(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5982528
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】LED駆動制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
H05B37/02 D
H05B37/02 E
H05B37/02 J
H05B37/02 G
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-85218(P2015-85218)
(22)【出願日】2015年4月17日
【審査請求日】2015年4月17日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0047601
(32)【優先日】2015年4月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515106468
【氏名又は名称】株式会社ユティソル
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グ,ジャ ギュン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,グヮン ソン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ドン ヒョン
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−8460(JP,A)
【文献】
特開2013−118053(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2013−0052256(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つ以上のLED照明灯を駆動するためのLED駆動制御システムにおいて、
入力電源が供給されると前記LED照明灯に駆動電源を供給する電源モジュールと、
対象物の動き又は照度を感知して感知信号を出力する少なくとも一つ以上のセンサーを含むセンサーモジュールと、
前記センサーモジュールから出力される感知信号を認識可能なサイズの信号に増幅して出力する増幅モジュールと、
前記増幅モジュールにより増幅された感知信号をデジタル信号に変換して出力するアナログ/デジタル変換モジュールと、
前記アナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をサンプリングして前記LED照明灯に印加される駆動電源を算出するようにディミング制御、電流及び温度制御、通信機能を行う制御モジュールと、
前記制御モジュールのディミング制御によって前記入力電源をスイッチングして前記駆動電源を少なくとも一つ以上のLED照明灯に印加するLED駆動モジュールと、
前記センサーモジュール又は増幅モジュールにおいて発生される直流出力オフセット電圧が入力され、前記直流出力オフセット電圧によって前記センサーモジュールの感知認識のための基準レベルを適応的に変化させる少なくとも一つ以上の比較モジュールと、を含むことを特徴とするLED駆動制御システム。
【請求項2】
前記制御モジュールは、
前記アナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をカウントし、前記カウントした値を予め設定された最大カウント値と比較して前記基準レベルを補正する偏差補正アルゴリズムを行うアルゴリズム実行部と、
前記偏差補正アルゴリズムを施す際に必要な値を格納する格納部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED駆動制御システム。
【請求項3】
前記アルゴリズム実行部は、
第1設定時間の間、前記アナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をカウントして前記カウント値が前記最大カウント値未満の場合、第1全体カウント値を現在の前記カウント値で割った平均値を第1基準レベルに設定する第1設定部と、
前記カウント値が前記最大カウント値以上の場合、前記第1全体カウント値に追加されるカウント値を足して第2全体カウント値として更新し、前記第2全体カウント値から前記平均値を引いた第3全体カウント値を算出した後、前記第3全体カウント値を前記最大カウント値で割った値を第2基準レベルと設定する第2設定部と、
