特許第5982564号(P5982564)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5982564船舶用抵抗低減装置、これを製作する製作ユニット及び製作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982564
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】船舶用抵抗低減装置、これを製作する製作ユニット及び製作方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 15/00 20060101AFI20160818BHJP
   B63B 9/06 20060101ALI20160818BHJP
   B63B 25/00 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   B63B15/00 B
   B63B9/06 C
   B63B25/00 101K
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-514933(P2015-514933)
(86)(22)【出願日】2013年6月11日
(65)【公表番号】特表2015-517957(P2015-517957A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】KR2013005108
(87)【国際公開番号】WO2013187651
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2014年11月27日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0064306
(32)【優先日】2012年6月15日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0101874
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0101863
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0108361
(32)【優先日】2012年9月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514250621
【氏名又は名称】サムスン ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,サン ベ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウォン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒテク
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェ クァン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,キ ボク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,サン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,チャン ドン
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−153489(JP,A)
【文献】 実開昭63−000994(JP,U)
【文献】 特開2007−253976(JP,A)
【文献】 実開昭60−075193(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0016429(US,A1)
【文献】 特表2013−523525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 15/00
B63B 9/06
B63B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の船首デック上に設置されたフレーム部と;
前記船舶に積載した貨物に作用する流体による抵抗を低減させるように、前記フレーム部間の空間をカバーする複数のパネルと;を含み、
前記フレーム部は、前記船舶の船首側ブルワーク(bulwark)と連結される鉄骨構造物である骨組フレームを含むことを特徴とする
船舶用抵抗低減装置。
【請求項2】
前記フレーム部は、前記骨組フレームに支持され、格子形状を成し、前記パネルが結合されるパネルフレームと、
前記骨組フレームまたは前記パネルフレームに連結され、抵抗低減装置の外郭を成す外郭フレームと、
前記外郭フレームの下部フレームの中心点と上部フレームの終端を連結する対角フレームと、をさらに含むことを特徴とする
請求項に記載の船舶用抵抗低減装置。
【請求項3】
前記外郭フレームは、前記船舶のxy平面上で船首の形状を有する曲線または直線よりなる下部フレームと、
前記船舶のxz平面上で前記下部フレームの幅より小さい幅を有する曲線または直線よりなる上部フレームと、
前記上部フレームの終端と前記下部フレームの終端を連結する曲線または直線よりなる側部フレームと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の船舶用抵抗低減装置。
【請求項4】
前記フレーム部の側部フレームと骨組フレームが前記船舶のブルワーク構造材の延長方向に一致するように配置され、前記船舶のブルワーク上板の上面が前記下部フレームの底面に面接触することを特徴とする請求項に記載の船舶用抵抗低減装置。
【請求項5】
