(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
注文者の端末機器と前記端末機器に通信回線を介してつながるホストコンピュータとを有し、商品配送センタから前記注文者の注文の商品を配送する配送管理方法において、
前記ホストコンピュータは、
前記端末機器からの前記商品の注文を受ける際に、前記商品の包装に関して、ダンボール箱による包装形態と、前記ダンボール箱を使用せず配送先と前記商品配送センタとを行き来させる回収箱による包装形態とが選択される選択工程と、
前記端末機器で前記回収箱による包装形態が選択された際に、前記商品の配送先が区域内に含まれる配送業者の集荷場ごとに前記回収箱を振り分けるように指示する振り分け工程と、
振り分けられた前記回収箱に前記集荷場が記録された集荷場タグを貼るように指示する工程と、
前記集荷場タグが貼られた前記回収箱に前記商品が前記商品配送センタ内で収納され且つ前記配送先が記録された配送先タグを前記商品に貼るように指示する収納工程と、を備え、
前記集荷場タグに基づいて前記回収箱が前記商品配送センタから前記集荷場に配送され、
前記回収箱の配送且つ前記配送先タグに基づく前記商品の配送後、前記回収箱が前記商品配送センタに回収される配送管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
(配送システムの構成)
以下、本発明に係る配送システムの一実施の形態について、説明する。
図1は、第1実施形態におけるインターネットによる商品の注文から配送先まで商品を配送する配送システムの全体構成図を示す。
【0013】
図1に示すように、本実施形態における配送管理サーバ20は、商品配送センタ(物流センタ)25に設置される。配送管理サーバ20は、受注サーバ10と接続されており、受注サーバ10とともにホストコンピュータとしての役割を有する。また配送管理サーバ20は、パスワード等のセキュリティを介して、配送業者のサーバ30とも接続されている。
【0014】
受注サーバ10は、書籍、DVD、電子機器等の商品説明、商品BKの大きさ(縦幅、横幅及び高さ)、商品BKの重量、及び商品の値段を記録している。注文主は、携帯端末又はパソコンPC等を使って、インターネットを経由して受注サーバ10に商品を注文する。商品の注文の際には、注文主は、配送先を記入したり包装形態を選択したりできる。
【0015】
配送業者のサーバ30は、複数の集荷場(営業所)とその集荷場が扱う地域範囲を記憶している。また配送業者のサーバ30は、商品を一時保管するコンビニエンスストア又はキオスク(KIOSK)と、そのコンビニエンスストア又はキオスクが扱う地域範囲を記憶している。配送管理サーバ20は、これら情報にアクセスし、配送管理サーバ20の記憶装置に、集荷場が扱う地域範囲情報を記憶することができる。
【0016】
商品配送センタ25は、スタッカークレーン等を有する自動倉庫や、棚を配置している。商品配送センタ25は、出版社、レコード会社又は製造メーカから各種商品を受け取る。各種商品は、自動倉庫又は棚等に保管されている。
【0017】
注文された商品BKは、ダンボール箱CB又は回収箱(循環箱)RBに収納される。ダンボール箱CBは、ダンボール箱CBに収納された他の商品とともに、トラックTR10で商品配送センタ25から発送される。また、回収箱(循環箱)RBは、他の商品とともにトラックTR11で商品配送センタ25から発送される。
【0018】
トラックTR10で発送されたダンボール箱CBは、配送業者のソーティングセンタ35に一旦搬入される。ソーティングセンタ35では、ダンボール箱CBに貼られた配送先タグに基づいて、各集荷場37宛にダンボール箱CBが分別される。分別されたダンボール箱CBは、トラックTR11で集荷場37に配送される。一方、回収箱RBはトラックTR11で、ソーティングセンタ35を経由することなく、直接各集荷場37に配送される。
【0019】
各集荷場37に配送されたダンボール箱CB又は回収箱RBは、小型トラックTR13で配送先まで届けられる。ダンボール箱CBに収納された商品BKは、ダンボール箱に収納された状態で配送先の受取人に手渡される。回収箱RBに収納された商品BKは、回収箱RBから商品BKが取り出され、配送先の受取人に商品BKが手渡される。空になった回収箱RBは、集荷場37を経由して、商品配送センタ25に回収される。
