【課題を解決するための手段】
【0051】
本発明に従い、この目的およびさらなる目的は、独立請求項の特徴部の特徴を有する装置および方法によって達成される。
【0052】
分光計測または測光法による検査の理論的基礎は、ビール−ランバートの法則によって与えられる。光が通過した場合の、溶液における分子を吸収する濃度c
iを決定するために用いることができる。
【0053】
【数1】
【0054】
ここでI
λは、被検査物質を通過した後の光強度、I
0,λは放射された光の強度、μ
α,λは波長依存(λ)全体吸収係数であり、lは物質を通る経路長である。組織の散乱特性の結果、有効経路長がこの場合予期され、これは一般に波長にも依存するが、これは本スペクトル範囲および用途例では捨て去ることができる。
【0055】
代数的操作により以下となる:
【0056】
【数2】
【0057】
この一般法則は、さらに分けなければならない。なぜなら、人間の血液といった物質は、多くの化学成分物質(分子化合物)からなり、これらの吸収係数は波長に依存した態様で異なるからである。n個の物質の場合以下となる:
【0058】
【数3】
【0059】
経路長はすべての波長に対して同じままであるという仮定に基づき、m個の波長に対して次のように書き換えることができる:
【0060】
【数4】
【0061】
この関係は、以下の形に書き直すことができる:
【0062】
【数5】
【0063】
これから、直接物質の濃度を決定することができる。
さらなる根底は、光と分子との間の量子化学相互作用にある。したがって、個々のおよび分子に特有の回転−振動遷移または電子的遷移は、光量子の波長依存吸収によって励起される。ここで、調波の回転−振動励起および分子の結合した振動の結果として、または発色団の複合電子遷移の結果として、励起は観測スペクトル範囲で起こる。これらの遷移は波長に特有および物質に特有のものである。したがって、異なる物質は異なる波長で分析することができる。しかし、たとえば人体は非常に多くの異なる物質からなり、そこからの情報は重畳したものであるので、量子化学相互作用を考慮するためには、ノードに基づくマルチスペクトル測光または測光分析ではなく、分光法を用いる必要がある。
【0064】
800nmから1200nmの間のスペクトル範囲において水およびグルコースという2つの物質の調波分光をより詳細に観察する場合、さらなる詳細を考慮する必要がある。ここで、水分は非常に特殊な分子である。第1に、原子のさらなる角度の付いた配置を伴う水分の強い極性の結果である。さらに、液体状態では、水素結合はスペクトルに影響を及ぼす。反対に、液体の水の分光法は、温度に強く依存する。しかし、これは本件の場合排除することができる。なぜなら、体の測定地点での温度は、35℃から40℃の狭い温度範囲内に固定されているからである。さらなる影響は、水における分子の分解からもたらされる。こうして、濃度が変わると、分子間の力も変わり、その結果スペクトルも変わる。これらの変化は相対的に小さいが、検出可能であるので、計量化学評価においては考慮しなければならない。
【0065】
本発明の装置は、測定媒体の成分を特定およびモニタするために、特に生理的血液値を特定およびモニタするためにある。装置は広帯域光を発生させるために少なくとも1つの光源を有する。ここで、広帯域とは、光が血液もしくは組織内の、または他の測定媒体内の、対応する成分を分析するのに適する波長で発生することを意味する。一般に、患者をモニタリングする(たとえば酸素飽和度を測定)するためには500nmから850nmの間の周波数範囲の光を、ならびに血糖値を定めるためには800nmから1200nmの間の周波数範囲の光を、少なくとも生成する光源が用いられる。特に、光源は白色LEDであり、血糖値測定のために、NIR範囲内に十分な量の光が生成される。光源は少なくとも1つの測定領域に広帯域光を照射するためにある。測定領域は典型的には生物の表面のある点、より特定的には、人間の指先または耳たぶといった地点である。しかし、測定領域は、測定するべき媒体が流れる管、たとえば人工透析の際に血液を運ぶラインまたは流体をプロセスに供給し、そこから排出するラインであり得る。
【0066】
装置は波長に従って、測定点から戻ってきた分析光を拡散または分光させるための手段をさらに有する。一方で、分析光は測定領域から直接反射された光、または他方では組織を通った後、別の点から再度発せられた分析光であり得る。本装置は分光を記録するためのセンサアレイをさらに有する。センサアレイは典型的には二次元CMOSの配置である。用途および適する周波数範囲に応じて、他の二次元センサアレイ、たとえばInGaAsセンサアレイを用いることもできる。CMOS画像センサの解像度は高く、典型的には100万ピクセル以上を有する(ここで用いられるセンサは1.6MPまたは5MPほども有する)。
【0067】
