特許第5982259号(P5982259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982259
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】低雑音増幅器、及び無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/26 20060101AFI20160818BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20160818BHJP
   H03F 3/193 20060101ALI20160818BHJP
   H04B 1/18 20060101ALI20160818BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H03F1/26
   H03F3/68 Z
   H03F3/193
   H04B1/18 D
   H04B1/10 N
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-244770(P2012-244770)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-93741(P2014-93741A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】北藪 透
【審査官】 緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/100539(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/041948(WO,A1)
【文献】 特開平01−135143(JP,A)
【文献】 特表2006−510247(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0188233(US,A1)
【文献】 米国特許第5959592(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00− 3/45、3/50− 3/52、
3/62− 3/64、3/68− 3/72
H04B 1/00− 1/18
H04B 7/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯域の信号を同時に受信可能な低雑音増幅器であって、
入力インピーダンスを整合させると共に、前記低雑音増幅器へ入力される信号を増幅して出力すると共に入力側へフィードバックする第1の増幅器と、
前記第1の増幅器と並列に接続され、前記低雑音増幅器へ入力される信号と前記第1の増幅器からフィードバックされた信号とを増幅する第2の増幅器と、
前記第1の増幅器から出力された信号と、前記第2の増幅器から出力された信号とを入力とし、前記第1の増幅器から出力された信号に含まれる雑音を、前記第2の増幅器において増幅された前記第1の増幅器からフィードバックされた信号に含まれる前記雑音と逆相合成することによりキャンセルする機能と、前記雑音をキャンセルした信号について、所定の周波数帯域の成分のみを通過させるフィルタ機能とを有し、前記複数の周波数帯域に含まれる希望波を増幅する、少なくとも2つの第3の増幅器と、
を有することを特徴とする低雑音増幅器。
【請求項2】
前記第3の増幅器は、前記複数の周波数帯域のうち1つの周波数帯域の成分のみを通過させる前記フィルタ機能を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の低雑音増幅器。
【請求項3】
前記低雑音増幅器は、前記複数の周波数帯域に含まれる周波数帯域の数だけの前記第3の増幅器を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の低雑音増幅器。
【請求項4】
前記第3の増幅器は、対応する周波数帯域に信号が含まれない場合に、前記フィルタ機能への信号の供給を遮断するスイッチをさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の低雑音増幅器。
【請求項5】
前記第1の増幅器の前記フィードバックに係る回路は、抵抗を含む抵抗性フィードバックを構成する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の低雑音増幅器。
【請求項6】
前記第2の増幅器の入力インピーダンスは、前記第1の増幅器の入力インピーダンスより高い、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の低雑音増幅器。
【請求項7】
前記第2の増幅器は、負の増幅率を有する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の低雑音増幅器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の低雑音増幅器と、
