特許第5982268号(P5982268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5982268-低圧鋳造装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982268
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】低圧鋳造装置
(51)【国際特許分類】
   B22D 18/04 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
   B22D18/04 W
   B22D18/04 V
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-257004(P2012-257004)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-104469(P2014-104469A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183945
【氏名又は名称】助川電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081927
【弁理士】
【氏名又は名称】北條 和由
(72)【発明者】
【氏名】三浦 邦明
(72)【発明者】
【氏名】浅葉 信
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−267215(JP,A)
【文献】 特開平01−293964(JP,A)
【文献】 実開平02−048264(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型(29b)と下型(29a)とを上下に重ね合わせてその中にキャビティ(29c)を形成し、下型(29a)の下部に設けた湯口(29d)に接続したストーク(1’)から溶融金属(12)をキャビティ(29c)内に充填し、鋳造物を成型する低圧鋳造装置において、上型(29b)を昇降する昇降機構のスライドガイド(34)、(34)が貫通された台板(33)の中心の孔の周りに設けた凹部にリング板状の断熱材(35)を嵌め込み、この断熱材(35)の上に鋳型(27)の下型(29a)を搭載し、この断熱材(35)と連なって下方へ延びた円筒形の下面中央部の断熱材(35‘)に前記ストーク(1’)の上端を嵌め込むことにより、台板(33)、鋳型(27)及びストーク(1’)が互いに熱絶縁されていることを特徴とする低圧鋳造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上型と下型とからなる鋳型の中にキャビティを形成し、このキャビティの中に溶融金属を充填して鋳造品を成型した後、上型と下型とを分離して脱型する方式の低圧鋳造装置に関し、上型と下型とを分離する脱型機構を備え、鋳型の熱がその脱型機構に及ばないような断熱手段を有する低圧鋳造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばアルミニウムダイキャスト装置によりアルミニウム鋳造物を製造する場合、比較的低い圧力で鋳型の中に下方から溶融金属を充填し、成型するものとして低圧鋳造装置が使用されている。一般的な低圧鋳造装置では、上型と下型とを上下に重ね合わせてその中にキャビティを形成し、下型の下部に設けた湯口に接続したストークから溶融金属をキャビティ内に充填し、鋳造物を成型する。下型は、ストークの上端を接続した台板の上に固定して設置し、油圧シリンダ等を備える昇降機構にて上型を上下動し、その昇降機構にて上下の型の重ね合わせと脱型が行われる。
【0003】
このような低圧鋳造装置としては、例えば下記特許文献2(特開平08−332563号公報)に記載されたように、溶融炉である溶融金属槽から溶融金属を電磁誘導ポンプにて汲み上げ、ストークを通して鋳型のキャビティに充填して鋳造物を成型する方式のものも使用されている。何れの形式のものも、鋳型を重ね合わせ或いは脱型するために、上下に型を分割し、上型を昇降するものが多く、上型を上下動するための昇降機構を備えている。
【0004】
このような低圧鋳造装置において特に問題となるのが、溶融金属が充填される鋳型の熱と鋳型の下に接続されるストークの温度低下である。低圧鋳造装置は、鋳型の下からゆっくり溶融金属を注入するのでガスや酸化物の巻き込みのない良い鋳造品を作る方法である。しかし、低圧鋳造装置における鋳型内の注入速度はダイカストに比べると非常に遅い為、鋳型を鋳造前から300℃から400℃に加熱しなければ湯回り不良を起こしてしまう。鋳型の中のキャビティに溶融金属が充填されると、鋳型が溶融金属により加熱され、高温となる。例えばアルミニウム鋳造の場合、溶融金属である溶融アルミニウム合金はその融点である600℃以上の温度で溶融されるため、これを充填する鋳型の初期設定温度より更に温度が上昇するので水冷しなければならない。
