特許第5982703号(P5982703)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982703
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/06 20060101AFI20160818BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20160818BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20160818BHJP
   F16K 17/30 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G05D16/06 C
   F02M21/02 301C
   F02M37/00 341D
   F16K17/30 A
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-148923(P2012-148923)
(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公開番号】特開2014-10784(P2014-10784A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】石原 圭
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−076424(JP,A)
【文献】 特開2011−158052(JP,A)
【文献】 実開昭49−143839(JP,U)
【文献】 特開2010−176643(JP,A)
【文献】 実開昭52−042323(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/06
F02M 21/02
F02M 37/00
F16K 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧室(31)及び減圧室(18)間を連通する弁孔(24)を有する弁座部材(26)と,この弁座部材(26)と協働して前記弁孔(24)を開閉する減圧用弁体(10)と,この減圧用弁体(10)に接続される弁軸(27)に連結機構(39)を介して連結されるダイヤフラムロッド(38)と,このダイヤフラムロッド(38)に結合されて制御圧力室(50)及び圧力作用室(49)間を仕切るように配設されるダイヤフラム(8)とを備え,前記圧力作用室(49)は前記減圧室(18)に連通され,前記ダイヤフラム(8)は,前記制御圧力室(50)側へ変位するときには,前記弁軸(27)を引いて前記減圧用弁体(10)を前記弁座部材(26)に着座させ,前記圧力作用室(49)側へ変位するときには,前記弁軸(27)を押して前記減圧用弁体(10)を前記弁座部材(26)から離座させる減圧弁であって,
前記連結機構(39)を,前記ダイヤフラムロッド(38)に設けられて前記弁座部材(26)側に開口する有底の連結孔(40)と,前記弁軸(27)に設けられる縮径軸部(27a)及び,この縮径軸部(27a)よりも大径で,その軸方向両側に配置される第1及び第2拡径軸部(27b,27c)と,前記縮径軸部(27a)の外径よりも大きく且つ前記第1,第2拡径軸部(27b,27c)の外径より小なる幅を有すると共に,一側方に開口して前記縮径軸部(27a)を緩く挿入する係止凹部(41a)を有して前記連結孔(40)に嵌装される保持プレート(41)と,前記保持プレート(41)の外周面に設けられる円弧状の第1係止溝(42)及び,この第1係止溝(42)に対応して前記連結孔(40)の内周に設けられる環状の第2係止溝(43)に,前記弁軸(27)の半径方向に沿う拡径を可能として係合する係止リング(44)とで構成したものにおいて,
前記連結孔(40)に,前記保持プレート(41)を前記減圧用弁体(10)の開弁側に付勢するセットばね(58)を縮設したことを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
高圧室(31)及び減圧室(18)間を連通する弁孔(24)を有する弁座部材(26)と,この弁座部材(26)と協働して前記弁孔(24)を開閉する減圧用弁体(10)と,この減圧用弁体(10)に接続される弁軸(27)に連結機構(39)を介して連結されるダイヤフラムロッド(38)と,このダイヤフラムロッド(38)に結合されて制御圧力室(50)及び圧力作用室(49)間を仕切るように配設されるダイヤフラム(8)とを備え,前記圧力作用室(49)は前記減圧室(18)に連通され,前記ダイヤフラム(8)が前記制御圧力室(50)側へ変位するときは,前記弁軸(27)を引いて前記減圧用弁体(10)を前記弁座部材(26)に着座させ,同ダイヤフラム(8)が前記圧力作用室(49)側へ変位するときは,前記弁軸(27)を押して前記減圧用弁体(10)を前記弁座部材(26)から離座させるようにした減圧弁であって,
前記連結機構(39)を,前記ダイヤフラムロッド(38)に設けられて前記弁座部材(26)側に開口する有底の連結孔(40)と,前記弁軸(27)に設けられる縮径軸部(27a)及び,この縮径軸部(27a)よりも大径で,その軸方向両側に配置される第1及び第2拡径軸部(27b,27c)と,前記縮径軸部(27a)の外径よりも大きく且つ前記第1,第2拡径軸部(27b,27c)の外径より小なる幅を有すると共に,一側方に開口して前記縮径軸部(27a)を緩く挿入する係止凹部(41a)を有して前記連結孔(40)に嵌装される保持プレート(41)と,前記保持プレート(41)の外周面に設けられる円弧状の第1係止溝(42)及び,この第1係止溝(42)に対応して前記連結孔(40)の内周に設けられる環状の第2係止溝(43)に,前記弁軸(27)の半径方向に沿う拡径を可能として係合する係止リング(44)とで構成したものにおいて,
