【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、浮力装置であって、外部表面を呈する中空本体であって、
動作中、水面下に持続的に位置するように適合されている、中空本体と、該中空本体をテザーに接続するために前記中空本体に関連した制動手段であって、前記中空本体と前記テザーとの間にしなやかに弾性的な接続を提供する、制動手段とを備え、
前記テザーを含む継手によって別個のポンプに動作可能に接続可能である、浮力装置が提供される。
【0014】
好ましくは、前記制動手段は、前記本体と前記テザーとの間の負荷が規定された負荷を超えるときまで、前記本体と前記テザーとの間の実質的に強固な接続を維持するように構成され、それにより、前記制動手段は、前記負荷を逃がすために前記本体と前記テザーとの間の制限された相対的運動を容易にする。
【0015】
好ましくは、前記制動手段は、前記中空本体内に収容される。
【0016】
好ましくは、前記制動手段は、制動機構と、抵抗流体を通して前記制動機構に動作可能に結合されたアキュムレータとを備える。
【0017】
好ましくは、前記制動機構は、キャビティを画定する本体と、前記キャビティ内に収容されるピストン組立体とを備え、前記本体及び前記ピストン組立体は、協働して、前記キャビティ内に作業チャンバを画定し、該作業チャンバは、前記ピストン組立体と前記本体との相対的運動によって体積が可変であり、前記アキュムレータは、前記抵抗流体を通して前記作業チャンバに動作可能に結合される。
【0018】
前記アキュムレータは、前記ピストンにかかる負荷が前記規定された負荷を超えるときまで、前記ピストン組立体の運動に抵抗する所定の流体圧力負荷を前記作業チャンバ内の前記ピストン組立体に提供し、それにより、前記ピストン組立体は、該ピストン組立体にかかる負荷に応答して運動を起こし、前記作業チャンバの連続した縮小が、前記運動にしなやかに抵抗する前記抵抗流体に作用するようにさせる。
【0019】
前記ピストン組立体は、前記キャビティを作業側とブラインド側とに分割することができ、前記作業側は前記作業チャンバを画定する。
【0020】
一配置構成では、前記ブラインド側は閉鎖されることができる。別の配置構成では、前記作業側と前記ブラインド側との間に連通経路が設けられることができる。
【0021】
前記ピストン組立体は、前記キャビティ内に収容されるピストンヘッド及び前記キャビティから延在するピストンロッドを備えることができる。
【0022】
前記本体はシリンダバレルを備えることができる。
【0023】
好ましくは、該シリンダバレルは前記中空本体に接続され、前記ピストンロッドは前記テザーに接続するために適合される。
【0024】
好ましくは、前記アキュムレータは、前記中空本体内に収容される。
【0025】
好ましくは、前記シリンダバレルは、前記浮力装置の縦軸を横切る軸の回りに旋回運動のために搭載される。
【0026】
好ましくは、前記中空本体は、上側セクション、下側セクション、及び該上側セクションと該下側セクションとの間の中央セクションを提供するように構成される。
【0027】
好ましくは、前記上側セクション及び前記下側セクションは切頭構成である。
【0028】
好ましくは、前記上側セクションは一番上の表面を呈し、前記下側セクションは一番下の表面を呈する。
【0029】
好ましくは、前記中空本体の中空内部内への水の流入を可能にする穴が、前記中空本体内に設けられる。
【0030】
好ましくは、前記穴は、前記中央セクション内に設けられる。
【0031】
前記中空本体は、任意の適切な構成を有することができる。一配置構成では、前記中空本体は、切頭球又は切頭扁平回転楕円体として構成されることができる。別の配置構成では、前記中空本体の前記中央セクションは、円柱又は多角形であることができる。
【0032】
前記中空本体は、1つ又は複数の浮力チャンバが設けられることができる。
【0033】
前記浮力チャンバは、前記中空本体内に収容されることができる。
【0034】
前記中空本体の浮力を選択的に変動させるための対策が存在することができる。前記浮力の選択的な変動は、前記浮力チャンバ内への浮力制御流体の導入又は前記浮力チャンバからの浮力制御流体の除去によって達成することができる。
【0035】
前記
中空本体は、内部フレーム構造と、前記外部表面を提供する周囲スキンとを備えることができる。
【0036】
前記シリンダバレルは、前記内部フレーム構造内の中心に位置することができる。
【0037】
好ましくは、中空本体の内部は、メンテナンス並びに機器の設置及び取外し等の種々のオペレーションの場合に、陸上と水中の両方でアクセス可能である。
【0038】
一配置構成では、制動手段は、テザーにかかる過剰な負荷を逃がすための唯一のリリーフ手段を提供することができる。
【0039】
