特許第5982707号(P5982707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5982707アンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982707
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】アンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/10 20060101AFI20160818BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H01Q1/10 Z
   H01Q1/24 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-520814(P2015-520814)
(86)(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公表番号】特表2015-522227(P2015-522227A)
(43)【公表日】2015年8月3日
(86)【国際出願番号】CN2013084246
(87)【国際公開番号】WO2014048332
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年1月8日
(31)【優先権主張番号】201210370372.4
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲フアン▼衢
(72)【発明者】
【氏名】余 冬
【審査官】 米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−061513(JP,A)
【文献】 特開2003−204215(JP,A)
【文献】 特開2011−249913(JP,A)
【文献】 特開2000−059117(JP,A)
【文献】 特開平07−162217(JP,A)
【文献】 特開平11−298218(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0634806(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/10
H01Q 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮式アンテナ
アンテナジャケット
ストッパー基部、及び
弾性スリーブを含み、
前記アンテナジャケットが少なくとも一端に開口を有する中空チューブ構造であり、
前記伸縮式アンテナが前記アンテナジャケット内に配置され、
前記伸縮式アンテナが前記アンテナジャケット内をスライドし、前記アンテナジャケットの一端の前記開口から引き出すことが可能であり、
前記ストッパー基部が中空チューブ構造であり、
前記ストッパー基部が前記アンテナジャケット上に配置され、
前記ストッパー基部と前記アンテナジャケットとの間に、前記アンテナジャケットの長さ方向にギャップが存在し、
前記伸縮式アンテナが前記ストッパー基部内をスライド可能であるように、前記ストッパー基部の内径が、前記伸縮式アンテナの外径に適合し、
前記弾性スリーブが前記ストッパー基部と前記アンテナジャケットとの間のギャップにおいて固定されて、前記アンテナジャケットの前記ストッパー基部の方向に向かう運動を制限する、アンテナ。
【請求項2】
前記アンテナがさらにアンテナ基部を含み、
前記アンテナ基部が前記アンテナジャケット内に配置されて前記伸縮式アンテナの下部に接続され、
前記アンテナ基部が前記伸縮式アンテナと共に前記アンテナジャケット内でスライド可能であり、
前記アンテナ基部がリング形状の突起部を有し、
前記リング形状の突起部の外径が前記ストッパー基部の内径よりも大きく、
前記伸縮式アンテナが引き出されたときに、前記リング形状の突起部が前記ギャップにおいて固定される、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記アンテナジャケットが中空円筒構造であり、
前記ストッパー基部及び前記アンテナジャケットが同軸上に配置される、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記アンテナジャケットが半円筒構造であり、