前記連結孔(40)に,前記弁軸(27)を前記減圧用弁体(10)の開弁側に付勢するセットばね(58)を縮設したことを特徴とする減圧弁。
【請求項3】
請求項1又は2記載の減圧弁において,
前記弁軸(27)の,前記ダイヤフラムロッド(38)側の第2拡径軸部(27c)と前記保持プレート(41)との互いに当接する一方の端面を凸状の球面(59)に,他方の端面を凹状のテーパ面(60)にそれぞれ形成したことを特徴とする減圧弁。
【請求項4】
請求項1又は2記載の減圧弁において,
前記連結孔(40)を,前記セットばね(58)の端部を受容して位置決めするばね座孔(40a)と,このばね座孔(40a)よりも大径でそれと同軸に配置され,前記保持プレート(41)が嵌合される嵌合孔(40c)と,これらばね座孔(40a)及び嵌合孔(40c)間に接続するようにテーパ状をなし,前記セットばね(58)を嵌合孔(40c)からばね座孔(40a)へと誘導するばねガイド孔(40b)とで構成したことを特徴とする減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,高圧室及び減圧室間を連通する弁孔を有する弁座部材と,この弁座部材と協働して前記弁孔を開閉する減圧用弁体と,この減圧用弁体に接続される弁軸に連結機構を介して連結されるダイヤフラムロッドと,このダイヤフラムロッドに結合されて制御圧力室及び圧力作用室間を仕切るように配設されるダイヤフラムとを備え,前記圧力作用室は前記減圧室に連通され,前記ダイヤフラムは,前記制御圧力室側へ変位するときには,前記弁軸を引いて前記減圧用弁体を前記弁座部材に着座させ,前記圧力作用室側へ変位するときには,前記弁軸を押して前記減圧用弁体を前記弁座部材から離座させる減圧弁に関し,特に,前記連結機構を,前記ダイヤフラムロッドに設けられて前記弁座部材側に開口する有底の連結孔と,前記弁軸に設けられる縮径軸部及び,この縮径軸部の軸方向両側で縮径軸部よりも大径となる一対の拡径軸部と,前記縮径軸部の外径よりも大きく且つ前記一対の拡径軸部の外径より小なる幅を有すると共に,一側方に開口して前記縮径軸部を緩く挿入する係止凹部を有して前記連結孔に嵌装される保持プレートと,前記保持プレートの外周面に設けられる円弧状の第1係止溝及び,この第1係止溝に対応して前記連結孔の内周に設けられる環状の第2係止溝に,前記弁軸の半径方向に沿う拡径を可能として係合する係止リングとで構成したものの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる減圧弁は,下記特許文献1に開示されるように既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−76424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで,かゝる減圧弁における連結機構は,保持プレートを軸方向へ押圧することで,保持プレート及び係止リングをダイヤフラムロッドの装着孔に容易に装着することができ,組み付け性が良好であり,しかも弁軸の縮径軸部と保持プレートの係止凹部との間に存在するクリアランスにより,弁軸及びダイヤフラムロッド間の同軸精度の製作誤差を吸収することができて,減圧用弁体の弁座部材に対する着座姿勢を適正に保持することができる。
【0005】
しかしながら,係止リングの周囲には,その取り付けのために必要な微小なクリアランスが存在し,これが保持プレート及びダイヤフラムロッド間に軸方向の相対移動を可能にするガタを生じさせる。そこで,上記特許文献1のものでは,減圧用弁体の,弁軸とは反対側の背面側に配置したセットばねによって減圧用減圧用弁体をダイヤフラムロッド側に付勢することで,弁軸の先端をダイヤフラムロッドの装着孔の底壁に当接させて,上記ガタを無くしている。
【0006】
しかしながら,上記のものでは,セットばねは,減圧用弁体を,その閉弁側に付勢することになるため,ダイヤフラムによる引きにより,減圧用弁体を弁座部材に着座させた後,前記微小クリアランス分,ダイヤフラムの引きが進行し,弁軸の先端とダイヤフラムロッドの装着孔の底壁との間にガタが生じる。このため,次に,ダイヤフラムが減圧用弁体を弁座部材から離座させるように押し動作に移ったとき,上記ガタが詰まり,弁軸の先端がダイヤフラムロッドの装着孔の底壁に衝撃的に当接して異音を発生させることがある。またこうしたことは,ダイヤフラムの動きに対する減圧用弁体の応答遅れを生じ,調圧性能に影響することにもなる。
【0007】
本発明は,かかる事情に鑑みてなされたもので,減圧用弁体の開閉時,ダイヤフラムロッド及び弁軸間の連結部でのガタによる異音の発生を防ぎ,静粛で,しかも調圧性能に優れた前記減圧弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために,本発明は,高圧室及び減圧室間を連通する弁孔を有する弁座部材と,この弁座部材と協働して前記弁孔を開閉する減圧用弁体と,この減圧用弁体に接続される弁軸に連結機構を介して連結されるダイヤフラムロッドと,このダイヤフラムロッドに結合されて制御圧力室及び圧力作用室間を仕切るように配設されるダイヤフラムとを備え,前記圧力作用室は前記減圧室に連通され,前記ダイヤフラムは,前記制御圧力室側へ変位するときには,前記弁軸を引いて前記減圧用弁体を前記弁座部材に着座させ,前記圧力作用室側へ変位するときには,前記弁軸を押して前記減圧用弁体を前記弁座部材から離座させる減圧弁であって,前記連結機構を,前記ダイヤフラムロッドに設けられて前記弁座部材側に開口する有底の連結孔と,前記弁軸に設けられる縮径軸部及び,この縮径軸部よりも大径で,その軸方向両側に配置される第1及び第2拡径軸部と,前記縮径軸部の外径よりも大きく且つ前記第1,第2拡径軸部の外径より小なる幅を有すると共に,一側方に開口して前記縮径軸部を緩く挿入する係止凹部を有して前記連結孔に嵌装される保持プレートと,前記保持プレートの外周面に設けられる円弧状の第1係止溝及び,この第1係止溝に対応して前記連結孔の内周に設けられる環状の第2係止溝に,前記弁軸の半径方向に沿う拡径を可能として係合する係止リングとで構成したものにおいて,前記連結孔に,前記保持プレートを前記減圧用弁体の開弁側に付勢するセットばねを縮設したことを第1の特徴とする。尚,前記高圧室は,後述する本発明の実施形態中の弁室31に対応する。