前記パネルは、板形状で互いに端部の一部が重なりながら連続的に組合されるか、または前記フレーム部のパネルフレームの側部に形成されたパネル締結溝に結合されることを特徴とする請求項1に記載の船舶用抵抗低減装置。
【請求項6】
抵抗低減装置の上端幅及び高さは、それぞれ前記船舶の船首側最先端コンテナの最大積載高さ及び最大積載幅に対して50〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の船舶用抵抗低減装置。
【請求項7】
前記フレーム部には、ラグ及び足場がさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の船舶用抵抗低減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用抵抗低減装置、これを製作する製作ユニット及び製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、船舶が航行する場合、船舶は、水、波による抵抗とともに、空気や風による抵抗を受ける。実際に空気抵抗は、船舶の燃費を悪化させ、船舶の最高速度を低下させることができ、船舶の操縦性能を低下させる要因として作用している。特に、超大型コンテナ船舶、貨物運搬船などのように、水面上の主船体及び貨物の積載形状が直方体に近く、水面上から高い位置に露出し、風圧面積が大きい船舶の場合には、空気、風、船舶が水面とぶつかりながら船首側に越えて来るグリーンウォーター(green water)による抵抗が非常に大きいため、船首側に加重される抵抗を多く受ける。
【0003】
例えば、コンテナ船舶は、上部デック(upper deck)に貨物または高い構造物が多い場合、運航時の空気抵抗によって燃料消耗率が高くて、常時コンテナを積んで運航するので、他の船舶に比べて空気抵抗による燃料消耗率が高い。
【0004】
このような船首にエアスポイラー、エアデフレクターのような抵抗低減装置を設置すれば、空気力学的設計効果で燃費向上をもたらすことができる。一例として、特許文献1には、船体空気抵抗を低減するために、船首部分に設置された船舶用エア(またはウィンド)デフレクターに対する技術が開示されている。
【0005】
このような抵抗低減装置は、強い風圧に耐えなければならないので、強度が非常に重要であり、このために金属加工及び溶接による金属構造物形態の抵抗低減装置の製作が行われることがある。しかし、この場合、抵抗低減装置の製作が容易であるが、大型化されるほど、重量が増加し、輸送及び設置作業の作業効率性が劣ることがある。
【0006】
このような問題点を解決するために、抵抗低減装置の製作に複合材料が使用され得る。しかし、自動車用抵抗低減装置のように金型を利用した一体成形や航空機製作技術のような加温加圧成形法などの従来の製作方法とは異なって、複合材料よりなる単一構造物として一体成形で製作された船舶用抵抗低減装置を製作することは非常に難しい。
【0007】
また、複合材料は、溶接熱に弱いので、溶接作業を通じて抵抗低減装置を製作するか、または船体に装着することが容易ではない。そして、風力発電機のブレードの製作と類似の常温加圧成形法で製作することは、費用に比べて効果面で現実性が不足である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国登録特許第4843997号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施例は、船舶の空気、風、グリーンウォーターなどの流体による抵抗を低減し、燃費を向上させることができる船舶用抵抗低減装置、これを製作する製作ユニット及び製作方法を提供する。
【0010】
また、船舶の船首デック上に設置されたフレーム部と、船舶に積載した貨物に作用する流体による抵抗を低減させるように、フレーム部間の空間をカバーするように軽量のパネルを具備し、フレーム支持用柱を立てることなく、船首の空気、風、グリーンウォーターなどのような流体の荷重に耐えることができ、軽量化されて船舶の燃費を減少させることができる船舶用抵抗低減装置、これを製作する製作ユニット及び製作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、船舶の船首デック上に設置されたフレーム部と;前記船舶に積載した貨物に作用する流体よる抵抗を低減させるように、前記フレーム部間の空間をカバーする複数のパネルと;を含む船舶用抵抗低減装置が提供される。
【0012】
フレーム部は、前記船舶の船首側ブルワーク(bulwark)と連結され、荷重を支持する骨組フレームを含む。
【0013】
フレーム部は、前記骨組フレームに支持され、格子形状を成し、前記パネルが結合されるパネルフレームと、前記骨組フレームまたは前記パネルフレームに連結され、抵抗低減装置の外郭を成す外郭フレームと、前記外郭フレームの下部フレームの中心点と上部フレームの終端を連結する対角フレームとをさらに含む。
【0014】
前記外郭フレームは、前記船舶のxy平面上で船首の形状を有する曲線または直線よりなる下部フレームと、前記船舶のxz平面上で前記下部フレームの幅より小さい幅を有する曲線または直線よりなる上部フレームと、前記上部フレームの終端と前記下部フレームの終端を連結する曲線または直線よりなる側部フレームとを含む。
【0015】
前記フレーム部の側部フレームと骨組フレームが前記船舶のブルワーク構造材の延長方向に一致するように配置され、前記船舶のブルワーク上板の上面が前記下部フレームの底面に面接触する。
【0016】
前記パネルは、板形状で互いに端部の一部が重なりながら連続的に組み合わせられるか、または前記フレーム部のパネルフレームの側部に形成されたパネル締結溝に結合され得る。
【0017】
抵抗低減装置の上端幅及び高さは、それぞれ前記船舶の船首側の最先端コンテナの最大積載高さ及び最大積載幅に対して50〜80%であることができる。
【0018】
前記フレーム部には、ラグ及び足場がさらに設けられる。
