特許第5982481号(P5982481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982481
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】位置センサーモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
   G01D5/12 Q
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-518643(P2014-518643)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公表番号】特表2014-521068(P2014-521068A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】US2012043229
(87)【国際公開番号】WO2013006270
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】102011106189.8
(32)【優先日】2011年7月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・クリストマン
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−74993(JP,A)
【文献】 特開2008−216044(JP,A)
【文献】 特開2001−196127(JP,A)
【文献】 特開平7−209028(JP,A)
【文献】 特開平6−66504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00− 5/62
G01B 7/00− 7/34
G01B21/00−21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御カプセル(2)用の位置センサーモジュール(1)であって、
ベースキャリア(3)であって、
センサーチップ(5)が配置される第1の受容空間(4)を有し、
前記センサーチップ(5)のチップ接点(9)に接続されるプラグ接点装置(8)のプラグ接点ストリップ(7)が配置される第2の受容空間(6)を有するベースキャリア(3)を有し、
カバー部(10)であって、
前記第1の受容空間(4)と前記第2の受容空間(6)とを覆い、
前記カバー部が、前記プラグ接点ストリップ(7)にアクセス開口部(11)を開放し、
前記センサーチップ(5)と前記プラグ接点装置(8)とを前記ベースキャリア(3)に固定するカバー部(10)を有する、
位置センサーモジュール(1)。
【請求項2】
前記ベースキャリア(3)がL字形構造であり、前記第1の受容空間(4)が第1のキャリア脚部(12)に配置され、前記第2の受容空間(6)が、前記第1のキャリア脚部(12)に対して少なくとも略直角に配置される第2のキャリア脚部(13)に配置される、請求項1に記載の位置センサーモジュール。
【請求項3】
前記ベースキャリア(3)が、前記チップ接点(9)を受容して案内する案内装置(14)を有する、請求項1又は2に記載の位置センサーモジュール。
【請求項4】
前記ベースキャリア(3)が支持部分(15、16)を有し、前記支持部分が前記キャリア脚部(12、13)に配置され、関連の脚部表面(それぞれ17と18)から突出し、また互いに隣接して配置される、請求項2又は3に記載の位置センサーモジュール。
【請求項5】
前記プラグ接点装置(8)がL字形構造であり、前記プラグ接点ストリップ(7)に対して少なくともほぼ直角に配置されるチップ接点ストリップ(19)を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項6】
前記カバー部分(10)が、前記ベースキャリア(3)に対応してL字形構造であり、互いに少なくとも略直角に配置されかつ前記受容空間(4、6)を覆う2つのカバー脚部(20、21)を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項7】
前記カバー脚部(20、21)の接続領域(22)において、保持部(23)が前記カバー脚部(20、21)の内側に配置され、前記保持部が前記プラグ接点装置(8)を前記ベースキャリア(3)に固定する、請求項6に記載の位置センサーモジュール。
【請求項8】
前記ベースキャリア(3)及び前記カバー部(10)が、スナップ動作/ラッチ接続、ねじ接続、接着接続又は溶接接続によって互いに接続される、請求項1〜7の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項9】
前記センサーチップ(5)が3Dホールチップの形態である、請求項1〜8の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項10】
