特許第5982609号(P5982609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5982609
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】袋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20160818BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20160818BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20160818BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20160818BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   B65D77/04 F
   B65D85/00 A
   B65D81/26 M
   A61L9/12
   A61L9/01 Q
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-78707(P2015-78707)
(22)【出願日】2015年4月7日
【審査請求日】2015年5月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515094936
【氏名又は名称】寺河 未帆
(73)【特許権者】
【識別番号】515095841
【氏名又は名称】村上 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】寺河 未帆
(72)【発明者】
【氏名】村上 泰弘
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−041451(JP,U)
【文献】 特表平09−509353(JP,A)
【文献】 実開平02−034482(JP,U)
【文献】 特開2009−095461(JP,A)
【文献】 実開平05−062463(JP,U)
【文献】 特開2012−205794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00−79/02
A01M 1/20
A61L 9/00−9/12
B65D 81/18−81/38
B65D 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有する外側袋体と、
前記外側袋体内に収納され、非通気性を有する内側袋体と、
前記内側袋体内に収納される内容物と、を備え
前記内側袋体には、開封手段が設けられ、
前記外側袋体には、前記開封手段の少なくとも一部を前記外側袋体の外表面に露呈させ
る開口部が設けられており、
前記開封手段は、前記内側袋体に接続される紐体と、
前記内側袋体の表面に設けられるミシン目と、を有し、
前記内側袋体は、方形状に形成され、
前記ミシン目は、前記内側袋体の辺に沿って設けられ、
前記ミシン目によって開封される開封箇所は、前記内容物の組成の発散方向に対応して
おり、
前記紐体が引っ張られることで、前記ミシン目に沿って前記内側袋体が開封されること
を特徴とする、袋体。
【請求項2】
前記内側袋体は、
前記内容物が収納される収納部と、
前記収納部を封緘する封緘部と、をさらに備え、
前記収納部と前記封緘部とは、前記ミシン目によって区画されており、
前記封緘部は、前記ミシン目に沿って折り返されていることを特徴とする、請求項1に記載の袋体。
【請求項3】
前記開封手段は、前記紐体の引張方向を転換させるガイド部をさらに備え、
前記ガイド部は、前記外側袋体の前記開口部に設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の袋体。
【請求項4】
前記内容物は、フェトンチッドを含む樹木のオガ屑であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の袋体。
【請求項5】
前記内容物は、芳香剤、消臭剤、防虫剤、除湿剤、脱酸素剤から選ばれる少なくとも何れか1つであることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤等の内容物が収納された袋体に係わり、特に、袋体を使用する際に、十分な量の内容物の組成を発散させることができる袋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハーブ類などの薬草や森林樹木及びその樹葉には、多数の芳香を発する精油成分(フェトンチッド)が含まれている。これらのフェトンチッドは、リフレッシュ作用、消臭・脱臭作用、抗菌・防虫作用、空気浄化作用、酸化防止作用、等の様々な効能を有することが知られており、古くから利用されてきた。
【0003】