【0019】
本発明の他の側面によれば、船舶の船首デック上に設置されたフレーム部と;前記船舶に積載した貨物に作用する流体による抵抗を低減させるように、前記フレーム部間の空間をカバーする複数のパネルと;前記パネル間の連結のために前記パネルの一部が挿入され、前記フレーム部によって下側が支持される挿入フレームと;を含む船舶用抵抗低減装置が提供される。
【0020】
前記挿入フレームは、前記パネルの端部側が挿入される挿入溝を含み、前記パネルが挿入される前記挿入溝の入口側の直径は、前記パネルの厚さより小さく形成され、前記パネルが圧入される方式で前記挿入溝に挿入される。
【0021】
前記挿入溝は、内側方向に行くほど内径が大きくなり、終端で内径が狭くなるように形成され得る。
【0022】
前記フレーム部の上部に配置された両方の挿入フレームの一側は、前記挿入溝が形成された開放された形状であり、他側は、互いに対面するように配置され得る。
【0023】
前記フレーム部の上部に配置された両方の挿入フレームは、相互間の他側の間に充填された溶接用金属によって溶接接合され得る。
【0024】
前記挿入フレームに挿入固定される前記パネルの外面には、接着層と前記接着層上部の繊維層が形成され得る。
【0025】
前記フレーム部の一側から他側に前記パネルまたは前記挿入フレームを貫通するように締結され、前記フレーム部と前記パネルまたは前記挿入フレームを結合させる締結手段をさらに含む。
【0026】
前記挿入フレームと前記フレーム部は、一体に形成され得る。
【0027】
前記パネルは、複合材料で製作され得る。
【0028】
本発明のさらに他の態様によれば、前記フレーム部によって支持される前記挿入フレームの挿入溝に前記パネルを挿入させる段階と;前記フレーム部と前記挿入フレームを貫通するように締結手段を締結させて、前記フレーム部と前記挿入フレームを結合させる段階と;前記挿入フレーム間の隙間に溶接用金属を充填させる段階と;前記溶接用金属を利用して溶接作業を行い、前記挿入フレームを互いに接合させる段階と;を含む船舶用抵抗低減装置の製作方法が提供される。
【0029】
前記挿入フレームの挿入溝に前記パネルを挿入させる段階は、前記挿入溝に挿入される前記パネルの外面に接着層と前記接着層上部の繊維層を形成する段階を含む。
【0030】
本発明のさらに他の態様によれば、船舶の船首デック上に設置されたフレーム部と、前記船舶に積載した貨物に作用する流体による抵抗を低減させるように、前記フレーム部間の空間をカバーする複数のパネルとを含む船舶用抵抗低減装置を製作するための船舶用抵抗低減装置の製作ユニットにおいて、ヘッドと締結溝が形成された胴体を含み、前記パネルと前記パネルの少なくとも一部を下側で支持し、前記パネルを互いに連結させるフレーム部が接着された状態で、前記パネルと前記フレーム部を貫通して締結される締結部材と;加圧部と、前記加圧部から延長形成された被押圧部を含み、前記加圧部の貫通されたホールに結合された結合軸を前記締結溝に締結した状態で、前記被押圧部に力が加えられれば、前記加圧部によって前記フレーム部を加圧してロック状態になるハンドル部と;を含む船舶用抵抗低減装置の製作ユニットが提供され得る。
【0031】
前記加圧部は、前記フレーム部を加圧する部位が曲面形状に設けられる。
【0032】
前記パネルと前記フレーム部の貫通ホールに挿入される中空の密封部材と、前記パネルの上部に前記貫通ホールに対応するように付着される第1ワッシャーとをさらに含み、前記締結部材は、前記第1ワッシャーを通じて前記密封部材に挿入され得る。
【0033】
前記密封部材に挿入された前記締結部材にそれぞれ順次に締結される第2ワッシャーと、加圧スプリング及び第3ワッシャーをさらに含み、前記ハンドル部が前記締結部材に結合され、前記被押圧部に力が加えられれば、前記加圧部によって前記加圧が行われるように前記第3ワッシャーを押圧し、前記加圧スプリングに力を伝達することができる。
【0034】
本発明のさらに他の態様によれば、(a)前記パネルと前記フレーム部を接着させた状態で、前記パネルと前記フレーム部を貫通するように前記締結部材を締結させる段階と;(b)前記締結部材に前記ハンドル部を結合させる段階と;(c)前記ハンドル部に力を加えて前記加圧部によって前記フレーム部を加圧してロックする段階と;を含む船舶用抵抗低減装置の製作方法が提供され得る。
【0035】
前記(c)段階の後に、前記パネル間の隙間に接着剤を塗布する段階をさらに含み、前記接着剤が硬化した後、前記締結部材から前記ハンドル部は結合解除され得る。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施例による船舶用抵抗低減装置、これを製作する製作ユニット及び製作方法は、船舶の空気、風、グリーンウォーターによる抵抗を低減し、燃費を向上させることができる。
【0037】
また、柱に支持されない代わりに、船首側ブルワーク構造材に連結された格子型のフレーム部と、フレーム部間の空間をカバーするパネルによって船舶に積載された貨物の正面部を傾きに塞いで、空気抵抗を効果的に減らすことができる。
【0038】
また、格子型のフレーム部の間にメンブレイン形状のパネルが連結されているので、スチール構造物に対して相当量の重量節減効果をもたらすことができる。
【0039】
また、フレーム部としてブルワーク構造材に連結された骨組フレームと、骨組フレームに支持されるパネルフレームと、骨組フレームに連結される対角フレームを提供しながら、パネルフレームのサイズをできるだけ同一に製作し、パネルの種類を最小化することによって、パネルの製作容易性及び搭載方法を容易にすることができる利点がある。
【0040】
また、船舶に積載する貨物であるコンテナの正面部の幅と高さに対応するように抵抗低減装置の形状決定要素である主要形状寸法を定めた状態で実験し、燃費効率を極大化させることができる抵抗低減装置の主要形状寸法を提供することができる長所がある。
