特許第5982443号(P5982443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982443
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20160818BHJP
   F21S 4/26 20160101ALI20160818BHJP
   E04F 11/18 20060101ALI20160818BHJP
   E04F 19/04 20060101ALI20160818BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20160818BHJP
   F21V 3/04 20060101ALI20160818BHJP
   F21V 9/16 20060101ALI20160818BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20160818BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20160818BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20160818BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20160818BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160818BHJP
【FI】
   F21V33/00 200
   F21S4/26
   E04F11/18
   E04F19/04 101E
   F21S2/00 230
   F21V3/04 500
   F21V9/16 100
   F21V15/01 530
   F21V21/00 130
   F21V21/00 300
   H01L33/00 H
   F21Y103:10
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-193683(P2014-193683)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-66449(P2016-66449A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2015年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】514241593
【氏名又は名称】大阪通商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100121474
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 俊之
(73)【特許権者】
【識別番号】515134162
【氏名又は名称】株式会社LED・TopJapan
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】冨田 勝秋
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−53476(JP,A)
【文献】 特開平7−305474(JP,A)
【文献】 特開2007−332566(JP,A)
【文献】 特開2003−92023(JP,A)
【文献】 特開2002−327410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
E04F 11/18
E04F 19/04
F21S 2/00
F21S 4/26
F21V 3/04
F21V 9/16
F21V 15/01
F21V 21/00
H01L 33/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄光性を有する長尺状の可撓性の発光体と、複数の発光ダイオードが帯状に配列された可撓性の帯状光源と、高分子材料からなる長尺状の可撓性ホルダー部とを備え、取付対象に設けられた収容溝に嵌合して使用される発光装置であって、
前記長尺状の可撓性ホルダー部は、断面C字形状で、開放部及び中空部を備えており、該中空部を間に挟んでその両側には、断面視において前記開放部に向かって先窄まりの逆ハの字形の案内溝が長手方向にわたって対設されており、
前記長尺状の発光体が前記長尺状の可撓性ホルダー部の前記開放部に装着されるとともに、前記案内溝に前記帯状光源が各発光ダイオードを中空部に向けてそれぞれ装着されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
前記長尺状の可撓性ホルダー部における前記開放部とは反対側の内奥部の壁面が凹曲面に形成されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発光装置において、