前記第1基準レベル又は前記第2基準レベルをアナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をカウントした現在の前記カウント値と比較して前記センサーモジュールの感知信号可否を判断する信号判断部と、を含むことを特徴とする請求項2に記載のLED駆動制御システム。
【請求項4】
前記センサーモジュールは、アンテナを用いて対象物の動きを感知するマイクロウエーブ方式、赤外線方式、超音波方式の内のいずれか一つの方式を使用し、
前記アンテナはロット(Lot)別にスペクトラム分散のための調整ポイント手段を設置することを特徴とする請求項1に記載のLED駆動制御システム。
【請求項5】
前記アンテナは、複数個の給電ポイントを含むラインアンテナであって、
前記調整ポイント手段は、給電ポイントと給電ポイントを少なくとも一つ以上連結して発進周波数が変化されるようにしてスペクトラムを調整することを特徴とする請求項4に記載のLED駆動制御システム。
【請求項6】
前記センサーモジュールは、対象物の動きを感知して動作感知信号を出力する動作センサーと周辺の照度を感知して照度感知信号を出力する照度センサーを含み、
前記照度センサーは、前記動作センサーの動作感知信号が感知できない状態において、前記周辺の照度が基準値以上の場合、照度感知信号を出力し、
前記制御モジュールは、前記照度感知信号を送信されて周辺照度の状態変化を認識して自ら制御するLED照明灯のディミングをロー状態からハイ状態へと調節し、前記照度感知信号が入力されないと前記LED照明灯のディミングをロー状態へと変更することを特徴とする請求項1に記載のLED駆動制御システム。
【請求項7】
前記制御モジュールは、前記LED照明灯の明るさを調節するディミング信号を出力するディマー、及び前記LED照明灯に対する駆動電源のパルス幅変調(PulSe Width Modulation)制御信号を出力するPWM制御器が互換されるように設計されることを特徴とする請求項1に記載のLED駆動制御システム。
【請求項8】
前記ディマーは、両方向通信が可能であるマスターディマー、マスターディマーからディミング設定信号を受信するスレーブディマー、マスターディマーからディミング設定信号を受信する共にセンサーを有し、感知信号をマスターディマーへ送信するセンサーディマー、センサーとLEDを有するマルチセンサーディマーの内のいずれか一つであることを特徴とする請求項7に記載のLED駆動制御システム。
【請求項9】
前記比較モジュールは、
前記直流出力オフセット電圧を入力して増幅出力する第1比較器と、
前記直流出力オフセット電圧を非反転端子に入力し、前記第1比較器の出力信号が反転端子に入力される第2比較器と、
前記第2比較器の出力ラインと前記第2比較器の反転端子の間に設置される複数の抵抗素子及びキャパシターと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のLED駆動制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED駆動制御システムに係り、より詳しくは、センサー又は増幅器によるハードウェア的な偏差によってセンサーの感知認識のための基準レベルが適応的に調整されるようにするLED駆動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LED照明装置は、LED照明灯を単にオン/オフすることのみならず、ディミング調節が可能である。
【0003】
大概、電力消費節減の一環としてランプを最大電力又は節減電力等により点灯させるディミング技術は、人や車両等の流動が多い時間又は明るい照光が必要な時間には最大出力によりランプを点灯させ、交通量がほとんどない深夜や明け方には節減出力によりランプを点灯させ、エネルギー節減を期する。
【0004】
複数個のLED照明灯が設置された照明システムは、エネルギー消費を減らすためにLED照明灯の使用及びセンサー技術を活用した自動ディミングシステムを構成している。LED照明灯は、既存の蛍光灯より電力消費量を50%以上減少でき、寿命は3倍以上長く、均一の照度分布を維持できるため、位置によって照度差が激しい既存の蛍光灯地下駐車場に比して快適な環境を提供できる。また、LED照明灯は、IT先端制御システムと融合して多様なスマート照明システム開発が可能なメリットを有する。
【0005】
自動ディミングシステムは、車両感知及び人の動きを感知する別途のセンサーモジュールを用いて車両や人が感知された時、ディミング値を変更して節電を行う。
【0006】
特に、地下駐車場のエネルギー消費を低減するため、LED照明使用及びセンサー技術を活用した自動ディミングシステムを構成した技術及び製品が公開されているが、このようなシステム及び製品の場合、ネットワーク構成のための別途の設備が必要であり、単純な照明交替による自動節電機能を具現するにも単価上昇及び設置工事等が必要になる。