【0041】
また、フレーム部には、ラグ及び足場がさらに設けられていて、抵抗低減装置の搭載及び脱着が容易であり、定期的な検査及び部分的補修時にもユーザの接近性を高めることができる。
【0042】
また、抵抗低減装置の下部フレームを溶接によって固定させるか、または船舶のブルワーク上板をボルト及びナットで分解組立可能に結合させることができるので、抵抗低減装置の搭載または解体を容易に行うことができる。
【0043】
また、パネルが挿入固定された挿入フレームを下側のフレーム部によって連結させる方式で抵抗低減装置を形成することによって、船体空気抵抗を低減して燃費を節減させ、作業性の向上及び軽量の強度強い抵抗低減装置を製作することができる。
【0044】
また、抵抗低減装置の製作ユニットを利用してパネルとフレーム部がさらに堅固に結合されるようにし、且つ抵抗低減装置製作の簡便性及び効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の実施例による船舶の抵抗低減装置が船舶に適用された状態を示す使用状態図である。
図2図1に示された抵抗低減装置のフレーム部及びパネルを示す斜視図である。
図3図1に示された抵抗低減装置の内側形状を示す斜視図である。
図4図1に示された抵抗低減装置のグリーンウォーター荷重位置を示す斜視図である。
図5図4に示された応力に対する解釈結果を示すグラフである。
図6図1に示された抵抗低減装置の形状決定要素である主要形状寸法を示す図である。
図7図1に示された抵抗低減装置の形状決定要素である主要形状寸法を示す図である。
図8図1に示された抵抗低減装置の形状決定要素である主要形状寸法を示す図である。
図9図6図8の主要形状寸法によって正面部に作用する空気抵抗の比率を示す解釈図である。
図10図2に示されたフレーム部のラグ及び足場を示す斜視図である。
図11図1に示された抵抗低減装置の連結方法を示す分離斜視図である。
図12図2に示されたフレーム部とパネル間の結合形態を示す断面図である。
図13図2に示されたフレーム部とパネル間の結合形態を示す断面図である。
図14図2に示されたフレーム部とパネルがボルトによって結合された形態を示す断面図である。
図15図2に示されたフレーム部の上部にパネルを固定させる挿入フレームが設けられた形態を示す断面図である。
図16図15に示された挿入フレームとこれに挿入固定されたパネルの一部を拡大した断面図である。
図17図15に示された挿入フレーム及びパネルの終端が矢先形状に形成されたことを示す断面図である。
図18図15に示されたパネルが一定の曲率を有する形状の場合、当該パネルが挿入される挿入フレームの形態を示す断面図である。
図19図2に示されたフレーム部とパネルが抵抗低減装置の製作ユニットによって結合された形態を示す断面図である。
図20図2に示されたフレーム部とパネルが抵抗低減装置の製作ユニットによって結合された形態を示す断面図である。
図21図19図20に示された抵抗低減装置の製作ユニットの分解斜視図である。
図22図21に示された抵抗低減装置の製作ユニットを利用してパネルとフレーム部を結合させる過程を示す断面図である。
図23図21に示された抵抗低減装置の製作ユニットを利用してパネルとフレーム部を結合させる過程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、本発明の実施例を添付図面を参照して詳しく説明する。
【0047】
図1は、本発明の実施例による船舶の抵抗低減装置が船舶に適用された状態を示す使用状態図である。
【0048】
図1を参照すれば、本発明の実施例による抵抗低減装置100は、船舶10の船首側のデック上部に設置され得る。例えば、船舶10は、超大型コンテナ船舶を含むが、これに限定されない。抵抗低減装置100は、船舶10の航行中に空気、水(例えば、グリーンウォーター)、風による抵抗を阻止するかまたは減少させて、船舶10の燃費を向上させる。また、船舶10の最高速度低下を防止するか、または船舶10の操縦性能の効率性を高めることができる。
【0049】
抵抗低減装置100は、船舶10の船首形状と対応するように設けられ、前方から後方に行くほど幅が大きくなる形状に形成され得る。ここで、コンテナ20は、抵抗低減装置100の設置位置から一定の距離をもって離隔するように後方側に積載される。抵抗低減装置100は、コンテナ20を積載できない船首側の空間に適切に配置され、コンテナ20の積載効率を低下させることなく、空気抵抗などを効果的に低減し、燃費を向上させることができる。
【0050】
本発明の実施例による船舶の抵抗低減装置100は、船舶10の上部デック(Upper deck)の上方に突出した船首側ブルワーク(Bulwark)構造材11と抵抗低減装置100のフレーム部110の骨組フレームを互いに一致するように連結させることによって、抵抗低減装置100が船舶10の船体(hull)に堅固に結合され得る。
【0051】
このように堅固に結合された抵抗低減装置100は、別途の柱を使用せずに、空気、風、グリーンウォーターのような各種荷重に耐えることができ、自体荷重による垂れが生じない。また、抵抗低減装置100によって覆われる内側空間に各種船舶用意匠品の設置及び使用が可能である。
【0052】
図2は、図1に示された抵抗低減装置のフレーム部及びパネルを示す斜視図である。図2を参照すれば、本実施例は、船舶の船首のデック上に格子形状に配置され、船首のブルワーク構造材11の終端に連結されたフレーム部110と、フレーム部110間の空間をカバーし、抵抗低減装置100の形状を成す複数のパネル120とを含む。複数のパネル120は、連続的にフレーム部110の間に配列及び結合されることによって、フレーム部110間の空間を仕上げる。フレーム部110は、骨組フレーム111、パネルフレーム112、113、対角フレーム114、115、外郭フレーム116、117、118、119を含む。