前記モジュール(1)を保持するための第1の締結領域(24A、25A、26A、27A)と、制御カプセル(2)に固定するための第2の締結領域(24B、25B、26B、27B)とを有する保持クリップ(24、25、26、27)を特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項11】
前記第1の締結領域(24A、25A、26A)がラッチスロット(24A’、24A”、25A’、25A”、26A’、26A”)を有する、請求項10に記載の位置センサーモジュール。
【請求項12】
前記第1の締結領域(27A)が、弾力的弾性の保持端部(27A’、27A”)を有する、請求項10に記載の位置センサーモジュール。
【請求項13】
前記第2の締結領域(24B、25B、26B、27B)が、溶接点を形成するために、リセス(24B’、24B”、25B’、25B”、26B’、26B”、27B’、27B”)を有する、請求項10〜12の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項14】
前記保持クリップ(25、26)が、前記制御カプセル(2)のカバー(2b)の壁部(2a)に対して支持するための支持部分(25C、26C)を有する、請求項10〜13の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【請求項15】
前記保持クリップ(24、25、26、27)がシートメタル部として形成される、請求項10〜14の何れか一項に記載の位置センサーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の制御カプセル用の位置センサーモジュールに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従って、本発明の目的は、簡単な構造を有しかつ異なる制御カプセル構造に使用するために適切である、正圧カプセル及び負圧カプセルの両方に適切な位置センサーモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
前記目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0004】
空気圧制御カプセル用のモジュール式の非接触位置検出は、本発明による位置センサーモジュールにより実現される。モジュールの構造は、正圧カプセル及び負圧カプセルの両方のために使用することができる。
【0005】
本発明による位置センサーモジュールは、制御カプセルの圧力又は真空で充填される空間に据え付けないことが特に有利に可能である。前記位置センサーモジュールは、実際に任意選択的に更に、保持装置によって外側に金属製の非磁石カバーを有する制御カプセルに取り付けることができる。
【0006】
いわゆる3Dホールチップがセンサーチップとして使用されることが特に有利である場合、位置決定のために必要な磁石をもはや制御カプセルの内部で案内する必要がないという利点が得られるが、この理由は、3Dホールチップでは、磁石の案内がもはや必ずしも必要でないことを意味するからである。取付けの方向付けは、この場合排除される。
【0007】
従属請求項は、本発明の有利な改良に関する。
【0008】
本発明の更なる詳細、特徴及び利点は、図面に基づき例示的な実施形態の以下の説明から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A-1B】本発明による位置センサーモジュールの基本的な構成要素の分解斜視図である。
図2A-2B】それ自体の図(図2A)、及び制御カプセルカバーに取り付けられた(図2B)、本発明によるモジュール用の保持クリップの第1の実施形態の図である。
図3A-3B】図2A及び図2Bに対応する、本発明による保持クリップの第2の実施形態の図である。
図4A-4B】図2A及び図2Bに対応する、本発明による保持クリップの第3の実施形態の図である。
図5A-5B】図2A及び図2Bに対応する、本発明による保持クリップの第4の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
位置センサーモジュール1の実施形態について、図1A図1Bに基づき以下に説明する。
【0011】
図1A及び図1Bから理解できるように、位置センサーモジュール1は、ベースキャリア3とカバー部10とを備える。ベースキャリア3は、センサーチップ5が配置される第1の受容空間4と、プラグ接触装置8のプラグ接触ストリップ7が配置される第2の受容空間6とを有する。
【0012】
同様に図1A及び図1Bから理解できるように、ベースキャリア3はL字形構造であり、第1の受容空間4は第1のキャリア脚部12に配置され、第2の受容空間6は第2のキャリア脚部13に配置される。