前記伸縮式アンテナが側部開口から引き出され、前記伸縮式アンテナの露出した部分が、前記アンテナジャケットの外側で回転可能である、請求項1または2に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記アンテナジャケットが側部に開口溝を有するチューブ構造であり、
前記伸縮式アンテナが前記アンテナジャケットの上方で回転し、側部開口から引き出すことができる、請求項1または2に記載のアンテナ。
【請求項6】
以下のアンテナ、GPSアンテナ、Wi−Fiアンテナ及びダイバーシティアンテナのいずれか1つまたはいくつかの組み合わせを含むコンビネーションアンテナであって、
前記コンビネーションアンテナが請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナをさらに含み、
GPSアンテナ、Wi−Fiアンテナ及びダイバーシティアンテナのいずれか1つ以上のアンテナが前記アンテナジャケットに隣接する領域に配置される、コンビネーションアンテナ。
【請求項7】
請求項6に記載の前記コンビネーションアンテナを含み、前記コンビネーションアンテナがアンテナ設置位置に配置される、モバイル端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月28日中国国家知識産権局に出願された「アンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末」と題する中国特許出願第201210370372.4号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、通信技術、特に通信に用いられるアンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展により、携帯電話またはその他のモバイル端末製品を用いることによってテレビを視聴する必要性は世界中で絶えず増大している。従って、表出する新しい無線通信の機能的部分は主に伸縮式アンテナである。しかしながら、伸縮式アンテナは携帯電話の特定の空間を占める必要がある。さらに、通信性能の最適化された経験に対する使用者の必要性に基づき、伸縮式アンテナを配置するための位置は通常GPS(全地球測位システム)アンテナまたはWi−Fi(ワイヤレス・フィデリティ)アンテナと重なる。
【0004】
この問題を解決するために、モバイル端末を設計する際に、技術者は調整のためにGPSアンテナ及びWi−Fiアンテナを他の場所に移動させることまたは伸縮式アンテナを配置のために他の位置に移動させることを検討するが、これは、使用者から最適な性能の経験を奪うこととなる。さらに、伸縮式アンテナ及びGPSアンテナなどのその他のアンテナは空間を共有することができないので、モバイル端末の大きさは大きくなる。従って、技術者は依然として、これらのアンテナを一緒に配置している。この配置方法において、伸縮式アンテナが伸展するときには、GPSアンテナ及びその他のアンテナを取り囲む金属環境が変化し、そのためGPSアンテナとその他のアンテナや周囲の環境との間の共振周波数が変化し、GPSアンテナ及びその他のアンテナの通信周波数が逸脱する。従って、通信性能は著しく悪化し、使用者のGPSアンテナ及びその他のアンテナは適切に働くことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態はアンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末を提供し、使用者のモバイル端末の信号周波数の安定性を改善し、良好な通信性能を確保する。
【0006】
第1の態様によれば、本発明の実施形態は、伸縮式アンテナ及びアンテナジャケットを含み、前記アンテナジャケットが少なくとも一端に開口部を有する中空チューブ構造であり、前記伸縮式アンテナが前記アンテナジャケット内に配置され、前記伸縮式アンテナが前記アンテナジャケット内をスライドし、前記アンテナジャケットの一端の前記開口から引き出すことが可能である、アンテナを提供する。
【0007】
第1の態様を参照すると、本発明の第1の可能な実装方式において、前述のアンテナはさらにストッパー基部及びアンテナ基部を含み、前記ストッパー基部が中空チューブ構造であり、前記ストッパー基部が前記アンテナジャケット上に配置され、前記ストッパー基部と前記アンテナジャケットとの間に、前記アンテナジャケットの長さ方向にギャップが存在し、前記伸縮式アンテナが前記ストッパー基部内をスライド可能であるように、前記ストッパー基部の内径が、前記伸縮式アンテナの外径に適合する。
【0008】