センサアレイ、典型的にはCMOSセンサアレイを使用する第1の利点は、その簡単な便利性にある。しかし、特に、二次元センサアレイは、より高い測定速度およびより優れた信号対雑音比を可能にする。測定光の波長依存分散の結果、測定光はセンサの列に結像される。しかし、測定光は特定の幅を有し、拡散された測定光(すなわち、スペクトル)は、互いに隣接して並行である複数のセンサアレイの列によって同時に捉えることができる。センサアレイの複数の列が並行に読出される結果、個々の列の結果、すなわち、個々のスペクトルを加えることができる。典型的には、1000個までもの隣接するアレイ列の信号を統合することにより、スペクトルを生成することができる。このため、本装置は二次元アレイの複数の隣接する列の信号を同時に捉えるための手段を有する。さらに、本装置はこれら隣接する列のスペクトルが加えられるよう設計されている。
【0068】
したがって、本発明に従い、二次元センサは、空間的に分解される測定を行なうためには用いられない。むしろ、隣接する列はより短い時間でより多くのスペクトルを生成するために用いられ、それにより優れた信号を生成する。ここで、並行測定は、仮想的に同時測定を意味するものと理解される。当然、センサの個々のピクセルおよび列は順次読出されることは明らかである。しかし、走査周波数は非常に高いので、これは並列列の仮想的に同時の測定と呼ぶこともできる。
【0069】
これは、部分的画像の読出し、およびそれにより高速を達成する。これによって、より優れた信号対雑音比をスペクトルに生成することができる。
【0070】
用途の種類に応じて、信号対雑音比について、異なる要件がある。モニタリングの用途の場合(たとえば、血液飽和度を測定する場合)、対象となるのは多くの場合動脈血だけである。組織成分は対象ではない。このような理由により、モニタリングの用途では、パルス分解測定が必要である。さらに、パルス分解測定では、信号対雑音比は、可能である限り、心臓収縮期の測定値と拡張期の測定値との違いから十分に明確な信号が得られるようなものでなければならない。パルス分解測定は、たとえば血糖値、脂肪またはアルコールといった血液成分を測定する場合には、重要度が下がる。一例として、血糖値の場合、動脈血の成分と組織成分との間の平衡は、相対的に短時間で達成される。これについて、パルス分解測定は必須ではないが、測定結果をチェックするためには絶対有利であり得る。
【0071】
今日、CMOS画像センサは携帯電話、監視カメラおよびデジタルカメラで主流として用いられている。高品質の小型のメガピクセル対物レンズは、最初に言及した2つの適用分野から特に利用可能である。
【0072】
このようなセンサは非常に小さく、3mmのイメージ−エッジサイドを有する。さらに、これらは読出領域用にパラメータ化することができる。こうして、非常に高いフレームレート、たとえば100Hzを超える非常に高いフレームレートが縮小画像領域の場合に可能となり、高いフレームレートはパルス性信号の時間分解評価も可能にする。
【0073】
CMOSセンサの場合、エレクトロニクスは直接センサ内に統合される。光学アレイは、たとえば読出回路、調整可能アンプ、およびアナログ/デジタルコンバータといった回路を有する。これによりデータを迅速に、薄いケーブルによって、転送することができる。分光計、照明、エレクトロニクスおよび画像記録を含む全体の構成は非常に小さく設計できる(好ましくは、20mm×30mm×100mmより小さい、典型的には約10mm×10mm×50mm)。このような装置は薄い電気ケーブルでのみ提供でき、直接患者に取付けることができる。したがって、ガラスファイバなどがなくてもよい。数ミリメートルの寸法のCMOS配置の設計により、小型化されたシステムにおいて十分なスペースが、たとえば指もしくは耳たぶ上、または利用できるスペースが制限されている場所でも、可能となる。
【0074】
非常に向上した画像品質および低い光の要件のおかげで、小さい小型化された照明ユニットを用いることもできる。
【0075】
先行技術で一部用いられているCCDアレイは検出器全体が読出されることを必要とするので、十分に高いフレームレートを達成することは不可能であった。なぜなら、CCDのレートは数Hzだからである。CMOSセンサを「対象領域」(ROI)に制限し、これらを速くすることができる。なぜなら、必要なデータだけを読出せばよいからである。同様にCMOSセンサは画像全体の場合には相対的に低いフレームレートを有するが、ROIに対して制限をかけた場合、典型的には200Hzまでのフレームレートを達成することができる。
【0076】
これにより、パルス分解態様で動くことができるよう、スペクトルを速く記録することが可能となる。最大パルスは典型的に3Hzである。4倍走査の場合、約12Hzが必要となる。
【0077】
血液パラメータのin vivo測定は、信号のパルス性成分をもとに行なうことができる。パルス性成分と静的成分との間で区別する結果、血液の影響と組織の影響との間で区別することができる。この影響およびその可能な評価は、DE 19518511に記載されている。
【0078】
重複隆起の結果、基本周波数が2倍となる。血圧曲線の周波数成分のフーリエ分析は、第8の調波までの成分を含むことができるので、50Hzでの走査は、技術的観点から適切である。
