(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明による災害時情報システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、所定の情報が格納され得る格納部等において、当該格納部に情報が記憶される過程は問わないものとする。例えば、記録媒体を介して情報が格納部等で記憶されるようになってもよい。また、通信回線などを介して送信された情報が格納部等で記憶されるようになってもよい。さらに、入力デバイスを介して入力された情報が格納部等で記憶されるようになってもよい。また、本実施の形態において説明する各情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、各情報の持つ意味を示すことができれば、形式、内容などは問わない。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態において、災害に関連する情報を、サーバ装置と2以上の端末装置との間や、2以上のサーバ装置間、基幹サーバ装置と2以上のサーバ装置との間で送受信する災害時情報システム1について説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態における災害時情報システム1の概念図である。
図1において、サーバ装置11と、2以上の端末装置12とは、ネットワーク21を介して接続されている。また、基幹サーバ装置13と、2以上のサーバ装置11とは、ネットワーク22を介して接続されている。サーバ装置11は、通常、無線LANのアクセスポイントなどを備えており、端末装置12は、当該アクセスポイントに接続することで、サーバ装置11との通信を行う。また、端末装置12は、例えば、スマートフォンや、携帯電話、携帯型のゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末である。また、ネットワーク21は、通常、無線LANなどの無線通信回線である。また、ネットワーク21は、通常、近距離の無線通信回線である。また、ネットワーク22は、通常、インターネットなどのいわゆるインフラ回線である。
【0030】
また、本実施の形態において、サーバ装置11と、2以上の端末装置12とは、災害時など、ネットワーク22が利用できない状況下においては、通常、ネットワーク21を介して、災害に関連する情報の送受信を行う。その後、ネットワーク22が利用できる状況になれば、2以上のサーバ装置11は、当該2以上のサーバ装置11間で、災害に関連する情報の送受信を行う。また、ネットワーク22が利用できる状況になれば、基幹サーバ装置13は、2以上のサーバ装置11が保持している災害に関連する情報を、当該2以上のサーバ装置11から収集する。
【0031】
図2は、本実施の形態におけるサーバ装置11のブロック図である。サーバ装置11は、サーバ格納部1101、サーバ識別子格納部1102、サーバ位置情報格納部1103、サーバ受信部1104、サーバ蓄積部1105、サーバ統合部1106、サーバ取得部1107、サーバ送信部1108、他サーバ通信可否判断部1109、基幹サーバ通信可否判断部1110を備える。
【0032】
また、
図3は、本実施の形態における端末装置12のブロック図である。端末装置12は、端末格納部1201、端末識別子格納部1202、端末地図情報格納部1203、端末位置情報取得部1204、端末受付部1205、端末受信部1206、送信先サーバ決定部1207、端末蓄積部1208、端末取得部1209、端末送信部1210、端末地図情報取得部1211、端末出力部1212を備える。
【0033】
また、
図4は、本実施の形態における基幹サーバ装置13のブロック図である。基幹サーバ装置13は、基幹サーバ格納部1301、基幹サーバ受信部1302、基幹サーバ蓄積部1303、基幹サーバ統合部1304、基幹サーバ取得部1305、基幹サーバ送信部1306を備える。
【0034】
サーバ格納部1101には、1以上の災害関連情報が格納される。災害関連情報とは、災害に関連する情報であり、具体的には、例えば、災害の発生に伴う状況を示す情報である。災害は、通常、自然現象に起因する自然災害である。また、災害の発生に伴う状況(以下、適宜、災害の状況)とは、例えば、道路や、橋、トンネル、堤防などの建造物の損壊の状況や、被災者の安否の状況、避難所の状況、その他被害の状況などである。また、災害関連情報は、これらの状況が発生している場所を示す発生場所情報を有していてもよい。発生場所情報は、災害関連情報に対応付いていてもよい。発生場所情報は、例えば、位置を示す位置情報や、地点を示す地点情報、地域を示す地域情報などである。位置情報は、通常、経緯度を示す経緯度情報であるが、地図上の座標を示す座標情報や、高度を示す高度情報などであってもよい。また、地点情報は、通常、地点の名称を示す地点名称情報や、地点の位置を示す位置情報である地点位置情報などである。また、地域情報は、通常、地域の名称を示す地域名称情報や、地域の範囲を示す地域範囲情報などである。地域範囲情報は、通常、2以上の位置情報を有する。
【0035】
また、災害関連情報には、当該災害関連情報が送信された場所を示す送信場所情報や、日時を示す日時情報、災害の種類や災害の状況の種類などを示す種類情報、端末装置12を操作しているユーザを識別するユーザ識別子などが対応付いていてもよい。送信場所情報は、発生場所情報と同様である。また、日時情報は、通常、日付を示す日付情報と、時刻を示す時刻情報とを有する。日付情報には、通常、月日だけでなく、年も含まれる。また、ユーザ識別子は、例えば、電話番号や、メールアドレスなどである。
【0036】
また、災害関連情報は、通常、文字列(1以上の文字)である。また、災害関連情報は、例えば、画像(写真)であってもよい。つまり、災害関連情報が示す災害の発生に伴う状況は、通常、文字列や、画像により示される。
【0037】
サーバ識別子格納部1102には、サーバ装置11を識別するサーバ識別子が格納される。サーバ識別子は、サーバ装置11を識別することができればよく、その形式や様式などは問わない。サーバ識別子は、例えば、SSID(Service Set Identifier)や、IPアドレス、URL、ドメイン名などである。
【0038】
サーバ位置情報格納部1103には、サーバ装置11の現在位置を示す位置情報であるサーバ位置情報が格納される。サーバ位置情報格納部1103にサーバ位置情報が蓄積される過程は問わない。当該サーバ位置情報は、例えば、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局等から受信した位置情報や、位置情報を示すQRコード(登録商標)を読み取る装置が当該コードを読み取ることで取得した位置情報、ユーザが入力した位置情報などである。
【0039】
サーバ受信部1104は、1以上の災害関連情報を受信する。また、サーバ受信部1104は、災害関連情報を要求する指示である災害関連情報要求指示も受信する。これらの「受信」は、通常、2以上の端末装置12からの受信である。また、これら2つの情報は、通常、同時には受信されず、別々に受信される。
【0040】
災害関連情報要求指示は、通常、災害関連情報を要求する旨や、送信した装置の位置、送信した装置からの距離、日時の範囲、件数(災害関連情報の数)、内容の種類などを示す情報を有する。また、災害関連情報要求指示には、通常、当該災害関連情報要求指示を送信した装置を識別する装置識別子が対応付いている。当該装置識別子は、例えば、端末装置12を識別する端末識別子や、サーバ装置11を識別するサーバ識別子、基幹サーバ装置13を識別する基幹サーバ識別子などである。また、災害関連情報要求指示は、例えば、HTTPリクエストと呼ばれる情報であってもよい。
【0041】
また、サーバ受信部1104は、他の1以上のサーバ装置11から、1以上の災害関連情報を受信してもよい。当該「受信」は、例えば、後述のサーバ送信部1108による他の1以上のサーバ装置11への災害関連情報要求指示の送信に応じた受信であってもよいし、当該送信とは無関係の受信であってもよい。また、サーバ受信部1104は、他の1以上のサーバ装置11から、サーバ識別子が対応付いた災害関連情報要求指示を受信してもよい。
【0042】
サーバ蓄積部1105は、サーバ受信部1104が受信した1以上の災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。このとき、サーバ蓄積部1105は、日時を示す日時情報を取得し、当該日時情報を対応付けて、1以上の災害関連情報を蓄積してもよい。
【0043】
サーバ統合部1106は、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報を統合する。当該「統合する」とは、通常、2以上の災害関連情報を1つにすることである。また、当該「1つにすること」には、「1以上にすること」も含まれていてもよい。また、「1つにする」とは、2以上の災害関連情報のうちの1つの災害関連情報を残すことや、2以上の災害関連情報から1つの災害関連情報を選択することなどである。
【0044】
例えば、サーバ統合部1106は、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報のうち、当該災害関連情報が示す災害の状況が同様であるものを統合する。言い換えるならば、サーバ統合部1106は、内容が同様である2以上の災害関連情報を統合する。具体的に、サーバ統合部1106は、例えば、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報を自然言語処理し、2以上の災害関連情報が示す災害の発生の状況が同様であるか否かを判断し、同様である2以上の災害関連情報を統合する。