前記アンテナ基部は前記アンテナジャケット内に配置されて前記伸縮式アンテナの下部に接続される。前記アンテナ基部は前記伸縮式アンテナと共に前記アンテナジャケット内でスライド可能である。前記アンテナ基部はリング形状の突起部を有し、前記リング形状の突起部の外径は前記ストッパー基部の内径よりも大きい。前記伸縮式アンテナが引き出された後に、前記リング形状の突起部が前記ギャップにおいて固定される。
【0009】
前述のアンテナによれば、前記アンテナジャケットは中空チューブ構造であり、前記ストッパー基部及び前記アンテナジャケットが同軸上に配置される。
【0010】
前述のアンテナによれば、前記アンテナがさらに弾性スリーブを含み、前記弾性スリーブが前記ストッパー基部と前記アンテナジャケットとの間のギャップにおいて固定されて、前記アンテナジャケットの前記ストッパー基部の方向に向かう運動を制限する。
【0011】
第1の態様を参照すると、本発明の第2の可能な実装方法において、前記アンテナジャケットが半円筒構造であり、前記伸縮式アンテナが側部開口から引き出され、前記伸縮式アンテナの露出した部分が、前記アンテナジャケットの外側で回転可能である。
【0012】
第1の態様を参照すると、本発明の第3の可能な実装方法において、前記アンテナジャケットが側部に開口溝を有するチューブ構造であり、前記伸縮式アンテナが側部開口から引き出され、前記伸縮式アンテナの露出した部分が、前記アンテナジャケットの外側で回転可能である。
【0013】
第2の態様によれば、本発明の実施形態はコンビネーションアンテナを提供し、コンビネーションアンテナは、以下のアンテナ、GPSアンテナ、Wi−Fiアンテナ及びダイバーシティアンテナのいずれか1つまたはいくつかの組み合わせを含み、さらに、本発明の第1から第3の可能な実装方式のいずれか1つに従うアンテナ構造を含む。
【0014】
GPSアンテナ、Wi−Fiアンテナ及びダイバーシティアンテナのいずれか1つ以上のアンテナが前記アンテナジャケットに隣接する領域に配置される。
【0015】
第3の態様によれば、本発明の実施形態はモバイル端末を提供し、前記端末が本発明の第2の態様で提供される前記コンビネーションアンテナを含み、前記コンビネーションアンテナが前記端末のアンテナ設置位置に配置される。
【0016】
本発明の実施形態で提供されるアンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末によれば、アンテナジャケットが伸縮式アンテナの外側に配置されるので、伸縮式アンテナが引き出される際に、アンテナジャケットは元の位置にそのままとどまり、移動しない。伸縮式アンテナに隣接する領域の端末筐体に配置され及び/または絶縁アンテナ支持部を用いることによってアンテナジャケットの外壁に取り付けられたGPSアンテナ及びその他のアンテナに関して、周囲の金属環境が顕著に変化せず、GPSアンテナ及びその他のアンテナは適切に働くことができる。従って、伸縮式アンテナは、モバイル端末の通信性能または最適化された使用者の経験に関する使用者の要求を妨げることなく、GPSアンテナ及びその他のアンテナと共に集約されて配置可能である。
【0017】
本発明の実施形態または従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に、実施形態または従来技術を説明するために必要な添付図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明において添付する図面は本発明の実施形態のいくつかを示すにすぎず、当業者であれば、創造的な努力を要せず、これらの添付する図面からその他の図面をさらに引き出しうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置された第1のアンテナの概略的な図である。
図2】本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置された第2のアンテナの概略的な図である。
図3】本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置されたアンテナの背面図である。
図4】本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置されたアンテナの断面図である。
図5】本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置され伸展されたアンテナの概略図である。
