【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の二種類の荷役装置による同時荷役貨物船の実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1を示す図であり、
図1(a)は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1の側面図、
図1(b)は、同平面図であり、それぞれ
図9(a),
図9(b)に相当する。
図1(a)(b)において、符号1は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船、2a、2b、2cは、前記二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1の上甲板上に設けられるデッキハウス、3a、3b、3cは、同デッキハウス2a、2b、2c内に設けられる船倉ハッチ、4a、4bは、デッキクレーン、4ap、4bpは、上甲板上に設けられる当該デッキクレーン4a、4bの支柱である。
【0015】
また、5aは、上甲板下の船体内に配置されるNo1貨物倉、5bは、同No2貨物倉、5cは、同No3貨物倉、5dは、同No4貨物倉であり、それぞれ
図1(b)に示すように、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、前記No1貨物倉5aは、上甲板から下にA、Bの2層からなる貨物倉であり、前記No2貨物倉5b及び前記No3貨物倉5cは、それぞれ上甲板から下にA〜Dの4層からなる貨物倉、前記No4貨物倉5dは、上甲板から下にA〜Cの3層からなる貨物倉である。その余の符号は、
図9における貨物船100を説明したと同じ部材であり、同じ符号を用いている。
【0016】
図1(a)(b)から明らかなように、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、前記デッキクレーン4a、4bを備えるが、当該デッキクレーン4a、4bに加えて、上甲板上には、従来の貨物ハッチ102a−102dは設けず、内部にサイドローデング用のトロリーホイスト(
図1には図示外、後に詳述する)及び前記船倉ハッチ3a、3b、3cが開口された前記デッキハウス2a、2b、2cが設けられる。
【0017】
当該デッキハウス2aは、上甲板下の船体内に配置される前記No1貨物倉5a及び前記No2貨物倉5b内に前記船倉ハッチ3aを通じて荷役するデッキハウスであり、当該デッキハウス2a内には上甲板の船側側からサイドローディング荷役を可能とするトロリーホイスト(
図1では図示外,後に詳述)を備える。
同様に、前記デッキハウス2bは、前記No3貨物倉5c内に前記船倉ハッチ3bを通じて荷役するデッキハウスであり、前記デッキハウス2cは、前記No4貨物倉5d内に前記船倉ハッチ3cを通じて荷役するデッキハウスであり、上述するように、内部に上甲板の船側側から荷役を可能とするトロリーホイスト(
図1では図示外,後に詳述)を備える。
【0018】
すなわち、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、前記貨物倉5a、5b、5c、5dへの荷役装置として、上甲板上に前記デッキハウス2a、2b、2cを設け、当該デッキハウス2a、2b、2cの船側側に上開きの前記水密ドア11a、11bを設け、当該水密ドア11a、11bを開けた時に外板から突き出る形で走る前記トロリーホイストを設け、外板から突き出た状態で当該トロリーホイストを用いて岸壁にある貨物108を引き上げ、貨物倉5a、5b、5c、5dに引き込む。
【0019】
図2は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における例えば、前記デッキハウス2cについて、船尾方向から見た概略断面図である。
図2において、符号2cは、前記デッキハウス、10は、上甲板、11a、11bは、前記デッキハウス2cの上開きの船側側水密ドア、12aは、油圧装置台、12bは、ドア昇降油圧装置、13aは、トロリーレール、13bは、レール延伸油圧装置、13cは、トロリーホイスト、14は、前記デッキハウス2cの天板、15は、同天板14に開口するデッキハウスハッチ、16は、デッキハウスハッチカバー、17は、岸壁であり、曲矢印は、前記船側側水密ドア11a、11bの回動の動きを、直矢印は貨物108の荷役吊り上げの動きを示す。その余の符号4bpは、前記デッキクレーン4bの支柱、3cは、船倉ハッチ、5dは、No4貨物倉であり、No4貨物倉(A)、No4貨物倉(B)、No4貨物倉(C)である。
【0020】
なお、
図2においては、船尾方向から見た概略断面図の前記デッキハウス2cについて説明するが、これは、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における他のデッキハウス2a、2b及びそれらの内部に設けられる船倉ハッチ3a、3b等、基本的構造や機能は同じである。したがって、以降は、同じ構成からなる一つのデッキハウス2及び船倉ハッチ3についてのみ説明し、特に言及しない限り、重複する説明は省略する。
【0021】
図2に示すように、前記デッキハウス2cの前記船側側水密ドア11a、11bは、二段階の上開きの水密ドアであり、当該水密ドア11a、11bは、左右両側に配置される前記ドア昇降油圧装置12bを作動させることにより、船側から上方向に回動して前記デッキハウス2cの前記天板14と同一面となり、その下に配置される前記トロリーホイスト13cの2本のトロリーレール13aが前記レール延伸油圧装置13bによって船側方向に延び、さらに、当該2本のレール13aに沿って前記トロリーホイスト13cが船外まで移動できる構造となっている。