【0009】
また本発明は,高圧室及び減圧室間を連通する弁孔を有する弁座部材と,この弁座部材と協働して前記弁孔を開閉する減圧用弁体と,この減圧用弁体に接続される弁軸に連結機構を介して連結されるダイヤフラムロッドと,このダイヤフラムロッドに結合されて制御圧力室及び圧力作用室間を仕切るように配設されるダイヤフラムとを備え,前記圧力作用室は前記減圧室に連通され,前記ダイヤフラムが前記制御圧力室側へ変位するときは,前記弁軸を引いて前記減圧用弁体を前記弁座部材に着座させ,同ダイヤフラムが前記圧力作用室側へ変位するときは,前記弁軸を押して前記減圧用弁体を前記弁座部材から離座させるようにした減圧弁であって,前記連結機構を,前記ダイヤフラムロッドに設けられて前記弁座部材側に開口する有底の連結孔と,前記弁軸に設けられる縮径軸部及び,この縮径軸部よりも大径で,その軸方向両側に配置される第1及び第2拡径軸部と,前記縮径軸部の外径よりも大きく且つ前記第1,第2拡径軸部の外径より小なる幅を有すると共に,一側方に開口して前記縮径軸部を緩く挿入する係止凹部を有して前記連結孔に嵌装される保持プレートと,前記保持プレートの外周面に設けられる円弧状の第1係止溝及び,この第1係止溝に対応して前記連結孔の内周に設けられる環状の第2係止溝に,前記弁軸の半径方向に沿う拡径を可能として係合する係止リングとで構成したものにおいて,前記連結孔に,前記弁軸を介して前記保持プレートを前記減圧用弁体の開弁側に付勢するセットばねを縮設したことを第2の特徴とする。
【0010】
さらにまた本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記弁軸の,前記ダイヤフラムロッド側の第2拡径軸部と前記保持プレートとの互いに当接する一方の端面を凸状の球面に,他方の端面を凹状のテーパ面にそれぞれ形成したことを第3の特徴とする。
【0011】
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記連結孔を,前記セットばねの端部を受容して位置決めするばね座孔と,このばね座孔よりも大径でそれと同軸に配置され,前記保持プレートが嵌合される嵌合孔と,これらばね座孔及び嵌合孔間に接続するようにテーパ状をなし,前記セットばねを嵌合孔からばね座孔へと誘導するばねガイド孔とで構成したことを第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の特徴によれば,連結孔に,保持プレートを減圧用弁体の開弁側に付勢するセットばねを縮設したことで,保持プレートの第1係止溝のセットばね側の内側面と係止リング,係止リングとダイヤフラムロッドの第2係止溝の減圧用弁体側の内側面をそれぞれ当接状態に保持することができ,したがって,ダイヤフラムロッドの弁軸に対する押し引きによる減圧用弁体の開閉時においても,上記当接状態を維持することができ,当接部の離間,当接の繰り返し現象による異音の発生を防ぎ,静粛な減圧弁を得ることができる。しかも,ダイヤフラムの動きに対する減圧用弁体の応答遅れが無いので,調圧性能の向上にも寄与し得る。
【0013】
本発明の第2の特徴によれば,連結孔に,弁軸を介して保持プレートを減圧用弁体の開弁側に付勢するセットばねを縮設したことで,弁軸のダイヤフラムロッド側の第2拡径軸部と保持プレートとの対向面を常に当接状態に保持することができ,また保持プレートの第1係止溝のセットばね側の内側面と係止リング,係止リングとダイヤフラムロッドの第2係止溝の減圧用弁体側の内側面をもそれぞれ常に当接状態に保持することができ,ダイヤフラムロッドの押し引きに拘らず,連結機構においてガタによる異音の発生を,より確実に防ぐことができ,一層静粛な減圧弁を得ることができる。
【0014】
本発明の第3の特徴によれば,弁軸の,ダイヤフラムロッド側の第2拡径軸部と保持プレートとの互いに当接する一方の端面を凸状の球面に,他方の端面を凹状のテーパ面にそれぞれ形成したことで,減圧用弁体の閉弁状態では,互いに当接する球面及びテーパ面相互の頸振り作用により,ダイヤフラムロッドの弁軸に対する傾きを吸収することができ,弁体の閉弁姿勢を適正にすることができる。
【0015】
本発明の第4の特徴によれば,連結孔を,前記セットばねの端部を受容して位置決めするばね座孔と,このばね座孔よりも大径でそれと同軸に配置され,前記保持プレートが嵌合される嵌合孔と,これらばね座孔及び嵌合孔間に接続するようにテーパ状をなし,前記セットばねを嵌合孔からばね座孔へと誘導するばねガイド孔とで構成したことで,セットばねをダイヤフラムロッドの連結孔へ落とし込むだけで,セットばねをばね座孔に自動的に受容位置決めさせることができ,その組み付け性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態を示すもので,減圧弁が開弁するとともに遮断弁が閉弁した状態での減圧装置の縦断面図。
図2図1の2矢示部拡大図。
図3図2中の保持プレートの斜視図。