【0020】
なお、トラックTR11は、集荷場37の代わりに、一時保管するコンビニエンスストア又はキオスクにダンボール箱CB又は回収箱RBを配送することもできる。コンビニエンスストア又はキオスクに配送されたダンボール箱CB又は回収箱RBは、受取人がコンビニエンスストア又はキオスクに出向いて商品BKを受け取る。ダンボール箱CBに収納された商品BKは、ダンボール箱に収納された状態で配送先の受取人に手渡される。回収箱RBに収納された商品BKは、回収箱RBから商品BKが取り出され、配送先の受取人に商品BKが手渡される。空になった回収箱RBは、コンビニエンスストア又はキオスクから商品配送センタ25に回収される。本明細書では、集荷場37は、コンビニエンスストア又はキオスクを含む概念である。
【0021】
図2は、配送管理サーバ20内の構成を示したブロック図である。商品配送センタ25内の配送管理サーバ20は、配送先マスタデータ121と集荷場マスタデータ123と商品マスタデータ127とを有している。配送先マスタデータ121は、配送管理サーバ20が受注サーバ10(
図1を参照)から受け取った注文番号、注文主、注文された商品及び配送先のデータを蓄積している。また、集荷場マスタデータ123は、配送管理サーバ20が配送業者のサーバ30(
図1を参照)から受け取った集荷場に関する集荷場データを蓄積している。配送業者が複数ある場合には、集荷場マスタデータ123は、その配送業者ごとに集荷場データを蓄積している。振り分け手段125は、配送先マスタデータ121と集荷場マスタデータ123とに接続されている。また振り分け手段125は、商品管理手段129に接続されている。振り分け手段125が行う処理については、
図3を使って後述する。
【0022】
商品マスタデータ127は、在庫商品がどの保管位置にあるか、どれだけの在庫商品があるか等の在庫商品のデータを蓄積する。つまり、商品管理手段129は、出版社等から商品配送センタ25内に届けられた商品BKの管理と、商品配送センタ25から発送された商品BKの管理とを行う。
【0023】
振り分け手段125及び商品管理手段129は、ラベルプリンタ252に無線LAN等の通信回線で結ばれている。ラベルプリンタ252は、バーコードなどを有する集荷場タグ257又はバーコードなどを有する商品タグ258を印刷する。また、商品管理手段129は、タブレットPC等のポータブルデータターミナル(以下、PDTという。)254に無線LAN等の通信回線で結ばれている。PDT254は、集荷場タグ257及び商品BKの商品タグ258などを読み取り、読み取ったデータを商品管理手段129に送信する。商品管理手段129は、商品BKが商品配送センタ25から取り出された情報、商品BKが回収箱RBに収納された情報、商品BKを収納した回収箱RBが商品配送センタ25から発送された情報、及び商品BKが商品配送センタ25内で保管されている保管位置を管理する。
【0024】
図3は、振り分け手段125が配送先の住所等で各集荷場に振り分ける概念図である。
配送先マスタデータ121は、
図3の左側の注文表ODに示されるように、注文された商品BKの配送先を注文番号とともに記憶している。配送先マスタデータ121は、配送する地域の郵便番号、住所及び配送先の氏名もしくは名称を記憶している。さらに配送先マスタデータ121は、集荷場コードが記録される領域を有しており、この領域は、集荷場コードが特定されるまで空欄である。また、
図1で説明したダンボール箱CBの配送の場合には、集荷場コードが記録される領域は空欄のままである。
【0025】
一方、集荷場マスタデータ123は、
図3の右側の配送表37Tに示されるように、ある配送業者の集荷場37の集荷場コード、集荷場名称、集荷場の住所を記憶している。さらに、集荷場マスタデータ123は、その集荷場37が集荷又は配送する地域の郵便番号及び配送地域を記憶している。異なる配送業者ごとに集荷場37の集荷場コード等の配送表37Tを記憶してもよい。
【0026】