前記第3の増幅器により増幅された信号を入力とし、RF信号をベースバンド信号に変換するサンプリングミキサと、
を含む無線受信回路を有することを特徴とする無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチバンド無線通信における低雑音増幅器、及び無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPでは、ユーザスループットを増加させる技術としてCarrier Aggregation(キャリアアグリゲーション)が取り入れられている(非特許文献1)。キャリアアグリゲーションは、周波数の組み合わせで主に以下の3つに分類できる。
(1)Intra band contiguous carrier aggregation(帯域内隣接キャリアアグリゲーション)
(2)Intra band non−contiguous carrier aggregation(帯域内非隣接キャリアアグリゲーション)
(3)Inter band carrier aggregation(帯域間キャリアアグリゲーション)
最後のInter band carrier aggregationでは、異なる帯域で同時に信号の送受信を行う。キャリアアグリゲーション向けの受信機構成に関しては非特許文献1において言及されている。そして、非特許文献1には、Inter band carrier aggregation用の受信機について、使用する帯域専用のRF回路(無線受信回路)を複数用いる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP、「E−UTRAのさらなる高度化:RAN WG4におけるLTEアドバンスド実現可能性調査(Further Advancements for E−UTRA: LTE−Advanced Feasibility Studies in ran wg4)」、Technical Report 36.815−V9.1.0、3GPP、2010
【非特許文献2】Federico Bruccoleri、 Eric A.M.Klumperink、及びBram Nauta、「熱雑音キャンセルを利用した広帯域MOS低雑音増幅器(Wide−Band CMOS Low−Noise Amplifier Exploiting Thermal Noise Canceling)」、IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS、2004年2月、VOL.39、NO.2、pp.275−282
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、受信機において複数の無線受信回路を並列に有するということは、回路面積、消費電力が増大することを招く。すなわち、例えば、3つの無線受信回路を並列に有する受信機では、単純に見積って、無線受信回路が1つの場合と比べて回路規模及び消費電力が3倍になってしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、回路規模及び消費電力を抑えながら、複数の帯域を同時に取り扱う無線信号の受信技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による低雑音増幅器は、複数の周波数帯域の信号を同時に受信可能な低雑音増幅器であって、入力インピーダンスを整合させると共に、前記低雑音増幅器へ入力される信号を増幅して出力すると共に入力側へフィードバックする第1の増幅器と、前記第1の増幅器と並列に接続され、前記低雑音増幅器へ入力される信号と前記第1の増幅器からフィードバックされた信号とを増幅する第2の増幅器と、前記第1の増幅器から出力された信号と、前記第2の増幅器から出力された信号とを入力とし、前記第1の増幅器から出力された信号に含まれる雑音を、前記第2の増幅器において増幅された前記第1の増幅器からフィードバックされた信号に含まれる前記雑音と逆相合成することによりキャンセルする機能と、前記雑音をキャンセルした信号について、所定の周波数帯域の成分のみを通過させるフィルタ機能とを有し、前記複数の周波数帯域に含まれる希望波を増幅する、少なくとも2つの第3の増幅器と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の帯域を同時に取り扱う場合の回路規模及び消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来の無線受信回路の構成を示す概略図。
図2】本発明の無線受信回路の構成を示す概略図。
図3】無線受信回路の1段目の2つの増幅器の構成例を示す図。
図4】無線受信回路の2段目の増幅器の構成例を示す図。
図5】サンプリングミキサの構成例を示す図。
図6】増幅器1のトランジスタM1にのみ着目した場合の回路図。