【0007】
先行技術資料として、韓国公開特許第10−2013−0052256号を見ると、LED照明システムに関する技術内容が開示されている。
【0008】
従来のLED照明システムは、対象の動きを感知する第1センシング部、外部の明るさのセンシング照度量を感知する第2センシング部、第1センシング部及び第2センシング部の複数のセンシング信号を増幅する増幅部、増幅部から増幅出力されるセンシング信号の中から予め指定された基準周波数範囲より低い場合、少なくとも1つのセンシング信号を検出して供給する制御部、制御部からセンシング信号を供給されるLED駆動部、LED駆動部により駆動される多数のLEDを有すLED発光部を含む。
【0009】
このようなLED照明システムは、LEDの寿命を延長させつつ消費電力の上昇を抑制でき、LED照明のために用いられる部品を考慮してセンシング時間の間にセンシング照度量を正確に感知してLED発光効率を向上させる。
【0010】
ほとんどの場合、LED照明システムに用いられる動作感知センサーと照度センサーは、動作認識正確度を上げるため、アナログ基準電圧からデジタル値変化をチェックした上で基準電圧を固定の値として設定する。
【0011】
図1は、従来のLED照明システムに適用される基準電圧提供手段を説明する回路図である。
【0012】
図1を参照すると、LED照明システムに適用される増幅モジュール10には、基準電圧提供手段20により固定の基準電圧(例えば、25V)が提供される。
【0013】
一般的に増幅モジュール10の演算増幅器は、入力電圧が0Vである時、出力電圧が0Vとなるべきであるが、実際には入力電圧が0Vの場合、若干の直流出力電圧を有している。このような演算増幅器の直流出力電圧を出力オフセット電圧とし、直流出力オフセット電圧は、入力オフセット電流、入力バイアス電流、入力オフセット電圧等の結果として現れる。
【0014】
増幅モジュール10が基準電圧提供手段20の固定の基準電圧を用いると、演算増幅器から発生する出力オフセット電圧によって偏差が発生し、結果的に増幅モジュール10により増幅されたセンシング信号を入力される制御部は、出力オフセット電圧による偏差によって第1センサー部又は第2センサー部センシング信号に対する正確な感知結果を導き出すことが容易ではなく、又はセンシングエラー(SenSing error)が発生する問題がある。
【0015】
よって、LED照明システムは、センサー又は演算増幅器等の出力オフセット電圧による回路偏差が発生すると動作センサー又は照度センサーの動作認識や照度感知能力が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2013−0052256号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、センサー又は増幅器によるハードウェア的な偏差によりセンサーの感知認識のための基準レベルが適応的に調整されるようにし、周辺照度の状態変化を感知して周辺のLED照明灯がディミング状態を変更できるようにするLED駆動制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
実施例の中において、LED駆動制御システムは、少なくとも一つ以上のLED照明灯を駆動するためのLED駆動制御システムであって、入力電源が供給されると前記LED照明灯に駆動電源を供給する電源モジュールと、対象物の動き又は照度を感知して感知信号を出力する少なくとも一つ以上のセンサーを含むセンサーモジュールと、前記センサーモジュールから出力される感知信号を認識可能なサイズの信号に増幅して出力する増幅モジュールと、前記増幅モジュールによって増幅された感知信号をデジタル信号に変換して出力するアナログ/デジタル変換モジュールと、前記アナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をサンプリングして前記LED照明灯に印加される駆動電源を算出するようにディミング制御、電流及び温度制御、通信機能を行う制御モジュールと、前記制御モジュールのディミング制御によって前記入力電源をスイッチングして前記駆動電源を少なくとも一つ以上のLED照明灯に印加するLED駆動モジュールと、前記センサーモジュール又は増幅モジュール130において発生される直流出力オフセット電圧が入力され、前記直流出力オフセット電圧によって前記センサーモジュールの感知認識のための基準レベルを適応的に変化させる少なくとも一つ以上の比較モジュールと、を含むことを特徴とする。
【0019】