図6】本発明の実施形態2に従うモバイル端末に配置されたアンテナの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術的解決手段及び実施形態の利点をより明確にするために、以下に本発明の実施形態の技術的解決手段を、本発明の実施形態の添付した図面を参照して明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は本発明の実施形態の全てではなくむしろ一部にすぎない。創造的な努力を要することなく本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られるその他全ての実施形態は、本発明の保護範囲内にある。
【0020】
本発明の実施形態はアンテナを提供し、アンテナは様々なモバイル通信端末に適用され、モバイル端末の通信周波数の安定性を確保する。本発明のこの実施形態において、携帯電話が例として使用され、アンテナは添付した図面を参照して詳細に説明される。
【0021】
図1は、本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置された第1のアンテナの概略図である。
【0022】
図1に示されるように、本発明の実施形態1において、アンテナは伸縮式アンテナ01及びアンテナジャケット02を含み、アンテナジャケット02は少なくとも一端に開口を有する中空チューブ構造であり、伸縮式アンテナ01はアンテナジャケット02内に配置され、伸縮式アンテナ01はアンテナジャケット内をスライドさせ、アンテナジャケット02から引き出すことができる。
【0023】
伸縮式アンテナ01は、ウェブTVを視聴するための既存の従来の伸縮式アンテナであってもよく、特殊な性能を有する伸縮式アンテナであってもよい。さらに、伸縮式アンテナ01の外に配置されたアンテナジャケット02は、円筒形であってもよく、側部に開口溝を有するチューブ構造であってもよい。図2は、本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置される第2のアンテナの概略図である。図2に示されるように、アンテナジャケット02は側部に開口溝を有するチューブ構造であってもよい。具体的には、アンテナジャケット02は半円筒構造であり、アンテナジャケット02は伸縮式アンテナ01を部分的に収容し、アンテナジャケット02の側部の開口には端末のその他どのアンテナも配置されない。さらに、アンテナジャケット02は金属の筒であってもよく、または表面に導電性物質を塗布された円筒形の物体であってもよく、または直接電気めっき及びモールドされたものであってもよい。実際の応用において、伸縮式アンテナ01及びアンテナジャケット02の形状及び配置方法は、必要性に応じて柔軟に選択されてもよい。
【0024】
具体的には、アンテナの実際の応用において、アンテナはモバイル端末に配置される必要があり、モバイル端末は携帯電話であってもよく、または、無線信号を受け取るその他の端末装置であってもよい。この実施形態において、携帯電話はモバイル端末の例として使用される。図1に示されるように、携帯電話筐体10の右上側(実際の応用例では、アンテナの位置は必要性に応じて選択される)には溝20が存在し、伸縮式アンテナ01は携帯電話筐体10の溝20内に配置され、アンテナジャケット02は伸縮式アンテナ01の外側に配置され、伸縮式アンテナ01はアンテナジャケット02内でスライドし、アンテナジャケットの一端において開口から引き出すことができる。図1に示されるように、アンテナジャケット02は円筒構造である。しかしながら、本発明において、アンテナジャケット02は円筒形状に限定されず、半円筒形であってもよく、側部に開口溝を有するチューブ構造であってもよく、またはそれに類似のものであってもよい。さらに、アンテナジャケット02は、金属の筒であってもよく、表面に導電性物質を塗布された円筒形の物体であってもよく、または直接電気めっきされ、モールドされたものであってもよい。
【0025】
図3は、本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置されるアンテナの背面図である。図3に示されるように、GPSアンテナ41及びWi−Fiアンテナ42は携帯電話筐体10に、伸縮式アンテナ01に隣接する領域に配置されてもよく、ダイバーシティアンテナ43が絶縁支持部(図示されない)を用いることによってアンテナジャケット02の外壁に取り付けられる。GPSアンテナ41、Wi−Fiアンテナ42およびダイバーシティアンテナ43などのその他のアンテナを配置するための位置は、実際の必要性に応じて柔軟に選択されてもよく、すなわち、GPSアンテナ41、Wi−Fiアンテナ42およびダイバーシティアンテナ43などのその他のアンテナのうちいずれか1つ以上のアンテナが携帯電話筐体10の伸縮式アンテナ01に隣接する領域に配置され及び/または絶縁支持部(図示されない)を用いることによってアンテナジャケット02の外壁に取り付けられてもよい。