【0005】
一方、鋳型の初期設定温度である300℃から400℃に加熱した鋳型の下に取り付けられるストークの鋳型に近い部分の温度は、鋳型温度に近いためストーク内の溶融金属は凝固しやすく、鋳型の湯口下に長い凝固層ができて、鋳型から鋳物を取り出せ無いという問題が発生する。その為、鋳型の湯口の途中を鼓の様に細く絞って、この絞りを堺に温度差を付けて凝固層を少なくし、細く絞った部分に金網を敷いて更に機械的に切れやすくして、上下鋳型を分離した時に湯口の細く絞った半溶融部で凝固した鋳物とストーク側の溶融金属とに分離するように工夫をしている。これらの工夫でも賄い切れない場合は、湯口下部にヒータを埋め込んだり、溶融金属そのものの温度を上げるなどの対策も講じている。
【0006】
この鋳造に必要な鋳型の温度は、下型を支持している台板に伝達され、さらにこの台板を貫通している上型の昇降機構のスライドガイドにも及ぶ。このため、スライドガイドが熱応力で湾曲し、上型の円滑な昇降に障害が生じるという課題がある。逆にこの鋳型の温度は、ストーク内の溶融金属の温度を低下させストーク内で長い凝固層をもたらし、更に鋳型内での湯回り不良を起こす為に予め溶融金属の温度を上げなければならず、溶融金属の温度上昇は溶融金属の電気抵抗の上昇によって、下端に設けられた誘導電磁ポンプの出力アップが求められ、溶融金属の温度上昇は水素の溶解度を上げて鋳物に悪い影響を及ぼすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−69105号公報
【特許文献2】特開平08−332563号公報
【特許文献3】特開2004−148366号公報
【特許文献4】特開2006−346718号公報
【特許文献5】特開2008−80367号公報
【特許文献6】特開2010−260068号公報
【特許文献7】実開平06−66860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した従来の溶融金属供給装置における課題に鑑み、上型と下型とを上下に重ね合わせてその中にキャビティを形成し、下型の下部に設けた湯口に接続したストークから溶融金属をキャビティ内に充填し、鋳造物を成型する低圧鋳造装置において、鋳造に必要な鋳型温度の熱が上型を上下動する昇降機構等に及ばず、鋳造工程中に円滑な昇降動作を可能とすることと、鋳造に必要な溶融金属の温度を維持するために鋳型下のストークの温度低下を防止して鋳型湯口近傍だけに温度落差を持たせて鋳造性を良くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、前記の目的を達成するため、鋳型27の下型29aを保持する台板33の上に直接前記下型29aを搭載せずに、台板33の上に設けた断熱材35の上に下型29aを載置する。これにより、台板33と断熱材35を介して下型29aと熱絶縁した。またストーク1’もこの断熱材35に連なるマウスピース形の断熱材35’を介して下型29aと熱絶縁した。
【0010】
すなわち、本発明による低圧鋳造装置は、上型29bと下型29aとを上下に重ね合わせてその中にキャビティ29cを形成し、下型29aの下部に設けた湯口29dに接続したストーク1’から溶融金属12をキャビティ29c内に充填し、鋳造物を成型する低圧鋳造装置において、上型29bを昇降する昇降機構のスライドガイド34、34が貫通された台板33の中心の孔の周りに設けた凹部にリング板状の断熱材35を嵌め込み、この断熱材35の上に鋳型27の下型29aを搭載し、この断熱材35と連なって下方へ延びた円筒形の下面中央部の断熱材35‘に前記ストーク1’の上端を嵌め込むことにより、台板33、鋳型27及びストーク1’が互いに熱絶縁されている。
【0011】
このような本発明による低圧鋳造装置では、台板33が鋳型27に対して断熱材35を介して熱絶縁されているので、鋳型27に溶融金属12が充填されて鋳型27が高温になっても、台板33を低い温度に保持出来る。これにより、台座33を貫通している上型29bの昇降機構のスライドガイド34、34の熱変形が起こらず、円滑な上型29bの上下動が可能となる。さらにストーク1’も下型29aに対して熱絶縁されていることにより、ストーク1’の温度低下に伴う溶融金属12の温度低下によるストーク1’内の凝固層の拡大と鋳造時の湯回り不良を防止することが出来る。
【発明の効果】
【0012】
以上説明した通り、本発明による低温装置では、下型29aと台板33とを断熱材35により熱絶縁したことにより、台板33の加熱による上型29bの昇降機構の熱応力による動作障害が起こりにくいので、円滑に鋳造品を成型することが出来るようになる。さらに下型29aとストーク1’とを断熱材35により熱絶縁したものでは、ストーク1’と誘導電磁ポンプのダクト1の温度低下に伴う溶融金属12の温度低下を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】低温鋳造装置の一実施例を示す上型と下型を重ね合わせた状態の断面図である。