前記制御モジュールは、前記アナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をカウントし、前記カウントした値を予め設定された最大カウント値と比較して前記基準レベルを補正する偏差補正アルゴリズムを行うアルゴリズム実行部と、前記偏差補正アルゴリズムを施す際に必要な値を格納する格納部とをさらに含むことを特徴とする。
【0020】
この際、前記アルゴリズム実行部は、前記第1設定時間の間、前記アナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をカウントして前記カウント値が前記最大カウント値未満の場合、第1全体カウント値を現在カウント値で割った平均値を第1基準レベルと設定する第1設定部と、前記カウント値が前記最大カウント値以上の場合、前記第1全体カウント値に追加されるカウント値を足して第2全体カウント値として更新し、前記第2全体カウント値から前記平均値を引いた第3全体カウント値を算出した後、前記第3全体カウント値を最大カウント値で割った値を第2基準レベルと設定する第2設定部と、前記第1基準レベル又は前記第2基準レベルをアナログ/デジタル変換モジュールから入力されるデジタル信号をカウントした現在カウント値と比較して前記センサーモジュールの感知信号の可否を判断する信号判断部と、を含むことを特徴とする。
【0021】
前記センサーモジュールは、アンテナを用いて対象物の動きを感知するマイクロウエーブ方式、赤外線方式、超音波方式の内のいずれか一つの方式を使用し、前記アンテナは、ロット(Lot)別にスペクトラム分散のための調整ポイント手段を設置することを特徴とする。
【0022】
前記アンテナは、複数個の給電ポイントを含むラインアンテナであって、前記調整ポイント手段は、前記給電ポイントと給電ポイントを少なくとも一つ以上連結して発振周波数が変化されるようにしてスペクトラムを調整することを特徴とする。
【0023】
一方、前記センサーモジュールは、対象物の動きを感知して動作感知信号を出力する動作センサーと前記周辺の照度を感知して照度感知信号を出力する照度センサーを含み、前記照度センサーは、前記動作センサーの動作感知信号が感知されない状態において、前記周辺の照度が基準値以上の場合、照度感知信号を出力し、前記制御モジュールは、前記照度感知信号を送信されて周辺照度の状態変化を認識して自ら制御するLED照明灯のディミングをロー状態からハイ状態へと調節し、前記照度感知信号が入力されないと前記LED照明灯のディミングをロー状態に変更することを特徴とする。
【0024】
前記制御モジュールは、前記LED照明灯の明るさを調節するディミング信号を出力するディマー、及び前記LED照明灯に対する駆動電源のパルス幅変調(PulSe Width Modulation)制御信号を出力するPWM制御器が互換されるように設計されることを特徴とする。
【0025】
前記ディマーは、両方向通信が可能なマスターディマー、マスターディマーからディミング設定信号を受信するスレーブディマー、マスターディマーからディミング設定信号を受信する共にセンサーを有し、感知信号をマスターディマーへ送信するセンサーディマー、センサーとLEDを有すマルチセンサーディマーの内のいずれか一つであることを特徴とする。
【0026】
前記比較モジュールは、前記直流出力オフセット電圧を入力して増幅出力する第1比較器と、前記直流出力オフセット電圧を非反転端子に入力し、前記第1比較器の出力信号が反転端子に入力される第2比較器と、前記第2比較器の出力ラインと前記第2比較器の反転端子の間に設置される複数の抵抗素子及びキャパシターと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明のLED駆動制御システムは、センサー又は増幅器によるハードウェア的な偏差によりセンサーの感知認識のための基準レベルが適応的に調整されるように回路を設計するか、偏差補正アルゴリズムを行うことによってセンサーの感知エラーを最小化し、対象物の動きを感知した動作センサーによって特定LED照明灯がオン動作されると照度センサーにより周辺照度の状態変化を感知して周辺のLED照明灯が順次にオン動作され、対象物の動きに速かに正確に反応できる効果がある。
【0028】
また、本発明のLED駆動制御システムは、センサーモジュールに内蔵されたアンテナにスペクトラム調整のための調整ポイント手段を設置することによって周波数干渉を最小化してセンサー感知能力をさらに向上できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来のLED照明システムに適用される基準電圧提供手段を説明する回路図である。
【
図2】本発明の一実施例によるLED駆動制御システムを説明するブロック図である。
【
図3】
図2の制御モジュールを説明するブロック図である。
【
