特許第5982801号(P5982801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982801
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】設備機器
(51)【国際特許分類】
   F24D 15/00 20060101AFI20160818BHJP
   F26B 9/02 20060101ALI20160818BHJP
   F16L 3/00 20060101ALI20160818BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F24D15/00 B
   F26B9/02 A
   F16L3/00 D
   H05K7/00 G
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-265622(P2011-265622)
(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公開番号】特開2013-117358(P2013-117358A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2014年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 均
(72)【発明者】
【氏名】川島 宏己
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−321459(JP,A)
【文献】 特開2009−079866(JP,A)
【文献】 実開平03−075584(JP,U)
【文献】 実開昭59−018482(JP,U)
【文献】 実開昭62−045875(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 15/00
F16L 3/00
F26B 9/02
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が接続される基板と、
前記配線を保持する複数の配線保持部が一体に設けられ、前記基板の周縁に沿って前記配線を誘導する配線誘導部材とを備え、
前記配線誘導部材は、上方から前記配線が入れられ下方から前記配線を保持する前記配線保持部と、下方から前記配線が入れられ上方から前記配線を保持する前記配線保持部が、前記基板の辺から外側に突出し、前記基板の辺に沿って交互に設けられると共に、
前記配線誘導部材は、本体シャーシに形成された脚部に挿入される穴部を備え、前記脚部に取り付けられた基板と前記本体シャーシとの間に挟持されて、前記本体シャーシと前記基板との間に形成された取付空間に固定される
ことを特徴とする設備機器。
【請求項2】
前記配線誘導部材は、前記配線保持部が前記基板の一の辺に沿って設けられると共に、前記基板の一の辺と交差する他の辺に沿って設けられ、前記基板の角部に沿って前記配線を誘導する
ことを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項3】
前記配線誘導部材は、前記配線保持部で保持される前記配線が前記配線保持部から外れることを防止する外れ防止部を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の設備機器。
【請求項4】
前記基板は、前記配線誘導部材で誘導される前記配線が接続される接続端子が、前記基板の外周に配置される
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の設備機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品等と基板が配線で接続される設備機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅等の建物に、空調装置や換気扇等の設備機器が配置される。例えば、浴室の天井には、浴室の暖房や換気等を行う浴室換気乾燥暖房機が設置されている。
【0003】
浴室換気乾燥暖房機ではヒータを搭載しており、ヒータを駆動する素子等が実装された基板を備え、基板とヒータが配線で接続されて、ヒータへの通電制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。浴室換気乾燥暖房機では、基板に実装された素子でヒータへの通電制御を行っているため、ヒータに接続される配線には高電流が流れている。
【0004】
このように、配線に高電流が流れる浴室換気乾燥暖房機等の設備機器では、装置の組立作業、及び、装置のメンテナンス作業での配線の取り回し作業時において、配線の損傷防止、及び基板上の素子の損傷防止のため、基板上に極力配線を通さない工夫や、組立作業時に部品で配線を挟み込んで損傷しないようにする工夫がなされている。
【0005】
このため、従来、配線をテープで固定して所望の経路で配線を取り回す技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、基板上の複数箇所に、配線を保持するクランプ部材を取り付けて、配線を取り回す技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−116813号公報
【特許文献2】特開2004−060902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来から知られている配線のクランプ部材は、帯状の部材が環状とされて配線が通されると共に、ネジで基板上等の所定の箇所に固定される構成である。このため、配線の経路に合わせて多数のクランプ部材が必要で、装置のコストアップにつながっていた。
【0008】
また、多数のクランプ部材を、配線を通しながら基板等に取り付けるため、配線の取り回し作業に多くの工数を費やしていた。更に、配線の取り回し作業で配線をクランプ部材に噛み込む可能性があり、配線をクランプ部材に噛み込まないように時間を掛けて作業を行わなければならず、作業効率に影響を及ぼす場合があった。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で配線を誘導可能とし、かつ、誘導される配線の損傷を防ぐことが可能な設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明は、配線が接続される基板と、配線を保持する複数の配線保持部が一体に設けられ、基板の周縁に沿って配線を誘導する配線誘導部材とを備え、配線誘導部材は、上方から配線が入れられ下方から配線を保持する配線保持部と、下方から配線が入れられ上方から配線を保持する配線保持部が、基板の辺から外側に突出し、基板の辺に沿って交互に設けられると共に、配線誘導部材は、本体シャーシに形成された脚部に挿入される穴部を備え、脚部に取り付けられた基板と本体シャーシとの間に挟持されて、本体シャーシと基板との間に形成された取付空間に固定される設備機器である。

【0011】
本発明の設備機器では、配線を誘導する配線誘導部材は、配線を保持する複数の配線保持部が一体に設けられ、構成が簡略化される。配線は、配線誘導部材に一体で設けられる複数の配線保持部で基板の周縁に沿って誘導され、個々の配線保持部を基板等に固定する作業は不要で、配線の取り回し作業が簡略化されると共に、配線の取り回し作業での作業ミスに起因する配線等の損傷が防止される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の設備機器によれば、配線を誘導する配線誘導部材は、複数の配線保持部が一体に設けられるので、簡単な構造で、基板の周縁に沿って配線を誘導することができる。