【0026】
実施形態1に提供されるアンテナによれば、アンテナジャケットは、伸縮式アンテナの外側に配置されるので、伸縮式アンテナが引き出される際には、アンテナジャケットはそのまま元の位置にとどまり、移動しない。伸縮式アンテナの近くの端末筐体に配置されまたは絶縁性アンテナ支持部を用いることによってアンテナジャケットの外壁に取り付けられたGPSアンテナ及びその他のアンテナに関して、周囲の金属環境は顕著に変化せず、GPSアンテナ及びその他のアンテナの通信周波数は逸脱せず、通信性能は影響を受けない。伸縮式アンテナが引き出されたときにも、GPSアンテナ及びその他のアンテナは適切に働き続けることができる。
【0027】
実施形態1に提供されたアンテナはさらに、ストッパー基部及びアンテナ基部を含み、ストッパー基部は中空チューブ構造であり、ストッパー基部はアンテナジャケットの上部に配置され、ストッパー基部とアンテナジャケットの間には、アンテナジャケットの長さの方向にギャップが存在し、ストッパー基部の内径は伸縮式アンテナの外径に適合し、そのため伸縮式アンテナはストッパー基部の中でスライドすることができる。アンテナのアンテナ基部はアンテナジャケット内に配置され、伸縮式アンテナの下部に接続され、例えばヒンジ式に留められる。アンテナ基部はアンテナジャケット内で伸縮式アンテナと共にスライドすることができる。アンテナ基部はリング形状の突起部を有し、リング形状の突起部の外径はストッパー基部の内径よりも大きい。伸縮式アンテナが伸展すると、リング形状の突起部がギャップにおいて固定される。このように、アンテナが使用のために引き出されると、リング形状の突起部はストッパー基部に固定可能であり、それによって伸縮式アンテナが脱落しないようにすることができる。
【0028】
具体的には、アンテナジャケットは中空円筒構造または中空角チューブ構造であってもよい。ストッパー基部がモバイル端末に配置される場合、ストッパー基部はアンテナジャケットと同軸上に配置される。
【0029】
さらに、ストッパー基部はアンテナジャケットの上にあり、ストッパー基部とアンテナジャケットの間にアンテナジャケットの長さ方向にギャップが存在する。アンテナパケットの位置が確実に固定されるように、アンテナはさらに弾性スリーブを含み、弾性スリーブはストッパー基部とアンテナジャケットとの間のギャップに固定され、弾性スリーブは、アンテナジャケットの垂直方向においてストッパー基部の下端及びアンテナジャケットの上端に密着され、ストッパー基部の方向へ向かうアンテナジャケットの移動を制限する。
【0030】
図4は、本発明の実施形態1に従うモバイル端末に配置されたアンテナの断面図である。図4に示されるように、伸縮式アンテナ01はアンテナジャケット02の上方のストッパー基部03内に配置される。ストッパー基部03は所定の厚さを有する中空円筒であり、ストッパー基部03はアンテナジャケット02と同軸上に配置される。伸縮式アンテナ01の外径はストッパー基部03の内径と適合し、すなわち、伸縮式アンテナ01の外径はストッパー基部03の内径よりわずかに小さく、伸縮式アンテナ01はストッパー基部03内をスライドすることができる。
【0031】
伸縮式アンテナを使用する際には、使用者は伸縮式アンテナを引き出す必要がある。伸縮式アンテナがストッパー基部から完全に脱落するのを防ぎ、引き出した後に伸縮式アンテナが重力の作用下でアンテナジャケットに引き込まれるのを防ぐために、本発明のアンテナ基部の底部において設計がなされる。
【0032】
図5は、本発明の実施形態1に従ってモバイル端末に配置され、引き出されたアンテナの概略図である。図5に示されるように、伸縮式アンテナの下部がアンテナ基部05に接続され、例えばヒンジ式に留められるので、アンテナ基部05は伸縮式アンテナ01と共にスライドする。リング形状の突起部051がアンテナ基部05に設計され、リング形状の突起部051の材料は所定の弾性率を有する弾性プラスチックガスケットである。
【0033】