図7図6の回路を雑音のみに着目して簡略化した図。
図8】2段目の増幅器における雑音の影響を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(全体構成)
まず、本発明に係る背景の理解のために、無線通信装置に搭載される、複数の無線受信回路を並列に接続する従来の無線受信回路について説明する。図1は、3つの帯域にそれぞれ対応する無線受信回路を並列に有する無線受信回路である。無線受信回路において、信号は、アンテナを介して受信され、帯域通過フィルタ(BPF)を通過し、低雑音増幅器(LNA)により増幅される。その後、信号は、ミキサにより同相成分と直交成分とのそれぞれのベースバンド信号に変換され、増幅器で増幅されて、帯域通過フィルタで不要帯域の成分が抑圧された後に、アナログ/デジタル(A/D)変換される。このように、単に複数の無線受信回路を並列に接続した回路では、帯域数の増加に応じて、回路規模が非常に大きくなりうる。
【0011】
これに対して、本実施形態に係る無線受信回路は、回路規模を抑え、図2のような構成をとる。本実施形態に係る無線受信回路は、並列に並べられた1段目の第1の増幅器1及び第2の増幅器2と、増幅器1及び増幅器2の出力をそれぞれ入力とする2段目の第3の増幅器3〜5とを備える低雑音増幅器を有する。ここで、増幅器1は、インピーダンス整合機能を有し、入力インピーダンスが50Ωとなるように調整される。この増幅器1は、増幅率が高いが、雑音を生じ、又は雑音を増幅してしまう。一方、増幅器2は、信号の他に、混入する増幅器1の雑音を増幅して出力する。増幅器3〜5は、増幅器1による雑音をキャンセルするように、増幅器1及び増幅器2から入力された信号を合成する機能と、その信号の所定の周波数帯域の成分のみを通過させて所望の信号である希望波を取り出すフィルタ機能とを有する。なお、フィルタ機能は、受信信号に含まれる複数の周波数成分を有する希望波のうち、1つのみを通過させるように構成としてもよいし、複数の周波数帯域を1つのフィルタで通過させるような構成としてもよい。すなわち、希望波が含まれる周波数帯域ごとに1つのフィルタ機能付き増幅器を用意してもよいし、例えば一部の帯域については2つの周波数帯域をまとめて通過させるフィルタ機能付き増幅器を用意してもよい。2段目の増幅器3〜5の出力は、それぞれサンプリングミキサ1〜3へ入力され、ベースバンド信号へ変換される。
【0012】
なお、本実施形態では、2段目にフィルタ機能付き増幅器を並列に並べたが、フィルタ機能のない広帯域増幅器1つを用いて1段目の2つの増幅器の出力を合成、増幅することもできる。このとき、2段目の広帯域増幅器の出力は、各帯域用のサンプリングミキサに分配される。しかし、この場合、サンプリングミキサによりRF信号をベースバンド信号に変換する際に、1段目の増幅器及び2段目の増幅器で増幅された雑音がベースバンド信号に加わってしまう。したがって、受信器の感度が劣化することが想定されうる。
【0013】
また、本実施形態では、1段目の増幅器を並列に2つ並べたが、1段目の増幅器を1つにし、それを並列に複数のフィルタ機能付き増幅器3〜5へ入力することもできる。しかし、この場合、1段目の増幅器で50Ωのインピーダンスマッチングを行うことと、低NF(雑音指数)と、低消費電流を同時に成立させることは困難であり、NFが劣化するか消費電力が高くなることが想定されうる。
【0014】
(各増幅器の構成)
以下、具体的な回路構成について説明する。図3は、1段目の2つの増幅器の構成を示す回路図である。図3において、アンテナからの入力信号を、Vinで示す。
【0015】
増幅器1において、トランジスタM1は、nチャネルMOS−FET、M2はpチャネルMOS−FETであり、フィードバックレジスタRfと共に、抵抗性フィードバックLNAを構成する。M1およびM2のチャネル長及びチャネル幅は、入力インピーダンスが50Ωとなるように調整される。M3は電流源であり、キャパシタC1は高周波信号をグランド(VDD)と接続するバイパス回路を与える。増幅器1において増幅された信号は、発生した(又は増幅された)雑音と共に、フィードバックレジスタRfを介して入力側へフィードバックされ、増幅器2へと入力される。
【0016】
増幅器2においては、トランジスタM4とM5とを備える。入力インピーダンスは増幅器1とは異なり、ハイインピーダンスである。M6は電流源であり、C2はバイパスキャパシタである。また、増幅器1と増幅器2の出力信号はカップリングキャパシタC3、C4を通して、2段目の増幅器へと入力される。
【0017】