振り分け手段125は、配送する地域の郵便番号又は住所と、集荷場37が配送する地域の郵便番号及び配送地域とを照合する。そして振り分け手段125は、商品BKが配送される集荷場37を特定する。特定された集荷場37の集荷場コードが、配送先マスタデータ121の注文表ODに記憶される。なお、回収箱RBを使って配送されるときに、注文表ODに集荷場37の集荷場コードが記憶され、ダンボール箱CBを使って配送されるときには集荷場コードが記憶されない。
【0027】
図4は、振り分け手段125が
注文OD1〜ODn(商品データ)の配送先を集荷場ごとに振り分け、ラベルプリンタ252が集荷場タグ257と商品タグ258を印刷する概念図である。
【0028】
図4に示されるように、注文表ODは、一日に注文があった数千から数万点もの注文OD1〜ODn
(商品データ)を含んでいる。振り分け手段125は、
注文OD1〜ODn(商品データ)の配送先を集荷場37の配送地域ごとに振り分ける。例えば、回収箱RBは、4つの商品BKが収納可能である。このため、振り分け手段125は、回収箱RBに対して4つの商品BK
の注文OD1〜ODn(商品データ)を振り分けている。そして、ラベルプリンタ252は、1つの集荷場タグ257と4つの商品タグ258とを1枚のシートに印刷している。1つの集荷場タグ257と4つの商品タグ258とはシールになっており、シートから剥がすことができる。このように1枚のシートとして印刷することにより、作業者は、1つの回収箱RBに4つの商品BKが入ることを認識することができる。もちろん、
図8で説明されるように、商品タグ258には集荷場コードが印刷されるため、1つの集荷場タグ257と4つの商品タグ258とが1枚のシートとして印刷することは必須ではない。
【0029】
1つの集荷場37に対して、多数の注文、例えば8つの注文が含まれることがある。このような場合には、さらに1つの集荷場タグ257と4つの商品タグ258とを印刷させる。つまり、同じ集荷場37の回収箱RBが2つあることになる。このため、振り分け手段125は、集荷場タグ257の集荷場コードのヘッダ又はフッダに“A”、“B”のようなそれぞれが区別できる符号又は数字を付ける。
【0030】
また、ある集荷場37に配送する商品BKは、注文表ODに3つしかない場合がある。このような場合には、振り分け手段125は、1つの集荷場タグ257と3つの商品タグ258とを印刷させ、1つの商品タグ258には“無”と印刷させる。作業者は、3つの商品BKが入ることを認識することができ、印刷ミス等で1つの商品タグ258が印刷されない等の不安を持たなくて済む。
【0031】
なお、本実施形態では、注文表ODは、一日の注文分を前提で説明した。しかし、振り分け手段125は、半日毎又は二日毎の注文表ODで処理してもよく、また商品配送センタ25にトラックTR11(
図1を参照。)が到着する時間に合わせて注文表ODを処理してもよい。また同じ商品BKが2以上注文されることもある。このような場合には、振り分け手段125は、1つの注文として処理してもよいし2以上の注文として処理してもよい。
【0032】
(配送管理の方法)
図5は、注文を受けてからダンボール箱CB又は回収箱RBによる商品BKの配送が決められるまでのフローチャートである。このフローチャートは、ステップS103まで受注サーバ10(
図1を参照。)にて処理され、ステップS104が配送管理サーバ20にて処理される。
【0033】
図5のステップS101において、注文主は、携帯端末又はパソコンPC等を使って、インターネットを経由して受注サーバ10に商品BKを注文する。
【0034】
ステップS102において、受注サーバ10は、注文された商品BKが、ダンボール箱CB又は回収箱RBの対象商品か否かを判断する。例えば、大型家電又は家具などはダンボール箱CB又は回収箱RBに入れられることなく、大型家電を収納する箱のまま又は家具の一部又は全部をクッション材で保護して、そのまま配送する。注文された商品BKが、ダンボール箱CB又は回収箱RBで配送可能であればステップS103に進む。
【0035】
ステップS103では、注文主は、携帯端末又はパソコンPC等のモニターに表示された選択画面で、ダンボール箱配送又は回収箱配送を選択する。