別の配置構成では、浮力装置は、テザーにかかる過剰な負荷を逃がすための更なるリリーフ手段を提供することができる。更なるリリーフ手段は、任意の適切な形態をとることができる。例えば、更なるリリーフ手段は、浮力装置を通して水が流れることを可能にするために、浮力装置の内部を選択的に開口するための手段を備えることができる。
【0040】
こうした更なるリリーフ手段の例は、その内容が引用することにより本明細書の一部をなすものとする国際出願PCT/AU2008/001853号及び国際出願PCT/AU2010/000398号に開示されている配置構成を含む。
【0041】
浮力装置がテザーを通して接続されるシステムはまた、テザーにかかる過剰な負荷を逃がすためのリリーフ手段を組込むことができる。
【0042】
本発明の第2の態様によれば、浮力装置であって、外部表面を呈する中空本体
であって、動作中、水面下に持続的に位置するように適合され、上側セクション、下側セクション、及び該上側セクションと該下側セクションとの間の中央セクションを提供するように構成される、中空本体を備え、
前記中空本体の中空内部内への水の流入を可能にするための、前記中空本体内の穴を更に備え、該穴は、前記中央セクション内に設けられる、浮力装置が提供される。
【0043】
好ましくは、前記上側セクション及び前記下側セクションは切頭構成である。
【0044】
好ましくは、前記上側セクションは一番上の表面を呈し、前記下側セクションは一番下の表面を呈する。
【0045】
本発明の前述した態様のうちのいずれか1つによる浮力装置は、浮力アクチュエータとして構成されることができる。
【0046】
本発明の第3の態様によれば、浮力装置であって、外部表面を呈する中空本体で
あって、動作中、水面下に持続的に位置するように適合されている、中空本体と、前記中空本体内に収容された1つ又は複数の浮力チャンバと、前記浮力チャンバのうちの少なくとも1つの浮力チャンバ内の浮力制御流体の変動を通して前記中空本体の浮力を選択的に変動させるための手段とを備える、浮力装置が提供される。
【0047】
本発明の第4の態様によれば、本発明の前述した態様のうちのいずれか1つによる浮力装置を備える波エネルギー変換システムが提供される。
【0048】
本発明の第5の態様によれば、波エネルギー変換システムであって、ポンプと、浮力装置と、油圧回路に関連する手段とを備え、前記浮力装置は、外部表面を呈する中空本体で
あって、動作中、水面下に持続的に位置するように適合されている、中空本体と、前記中空本体内に収容された1つ又は複数の浮力チャンバと、前記中空本体に水が流入することを可能にする前記本体内の開口手段とを備え、前記ポンプは、波運動に応答してポンプ動作を起こすために前記浮力装置に動作可能に接続され、該ポンプによって流体がそれに沿って送出される前記油圧回路に組込まれ、前記油圧回路に関連する手段は、第1のポート及び第2のポートを有する前記ポンプによって送出される前記流体の特性を制御するためのものである、波エネルギー変換システムにおいて、
前記ポンプは、前記作業チャンバが最小体積状態に近づくにつれて、前記第2のポートと前記作業チャンバとの間の連通を遮断するように構成され、それにより、前記第2のポートが遮断されると、前記縮小する作業チャンバから前記流体が放出できるレートが制限され、それにより、前記作業チャンバ内に依然として残っている前記流体の部分がはるかに速いレートで圧縮されるようにされるため、前記ピストンヘッドの継続する運動に対してはるかに大きな抵抗を送出する、波エネルギー変換システムが提供される。
【0049】
好ましくは、前記中空本体は、上側セクション、下側セクション、及び該上側セクションと該下側セクションとの間の中央セクションを備え、前記開口手段は、前記中央セクション内に複数のアパーチャを備える。
【0050】
前記制御される流体の特性は、前記ポンプの送出サイクル中に前記流体圧力が増加するレートを含むことができる。
【0051】
前記ポンプの送出サイクル中に前記流体圧力が増加するレートの制御は、波エネルギー変換装置にかかる過剰な負荷を逃がすためのシステムを提供する。この配置構成によって、過剰な負荷を回避するために、動作中に波エネルギー変換装置から油圧式に放出することができる。
【0052】
好ましくは、油圧回路は、アキュムレータを含む。このアキュムレータは、ポンプの送出サイクルに油圧式に抵抗するように機能することができる。
【0053】
好ましくは、前記ポンプの前記送出サイクルに対する油圧抵抗のレートが前記送出サイクル中に徐々に増加する。
【0054】
ポンプの送出サイクル中に送出される流体のエネルギーの幾らかは、アキュムレータに蓄積することができ、このアキュムレータは流体の流れをスムーズにするように機能する。
【0055】
好ましくは、前記ポンプは、往復式ピストンポンプを備える。
【0056】