【0079】
さらに、迅速な走査は、高周波数信号成分を生成する移動アーティファクトを減少させる。サンプリング理論が侵されると、このような干渉は信号の有用な範囲内において直接反映される。
【0080】
各画像記録の際に、隣接するセンサの列において約1000個のスペクトルが50Hzで記録され、そのスペクトルは加算または積分の結果十分なデータ深さおよび信号対雑音比を生成するが、血液成分について、組織成分だけでなく、パルス性成分(スペクトルとして、信号の約1%を有する動脈血)をスペクトル的に評価することが可能となる。
【0081】
センサアレイは、異なる波長の光がアレイの異なる点に当たるよう、配置される。さらに、拡散された光は好ましくは、並行に、複数の隣接する列のセンサに案内される。
【0082】
本発明に係る装置の基本的原理およびその利点は、さまざまな用途において同じである。周波数範囲は、測定するべき成分に依存して変えるべきである。したがって、光源、センサ、回折格子および用いられる光学ユニットは、測定状況に適合されるべきである。本発明は患者モニタリングの際の血液値を定めることを基に、さらに血糖値測定を基に、例示的な態様で詳細に説明される。
【0083】
装置は好ましくはハウジングを有し、コンパクトなアセンブリとして設計されている。コンパクトなアセンブリは、少なくとも光源と、分析光を拡散するための手段と、センサアレイとを含む。この配置のおかげで、照明および分光システムを直接測定地点においてセンサに統合することができる。照明および小型化された分光計は直接測定領域に与えることができる。その結果、相対的に剛性でありかつ大きい光ファイバをなくすことができる。より多くの光が大いに利用可能となる。
【0084】
光がガラスファイバを通って測定点に送られると、パワーの大部分は既に失われていることになる。ガラスファイバが組織に結合され、戻ってきた光が再度別のガラスファイバによって取られると、光の大部分は再び失われる。また、スリットだけが切離されて分光計測のためにスペクトル的に広げられると、検出用として少量の光しか残らない。これは技術的に利用可能な最も大きいランプが既知の配置で用いられることをもたらし、同時により長い露光時間での作業が行なわれることとなる。
【0085】
これに対して、ハウジング内の非常に小さい光源(たとえばLED)および分光計は好ましくは直接組織に与えられる。これは光収率を増加させるので、露光時間は非常に短い。
【0086】
光源、測定光を分光するための手段、およびセンサアレイは、測定領域の場所での血液および組織の分光法による分析を可能にする。
【0087】
分光計測の分野において、いくつかの異なる方法がある。ここで、新しい方法としてスペクトル画像化の分野がある。光は有効な回折格子/光学ユニット配置を介して、二次元センサアレイにスペクトル的に分割される。こうして、空間的情報はセンサの一方向において得られ、他方の方向はスペクトル情報を含む。ここで、各個別の画像点は、8、12、14または16ビットのデータ深さを一般に有する強度情報が得られるピクセルである。ここに記載されている発明に対して特に有利な特性を有するCMOS画像センサは、この技術において主要となる。ここで、InGaAsセンサはより長い波長のスペクトル範囲に適するが、これらは必要な回路論理をCMOSパッドに統合する個々のフォトエレメントを有する。
【0088】
本発明に従い、測定光を分光するための手段である回折格子と、分光された光を記録するためのセンサアレイとが好ましくは用いられる。
【0089】
こうして波長分散装置は、カメラまたは画像センサが得られた回折次数において、ならびにSpO
2濃度測定のためには500nmから850nmの間の、または血糖値測定のためには800nmから1200nmの間の、適切な波長範囲において、高い光収率を可能にするために、好ましくは分散光学エレメント、一般的には光学回折格子、より特定的にはホログラフィック格子を含み、有利な実施例では、ブレーズド回折格子である。
【0090】
血糖値測定向けには、スペクトル範囲は約800nmから1200nmとして規定される。このスペクトル範囲内において、最も強い信号変動は、960nm+/−50nmおよび1150nm+/−50nmの範囲で検出された。スペクトルは、変動する水分の信号との相関を示す。InGaAsセンサ技術は、同時に両領域を評価することを可能にする。しかし、現在商業的に利用可能なセンサは、このスペクトル範囲内においてCMOSセンサよりも著しく悪いが、後者は1100nmまでの光しか受入れない。こうして、InGaAsセンサは、著しくより少数のピクセル(典型的には100kピクセルから1000kピクセル)を有するので、信号対雑音比も悪くなる。
【0091】