図6は、注文主が配送先を記入し、包装形態を選択するモニター画面12の一例である。
【0036】
図6に示されたように、配送先を記入する配送欄14、包装形態を選択する選択欄15、並びにギフト設定又は領収書の発行を依頼する依頼欄16が、モニター画面12に表示される。注文主は、商品の注文の際に、配送欄14に配送先を記入したり、選択欄15で包装形態をマウスポインター19で選択したりする。選択欄15は、ダンボール箱による配送と、回収箱(eco)配送とが選択できるように表示されている。回収箱による配送は、「商品がダンボール箱から出して、ビニールラップされて状態で配送されます。商品を収納したダンボール箱は回収します。」とその包装形態が、説明されている。受注サーバ10に入力された配送先、選択された包装形態は、注文番号及び商品の情報等とともに配送管理サーバ20に送られる。
【0037】
ステップS104では、配送管理サーバ20は、注文された商品BKが、ダンボール箱CBを使った配送又は回収箱RBを使った配送のいずれの配送であるかを判断する。回収箱RBによる配送であれば、
図7の“S”に進み、ダンボール箱CBを使った配送であれば
図7の“T”に進む。
【0038】
次に説明する、
図7及び
図8では、ダンボール箱CBによる商品BKの配送と、回収箱RBによる商品BKの配送とが示されている。
【0039】
(回収箱による配送が選択された場合)
ステップS111において、振り分け手段125は、配送先に基づいて、個々の注文(注文された商品データ)を配送される集荷場ごとに振り分ける。
図3で説明したように、特定された集荷場37の集荷場コードが、配送先マスタデータ121の注文表ODに記憶される。また、
図4に示されるように、1つの回収箱RBに収納される商品BK
の注文OD1〜ODn(商品データ)が振り分けられている。
【0040】
ステップS112では、振り分け手段125の指令に従い、ラベルプリンタ252が、集荷場タグ257及びその集荷場37の配送先タグ258を1枚のシートに印刷する。
図8は、商品配送センタ25内で回収箱RBに商品BKが詰められる工程を示した概念図である。
図8に示されるように、集荷場タグ257には、集荷場コード、集荷場名及び集荷場住所などが印刷される。配送先タグ258には、商品BKの発送先住所、注文主氏名、商品名、注文番号、注文日及び集荷場コードが印刷される。なお、集荷場タグ257及び配送先タグ258には、注文番号、集荷場コード等が、PDT254で読み取れるように、バーコード(一次元コード)又はQRコード(登録商標)(二次元コード)も印刷される。
【0041】
なお、振り分け手段125は、ステップS114で商品BKが自動倉庫又は棚STから効率的に取り出されるように、4つの配送先タグ258が上から又は下から順に印刷される
よう注文OD1〜ODn(商品データ)を振り分けることが好ましい。
図2に示されるように、振り分け手段125は、商品管理手段129と接続されている。商品管理手段129はどの棚にどの商品が保管されているかの保管位置を管理している。このため、商品BKが自動倉庫又は棚STから効率的に取り出せるように、振り分け手段125は、最短距離で商品BKを取り出す経路を、巡回セールスマン法等の最適化アルゴリズムで探索する。そして、振り分け手段125の探索結果に従い、ラベルプリンタ252は、集荷場タグ257及び最短経路の順に配送先タグ258を印刷する。
【0042】
ステップS113では、印刷された集荷場タグ257がシートから剥がされ、自動的に又は作業者によって回収箱RBに貼られる。
【0043】
ステップS114では、自動的に又は作業者によって、注文された商品BKが自動倉庫又は棚STから取り出される。その際に、PDT254は、商品BKのバーコード等を読み取る。商品BKが棚STから取り出された情報が、商品管理手段129に送信される。また、PDT254が商品BKのバーコード等を読み取った後、その商品BKは、汚れないようにビニール等でラッピングされる。そして印刷された配送先タグ258が、ラッピングされた商品BKに自動的に又は作業者によって貼られる。
【0044】