図4】本発明の第2実施形態を示す,図2との対応図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に本発明の第1実施形態について,添付の図1図3を参照しながら説明する。
【0018】
先ず図1において,この減圧装置は,例えば高圧の天然ガス燃料を減圧してエンジン(図示せず)に供給するためにガス燃料車両のエンジンルームに搭載されるものであり,ボディ5に,圧力受動部材であるダイヤフラム8に連結される減圧用弁体10を有する減圧弁6と,ソレノイド9で駆動される遮断用弁体78を有する遮断弁7とが配設されて成る。
【0019】
前記ボディ5は,第1ボディ部材12と,第1ボディ部材12の上方に配置される第2ボディ部材13とが相互に結合されて成るものである。第1ボディ部材12は,上下に延びる外筒部12aと,この外筒部12aの下部から半径方向内方に張り出す第1内向き鍔部12bと,前記外筒部12aと同軸にして第1内向き鍔部12bの中間部から上方に延びる内筒部12cと,この内筒部12cと同軸にして第1内向き鍔部12bの内周からわずかに上方に延びる短筒部12dとを一体に有しており,第1内向き鍔部12bの中央部及び前記短筒部12dには,前記外筒部12a及び前記内筒部12cと同軸である横断面円形の摺動支持孔14が形成される。
【0020】
また第2ボディ部材13は,前記内筒部12cの第2ボディ部材13側端部に嵌合する嵌合筒部13aを一体に有しており,この嵌合筒部13a内に一部が形成される収容孔15が第2ボディ部材13に設けられる。また前記収容孔15の前記ダイヤフラム8側の端部,即ち前記嵌合筒部13aの先端から半径方向内方に張り出す第2内向き鍔部13bが第2ボディ部材13に一体に設けられる。しかも前記収容孔15は,前記ダイヤフラム8とは反対側に開放したねじ孔部15aと,このねじ孔部15aよりも小径にして第2内向き鍔部13b側に配置される嵌合孔部15bとを同軸に連設されて成る。
【0021】
第1ボディ部材12の外筒部12a及び第2ボディ5間には環状の第1シール部材16が介装され,第1ボディ部材12の内筒部12c内に嵌合した第2ボディ部材13の嵌合筒部13a及び前記内筒部12c間には環状の第2シール部材17が介装される。而して,第1及び第2ボディ部材12,13間には,第1ボディ部材12の前記内筒部12cで外周が規定されるようにして減圧室18が形成され,この減圧室18に通じる出口通路19が,第1ボディ部材12の側面から突出する接続管20に接続される。また第1ボディ部材12の前記外筒部12a及び前記内筒部12cで外周及び内周が規定される環状通路21が第1及び第2ボディ部材12,13間に形成され,前記減圧室18内を加熱するための温水等の加熱媒体が前記環状通路21内を流通する。
【0022】
図2を併せて参照して,前記減圧弁6は,前記減圧室18に通じる弁孔24を中央部に開口させる減圧用弁座25を内周に有してリング状に形成されるとともに前記収容孔15の嵌合孔部15b内に固定配置される弁座部材26と,第2内向き鍔部13bの内方及び前記弁孔24を緩く貫通する弁軸27と,前記減圧用弁座25に着座することを可能として前記弁軸27の外周に嵌装される合成樹脂製の減圧用弁体10とを有する。
【0023】
前記収容孔15の嵌合孔部15b内には,第2内向き鍔部13b側に向けて開放した皿状の保持部28aと,この保持部28aの中央部に同軸に連なって第2内向き鍔部13bとは反対側に延びる大径円筒部28bと,大径円筒部28bよりも小径に形成されて大径円筒部28bに同軸に連なる小径円筒部28cと,小径円筒部28cの第2内向き鍔部13bとは反対側の端部を閉じる端壁部28dを一体に有するハウジング28が挿入,固定されるものであり,前記弁座部材26は,前記ハウジング28の前記保持部28aに圧入,固定される。而して,前記弁座部材26の第2内向き鍔部13bに対向する面には前記弁孔24と同軸である環状の第3シール部材29が装着され,前記弁座部材26の前記ハウジング28に対向する面には第3シール部材29と同軸である環状の第4シール部材30が装着される。
【0024】
前記ハウジング28内には前記減圧用弁体10を収容せしめる弁室31が形成されており,前記減圧用弁座25は,前記弁室31に臨むようにして前記弁座部材26の内周縁にテーパ状に形成され,前記減圧用弁体10の前記減圧用弁座25に着座する部分もテーパ状に形成される。
【0025】
前記減圧用弁体10は,前記ハウジング28の大径円筒部28b及び小径円筒部28cで摺動可能に支持されるものであり,前記大径円筒部28b及び前記減圧用弁体10間には,減圧用弁体10の外周に摺接してこの減圧用弁体10の移動をガイドする環状の第5シール部材32が介装される。また前記大径円筒部28b及び前記小径円筒部28c間の段部及び第5シール部材32間には第1バックアップリング33が配設され,第5シール部材32を第1バックアップリング33との間に挟む籠状の支持部材34が前記大径円筒部28bと弁座部材26との間に挟持される。
【0026】
ところで前記減圧用弁体10は,前記減圧用弁座25から前記減圧用弁体10が上方へ離座した開弁位置(図2実線示状態)と,前記減圧用弁座25に前記減圧用弁体10が着座した閉弁位置(図2鎖線示状態)との間で移動可能である。前記ハウジング28の小径円筒部28c及び端壁部28dと,前記弁軸27及び前記減圧用弁体10との間には,前記弁室31との間が第5シール部材32でシールされるようにして背圧室35が形成され,この背圧室35は前記弁軸27に設けられる連通路36を介して前記減圧室18に連通する。
【0027】
第1ボディ部材12の中央部の前記短筒部12d内に形成される摺動支持孔14には,この摺動支持孔14の内周に弾発的に摺接する環状の第6シール部材37を外周に有するダイヤフラムロッド38が摺動可能に嵌合される。
【0028】