前記凹曲面の表面にアルミ層が形成されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記長尺状の可撓性ホルダー部の外壁面には、取付対象の収容溝に着脱自在に係合する突起部が形成されている、ことを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付対象に設けられた収容溝に嵌合して使用される発光装置に関し、特に、建物の壁や窓枠、カーテンウォール方立、手摺り等のような各種建材に供せられる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載の従来技術は、照明機能付き手摺りに係る発明であって、手摺り本体の長手方向に沿って透光性の化粧カバーを設けるとともに、手摺り本体の内部に光源その他の発光装置を内蔵したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−53476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術は、手摺り内部に発光装置を固定的に組み込むようになっているため、構造が複雑で、組込作業及び保守点検が容易でないという問題があった。
【0005】
また、特許文献1では、その「発明が解決しようとする課題」欄において、均一な照射を実現するには、多くのLED(光源)と、それを点灯させるための電力が必要となるということが問題点として記載されているが、個々のLED(光源)の消費電力は20ミリアンペア程度であり、負担となるほどの電力とは考え難い。したがって、複数個のLEDを用いることが直ちに問題となるわけではない。
【0006】
さらに、特許文献1では、光源が放射した光を反射・拡散して均一性の高い照射光を得るためにスリットを有するフラッターを使用しているが、手摺り内部の広い空間で上記目的を達成するには装置に見合うほどの効率を得られるとは考えにくい。すなわち、発光効率を上げるにはできるだけコンパクトな空間で光を集中させることが必要である。
【0007】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、すこぶるコンパクトで持ち運びの容易な発光装置を単体として作り、これを取付対象に設けられた収容溝に着脱自在に取り付けられるようにして、発光装置の保守点検を容易ならしめるとともに、種々の対象物(特に建材)に使用できるようにし、さらには、コンパクトな空間内で光源の光を集中させることにより発光効率の良好な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光装置は、蓄光性を有する長尺状の可撓性の発光体と、複数の発光ダイオードが帯状に配列された可撓性の帯状光源と、高分子材料からなる長尺状の可撓性ホルダー部とを備え、取付対象に設けられた収容溝に嵌合して使用される発光装置であって、前記長尺状の可撓性ホルダー部は、断面C字形状で、開放部及び中空部を備えており、該中空部を間に挟んでその両側には、断面視において前記開放部に向かって先窄まりの逆ハの字形の案内溝が長手方向にわたって対設されており、前記長尺状の発光体が前記長尺状の可撓性ホルダー部の前記開放部に装着されるとともに、前記案内溝に前記帯状光源が各発光ダイオードを中空部に向けてそれぞれ装着されている、ことを特徴とする。
【0009】
ここで、蓄光性を有する長尺状の可撓性の発光体としては、例えば、透光性を有する樹脂シートを基材シートとし、この基材シートに蓄光剤を含有する蓄光層を積層状に形成したものや、樹脂シート自体に蓄光剤を均一に混入して形成したものを例示することができる。
なお、本発明に係る長尺状の発光体は全体としても透光性を有する。
【0010】
本発明の発光装置は、その好適な実施態様の一つとして、前記長尺状の可撓性ホルダー部における前記開放部とは反対側の内奥部の壁面を凹曲面に形成することが好ましい。
【0011】
また、本発明の発光装置は、その好適な実施態様の一つとして、前記凹曲面の表面にアルミ層を形成してもよい。
【0012】
さらに、本発明の発光装置は、その好適な実施態様の一つとして、前記長尺状の可撓性ホルダー部の外壁面に、取付対象の収容溝に着脱自在に係合する突起部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の発光装置は、取付対象とは別体で、それに着脱自在に取り付けられるようになっているため、保守点検が容易であるとともに、取付対象に収容溝さえ設ければよいので種々の取付対象(特に建材)に使用することができる。
また、コンパクトな空間内で発光ダイオード(以下、「LED」という)の光を集中させることができるため、発光効率を高めることができる。
さらに、発光装置自体が可撓性を有しているため、丸めて持ち運びできるとともに、湾曲変形させて曲線状の箇所や曲線状の対象物にも取り付けることができるため、使用上の制約が小さく、適用範囲が広いというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る発光装置に用いる発光体の一部破断斜視図。
図2】第1実施形態の発光装置の概略説明図。
図3】第1実施形態の発光装置の使用状態の断面図。
図4】第2実施形態の発光装置の使用状態の断面図。
図5】第1実施形態の発光装置をカーテンウォール方立に使用したときの使用状態の断面図。
図6】第2実施形態の発光装置を嵌め殺し窓の縦枠に使用したときの使用状態の断面図。