ステップS115では、配送先タグ258が貼られた商品BKが、自動的に又は作業者によって回収箱RBに収納される。集荷場タグ257及び配送先タグ258がPDT254で読み取られ、回収箱RBに収納されている商品BKの情報が商品管理手段129に送信される。回収箱RBが商品BKを4個まで収納できるのであれば、集荷場タグ257に合致する商品BKが、最大4個まで1つの回収箱RBに収納される。
【0045】
ステップS116では、商品BKが収納された回収箱RBが商品配送センタ25から直接、集荷場37に配送される。
ステップS117では、集荷場37が商品配送センタ25からの回収箱RBを受領する。この集荷場37は、分別仕分けを主とするソーティングセンタ35とは異なり、集荷場37から直接配送先に配送品を送ったり配送品を受け取ったりする営業所である。
【0046】
ステップS118では、配送業者が、配送先で回収箱RBから商品BKを取り出して配送する。その集荷場37の配送地域の商品BKのみが回収箱RBに入っているので、配送業者は、ラッピングされた商品BKに貼られた配送先タグ258を使って商品BKを配送する。
【0047】
ステップS119において、商品BKがすべて配送先に配送されると回収箱RBは空になる。空になった回収箱は、集荷場37を経由して、商品配送センタ25に回収される。回収された回収箱RBは、再び商品BKが収納され、商品配送センタ25から集荷場37に配送される。
【0048】
(ダンボール箱による配送が選択された場合)
次に、ダンボール箱による配送が選択された場合について説明する。
ステップS211において、自動的に又は作業者によって、注文された商品BKが自動倉庫又は棚STから取り出される。その際に、PDT254は、商品BKのバーコード等を読み取る。その商品BKが棚STから取り出された情報が、商品管理手段129に送信される。その後、その商品BKは、ダンボール箱CB内に収納される。
【0049】
ステップS212において、印刷された配送先タグ259が、ラッピングされた商品BKに自動的に又は作業者によって貼られる。配送先タグ259には、商品BKの発送先住所、注文主氏名、商品名、注文番号及び注文日が印刷される。配送先タグ259は、配送先タグ258と異なり、集荷場コードが印刷されていない。ダンボール箱CB用の商品は、集荷場毎に振り分けされていないからである。
【0050】
ステップS213では、商品配送センタ25から商品BKが収納されたダンボール箱CBがソーティングセンタ35に配送される。
ステップS214では、配送業者が、ソーティングセンタ35において、ダンボール箱CBを仕分ける。そしてダンボール箱CBがソーティングセンタ35から各集荷場37に配送される。
【0051】
ステップS215において、集荷場37がソーティングセンタ35からのダンボール箱CBを受領する。
ステップS216において、配送業者が、配送先でダンボール箱CBを配送する。商品BKを保護していたダンボール箱CBが回収されることは基本的にない。
【0052】
<回収箱RBの構成>
図9は、回収箱RBの一例を示した斜視図である。
図10は、回収箱RBに幅の異なる商品BKが収納された状態を示した側面図である。
図9及び
図10に示した回収箱RBは、幅(X軸方向)が狭い商品BKであれば8個収納することができる。
【0053】
図9に示されたように、回収箱RBは箱体91、仕切部92及び織布93により構成される。箱体91は、Y軸方向に対向した一対の第1側壁Myと、X軸方向に対向した一対の第2側壁Mxと、XY平面で第1側壁及び第2側壁に垂直な底面Mzとで構成された上面が開口されたダンボール製又はプラスチック製である。ここで、箱体91はY軸方向の長さがL1で、X軸方向の長さがL2で、Z軸方向の高さがH1である。
【0054】
また、一対の第1側壁Myの上辺には、凹んだ9対の切欠部94が形成されている。回収箱RBは、箱体91に形成された9対の切欠部94に対応するように細長い9本のダンボール製の仕切部92を備えている。
図10に示されたように、仕切部92は一枚の平板を二重に折り曲げて形成され、その長さは第2側壁Mxの上辺の長さL1より長い。また、短手方向に凹んだ二対の係止部が、仕切部92の両端部の近傍に形成されている。長手方向に対応した一対の係止部同士の距離は、第2側壁Mxの上辺の長さL1と同じである。このため、仕切部92を第1側壁Myに固定する際、仕切部92に形成された係止部が第1側壁Myに形成された一対の切欠部94に係合される。