【0053】
フレーム部110は、船舶の船首側ブルワークと連結されるものであって、さらに詳細には、フレーム部110の骨組フレーム111は、ブルワーク構造材11とそれぞれ連結され得、I字、L字、H字ビームのような鉄骨構造物を意味する。
【0054】
また、具体的な連結方法としては、骨組フレーム111を船舶のブルワーク構造材11と一致した状態で溶接によって固定させるか、または、図11に示されたように、骨組フレーム111を船舶のブルワーク構造材11と一致した状態で積層された下部フレーム117とブルワーク上板12をボルト及びナットで分解組立可能に結合させることができる。
【0055】
パネルフレーム112、113は、骨組フレーム111に支持され、横方向と縦方向が交差して格子形状を成すように多数個が具備され得る。また、パネルフレーム112、113は、パネル120が嵌着されるか、または接着剤、溶接金属などが充填されるパネル締結溝を有するか、リベットまたはボルトなどの締結のためのパネル締結孔を多数個有する。パネルフレーム112、113のパネル締結溝またはパネル締結孔は、パネル120の設置後にシーリングによって密封処理され得る。この際、パネル120は、接着剤、リベット、ボルトのうちいずれか1つを含む締結具でフレーム部110に連結または結合され得る。
【0056】
対角フレーム114、115は、下部フレーム117の中心点と上部フレーム116の終端を連結する曲線または直線よりなる。両方の対角フレーム114、115と上部フレーム116間の空間は、傾いた平板形態に形成され、空気、風などの流体抵抗を低減することができる。
【0057】
外郭フレーム116、117、118、119は、骨組フレーム111またはパネルフレーム112、113に連結され、抵抗低減装置100の外郭を成す役目を担当する。外郭フレーム116、117、118、119は、船舶のxy平面上で船首の形状を有する曲線または直線よりなる下部フレーム117と、船舶のxz平面上で下部フレーム117の幅より小さい幅を有する曲線または直線よりなる上部フレーム116と、上部フレーム116の終端と下部フレーム117の終端を連結する曲線または直線よりなる側部フレーム118、119とを含む。
【0058】
前述したようなパネルフレーム112、113、対角フレーム114、115及び外郭フレーム116、117、118、119は、骨組フレーム111に連結され、フレーム部110を成すようになり、船舶の船体構造物であるブルワーク構造材11及びブルワーク上板を通じて船体に堅固に設置され得る。特に、主要荷重は、骨組フレーム111及びブルワーク構造材11及びブルワーク上板を通じて船体側に分散することによって、船舶に印加される各種荷重にもパネル120を堅固に支持することができる。
【0059】
パネル120の形状は、四角形、三角形だけでなく、その他の多角形形状などを含む。また、パネル120は、曲面の輪郭を有する形態であることができる。また、パネル120は、曲率を有する板形状または平たい板形状を含む。また、パネル120は、互いに端部の一部が重なりながら連続的に組合される小型パネル構造を有するか、またはパネルフレーム112、113の側部に形成されたパネル締結溝を利用して一般的な窓と窓わく間の結合方式を利用して結合され得る大型パネル構造を含む。
【0060】
また、パネル120は、空気、風、水などを遮断できるように、メンブレイン形状の薄膜、スチールまたは複合材料の板で製作され得る。複合材料は、2つ以上の材料を組み合わせたものであって、単一材料としては得られない優れた特性を有する。複合材料は、例えば、ガラス繊維強化高分子複合材料などを含む。これにより、抵抗低減装置100は、軽量で製作され得、強い空気抵抗及び風化に耐えることができる耐久性を有する。このようなパネル120の素材は、防水性、軽量性に優れた材質を有するパネル製品群から選択されて使用され得る。
【0061】
図3は、図1に示された抵抗低減装置の内側形状を示す斜視図である。図3を参照すれば、それぞれのパネル120は、ブルワーク構造材11から延長した骨組フレーム111を有するフレーム部110によって支持されることによって、別途の柱を使用しなくても、梁形態の上部フレーム116で垂れが発生しない。また、パネル120がフレーム部110に比べて相対的に軽量化された素材なので、抵抗低減装置100の軽量化に寄与し、船舶の燃費向上に寄与することができる。
【0062】
図4は、図1に示された抵抗低減装置のグリーンウォーター荷重位置を示す斜視図であり、図5は、図4に示された応力に対する解釈結果を示すグラフである。
【0063】
図4を参照すれば、抵抗低減装置100は、船級ルール[例:ドイツGL船級協会]で定めたグリーンウォーター荷重の配置を示すものであって、この際、矢印形状30または点形状31などは、グリウォト荷重を示しているものと理解することができる。
【0064】
その結果、図5を参照すれば、本実施例の抵抗低減装置の応力解析結果を見るとき、最大応力が271MPaであって、許容応力294.9MPaを満たし、フレーム部の変形量が最大約50mmなので、結局、抵抗低減装置に柱を適用する必要がないものと解釈することができる。
【0065】
また、船体抵抗を最小化しながら燃費向上を極大化できる抵抗低減装置100の主要形状寸法は、船舶に積載するコンテナによって定められる。ここで、コンテナ20は、複数個の個別コンテナボックスが複数で両舷方向及び垂直方向に積載された状態の貨物を意味する。
【0066】
図6図8は、図1に示された抵抗低減装置の形状決定要素である主要形状寸法を示す図である。
【0067】
図6図8を参照すれば、船舶10の船首側最先端コンテナ20は、最大積載高さh及び最大積載幅lを有し、下記の主要形状寸法に対する説明で基準値であるものと理解され得る。
【0068】