【0045】
例えば、サーバ統合部1106は、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報のうちの一の災害関連情報と、残りの1以上の各災害関連情報との類似度を算出する。類似度の算出方法については、後述する。そして、サーバ統合部1106は、類似度が所定の条件(以下、適宜、類似条件)を満たすほど高い2以上の災害関連情報を統合する。
【0046】
サーバ統合部1106は、例えば、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報の各々をベクトル化し、当該ベクトルを用いて、一の災害関連情報と、残りの1以上の各災害関連情報との類似度を算出する。なお、災害関連情報のベクトル化や、当該ベクトルを用いた類似度の算出方法などは、公知であるので、説明を省略する。
【0047】
また、サーバ統合部1106は、例えば、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報の各々を形態素解析し、一の災害関連情報が有する自立語と、残りの1以上の各災害関連情報が有する自立語とを比較し、同一である自立語の数や、当該同一である自立語の各災害関連情報における位置などを算出する。当該「自立語の数」には、「自立語の割合」も含む。また、当該「位置」は、通常、前方(1文字目)からの位置である。そして、サーバ統合部1106は、当該同一である自立語の数や、同一である自立語の位置などを用いて、一の災害関連情報と、残りの1以上の各災害関連情報との類似度を算出する。なお、形態素解析の方法や手順、同一である自立語の数や、同一である自立語の位置などを用いた類似度の算出方法などは、公知であるので、説明を省略する。
【0048】
なお、2つの災害関連情報の内容が同様であるか否かの判断の方法や手順などは、問わない。つまり、サーバ統合部1106は、上記の方法や手順など以外の方法や手順などにより、2つの災害関連情報の内容が同様であるか否かを判断してもよい。
【0049】
また、上記、内容が同様である2以上の災害関連情報(以下、適宜、統合対象の2以上の災害関連情報)を統合する際、サーバ統合部1106は、例えば、以下の様な情報を用いて、統合対象の2以上の災害関連情報を統合してもよい。
(a)災害関連情報が有する情報量
(b)災害関連情報に対応付いている日時情報
(c)災害関連情報に対応付いている位置情報
【0050】
(a)の「情報量」とは、例えば、災害関連情報が有する文字の文字数や、災害関連情報が有する自立語の数、災害関連情報が有する形態素に対する自立語の割合などである。当該(a)の情報量を用いる場合、サーバ統合部1106は、例えば、統合対象の2以上の災害関連情報のうち、情報量が所定の条件(以下、適宜、情報量条件)を満たす1以上の災害関連情報を残す。情報量条件は、例えば、「最大であること」や、「最小であること」、「所定の情報量以上であること」などである。
【0051】
また、(b)の日時情報を用いる場合、サーバ統合部1106は、例えば、統合対象の2以上の災害関連情報のうち、日時情報が示す日時が所定の条件(以下、適宜、日時条件)を満たす1以上の災害関連情報を残す。日時条件は、例えば、「最新であること」や、「所定の日時の範囲内であること」などである。
【0052】
また、(c)の位置情報を用いる場合、サーバ統合部1106は、例えば、統合対象の2以上の災害関連情報のうち、位置情報を用いて算出できるサーバ装置11との距離が所定の条件(以下、適宜、距離条件)を満たす1以上の災害関連情報を残す。距離条件は、例えば、「最短であること」や、「所定の距離の範囲内であること」などである。この場合、サーバ統合部1106は、通常、サーバ位置情報格納部1103に格納されているサーバ位置情報と、統合対象の2以上の各災害関連情報に対応付いている位置情報とを用いて、距離を算出する。なお、2つの位置情報を用いた当該位置情報が示す位置間の距離を算出する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。また、当該位置情報は、災害関連情報に対応付いている発生場所情報であることが好適である。
【0053】
また、サーバ統合部1106は、例えば、上記(a)〜(c)までの3つの条件を組み合わせた条件を満たす1以上の災害関連情報を残してもよい。
【0054】
また、サーバ統合部1106は、上記、所定の条件を満たす1以上の災害関連情報を残す処理について、例えば、以下の様な処理を行う。
【0055】
(処理例1)
(1)所定の条件を満たす1以上の災害関連情報以外の災害関連情報を、サーバ格納部1101から消去する。
【0056】
(処理例2)
(1)所定の条件を満たす1以上の災害関連情報以外の災害関連情報を、サーバ格納部1101から取得する。
(2)統合対象の2以上の災害関連情報を、サーバ格納部1101から消去する。
(3)(1)で取得した災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。
【0057】
また、サーバ統合部1106は、例えば、災害関連情報に対応付いているユーザ識別子を用いて、2以上の災害関連情報を統合してもよい。この場合、サーバ統合部1106は、例えば、統合対象の2以上の災害関連情報のうち、対応付いているユーザ識別子が同一である2以上の災害関連情報を、上記の様に日時情報や、距離を用いて統合する。また、サーバ統合部1106は、例えば、災害関連情報に対応付いているその他の情報を用いて、2以上の災害関連情報を統合してもよい。
【0058】
また、サーバ統合部1106がサーバ格納部1101に格納されている1以上の災害関連情報を統合するタイミングは、例えば、サーバ蓄積部1105が1以上の災害関連情報をサーバ格納部1101に蓄積した直後や、所定の時間の経過ごと(定期的)などである。
【0059】
サーバ取得部1107は、1以上の災害関連情報をサーバ格納部1101から取得する。サーバ取得部1107は、通常、サーバ受信部1104による災害関連情報要求指示の受信に応じて、当該災害関連情報要求指示に対応する1以上の災害関連情報を取得する。つまり、サーバ取得部1107は、通常、サーバ受信部1104が災害関連情報要求指示を受信したか否かを判断し、受信した場合に、当該災害関連情報要求指示に対応する1以上の災害関連情報を取得する。
【0060】
災害関連情報要求指示は、例えば、災害関連情報を要求する旨や、送信した装置の位置、送信した装置からの距離、日時の範囲、件数(災害関連情報の数)、内容の種類などを示す情報を有する。従って、サーバ取得部1107は、災害関連情報要求指示が有するこれらの情報に合致する1以上の災害関連情報を取得する。
【0061】
例えば、災害関連情報要求指示が、当該指示を送信した装置の位置を示す情報(以下、装置位置情報)を有している場合、サーバ取得部1107は、例えば、当該装置位置情報が示す位置と、サーバ格納部1101に格納されている2以上の各災害関連情報に対応付いている位置情報が示す位置との距離を算出する。そして、サーバ取得部1107は、当該距離が所定の条件を満たすか否かを判断する。そして、サーバ取得部1107は、当該条件を満たすと判断した2以上の災害関連情報を取得する。なお、当該所定の条件は、例えば、前述の距離条件などである。なお、災害関連情報要求指示がその他の情報を有している場合の災害関連情報の取得の方法や手順などは、自明であるので、説明を省略する。
【0062】
また、サーバ取得部1107は、例えば、後述の他サーバ通信可否判断部1109が、他の1以上のサーバ装置11との通信が可能であると判断した場合や、後述の基幹サーバ通信可否判断部1110が、基幹サーバ装置13との通信が可能であると判断した場合など、当該判断に応じて、所定の条件に合致する1以上の災害関連情報を、サーバ格納部1101から取得してもよい。当該所定の条件は、例えば、前述の距離条件であってもよいし、「すべて取得すること」であってもよい。
【0063】
サーバ送信部1108は、サーバ識別子格納部1102に格納されているサーバ識別子と、サーバ位置情報格納部1103に格納されているサーバ位置情報とを対応付けて送信する。当該「送信」は、通常、いわゆるブロードキャストでの送信ある。「ブロードキャストでの送信」とは、例えば、無線LANのアクセスポイントによるビーコン信号の送信などと同様の送信などである。
【0064】
また、サーバ取得部1107が1以上の災害関連情報を取得した場合、サーバ送信部1108は、当該1以上の災害関連情報を、端末装置12、および他の1以上のサーバ装置11に送信する。つまり、サーバ送信部1108は、サーバ取得部1107による1以上の災害関連情報の取得に応じて、当該1以上の災害関連情報を送信する。サーバ送信部1108は、通常、以下の様な場合に、1以上の災害関連情報を送信する。
【0065】
(1)サーバ取得部1107がサーバ受信部1104による災害関連情報要求指示の受信に応じて1以上の災害関連情報を取得した場合
【0066】
この場合、サーバ送信部1108は、当該災害関連情報要求指示対応付いている端末識別子、またはサーバ識別子、または基幹サーバ識別子の各々で識別される端末装置12、またはサーバ装置11、または基幹サーバ装置13に、当該1以上の災害関連情報を送信する。
【0067】