図7】第1実施形態の発光装置を住宅等の塀に埋設状態で使用したときの使用状態の断面図。
図8】第2実施形態の発光装置を住宅等の塀に露出状態で使用したときの使用状態の断面図。
図9】第1実施形態の発光装置を間仕切りに使用したときの使用状態の断面図。
図10】第2実施形態の発光装置を間仕切りに使用したときの使用状態の断面図。
図11】第2実施形態の発光装置を幅木に使用したときの使用状態の断面図。
図12】第1実施形態の発光装置を手摺りに使用したときの使用状態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
〔長尺状発光体〕
まず、本発明の実施形態に使用される発光体について説明する。図1は、かかる発光体の一部破断斜視図である。
本発明の実施形態に使用される発光体1は、蓄光性を有する長尺状の可撓性の発光体であって、透光性を有する長尺状の樹脂シート1b(透明なものが好適であるが半透明であってもよい)を基材シートとし、この基材シート1bに蓄光剤を含有する蓄光層1aを積層状に形成したものである。この発光体1は全体としても透光性を有する。
【0017】
基材シートとなる樹脂シート1bは、長手方向に沿ってその両側部が鍔状に折曲形成されており、この鍔状部1dと基底面1eとの間に係合溝1cが形成されるようになっている。
【0018】
蓄光層1aを形成するには種々の方法を採用することができるが、好適な方法としては以下の方法を採用することができる。
すなわち、液状又はゲル状の透明なウレタン、エポキシ、アクリル等の合成樹脂に、蓄光剤、着色顔料、可塑剤等を混ぜ合わせてペースト状にし、これを前記基材シート1bの表面に塗布(例えばロールコーティング)して両者を一体化させるという方法である。
【0019】
以下では、このようにして製造された発光体1に基づいて本発明の実施形態を説明するが、かかる発光体1はあくまで一例であって、本発明の「発光体」がかかる構成からなるもののみに限定されるわけではない。例えば、樹脂シート自体に蓄光剤を混入して形成してもよい。
【0020】
〔第1実施形態〕
図2は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の概略説明図、図3は、その使用状態の断面図である。
図2・3に示すように、本発明の第1実施形態の発光装置は、長尺状の可撓性のホルダー部2を備えている。このホルダー部2は、合成ゴム(ネオプレン(登録商標)等のクロロプレンゴムやEPTゴム等)や塩化ビニル等の合成樹脂製押出型材からなり、断面視C字形状で、開放部2aと中空部2bとを備えている。ホルダー部2の素材としては、可撓性を発揮できる高分子材料であればよく、弾性体ないし弾性を発揮できるエラストマーでもよい。
【0021】
開放部2aには、ホルダー部2の長手方向に沿って係合部2cが形成されており、この係合部2cが前述した発光体の係合溝1cと係合するようになっている。これにより、開放部2aを塞ぐように長尺状の発光体1がホルダー部2の前面に取り付けられる。ホルダー部2への発光体1の取付けは、ホルダー部2の端部から係合部2cをガイドとして発光体1をスライドさせて装着すればよい。なお、ホルダー部2を押出成型により製造した場合は、一般に係合部2cは連続した凸条として形成されるが、係合部2cは必ずしも連続している必要はなく、発光体1を固定できる形態であれば、その具体的構成は問わない。
【0022】
ホルダー部2の内部には、中空部2bを間に挟んでその両側に、ホルダー部2の長手方向にわたって案内溝2dが対向して形成されており、各案内溝2dには、後述する帯状光源4が挿抜自在に挿入されるようになっている。この案内溝2dは、断面視において、開放部2aに向かって先窄まりの逆ハの字形になるような位置関係で配置形成されている。
また、開放部2aと対向する位置にあるホルダー部2の内奥部の壁面2eは凹曲面(開放部に向かって凹となる凹曲面)に形成されており、これにより集光性能を高めるようにしている。
【0023】
ホルダー部2の外壁面には、突起部2fが形成されている。この突起部2fは、後述するとおり、アルミ押出型材3等に設けられたコの字状の収容溝3c内にホルダー部2が嵌合されたときに脱落を防止するための係合部として機能するものである。本実施形態では、収容溝3c側にも、突起部2fと係合する抜け止め用凸部3aが設けられており、両者が係合することにより発光装置が収容溝3cに固定されるようになっている(第1の係合構造)。
【0024】
さらに、本実施形態では、第2の係合構造として、収容溝3cの開口部の縁に凹溝3bが形成されており、発光体1をホルダー部2に取り付けたときに、この凹溝3bに発光体1の基底面1eの両側縁部(鍔状部1dを折曲形成したときに折曲部)が係合するようになっている。
【0025】
なお、ホルダー部2を押出成型により製造した場合は突起部2fも一般に連続した凸条として形成されるが、本発明の突起部2fは必ずしも連続している必要はなく、ホルダー部を収容溝3c内に固定できる形態であれば、その具体的構成は問わない。この点は収容溝3c側の抜け止め用凸部3aについても同様である。
さらに、突起部2f、抜け止め用凸部3a及び凹溝3bのような係合構造は必須の構成ではなく、ホルダー部2を収容溝3c内に圧入によって固定する場合は上記係合構造の全部又は一部を省略してもよい。