最大回折効率は、使用するセンサが最も低い感度を有する波長範囲内に収まるように選択することができる。一例として、ブレーズ回折格子は、非対称の鋸歯型の格子プロファイルを有する透過型回折格子であり、鋸歯の部分は、所望の回折次数の方向に光を送るよう個々の鏡としてそれぞれ設計される。さらに、ホログラフィック回折格子を用いることもできる。たとえばVPH回折格子(体積相ホログラフィック回折格子)を特定のブレーズまたはホログラフィック回折格子として用いることができる。これらVPH回折格子は透過型回折格子であり、透明な感光性材が2枚のガラスまたはプラスチック板間に囲まれ、変動する屈折率の所望のパターンが、たとえばホログラフィック露光の結果生成され、材料の構造の変化がそれからもたらされる。本発明に従い、このようなブレーズ回折格子の使用は、小さい所定の波長範囲において回折強度の80%を超える高い効率を達成することができる。
【0092】
こうして、回折格子および入射スリットによって非常に小さい分光システムを作成することができ、分光システムは第1にスペクトル範囲全部を網羅し、第2に、パルス依存記録には重要である時間分解を有する。さらに、二次元画像の獲得のおかげで、同時に多くのスペクトルを記録および評価することができ、これは信号対雑音比を著しく向上させる。
【0093】
このような技術の組合せは、より小さい、解像度の高い迅速なセンサユニットを構築可能にし、従来これはパルスオキシメトリ用に体の各点に直接取付けることができる。
【0094】
これにより、センサは指先、母指球、耳たぶ、または皮膚表面といった好ましい測定点に取付けることができる。ハウジングは、患者の人体、特に指または耳たぶの部分に固定できるよう好ましくは設計される。
【0095】
体内での測定品質は、選択される測定点に著しく依存する。特に、血糖値の測定では、その場所は十分灌流し、脂肪組織は少なく、測定するのに容易にアクセス可能でなければならない。したがって、上記のシーケンスでの測定点は血糖値の測定の場合、特に指、母指球、または耳たぶを通る。指の場合、測定は可能であるのなら骨または爪を含まずに行なうよう注意しなければならない。したがって、光を横方向に指に照射し、指先上の中央線で得る選択肢がある。
【0096】
この技術の提案された組合せは以下の非常に重要なセンサ特性を可能にする:センサは約5nm未満の必要なスペクトル分解能において、全部のスペクトルが記録可能となるピクセル解像度を有する。
【0097】
センサの一部を読出し、それにより高い読出速度で記録および読出し(典型的には100Hzより高く)、スペクトルの組織および血液特性をパルスに依存する態様で評価できるオプションがある。
【0098】
さらに、装置は特に好ましくはスリットアパーチャを有する。このスリットアパーチャは分析光用の入力領域と、分析光を分光するための手段との間に配置されている。スリットアパーチャにより、正確に測定領域を規定することが可能となる。特に、分光するための手段について、スリットアパーチャは、細長い画像が画像の長手に対して異なる方向、好ましくは垂直な方向に広げられるよう、配置される。これにより、二次元センサアレイ上に、一方方向において波長に従って分解された表示と、他方方向において測定領域からの空間的に分解された表示とを得ることができる。さらに、本装置は好ましくはアナログ/デジタルコンバータが直接設けられる。現行のCMOS画像センサは典型的にこのようなアナログ/デジタルコンバータを既に含んでいる。しかし、本発明に従い、空間的に分解された表示は、空間的に分解された分析には用いられない。むしろ、隣接する列による複数のスペクトルの並行な測定は、信号を向上させる働きがある。
【0099】
本件の場合、アパーチャは、第1の結像光学ユニット(対物レンズ)を介して結像された領域の細長い帯状の領域を切出す光学手段を意味すると理解される。ここで、帯状の領域は必ずしも連続するものではなく、たとえば個々の画像エレメントのシーケンスからなり得る。
【0100】
本装置はさらに信号用の増幅器を好ましくは有し、外部からパラメータ化できる。CMOS画像センサの多くは外部からパラメータ化できるこのような統合された増幅器を既に有する。
【0101】
回路での信号のデジタル変換の結果、デジタル信号は容易に、失われることなく、相対的に長い距離にわたって電気的に評価ユニットに送られる。
【0102】
光源は好ましくはLEDである。LEDは非常に速くスイッチングできる光源である(典型的には10〜1000μs)。これらは高い光パワーを有するが、組織にとって危険である熱的問題がなく動作される。
【0103】
患者のモニタリング(たとえば、血液における酸素飽和度)に使用する際、可視(VIS)および近赤外(NIR)スペクトル範囲、特に極近赤外範囲、たとえば、500nmから850nmの間のVNIR範囲の光が好ましくは用いられる。この光は好ましくは一個のLEDまたはLEDの組合せによって生成される。一例として、従来の白色光LEDがこれに適する。白色光LEDはさらなる重畳蛍光色素の結果、広帯域の発光を有する。たとえばイッテルビウムもしくはYAGにおいて他の希土類を有する、または同様のホスト回折格子を有する無機蛍光色素などを、色素として用いることができる。
【0104】
