特許第5982414号(P5982414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5982414半導体装置パッケージ構造及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982414
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】半導体装置パッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20160818BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20160818BHJP
   H01L 25/10 20060101ALI20160818BHJP
   H01L 25/11 20060101ALI20160818BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20160818BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H01L23/12 K
   H01L23/12 501W
   H01L23/12 N
   H01L23/28 Z
   H01L25/14 Z
   H01L21/56 R
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-31552(P2014-31552)
(22)【出願日】2014年2月21日
(62)【分割の表示】特願2008-292360(P2008-292360)の分割
【原出願日】2008年11月14日
(65)【公開番号】特開2014-90219(P2014-90219A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2014年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】309034272
【氏名又は名称】インヴェンサス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(72)【発明者】
【氏名】石原 政道
(72)【発明者】
【氏名】上田 弘孝
【審査官】 大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/136496(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/12
H01L 23/28
H01L 25/10
H01L 25/11
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置パッケージ構造であって、該半導体装置パッケージ構造は、半導体基板上の配線層に接続される回路素子を、半導体基板上に配置して樹脂封止すると共に、該配線層を介して該回路素子に接続される外部接続用電極を該半導体装置パッケージ構造のおもて面に配置するものであり、
上面と、該上面とは反対側の下面と、該上面に配置された前記外部接続用電極と、該下面に配置された配線パターンと、前記外部接続用電極と該配線パターンとを接続するための開口とを有するテープと、
前記テープの前記下面に形成された内部接続用電極構造体であって、該内部接続用電極構造体は前記配線パターン及び前記配線パターンに接続された内部接続用電極を複数個一体に結合し、前記半導体基板上の前記配線層に接続されるものである、内部接続用電極構造体と、
前記テープの前記下面と前記半導体基板の上面との間に形成される樹脂封止層と
を備える半導体装置パッケージ構造。
【請求項2】
前記内部接続用電極構造体が前記テープの前記下面に形成された請求項1に記載の半導体装置パッケージ構造。
【請求項3】
前記半導体基板は多層有機基板であり、この多層有機基板を貫通するスルーホール内部の導体層を介して前記配線層に接続される裏面外部接続用電極を多層有機基板の裏面に形成した請求項1に記載の半導体装置パッケージ構造。
【請求項4】
前記テープは、薄膜フィルムの絶縁基材である請求項1に記載の半導体装置パッケージ構造。
【請求項5】
半導体基板上の配線層に接続される回路素子を、半導体基板上に配置して樹脂封止すると共に、該配線層を介して該回路素子に接続される外部接続用電極をおもて面に配置した半導体装置パッケージ構造の製造方法において、
支持部が配線パターンに一体に接続され、複数の内部接続用電極が該配線パターンに接続された内部接続用電極構造体を備え、
該内部接続用電極構造体の内部接続用電極は、前記半導体基板上の配線層に接続され、該半導体基板上面は前記支持部の下面まで樹脂封止され、
前記支持部はテープを備える、半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項6】
前記外部接続用電極は、前記支持部に開口を形成することにより露出した配線パターンに接続される、請求項に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