図4】
図2の比較モジュールを説明する回路図である。
【
図5】
図2のセンサーモジュールのアンテナを説明する印刷回路基板を示した図である。
【
図6】本発明の一実施例によるLED駆動制御システムの偏差補正アルゴリズムを説明する順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に関する説明は、構造的、及び機能的説明のための実施例に過ぎないため、本発明の権利範囲は、本文に記載の実施例によって制限されると解釈してはならない。即ち、実施例は、多様な変更が可能であり、様々な形態を有すことができるため、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現できる複数の均等物を含むと理解されるべきである。また、本発明において、提示した目的又は効果は、特定の実施例がこの全部を含む必要があるか、そのような効果のみを含むべきであるといった意味ではないため、本発明の権利範囲はこれによって制限されると理解してはならない。
【0031】
一方、本発明において述べられる用語の意味は、次のように理解されるべきである。
【0032】
「第1」、「第2」等の用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであり、これらの用語により権利範囲が限定されてはならない。例えば、第1構成要素は、第2構成要素と命名され、類似に第2構成要素も第1構成要素と命名されることがある。
【0033】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いると言及される際には、他の構成要素に直接に連結され得るが、中間にさらに他の構成要素が存在する可能性もあると理解されるべきである。それに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いると言及される際には、中間にさらに他の構成要素が存在しないと理解されるべきである。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、つまり、「〜の間に」と「すぐ〜の間に」又は、「に隣接する」と「〜に直接隣接する」等も同じように理解されるべきである。
【0034】
単数の表現は、文脈上、異なる意味を有すことが明らかでない限り、複数の表現を含むと理解されるべきであり、「含む」又は「有す」等の用語は、記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在することを示すものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
【0035】
各段階において、識別符号(例えば、a、b、c等)は、説明の便宜の為に用いられ、識別符号は、各段階の順序を説明するものではなく、各段階は、文脈上、明らかに特定の順序を記載しない以上、記載された順序とは異なる順序により行われる可能性がある。つまり、各段階は、記載された順序とおり行われることもあり、実質的に同時に行われる可能性もあり、逆順序により行われることもある。
【0036】
ここで、用いられるあらゆる用語は、異なる意味に定義されない限り、本発明が属する分野において通常の知識を有した者により一般的に理解されることと同様な意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されている用語は関連技術の文脈上に有す意味と一致すると解釈されるべきである。
【0037】
図2は、本発明の一実施例によるLED駆動制御システムを説明するブロック図である。
【0038】
図2を参照すると、少なくとも一つ以上のLED照明灯を駆動するためのLED駆動制御システム100は、電源モジュール110、センサーモジュール120、増幅モジュール130、アナログ/デジタル変換モジュール140、制御モジュール150、LED駆動モジュール160及び比較モジュール170を含む。
【0039】
電源モジュール110は、SMPS(SwitChed Mode Power Supply)として、入力電源が供給されるとLED照明灯101に駆動電源を供給する。このような電源モジュール110は、制御モジュール150において生成されたディミング信号により駆動され、スイッチングモード電源を供給してLED照明灯101を安定的に使用できる5VDC未満の電源を供給する。
【0040】
センサーモジュール120は、対象物の動きを感知する動作センサー又は照度を感知する照度センサーを含み、動作センサーと照度センサーによって感知信号が出力される。動作センサーは、アンテナを用いて対象物の動きを感知するマイクロウエーブ方式、赤外線(PIR、Pyroelectric Infrared)方式、超音波方式の内のいずれか1つの方式を使用する。