また、抵抗低減装置100に対する主要形状寸法は、最先端コンテナ20と抵抗低減装置100間の間隔aと、最大積載高さhに対する比率である抵抗低減装置の高さHと、最大積載幅lに対する比率である抵抗低減装置の上端幅L(例:上部フレームの長さ)として定義され得る。ここで、点bは、下部フレームの中心点であり、cは、下部フレームの終端であり、d1、d2は、上部フレームの終端を示す。
【0069】
図9は、図6図8の主要形状寸法によって正面部に作用する空気抵抗の比率を示す解釈図面である。
【0070】
図9を参照すれば、抵抗低減装置の主要形状寸法(例えば、L、H)によって最先端コンテナの正面部に作用する空気抵抗の比率%が相異に現われることができる。
【0071】
この際、12000TEU模型で風動実験を行った結果、コンテナの正面部のみを考慮するとき、抵抗低減装置の上端幅Lが50%、抵抗低減装置の高さHが75%であるとき、空気抵抗の比率が86.5%であって、空気抵抗を最も小さく受けることが確認された。また、一定の水準以上のサイズなら、期待効果が類似していて、経済的な効率が劣るものと判断される。すなわち、船舶の抵抗低減装置100を通過する空気流動がコンテナ200の正面部にぶつかることなく、側部に流れるものである。
【0072】
また、船舶の実際運航比率(全方向)を考慮して船舶の燃費を検討した結果、L=75%、H=75%である場合で抵抗低減装置を搭載した船舶の燃費が最も高いことが確認された。
【0073】
したがって、図9の解釈結果及び実際運航比率を考慮してみれば、LとHの形状決定要素は、各基準値に対して50〜80%が適当なものと判断され得る。
【0074】
図10は、図2に示されたフレーム部のラグ及び足場を示す斜視図である。図10を参照すれば、フレーム部110には、ラグ130及び足場140が設けられる。ラグ130は、フレーム部110のI字断面のビームで製作され得る骨組フレーム111及び/または対角フレーム114、115などの上面に多数個設けられる。したがって、抵抗低減装置100の搭載及び脱着が容易であり、定期的な検査及び部分的補修時にも、ユーザが容易に検査及び部分的に補修が必要なパネル120側に容易に接近することができる。
【0075】
図11は、図1に示された抵抗低減装置の連結方法を示す分離斜視図である。図11を参照すれば、作業者は、クレーンなどを利用して抵抗低減装置100用フレーム部である骨組フレーム111、下部フレーム117及び側部フレーム118などを引揚して船舶のブルワーク(bulwark)側に運搬する。そして、フレーム部の骨組フレーム111と側部フレーム118が当該ブルワーク構造材11の延長方向に一致するように配置させる。次に、ブルワーク上板12の上面が下部フレーム117の底面に互いにぴったり合って面接触するように一致させた後、ボルト及びナットによって分解組立可能となるように連結させることができる。ここで、他の例として、下部フレーム117とブルワーク上板12間の接触部位が溶接によって互いに固定されてもよい。
【0076】
図12図13は、図2に示されたフレーム部とパネル間の結合形態を示す断面図である。そして、図14は、図2に示されたフレーム部とパネルがボルトによって結合された形態を示す断面図である。
【0077】
図12図13を参照すれば、前述したパネル120は、例えば、抵抗低減装置100の形状及び配置位置によって曲率を有する板形状または平面の板形状などに設けられる。この際、フレーム部110は、パネル120の一部を下側で支持し、パネル120を互いに連結させることができる。すなわち、フレーム部110は、互いに隣接するパネル120を互いに連結させるために、パネル120が互いに密着した状態で各パネル120の一部を下側で支持することができる。
【0078】
また、フレーム部110は、パネル120に密着する部位が平面形状に設けられる。しかし、これに限定されず、フレーム部110は、パネル120の形状に対応するように設けられる。例えば、フレーム部110の密着部位は、曲率を有する板形状のパネル120の曲率と同一の曲率を有するように設けられる。
【0079】
また、フレーム部110は、上部に接着剤2が塗布された状態でパネル120の下部に接着され得る。さらに他の例として、フレーム部110の上部にシーリングマット(図示せず)が付着され、シーリングマット(図示せず)の上部に接着剤2が塗布された状態でパネル120に接着されてもよい。シーリングマット(図示せず)は、空気などの流体流入を防止するためのものである。このようなフレーム部110は、例えば、金属材質よりなる。また、フレーム部110は、その位置によって2個のパネル120だけでなく、3個以上のパネル120と当接することができる。また、フレーム部110によって連結されたパネル120の間に形成された隙間は、接着剤4によって充填され得る。
【0080】
図14を参照すれば、接着剤2によってフレーム部110とパネル120が接着された状態でボルト9をフレーム部110とパネル120を貫通するように締結させて、結合をさらに堅固にすることができる。ここで、ボルト9は、スタッドボルト(Stud Bolt)を含み、この場合、ナットで締め付ける船体外作業が必要なことがある。また、他の例では、ボルト9の代わりにリベットなどの締結手段が使用され得る。
【0081】
図15は、図2に示されたフレーム部の上部にパネルを固定させる挿入フレームが設けられた形態を示す断面図である。そして、図16は、図15に示された挿入フレームとこれに挿入固定されたパネルの一部を拡大した断面図である。そして、図17は、図15に示された挿入フレーム及びパネルの終端が矢先形状に形成されたことを例示した断面図である。そして、図18は、図15に示されたパネルが一定曲率を有する形状の場合、当該パネルが挿入される挿入フレームの形態を例示した断面図である。
【0082】
図15図18を参照すれば、フレーム部110の上部にパネル120を固定させる挿入フレーム330が設けられる。この際、フレーム部110は、挿入フレーム330を下側で支持し、挿入フレーム330を互いに連結させる。フレーム部110は、上部に接着剤2が塗布された状態で挿入フレーム330の下部に接着され得る。さらに他の例として、フレーム部110と挿入フレーム330は、一体型に設けられてもよい。