(2)サーバ取得部1107が、後述の他サーバ通信可否判断部1109による他の1以上のサーバ装置11との通信が可能であるとの判断に応じて1以上の災害関連情報を取得した場合
【0068】
この場合、サーバ送信部1108は、通常、後述の他サーバ通信可否判断部1109が通信可能であると判断した他の1以上サーバ装置11に送信する。
【0069】
(3)サーバ取得部1107が、後述の基幹サーバ通信可否判断部1110による基幹サーバ装置13との通信が可能であるとの判断に応じて1以上の災害関連情報を取得した場合
【0070】
この場合、サーバ送信部1108は、通常、後述の基幹サーバ通信可否判断部1110が通信可能であると判断した基幹サーバ装置13に送信する。
【0071】
他サーバ通信可否判断部1109は、他の1以上のサーバ装置11との通信が可能であるか否かを判断する。他サーバ通信可否判断部1109は、通常、他の1以上のサーバ装置11を識別するサーバ識別子を予め保持している。そして、他サーバ通信可否判断部1109は、例えば、pingなどのプログラムの様に、保持しているサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に、所定のデータを送信し、それに対する返信があるか否かを判断する。そして、返信があった場合、他サーバ通信可否判断部1109は、当該他の1以上のサーバ装置11との通信が可能であると判断する。また、返信がなかった場合、他サーバ通信可否判断部1109は、当該他の1以上のサーバ装置11との通信が可能でないと判断する。なお、他の装置との通信が可能であるか否かの判断は、公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
基幹サーバ通信可否判断部1110は、基幹サーバ装置13との通信が可能であるか否かを判断する。なお、当該判断の方法や手順などは、判断の対象が基幹サーバ装置13であること以外は、他サーバ通信可否判断部1109における判断の方法や手順などと同様であるので、説明を省略する。
【0073】
端末格納部1201には、1以上の災害関連情報が格納される。
【0074】
端末識別子格納部1202には、端末装置12を識別する端末識別子が格納される。端末識別子は、端末装置12を識別することができればよく、その形式や様式などは問わない。端末識別子は、例えば、IPアドレスや、いわゆるMACアドレス、電話番号、メールアドレス、その他の名称などである。
【0075】
端末地図情報格納部1203には、地図を示す情報である地図情報が格納される。地図は、例えば、地形図や、地勢図、地質図、土地利用図、住宅地図、路線図、道路地図、ガイドマップ、地形や道路等が把握可能な航空写真や衛星写真、当該写真に記号や文字等が記入されたものなどである。
【0076】
また、地図情報は、例えば、地図の画像情報である。画像情報は、例えば、ラスタデータや、ベクタデータである。画像情報がラスタデータである場合、地図情報は、複数の縮尺に対応した画像情報を有していてもよい。複数の縮尺に対応した画像情報とは、例えば、同一地域について、縮尺が大きい画像情報や、縮尺が中程度の画像情報、縮尺が小さい画像情報などである。また、地図情報は、地図をタイル状に分割したものであってもよい。また、地図情報は、カーナビゲーションで用いられるKIWIフォーマットのものであってもよい。
【0077】
また、地図情報は、通常、地図上の地点を示す1以上の地点情報や、地図上の地域を示す1以上の地域情報などを有する。
【0078】
端末位置情報取得部1204は、端末装置12の現在位置を示す位置情報である端末位置情報を取得する。当該取得の方法や手順などは問わない。当該端末位置情報は、例えば、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局等からから受信した位置情報や、位置情報を示すQRコード(登録商標)を読み取る装置が当該コードを読み取ることで取得した位置情報、ユーザが入力した位置情報などである。また、端末位置情報取得部1204は、例えば、所定の記憶領域や任意の記憶領域などに端末位置情報が格納されており、当該記憶領域から端末位置情報を取得してもよい。
【0079】
端末受付部1205は、1以上の災害関連情報を受け付ける。また、端末受付部1205は、災害関連情報要求指示も受け付ける。受け付けとは、タッチパネルや、キーボードなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0080】
また、端末受付部1205は、例えば、端末格納部1201に格納されている1以上の災害関連情報を送信する指示である災害関連情報送信指示を受け付けてもよい。当該災害関連情報送信指示が有する情報などは、災害関連情報要求指示が有する情報などと同様であるので、説明を省略する。
【0081】
また、端末受付部1205は、例えば、電源ONの指示や、電源OFFの指示、地図情報を出力する指示である地図出力指示、地図上の地点を選択する指示である地点選択指示などを受け付けてもよい。なお、端末受付部1205が所定の指示を受け付けた場合、端末装置12は、通常、当該受け付けた指示に応じた処理を行う。
【0082】
端末受信部1206は、サーバ位置情報が対応付いた1以上のサーバ識別子を受信する。また、端末受信部1206は、1以上の災害関連情報も受信する。これらの「受信」は、通常、サーバ装置11からの受信である。また、これら2つの情報は、通常、同時には受信されず、別々に受信される。
【0083】
送信先サーバ決定部1207は、後述の端末送信部1210が1以上の災害関連情報を送信する先となるサーバ装置を決定する。具体的には、送信先サーバ決定部1207は、例えば、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報が示す位置から、端末受信部1206が受信した1以上の各サーバ位置情報が示す位置までの距離を算出する。そして、送信先サーバ決定部1207は、通常、当該距離が最短であるサーバ識別子を取得する。また、送信先サーバ決定部1207は、例えば、当該距離が所定の条件(以下、適宜、送信先サーバ条件)を満たす1以上のサーバ識別子のうちの1つを、ランダムに取得するなどしてもよい。
【0084】
端末蓄積部1208は、端末受信部1206が受信した1以上の災害関連情報を、端末格納部1201に蓄積する。
【0085】
端末取得部1209は、通常、端末受付部1205による災害関連情報送信指示の受け付けに応じて、1以上の災害関連情報を、端末格納部1201から取得する。この場合、端末取得部1209は、当該災害関連情報送信指示が有する情報に合致する1以上の災害関連情報を、端末格納部1201から取得する。なお、当該災害関連情報取得の方法や手順などは、サーバ取得部1107における災害関連情報取得の方法や手順などと同様であるので、説明を省略する。
【0086】
また、端末取得部1209は、例えば、端末受付部1205による地点選択指示の受け付けに応じて、当該地点選択指示により選択された地点を示す地点情報を、端末地図情報格納部1203に格納されている地図情報から取得してもよい。
【0087】
端末送信部1210は、端末受付部1205が1以上の災害関連情報を受け付けた場合は、当該災害関連情報を、送信先サーバ決定部1207が取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信する。このとき、端末送信部1210は、通常、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報を対応づけて、当該災害関連情報を送信する。また、端末送信部1210は、例えば、端末識別子格納部1202に格納されている端末識別子や、端末取得部1209が取得した地点情報などを対応付けて、当該災害関連情報を送信してもよい。
【0088】
また、端末送信部1210は、端末受付部1205が災害関連情報要求指示を受け付けた場合は、当該災害関連情報要求指示を、送信先サーバ決定部1207が取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信する。このとき、端末送信部1210は、通常、端末識別子格納部1202に格納されている端末識別子を対応付けて、当該災害関連情報要求指示を送信する。
【0089】
また、例えば、端末受付部1205が災害関連情報送信指示を受け付けた場合、端末送信部1210は、端末取得部1209が取得した1以上の災害関連情報を、送信先サーバ決定部1207が取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信してもよい。
【0090】
また、例えば、端末受付部1205が、地点情報と1以上の災害関連情報を受け付けた場合、端末送信部1210は、当該1以上の各災害関連情報に、当該地点情報を対応付けて、送信先サーバ決定部1207が取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信してもよい。
【0091】
また、例えば、端末受付部1205が基幹サーバ装置13を識別する基幹サーバ識別子を有する災害関連情報要求指示を受信した場合、端末送信部1210は、当該基幹サーバ識別子で識別される基幹サーバ装置13に、当該災害関連情報要求指示を送信してもよい。このとき、端末送信部1210は、通常、端末識別子格納部1202に格納されている端末識別子を対応付けて、当該災害関連情報要求指示を送信する。
【0092】