異なる色素を組合せることにより、用途に応じて必要なスペクトル範囲全体に光を発生させることができる。こうして、たとえば血糖値測定用としては、800nmから1200nmの間の範囲にある。しかし、異なるLEDから光を組合せることも可能である。しかし、この場合、エミッタは温度的に安定化していなければならず、照射は局所的に十分均一でなければならない。
【0105】
本装置はさらに電気ケーブル用のコネクタを好ましくは有する。特に、装置は光を向けるまたは離れるよう案内するための、光ライン用のコネクタを好ましくは有さない。本発明に係る装置を動作させるには、数本の電気的束を有する細いケーブルで十分である。なぜなら、本発明に係る光源およびセンサには高電流および高電圧は不要であり、特にケーブルをアナログ信号用に選抜する必要がない場合、不要である。
【0106】
スペクトル全部が記録できるので、複数の異なる生理的血液値を確定およびモニタすることが可能となる。特に、以下のパラメータを評価することができる:
パルス周波数
パルス形状および構造
酸素飽和度Hb(SHbO
2)
総Hb(ctHb)
HbCO濃度
MetHb濃度
脱酸素化Hbの濃度
PI(灌流指標)
PVI(脈波変動指数)
組織酸素飽和度StO
2
血糖濃度
乳酸塩
本明細書の範囲内において、生理的血液値は、診断目的のために、または上記の値をモニタするために患者で確定されたすべての値を含む。
【0107】
さらに、非医療分野においてさまざまな用途も可能である。たとえば(プロセスガスを測定することにより)燃焼プロセスのモニタリング、またはたとえば食品の製造もしくは成分を添加した場合の医薬品プロダクトにも用いられる。
【0108】
本装置は特に透過測定および反射測定の場合に適用されるよう好ましくは設計されている。そのため、血液成分は、500nmから850nmの間の強い吸収を相殺するために、反射モードでは可視スペクトル範囲において測定でき、透過モードではVNIR範囲において測定できる。
【0109】
十分な量の光を照射する(または測定波長に依存して可能)であるのなら、透過モードでのみ測定するのが容易である。500nmから850nmの範囲内における強い吸収の問題は、特に800nmを超えるグルコース測定の場合にそれほど顕著ではない。しかし、十分に大量の光が照射されると、透過測定はモニタリングの際、たとえば酸素飽和度を測定する場合に、容易である。
【0110】
反射モードおよび透過モードで組合せた記録を実施するために、さまざまなオプションがある。
【0111】
患者をモニタリングするための第1の実施例において、反射での記録および透過での記録は時間的に順次配置される。ここで、光は皮膚の2つの領域上に交互に照射される。まず、光が線形の記録点の領域に照射され、反射画像が読出される。次のステップにおいて、光は記録線の外の1つ以上の点に照射され、記録線に送られる光は記録および読出される。2つの情報項目は評価ユニットにおいて互いに結合される。特に、本装置はこのためにコンピュータが配置され、これは透過測定および反射測定を交互に行なうよう設計されている。さらに、本装置はこの目的のための光源を有し、光源は光が2つの異なる測定点に照射されることを可能にする。これは、複数の光源を用いることにより、または適切な偏向手段を用いることによって達成される。
【0112】
患者をモニタリングするための第2の実施例において、反射領域および透過領域の空間的分離がもたらされる。このため、装置および特にハウジング自体には、分析光を反射領域および伝送領域から分ける手段がある。入射光はセンサの視野にある皮膚の部分に送られる。センサの視野の第2の部分は機械的ストップによって照射された光から分離される。したがって、人間の組織を通った光のみがこの領域に入る。
【0113】
透過の後皮膚から反射および出力された光は、対物レンズによって結像され、細長いアパーチャ(スリット)は実質的に細長いまたは一次元の画像をまず抽出し、これは後で異なる方向、好ましくは垂直な方向に、波長分散した態様で、拡散され、より特定的には回折される。その結果、相対的に簡単な態様で二次元画像を生成するために、相対的に簡単な手段を用いることができ、画像は線形の態様で得られた皮膚および組織の領域について波長分解情報を与える。放射が画像センサまたは画像トランスデューサによって得られることにより、後の分析では、皮膚および組織内に含まれる物質が定量的におよびパルスに依存する態様で確定でき、さらに短時間のうちに、in vivo測定により、組成についての記述、特に血液の化学的組成についての記述を行なうことができる。
【0114】
したがって、本発明に従い、時間分解およびパルス依存センサ記録の機能性を、分光法による検査および分析に組合せることが可能である。設計のおかげで、光はまず反射領域で捉えられ、次に透過領域で捉えられる。
【0115】
血糖含有量は匹敵する態様で定めることができ、ここでは反射測定は必須ではない。