好ましくは、前記ポンプは、キャビティを画定する本体と、前記キャビティ内に収容されるピストン組立体とを備え、前記本体及び前記ピストン組立体は、協働して、前記キャビティ内に作業チャンバを画定し、該作業チャンバは、前記ピストン組立体と前記本体との相対的運動によって体積が可変であり、前記アキュムレータは、前記抵抗流体を通して前記作業チャンバに動作可能に結合される。
【0057】
前記ピストン組立体は、前記キャビティを作業側とブラインド側とに分割することができ、前記作業側は前記作業チャンバを画定する。
【0058】
前記ピストン組立体は、前記キャビティ内に収容されるピストンヘッド及び前記キャビティから延在するピストンロッドを備えることができる。
【0059】
前記本体はシリンダバレルを備えることができる。
【0060】
好ましくは、前記シリンダバレルは、水域の底に設置されるベース等の係留装置に接続され、前記ピストンロッドは、前記テザーに接続するために適合される。
【0061】
好ましくは、前記第2のポートは、流体流路に連通する。
【0062】
好ましくは、前記キャビティは、大きな直径の第1のキャビティセクション及び小さな直径の第2のキャビティセクションを備え、前記第1のキャビティセクションと前記第2のキャビティセクションとの間に画定された肩部を有するように構成され、前記第1のキャビティセクションは前記ピストンヘッドを収容し、前記第2のキャビティセクションは前記作業チャンバ内に組込まれる。
【0063】
好ましくは、前記第2のキャビティセクションは、前記第2のポートがその上で開口する側壁を有し、前記肩部は、環状面を画定し、該環状面は、前記第1のキャビティセクションに面し、また、前記環状面上で、前記第1のポートが、前記第1のキャビティセクションに連通するために開口する。
【0064】
好ましくは、前記第2のキャビティセクションは、前記ピストンヘッドではなく前記ピストンロッドを収容できるサイズであり、前記ピストンロッドは、前記ピストンヘッドから延在し、前記第2のキャビティセクションを通過する。
【0065】
好ましくは、前記ピストンロッドは、隠蔽スリーブを組込み、該隠蔽スリーブは、前記ピストンヘッドに隣接して配設され、また、該スリーブは、前記作業チャンバが該作業チャンバの最小体積状態に近づくにつれて、前記第2のキャビティセクションに入り、それにより、前記第2のキャビティセクションに入ると、前記第2のキャビティセクションの前記側壁と協働し、前記第1のキャビティセクションから前記第2のポートを隠蔽するように構成される。これは、作業チャンバとアキュムレータとの間の連通を第1のポートによるものであるように効果的に制限する。
【0066】
本発明の
第7の態様によれば、波エネルギー変換装置が提供され、波エネルギー変換装置は、
動作中、水面下に持続的に位置するように適合された浮力装置と、波運動に応答してポンプ動作を起こすように適合されたポンプであって、ポンプによって流体がそれに沿って送出される油圧回路に組込まれる、ポンプと、ポンプによって送出される流体の特性を制御するための、前記油圧回路に関連する手段とを備える。
【0067】
本発明の
第8の態様によれば、ポンプであって、キャビティを画定する本体と、前記キャビティ内に収容されるピストン組立体とを備え、前記本体及び前記ピストン組立体は、協働して、前記キャビティ内に作業チャンバを画定し、該作業チャンバは、前記ピストン組立体と前記本体との相対的運動によって体積が可変であり、前記ピストン組立体は、前記キャビティを、前記作業チャンバを画定する作業側、アキュムレータに連通するための第1のポート、及び、前記
作業チャンバの体積拡大による流体取込み及び前記作業チャンバの体積縮小による流体送出のために流体流路に連通するための第2のポートに分割し、該ポンプは、前記作業チャンバが最小体積状態に近づくにつれて、前記第2のポートと前記作業チャンバとの間の連通を遮断するように構成される、ポンプが提供される。
【0068】
好ましくは、前記ポンプは、前記ピストン組立体の構成によって、前記作業チャンバが最小体積状態に近づくにつれて、前記第2のポートと前記作業チャンバとの間の連通を遮断するように構成される。
【0069】
好ましくは、前記ピストン組立体は、前記作業チャンバが前記最小体積状態に近づくにつれて、前記第2のポートと前記作業チャンバとの間の連通を遮断するための隠蔽スリーブを備える。
【0070】
本発明の第7の態様によるポンプは、本発明の第5の態様による波エネルギー変換システム内のポンプに関して上記で参照した特徴の任意のうちの1つ又は複数を組み込むことができる。
【0071】
本発明の第8の態様によれば、本発明の第7の態様によるポンプを備える波エネルギー変換システムが提供される。
【0072】
本発明は、添付図面に示される本発明の幾つかの特定の実施形態の以下の説明を参照してよりよく理解されるであろう。