端末地図情報取得部1211は、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報に対応する地図情報を、端末地図情報格納部1203から取得する。端末地図情報取得部1211は、通常、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報が示す位置を中心とした地図を示す地図情報を取得する。また、端末地図情報取得部1211は、例えば、端末受付部1205による地図出力指示の受け付けに応じて、地図情報を取得してもよい。また、端末地図情報取得部1211は、例えば、端末受信部1206による1以上の災害関連情報の受信に応じて、地図情報を取得してもよい。
【0093】
端末出力部1212は、端末受信部1206が受信した1以上の災害関連情報を出力する。また、端末出力部1212は、端末格納部1201に格納されている1以上の災害関連情報を出力してもよい。なお、当該出力の態様は問わない。
【0094】
また、端末出力部1212は、端末受信部1206が受信した1以上の災害関連情報を、1以上の各災害関連情報に対応付いている位置情報を用いて、端末地図情報格納部1203に格納されている地図情報に対応付けて出力してもよい。このとき、地図情報は、端末地図情報取得部が取得してもよい。
【0095】
また、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、送信や蓄積、処理結果の引渡しについては、出力対象が最終的にユーザに提示されるものとする。
【0096】
基幹サーバ格納部1301には、1以上の災害関連情報が格納される。
【0097】
基幹サーバ受信部1302は、1以上の災害関連情報を、2以上のサーバ装置11から受信する。また、基幹サーバ受信部1302は、災害関連情報要求指示も、2以上の端末装置12から受信する。これらの2つの情報は、通常、同時には受信されず、別々に受信される。また、基幹サーバ受信部1302は、1以上の端末装置12から、災害関連情報要求指示を受信してもよい。
【0098】
基幹サーバ蓄積部1303は、基幹サーバ受信部1302が受信した1以上の災害関連情報を、基幹サーバ格納部1301に蓄積する。
【0099】
基幹サーバ統合部1304は、基幹サーバ格納部1301に格納されている2以上の災害関連情報を、災害関連情報が示す災害の状況や、災害関連情報に対応付いている位置情報、災害関連情報に対応付いているその他の情報などを用いて統合する。なお、当該2以上の災害関連情報の統合の処理の方法や手順などは、サーバ統合部1106における2以上の災害関連情報の統合の処理の方法や手順などと同様であるため、説明を省略する。
【0100】
基幹サーバ取得部1305は、基幹サーバ受信部が災害関連情報要求指示を受信した場合に、災害関連情報要求指示に対応する1以上の災害関連情報を、基幹サーバ格納部1301から取得する。あお、当該1以上の災害関連情報の取得の方法や手順などは、サーバ取得部1107における1以上の災害関連情報の取得の方法や手順などと同様であるため、説明を省略する。
【0101】
基幹サーバ送信部1306は、基幹サーバ取得部1305が取得した1以上の災害関連情報を、端末装置12、またはサーバ装置11に送信する。例えば、基幹サーバ受信部1302が、端末識別子が対応付いた災害関連情報要求指示を受信した場合、基幹サーバ送信部1306は、当該端末識別子で識別される端末装置12に、1以上の災害関連情報を送信する。また、例えば、基幹サーバ受信部1302が、サーバ識別子が対応付いた災害関連情報要求指示を受信した場合、基幹サーバ送信部1306は、当該サーバ識別子で識別されるサーバ装置11に、1以上の災害関連情報を送信する。
【0102】
なお、基幹サーバ装置13は、例えば、基幹サーバ装置13を識別する基幹サーバ識別子が格納される基幹サーバ識別子格納部(図示せず)と、1以上のサーバ装置11との通信が可能であるか否かを判断するサーバ通信可否判断部(図示せず)を備えていてもよい。この場合、基幹サーバ送信部1306は、通常、サーバ通信可否判断部が、1以上のサーバ装置11との通信が可能であると判断した場合に、災害関連情報要求指示を、基幹サーバ識別子格納部に格納されている基幹サーバ識別子と対応付けて、サーバ通信可否判断部が通信が可能であると判断したサーバ装置11に送信する。
【0103】
また、端末装置12は、例えば、基幹サーバ装置13との通信が可能であるか否かを判断する基幹サーバ通信可否判断部(図示せず)を備えていてもよい。この場合、端末装置12は、基幹サーバ通信可否判断部が基幹サーバとの通信が可能であると判断した場合に、当該基幹サーバとの通信を行う。当該通信の方法や手順などは、前述のとおりであるので、説明を省略する。なお、この場合、端末送信部1210は、端末受付部1205が受け付けた1以上の災害関連情報を、当該基幹サーバ装置13に送信してもよい。また、端末装置12は、基幹サーバ通信可否判断部が基幹サーバとの通信が不可であると判断した場合に、サーバ装置11との通信を行う。当該通信の方法や手順などは、前述のとおりであるので、説明を省略する。
【0104】
なお、サーバ格納部1101、サーバ識別子格納部1102、サーバ位置情報格納部1103は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0105】
また、サーバ受信部1104は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0106】
また、サーバ蓄積部1105、サーバ統合部1106、サーバ取得部1107、他サーバ通信可否判断部1109、基幹サーバ通信可否判断部1110は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。サーバ蓄積部1105などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0107】
また、サーバ送信部1108は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段や、無線LANのアクセスポイントなどで実現されてもよい。
【0108】
また、端末格納部1201、端末識別子格納部1202、端末地図情報格納部1203は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0109】
また、端末位置情報取得部1204は、通常、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局から位置情報を受信する装置などから、端末位置情報を取得する。この場合、端末位置情報取得部1204は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、端末位置情報取得部1204の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0110】
また、端末受付部1205における情報や指示などの入力手段は、メニュー画面によるものや、キーボードなど、何でもよい。端末受付部1205は、メニュー画面の制御ソフトウェアや、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーなどで実現され得る。
【0111】
また、端末受信部1206は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0112】
また、送信先サーバ決定部1207、端末蓄積部1208、端末取得部1209、端末地図情報取得部1211は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。送信先サーバ決定部1207などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0113】
また、端末送信部1210は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0114】
また、端末出力部1212は、ディスプレイやスピーカーなどの出力デバイスを含むと考えてもよいし、含まないと考えてもよい。端末出力部1212は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイスなどで実現され得る。
【0115】
また、基幹サーバ格納部1301は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0116】
また、基幹サーバ受信部1302は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0117】
また、基幹サーバ蓄積部1303、基幹サーバ統合部1304、基幹サーバ取得部1305は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。基幹サーバ蓄積部1303などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0118】
また、基幹サーバ送信部1306は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0119】
次に、災害時情報システム1の動作について説明する。なお、所定の情報におけるi番目の情報は、「情報[i]」と記載するものとする。
【0120】
まず、サーバ装置11の全体動作について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0121】