フィトンチッドは、揮発性を有しており、樹木の場合は幹や樹葉から発散されている。このフェトンチッドの発散は、樹木を加工した後にも継続して行われるが、時間の経過とともに、香りは消失して、フェトンチッドの効果はなくなってしまう。
【0004】
ところで、建築材料として用いられる樹木は、加工を行う際に大量のオガ屑(樹木の細片、木屑および鉋屑)が発生する。このようなオガ屑は、上記効能を有したフェトンチッドを大量に含んでいるにも拘らず、そのまま捨てられたり、燃料として燃やされていた。そのため、オガ屑に含まれるフェトンチッドは有効に利用されていなかった。
【0005】
このような状況に鑑み、特許文献1には「フィトンチッドを発散する樹木の細片を乾燥し、通気性を有する不織布からなる袋に詰め、該袋を布製のカバ−の中に装着してなることを特徴とする安眠枕」の技術が記載されている。このように、樹木の細片を枕の中綿として再利用することで、樹木に含まれるフェトンチッドを有効に利用する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用登録新案第3033018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、樹木のオガ屑は、見た目が悪いことに加え、まとまりがなく取扱いが難しい。そのため、特許文献1のように、袋体等に収納されていることが望ましい。特に、ホテル等の外泊先において、ホテルの利用者等が消臭やリラックスする目的でオガ屑を使用する場合には、見栄えの良い袋体にオガ屑を収納しておくことで、気持ちよく使用することができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1のように、オガ屑を単に通気性袋体に収納しただけでは、製造時から空気中へフィトンチッドの発散(揮発)が開始されてしまう。そのため、利用者の使用時には袋体内のフィトンチッドの残存量が少なくなり、十分な効果が発揮されないという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑み、内容物を見栄えよく収納することができ、袋体を使用する際に、十分な量の内容物の組成を発散させることができる袋体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る袋体は、通気性を有する外側袋体と、前記外側袋体内に収納され、非通気性を有する内側袋体と、前記内側袋体内に収納される内容物と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このように、内容物が非通気性の内側袋体内に密閉して保存されていることで、内容物の組成が発散してしまうことを防ぐことができる。そのため、袋体の製造時期にかかわらず、内側袋体を開封した時に、十分な量の内容物の組成を発散させることができる。
【0012】
また、このように、内容物と内側袋体が、外側袋体の内部に収納されていることにより、内側袋体を開封した場合であっても、内容物が外部に飛出すことがない。そのため、内容物の見た目が悪い場合や取扱いが難しい場合であっても、見栄えよく容易に取り扱うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記内側袋体には、開封手段が設けられ、前記外側袋体には、前記開封手段の少なくとも一部を前記外側袋体の外表面に露呈させる開口部が設けられていることを特徴とする。
このように、外側袋体の外部に開封手段の一部が露出していることにより、外側袋体を開封することなく、内側袋体を開封させることができる。そのため、利用者が袋体を利用したい時に容易に開封して、内容物の組成の発散を開始させることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記開封手段は、前記内側袋体に接続される紐体と、前記内側袋体の表面に設けられるミシン目と、を備え、前記紐体が引っ張られることで、前記ミシン目に沿って前記内側袋体が開封されることを特徴とする。
このような構成とすることで、袋体の利用者は紐体を引っ張るだけで、容易に内側袋体を開封することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記開封手段は、前記紐体の引張方向を転換させるガイド部をさらに備え、前記ガイド部は、前記外側袋体の前記開口部に設けられていることを特徴とする。
このように、ガイド部を設けて、紐体の引張方向を転換させることによって、子供や老人等の弱い力でも、容易に内側袋体を開封することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記内容物は、フェトンチッドを含む樹木のオガ屑であることを特徴とする。
このように、内容物にオガ屑を使用する場合には、オガ屑の容積に対して表面積の割合が大きく形成されているため、細片に含まれているフィトンチッドを有効に発散させることができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記内容物は、芳香剤、消臭剤、防虫剤、除湿剤、脱酸素剤、から選ばれる少なくとも何れか1つであることを特徴とする。