【0041】
増幅モジュール130は、少なくとも一つ以上の演算増幅器を含み、センサーモジュール120から出力される感知信号を認識可能なサイズの信号に増幅して出力する。
【0042】
アナログ/デジタル変換モジュール140は、増幅モジュール130により増幅された感知信号をデジタル信号に変換して制御モジュール150に出力する。
【0043】
制御モジュール150は、アナログ/デジタル変換モジュール140から入力されるデジタル信号をサンプリングしてLED照明灯に印加する駆動電源を算出するようにパルス幅変調のディミング制御動作を行うことによって少なくとも一つ以上のLED照明灯101のディミング制御、電流及び温度制御、通信機能を行う。
【0044】
制御モジュール150は、ディマー、及びPWM制御器が互換されるように設計され、LED照明灯101の駆動に適合した定電流を供給する。このような制御モジュール150は、ディミングデコーダーにより広範囲のディミング制御動作を行う。
【0045】
一方、ディマーは、電源モジュール110から送信される電流供給量を制御してLED照明灯101の明るさを調節するディミング信号を出力する。このようなディマーは、様々なタイプからなることができるが、両方向の通信が可能であるマスターディマー、マスターディマーからディミング設定信号を受信するスレーブディマー、マスターディマーからディミング設定信号を受信すると同時にセンサーを含み、感知信号をマスターディマーに送信するセンサーディマー、センサーとLEDを含むマルチセンサーディマー等を含む。
【0046】
マルチセンサーディマーは、自己グループと隣接したグループの間の隣接した位置に設置され、センサーにより感知された感知信号を自己グループのマスターディマーに送信するのみならず隣接したグループのマスターディマーにも送信する。また、マルチセンサーディマーは、マスターディマーからディミング設定信号を受信する。
【0047】
よって、制御モジュール150は、動作センサーにより対象物の動きが感知されるとディミングをロー(Low)状態からハイ(High)状態へと調整する。また、制御モジュール150は、自身の動作センサーから動作感知信号が感知されないが、照度センサーにより周辺の照度が基準値(例えば、200Hz)以上であると感知すると、周辺照度の状態変化を認識し、自身が制御するLED照明灯101のディミングをロー(Low)状態からハイ(High)状態へと調整する。
【0048】
制御モジュール150のPWM制御器は、4kHzでPWM動作を行い、ディミング状態変化時、200HzのPWM制御により照明のオン/オフを行う。
【0049】
制御モジュール150は、ディマーとPWM制御器の互換により動作センサーが対象物の動き速度又はサイズによって動作感知するか、又は認識能力に限界があるため、これを補完するために照度センサーにより光通信を介して周辺ディマーの照明を制御する。
【0050】
すなわち、動作センサーにより第1LED照明灯がオン動作された場合、前記ディマーにより200Hz、デューティー(Duty)50%により自身が管理する第1LED照明灯のディミングを制御する。従って、第1LED照明灯の一定の範囲内にある照度センサーは光通信を介して200Hzの信号を感知して自身のディマーにより照度感知信号を出力し、照度感知信号を入力されたディマーは、自身が管理するLED照明灯のディミングをロー状態からハイ状態へと調節する。
【0051】
一方、照度センサーは、デューティー45%以下の周辺照度状態においては照度感知信号を発生しないため、ディマーは照度感知信号がこれ以上入力されないとLED照明灯をハイ状態からロー状態にディミング調節する。
【0052】
LED駆動モジュール160は、制御モジュール150のディミング制御動作によって電源モジュール110の入力電源をスイッチングして駆動電源を少なくとも一つ以上のLED照明灯101に印加する。
【0053】
比較モジュール170は、センサーモジュール120又は増幅モジュール130から発生する直流出力オフセット電圧が入力され、直流出力オフセット電圧によってセンサーモジュール120の感知認識のための基準レベルを適応的に変化させる。
【0054】
図3は、
図2の制御モジュールを説明するブロック図である。
【0055】
図3を参照すると、制御モジュール150はアルゴリズム実行部151と格納部152を含む。
【0056】
アルゴリズム実行部151は、アナログ/デジタル変換モジュール140から入力されるデジタル信号をサンプリングしてカウントし、カウントした値C
1を予め設定された最大カウント値C
max(例えば、10000回)と比較して基準レベルを補正する偏差補正アルゴリズムを行う。