(ステップS501)サーバ送信部1108は、サーバ識別子格納部1102に格納されているサーバ識別子を取得する。
【0122】
(ステップS502)サーバ送信部1108は、サーバ位置情報格納部1103に格納されているサーバ位置情報を取得する。
【0123】
(ステップS503)サーバ送信部1108は、ステップS501で取得したサーバ識別子と、ステップS502で取得したサーバ位置情報とを対応付け、送信する。
【0124】
(ステップS504)サーバ蓄積部1105は、サーバ受信部1104が1以上の災害関連情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS505に進み、そうでない場合は、ステップS506に進む。
【0125】
(ステップS505)サーバ蓄積部1105は、ステップS504で受信した1以上の災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。
【0126】
(ステップS506)サーバ統合部1106は、サーバ格納部1101に格納されている災害関連情報が統合可能であるか否かを判断する。このとき、サーバ統合部1106は、例えば、サーバ格納部1101に、2以上の災害関連情報が格納されているか否かや、内容が同様である2以上の災害関連情報が格納されているか否かなどを判断し、統合可能であるか否かを判断する。統合可能である場合は、ステップS507に進み、そうでない場合は、ステップS508に進む。
【0127】
(ステップS507)サーバ統合部1106は、サーバ格納部1101に格納されている2以上の災害関連情報を統合する。この処理の詳細は、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0128】
(ステップS508)サーバ取得部1107は、サーバ受信部1104が災害関連情報要求指示を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS509に進み、そうでない場合は、ステップS511に進む。
【0129】
(ステップS509)サーバ取得部1107は、ステップS508で受信した災害関連情報要求指示に対応する1以上の災害関連情報を、サーバ格納部1101から取得する。
【0130】
(ステップS510)サーバ送信部1108は、ステップS509で取得した1以上の災害関連情報を、ステップS508で受信した災害関連情報要求指示に対応付いている端末識別子で識別される端末装置12に送信する。
【0131】
(ステップS511)他サーバ通信可否判断部1109は、他の1以上のサーバ装置11との通信が可能であるか否かを判断する。可能である場合は、ステップS512に進み、そうでない場合は、ステップS514に進む。
【0132】
(ステップS512)サーバ取得部1107は、サーバ格納部1101に格納されているすべての災害関連情報を取得する。
【0133】
(ステップS513)サーバ送信部1108は、ステップS512で取得した1以上の災害関連情報を、ステップS511で通信が可能であると判断した他のサーバ装置11に送信する。
【0134】
(ステップS514)基幹サーバ通信可否判断部1110は、基幹サーバ装置13との通信が可能であるか否かを判断する。可能である場合は、ステップS515に進み、そうでない場合は、ステップS504に戻る。
【0135】
(ステップS515)サーバ取得部1107は、サーバ格納部1101に格納されているすべての災害関連情報を取得する。
【0136】
(ステップS516)サーバ送信部1108は、ステップS515で取得した1以上の災害関連情報を、ステップS514で通信が可能であると判断した基幹サーバ装置13に送信する。
【0137】
なお、
図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0138】
図6は、
図5のフローチャートのステップS507の災害関連情報の統合処理を示すフローチャートである。なお、
図6のフローチャートにおいて、サーバ格納部1101には、m個の災害関連情報が格納されているものとする。
【0139】
(ステップS601)サーバ統合部1106は、カウンタiに1をセットする。
【0140】
(ステップS602)サーバ統合部1106は、1以上の災害関連情報を格納するための変数group[i]を初期化する。
【0141】
(ステップS603)サーバ統合部1106は、カウンタjに1をセットする。
【0142】
(ステップS604)サーバ統合部1106は、iがjと等しくないか否かを判断する。等しくない場合は、ステップS605に進み、そうでない場合は、ステップS607に進む。
【0143】
(ステップS605)サーバ統合部1106は、災害関連情報[j]の内容が災害関連情報[i]の内容と同様であるか否かを判断する。同様である場合は、ステップS606に進み、そうでない場合は、ステップS607に進む。
【0144】
(ステップS606)サーバ統合部1106は、group[c]に災害関連情報[j]を追加する。
【0145】
(ステップS607)サーバ統合部1106は、jがmであるか否かを判断する。mである場合は、ステップS610に進み、そうでない場合は、ステップS609に進む。
【0146】
(ステップS608)サーバ統合部1106は、jを1インクリメントし、ステップS604に戻る。
【0147】
(ステップS609)サーバ統合部1106は、group[c]に災害関連情報[i]を追加する。
【0148】
(ステップS610)サーバ統合部1106は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、ステップS612に進み、そうでない場合は、ステップS611に進む。
【0149】
(ステップS611)サーバ統合部1106は、iを1インクリメントし、ステップS602に戻る。
【0150】
(ステップS612)サーバ統合部1106は、カウンタiに1をセットする。
【0151】
(ステップS613)サーバ統合部1106は、サーバ統合部1106は、変数group[i]が1以上の災害関連情報を有するか否かを判断する。有する場合は、ステップS614に進み、そうでない場合は、ステップS619に進む。
【0152】
(ステップS614)サーバ統合部1106は、カウンタjに1をセットする。
【0153】
(ステップS615)サーバ統合部1106は、group[i]が有する災害関連情報[j]が統合条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS616に進み、そうでない場合は、ステップS617に進む。
【0154】
(ステップS616)サーバ統合部1106は、group[i]が有する災害関連情報[j]を取得する。
【0155】
(ステップS617)サーバ統合部1106は、jがgroup[i]が有する災害関連情報の数nであるか否かを判断する。nである場合は、ステップS619に進み、そうでない場合は、ステップS618に進む。
【0156】
(ステップS618)サーバ統合部1106は、jを1インクリメントし、ステップS615に戻る。
【0157】
(ステップS619)サーバ統合部1106は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、ステップS621に進み、そうでない場合は、ステップS620に進む。
【0158】
(ステップS620)サーバ統合部1106は、iを1インクリメントし、ステップS613に戻る。
【0159】
(ステップS621)サーバ統合部1106は、サーバ格納部1101に格納されているすべての災害関連情報を消去する。
【0160】
(ステップS622)サーバ統合部1106は、ステップS616で取得した1以上の災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。そして、上位処理にリターンする。
【0161】
なお、
図6のフローチャートにおいて、サーバ統合部1106は、group[i]が有する災害関連情報[j]が統合条件を満たすか否かを判断し、満たさない場合に、当該災害関連情報[j]をサーバ格納部1101から消去してもよい。この場合、
図6のフローチャートのステップS621とステップS622の処理は不要となる。
【0162】
次に、端末装置12の全体動作について、
図7のフローチャートを用いて説明する。なお、
図7のフローチャートにおいて、端末位置情報取得部1204は、定期的に端末位置情報を取得するものとする。
【0163】
(ステップS701)送信先サーバ決定部1207は、端末受信部1206が1以上のサーバ識別子を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS702に進み、そうでない場合は、ステップS704に進む。
【0164】
(ステップS702)送信先サーバ決定部1207は、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報と、ステップS701で受信した1以上の各サーバ識別子に対応付いているサーバ位置情報とを用いて、端末装置12の現在位置から、当該各サーバ識別子を送信している各サーバ装置11との距離を算出する。
【0165】
(ステップS703)送信先サーバ決定部1207は、ステップS702で算出した1以上の距離のうち、送信先サーバ条件を満たす距離に対応する1つのサーバ識別子を取得する。
【0166】