前記支持部のテープ上に形成される配線パターンは、テープ上の全面に配線パターンとなるべき所定の抵抗の金属膜を蒸着あるいは貼り付け、或いはテープと薄い金属膜を一体化したものを用いて、リソグラフィにより形成される請求項に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記支持部のテープ上に形成される配線パターンは、ナノ金属粒子を用いてインクジェット方式又はスクリーン印刷方式により、直接パターンニングして形成される請求項に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
前記配線パターンに接続される内部接続用電極は、形成した配線パターンを含む全面に、内部接続用電極形成用のレジストを塗布し、開口した開口部にめっきを施して、充填した後に、レジストを除去することにより形成する請求項7又は8に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項10】
前記テープは最初に前記支持部に貼り付けられ、
前記支持部は、板状のシリコン基板、ガラス、又はステンレス板である請求項5に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項11】
前記テープは、薄膜フィルムの絶縁基材である請求項5に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【請求項12】
前記絶縁基材テープは、所定の温度で剥離する材料、又は紫外線照射で剥離する材料の接着剤を用いて、前記支持部に貼り付けられる請求項11に記載の半導体装置パッケージ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体LSIチップを含む回路素子を配置して樹脂封止すると共に、該回路素子に接続される外部接続用電極をおもて面に配置した半導体装置パッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIチップの高集積化に伴い、パッケージサイズの縮小化も強く要求されており、様々な実装パッケージ構造が提案されている。近年、半導体ベアチップに貫通電極を形成して積層しようとする開発が盛んに行われている。一方、リアルサイズの両面電極パッケージもこれから製品化される可能性が高い。いずれの技術においても、従来の両面電極パッケージは常に貫通電極構造を必要としているが(特許文献1参照)、現在の貫通電極形成は低抵抗金属を充填するためには低温処理が要求され、半導体プロセスへの適用は難しく、一方、貫通孔の絶縁方法は、高温処理が必要なため半導体の実装プロセスへの適用は困難である。このように、半導体基板への貫通電極の形成とその絶縁方法にはまだ課題が残されていて、貫通電極を必要とせずに配線することが望まれる。
【0003】
このような課題を解決するために、特許文献2は、部品化した内部接続用電極構造体を半導体基板上の所定位置に接続することにより、貫通電極を必要とせずに配線する技術を開示する。図11及び図12は、特許文献2に開示の半導体装置パッケージを説明する図であり、図11は、その製造途中の断面図であり、図12は、完成した状態で示す断面図である。図11に示すように、導電性材料の支持板に電鋳法により配線パターン及び内部接続用電極を成長させて、支持板と一体に連結した内部接続用電極構造体を形成する。そして、この内部接続用電極構造体を、半導体基板(多層有機基板)おもて面に形成した配線層上の所定位置に接続する。この後、図12に示すように、回路素子(LSIチップ)を覆う樹脂を充填して樹脂封止した後、支持板を剥がすことにより個々の配線パターン及び内部接続用電極に分離して構成する。この配線パターンにより、複数の内部接続用電極先端とは異なる位置に外部接続用電極を設けることができる。裏面においては、有機基板内部の導体層を介して、外部接続用電極を基板おもて面の配線層に接続する。これによって、簡潔に、しかもコスト的にも安く半導体装置パッケージを製造することが可能となる。
【0004】
しかし、このような半導体装置パッケージは、おもて面の配線パターンを保護するための保護膜を設ける場合、別途の工程として作成することが必要になる。また、例示の内部接続用電極構造体を製造するための電鋳法は非常に優れた方法ではあるものの、電鋳法自体にはノウハウが多く、現状では製造業者が限られているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−127243号公報
【特許文献2】国際公開WO 2008/065896 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、係る問題点を解決して、半導体装置パッケージのおもて面に形成した配線パターンを保護するための保護膜を、簡潔に、しかもコスト的にも安く製造し、供給することを目的としている。
【0007】
また、本発明は、半導体装置パッケージに用いる内部接続用電極構造体を、電鋳法を用いることなく従来より用いられている通常の製造技術を用いて容易に作成可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置パッケージ構造及びその製造方法は、半導体基板上の配線層に接続される回路素子を、半導体基板上に配置して樹脂封止すると共に、該配線層を介して該回路素子に接続される外部接続用電極をおもて面に配置する。支持板と該支持板に貼り付けたテープからなる2層構成の支持部に配線パターン及び該配線パターンに接続された内部接続用電極を複数個一体に結合した内部接続用電極構造体を構成する。該内部接続用電極構造体の内部接続用電極を、前記半導体基板上の配線層に接続して、該半導体基板上面を前記支持部のテープ下面まで樹脂封止する。前記支持部の支持板を剥離することにより露出したテープを、保護膜として用い、かつ、この保護膜に穴を空け、開口により露出した配線パターンと接続される外部接続用電極を形成する。