【0013】
第2のキャリア脚部13は、第1のキャリア脚部12に対して少なくとも略直角に配置される。更に、ベースキャリア3は、チップ接点9を受容して案内する案内装置14を有する。ベースキャリア3はまた、キャリア脚部12の脚部表面17から突出するように配置される支持部分15と、キャリア脚部13の脚部表面18から突出するように配置される支持部分16とを有する。脚部表面17、18は互いに隣接して配置され、関連の受容空間4と6から離れた方向を指す。
【0014】
プラグ接点装置8はL字形構造であり、プラグ接点ストリップ7に対して少なくともほぼ直角に配置されるチップ接点ストリップ19を有する。プラグ接点装置8は、取付け状態にあるとき(図2B参照)、チップ接点ストリップ19を介して、好ましくは3Dホールチップの形態であるセンサーチップ5のチップ接点9に接続される。
【0015】
カバー部10は、ベースキャリア3に対応してL字形構造であり、互いに少なくとも略直角に配置される2つのカバー脚部20、21を有する。ここで、カバー脚部20は、位置センサーモジュール1が取付け状態にあるとき、第1の受容空間4が案内領域14と共にキャリア脚部12によって覆われるように形成された脚部領域21Aと21Bを有する。ここで、カバー脚部21は第2の受容空間6を覆い、この場合、プラグ接点ストリップ7へのアクセス開口部11は覆われないか又は開放したままである。
【0016】
カバー脚部20、21の接続領域22において、保持部23はカバー脚部20、21の内側に配置され、保持部はプラグ接点装置8と、それに接続されたセンサーチップ5とを、取付け状態のベースキャリア3に固定するか又は位置決めする。ベースキャリア3及びカバー部10は、好ましくはスナップ動作/ラッチ接続によって互いに接続される。代わりに、ベースキャリア3及びカバー部10は、ねじ接続、接着接続又は溶接接続によって互いに接続してもよい。
【0017】
位置センサーモジュール1を制御カプセル2に固定するために(図2B参照)、図2Aに示した第1の実施形態による保持クリップ24が設けられる。ここで、保持クリップ24は略U字形の形状であり、後壁24Cを有し、この後壁から、両側において、モジュール1を保持するための第1の締結領域24Aが延び、前記第1の締結領域は、略直角に延びる側壁24D’、24D”を有し、これらの側壁に、各々の場合に、長方形の形状の1つのラッチスロット24A’と24A”及び楔状のストッパ24F’と24F”が形成される。各々の側壁24D’、24D”に、第1の突出部24E’と24E”を有する第2の締結領域24Bが配置され、これらの突出部に、各々の場合に、1つの円形リセス24B’と24B”が形成される。更に、各々の場合に、1つの第2の突出部24G’と24G”が第2の締結領域24Bに設けられる。第1及び第2の突出部24B’、24B”、24G’と24G”は、各々の場合に、アーチ形の表面を有する略長方形の形状であり、各々の場合に、第1及び第2の突出部24B’、24B”、24G’と24G”に対して角度αで外側に開放するように配置される。
【0018】
位置センサーモジュール1は、締結するために、ストッパ24F’、24F”まで矢印Pの方向に保持クリップ24に押入され、ラッチスロット24A’、24A”によって前記保持クリップに掛止される。円形リセス24B’、24B”は、好ましくは溶接点を形成するために使用され、溶接点によって、図2Bに示したように、保持クリップ24が制御カプセル2のカバー2bの壁部2aに支持されるか又は締結される。保持クリップ24は、好ましくはシートメタル部として形成される。
【0019】
位置センサーモジュール1用の保持クリップ25の第2の好ましい実施形態について、図3A及び図3Bを参照して以下に説明する。
【0020】
図3Aから理解できるように、保持クリップ25は、第1の締結領域25A、第2の締結領域25B及び支持部分25Cを有する。第2の締結領域25Bは、ベースプレート25Dによって互いに部分的に接続される2つの平行の側壁25H’、25H”を有し、これらの側壁に、溶接点を形成するための2つの円形リセス25B’と25B”が形成され、これらの円形リセスによって保持クリップ25が制御カプセル2に締結される。ここで、ベースプレート25Dの台形の端部部分25Kは、側壁25H’、25H”を越えて突出し、また直角に配置されて、ここでは見えない端部プレート25M(図4A参照)を有する。ベースプレート25Dに接続されていない第2の締結領域25Bの側壁25H’、25H”の端部領域25Lに、前記締結領域に対して略直角に配置されかつ第1の締結領域25Aを形成する支持壁25G’、25G”が設けられる。支持壁25G’、25G”に、各々の場合に、1つの円錐状に先細りする舌部25Fが配置され、この舌部は直角に延びて、挿入開口部25E内に突出し、2つのラッチスロット25A’と25A”を形成する。この内ラッチスロット25A’のみが図3Aに見える。取付け中、位置センサーモジュール1が上(ベースプレート25Dの側面)から押し込まれ、ラッチスロット25A’、25A”によって掛止される。ベースプレート25Dの反対に位置する第2の締結領域25Bの端部に、支持部分25Cが略直角に配置され、前記支持部分は、台形の形状でありかつフック状の端部部分25C”を有する支持壁25C’を有する。端部部分25C”によって、保持クリップ25は、位置センサーモジュール1が取付け状態にあるとき、図3Bに示したように制御カプセル2のカバー2bの壁部2aに対して支持される。