本発明は、このように様々な内容物に対しても適用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、内容物を見栄えよく収納することができ、利用者が袋体を使用する時に、十分な量の内容物の組成を発散させることができる袋体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る袋体の構成を示している。
図2】本発明の一実施形態に係る袋体の内側袋体及び内容物を示しており、(a)は内容物が内側袋体に収納される様子を、(b)は開封手段が取り付けられる様子を示している。
図3】本発明の一実施形態に係る袋体が開封される様子を示しており、(a)は開封前の様子を、(b)は開封中の様子を示している。
図4】本発明の一実施形態に係る袋体の使用例を示しており、(a)は外側袋体の形状を魚形状に形成した例を示し、(b)は靴の消臭剤として利用している様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図面に示した好ましい一実施形態について詳細に説明する。本発明の技術的範囲は、添付図面に示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
【0021】
図1は、本発明に係る袋体10を示している。この袋体10は、通気性を有する外側袋体11と、非通気性を有する内側袋体12と、組成を発散する内容物13と、内側袋体に設けられる開封手段14と、を備えている。
【0022】
外側袋体11は、望ましくは、紙、不織布、織布、通気性フィルム等の通気性を有する材料で形成される。しかしながら、非通気性の材料であっても、微細孔等が設けられて通気性を発現できるものであれば、外側袋体11として当然に用いることができる。
この外側袋体11の表面には、任意の模様や色彩等を施すことができ、袋体10の利用者が心地よく使用できるように、見栄え良く形成されていることが望ましい。
【0023】
また、外側袋体11の形状は、目的や用途によって自由に設定することができる。図1においては、外側袋体11を長方形状に形成した例を示しているが、これに限定されるものではなく、円形状や多角形状、さらには立体形状を採用しても良い。例えば、図4に示すように、靴内に収納する消臭剤として利用する場合には、十数cm程度の長さを有する円柱状に形成すればよい。
【0024】
また、外側袋体11には、ファスナー11aと、開口部11bとが設けられている。
このファスナー11aが設けられていることにより、外側袋体11を容易に開けることができ、内容物13の組成の発散が終わった時に、内側袋体12を交換することができるよう構成されている。また、ファスナー11aの代わりに、面ファスナーやボタン等を用いても良い。
開口部11bは、内容物13が外側袋体11の外部に排出されない大きさに形成されており、内容物13の大きさにもよるが、1mm〜10mmの大きさを有している。
【0025】
図1におけるファスナー11a及び開口部11bが設けられる位置は、外側袋体11の長さ方向に平行な中心線上に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、任意の位置に設けることができる。
また、ファスナー11aの取付け方によっては、ファスナー11aの両端または一端に隙間が形成される。このファスナー11aの金具と外側袋体11布との間に生じた間隙を開口部11bとして利用しても良い。
【0026】
内側袋体12は、非通気性を有する材料で形成されており、外側袋体11の内部に収納可能な大きさに形成されている。この非通気性を有する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ナイロン、等を使用することができる。この他にも、周知又は慣用の非通気性材料であれば、当然に適用することができる。
【0027】
図2は、内容物13が内側袋体12に収納される様子が示されている。内側袋体12は、内容物13が収納される収納部12aと、内側袋体12を封緘する封緘部12bと、ミシン目12cと、接着テープ12dと、を備えている。
以下、内側袋体12の長手方向の開口部O側を上、底部B側を下として説明する。
【0028】
図2に示すように、収納部12aと封緘部12bとは、ミシン目12cによって区画されている。内側袋体12を封緘する場合には、図2(b)に示すように、封緘部12bが谷折り線T(ミシン目12c)で折り返される。そして、収納部12aと封緘部12bとを接着テープ12dによって接着して固定することで内側袋体12は封緘される。
【0029】
ここで、ミシン目12cは、内側袋体12の開口部Oよりも下の位置に設けられている。そのため、内側袋体12が封緘される際、開口部Oよりも下の位置で折り返されることで、開口部Oから収納部12aへ通じていた気道が遮断され、収納部12aを密閉して封緘することができる。