【0009】
半導体基板は多層有機基板であり、この多層有機基板を貫通するスルーホール内部の導体層を介して前記配線層に接続される裏面外部接続用電極を多層有機基板の裏面に形成することができる。支持板は、板状のシリコン基板、ガラス、又はステンレス板であり、テープは、薄膜フィルムの絶縁基材である。この絶縁基材テープは、所定の温度で剥離し易い材料、又は紫外線照射で剥離し易い材料の接着剤を用いて、前記支持板に貼り付けられる。
【0010】
支持部のテープ上に形成される配線パターンは、テープ上の全面に配線パターンとなるべき低抵抗の金属膜を蒸着あるいは貼り付け、或いはテープと薄い金属膜を一体化したものを用いて、リソグラフィにより形成される。或いは、支持部のテープ上に形成される配線パターンは、ナノ金属粒子を用いてインクジェット方式又はスクリーン印刷方式により、直接パターンニングして形成される。配線パターンに接続される内部接続用電極は、形成した配線パターンを含む全面に、内部接続用電極形成用のレジストを塗布し、開口した開口部にめっきを施して、充填した後に、レジストを除去することにより形成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、半導体装置パッケージのおもて面に形成した配線パターンを保護するための保護膜を、簡潔に、しかもコスト的にも安く製造し、供給することができる。また、半導体装置パッケージに用いる内部接続用電極構造体を、電鋳法を用いることなく、従来より用いられている通常の製造技術を用いて容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】内部接続用電極構造体を例示する斜視図である。
図2】支持板の上にテープを貼り付けた2層構成の支持部を示す断面図である。
図3】テープ上に配線パターンを形成した状態で示す支持部の断面図である。
図4】内部接続用電極形成用のレジストを塗布し、現像で開口した状態で示す支持部の断面図である。
図5】完成した内部接続用電極構造体を示す断面図である。
図6】多層有機基板上に半導体LSIチップを接着し、かつ接続した状態で示す断面図である。
図7】内部接続用電極構造体を、半導体基板上に配置した状態で示す断面図である。
図8】樹脂封止した状態で示す図である。
図9】支持板を剥離した後の状態で示す図である。
図10】完成した半導体装置パッケージを示す断面図である。
図11】特許文献2に開示の半導体装置パッケージの製造途中の断面図である。
図12】特許文献2に開示の半導体装置パッケージを完成した状態で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、例示に基づき、本発明の半導体装置パッケージ構造及びその製造方法を、順を追って説明する。図1は、本発明の半導体装置パッケージに用いることのできる内部接続用電極構造体を例示する斜視図である(その断面図は、図5に示す)。図1に例示の内部接続用電極構造体は、支持板とテープからなる2層構成の支持部に複数の配線付内部接続用電極を一体に備えたものである。図1は、1個の単体パターンを例示するが、実際の製造においては、多数個一体に連結された状態で作成され、個々のチップに切断して切り分ける個片化を経た後に、最終製品として完成する。
【0014】
次に、このような内部接続用電極構造体の製造について、図2図5を参照して、順次説明する。まず、図2に示すように、支持板の上にテープを貼り付ける(以下、テープと支持板の2層構成を支持部と言う)。支持板としては、板状のシリコン基板とかガラスのような絶縁体或いは導電体のいずれも用いることができるが、例えば、ステンレス板を用いることにより、半導体装置の製造中に、より強い剛性を得ることができる。貼り付けるテープとしては、ポリイミドテープなどに代表される薄膜フィルムの絶縁基材が望ましい。このように、支持部は、絶縁基材テープと、この裏側(配線パターン形成面の反対側)に貼り付けた支持板(補強板)との2層構成となる。この支持板は、後の樹脂封止工程後に、剥離して除去する。
【0015】
絶縁基材テープは、完成製品(半導体装置パッケージ)において配線パターンを覆う保
護膜として機能する。このテープには、リフロー温度より高温(モールド温度以上)を加えると、支持板から剥離し易い処理を予め行っておく。このため、絶縁基材テープを貼り付ける接着剤は、所定の温度(例えば、高熱)で剥離し易い材料か、紫外線照射で剥離し易い材料を用いる。例えば、熱カプセル入り接着剤又は熱可塑性の接着剤、若しくは、光を透過する材料(耐熱低熱膨張ガラスなど)の支持板と、紫外線剥離型接着剤を用いる。
【0016】