アンテナ基部05が完全にアンテナジャケット02の内部にある場合、リング形状の突起部051は水平方向に押し出す力を受け、アンテナジャケット02の内壁に密着される。伸縮式アンテナ01が使用される必要がある場合には、伸縮式アンテナ01は引き出され、アンテナ基部05は伸縮式アンテナ01と共に移動する。所定のギャップ30が水平方向にストッパー基部03下に存在する。リング形状の突起部051がストッパー基部03下でギャップ30まで移動すると、リング形状の突起部051は水平方向にアンテナジャケット02の内壁の押し出す力をもはや受けず、リング形状の突起部051は水平方向に広がる。この場合、リング形状の突起部051の外径はストッパー基部03の内径及びアンテナジャケット02の内径よりも大きい。従って、伸縮式アンテナ01がストッパー基部03から伸展すると、リング形状の突起部051がストッパー基部03の下部に固定され、それによって伸縮式アンテナ01及びアンテナ基部05がストッパー基部03から完全に外れるのを防ぐ。さらに、リング形状の突起部051は、アンテナジャケット02の下部に固定され、それによって伸縮式アンテナ01が重力の作用下でアンテナジャケット02内に引き込まれ、使用者の使用に影響を与えることを防ぐ。
【0034】
使用者が伸縮式アンテナの使用を停止する場合、使用者は伸縮式アンテナに軽く下向きの力を加え、リング形状の突起部051は力によって水平方向に縮小し、伸縮式アンテナ01はアンテナジャケット02内に収容される。アンテナジャケット02上のストッパー基部03は、携帯電話筐体10に固定され、アンテナジャケット02はストッパー基部03と同軸上に配置される。伸縮式アンテナが引き出されまたは収容される場合、位置制限基部03は垂直方向におけるスライド経路において伸縮式アンテナを安定させる。
【0035】
GPSアンテナ及びその他のアンテナの通信性能の安定性を改善するために、アンテナジャケットは携帯電話筐体にしっかりと固定される必要がある。従って、本発明の実施形態1のアンテナはさらに弾性スリーブを含んでもよい。弾性スリーブはストッパー基部とアンテナジャケットとの間に固定され、ストッパー基部の方向へのアンテナジャケットの移動を制限する。
【0036】
図3及び図4を参照する。アンテナジャケット02の下部は垂直方向において携帯電話筐体10に密着し、リング形状の弾性スリーブ04はストッパー基部03とアンテナジャケット02との間に配置される。垂直方向における弾性スリーブ04の弾性のために、アンテナジャケット02は上方へも下方へも移動しない。さらに、バンプ101がアンテナが配置される溝20内に携帯電話筐体10から延設し、バンプ101がアンテナジャケットを溝20内に固定することができる。従って、GPSアンテナ及びその他のアンテナの周囲の金属環境が比較的安定し、GPSアンテナ及びその他のアンテナの通信性能が確保される。
【0037】
さらに、実施形態1において、アンテナジャケットは円筒形状に限定されない。アンテナジャケットの配置方法は実際の必要性に応じて柔軟に変更されてもよく、すなわち、アンテナジャケットは、半円筒形、半円弧チューブまたはドア形状チューブ構造などの側部に開口溝を有するチューブ構造であってもよい。
【0038】
実際の応用例において、伸縮式アンテナの使用は、伸縮式アンテナが位置するモバイル端末の構成に従って柔軟に変化されてもよく、伸縮式アンテナの位置及び関連する付属品もまた調整されうる。
【0039】
本発明の実施形態2はアンテナを提供する。モバイル端末の外形及び付属品の設計のために、側部開口がアンテナが配置される位置に提供される。従って、アンテナジャケットは半円筒構造であるように設計されてもよく、伸縮式アンテナのアンテナ基部はアンテナジャケットの上方に配置され、アンテナ筐体に固定され、伸縮式アンテナは側部開口から引き出され、伸縮式アンテナの露出した部分はアンテナジャケットの外側に回転することができる。
【0040】
図6は本発明の実施形態2に従うモバイル端末に配置されたアンテナの概略的な図である。図6に示されるように、半円形の溝が、アンテナがモバイル端末上に配置される位置に設計される。それに応じて、アンテナジャケット02は半円筒形状であるように設計され、伸縮式アンテナ01のアンテナ基部05はアンテナジャケット02の上部に配置され、伸縮式アンテナ01は側部開口50から引き出すことができ、伸縮式アンテナの露出した部分はアンテナジャケット02の外側に回転することができる。モバイル端末において、アンテナジャケット02は伸縮式アンテナ01のために構成される。従って、伸縮式アンテナ02が側部開口50から伸展する際に、アンテナジャケット02に隣接する領域で携帯電話筐体10に配置され及び/またはアンテナ支持部を使用することによってアンテナジャケット02の外壁に取り付けられたGPSアンテナ、Wi−Fiアンテナおよびダイバーシティアンテナなどのその他のアンテナの周囲の金属環境が比較的安定である。そのため、伸縮式アンテナ01が伸展される場合に、GPSアンテナ及びその他のアンテナの通信性能は影響されない。