【0055】
回収箱RBは、商品BKを収納する織布93をさらに備えている。織布93は、一枚の紙又はプラスチックシートなどからなる。織布93は山折り98と谷折り99とに交互に折られアコーディオン状に形成される。山折り98と谷折り99とは、長さD1で折られている。
図9又は
図10では、山折り98が直線的に逆「V」字型に折られて、谷折り99が曲線状に「U」字型に折られている。織布93の山折り98の箇所は、仕切部92に掛けられている。なお、「山折り」とはシートの折られた+Z側の端部を示し、「谷折り」とはシートの折られた−Z側の端部を示している。
【0056】
また、折り曲げられた織布93の長さD1(Z軸方向の高さ)は、箱体91の高さH1より短いので、織布93の谷折り99はその最低点Tが箱体91の底面Mzに接しない。つまり、高さH1と長さD1との差(距離)DDの空隙が形成されている。
【0057】
図9に示されたように、9本の仕切部92の間には、8つの投入口ET1〜ET8が形成される。その投入口ET1〜ET8から商品が投入され、商品が織布93に収納される。
図10は、回収箱RBに例えば商品BK1〜BK2が収納された状態を示した側面図である。
図10に示されたように、回収箱RBは、板状の商品BK1及び幅広い商品BK2を収納することができる。
【0058】
まず、例えばDVDなどの薄い幅W1の板状の商品BK1が、投入口ET7から投入される場合は、商品BK1は、谷折り99近傍の織布93で挟まれて収納される。投入口ETより幅広い幅W2の商品BK2が回収箱RBに投入される場合について、詳しく説明する。ここで、商品BK2のX軸方向の幅W2は2つ分の投入口ETの幅に相当する。このような場合、投入口ET1と投入口ET2との間の仕切部92を取り除く。これにより、投入口ET1及び投入口ET2が1つの幅広い新しい投入口ETnとなる。一方、織布93の山折り98が1つ余る。余った1つの山折り98は、
図10の左側の第2側壁Mxとそれに隣接した仕切部92との間に挟ませる。
【0059】
<第2実施形態>
第2実施形態と第1実施形態とは、振り分け手段125によって注文表ODの振り分け方が異なっている。つまり、第2実施形態は、第1実施形態と同じ構成であるが、
図4に示された注文表ODの振り分け方が異なっている。
【0060】
図11(A)は、第2実施形態のフローチャートであり、
図7に示されたステップS111と入れ替えられる。
図12は、振り分け手段125が配送先の住所と商品の大きさに基づいて、集荷場の各回収箱に
注文OD1〜ODn(商品データ)を振り分ける概念図である。
【0061】
配送先マスタデータ121の注文表ODは、注文された商品BKの大きさ(縦幅、横幅及び高さ)も記憶している。配送先マスタデータ121とは別に、商品BKの大きさのデータベースを有していてもよい。
【0062】
まずステップS111で、振り分け手段125は、配送先に基づいて、注文表OD(注文された商品データ)を配送される集荷場ごとに振り分ける。例えば、15個の商品BKが、ある集荷場に振り分けられたと仮定する。
【0063】
次にステップS111aで、振り分け手段125は、ある集荷場に振り分けられた商品BKの大きさのデータに基づいて、回収箱RBの容量を有効に使うことができるように、商品の組合せを最適化する。具体的には、振り分け手段125は、商品BKの幅W及び回収箱RBの長さL2(
図9又は
図10を参照)に基づいて、回収箱RBに収納される商品
データを振り分ける。
【0064】
図12に示されるように、注文表ODは、注文された商品BKの大きさSCのデータを有している。
図12では商品BKの大きさSCとして商品の幅W(W1〜W4)が表示されている。第2実施形態では、商品の幅W1は、
図10に示された商品BK1の幅W1と同じと仮定し、商品の幅W2は、
図10に示された商品BK2の幅W2と同じと仮定する。さらに、商品の幅W3は、商品BK2の幅W2の1.5倍、商品の幅W4は、商品BK2の幅W2の2倍と仮定する。
【0065】
振り分け手段125は、最小の数の回収箱RBで、15個すべての商品BKを収納するように