また、図1ないし図3には、1本のミシン目12cが設けられている様子を示しているが、より容易に開封することができるように2本以上のミシン目12cを設けても良い。
【0030】
さらに、接着テープ12dは、封緘部12bの開口部Oよりも上の位置に設けられている。そのため、封緘部12bを折り返した際には、開口部Oを塞ぎながら収納部12aの外側表面に接着できるよう構成されている。
【0031】
内容物13としては、好ましくはフェトンチッドを含む樹木のオガ屑が用いられるが、組成を発散する固形物であれば当然に用いることができる。例えば、周知又は慣用の芳香剤、消臭剤、防虫剤、除湿剤、脱酸素剤、であれば本発明に係る袋体10に適用することができる。
【0032】
また、内容物13が細かい粉体等である場合には、内容物13が外側袋体11から漏れ出してしまうことの無いよう、粉体等を通さない通気性を有する袋体に収納しておくことが望ましい。こうすることで、内容物13に細かい粉体等を用いる場合であっても、内容物13を漏らすことなく袋体10を使用することができる。
【0033】
開封手段14は、紐体14aと、ガイド部14bを有している。紐体14aは、図2(b)に示すように、封緘部12bを折り返す際に、谷折り線T(ミシン目12c)に沿うように、かつ、収納部12aと封緘部12bとによって挟まれるように取り付けられる。そのため、この紐体14aは、ミシン目14cの周囲に沿って輪を形成するように設けられる。
また、紐体14aの一部の色を変更したり、紐体14aの一部に紙片等を設け、色や文字、記号、といった印を付けて、他のものと識別できるようにすることで、くじ引きとして利用することもできる。
【0034】
ガイド部14bは、円筒状に形成され、紐体14aの両端の2本が挿入されている。また、このガイド部14bは、図1ないし図3においては、円筒状に形成されたものを示しているが、2本の紐体14aを1ヵ所から引くことができればよく、その形状や形態は特に限定されない。例えば、外側袋体11に設けられた開口部11bをガイド部14bとして機能させることも可能である。
【0035】
次に、この袋体10の開封方法について、図3を用いて詳細に説明する。
図3(a)は、図2の内側袋体12及び内容物13が、外側袋体11の内部に収納された様子を示している。紐体14aの一部は、外側袋体11の内側から開口部11bに挿通され、外側袋体11の外部に露呈されている。この時、ガイド部14bは開口部11b付近に固定されることが望ましい。
【0036】
図3(b)は、外側袋体11の開口部11bから露呈された紐体14aを引っ張ることで、内側袋体13が開封される様子を示している。上方向に引っ張られた紐体14aは、ガイド部14bによって引張方向が転換され、ミシン目12cの両端からガイド部14bの方向に向かって力が加わる。この力によって、ミシン目12cが両端から破れ、紐体14aの輪がどんどん狭まって、最終的にミシン目12cに沿って内側袋体13が完全に開封される。また、図3には示されていないが、内側袋体13が完全に開封されると、紐体12cは外部に排出される。
【0037】
また、封緘した内側袋体12の開封時には、内側袋体12の開口部O周辺にたわみが生じてしまうことにより、ミシン目12cの両端にかかる力が軽減されてしまう。そのため、図1に示すように、封緘した内側袋体12のミシン目12cの下部に固定手段15を設けることによって、開口部O周辺がたわんでしまうことを抑制することが望ましい。
この固定手段15としては、ホッチキスや接着テープ、シーラーによる熱接着等を用いることができる。
【0038】
開封された内側袋体12は、開封箇所から内容物13の組成を発散させることができる。また、この内側袋体12においては、一方向のみが開封されるため、組成の発散方向を選択することができる。
【0039】
図4は、袋体10の使用例を示す図である。例えば、袋体10を靴の消臭・脱臭を目的として使用する場合には、靴内に着脱しやすいよう略円柱状に形成することが望ましい。
また、図4(a)は外側袋体11を魚形状に形成した例を示している。このように、外側袋体11の形状は自由に設定することができる。
【0040】
また、図4(b)に示すように、袋体10を靴内に挿入する場合には、内側袋体12の開封箇所を靴のつま先に向けて挿入することが望ましい。
このように、臭いが残りやすい靴のつま先に向けて内容物13の組成を発散させることで、より効果的に組成の消臭・脱臭効果を作用させることができる。
【0041】
本発明によれば、内側袋体12に内容物13を密閉させて収納することで、内容物13の組成が発散してしまうのを防ぐことができる。そのため、袋体10の利用者が内容物13の効果を発揮させたい時に内側袋体13を開封することで、十分に保持された組成の発散を開始させることができる。
【0042】
また、本発明によれば、この内容物13と内側袋体12が、外側袋体11の中に収納されていることにより、内容物13の見た目が悪い場合や取扱いが難しい場合であっても、見栄えよく容易に取り扱うことができる。
【0043】