【0083】
挿入フレーム330は、パネル120が挿入される挿入溝Hを形成する。ここで、挿入溝Hは、パネル120の端部側が挿入固定されるように挿入フレーム330の内側方向に行くほど一定に内径が大きくなり、終端で内径が狭くなる形状に設けられる。この際、図17に示されたように、パネル120の終端は、挿入溝Hの終端と同様に矢先形状に設けられる。
【0084】
また、理解を助けるために、図17を参照すれば、パネル120が挿入される挿入溝Hの入口側の直径W1は、パネル120の厚さW2より小さく形成され、パネル120が圧入される方式で挿入溝Hに挿入されることによって、パネル120が安定に固定されるようにすることができる。
【0085】
また、図15図16を参照すれば、挿入フレーム330の一側は、挿入溝Hが形成された開放された形状であり、挿入フレーム330の他側は、フレーム部110の上部に互いに対面するように配置され得る。この際、他側が互いに対面するようにフレーム部110の上部に配置された挿入フレーム330は、挿入フレーム330の他側間の隙間に充填された溶接用金属5(例えば、溶加材)を利用した溶接作業によって互いに接合され得る。さらに他の例として、接着剤を挿入フレーム330の他側間の隙間に充填させて硬化させる方法によって挿入フレーム330を互いに接合させてもよい。このような挿入フレーム330は、例えば、金属材料で製作され得る。
【0086】
パネル120は、挿入フレーム330の挿入溝Hの形態に対応する形態に設けられる。この際、パネル120は、一定の曲率を有する板形状及び平たい板形状のうち1つ以上を含む。
【0087】
すなわち、図15図17に示されたように、パネル120が平たい板形状の場合、挿入フレーム330の挿入溝Hは、平たい板形状を有するパネル120が挿入されるように曲率を持たない一定形態に形成され得る。
【0088】
また、他の例として図18に示されたように、パネル120が一定の曲率を有する板形状の場合、挿入フレーム330の挿入溝Hは、曲率を有する板形状のパネル120が挿入されるように対応する曲率を有する形態に形成され得る。このような挿入フレーム330の挿入溝H及びパネル120の形態は、あらかじめ製作され、結合可能な形態に設けられ、前述した形態以外にも、抵抗低減装置100の形態、配置位置などによって多様な形態にあらかじめ製作され得る。
【0089】
図15図16を参照すれば、パネル120の両側は、フレーム部110の上部に互いに対面するように配置された挿入フレーム330の挿入溝Hに挿入されて固定され、このような組立方式で抵抗低減装置100が製作される。
【0090】
この際、理解を助けるために、図17を参照すれば、パネル120は、挿入溝Hに挿入される部位に接着層312と、接着層312上部の繊維層314が形成された状態で、挿入溝Hに挿入され得る。接着層312は、例えば、耐熱シリコン素材で設けられ、これは、溶接熱の浸透及び水分などの浸透を防止するためである。そして、繊維層314は、例えば、ガラス繊維マットで設けられ、これは、溶接熱が挿入フレーム330を通じてパネル120に伝達されることを防止するためである。これにより、挿入フレーム330の他側間の隙間に溶接用金属5が充填された場合、溶接作業によるパネル120の損傷を防止することができる。これは、抵抗低減装置100を製作するために、複合材料で設けられたパネル120を溶接作業を通じて組立てようとする場合、非常に有用である。
【0091】
一方、図15図18を参照すれば、パネル120が挿入された挿入フレーム330とフレーム部110を締結手段を用いて互いに結合させて、抵抗低減装置100の強度を高めることができる。この際、ドリルのような穿孔装置を利用してフレーム部110と、パネル120が挿入された挿入フレーム330を貫通するホールを形成し、当該ホールにボルト、リベットなどの締結手段を締結する方法でパネル120と挿入フレーム330を結合させることができる。あらかじめ貫通されたホールを有するフレーム部110とパネル120を設けた場合には、穿孔作業が省略されてもよい。
【0092】
例えば、フレーム部110の下側から上側方向に挿入フレーム330を貫通するようにボルト6を締結させ、ボルト6にナット7を締結する方式で、パネル120が挿入された挿入フレームとフレーム部110を互いに結合させることができる。この際、ボルト6は、スタッドボルト(Stud Bolt)などを含む。
【0093】
以下、図15図18の内容に基づいて、抵抗低減装置100の製作過程について説明する。
【0094】
まず、フレーム部110の上部に設けられた挿入フレーム330の挿入溝Hにパネル120を挿入させる。
【0095】
次に、フレーム部110とパネル120が挿入された挿入フレーム330を貫通するように締結手段を締結させて、フレーム部110と挿入フレーム330を結合させる。
【0096】
次に、挿入フレーム330間の隙間に溶接用金属5を充填させる。そして、溶接用金属5を利用して溶接作業を行い、挿入フレーム330間を接合させる。上記のような過程を繰り返して行うことによって、複合材料で設けられたパネル120が溶接作業によって損傷されることなく、効率的に抵抗低減装置100を製作することができる。
【0097】
図19図20は、図2に示されたフレーム部とパネルが抵抗低減装置の製作ユニットによって結合された形態を示す断面図である。そして、図21は、図19図20に示された抵抗低減装置の製作ユニットの分解斜視図である。
【0098】
図19図21を参照すれば、パネル120とフレーム部110が接着された状態で抵抗低減装置の製作ユニット400によってパネル120とフレーム部110間の結合がさらに堅固に行われる。
【0099】