【0041】
本発明の実施形態2のアンテナジャケットはまた、側部開口を有するチューブ構造であってもよい。実際の応用において、アンテナジャケットの形状及び配置方法は、本発明のこの実施形態で説明された形状及び配置方法に限定されない。
【0042】
実施形態1及び実施形態2を参照して、本発明の実施形態3はコンビネーションアンテナを提供し、コンビネーションアンテナは以下のアンテナ、GPSアンテナ、Wi−Fiアンテナ及びダイバーシティアンテナのいずれか1つまたはいくつかの組み合わせを含む。コンビネーションアンテナはさらに実施形態1及び実施形態2で提供されたアンテナの特徴を含む。図3に示されるように、GPSアンテナ41及びWi−Fiアンテナ42はアンテナジャケットに隣接する領域に配置され、ダイバーシティアンテナ43は絶縁支持部を用いることによってアンテナジャケットの外壁に取り付けられる。実際の応用において、GPSアンテナ41、Wi−Fiアンテナ42及びダイバーシティアンテナ43などのその他のアンテナのいずれか1つ以上のアンテナは、アンテナジャケットに隣接する領域に配置されてもよく、絶縁支持部を用いることによってアンテナジャケットの外壁に取り付けられてもよい。本発明の実施形態3で提供されるコンビネーションアンテナでは、伸縮式アンテナ及びGPSアンテナなどのその他のアンテナが、モバイル端末の通信性能において使用者の経験に影響を与えることなく、一体に配置される。
【0043】
実施形態3を参照して、本発明の実施形態4はモバイル端末を提供する。モバイル端末は実施形態3のコンビネーションアンテナを含み、アンテナは端末筐体のアンテナ設置位置に配置される。実施形態3のコンビネーションアンテナは本発明の実施形態4のモバイル端末において使用されるので、モバイル端末の通信性能は安定し、それによって通信品質を向上させ、モバイル端末の性能に関する使用者の必要性を満足する。
【0044】
本発明の実施形態で提供されるアンテナ、コンビネーションアンテナ及びモバイル端末によれば、アンテナジャケットが伸縮式アンテナの外側に配置されるので、伸縮式アンテナが引き出されると、アンテナジャケットはそのまま元の位置に残り、移動しない。GPSアンテナ及びその他のアンテナに関して、周囲の金属環境は顕著に変化せず、GPSアンテナ及びその他のアンテナは適切に働くことができる。従って、GPSアンテナ及びその他のアンテナは、伸縮式アンテナが引き出されたときのGPSアンテナ及びその他のアンテナへの影響を避けるために伸縮式アンテナから分離される必要がない。従って、GPSアンテナ及びその他のアンテナが伸縮式アンテナと隣接する領域において携帯電話筐体に配置されてもよく、絶縁アンテナ支持部がアンテナジャケットに配置される場合にはGPSアンテナ及びその他のアンテナがアンテナ支持部に配置されてもよい。伸縮式アンテナは携帯電話のアンテナの性能における使用者の最適化された経験を損なうことなく、GPSアンテナ及びその他のアンテナと共に集約して配置可能である。さらに、モバイル端末の大きさが小さくなり、モバイル端末は持ち運びが容易になる。
【0045】
最後に、前述の実施形態は本発明を限定するのではなく本発明の技術的課題を説明することを意図されたものにすぎないことに注意すべきである。本発明が前述の実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者であれば、前述の実施形態において説明された技術的解決手段にさらに改良を加え、その技術的特徴のいくつかに等価な置き換えを行いうることは理解するであろう。しかし、それらの改良及び置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の実施形態の技術的解決手段の範囲から逸脱させないものである。
【符号の説明】
【0046】
01 伸縮式アンテナ
02 アンテナジャケット
03 ストッパー基部
04 弾性スリーブ
05 アンテナ基部
051 リング形状の突起部
10 携帯電話筐体
20 溝
30 ギャップ
41 GPSアンテナ
42 Wi−Fiアンテナ
43 ダイバーシティアンテナ
50 側部開口
101 バンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6