅が広い)方の左内側身頃LIがテーブル1にセットされている。
【0067】
そして、ステップS2402の処理後、左右の身頃センサ18の状態・靴サイズ・左右の身頃センサ17の状態より、テープ長さ、縫製パターンを決定し(ステップS2403)、OKとして(ステップS2404)、処理を終了する。
なお、ステップS2401において、左右の身頃センサ18が共にONの場合はNGとして(ステップS2405)、表示装置6に「ワークセット異常」を表示し処理を終了する。
【0068】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、IOセンサチェック(ステップS24)に続いて、IOセンサチェックがOKか否かを判断し(ステップS25)、IOセンサチェックOKで、縫製する(ステップS26)。
【0069】
図36は縫製(ステップS26)のフローチャートで、次の「テープ供給命令」または「縫製終了命令」まで通常縫製を行い(ステップS2601)、テープ供給指令か否かを判断し(ステップS2602)、テープ供給指令でテープ継目センサ(テープ繋ぎ目センサ)303をチェックし(ステップS2603)し、テープ継目(テープ繋ぎ目)TGありか否かを判断する(ステップS2604)。
なお、ステップS2602において、テープ供給指令でなければ処理を終了する。
【0070】
ステップS2604において、テープ継目(テープ繋ぎ目)TGなしで、継目フラグONか否かを判断し(ステップS2605)、継目フラグONでなければ、カッター(メス301)を上昇させ(ステップS2606)、後ローラ382を下降させて(ステップS2607)、
図35のIOセンサチェック(ステップS24)のステップS2403で決定した所定のテープ長さ分だけテープを送る(ステップS2608)。
そして、カッター(メス301)を下降して(ステップS2609)、テープを所定長さにカットし、前ローラ381を下降させる(ステップS2610)。
【0071】
続いて、身頃と糸を結節させるため、身頃のみ数針(例えば、3針以上)縫製して(ステップS2611)から、前ローラ381でテープを送って、テープを、身頃と糸の結節部分に突き当てる(ステップS2612)。
このように、縫製初期状態では、カッター(メス301)下降、前ローラ381下降で、作業者が所定長さのテープを供給する。
【0072】
次いで、テープを身頃と結節させるため、テープを繰り出しながら小ピッチ(1mm前後、例えば、0.7mm〜1.3mm)で数針縫製する(ステップS2613)。
その後は、後ローラ382を下降させて(ステップS2615)から縫製を続ける。テープは身頃と糸によって結合されており、身頃が送り(押え12、下板11)によって移動することで縫い目ピッチに必要な量が引き出されて行く。その後再びステップS2601の処理に戻る。
【0073】
また、ステップS2604において、テープ継目TGありで、継目フラグ(繋ぎ目フラグ)をONにして(ステップS2616)、継目までの長さをC(テープ継目センサ303からメス301までの長さ:固定)とする(ステップS2617)。
そして、テープ継目TGまでの長さC>テープ長さであるか否かを判断し(ステップS2618)、テープ継目TGまでの長さC>テープ長さでなければ、表示装置6の表示画面に継目エラー(繋ぎ目エラー)を表示し(ステップS2619)、
図27に示したように、テープ継目TGを含むテープを排出する(ステップS2620)。
【0074】
次いで、
図28に示したように、排出したテープが取り除かれたか否かをテープセンサ305の状態で検出し(ステップS2621)から、表示装置6の表示画面に表示される図示しない継目エラーを解除し(ステップS2622)、起動SW(スタートスイッチ)20の押し下げを待つ(ステップS2623)。その後、継目フラグをOFFにして(ステップS2624)、再びステップ2606の処理に戻る。
なお、ステップS2621の排出したテープが取り除かれたか否かは、テープセンサ305の検出の切替り状態で判別する。
図39(a)〜(c)のように、いずれの場合においてもテープを取り除くとテープセンサ305の検出は「OFF→ON」の状態となり、その切替り状態を検出することで、排出したテープが取り除かれたと判断できる。
【0075】
また、ステップS2605において、継目フラグONであれば、ステップS2618の処理に進む。
【0076】
また、ステップS2618において、テープ継目TGまでの長さC>テープ長さ(必要テープ長さ)であれば、テープ継目TGまでの長さを、テープ継目TGまでの長さ‐テープ長さとして(ステップS2625)、再びステップ2606の処理に戻る。
【0077】
このように、テープ継目TGの検出は、テープ供給経路の上流側でテープ継目センサ303により行い、必要テープ長さと比較して、無駄なくテープを供給する。
【0078】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、縫製(ステップS26)に続いて、外押え12を上昇し(ステップS27)、縫製物回収待ちの処理を行う(ステップS28)。
【0079】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、テープ供給装置3をワークセット位置へ移動し(ステップS28)、縫製物回収待ち処理(ステップS29)を行う。
【0080】
図37は縫製物回収待ち(ステップS28)のフローチャートで、ABセンサの状態、つまり、左右の身頃センサ17の状態より、ONだった身頃センサ17を取得し(ステップS2801)、ONだった身頃センサ17がOFFになるのを待って(ステップS2802)、処理を終了する。
その後、再びステップS6の処理に戻る。
【0081】
また、
図30のゼネラルフローチャートにおいて、ステップS25で、IOセンサチェックがOKでない場合は、ステップS29に進む。
【0082】
上記の通り、制御手段としての制御ボックス5は、2つのローラ381と382を回転駆動させ、メス301を上下動させる。
そして、制御手段5が、テープ継目センサ303がテープの継目を検出した後、テープ継目を含む任意の長さのテープを前記メス301にて切断し、次に、前記テープの送り出し方向下流側に配置された前ローラ381で、切断したテープ継目を含む任意の長さのテープを下流側へ送り出す。
また、テープを供給する供給経路としてのメッキ処理された可動ブロック33とテープの継目TGは、光を反射する反射材で形成され、テープ自体は光を反射しない材料で形成され、テープセンサ305は、供給経路に対向するように配置されると共に、反射材を検知する反射型センサである。
【0083】
そして、前記制御手段5は、切断したテープ継目を含む任意の長さのテープが、供給経路から取り除かれたことを、テープセンサの検知信号の変化によって検出する。
すなわち、テープを取り除くとテープセンサ305の検出は「OFF→ON」の状態となり、その切替り状態を検出することで、排出したテープが取り除かれたと判断できる。
また、2つのローラの一方のみを選択的にテープに圧接させるローラ切り替え機構330を備え、制御手段5は、ローラ切り替え機構330を制御して、テープを下流側に送る。
【0084】
以上、実施形態のテープ縫い付け装置によれば、1つのモータで2つのローラ381・382を駆動してテープTを送り出せるので、テープTの伸びが少なくて済む。また、2つのローラ381・382を直接ベルトで結ばないので、2つのローラ381・382間にメス301を配置でき、テープTの排出も容易に行える。
また、切断されたテープ継目部分が、ローラによってテープ送り出し装置の先端側に送り出され後、指で切断されたテープ継目部分を取り除いたか否かを、テープセンサの検知信号の変化によって確実に判別できる
【0085】
(変形例)
以上の実施形態において、金テープで繋いだテープ継目としたが、テープ継目は銀テープや他の反射テープで繋いでもよい。
また、センサの種類、レイアウト及び使用個数、テープ供給装置の構成等は任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。