2段目では、本実施形態では、3つの周波数帯域に対応するために、各帯域用の3つの増幅器が並列に接続される。図4に、第1の周波数帯域用の2段目の増幅器3の回路構成の例を示す。増幅器3では、増幅器1からの出力信号XをM8が増幅し、増幅器2からの出力信号YをM9が増幅する。これらの信号はトランジスタM7で足しあわされてLNAOUT1のポートに出力される。このとき、L1とC5で構成されるLCフィルタは第1の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタとして働く。ここで、トランジスタM8及びM9のチャネル幅及びチャネル長は、増幅器1の雑音がM7で足しあわされた際に逆相合成され、キャンセルするような比率に設定する。図4に示すような増幅器が、増幅器4及び増幅器5としても用いられる。ただし、それぞれ対応する帯域が異なるため、増幅器4及び増幅器5のLC回路は、それぞれ第2の周波数帯域及び第3の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタとして動作する。各帯域用の2段目の増幅器3〜5の出力信号は、図5に示すサンプリングミキサでベースバンド信号に変換される。
【0018】
なお、端末は複数の帯域の信号を常に受信するわけではなく、2帯域、1帯域のみの信号を受信すればよい場合もある。このような時、例えば、第1の周波数帯域の信号を受信する必要がない場合は、M7をOFFにしてフィルタ機能部分への信号の供給を遮断し、消費電力を抑えてもよい。このようなON、OFFのコントロールができるように、M7のゲートにスイッチを設け、VDDとGNDとのいずれかに接続されるように、外部からの制御により接続先を切り替え可能とするような構成としてもよい。
【0019】
(雑音キャンセル動作)
本実施形態においては、上述のように、2段目の増幅器でノイズがキャンセルされる。この原理については、非特許文献2に詳しいが、以下、簡単にノイズキャンセリング技術について説明する。
【0020】
ノイズキャンセリングの対象となるのは、インピーダンスマッチングを行う増幅器1で増幅される雑音である。ここで、説明を簡略化するために、増幅器1のM1のみを抜き出した図6の回路図を用いて説明する。ここで、I2n1はM1の雑音を表す電流源である。図6の回路は、雑音のみに着目して簡略化すると図7のようになる。図7より、点Bで観測されるM1の雑音は、Rs/(Rs+Rf)に分圧されてAで観測される。このとき、Bでの雑音とAでの雑音は同相である。
【0021】
この雑音がLNAの出力まで、どのように伝わっていくかを図8に示す。なお、図8では、2段目の増幅器として第1の周波数帯域向けの増幅器3を説明の対象とするが、増幅器4及び5においても、同様の仕組みでノイズキャンセリングが動作する。
【0022】
増幅器1の出力信号VBは、2段目の増幅器3のトランジスタM8のゲートへと接続される。なお、ここで、増幅器1の「出力信号」という表現を用いているが、ここでの説明では、この信号は雑音である。トランジスタM8では、この入力電圧VBに応じて、gm8Bの電流を出力する。ここで、gm8は、トランジスタM8のトランスコンダクタンス(相互コンダクタンス)である。
【0023】
増幅器1の点Aにおける雑音は、増幅器1に並列接続された増幅器2で増幅される。この増幅器の増幅率(ゲイン)をGsubとすると、この増幅器の出力信号(雑音)はGsubAである。この信号は2段目の増幅器3のトランジスタM9のゲートへと接続され、トランジスタM9はgm9subAの電流を出力する。ここでgm9はM9のトランスコンダクタンスである。これらの電流(gm8B+gm9subA)は、M7を通して出力ポートに接続される。図8では出力インピーダンスをZで表している。ZLを通して上述の電流は電圧に変換され、出力ポートでの電圧は(gm8B+gm9subA)ZLとなる。
【0024】
このように、増幅器1の雑音は、出力ポートにおいて(gm8B+gm9subA)ZLとなって観測される。したがって、雑音をキャンセルすることは、(gm8B+gm9subA)ZL=0にする(又は0に近づける)こととなる。
【0025】
ここで、VA、VBに関しては、上述のようにVA=VBs/(Rs+Rf)の関係がある。しかし、Rsは通常50Ωであり、Rfはインピーダンスマッチングのために値を決定することになるので、ノイズキャンセリング用に調整することは難しい。したがって、調整に用いるパラメータは、Gsubとgm8/gm9となる。具体的には、Gsub=−(gm8/gm9)×((Rs+Rf)/Rs)となるように、Gsubとgm8/gm9を決定することで、ノイズキャンセリングを行う。なお、gm8、gm9、Rs、Rfは正の値であることから、Gsubは負の増幅率である必要があり、図3に示す回路を用いることで負の増幅率を与える。
【0026】
以上のような構成により、低雑音増幅器(LNA)を各周波数帯で共用することができ、回路規模を抑えながら、複数の周波数帯域の信号を同時に受信可能な受信機を実現することができる。また、2段目の増幅器において雑音がキャンセルされるため、低NF、つまり受信感度の良い受信機を構成することが可能となる。また、2段目の増幅器がフィルタ機能を備えることから、サンプリングミキサにより変換されて得られるベースバンド信号に加わる雑音の量を抑え、雑音の影響を十分に抑えることが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8