本発明に従い、スリットは皮膚上の記録点の線形方向に実質的に対応できる。回折する方向または波長分散方向は、このスリット方向に対して垂直に走ることができ、それにより画像センサの二次元ピクセルアレイの列および行は、これらの方向に対応することができる。したがって、回折画像および該当するスペクトルを確立するために、たとえば皮膚上の記録線に対応する一次元空間成分を有する、および交差する回折方向を有する、画像が現われる。
【0116】
レンズシステムは、小型化された対物レンズで有利に設計される。このため、監視カメラ技術の分野からのメガピクセル対物レンズや、既に携帯電話のカメラにおいて広く用いられている、小型化された対物レンズ(たとえば、ポリマー系対物レンズ)が用いられる。しかし、他のレンズシステムまたは結像のための色収差補正も代替的に用いることができる。
【0117】
これら対物レンズは、用いられる非常に小さいセンサとうまく組合せることができる。このような非常に小さい対物レンズで見られる歪みは、その静的性質により、ソフトウェアを用いて相殺することができる。
【0118】
一例として、本発明に係る装置は3つの結像光学ユニットまたは対物レンズを有することができる。これらのうち、第1の結像光学ユニットは、好ましくは第1の結像光学ユニットの画像面に配置される、細長いまたはスリット形のアパーチャ上に、照射領域の二次元画像を生成する。第2の結像光学ユニットは、スリット形アパーチャをたとえば無限大に結像し、ギャップを通った光の筋をコリメートする。この第2の結像光学ユニットの後ろには、好ましくは光学格子を有する波長分散装置があり、第2の方向に光を分散的に分けることができる。
【0119】
第3の対物レンズは、波長分散態様で既に分割されているアパーチャ画像の逆変換を生成する。こうして、皮膚上に記録された線の波長拡散画像が得られる。
【0120】
本発明に従い、画像センサはそれぞれの用途向けに最適化された波長範囲内において位置付けることができ、そこでたとえば相対的に小さい立体角範囲のみを網羅する。
【0121】
第1の結像光学ユニットは、分析するべき領域をアパーチャのスリット上に結像することができ、アパーチャは記録線の外の領域を有効にマスキングする。原理的に、アパーチャを用いることにより、この配置のおかげで、アパーチャによって制限される分光手段によって後で検査される領域よりも少し大きい領域を照射することができる。
【0122】
LED光源は好ましくはパルス状の態様で制御される。その結果、外部光の影響を減らすことができる。
【0123】
さらに、内部黒レベルバランスがあり得る。新世代のCMOSセンサは内部黒バランスを有する。エッジのピクセルは黒で覆われている。これらは内部的に読出され、内部的に黒値正規化のために用いられる。これは外部光の問題を解決するものではないが、温度が変動する場合または供給エレクトロニクスが変動する場合に、一般的なセンサのずれる問題を是正する。その結果、非常に短い露光時間および高い光強度で画像を記録することができる。この理由により、外部光の影響は一般的に小さい。外部光の影響が起こるのなら、各々の場合、LED照明なしでかつROI(対象領域:検査される周波数範囲)を大幅に減らして背景画像を付加的に記録し、これを用いて画像を訂正することができる。照射された固定白色光画像は、センサが用いられる前に評価ユニットに格納される。式(1)では、これはI
0(λ)に対応する。
【0124】
各記録の後、約500から1000個の隣接する空間的に分解されたスペクトルすべては、大きいデータ深さでスペクトルに加えられ、値I(λ)は上記の式5に従い作成される。さらに、加えられたスペクトルのaの二次導関数が生成される。これは、必要な濃度を直接定めるために用いることができる。時間に依存する値を評価する場合、パルス濃度計において従来のように、パルス性成分から動脈血の成分についての値を決定することができる。パルス分解態様で分光計測データを確定するオプションがあるのなら、血糖値を定めるために、心臓収縮期および拡張期のスペクトルを別個に統合し、単に違いを形成することにより動脈血のきれいなスペクトルを得て、組織での血糖含有量を定めるのではなく、体の中の動脈血における血糖含有量を定めることができる。
【0125】
記録されたスペクトルは、指(または他の測定点)がセンサに押さえ付けられる圧力に応じて変わる。この圧力の依存性は、スペクトルの二次導関数が分析されるのなら、避けられる。さらに、二次導関数は、動脈血に対してのみ吸収を測定することができる。周りの組織に分散する光の影響は避けられる。特定の状況において、スペクトルへの接触圧力の影響は、動脈血による吸収よりも大きい。したがって、接触圧力によって影響されない測定値を取り得ることは重要である。これは、二次導関数を分析する場合可能である。
【0126】
さらに、異なる領域を加えたり、異なる評価用に場所を変えたりして照射および分析することができる。
【0127】
パルス情報が波長分割情報の相対的に大きい領域、特に520nmから570nm間の範囲において、結合および評価することは有利である。パルスはスペクトル範囲全部にあるので、評価のためにすべてのピクセルを加算することは代替的に可能である。したがって、たとえば50Hzの走査周波数の場合、画像当たり12ビットデータ深さで500,000個のピクセルを統合することが典型的に可能であり、非常に大きいデータ深さとなり、パルス化の結果、強度について非常に弱い変動でも検出することが可能となる。