注文OD1〜ODn(商品データ)を振り分ける。振り分け手段125は、組合せ最適化アルゴリズムを使って、回収箱の長さL2と各商品BKの幅Wとを組み合わせる。組合せ最適化アルゴリズムは、例えば、タブーサーチ法、遺伝的アルゴリズム法又は巡回セールスマン法である。
【0066】
組合せ最適化アルゴリズムを使った結果は、
図12の右側に描かれている。回収箱A023345−Aは、幅W1の商品BKが8個ある。ラベルプリンタ252は、1つの集荷場タグ257と8つの商品タグ258とを1枚のシートに印刷する。また、回収箱A023345−Bは、幅W2の商品BKが4個ある。ラベルプリンタ252は、1つの集荷場タグ257と4つの商品タグ258とを1枚のシートに印刷する。また、回収箱A023345−Cは、幅W3の商品BKが2個と幅W4の商品BKが1個ある。ラベルプリンタ252は、1つの集荷場タグ257と3つの商品タグ258とを1枚のシートに印刷する。作業者は、1つの回収箱RBにどの商品入れるか認識できるとともに、その振り分けにより、使用する回収箱の数を最小にすることができる。
【0067】
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態は、回収箱RBの大きさが1つであることを前提として説明した。第3実施形態は、回収箱RBの大きさが異なる2種類の回収箱を用いている。第3実施形態の他の構成は、第2実施形態の構成と同じである。
【0068】
図11(B)は、第3実施形態のフローチャートである。
ステップS111で、振り分け手段125は、配送先に基づいて、注文表OD(注文された商品データ)を配送される集荷場ごとに振り分ける。
ステップS111bにおいて、長さL1(
図9を参照)の異なる2種類の回収箱RB1と回収箱RB2が用意される。
【0069】
次にステップS111bbで、振り分け手段125は、商品BKの大きさのデータに基づいて、2つの回収箱RB1及びRB2を有効に使うことができるように、商品
データの組合せを最適化する。例えば、回収箱RB1では商品の大きさが大きすぎて収納できず、回収箱RB2で収納できる商品BKが1つあったと仮定する。また、他の4つの商品BKは回収箱RB1に収納できる。この場合、組合せ最適化アルゴリズムは、回収箱RB2を使って5つの商品BKを収納するように、振り分ける。
【0070】
図示しないが、ラベルプリンタ252は、1つの集荷場タグ257と5つの商品タグ258とを1枚のシートに印刷する。そして、1つの集荷場タグ257には、用意する回収箱RB2である符号又は数字を印刷する。作業者は、どの回収箱を使うか認識できるとともに、その振り分けにより、使用する回収箱の数を最小にすることができる。なお、回収箱RBの大きさは、3種類以上あってもよい。振り分け手段125は、商品BKの大きさと3種類以上の回収箱の大きさとを最適化して振り分ける。
【0071】
<第4実施形態>
第3実施形態は、回収箱RBの大きさが異なる2種類の回収箱を用いた。第4実施形態は、回収箱RBの耐荷重が異なる2種類の回収箱を用いる。第4実施形態の他の構成は、第3実施形態の構成と同じである。注文表ODには、注文された商品BKの大きさSCだけでなく、商品BKの重量データも添付されている。
【0072】
図11(C)は、第4実施形態のフローチャートである。
ステップS111で、振り分け手段125は、配送先に基づいて、注文表OD(注文された商品データ)を配送される集荷場ごとに振り分ける。
ステップS111cにおいて、耐荷重の異なる2種類の回収箱RB3と回収箱RB4が用意される。例えば耐荷重の強い回収箱RB4は強化プラスチック製である。
【0073】
次にステップS111ccで、振り分け手段125は、ある集荷場に振り分けられた商品BKの重量データに基づいて、2つの回収箱RB3及びRB4を有効に使うことができるように、商品
データの組合せを最適化する。例えば、回収箱RB3では商品の重量が重すぎて収納できず、回収箱RB4で収納できる商品BKが1つあったと仮定する。また、他の4つの商品BKは回収箱RB3に収納できる。この場合、組合せ最適化アルゴリズムは、回収箱RB4を使って5つの商品BKを収納するように、振り分ける。