【0057】
アルゴリズム実行部151は、第1設定部151a、第2設定部151b及び信号判断部151cを含む。
【0058】
第1設定部151aは、第1設定時間(例えば、40秒)の間、前記アナログ/デジタル変換モジュール140から入力されるデジタル信号をカウントして現在カウント値C
1が最大カウント値C
max未満の場合、第1全体カウント値C
total1を現在カウント値C
1で割った平均値を第1基準レベルL
ref1として設定する。
【0059】
第2設定部151bは、現在カウント値C
1が最大カウント値C
max以上の場合、最大カウント値C
maxを超える新しいカウント値C
newを第1全体カウント値C
total1に足して第2全体カウント値C
total2として更新し、第2全体カウント値C
total2から平均値L
ref1を引いた第3全体カウント値C
total3を算出した後、第3全体カウント値C
total3を最大カウント値C
maxで割った値を第2基準レベルL
ref2として設定する。
【0060】
信号判断部151cは、センサーモジュール120の感知信号であるアナログ/デジタル変換モジュール140から入力されるデジタル信号をカウントしたカウント値C
currentを第1基準レベルレベルL
ref1又は第2基準レベルL
ref2と比較して、C
currentが第1基準レベル又は第2基準レベル以上の場合、センサーモジュール120の感知信号と判断する。
【0061】
仮に、信号判断部151cは、C
currentが第1基準レベルレベルL
ref1又は第2基準レベルL
ref2未満の場合、アナログ/デジタル変換モジュール140により入力されるデジタル信号をセンサーモジュール120の感知動作による信号と認識しない。
【0062】
格納部152は、偏差補正アルゴリズムを実行の際、必要な最大カウント値、現在カウント値、全体カウント値、更新される値を格納する。
【0063】
他の実施例として、アルゴリズム実行部151は、動作センサー又は照度センサーに対する自動チェックアルゴリズムを行う。この時、自動チェックアルゴリズムは、各センサーの機能が正常であるかを確認するアルゴリズムとして、特に動作センサーの場合、誤動作によって発振し続けるようになると、感知エラーが発生するため、周期的に動作センサーの正常動作可否をチェックする。自動チェックアルゴリズムは、量産する際、作業者が留守中であっても動作センサーの機能を自動的にチェックでき、生産性、システム性能及び品質を向上できる。
【0064】
図4は、
図2の比較モジュールを説明する回路図である。
【0065】
図4を参考すると、比較モジュール170は、第1比較器U6Aの非反転(+)端子にセンサーモジュール120の信号、つまり出力オフセット電圧が入力され、第2比較器U6Bの非反転端子に出力オフセット電圧が入力される同時に反転(−)端子に第1比較器U6Aの出力信号が入力される。
【0066】
第2比較器U6Bの反転端子と出力ラインの間に連結しているR231、R232、R233の抵抗、キャパシターC226及びR13の抵抗を用いて出力オフセット電圧によって適応的にセンサーモジュール120の感知認識のための基準レベルが調整できる。この時、R231、R232、R233の抵抗は並列に連結される。
【0067】
この時、基準レベルが変化すると、センサーモジュール120の感知能力も変わるが、ハードウェア的な偏差によって基準レベルを適応的に調整することによっていかなる環境においてもセンサーモジュール120の感知能力が変わらないようにする。
【0068】
よって、センサーモジュール120又は増幅モジュール130において発生する偏差を最小化できるためセンサーモジュール120の感知エラーを減らすことができ、センサーの量産過程又はセンサーの周辺環境の変化に対する適応性を高めることができる。
【0069】
図5は、
図2のセンサーモジュールのアンテナを説明する印刷回路基板を示した図である。
【0070】
図5を参照すると、センサーモジュール120の動作センサーがマイクロウエーブ方式を用いる場合、マイクロウエーブの干渉を最小化するため、アンテナ121にロット(Lot)別にスペクトラム分散のための調整ポイント手段(121a、121b)を設置する。
【0071】
この際、アンテナ121は、複数個の給電ポイントを含むラインアンテナであり、調整ポイント手段(121a、121b)は、給電ポイントと給電ポイントを少なくとも1つ以上連結して発振周波数を変化できるようにしてスペクトラムが調節されるようにする。
【0072】
調整ポイント手段(121a、121b)は、お互い連結される給電ポイントを変更すると、連結間隔が変り、それによってマイクロウエーブの発振周波数が変わり、相互干渉を減少できる。
【0073】