ダイヤフラムロッド38には,前記減圧用弁体10側に開放した有底の連結孔40が同軸に設けられる。この連結孔40は,有底円筒状のばね座孔40aと,このばね座孔40aの外端から外方に向かってテーパ状に拡径するばねガイド孔40bと,このばねガイド孔40bの外端に同軸で連なる嵌合孔40cと,この嵌合孔40cの外端から外方に向かってテーパ状に拡径してダイヤフラムロッド38の先端面に開口するリングガイド孔40dとで構成される。
【0029】
一方,前記弁孔24を貫通してダイヤフラムロッド38側へ延びる弁軸27の端部には,縮径軸部27aと,この縮径軸部27aよりも大径で,その軸方向両側に配置される第1及び第2拡径軸部27b,27cとが設けられ,第1拡径軸部27bは,減圧用弁体10側に,第2拡径軸部27cはダイヤフラムロッド38側に配置される。
【0030】
上記縮径軸部27aに保持プレート41(図3参照)が取り付けられる。この保持プレート41は,一側方に開く係止凹部41aを有して横断面U字状に形成されるもので,その係止凹部41aは,前記縮径軸部27aの外径よりも大きく且つ前記第1,第2拡径軸部27b,27cの外径よりも小さな幅を有しており,その係止凹部41aに前記縮径軸部27aをを緩く挿入せしめることで,保持プレート41は縮径軸部27aに軸方向相対移動を不能として取り付けられ,そしてダイヤフラムロッド38の前記嵌合孔40cに摺動可能に嵌合される。
【0031】
保持プレート41の外周には円弧状の第1係止溝42が設けられ,前記嵌合孔40cの内周には,第1係止溝42に対応して設けられる環状の第2係止溝43が設けられ,弁軸27の半径方向に沿う拡縮を可能とした係止リング44が第1及び第2係止溝42,43に係合される。上記係止リング44は,一つの合口を有する略C字状の弾性リングである。
【0032】
ダイヤフラムロッド38のばね座孔40aの底面と保持プレート41との間に,この保持プレート41を前記減圧用弁体10の開弁側に付勢するセットばね58が縮設される。その結果,第1係止溝42のセットばね58側の内側面と係止リング44,係止リング44と第2係止溝43の減圧用弁体10側の内側面がそれぞれ当接状態に保持される。
【0033】
また前記第2拡径軸部27cと保持プレート41との軸方向で対向する一方の端面は凸状の球面59に,他方の端面は凹状のテーパ面60にそれぞれ形成され,これら球面59及びテーパ面60は互いに頸振り可能に当接し得るようになっている。図示例では,第2拡径軸部27c側に球面59,保持プレート41側にテーパ面60が設けられる。
【0034】
而して,上記連結孔40,縮径軸部27a,第1,第2拡径軸部27b,27c,保持プレート41,係止リング44,第1,第2係止溝42,43及びセットばね58は,ダイヤフラムロッド38及び弁軸27間を軸方向に連結する連結機構39を構成する。
【0035】
この連結機構39の組み立てに当たっては,先ずダイヤフラムロッド38の連結孔40にセットばね58を落とし込む。すると,セットばね58の一端部がばねガイド孔40bに誘導されてばね座孔40aに自動的に受容位置決めされるので,セットばね58を自動的に所定位置に設置することができる。次に,弁軸27の縮径軸部27aに,その側方から保持プレート41の係止凹部41aを係合し,保持プレート41の第1係止溝42に係止リング44を装着する。このとき,係止リング44は,その外周側が第1係止溝42から多く食み出した自由状態にある。続いて,弁軸27と共に保持プレート41を,セットばね58を圧縮しつつ,ダイヤフラムロッド38の嵌合孔40cに嵌入すると,係止リング44は,テーパ状のリングガイド孔孔40dにより縮径誘導されながら嵌合孔40cを経て,第2係止溝43に達すると,自己の反発力で第2係止溝43の溝底に当接するまで拡径するが,その内周側は第1係止溝42との係合状態を維持する。
【0036】
このように,保持プレート41を嵌合孔40cにその軸方向に沿って押し込むという,簡単な一操作により,係止リング44を第1及び第2係止溝42,43に同時に係合させ,弁軸27に連結した保持プレート41をダイヤフラムロッド38に軸方向で連結することができる。しかも,前記セットばね58の配設により,第1係止溝42のセットばね58側の内側面と係止リング44,係止リング44と第2係止溝43の減圧用弁体10側の内側面がそれぞれ当接状態に保持される。
【0037】
再び図1において,第2ボディ部材13とは反対側で第1ボディ部材12には,第1ボディ部材12とは反対側に端壁45aを有して有底円筒状に形成されるダイヤフラムカバー45が,前記ダイヤフラム8の周縁部を第1ボディ部材12との間に挟持するようにして締結されており,前記ダイヤフラムロッド38は,ダイヤフラム8の中央部に連結される。即ち,前記ダイヤフラムロッド38は,前記連結孔40の開放方向と反対側に延びる軸部38aを同軸にかつ一体に有しており,この軸部38aは,前記ダイヤフラムロッド38及びダイヤフラム8の中央部間に挟まれるリング状の第1リテーナ46と,第1リテーナ46との間に前記ダイヤフラム8の中央部を挟むリング状の第2リテーナ47とに挿通され,第2リテーナ47からの突出部で前記軸部38aの外周の一部をかしめて第2リテーナ47に係合することで前記軸部38aに前記ダイヤフラム8の中央部が連結される。また前記ダイヤフラムロッド38及び第1リテーナ46間には環状の第7シール部材48が介装される。
【0038】
而して,ダイヤフラム8及び第1ボディ部材12間には,ダイヤフラム8の一面を臨ませる圧力作用室49が形成され,ダイヤフラム8及びダイヤフラムカバー45間には,ダイヤフラム8の他面を臨ませる制御圧力室50が形成され,減圧室18に通じる出口通路19を前記圧力作用室49に通じさせる連通路51が第1ボディ部材12に設けられる。しかも制御圧力室50に収容されるコイル状のダイヤフラムばね52がダイヤフラムカバー45及びダイヤフラム8間に縮設される。またダイヤフラムカバー45には,制御圧力室50に通じる負圧導入管53が接続されており,この負圧導入管53はエンジンに接続され,前記制御圧力室50にエンジンの吸気負圧を導入するようになっている。