【0022】
図3は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における前記デッキハウス2cの前記船側側水密ドア11a、11bが上方向に回動して開閉され、しかる後、2本の前記トロリーレール13aが延伸される概略を示す図である。
図3において、符号12cは、前記水密ドア11bを回動させるもう一つのドア昇降油圧装置であり、その余の符号は
図2に示したと同じ部材は同じ符号で示した。
【0023】
図3から明らかなように、前記水密ドア11a、11bを上開きに回動させるために、前記油圧装置台12aに設けられる前記ドア昇降油圧装置12bにより前記水密ドア11aを上方向に回動させ、しかる後、前記ドア昇降油圧装置12cにより前記水密ドア11bを上方向に回動させて、これらの水密ドア11a、11bが前記デッキハウス2cの天板14と同一面となるまで回動させる。
【0024】
これらの水密ドア11a、11bが前記天板14と同一面となったら、前記レール延伸油圧装置13bを駆動して、前記トロリーレール13aを船側方向、先端までに延伸させる。すなわち、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、前記デッキハウス2cに設ける前記水密ドア11a、11bの裏側に、前記トロリーホイスト13cが走行するための前記トロリーレール13aを設けることで、当該水密ドア11a、11bが開いた場合に外板から岸壁17に向いての走行が可能になる。つまり、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における当該トロリーレール13aは、前記デッキハウス2cの前後の側壁に平行に前記天板14の下面に2本配置され、当該2本のレール13aに沿って、前記トロリーホイスト13cが船外まで移動し、前記岸壁17から各船倉5a、5b、5c、5dに、又は、各船倉5a、5b、5c、5dから船外の前記岸壁17に貨物108を吊り下げ、荷役する。
【0025】
本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における前記トロリーホイスト13cは、これらの2本の前記トロリーレール13a下に吊り下げられ、前後左右に移動可能な2組の横行ウインチからなる井桁構造の吊り下げ装置である。すなわち、前記トロリーホイスト13cは、前記2本のトロリーレール13aに嵌合して当該レール下を船側方向に走行する2組の横行ウインチを備え、この井桁状に組まれた中に配置される巻き上げウインチとから構成される。
【0026】
図4は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における当該トロリーホイスト13cの概略を示す図であり、
図4において、符号20は巻き上げウインチ、21は、横行ウインチである。前記巻き上げウインチ20は、貨物108を吊り下げるためのウインチであり、21は、当該トロリーホイスト13cを前記トロリーレール13a方向に移動させるウインチである。なお、これらのウインチ20、21は、電動駆動型式のウインチが用いられる。
【0027】
このように、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、前記2本のトロリーレール13aの間を船外の岸壁17船内各船倉5a、5b、5c、5dまでの間を貨物108を吊り下げ移動することにより必要な荷役を可能とする。
そして、これらの各船倉5a、5b、5c、5dへの荷役は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、前記倉内ハッチ3a、3b、3cを通じて行われる。
【0028】
図5(a)(b)(c)は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における前記倉内ハッチ3a、3b、3cの概略を説明するために、便宜的に一層のみの床面(例えば、上甲板10のみの貨物倉床面)を例にして、前記倉内ハッチ3cの概略及びその上に配置される倉内ハッチカバーの動きを示す図であり、
図5において、3cは、前記倉内ハッチ、18は、当該倉内ハッチ3cを覆う倉内ハッチカバーである。
【0029】
本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における前記倉内ハッチ3cは、前記デッキハウス2c内の前記上甲板10に前記No4貨物倉5dに通じ、20フィート規格のコンテナ荷役が可能な開口であり、当該倉内ハッチ3cを通じて、前記トロリーホイスト13で岸壁の貨物108を吊り下げ当該デッキハウス2c内に引き込み、さらに、当該倉内ハッチ3cを通じて、No4貨物倉5d内に積載、荷揚げの荷役を行う。
【0030】
図5から明らかなように、当該倉内ハッチ3cには、中央で中折れ構造の倉内ハッチカバー18で閉塞可能に構成され、荷役作業中は、当該倉内ハッチカバー18の中央を引き上げて開口し、階下の荷役が完了したら、当該倉内ハッチカバー18で前記倉内ハッチ3cを閉塞し、当該倉内ハッチカバー18上にも貨物108を積載する。
【0031】
なお、
図5においては、上述するように、一層のみの床面(例えば、上甲板10のみの貨物倉床面)を例に説明しているが、この構造は、前記No4貨物倉(A)5d以下の床面も同じ構造であり、前記トロリーホイスト13で吊された貨物108は、No4貨物倉(B)に配置された倉内ハッチ3cを開口してNo4貨物倉(C)5dへの荷役を行い、No4貨物倉(C)5dの荷役が完了したら、当該倉内ハッチ3cを倉内ハッチカバー18で閉鎖し、閉鎖後は当該倉内ハッチカバー18上にも貨物108を積載する等の荷役を行う。