図6は、本発明の一実施例によるLED駆動制御システムの偏差補正アルゴリズムを説明する順序図である。
【0074】
図6を参照すると、偏差補正アルゴリズムは、アナログ/デジタル変換モジュール140がオン動作されると、アナログ/デジタル変換モジュール140のサンプリング時間を第1設定時間とし、第1設定時間の間サンプリングのデジタル値をカウントして最大カウント値C
maxを概略10000回と設定する。(S1、S2)
【0075】
偏差補正アルゴリズムは、アナログ/デジタル変換モジュール140から入力されるデジタル信号をカウントして現在カウント値C
1が最大カウント値C
max未満の場合、数式1を用いて平均値を求め、この平均値を第1基準レベルL
ref1として設定する。(S3、S4、S5)
【0076】
[数1]
L
ref1=C
total1/C
1
【0077】
偏差補正アルゴリズムは、現在カウント値C
1が最大カウント値C
max以上の場合、数式2を用いて第2基準レベルL
ref2を設定する。(S4、S6)
【0078】
[数2]
C
total2=C
total1+C
new
C
total3=C
total2−L
ref1
L
ref2=C
total3/C
max
【0079】
偏差補正アルゴリズムは、アナログ/デジタル変換モジュール140から入力されるデジタル信号をカウントしたカウント値C
currentが最大カウント値C
max未満の場合、第1基準レベルL
ref1と比較し、C
currentが最大カウント値C
max以上の場合、第2基準レベルL
ref2と比較する。(S7)
【0080】
偏差補正アルゴリズムは、C
currentが第1基準レベルL
ref1又は第2基準レベルL
ref2以上の場合、センサーモジュール120の感知信号を認識するが、C
currentが第1基準レベルL
ref1又は第2基準レベルL
ref2未満の場合、アナログ/デジタル変換モジュール140により入力されるデジタル信号をセンサーモジュール120の感知動作による信号と認識しないことになる。(S8、S9)
【0081】
このように、本発明の一実施例によるLED駆動制御システム100は、比較モジュール170又は制御モジュール150の偏差補正アルゴリズムを用いて回路偏差に適応的にセンサーモジュール120の感知認識のための基準レベルを調整する。
【0082】
すなわち、LED駆動制御システム100は、比較モジュール170によりセンサーモジュール120の出力オフセット電圧によるセンサーモジュール120の感知エラーを最小化でき、偏差補正アルゴリズムによりセンサーモジュール120と増幅モジュール130を含む回路全体の出力オフセット電圧による全体エラーを最小化できる。
【0083】
よって、LED駆動制御システム100は、比較モジュール170を介した基準レベル調整を基本動作として行い、偏差補正アルゴリズムにより基準レベル調整を選択的に行うことができる。LED駆動制御システム100は、センサーモジュール120の精密度及び正確度を向上させるためには比較モジュール170と偏差補正アルゴリズムによる基準レベル調整動作をいずれも行うことができる。
【0084】
上記においては、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野当業者は、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から離れない範囲内において本発明を多様に修正及び変更できることが理解できる。
【符号の説明】
【0085】
10 増幅モジュール
20 基準電圧提供手段
100 LED駆動制御システム
101 LED照明灯
110 電源モジュール
120 センサーモジュール
121 アンテナ
121a、121b 調整ポイント手段
130 増幅モジュール
140 アナログ/デジタル変換モジュール
150 制御モジュール
151 アルゴリズム実行部
151a 第1設定部
151b 第2設定部
151c 信号判断部
152 格納部
160 LED駆動モジュール
170 比較モジュール
【要約】
【課題】センサー又は増幅器によるハードウェア的な偏差によりセンサーの感知認識のための基準レベルが適応的に調整されるようにする。
【解決手段】本発明においては、センサー又は増幅器によるハードウェア的な偏差によりセンサーの感知認識のための基準レベルが適応的に調整されるように回路を設計するか、偏差補正アルゴリズムを行うことによってセンサーの感知エラーを最小化し、動作センサーによって特定のLED照明灯がオン動作されると照度センサーにより周辺照度の状態変化を感知して周辺のLED照明灯が順次にオン動作され、対象物の動きに速やかに、また正確に反応することができる。
【選択図】
図2