【0039】
前記ダイヤフラムカバー45における前記端壁45aの中央部には,制御圧力室50側に突出する支持筒54が一体に設けられており,ダイヤフラムカバー45の外方から回転操作することを可能とした調整ねじ55が,その一端を制御圧力室50内に突入せしめるようにして前記支持筒54に螺合されており,支持筒54及び前記調整ねじ55間に環状の第8シール部材56が介装される。また前記制御圧力室50内には,前記調整ねじ55の一端部を閉塞端中央部に当接させて前記支持筒54を覆う有底円筒状のばね座部材57が収容されており,前記ダイヤフラムばね52は,そのばね座部材57と,前記ダイヤフラム8に中央部に固定される第2リテーナ47との間に縮設される。而して,前記調整ねじ55の回転操作によってばね座部材57を進退作動せしめることができ,それによってダイヤフラムばね52のばね荷重を調整することができる。
【0040】
このような減圧弁6においては,ダイヤフラム8が,圧力作用室49の圧力,即ち減圧室18の圧力によりダイヤフラムばね52のばね力に抗して制御圧力室50側に撓むと,ダイヤフラムロッド38が保持プレート41を介して弁軸27を引くことで,減圧用弁体10が減圧用弁座25に着座して閉弁し,また前記圧力作用室49の圧力低下によってダイヤフラム8が圧力作用室49側に撓むと,ダイヤフラムロッド38が保持プレート41を介して弁軸27を押すことで,減圧用弁体10が減圧用弁座25から離座して開弁し,このような減圧用弁体10の減圧用弁座25に対する着座及び離座が繰り返されることにより,減圧室18には,弁室31からの高圧のガス燃料が減圧されて導かれることになる。
【0041】
ところで,前述のように,ダイヤフラムロッド38の連結孔40には,前記保持プレート41を減圧用弁体10の開弁側に付勢するセットばね58が縮設され,これにより,保持プレート41の第1係止溝42のセットばね58側の内側面と係止リング44,係止リング44とダイヤフラムロッド38の第2係止溝43の減圧用弁体10側の内側面がそれぞれ当接状態に保持されるので,ダイヤフラム8の弁軸27に対する押し引き時,上記当接状態を維持することができ,したがって異音の原因となる当接部の離間・当接の繰り返しの現象を防ぐことができる。しかも,ダイヤフラム8の動きに対する減圧用弁体10の応答遅れが無いので,調圧性能の向上にも寄与し得る。
【0042】
また弁軸27の縮径軸部27aと保持プレート41の係止凹部との間には半径方向の微小間隙が存在するので,その微小間隙によって弁軸27及びダイヤフラムロッド38間の同軸精度誤差を吸収することができ,減圧用弁体10の適正な閉弁状態を確保することができる。
【0043】
さらに減圧用弁体10の閉弁状態では,ダイヤフラムロッド38の引き力により,第2拡径軸部27cと保持プレート41との対向面が互いに当接状態となり,前述のように,それら対向面の一方に凸状の球面59が,他方に凹状のテーパ面60がそれぞれ形成されているので,これら球面59及びテーパ面60相互の頸振り作用により,ダイヤフラムロッド38の弁軸27に対する傾きをも吸収することができ,減圧用弁体10の適正な閉弁に寄与する。
【0044】
前記遮断弁7のソレノイド9は,中心孔61を有して合成樹脂により成形されるボビン62と,このボビン62に巻装されるコイル63と,前記ボビン62及び前記コイル63を被覆する合成樹脂製の被覆部64と,ボディ5における第2ボディ部材13の収容孔15内に一端部が挿入,固定されるとともに他端部が前記ボビン62の中心孔61の一端側に挿入される非磁性材料製のガイド筒65と,ガイド筒65の他端を塞いでこのガイド筒65に同軸に固着される固定コア66と,一端側を開放するとともに他端側を端壁部67aで閉じた有底円筒状に形成されて前記ボビン62,前記コイル63及び前記被覆部64を覆う磁性材料製のソレノイドハウジング67と,第2ボディ部材13における収容孔15のねじ孔部15aに螺合される雄ねじが外周に刻設される円筒部68aを一体に有して前記ソレノイドハウジング67の一端開口部を閉じるホルダ68と,前記固定コア66に対向して前記ガイド筒65内に摺動可能に嵌合される可動コア69と,前記固定コア66及び前記可動コア69間に縮設される戻しばね70とを備える。
【0045】
前記ソレノイドハウジング67の端壁部67aには,前記ボビン62の中心孔61の他端側に嵌合される円筒部67bが一体に設けられており,その円筒部67b内に嵌合する前記固定コア66に,前記端壁部67aの中央部に挿通されるボルト72がねじ込まれる。また前記被覆部64には,前記ソレノイドハウジング67からから外部に突出するカプラ部64aが一体に形成される。
【0046】
前記ガイド筒65は,第2ボディ部材13における収容孔15のねじ孔部15aに一端部が同軸に挿入されるとともに他端部が前記ボビン62の中心孔61の一端側に嵌合される小径部65aと,この小径部65aよりも大径に形成されるとともに前記収容孔15の嵌合孔部15b内に嵌合されるようにして前記小径部65aの一端に同軸に連なる大径部65bとを一体に有して,第2ボディ部材13に固定される。
【0047】
このガイド筒65には,前記固定コア66の一端部を嵌合せしめるとともに前記可動コア69を同軸に挿入せしめる小径孔74と,その小径孔74よりも大径に形成されて前記大径部65bの一端に開口する大径孔75とが,前記大径部65bの軸方向中間部で同軸に連なるようにして形成される。
【0048】