【0032】
すなわち、前記倉内ハッチ3cは、前記No4貨物倉(A)5d以下の前記No4貨物倉(B)の各床面において、船体平面上同じ位置に配置され、前記デッキハウス2c内に配置される前記トロリーホイスト13を用いて各船倉(A)(B)(C)5dへの荷役がされる。各船倉(A)(B)(C)5dでは、フォークリフト(図示外)等を用いて各船倉(A)(B)(C)5dの内部への貨物移動を行い荷役される。
【0033】
また、貨物108を前記倉内5a、5b、5c、5dに引き込む際に、各倉内デッキに降ろす必要があるが、以下に述べるように、降ろす位置を限定して、各デッキの適切な位置に、適切な寸法の前記倉内ハッチ3a、3b、3cを設けることで、電動の前記トロリーホイスト13cを用いたデッキ毎の積み分けが出来る。
【0034】
図6は、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における前記倉内ハッチ3a、3b、3cの船内構造の概略を示す図であり、
図6(a)は、前記No2船倉の倉内ハッチ3aの船内構造の概略を、
図6(b)は、前記No3船倉の倉内ハッチ3bの船内構造の概略を、
図6(c)は、前記No4船倉の倉内ハッチ3cの船内構造の概略を示している。
図6において、符号19は、荷役ガイドであり、貨物の引き上げ・引き下ろしの際に貨物が前記倉内ハッチ3a、3b、3c内で所定の経路を通るように設けられる案内であり、その余の符号は
図1-
図5において説明した部材は同一の符号で示す。
【0035】
これらの倉内ハッチ3a、3b、3cにおいて、それぞれ船倉の階層数の違い(例えば、前記船倉5aについては、No1HOLD(A)及びNo1HOLD(B)の2階層であるのに対し、前記船倉5dについては、No4HOLD(A)、No4HOLD(B)、No4HOLD(C)の3階層等)は、配置される前記倉内ハッチ3a、3b、3cの配置位置によって、船体の船腹が細くなっていて船倉として確保できないことに基づくものである。すなわち、船腹が太い箇所の前記船倉ハッチ3bでは船底近くの深い箇所まで船倉(A)(B)(C)(D)を確保できるのに対し、前記船倉ハッチ3aでは、二層の船倉(A)(B)しか確保できず、また、前記船倉ハッチ3cでは、三層の船倉(A)(B)(C)しか確保できないことの理由からである。
【0036】
なお、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、
図2に示すように、前記デッキハウス2cの天板14には前記デッキハウスハッチ15及びこれを閉鎖する前記デッキハウスハッチカバー16が設けられる。
当該デッキハウス2cによる通常のサイドローディング荷役においては、当該デッキハウスハッチ15は、閉塞されているが、荷役の都合上場合によっては、当該デッキハウスハッチカバー16を前記デッキクレーン4a、4bで吊り下げて取り除いて,当該デッキクレーン4a、4bを用いて、当該デッキハウスハッチ15から前記船倉5a、5b、5c、5dに荷役を行うようにしても良いものである。
【0037】
本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1においては、このような前記トロリーホイスト13cによるサイドローディング荷役だけでなく、従来から装備される前記デッキクレーン4a、4bによる同時荷役も合わせて行うことができ、荷役のスピード化、効率化が図れる。
また、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1によれば、従来設けていた上甲板の大型ハッチ102aー102dが不要となり、船体強度上優位となる。
【0038】
また、本実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1における前記トロリーホイスト13を備えたサイドローディング荷役を可能とする前記デッキハウス2を一つの貨物倉(例えば、貨物倉5a)に対して一つ装備すれば、荷役効率の面でよりメリットはあるが、これは必ずしも、各船倉5a−5dに対して備えなければならないものではなく、例えば、一隻の船体に対して一つの当該デッキハウス2を装備することも可能である。そして、その場合には、各船倉5水密バルクヘッドに水密ドアを設置することにより、フォークリフト等がホールド間を行き来できるので、当該サイドローディングを可能とするデッキハウス2の装備数等のニーズ調整も可能である。
【実施例2】
【0039】
次に,本発明の二種類の荷役装置による同時荷役貨物船についての実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船30について図面に基づき説明する。
前述してきた実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1は、船体右舷側に上開きに開口するデッキハウス2a、2b、2cを設けたものであるが、本実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船30は、両舷に上開きに開口するデッキハウス32を備えた本実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船である点でのみ異なるものである。
【0040】
図7は、左右の両舷側の上甲板10上に左右の舷側から延伸してトロリーホイスト13が船外岸壁17から貨物の荷役を可能とする本実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船30の概略を示す図である。