(ステップS704)端末地図情報取得部1211は、端末受付部1205が地図出力指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS705に進み、そうでない場合は、ステップS709に進む。
【0167】
(ステップS705)端末地図情報取得部1211は、ステップS704で受け付けた地図出力指示に対応する地図情報を、端末地図情報格納部1203から取得する。このとき、端末地図情報取得部1211は、例えば、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報が示す位置を中心とする地図を示す地図情報を取得する。
【0168】
(ステップS706)端末出力部1212は、ステップS705で取得した地図情報を出力する。
【0169】
(ステップS707)端末取得部1209は、端末受付部1205が地点選択指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS708に進み、そうでない場合は、ステップS709に進む。
【0170】
(ステップS708)端末取得部1209は、ステップS707で受付した地点選択指示により選択された地点を示す地点情報を、端末地図情報格納部1203から取得する。
【0171】
(ステップS709)端末送信部1210は、端末受付部1205が1以上の災害関連情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS710に進み、そうでない場合は、ステップS711に進む。
【0172】
(ステップS710)端末送信部1210は、ステップS709で受け付けた1以上の災害関連情報を、ステップS703で取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信する。このとき、端末送信部1210は、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報や、端末識別子格納部1202に格納されている端末識別子、ステップS708で取得した地点情報などを対応付けて、当該災害関連情報を送信する。
【0173】
(ステップS711)端末送信部1210は、端末受付部1205が災害関連情報要求指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS712に進み、そうでない場合は、ステップS716に進む。
【0174】
(ステップS712)端末送信部1210は、ステップS711で受け付けた災害関連情報要求指示を、ステップS703で取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信する。このとき、端末送信部1210は、端末識別子格納部1202に格納されている端末識別子を対応付けて、当該災害関連情報要求指示を送信する。
【0175】
(ステップS713)端末蓄積部1208は、端末受信部1206が1以上の災害関連情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS714に進み、そうでない場合は、ステップS713に戻る。
【0176】
(ステップS714)端末蓄積部1208は、ステップS713で受信した1以上の災害関連情報を、端末格納部1201に蓄積する。
【0177】
(ステップS715)端末出力部1212は、ステップS713で受信した1以上の災害関連情報を出力する。
【0178】
(ステップS716)端末取得部1209は、端末受付部1205が災害関連情報送信指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS717に進み、そうでない場合は、ステップS701に戻る。
【0179】
(ステップS717)端末取得部1209は、端末格納部1201に格納されているすべての災害関連情報を取得する。
【0180】
(ステップS718)端末送信部1210は、ステップS717で取得した1以上の災害関連情報を、ステップS703で取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置11に送信する。
【0181】
なお、
図7のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0182】
次に、基幹サーバ装置13の全体動作について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0183】
(ステップS801)基幹サーバ蓄積部1303は、基幹サーバ受信部1302が1以上の災害関連情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS802に進み、そうでない場合は、ステップS803に進む。
【0184】
(ステップS802)基幹サーバ蓄積部1303は、ステップS801で受信した1以上の災害関連情報を、基幹サーバ格納部1301に蓄積する。
【0185】
(ステップS803)基幹サーバ統合部1304は、基幹サーバ格納部1301に格納されている災害関連情報が統合可能であるか否かを判断する。当該判断は、
図5のフローチャートのステップS506と同様であるので、説明を省略する。そして、統合可能である場合は、ステップS804に進み、そうでない場合は、ステップS805に進む。
【0186】
(ステップS804)基幹サーバ統合部1304は、基幹サーバ格納部1301に格納されている2以上の災害関連情報を統合する。この処理の詳細は、
図6のフローチャートと同様であるので、説明を省略する。
【0187】
(ステップS805)基幹サーバ取得部1305は、基幹サーバ受信部1302が災害関連情報要求指示を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS806に進み、そうでない場合は、ステップS801に戻る。
【0188】
(ステップS806)基幹サーバ取得部1305は、ステップS805で受信した災害関連情報に対応する1以上の災害関連情報を、基幹サーバ格納部1301から取得する。
【0189】
(ステップS807)基幹サーバ送信部1306は、ステップS805で取得した1以上の災害関連情報を、ステップS805で受信した災害関連情報要求指示に対応付いている端末識別子で識別される端末装置12に送信する。
【0190】
なお、
図8のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0191】
(具体例)
次に、災害時情報システム1の動作の具体例について説明する。なお、本具体例において、サーバ装置11は、各地域において掲示板サービスを運用するサーバ(以下、地域サーバ)であるものとする。また、端末装置12は、災害関連情報の入力や、当該災害関連情報のサーバ装置11への送信、サーバ装置11からの災害関連情報の受信、当該災害関連情報の表示などを行うアプリケーションソフトウェアがインストールされた携帯端末装置(以下、携帯端末)であるものとする。また、基幹サーバ装置13は、1以上のサーバ装置11から収集された災害関連情報を管理するサーバ(以下、基幹サーバ)であるものとする。また、1以上の地域サーバや、1以上の携帯端末、当該各携帯端末を操作するユーザなどを、適宜、地域サーバAや、地域サーバB、携帯端末A、携帯端末B、ユーザA、ユーザBなどと表現する。また、サーバ装置11は、サーバ位置情報が対応付いたサーバ識別子を、現在位置から半径50mの範囲内に送信するものとする。
【0192】
(例1:災害時)
本例において、
図9の様に、災害が発生し、インフラ回線が利用できなくなった状況において、各地域に設置された地域サーバに、ユーザが災害関連情報を送信したり、各地域に設置された地域サーバに保存されている災害関連情報を、ユーザが閲覧したりする例について説明する。
【0193】
まず、地域Aに設置されている地域サーバAのサーバ送信部1108が、サーバ識別子格納部1102に格納されているサーバ識別子「LocalServerA」と、サーバ位置情報格納部1103に格納されているサーバ位置情報を取得し、当該2つの情報を対応付けて、送信しているとする。
【0194】
次に、ユーザAが、携帯端末Aを所持している状態で、地域サーバAから50mの範囲内に進入したとする。すると、携帯端末Aの端末受信部1206は、地域サーバ装置Aが送信しているサーバ識別子と、サーバ位置情報とを受信する。
【0195】
次に、携帯端末Aの送信先サーバ決定部1207は、端末受信部1206が受信した1以上のサーバ識別子から1つのサーバ識別子を取得する。上記において、端末受信部1206は、地域サーバAのサーバ識別子のみを受信したので、送信先サーバ決定部1207は、サーバ識別子「LocalServerA」を取得する。これにより、送信先サーバ決定部1207は、端末送信部1210が送信する各種の情報を、サーバ識別子「LocalServerA」で識別される地域サーバAに送信することを決定する。
【0196】
次に、ユーザAが、携帯端末Aを操作し、ある地点での災害の状況を入力するための操作を行ったとする。このとき、ユーザAは、例えば、地図から地点を選択し、その後、当該地点における災害の状況を入力したとする。
【0197】
この場合、まず、端末受付部1205は、地図出力指示を受け付ける。そして、端末地図情報取得部1211は、当該地図出力指示に応じて、端末位置情報取得部1204が取得した端末位置情報に対応する地図情報を、端末地図情報格納部1203から取得する。そして、端末出力部1212は、当該取得した地図情報を出力する。このときの様子は、例えば、