しかも大径部65bの一端は,前記ハウジング28における保持部28aに第2内向き鍔部13bとは反対側から当接するものであり,ガイド筒65は第2内向き鍔部13bとの間に前記ハウジング28を挟持するようにして第2ボディ部材13に固定されることになり,前記嵌合孔部15bの内周に弾発的に接触する環状の第9シール部材76及び第2バクアップリング77が,前記大径部65bの外周に装着される。
【0049】
また前記ガイド筒65には,前記小径部65a及び前記大径部65bの連設部で第2内向き鍔部13bとは反対側に臨む環状の段部65cが形成されており,前記収容孔15のねじ孔部15aに螺合されるホルダ68における前記円筒部68aの一端は前記段部65cに当接する。したがって前記ホルダ68は,前記ガイド筒65の大径部65b及び前記ハウジング28の保持部28aを第2内向き鍔部13bとの間に挟持するようにして,前記収容孔15の前記ダイヤフラム8とは反対側の端部のねじ孔部15aに螺合されることになる。
【0050】
而して,ボディ5の第2ボディ部材13に固定された状態にあるガイド筒65の他端部の前記固定コア66にボルト72を螺合して締めつけることで,前記ボビン62,前記コイル63及び前記被覆部64を覆うソレノイドハウジング67の一端開口部に,前記ボディ5の第2ボディ部材13に固定された前記ホルダ68が当接することになり,前記コイル63に通電したときに生じる磁束の磁路を前記ソレノイドハウジング67及び前記ホルダ68が形成することになる。
【0051】
前記遮断弁7は,遮断用弁体78と,その遮断用弁体78との所定範囲での相対移動を可能として遮断用弁体78に組付けられる副弁体79とを備えるものであり,前記副弁体79は,前記可動コア69の前記固定コア66とは反対側の端部に形成される。また前記遮断用弁体78は,第2ボディ部材13の収容孔15における嵌合孔部15b内に前記ダイヤフラム8とは反対側から挿入され,この遮断用弁体78内に前記減圧弁6の前記減圧用弁体10が同軸に収容される。
【0052】
前記遮断用弁体78は,前記ハウジング28の大径円筒部28b及び小径円筒部28cを同軸に覆う段付き円筒部78aと,この段付き円筒部78aの一端から半径方向外方に張り出して前記ハウジング28の前記保持部28aに第2内向き鍔部13bとは反対側から対向する鍔部78bと,中央部に前記段付き円筒部78aの中心軸線と同軸のパイロットポート80を有して前記段付き円筒部78aの他端部を閉じる端壁部78cとを一体に有して有底円筒状に形成されるものであり,この遮断用弁体78における前記端壁部78cの中央部外面には前記パイロットポート80の一部を形成する突部78dが前記固定コア66側に向けて一体に突設される。この遮断用弁体78の前記段付き円筒部78aは,前記ガイド筒65の小径孔74に同軸に挿入されており,前記鍔部78bは前記ガイド筒65の大径孔75内に同軸に配置される。
【0053】
前記遮断用弁体78における鍔部78bには,前記ハウジング28における保持部28aの第2内向き鍔部13bとは反対側の面に対向するように環状の第1ゴムシール81が埋設され,その第1ゴムシール81を着座可能とした遮断用弁座82が,前記ボディ5の第2ボディ部材13とは別体にして第2ボディ部材に固定される別部材,図示例ではハウジング28に形成されるものであり,ハウジング28の保持部28aに第1ゴムシール81を着座させるようにして環状に突出した遮断用弁座82が形成される。
【0054】
ところで,第9シール部材76及びハウジング28の保持部28a間でガイド筒65における大径部65bの外周には環状凹部83が設けられており,この環状凹部83に通じる入口通路84が第2ボディ部材13に設けられ,高圧のガス燃料を導く管路を接続して前記入口通路84に通じさせるための接続部材85が第2ボディ部材13の側面に取付けられる。
【0055】
前記ガイド筒65の大径部には前記環状凹部83を大径孔75に通じさせる複数の第1連通孔86…が設けられ,前記ハウジング28における大径円筒部28bには前記減圧弁6の前記弁室31に通じる複数の第2連通孔87…が設けられる。而して,前記入口通路84,前記環状凹部83,第1連通孔86…及び第2連通孔87…は,高圧のガス燃料を前記減圧弁6側に導く高圧通路88を構成するものであり,遮断弁7の前記遮断用弁体78及び前記遮断用弁座82は,前記高圧通路88の途中である第1及び第2連通孔86…,87…間に介在して配置される。
【0056】
前記遮断用弁体78及び前記副弁体79の一方,図示例では前記副弁体79に遮断用弁体78及び副弁体79の中心軸線と同軸の凹部90が設けられ,その凹部90に挿入される挿入部91が前記遮断用弁体78及び前記副弁体79の他方,この実施の形態では遮断用弁体78に設けられ,遮断用弁体78の段付き円筒部78aの一部及び前記端壁部78cが前記挿入部91として前記凹部90に挿入される。而して,副弁体79及び遮断用弁体78間にはパイロット弁室92が形成され,入口通路84に環状凹部83を介して通じている第1連通孔86…を前記パイロット弁室92に通じさせる第1通路93が前記ガイド筒65及び前記遮断用弁体78間に形成され,ハウジング28及び前記遮断用弁体78間には,前記弁室31に通じる第2連通孔87…を前記パイロットポート80に通じさせる第2通路94が形成される。
【0057】
前記凹部90の閉塞端中央部に位置するようにして第2ゴムシール95が副弁体79に埋設されており,前記遮断用弁体78の前記挿入部91における前記突部78dに第2ゴムシール95が当接して前記パイロットポート80を閉じる状態(図1の状態)と,第2ゴムシール95が前記突部78dから離隔して前記パイロットポート80を開く状態とを,前記ソレノイド9の非通電及び通電に応じて切り換えるようにして前記可動コア69,即ち副弁体79が作動する。