また、本発明によれば、開封手段14である紐体14aの一部が、外側袋体11の外部に露出している。そのため、袋体10の利用者は、外側袋体11を開封することなく、紐体14aを引っ張るだけで容易に内側袋体12を開封して、内容物13の組成の発散を開始させることができる。
【0044】
また、本発明によれば、紐体14aがミシン目12cの周囲に設けられ、紐体aの途中にガイド部14bを設けることによって、紐体14aを引っ張った際の力をミシン目12cの両端からガイド部14bの方向に向かって力を加えることができる。
このように、ガイド部14bを支点として、ミシン目12cの両端からミシン目12cの中点の方向に向かって力を作用させることにより、ミシン目12cを容易に破断させることができる。そのため、力の弱い老人や子供であっても、容易に内側袋体12を開封することが可能となっている。
【0045】
また、本発明によれば、封緘後の内側袋体12のミシン目12cの下部に固定手段15をさらに設けることにより、紐体14aを引っ張ってミシン目12cの両端に力が加わった際に、この内側袋体12の開口部O周辺がたわんでしまうことを抑制することができる。
このように、開口部O周辺のたわみを抑制することにより、紐体14aを引っ張った際の力をミシン目12cの両端に効率よく作用させることができ、さらに容易にミシン目12cを破断させて、内側袋体12を開封することができる。
さらに、この固定手段15を設けることによって、紐体14aの位置をミシン目12cに沿って密着させることができるため、より確実に紐体14aの力をミシン目12cに伝達させることができる。
【0046】
また、本発明によれば、袋体10の開封時には、紐体14aが排出されるよう構成されていることにより、紐体14aの有無によって、袋体10の使用状況を容易に把握することができる。すなわち、袋体10が未開封の場合には、紐体14aが外部に露出しており、開封済みの場合には、紐体14aが存在しない状態となっている。
【0047】
また、本発明によれば、内容物13が、フェトンチッドを含む樹木の細片やオガ屑であることにより、フィトンチッドを効率良く発散させることができる。すなわち、オガ屑は、容積に対して表面積の割合が大きいため、単位時間あたりに発散するフェトンチッドの量を増加させることができ、さらに、オガ屑内に存在するフィトンチッドを残留させることなく発散させることができる。
【0048】
また、本発明によれば、従来はそのまま棄てられていた、オガ屑を再利用することができるので、天然資源の有効活用に寄与することができる。
【0049】
また、本発明によれば、内側袋体12の一方向のみが開封されていることにより、内容物の組成の発散方向を選択することができる。そのため、靴の内部のように、局所的に集中して内容物の組成を供給したい場合には、開封した方向を向けることで効率良く組成の効果を作用させることができる。
【0050】
本発明の袋体は、袋体10に封入する内容物13により様々な用途に用いることができる。例えば、除湿剤、消臭剤、芳香剤、脱酸素剤などを封入する用途においても好ましく用いることができる。また、発熱体を封入する場合には、使い捨てカイロ用途としても用いることができる。
【0051】
なお、実施形態における開封手段14としては、1つの紐体14aを引っ張る例を示したが、複数の紐体14aを用いてもよい。さらに、内側袋体12の複数方向が開封されるよう構成しても良く、外側袋体11の中に内側袋体12を複数個収納するようにしてもよい。
【0052】
また、開封手段14としては、必ずしも紐体14aを用いる必要はなく、外側袋体11を開封することなく内側袋体12を開封させる方法であれば、当然に適用することができる。例えば、紐体14aの代わりに、内側袋体12の開口部Oを塞ぐシール部材や、棒状の開封部材を採用しても良いし、圧力を加えることによって内側袋体12を破裂させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0053】
10 袋体
11 外側袋体
11a ファスナー
11b 開口部
12 内側袋体
12a 収納部
12b 封緘部
12c ミシン目
12d 接着テープ
13 内容物
14 開封手段
14a 紐体
14b ガイド部
15 固定手段

【要約】
【課題】
内容物を見栄えよく収納することができ、利用者が袋体を使用する際に、十分な量の内容物の組成を発散させることができる袋体を提供することを課題とする。
【解決手段】
通気性を有する外側袋体11と、前記外側袋体11内に収納され、非通気性を有する内側袋体12と、前記内側袋体12内に収納される内容物13と、を備え、前記内側袋体12には、開封手段14が設けられ、前記外側袋体11には、前記開封手段14の少なくとも一部を前記外側袋体11の外表面に露呈させる開口部11bが設けられていることを特徴とする。このような構成とすることにより、利用者が袋体10を使用する際に、十分な量の内容物13の組成を発散させることができる
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4