【0021】
位置センサーモジュール1用の保持クリップ26の第3の好ましい実施形態について、図4A及び図4Bを参照して以下に説明する。以下に記載する支持部分26Cは別として、他のすべての特徴は、それらの上記の説明を参照し得るように第2の実施形態の特徴に対応し、この場合、参照符号の前には各々の場合に番号「26」が付けられている。
【0022】
上述の保持クリップ25と対照的に、保持クリップ26は、直角に外に突出しかつ略長方形の形状である中央部分26C”を有する支持部分26Cを有する。中央部分26C”には、略長方形の端部部分26Nを有する台形の支持壁26C’が隣接し、前記支持壁は、中央部分26C”に対して鋭角αに配置される。ここで、角度αは、保持クリップ26が、図4Bに示したように、取付け状態で、支持部分26Cにより位置センサーモジュール1の上に掛止して、制御カプセル2のカバー2bの壁部2aに対して位置センサーモジュールを支持することができるように寸法決めされる。
【0023】
位置センサーモジュール1用の保持クリップ27の第4の好ましい実施形態について、図5A及び図5Bを参照して以下に説明する。以下に記載する支持部分27Cは別として、他のすべての特徴は、それらの上記の説明を参照し得るように第2及び第3の実施形態の特徴に対応し、この場合、参照符号の前には各々の場合に番号「27」が付けられている。
【0024】
上述の保持クリップ26と対照的に、保持クリップ27は、長方形の形状でありかつ直角に外に突出する支持部分27C’を有する。更に、側壁27H’と27H”には、直角に細長い端部部分27N’と27N”が設けられ、これらの端部部分は、第1の締結領域27A’を形成する横方向に突出する曲がった弾力的弾性の保持端部27P’と27P”を有する。図5Bから理解できるように、保持クリップ27に取り付けられた位置センサーモジュール1は、保持端部27P’、27P”によってその弾力作用により位置決めされ、この場合、ベースキャリア3は支持部分27C’に位置し、ベースキャリア3の支持部分16によって支持部分27C’に掛止される。
【0025】
本発明の開示を補足するために、この場合、図1A図5Bの概略図が明示的に参照される。
【符号の説明】
【0026】
1 位置センサーモジュール
2 制御カプセル
2b カバー
3 ベースキャリア
4 第1の受容空間
5 センサーチップ
6 第2の受容空間
7 プラグ接点ストリップ
8 プラグ接点装置
9 チップ接点
10 カバー部
11 アクセス開口部
12 第1のキャリア脚部
13 第2のキャリア脚部
14 案内装置
15、16 支持部分
17、18 脚部表面
19 チップ接点ストリップ
20、21 カバー脚部
22 接続領域
23 保持部
24 保持クリップ(第1の実施形態)
24A 第1の締結領域
24A’、24A” ラッチスロット
24B 第2の締結領域
24B’、24B” リセス
24C 後壁
24D’、24D” 側壁
24E’、24E” 第1の突出部
24F’、24F” ストッパ
24G’、24G” 第2の突出部
25 保持クリップ(第2の実施形態)
25A 第1の締結領域
25A’ ラッチスロット
25B 第2の締結領域
25B’、25B” リセス
25C 支持部分
25C’ 支持壁
25C” 支持壁のフック状の端部部分
25D ベースプレート
25E 挿入開口部
25F 舌部
25G’、25G” 支持壁
25H’、25H” 側壁
25K 端部部分
25L 端部領域
25M 端部プレート
26 保持クリップ(第3の実施形態)
26A 第1の締結領域
26A’ ラッチスロット
26B 第2の締結領域
26C 支持部分
26C’ 支持壁
26C” 中央部分
26D ベースプレート
26E 挿入開口部
26F 舌部
26G’、26G” 支持壁
26H’、26H” 側壁
26K 端部部分
26L 端部領域
26M 端部プレート
26N 端部部分
27 保持クリップ(第4の実施形態)
27A 第1の締結領域
27C’ 支持部分
27D ベースプレート
27E 挿入開口部
27H’、27H” 側壁
27K 端部部分
27M 端部プレート
27N’、27N” 端部部分
27P’、27P” 弾力的弾性の保持端部
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B