図2】低温鋳造装置の一実施例を示す上型を上昇させて上型と下型を分離した状態の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明では、鋳型27の下型29aを保持する台板33と断熱材35を介して下型29aと熱絶縁し、またストーク1’もこの断熱材35を介して下型29aと熱絶縁することにより、鋳型27の温度の影響を各所に及ぼさずに鋳造工程を実現するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
【0015】
図1図2は、本発明による低圧鋳造装置の一実施例であり、図1は上型29bを下型29aに重ね合わせた状態、図2は上型29bを下型29aから分離した状態である。この低圧鋳造装置は、上側の給湯誘導子14と下側の立上誘導子24との2段の誘導子を有する誘導電磁ポンプにより、ストーク1’を通して下側から鋳型27に溶融金属を充填する形式のものである。
【0016】
溶融金属槽11に収納された溶融金属12にダクト1の下端が差し込まれている。ダクト1の溶融金属12の液面より上にある部分の周囲には、磁性体製のヨーク15にコイル16を巻回した給湯誘導子14が配置されている。ヨーク15は、ダクト1の溶融金属12の液面より上にある部分を囲むようにその外周側に嵌め込まれており、このヨーク15に三相コイルを構成するコイル16が巻回されている。この給湯誘導子14には、冷却器10が設けられ、駆動時に冷却される。
【0017】
さらに前記ダクト1には、前記給湯誘導子14より下側の部分の周囲に立上誘導子24が配置されている。この立上誘導子24は、前記の給湯誘導子14と同様に、前記ダクト1の誘導子14より下側の部分の外周に嵌め込まれた磁性体製のヨーク25にコイル26を巻回したものである。この立上誘導子24のコイル26は耐熱性を有する無機絶縁ケーブルにより巻回されている。無機絶縁ケーブルは、ステンレスチューブ等からなるシースの中に導電線を収納し、この導電線とシースとを、それらの間に充填したマグネシア粉末等の無機絶縁粉末で絶縁した構造を有する。いわゆるシースケーブルと呼ばれる。このような無機絶縁ケーブルは、耐熱性が高く、800℃の温度にも耐えることが出来る。このため立上用誘導子24は、冷却手段を有しない無冷却としながら、大きな電流を通電するのに適しており、その分だけ給湯誘導子14のコイル16に比べて立上誘導子24のコイル26の巻数は少なくすることが出来る。
【0018】
この立上誘導子24は、耐熱性を有するセラミック等からなる筒状の保護ケース17で囲まれている。この保護ケース17の上端開口部は、上側の給湯誘導子14の下端面に固定されている。また、この保護ケース17の下端の開口部は、前記ダクト1の下端と図示していないパッキンを介して密に接合されており、この接合部に囲まれた内側は、ダクト1の下端の溶融金属12の導入口18となっている。
【0019】
給湯誘導子14と立上誘導子24とは、それぞれインバータを含む駆動電源31、32により駆動される。これら駆動電源31、32からはそれぞれ給湯誘導子14と立上誘導子24にインバータで変換された三相交流が通電され、これら誘導子14、24に磁界を発生させ、この移動する磁界による電磁誘導により、導電体であるダクト1内の溶融金属12に推力を与える。
【0020】
前記ダクト1の上端には、ストーク1’がフランジ継手等の継手5、5’を介して密に接続されている。保護管3のストーク1’に近い一端部の周囲にフランジ6が延設され、このフランジ6の外周に近い部分が前記ダクト1とストーク1’とを接続する前記の継手5、5’の間に挟持されている。これにより、保護管3の中のコア2、22がダクト1の中心に位置するよう保持されている。フランジ6には、溶融金属12の通路となる複数の円弧状の通過孔7が設けられている。ストーク1’は、図示してないバネ等により手前のダクト1に弾力的に押しつけられている。この状態で継手5、5’の間に挿入された耐熱性のガスケットにより継手5、5’の部分のシール性が確保されている。
【0021】
これらダクト1とストーク1’は、セラミック等の耐熱性、耐蝕性のある材料で作られており、その外周に設けた保温用のマイクロヒータ等からなるヒータ9、9’により溶融金属12の融点以上の温度に加熱され、溶融金属12の凝固を防ぐ。
溶融金属槽11の中の溶融金属12に液面センサー等のセンサー13が設けられ、これにより溶融金属槽11の中の溶融金属12の液位が検知される。前記立上誘導子24は、このセンサー13で検知される溶融金属12の液面より下に挿入される。
【0022】
他方、ストーク1’に電磁誘導により溶融金属12の存在を検知する形式の誘導式液面センサー等のセンサー19が設けられ、これによりストーク1’の中の液位が検知される。
前記溶融金属槽11と誘導子14、24を囲むように少なくとも3本以上の柱状のスライドガイド34、34が立設されている。さらにこのスライドガイド34、34が貫通するようストーク1’の上に台板33が設置されている。台板33はスライドガイド34、34に固定されており、その高さは一定に維持される。