図10の様になる。ここで、ユーザは、
図10における地点Eを選択したものとする。また、ここで、ユーザは、自身の現在位置を示す地点(地点A)も選択したものとする。
【0198】
次に、端末受付部1205は、地点選択指示を受け付ける。そして、端末取得部1209は、当該地点選択指示に応じて、地点Eを示す地点情報と、地点Aを示す地点情報とを、端末出力部1212が出力中の地図情報から取得する。
【0199】
次に、端末受付部1205は、災害関連情報を受け付ける。ここで、端末受付部1205は、災害関連情報「地点E、ビル倒壊」を受け付けたものとする。
【0200】
次に、端末送信部1210は、災害関連情報「地点E、ビル倒壊」に、上記で取得した地点情報などを対応付けた「地点E、ビル倒壊:地点E:地点A」を、地域サーバAに送信する。当該情報において、「地点E」は、発生場所情報である。また、「地点A」は、送信場所情報である。
【0201】
次に、地域サーバAのサーバ受信部1104は、地点情報などが対応付いた災害関連情報「地点E、ビル倒壊:地点E:地点A」を受信する。そして、サーバ蓄積部1105は、当該災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。
【0202】
ここで、ユーザA以外のユーザBや、ユーザCなども、所持する携帯端末Bや、携帯端末Cなどを用いて、地域サーバAに災害関連情報を送信したとする。その結果、地域サーバAのサーバ格納部1101には、
図11に示す災害関連情報が格納されているものとする。当該災害関連情報(項目名:災害関連情報)は、レコードを一意に特定するためのID(項目名:ID)と、災害の発生している場所を示す発生場所情報(項目名:発生場所)と、各ユーザが災害関連情報を送信した場所を示す送信場所情報(項目名:送信場所)と、各災害関連情報が送信された日時を示す日時情報(項目名:日時)が対応付いている。
【0203】
次に、地域サーバAのサーバ統合部1106が、災害関連情報の統合が可能であるか否かを判断し、統合可能であると判断したとする。すると、サーバ統合部1106は、まず、
図11の災害関連情報のうちの1つと、他の災害関連情報とを比較し、内容が同様であるか否かを判断する。その結果、サーバ統合部1106は、
図11の災害関連情報のうち、「ID=011」から「ID=013」まで、および「ID=021」から「ID=023」までのそれぞれの災害関連情報の集合について、内容が同様である、つまり統合の対象である判断したとする。
【0204】
次に、サーバ統合部1106は、まず、「ID=011」から「ID=013」までの災害関連情報の集合について、各災害関連情報に、送信場所情報として経緯度情報が対応付いているので、当該統合対象の2以上の災害関連情報のうち、地域サーバAの現在位置から最も近い場所から送信された災害関連情報のみを残すと判断する。その結果、サーバ統合部1106は、「ID=011」の災害関連情報が、地域サーバAの現在位置から最も近い場所から送信された災害関連情報であると判断したとする。
【0205】
次に、サーバ統合部1106は、「ID=021」から「ID=023」までの災害関連情報の集合について、各災害関連情報に、送信場所情報として地点名称情報が対応付いており、地域サーバAとの距離が算出できないため、当該統合対象の2以上の災害関連情報のうち、最新の災害関連情報のみを残すと判断する。その結果、サーバ統合部1106は、「ID=023」の災害関連情報が、最新の災害関連情報であると判断したとする。
【0206】
次に、サーバ統合部1106は、以上の判断結果より、
図11の災害関連情報のうち、「ID=011」と「ID=023」の災害関連情報を残し、その他の災害関連情報を削除する。このときの様子は、例えば、
図12の様になる。
【0207】
次に、ユーザAが、携帯端末Aを操作し、地域サーバAが保持しているすべての災害関連情報を閲覧するための操作を行ったとする。すると、端末受付部1205は、災害関連情報要求指示を受け付ける。当該災害関連情報要求指示は、例えば、「災害関連情報:ALL」などである。そして、携帯端末Aの端末送信部1210は、当該災害関連情報要求指示を、端末識別子格納部1202に格納されている端末識別子「TerminalA」と対応付けて、地域サーバAに送信する。
【0208】
次に、地域サーバAのサーバ受信部1104は、災害関連情報要求指示「災害関連情報:ALL」と、当該災害関連情報要求指示に対応付いている端末識別子「TerminalA」を受信する。そして、サーバ取得部1107は、当該災害関連情報要求指示に従い、サーバ格納部1101に格納されているすべての災害関連情報を取得する。そして、サーバ送信部1108は、当該災害関連情報を、端末識別子「TerminalA」で識別される携帯端末Aに送信する。
【0209】
次に、携帯端末Aの端末受信部1206は、1以上の災害関連情報を受信する。そして、端末蓄積部1208は、当該1以上の災害関連情報を、端末格納部1201に蓄積し、また、端末出力部1212は、当該1以上の災害関連情報を出力する。このときの様子は、例えば、
図13の様になる。
図13において、災害関連情報には、種類情報が対応付いており、端末出力部1212は、当該種類情報が示す種類ごとに災害関連情報を出力している。また、例えば、当該1以上の災害関連情報を地図上に出力したときの様子は、例えば、
図14の様になる。
図14において、災害関連情報には、災害が発生している場所を示す位置情報が対応付いており、端末出力部1212は、当該位置情報が示す地図上の位置に災害関連情報が出力されるように出力している。
【0210】
次に、ユーザAが、携帯端末Aを所持している状態で移動を開始し、地域サーバAから50mの範囲外に進出し、地域サーバBから50mの範囲内に進入したとする。すると、携帯端末Aの端末受信部1206は、地域サーバ装置Bが送信しているサーバ識別子と、サーバ位置情報とを受信する。そして、携帯端末Aの送信先サーバ決定部1207は、上記と同様の処理を行い、地域サーバBを識別するサーバ識別子「LocalServerB」を取得する。
【0211】
次に、ユーザAが、携帯端末Aを操作し、地域サーバAから受信した災害関連情報を、地域サーバBに送信するための操作を行ったとする。すると、端末受付部1205は、災害関連情報送信指示を受け付ける。そして、端末取得部1209は、当該災害関連情報送信指示に応じて、端末格納部1201に格納されているすべての災害関連情報を取得する。そして、端末送信部1210は、当該取得した災害関連情報を、地域サーバBに送信する。
【0212】
次に、地域サーバBのサーバ受信部1104は、携帯端末Aから送信された災害関連情報を受信し、サーバ蓄積部1105は、当該災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。
【0213】
(例2:復旧時)
本例において、
図15の様に、インフラ回線の復旧後において、基幹サーバが、各地域に設置された地域サーバから災害関連情報を受信したり、基幹サーバに保存されている災害関連情報を、ユーザが閲覧したりする例について説明する。
【0214】
まず、地域Aに設置されている地域サーバAの他サーバ通信可否判断部1109が、他の地域に設置されている1以上の地域サーバとの通信が可能であるか否かを判断し、地域Bに設置されている地域サーバBとの通信が可能であると判断したとする。すると、地域サーバAのサーバ取得部1107は、サーバ格納部1101に格納されているすべての災害関連情報を取得する。そして、サーバ送信部1108は、当該災害関連情報を、地域サーバBに送信する。
【0215】
また、通信が可能であると判断した地域サーバへの災害関連情報の送信は、例えば、当該通信が可能であると判断した地域サーバからの災害関連情報要求指示の受信に応じて行ってもよい。この場合、当該災害関連情報要求指示は、通常、送信元の地域サーバが位置する地域や、当該位置周辺に対応する災害関連情報を要求することを示す情報を有する。
例えば、地域サーバBから地域サーバAに災害関連情報要求指示が送信された場合、当該災害関連情報要求指示は、地域サーバBが位置する地域に対応する災害関連情報を要求することを示す情報を有する。当該災害関連情報要求指示は、例えば、「災害関連情報:(N35.1357,E135.2468):100m以内」などである。当該災害関連情報は、地域サーバBの位置を示すサーバ位置情報「N35.1357,E135.2468」と、当該位置からの範囲「100m以内」とを有する。
【0216】
次に、地域サーバBのサーバ受信部1104は、災害関連情報を受信し、サーバ蓄積部1105は、当該災害関連情報を、サーバ格納部1101に蓄積する。
【0217】
次に、地域Aに設置されている地域サーバAの基幹サーバ通信可否判断部1110が、基幹サーバとの通信が可能であるか否かを判断し、基幹サーバとの通信が可能であると判断したとする。すると、地域サーバAのサーバ取得部1107は、サーバ格納部1101に格納されているすべての災害関連情報を取得する。そして、サーバ送信部1108は、当該災害関連情報を、基幹サーバに送信する。
【0218】
次に、基幹サーバの基幹サーバ受信部1302は、災害関連情報を受信し、基幹サーバ蓄積部1303は、当該災害関連情報を、基幹サーバ格納部1301に蓄積する。
【0219】
ここで、地域サーバBのサーバ統合部1106、および基幹サーバの基幹サーバ統合部1304は、それぞれ、サーバ格納部1101に格納されている災害関連情報、基幹サーバ格納部1301に格納されている災害関連情報を統合するか否かを判断し、統合すると判断した場合は、2以上の災害関連情報を統合するが、当該処理は、例1において説明した、地域サーバAのサーバ統合部1106による2以上の災害関連情報の統合処理と同様であるので、説明を省略する。