抵抗低減装置の製作ユニット400は、締結部材410、ハンドル部420、密封部材430、第1ワッシャー441、第2ワッシャー442、加圧スプリング450及び第3ワッシャー443を含む。
【0100】
締結部材410は、ヘッド412と外面に一度以上折り曲げられて凹設された形状の締結溝Hが形成された胴体414を含む。締結部材410は、前述したように、抵抗低減装置100の形状を構成する複数のパネル120と、パネル120を互いに連結させ、パネル120の少なくとも一部を下側で支持するフレーム部110が接着された状態で、パネル120とフレーム部110を貫通して締結される。このような締結部材410は、例えば、リベットなどを含む。
【0101】
ハンドル部420は、加圧部422と加圧部422から延長形成された被押圧部424とを含む。加圧部422には、貫通されたホールが形成されていて、当該ホールに結合された結合軸426を前述した締結溝Hに締結させる方法で、ハンドル部420を締結部材410に結合させることができる。ここで、締結溝Hが一度以上折り曲げられて凹設された形状で胴体414に形成されているので、結合軸426を締結溝Hに締結または締結解除させる動作でハンドル部420と締結部材410間の結合または結合解除が簡便に行われるので、効率的で且つ生産的な作業が行われる。
【0102】
加圧部422は、締結部材410の胴体414幅W1より大きい幅W2の開放された形状に設けられ、締結部材410とハンドル部420の締結が容易である。加圧部422は、フレーム部110を加圧する部位が曲面形状に設けられる。また、加圧部422の一側の終端部422aは、平面形状に設けられる。これは、フレーム部110とパネル120の結合時に加圧部422によってロック状態が容易に解除されないようにするためである。
【0103】
被押圧部424は、ハンドル部420と締結部材410が結合された状態で力が加えられれば、加圧部422がフレーム部110を加圧しながらロック状態になるようにする。
【0104】
密封部材430は、パネル120とフレーム部110の貫通ホールに挿入され、中空の形状に設けられる。このような密封部材430は、例えば、ゴム、金属などで具現され得る。密封部材430は、空気などの流体の流入を防止し、締結部材410によってパネル120とフレーム部110がさらに堅固に結合されるようにする。
【0105】
第1ワッシャー441は、パネル120とフレーム部110の貫通ホールに対応するようにパネル120の上部に付着する。
【0106】
第2ワッシャー442、加圧スプリング450及び第3ワッシャー443は、密封部材430に挿入された締結部材410にそれぞれ順次に締結される。この際、ハンドル部420を締結部材410に結合した後、被押圧部424に力を加えれば、加圧部422は、第3ワッシャー443を押圧して加圧スプリング450に力を伝達し、これに基づいてフレーム部110に加圧が行われる。
【0107】
以下、図19図21の内容に基づいて、図22図23を通じて抵抗低減装置の製作ユニット400を利用して抵抗低減装置100を製作する過程について説明する。
【0108】
図22図23は、図21の抵抗低減装置の製作ユニットを利用してパネルとフレーム部を結合させる過程を示す断面図である。
【0109】
図22を参照すれば、まず、パネル120とフレーム部110が接着剤2によって接着された状態で、パネル120とフレーム部110を貫通するように締結部材410を締結させる。この際、締結部材410は、パネル120とフレーム部110を垂直方向に締結することができる。本過程は、パネル120とフレーム部110の貫通ホールに中空の密封部材430を挿入させ、パネル120の上部に貫通ホールに対応するように第1ワッシャー441を付着させた後、締結部材410を第1ワッシャー441を通じて密封部材430に挿入させる過程で行われる。この際、密封部材430は、空気などの流体流入を防止する役目を行う。そして、パネル120とフレーム部110の貫通ホールは、あらかじめ互いに一致するように製作されるか、またはパネル120とフレーム部110が接着された状態でドリルなどの穿孔装置によって形成され得る。
【0110】
次に、締結部材410にハンドル部420を結合させる。この際、本過程は、密封部材430に挿入された締結部材410に第2ワッシャー442、加圧スプリング450、第3ワッシャー443をそれぞれ順次に密着締結してフレーム部110の下部に位置させ、加圧部422に結合軸426を結合させて締結溝Hに締結する過程で行われる。
【0111】
次に、図23を参照すれば、被押圧部424に力を加えて加圧部422によってフレーム部110を加圧する。この際、ハンドル部420は、ロック状態となる。これにより、パネル120とフレーム部110が強度強く結合され得る。
【0112】
その後、パネル120間の隙間は、接着剤4によって充填され得る。この際、充填された接着剤4が硬化した後、締結部材410からハンドル部420を結合解除し、第3ワッシャー443、加圧スプリング450、第2ワッシャー442を順次に締結部材410から締結解除してもよい。この際、結合軸426を締結溝Hから簡便に締結解除させる方法でハンドル部420を締結部材410から便利に結合解除させることができる。しかし、必ず本過程を行わなければならないものではなく、前述したように、ハンドル部420をロック状態でそのまま維持させてもよい。このように、前述した過程を繰り返して行いながら抵抗低減装置100が効果的に製作され得る。
【0113】
以上では、特定の実施例について図示し説明した。しかし、本発明は、前述した実施例にのみ限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者なら以下の請求範囲に記載された発明の技術的思想の要旨を逸脱することなく、いくらでも多様に変更実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23