【0023】
台板33の中心には、孔が開口しており、その周囲にリング板状の断熱材35が設置されている。図示の例では、台板33の中心の孔の周りに凹部が形成され、この凹部にリング板状の断熱材35が嵌め込まれている。さらにこの断熱材35と連なったその下面中央部の断熱材35‘は円筒形になっており、下方へ延びている。この断熱材35と連なって下方へ延びた下面中央部の断熱材35‘に前記ストーク1’の上端が嵌め込まれ、このストーク1’の上端がリング板状の断熱材35の中心の貫通孔部分に当接している。
【0024】
断熱材35の上には鋳型27の下型29aが搭載されている。この下型29aの下面中央には通孔状の湯口29dが設けられ、この湯口29dは、前記断熱材35の中心の貫通孔を介してストーク1’の上端と連絡している。
この下型29aの上に上型29bが重ね合わせられ、これら上下の型29a、29bにより鋳型27が形成される。鋳型27の内部には鋳造物を成型するためのキャビティ29cが形成され、このキャビティ29cは前記湯口29dを通してストーク1’の上端に連絡される。
【0025】
前記台板33の上には、前記スライドガイド34、34に沿ってスライド自在にスライド板37が設けられている。このスライド板37にはスライドガイド34、34が貫通しており、このスライドガイド34、34に沿ってスライド板37が上下にスライド自在となっている。台板33とスライド板37との間に油圧シリンダ等の昇降駆動機構36、36が設けられ、この昇降駆動機構36、36の動作によりスライド板37がスライドガイド34、34に沿って上下にスライドされる。
【0026】
前記上型29bは、連結部材39、39によりスライド板37に連結保持されており、スライド板37の昇降に伴って上型29bも昇降する。この上型29bが下降し、上型29bが台板33の上に断熱材35を介して固定されている下型29aと重ね合わせられると鋳型27のキャビティ29cが閉じる。この逆に鋳型27のキャビティ29cが閉じた状態から上型29bが上昇し、上型29bが下型29aから離れると鋳型27が分離し、そのキャビティ29cが開く。上型29bには押しピンユニット38の押しピンの先端が差し込まれ、上型29bが上昇した時、押しピンユニット38の押しピンの先端がキャビティ29cの中に入り込んで、成型した鋳造物を下型29bから分離する。
【0027】
この低圧鋳造装置により鋳造物を成型するときは、まず立上誘導子24への通電によりポンプ側ダクト1の中の溶融金属12を給湯誘導子14の電磁力が作用する高さまで汲み上げた後、給湯誘導子14に三相交流を通電し、ダクト1、1’の中の溶融金属12を適当なレベル、例えば図1に実線で示すレベル30に維持する。このレベルで溶融金属12の供給の待機状態とする。
【0028】
この状態でまず、図1に示すように、下型29aの上に上型29bを重ね合わせ、鋳型27を組み立てる。その後、給湯誘導子14に通電する三相交流の駆動電力をさらに増大させると、溶融金属12が図1でストーク1’を通して鋳型27のキャビティ29cの中に充填され、図示してない鋳造物が成型される。
【0029】
その後、図2に示すように、スライド板37を上昇させて、上型29bを上昇させると、上型29bが下型29aから離れ、鋳型27のキャビティ29cが開く。これと同時に押しピンユニット38の押しピンの先端がキャビティ29cの中に入り込んで、成型した鋳造物を下型29bから分離させるので、鋳造物は下型29aの中に残る。この成型された鋳造物を下型29aから取り出すことにより、1回の鋳造工程が完了する。以下、下型29aの上に上型29bを重ね合わせ、鋳型27を組み立て、成型を繰り返す。
【0030】
この低圧鋳造装置では、台板33が鋳型27に対して断熱材35を介して熱絶縁されている。このため鋳型27が溶融金属12で高温になっても、台板33を低い温度に保持出来る。これにより、台座33を貫通している上型29bの昇降機構のスライドガイド34、34の熱応力による変形が起こらない。またストーク1’も下型29aに対して断熱材35、35’により熱絶縁されている。これにより、ストーク1’内の溶融金属12の温度低下による凝固層の拡大を防止し、更にストーク1’に連なる誘導電磁ポンプのダクト1の溶融金属12の温度低下も防止し、鋳造時の湯回り不良を防止することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明による低圧鋳造装置は、スライド機構により上型を上下動して鋳型を組み立て、或いは脱型する構造の低圧鋳造装置において、スライド機構の熱応力による動作障害を防止出来るもので、そのような低圧鋳造の分野で利用することが出来る。
【符号の説明】
【0032】
1’ ストーク
12 溶融金属
27 鋳型
29a 鋳型の下型
29b 鋳型の上型
29c 鋳型のキャビティ
29d 鋳型の湯口
33 台板
34 スライドガイド
35 断熱材
35‘ 断熱材
図1
図2