【0128】
灌流指数PIは、組織および静脈血により、固定した、時間によって変わらない吸収に対するパルス振幅の比として、パルス情報から、以下の式に基づき、記録することができる:
【0129】
【数6】
【0130】
ここでACはパルス依存信号の振幅であり、DCは最大吸収信号である。このPI値は波長に依存するが、文献「パルス酸素濃度についての波長依存」(Damianou, D.; Crowe, J.A.; Pulse Oximetry: A Critical Appraisal, IEEE Colloquium; volume 1996, issue 124, 1996年5月29日、頁7/1-7/3)に従い、スケーリングすることができる。
【0131】
変化した場合、この変数は患者の状態の異なる臨床的に該当する変化を早期に示すものである。
【0132】
他に重要な測定変数は「脈波変動指数」(PVI)であり、これは呼吸と脈拍との相関を成立させる。PVIは以下の式:
【0133】
【数7】
【0134】
により、呼吸サイクルの倍数によって定められる。
%SpO
2濃度および総ヘモグロビン値の計算は、「パルス酸素濃度の光-組織相互作用」(Mannheimer Ph.D.; Anesth. Analg. 2007年12月; 105(6 Suppl): S10-7. Review)または「ヒト血液のヘモグロビン濃度の非侵襲性測定のためのLEDの基づくセンサシステム」(U. Timm, E. Lewis, D. McGrath, J. KraitlおよびH. Ewald;生物医工学第13回国際会議; volume 23, Springer Berlin Heidelberg, 2009)に記載されているように、計算を行なうことができる。
【0135】
評価の際、従来のオキシメトリと匹敵して、2つのスペクトル領域を比較することができる。一例として、640nmから680nm間のスペクトルチャネルを統合して、660nmで通常の信号を生成することができる。これを行なう際、一般的には、スペクトル測定点を生成するために、たとえば50,000ピクセルを有効に統合することができる。
【0136】
しかし、好ましい評価は、パルス性スペクトルの計量化学評価である。
異なるヘモグロビン誘導体の濃度は、直接定量的分光計測分析から得られる。
【0137】
二次導関数における吸収極大値または極小値:
【0138】
【表1】
【0139】
評価装置において、連続して迅速に生成されたスペクトル情報を確立することが可能であり、得られたスペクトルからスペクトル特性反射または吸収成分を定めるために、分光計測では一般的であるように、多変量統計解析を行なうことが可能である。ここでは、たとえば、相関、回帰、変異分析、判別分析および主成分分析(PCA)といった異なる多変量統計解析を用いることができる。
【0140】
演算による評価は、本装置と別個の評価装置で行なうことができる。測定値が本発明に係わる装置でデジタル化され、電気的接続を介して中央評価ユニットに伝送されるのなら、伝送ケーブルを薄いままにすることができる。同時に、本発明に係わるセンサまたは装置を、必要なコンピュータ、入力装置または出力装置によって、測定場所に接続できなくなるほど大きく設計する必要はなくなる。外部評価装置を用いることにより、一時的にデータを保管したり、より複雑な数学的手法によりデータを評価したりする可能性が出てくる。
【0141】
時間に依存する評価の結果、組織からの情報と動脈血からの情報とを区別することができる。一方では、この血液情報は既知のモル吸光係数により理論的観点から正確に捉えることができる。他方では、分析するスペクトル範囲において非常に弱い水分帯を約730nmで評価することができる。血液中の水分の濃度は正確に80から85体積%の範囲においてあるので、評価に基づき各測定信号の測定について第2の独立した較正を行なうことができる。装置、またはより特定的には評価装置は、水分信号により、濃度の絶対値を定めるよう設計することができる。
【0142】
反射および透過の組合せられた、スペクトル的に分解された方法のさらなる利点は、パルス信号がより安定して得られることである。可視スペクトル範囲において、パルスの最大値およびパルスの最小値間の信号の平均差は、基本信号に対して、VNIRスペクトル範囲よりも570nmの領域において著しく大きい。この差は5倍まで大きいこともある。さらに、パルス評価の際に対象のスペクトル範囲を統合することができ、それにより個々の記録の場合において非常に高い信号深さを達成することができ、これは個々のセンサを用いた場合には、技術的な困難を持ってしか実現できない。
【0143】