【0026】
ホルダー部2内部の案内溝2dには、それぞれ帯状光源4が挿抜自在に取り付けられるようになっている。この帯状光源4は、図2に端的に示すとおり、帯状の基板4bにその長手方向に沿って複数のLED4a(例えばLEDチップ)が設けられたもので、本実施形態では、可撓性を有する帯状基板4bに一定間隔で一列にLED4aを配列して実装されている。但し、かかる構成のものに限定されるわけではない。例えば、複数のLED4aを配列するベース部材として、帯状基板4bに代えて、薄板状の銅板製フープ材に絶縁塗装を施したものを用いてもよい。帯状光源4は、ホルダー部2の長手方向の両端の小口から挿抜自在に案内溝2d内に挿入される。
【0027】
なお、電源やスイッチ等の操作部の配置及びこれらと帯状光源4との接続については、適宜の構成を採用することができる。これらをホルダー部2側に設けて発光装置の一体性を高めてもよいし、また、これらを取付対象側に設けてコード等の配線で電気的に接続してもよい。
【0028】
本発明の第1実施形態では、ホルダー部2の上部(図3の紙面でみて上方の部位)、つまり、発光装置を収容溝3c内に収容したときに収容溝3cの内奥側に位置する部位に、第2の中空部2gが設けられている。この第2の中空部2gはクッションとして機能するものである。
【0029】
なお、第1実施形態における開放部2aの開口幅Wの寸法保持は、発光体1における異型樹脂シート1bの寸法保持によって、これと嵌合されるホルダー部2の開口幅Wが強制保持されることにより達成することができる。
また、第1実施形態では、発光体1がホルダー部2の開放部2aに外嵌されるので、使用状態において正面側からホルダー部2が視認されない効果をも有する。
発光体1をホルダー部2の開放部2aに外嵌することには、このような利点がある。
【0030】
本発明の可撓性発光装置は、完成品の状態で丸めて持ち運びができるとともに、従来技術のように取付対象の建材製品自体に固定的に組み込んだものとは異なり、建材の施工現場での作業終了後に簡単に取り付けることができるので、施工現場での作業期間中の養生保護が不要で、建材の施工中に損傷するといった事態を防ぐことができる。
【0031】
帯状光源4が挿入される案内溝2dは、発光体1の背面ないしホルダー部2の開放部2aに向かって先窄まりの逆ハの字形、すなわち、図3の断面視において、発光体1の垂線Xとのなす角度をθ(例えば15〜30°)として傾斜配置され、帯状光源4が発光体1を間接照明として照射する構成としている。これにより、透明性に劣る発光体1によって照射光がぼかされて、外観上、光が均一に照射される効果を有している。
【0032】
なお、上記案内溝2dは、帯状光源4が脱け出さない程度のガタないし遊びを有する構成としており、これにより、帯状光源4の挿抜が容易になるとともに、図2に示すように、可撓性発光装置自体の湾曲変形が容易になるため、曲がった箇所にも圧入・係合等の手段により容易に嵌合させて取り付けることができるという効果をも有している。
【0033】
帯状光源4が発光体1に対して垂直となるようにした場合は、発光装置自体を上記のように湾曲できない上、帯状光源4の光が発光体1の表面に平行に照射され、直接照明に近付くため、外観上、光源の点在が目立つことになり、均一な発光が得られにくくなるという問題がある。
【0034】
また、上記ホルダー部2内部の凹曲面2eの表面にアルミを蒸着又はポリエステルフィルムにアルミを蒸着したものを貼り合せると、反射率が高くなり、LED4aの発光効率ないし集光性能を高めることができる。但し、かかる目的のためにホルダー部2の内奥部の壁面2eに形成するものは必ずしもアルミ層に限定されるわけではなく、光反射性の反射層であればよい。
【0035】
さらに、対設される二本の帯状光源4に異なる発光色のLED4aを設けた場合には、通電切換操作によってLED発光色を変えることができる。
【0036】
なお、LED4aを通電発光させると、一定温度まで発熱するが、個々のLED4aの発熱量は小さいので、ホルダー部2の材質に影響を及ぼすほどの問題とはならない。
【0037】
また、LED4aの消費電力は通常の蛍光灯等と比べて小さいので、消費電力が大きな問題となることはなく、しかも、本発明では、LED発光中は発光体に蓄光されるので、LED消灯後においても発光を継続することができ、この点でも消費電力を低減することができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係る発光装置を示している。
第1実施形態ではホルダー部2の上部に第2の中空部2gが設けられていたが、この第2実施形態では、それが設けられていない点で相違する。その他の構成はほぼ第1実施形態と同様であるため、図3中、同一の機能又は構成を有する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
この第2実施形態では、ホルダー部20に第2の中空部2gが設けられていない分、嵩を低くできるので、底が浅い収容溝3cに使用する場合に好適である。
【0039】
〔使用例〕
次に、本発明の発光装置の使用例について説明する。