【0058】
前記凹部90の内周及び前記挿入部91の外周の一方,この実施の形態では前記挿入部91の外周に設けられる環状溝97に,外力の作用に応じて拡縮するように弾性変形し得るC形のリング98が外力の非作用時には前記環状溝97から外側方に一部を突出させるようにして装着される。また前記凹部90の内周及び前記挿入部91の外周の他方,図示例では前記凹部90の開口端内周に,前記挿入部91を前記凹部90に挿入して前記遮断用弁体78及び前記副弁体79を相互に組付ける際に前記外力を前記リング98に加えてこのリング98を乗り越える係合突起99が,半径方向内方に突出するようにして突設される。
【0059】
しかも前記遮断用弁体78及び前記副弁体79の相互組み付け状態での前記リング98及び前記係合突起99の相対位置は,前記ソレノイド9が非通電状態にあって非作動状態にある前記副弁体79が図1で示すように前記パイロットポート80を閉じた状態では,前記遮断用弁体78及び前記副弁体79の移動方向に沿う隙間を前記リング98及び前記係合突起99間に生じさせるものの,前記ソレノイド9が通電状態にあって前記パイロットポート80を開く側に前記副弁体79が移動したときには,前記パイロットポート80が開いた後で,前記係合突起99が前記リング98に係合して前記遮断用弁体78を開弁位置側に移動せしめるように設定される。
【0060】
しかも前記係合突起99には,前記遮断用弁体78及び前記副弁体79を相互に組付けるべく前記挿入部91を前記凹部90に挿入する際に前記挿入部91の前進に応じて前記環状溝97に収容される方向の外力をC形の前記リング98に作用せしめるテーパ部99aが形成される。
【0061】
このような遮断弁7では,エンジンの停止時にはコイル63への非通電により,可動コア69が戻しばね70のばね力により固定コア66から離反する方向に移動し,図2で示すように,遮断用弁体78の第1ゴムシール81が遮断用弁座82に着座して第1及び第2連通孔86…,87…間が遮断されるとともに,副弁体79の第2ゴムシール95が突部78dに当接してパイロットポート80を閉じることでパイロット弁室92及び第2通路94間も遮断され,高圧のガス燃料の弁室31側への供給が停止される。
【0062】
一方,エンジンの運転開始時に,コイル63が通電されると,先ず可動コア69が副弁体79の第2ゴムシール95をパイロットポート80を形成する突部78dから離隔させるだけ固定コア66側に移動し,第2連通孔87…を介して弁室31に通じている第2通路94がパイロットポート80を介してパイロット弁室92に連通することになる。これにより,入口通路84から環状凹部83,第1連通孔86…,第1通路93及びパイロット弁室92を経てパイロットポート80に高圧のガス燃料が徐々に流れることになる。この結果,遮断用弁体78に両側から作用している圧力の差が小さくなる。
【0063】
而して,ソレノイド9の駆動力が前記遮断用弁体78に作用している差圧に基づく閉弁方向の力に打ち勝ったときに,係合突起99を前記リング98に係合することで前記遮断用弁体78に連結される副弁体79,即ち可動コア69が固定コア66側にさらに移動して,遮断用弁体78の第1ゴムシール81が遮断用弁座82から離座し,高圧通路88から弁室31側にガス燃料が流れることになる。
【0064】
次に,図4に示す本発明の第2実施形態について説明する。
【0065】
この第2実施形態では,ダイヤフラムロッド38及び弁軸27を相互に連結する連結機構39において,弁軸27の第2拡径軸部27cの外端に,それより小径の短軸部27dが同軸に連設される一方,ダイヤフラムロッド38の連結孔40におけるばね座孔40aが弁軸27の第2拡径軸部27cと略同径に形成され,圧縮状態のセットばね58の一端部をばね座孔40aに受容位置決めさせると共に,その他端部を短軸部27dの外周に嵌合しつつ,短軸部27dに連なる第2拡径軸部27cの外端に支承させる。その結果,セットばね58は,弁軸27を介して保持プレート41を減圧用弁体10の開弁側に付勢することになる。その他の構成は,前実施形態と同様であるので,図4中,前実施形態と対応する部分には同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
【0066】
この第2実施形態によれば,セットばね58の付勢力により,ダイヤフラム8側の拡径軸部と保持プレート41との対向面,即ち球面59及びテーパ面60を,常に当接状態に保持することができ,また前記実施形態と同様に保持プレート41の第1係止溝42のセットばね58側の内側面と係止リング44,係止リング44とダイヤフラムロッド38の第2係止溝43の減圧用弁体10側の内側面をそれぞれ常に当接状態に保持することができ,ダイヤフラムロッド38の押し引きに拘らず,連結機構39においてガタによる異音の発生を,より確実に防ぐことができると共に,減圧用弁体10の適正な閉弁姿勢を確保することができる。
【0067】
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0068】
6・・・減圧弁
8・・・ダイヤフラム
10・・・減圧用弁体
18・・・減圧室
24・・・弁孔
26・・・弁座部材
27・・・弁軸
27a・・縮径軸部
27b・・第1拡径軸部
27c・・第2拡径軸部
31・・・高圧室(弁室)
38・・・ダイヤフラムロッド
39・・・連結機構
40・・・連結孔
40a・・ばね座孔
40b・・ばねガイド孔
40c・・嵌合孔
40d・・リングガイド孔
41・・・保持プレート
41a・・係止凹部
42・・・第1係止溝
43・・・第2係止溝
44・・・係止リング
49・・・圧力作用室
50・・・制御圧力室
58・・・セットばね
59・・・球面
60・・・テーパ面
図1
図2
図3
図4