血糖値を測定するための、本発明の用途において、二次元分光計測により、向上した信号対雑音比の結果、非常に低いグルコース濃度を得ることができる。典型的には100万スペクトルまでが統合される。皮膚については問題がない。なぜなら、選択されたスペクトル範囲は、組織内に十分な浸透深さを達成するからである。測定は時間分解態様で行なわれる。高解像度の、分光捕捉は、吸収信号および吸収信号の二次導関数により、評価および逆計算に役立つ。二次導関数は、評価の際、組織分散の影響を最小にする。
【0144】
800nmから1200nmの典型的なスペクトル範囲全部が記録されて、水分およびグルコースの濃度を評価する。この評価は生のスペクトルを用いて、または二次導関数を用いて行なうことができる。
【0145】
二次導関数を用いると、組織で分散された測定光からの測定値と血液からの測定値との間を区別することができる。
【0146】
より正確な定量的評価のためには、PCAやPLS2といった計量化学方法を用いることができる。ここでも、設定されたROI、アナログ/デジタル変換に対してCMOS画像センサを統合することができる。
【0147】
画像センサは半導体コンポーネントにおいて好ましくは評価装置と、ならびに任意に制御装置と、および任意に参照データ用の記憶装置と、既にモノリシックに集積されることができ、小型かつ費用効果の高い設計が可能であり、複雑で余分な配線がなくても、または低いレベルで維持できる。
【0148】
照明装置によって出力された光または放射は、測定されるべき波長範囲に対してスペクトル的に均一な分散を好ましくは有する。ここでは、照明装置は好ましくはコリメートされた光を出す。照明装置として、異なる広帯域LEDを用いることができる。さらに、他の波長を有するLEDとともにさらなる重畳蛍光色素を有する光源を用いることができ、これは患者のモニタリングには500nmから850nmのスペクトル範囲で、または血糖測定には800nmから120nmの範囲で、広帯域放出を生成する。
【0149】
照明装置または光源は連続するものであってもよいが、有利には時間的にパルス化された態様で操作されるべきである。パルス化された操作は、第1に記録装置が変化する外部光の影響から独立しており、第2に非常に短い時間しか記録されない点で有利である。
【0150】
本発明に従い、スペクトルは分析の際、より特定的にはその白色正規化された生スペクトルの形で、さらにその二次導関数の形で評価できる。これは、方法が照明の変動といった器具に依存する影響、または皮膚もしくは組織構造における異なるメラニン濃度の結果、重畳され得る広帯域寄生吸収と切離されて実行可能である。
【0151】
本発明のさらなる局面は、測定媒体の成分または特性を特定およびモニタするための、たとえば患者をモニタリングするための、またはより一般的な形として、好ましくは非侵襲性のin vivo測定の際、およびさらにはin vitro測定で、生物の生理的血液値を特定およびモニタするための、または非医療用途における、上記の装置の使用に関する。
【0152】
本発明のさらに他の局面は、測定媒体の成分または特性を、特に生物の生理的血糖値を特定およびモニタするための方法、ならびにこの方法を行なうためのコンピュータプログラムプロダクトに関する。ここでは、第1のステップにおいて、ハウジングを有するセンサは測定領域に与えられる。医療的用途では、測定領域は典型的には指または耳たぶである。
【0153】
これは体の中央において、体のある点を測定するために用いることもできる。なぜなら、特定の状況(コア領域への機能を体が制限する場合)、極端な場所でのパルス識別はこのような点でしかできないからである。
【0154】
ハウジングに配置される広帯域光源からの光は、測定領域に与えられる。
測定点から戻ってきた分析光は、後で反射モードおよび/または透過モードで得られる。得られた分析光は次に波長依存態様で広げられ、捉えられた光の個々の波長依存成分は、ハウジングに配置される二次元センサアレイに結像される。特に、本件ではこれは二次元CMOSアレイである。より好ましくは、光がアレイの複数の並行な列に結像される。つぎに、並行な列から生成されたスペクトルは加えられる。
【0155】
こうして生成されたスペクトルは、測定媒体の成分または特性(典型的には生理的血液値)を定めるために、後で評価される。
【0156】
戻ってきた分析光は好ましくは特に回折格子で分光される。これにより、特に小型の装置を提供することができる。
【0157】
戻ってきた分析光は反射モードおよび透過モードの両方で得られることが特に好ましい。これは、異なる測定点の照明を交互にすることにより、または異なる測定領域からの戻ってきた光を並列に得ることにより、時間において連続的に行なうことができる。
【0158】
得られた光が時間分解態様で評価されることが特に好ましい。その結果、複数のさらなる値を展開して考慮することができる。評価のために、得られたスペクトルの二次導関数を定めることが特に好ましい。さらに、評価の際に同時に血液の水分含有量を確定するのが好ましく、濃度の絶対値は、確定した水成分をもとに、定められる。
【0159】
本発明は添付図面を参照して、いくつかの実施例を用いて以下に説明する。