図5・6は、本発明の発光装置をカーテンウォール方立や嵌め殺し窓の縦枠に使用した例を示すものであり、図5は第1実施形態に係る発光装置をカーテンウォール方立5に使用したときの使用状態の断面図、図6は第2実施形態に係る発光装置を嵌め殺し窓の縦枠6に使用したときの使用状態の断面図である。
いずれの使用例においても、ホルダー部2・20を収容する収容溝3cが、取付対象である建材(カーテンウォール方立5又は嵌め殺し窓の縦枠6)に設けられており、この収容溝3c内にホルダー部2・20が着脱自在に嵌合固定されることにより発光装置が取り付けられるようになっている。
また、これらの使用例では、発光体1によってホルダー部2・20が隠蔽されて外部から視認できないようになっており、外観上すっきりしたデザインとなっている。
【0040】
図7は、本発明の第1実施形態を住宅等の塀に埋設使用したときの使用状態の断面図であって、収容溝3cの部分のみをアルミ押出型材製のチャンネル部材3として構成し、このチャンネル部材3を予め塀7に埋設しておき、ホルダー部2を着脱自在に嵌合固定したものである。着脱自在なため保守点検も容易である。
【0041】
図8も本発明を住宅等の塀に適用したときの使用例を示すものであり、住宅等の塀に適用した点では図7と同様であるが、図7の埋設型に対し、図8は露出型で、後付リフォームとして取付施工したものである。
この使用例は露出型であるため、塀7の仕上面からあまり突出しないように、底の浅い収容溝3cのチャンネル部材3を使用するとともに、外形がより扁平な第2実施形態を使用している。チャンネル部材3はねじ等の固定手段8により塀7に固定されている。
【0042】
図9・10は、いずれも本発明の発光装置を木製間仕切りの縦枠に適用した場合の使用例を示している。
図9の使用例では、木製間仕切りの縦枠9にチャンネル部材3を埋め込んで、このチャンネル部材3の収容溝3cに第1実施形態の発光装置を着脱自在に嵌合固定している。
他方、図10の使用例では、木製間仕切りの縦枠9にアリ溝状の収容溝3cを直接形成し、このアリ溝状の収容溝3cに第2実施形態の発光装置を取り付けたものである。
【0043】
このような間仕切りを、ホテルのロビーや廊下のように照明を落とした静寂な雰囲気の比較的暗い場所に設けた場合には、一般に蓄光量が少なくなるという不都合が生じるが、本発明では、LED4aを点灯することにより発光体1が蓄光し続けるので、そのような問題にも対応することができる。
逆に、周囲の落ち着いた雰囲気との調和を重視する場合は、LED4aの点灯時間を短くして、発光体1の蓄光照明により柔らかい光を演出することも可能である。
さらに、本発明では、停電等の非常時においても発光を継続できるというメリットもある。
【0044】
図11に示す使用例は、幅木や室内のボーダーに本発明の第2実施形態の発光装置を取り付けたものである。図11において、符号10は床面、11は幅木である。
この使用例は、公的場所等における停電等の非常時において、発光体1の蓄光照明を避難誘導灯として利用することができる。
特に火災時には、煙が室内の上方の空間を覆うので、通常の目線の高さに避難誘導用の表示板や表示灯を取り付けた場合は目視不能になるおそれがある。しかし、本実施形態のように床10に接した幅木11に本発明の発光装置を設けた場合は、そのようなおそれがない。
この使用例では、平常時には、本発明の発光装置がフットライトの役目を果たすという効果もある。
【0045】
図12に示す使用例は、階段の手摺りや、ホテル、住宅等のベランダの手摺り12に本発明を使用したものである。
この使用例では、本発明の発光装置を夜間や暗所における誘導灯として利用することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態及び使用例について説明したが、本発明の効果を纏めると、以下のとおりである。
(1)LEDを狭い空間に収容しているので、発光効率を高めることができる。
(2)LEDの照射を間接照明としているので、外観上、光源が点在するように視認されることを防止し、均一な面状発光効果が得られる(一般にLEDを狭い空間に収容した状態で直接照明を行った場合、光源の点状に視認されることを防げない)。
(3)長尺状であっても丸めて持ち運びができるため、可搬性に優れている。
(4)取付対象の建材に後付け可能なため、施工現場での養生保護が不要である。
(5)異なる発光色のLEDを使用することにより、変化に富んだ多様な光の演出が可能である。
(6)湾曲変形が自在なため、曲がった所にも取り付けることができ、適用範囲が広い。
(7)LEDの経年劣化に対する保守点検やLEDの取り替えが容易である。
(8)発光体が蓄光性を有するので、昼間はこの発光体に自然光を蓄光し、周囲が暗くなる夜間等の時間帯に電力消費を伴わずに発光させることができる。
(9)発光体がLED点灯中も蓄光し続けるので、LED消灯後においても発光を継続させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 発光体
2・20 可撓性ホルダー部
2a 開放部
2b 中空部
2d 案内溝
2e 凹曲面
2f 突起部
3c 収容溝
4 帯状光源
4a LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12