図7に示すように、船体右舷側のみならず左舷側の双方にも上開きに開口する側壁を有するデッキハウス32とし、内部に格納されるトロリーホイスト13を配置するので、右舷側のみならず左舷側からも荷役が可能である。しかも、従来からのデッキクレーン34と合わせて荷役をすることができるので、右舷付け又は左舷付け岸壁のいずれにも対応でき、実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1と同様の迅速な荷役が可能となる。
【0041】
なお、
図7に示した本実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船30においては、船倉内ハッチ33を右舷側のみならず船体中央線を挟んで左舷側にも設ける例が示されるが、これは,一つの船倉内に二つの前記倉内ハッチ33、33を設ける必要がないということであれば、実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1と同様に一つのデッキハウス32について一つの倉内ハッチ33を設け、二つの倉内ハッチ33、33の併設を要しない。
【0042】
また、
図7に示す本実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船30においては、内部に格納するトロリーホイスト13の図示は省略したが、これは一つのデッキハウス32について,一台のトロリーホイスト13を設置し、必要に応じ、右舷開き、左舷開きの双方に兼用するトロリーホイスト13であっても良く、また、一つのデッキハウス32について、右舷用トロリーホイスト13及び左舷用トロリーホイスト13と、2基の専用のトロリーホイスト13を設置するようにしても良い。
なお、当該デッキハウス2a、2b、2cによるサイドローディング荷役の詳細については、上述する実施例1に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1におけるサイドローディング荷役と同じであるので,その詳しい説明は省略する。
【実施例3】
【0043】
次に,本発明の二種類の荷役装置による同時荷役貨物船についての実施例3に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船40について図面に基づき説明する。
前述してきた実施例1及び実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1、30は、上甲板上に従来から配置されているデッキクレーン4a、4bによる荷役用の貨物ハッチ102a−102dを設けず、内部にサイドローデング用の前記トロリーホイスト13c及び前記船倉ハッチ3a、3b、3cが開口された前記デッキハウス2a、2b、2cが設けられたことを前提とした。すなわち、前記デッキクレーン4a、4bは、専ら上甲板上の貨物108の荷役にのみ使用されることを前提としていた。
【0044】
しかしながら、前記デッキクレーン4a、4bについて、上甲板上の貨物荷役だけとするのは効率的ではない。そこで,本実施例3に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船40においては、前記デッキハウス2a、2b、2cとは別途に従来どおり貨物ハッチ102a、102b、102cを設け、前記デッキクレーン4a、4bによる当該貨物ハッチ102a、102b、102cからの船倉5b、5c、5dへの荷役を可能とすると共に、合わせて設置される前記デッキハウス2a、2b、2c内の前記トロリーホイスト13c及び前記船倉ハッチ3a、3b、3cによるサイドローディング荷役の同時荷役を可能としたものである。
【0045】
図8は、前記デッキハウス2a、2b、2cとは別途に従来どおり貨物ハッチ102a、102b、102cを設け、前記デッキクレーン4a、4bによる当該貨物ハッチ102a、102b、102cからの船倉5b、5c、5dへの荷役を可能とすると共に、合わせて設置される前記デッキハウス2a、2b、2c内の前記トロリーホイスト13c及び前記船倉ハッチ3a、3b、3cによるサイドローディング荷役の同時荷役を可能とした本実施例3に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船40の概略を示す図である。
【0046】
図8において、符号40は、本実施例3に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船であり、102a、102b、102cは、従来と同様の上甲板に開口する貨物ハッチであり、その余の符号は、実施例1及び実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1、30において説明した部材は同じ符号で示している。
【0047】
本実施例3に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船40においても、前記デッキハウス2a、2b、2cによるサイドローディング荷役の作業ないし手順は上述した実施例1及び実施例2に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船1、30における荷役と同じであり、その詳しい説明は省略する。
本実施例3に係る二種類の荷役装置による同時荷役貨物船40においても、デッキクレーン4a、4bによる船倉5b、5c、5d及び上甲板への荷役に加えて、上甲板上に設けられるサイドローディング荷役を可能とする前記デッキハウス2a、2b、2cを設けたので、デッキクレーン4a、4bと前記トロリーホイスト13cによる同時荷役が可能となり、荷役のスピード化、効率化が図れることとなる。