次に、図3に示すように、テープ上に配線パターンを形成する。このため、テープ上の全面に、配線パターンとなるべき低抵抗の金属膜を蒸着あるいは貼り付け、メタル付きテープを形成する。この金属膜としては、例えば、銅メッキを可能とする金、銀、銅、パラジューム箔を用いることができる。この金属層の上にレジストを塗布し、パターンを露光、現像してさらにエッチングを行い、レジストを除去して、配線パターンを完成させる。この金属層の上に、さらにメッキにより配線層を成長させても良い。または、金属膜を蒸着あるいは貼り付けることに代えて、テープと薄い金属膜(例えば銅箔)を一体化したものを用いても良い。この場合も、配線パターンは、リソグラフィで形成する。或いは、配線パターンは、ナノ金属粒子を用いてインクジェット方式とかスクリーン印刷方式により、直接パターンニングしてリソグラフィ工程を省略することもできる。ここで、インクジェット方式は、有機溶媒中にナノ金属粒子が含有されており、それをプリンターで実用されているインクジェット法で所望のパターンを描く方法である。また、スクリーン印刷方式の場合は、有機溶媒中にナノ金属粒子を含有させたナノペーストを、基板上にスクリーン印刷法で塗布する。
【0017】
次に、図4に示すように、形成した配線パターンを含む全面に、内部接続用電極形成用のレジストを塗布し、現像で開口する。
【0018】
図5は、完成した内部接続用電極構造体を示す断面図である。図5に示すように、レジスト開口部にめっきを施して、充填した後に、レジストを除去する。これによって、支持板とテープからなる2層構成の支持部の上に、配線パターン及びそれに接続された内部接続用電極が形成される。
【0019】
図6は、半導体基板としての多層有機基板上に、電子部品として半導体LSIチップを接着し、かつ接続した状態で示す図である。半導体LSIチップは、多層有機基板上にダイボンド材により接着して、有機基板の最上層の配線層とはボンディングワイヤにより接続するものとして例示している。多層または単層有機基板の最上層の配線層に、ボンディングワイヤ接続電極となるボンディング用金属パッド部が形成されると共に、該パッド部への配線が形成される。この多層または単層有機基板のおもて面の金属パッド部と、半導体チップは、Auボンディングワイヤにより接続される。或いは、半導体チップは、有機基板に対してフリップチップボンド接続することもできる(図示省略)。この場合、半導体チップは、多層または単層有機基板の最上層の配線層に、通常の技術を用いて、フリップチップボンド接続される。
【0020】
多層有機基板は、単層2層配線構造や複数層から成る基板の各層に、それぞれ配線層を形成した後、これらの基板を貼り合わせ、必要に応じて各層の配線層を接続するためのスルーホールを形成したものである。このスルーホールの内部には導体層が形成され、この導体層が裏面側に形成された端面電極部であるランドと接続されている。このような多層または単層有機基板は、例えば、「ハンダボール」と呼ばれる小さいハンダ材料を丸めたもの(バンプ)を裏面に実装した(BGA:Ball Grid Array)一括封止有機基板として知られている。
【0021】
図7は、上述の内部接続用電極構造体(図1又は図5参照)を、半導体LSIチップを装着した半導体基板(図6参照)上に配置した状態で示す図である。なお、図示したように、半導体基板側を裏面として、その上に配置される内部接続用電極構造体側をおもて面と称する。有機基板おもて面に形成した配線層の所定の位置には、内部接続用電極が固定され、かつ電気的に接続される。内部接続用電極を固定及び接続する手法としては、(1)超音波による接合、(2)銀ペースト等の導電性ペーストによる接続、(3)半田接続、(4)有機基板側に設けた接続電極用金属パッド部に凹部を設ける一方、内部接続用電極構造体側は凸部を設けて挿入圧着あるいは挿入してカシメる方法、により行うことができる。
【0022】
図8は、樹脂封止した状態で示す図である。一体に連結されている内部接続用電極が固定された後、この状態で、多層有機基板の上面は、支持部のテープ下面までトランスファーモールドされ、或いは液状樹脂(材質は、例えばエポキシ系)を用いて樹脂封止される。
【0023】
図9は、支持板を剥離した後の状態で示す図である。例えば、所定の高温を加えることにより、支持板を剥離する。これにより図9の上側に露出した絶縁基材テープは、完成製品の保護膜として機能する。
【0024】
図10は、完成した半導体装置パッケージを示す断面図である。図10に示すように、おもて面側においては、絶縁基材テープに穴を空け、開口により露出した配線パターンと接続される外部接続用電極(バンプ電極)を形成する。この配線パターンにより、内部接続用電極先端とは異なる位置に外部接続用電極を設けることができる。裏面側においては、多層有機基板の裏面に形成されているランド(図6参照)と接続される外部接続用電極(バンプ電極)が形成される。
【0025】
このように、本発明は、例示の内部接続用電極構造体を用いることにより、おもて面側に容易に保護膜により保護された配線パターン、及びこの配線パターンに接続された外部接続用電極を形成することが可能になる。さらに、図示のように、半導体基板として、多層有機基板を用いた際には、裏面側においても容易に外部接続用電極を形成することができるが、本発明は、必ずしも、多層有機基板を用いる必要はなく、半導体基板として、上面に配線層を形成したシリコン基板や、或いは、特許文献2に開示のようなリードフレームを用いることも可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12