【0220】
また、ユーザAが、携帯端末Aを操作し、基幹サーバが保持しているすべての災害関連情報を閲覧するための操作を行った場合の、携帯端末Aにおける処理や、基幹サーバにおける処理などは、例1において説明した、ユーザAが、携帯端末Aを操作し、地域サーバAが保持しているすべての災害関連情報を閲覧するための操作を行った場合の、携帯端末Aにおける処理や、地域サーバAにおける処理などと同様であるので、説明を省略する。
【0221】
以上、本実施の形態による災害時情報システム1によれば、インフラ回線が利用できない状況下であっても、災害に関する情報を送受信することができる。これにより、ユーザは、当該状況下であっても、各地域における災害の状況を共有することができる。
【0222】
また、本実施の形態による災害時情報システム1によれば、インフラ回線の復旧後、サーバ装置間で災害に関する情報を送受信することができる。これにより、ある地域に設置されているサーバ装置は、他の地域のサーバ装置が保持している自地域の情報を取得することができる。
【0223】
また、本実施の形態による災害時情報システム1によれば、インフラ回線の復旧後、サーバ装置間で災害に関する情報を送受信することができる。これにより、ある地域に設置されているサーバ装置は、他の地域のサーバ装置が保持している自地域の情報を取得することができる。また、これにより、重複または不要な災害に関する情報を削除することもできる。
【0224】
また、本実施の形態による災害時情報システム1によれば、インフラ回線の復旧後、2以上のサーバ装置にて保持されている1以上の災害に関する情報を、基幹サーバ装置にて統合することができる。これにより、ユーザは、各地域における災害の状況を、一の基幹サーバにアクセスすることで知ることができる。
【0225】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0226】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0227】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0228】
また、上記各実施の形態におけるサーバ装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、災害の発生に伴う状況を示す情報である1以上の災害関連情報と、サーバ装置を識別するサーバ識別子と、サーバ装置の現在位置を示す位置情報であるサーバ位置情報とが格納されており、コンピュータを、1以上の災害関連情報、および災害関連情報を要求する指示である災害関連情報要求指示を、2以上の端末装置から受信する受信部と、前記受信部が災害関連情報要求指示を受信した場合に、当該災害関連情報要求指示に対応する1以上の災害関連情報を、前記記録媒体から取得する取得部と、前記記録媒体に格納されているサーバ識別子と、前記記録媒体に格納されているサーバ位置情報とを対応付けて送信し、また、前記取得部が1以上の災害関連情報を取得した場合は、当該1以上の災害関連情報を、前記受信部が受信した災害関連情報要求指示に対応付いている端末識別子で識別される端末装置に送信する送信部と、前記受信部が受信した1以上の災害関連情報を、前記記録媒体に蓄積する蓄積部として機能させるためのプログラムである。
【0229】
また、上記各実施の形態における端末装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、端末装置を識別する端末識別子が格納されており、コンピュータを、端末装置の現在位置を示す位置情報である端末位置情報を取得する位置情報取得部と、サーバ位置情報が対応付いた1以上のサーバ識別子、および1以上の災害関連情報を受信する受信部と、前記位置情報取得部が取得した端末位置情報が示す位置から、前記受信部が受信した1以上の各サーバ位置情報が示す位置までの距離を算出し、当該距離を用いて、当該1以上のサーバ位置情報のうちの1つのサーバ位置情報に対応付いているサーバ識別子を取得する送信先サーバ決定部と、1以上の災害関連情報、および災害関連情報を要求する指示である災害関連情報要求指示を受け付ける受付部と、前記受付部が1以上の災害関連情報を受け付けた場合は、当該災害関連情報を、前記位置情報取得部が取得した端末位置情報と対応づけて、前記送信先サーバ決定部が取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置に送信し、また、前記受付部が災害関連情報要求指示を受け付けた場合は、当該災害関連情報要求指示を、前記記録媒体に格納されている端末識別子と対応付けて、前記送信先サーバ決定部が取得したサーバ識別子で識別されるサーバ装置に送信する送信部と、前記受信部が1以上の災害関連情報を受信した場合に、当該1以上の災害関連情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0230】
また、上記各実施の形態における基幹サーバ装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、1以上の災害関連情報が格納されており、コンピュータを、1以上の災害関連情報を、2以上のサーバ装置から受信し、また、災害関連情報要求指示を、2以上の端末装置から受信する受信部と、前記受信部が受信した1以上の災害関連情報を、前記記録媒体に蓄積する蓄積部と、前記記録媒体に格納されている2以上の災害関連情報が示す災害の発生の状況が同様であるか否かを判断し、同様である2以上の災害関連情報を統合する統合部と、前記受信部が災害関連情報要求指示を受信した場合に、当該災害関連情報要求指示に対応する1以上の災害関連情報を、前記記録媒体から取得する取得部と、前記取得部が1以上の災害関連情報を取得した場合に、当該1以上の災害関連情報を、前記受信部が受信した災害関連情報要求指示に対応付いている端末識別子で識別される端末装置に送信する送信部として機能させるためのプログラムである。
【0231】
なお、上記プログラムにおいて、ハードウェアでしか行われない処理は少なくとも含まれない。
【0232】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0233】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。つまり、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0234】
また、
図16は、前述のプログラムを実行して、前述の実施の形態の災害時情報システム等を実現するコンピュータシステム9の概観図である。前述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0235】
図16において、コンピュータシステム9は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0236】
図17は、コンピュータシステム9のブロック図である。
図17において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012に加えて、MPU9013と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM9014と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM9015と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク9016と、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012、MPU9013等を相互に接続するバス9017とを備える。ここでは図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを備えていてもよい。
【0237】
コンピュータシステム9に、前述の実施の形態の災害時情報システム等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM9101、またはFD9102に記憶されて、CD−ROMドライブ9011またはFDドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9016に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9016に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9015にロードされる。プログラムは、CD−ROM9101、FD9102またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0238】
プログラムは、コンピュータ901に、前述の実施の形態の災害時情報システム等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム9がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0239】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。