【0013】
これにより、装置のコストダウンを図ることができる。また、並列される配線保持部の間の任意の箇所の上方または下方から配線が出し入れできるので、配線の取り回し作業が簡略化され、配線の取り回し作業での作業ミスに起因する配線等の損傷を防止することができる。更に、簡単な構成の配線誘導部材で、所望の経路で配線を誘導することができ、配線及び基板上の素子等を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示す斜視図である。
図2】本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示す断面図である。
図3】本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す斜視図である。
図4】本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す平面図である。
図5】本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す正面図である。
図6】本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の設備機器の実施の形態としての空調装置の一例である浴室換気乾燥暖房機について説明する。
【0016】
<本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図1は、本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示す斜視図、図2は、本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示す断面図である。
【0017】
本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部2と、本体部2に設けられる基板3と、基板3等に接続される配線4を、所望の経路で誘導する配線誘導部材5を備える。
【0018】
本体部2は、基板3が取り付けられる本体シャーシ20と、基板3が取り付けられた本体シャーシ20を覆い、本体部2の外郭を構成する金属ケース21を備える。本体シャーシ20は樹脂材料で構成され、図2に示す天井板101に図示しない締結手段であるネジで取り付けられるフランジ部22と、風路を形成するファンケース部23を備え、フランジ部22とファンケース部23が一体に成形される。なお、本体シャーシ20は、難燃性の樹脂材料で構成されるものであっても良い。
【0019】
フランジ部22は、本体シャーシ20の一の側である下部の周縁から、全周にわたって外側に突出する。ファンケース部23は、本体シャーシ20の下部から上方に突出した凸形状に構成される。
【0020】
本体シャーシ20は、ファンケース部23の上面に脚部20aが一体に設けられ、脚部20aに載せられた基板3が、脚部20aに締結されるネジ20bにより本体シャーシ20に固定される。
【0021】
金属ケース21は、鉄等の金属の板材で構成され、基板3が取り付けられた本体シャーシ20のファンケース部23の全体を覆うと共に、フランジ部22は露出させる形状を有する。本体部2は、本体シャーシ20に金属ケース21が取り付けられると、金属ケース21の一の側である下部の周縁から、全周にわたってフランジ部22が外側に突出する。
【0022】
本体部2は、基板3に実装された素子等で駆動される電気部品として、空気を吸い込んで吹き出すファン部6と、ファン部6で吹き出される空気を加熱するヒータ7と、風路を切り替える風路切替ダンパ8を備える。また、本体部2は、電気部品として、ファン部6で吹き出される空気に正イオンと負イオンのいずれか、あるいは正イオンと負イオンの双方を供給するイオン発生器9を備えても良い。
【0023】
ファン部6は送風手段の一例で、多翼の羽根車60と、羽根車60を回転させるファンモータ61を備え、本体シャーシ20のファンケース部23にファンモータ61が取り付けられる。
【0024】
ファンケース部23は、本体シャーシ20の一の側である下部から上方に突出し、羽根車60の外周に沿った略円形の部位と、羽根車60の接線方向に沿った部位を組み合わせた凸形状に構成される。
【0025】
本体部2は、本体シャーシ20の下面に下カバー24が取り付けられ、ファンケース部23と下カバー24により、ファン部6の風路が構成される。本体部2は、ファン部6に室内からの空気が吸い込まれる吸込口24aと、ファン部6から室内に空気が吹き出される循環吹出口24bが、下カバー24に開口を設けて形成される。また、本体部2は、ファン部6から室外に空気が吹き出される換気吹出口25が、本体シャーシ20の一の側面に開口を設けて構成される。
【0026】
ファン部6では、羽根車60がファンモータ61に駆動されて回転すると、羽根車60の内周側から外周側へと遠心方向に空気が吹き出されることで、羽根車60の軸方向に設けられた吸込口24aから吸い込まれる空気の流れが発生する。
【0027】
また、ファン部6では、羽根車60が回転することで羽根車60の遠心方向に吹き出される空気が、ファンケース部23によって羽根車60の接線方向に沿って整流され、循環吹出口24bあるいは換気吹出口25から吹き出される空気の流れが発生する。
【0028】
ヒータ7は加熱手段の一例で、本例ではPTCヒータが循環吹出口24bに取り付けられる。浴室換気乾燥暖房機1Aでは、ヒータ7に通電されることでヒータ7が発熱し、循環吹出口24bを通る空気が加熱され、循環吹出口24bから温風が吹き出される。
【0029】
風路切替ダンパ8は風路開閉手段の一例で、本体部2の下面に設けられる循環吹出口24bと、本体部2の側面に設けられる換気吹出口25との間に、回転による開閉動作の軸80が設けられる。風路切替ダンパ8は、ダンパモータ81の駆動力が伝達され、軸80を支点に回転して、循環吹出口24bと換気吹出口25の開閉動作を行う。
【0030】
イオン発生器9はイオン発生手段の一例で、図示しないイオン発生面をファンケース部23の内側に露出させて、本体シャーシ20の上面に取り付けられる。浴室換気乾燥暖房機1Aでは、イオン発生器9に通電されると、略同数の正イオンと負イオンが供給されることで、循環吹出口24bから正イオンと負イオンを含む空気が吹き出される。
【0031】
浴室換気乾燥暖房機1Aは、室内に面して本体部2に取り付けられ、本体部2の下面を覆うフロントパネル10を備える。フロントパネル10は、ファン部6の吸込口24aと連通して吸込口グリル11が設けられる。また、ファン部6の循環吹出口24bと連通して吹出口グリル12が設けられる。
【0032】
浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部2の一の側面にダクトジョイント13を備える。ダクトジョイント13は、金属ケース21の一の側面に取り付けられ、ファン部6の換気吹出口25と連通し、図示しないダクトが接続される。ダクトジョイント13は、金属ケース21と同様に金属で構成される。
【0033】
基板3は、ファンモータ61、ヒータ7、ダンパモータ81及びイオン発生器9等を駆動する素子が実装され、これら各電気部品と、図示しないリモートコントロール装置からの配線4(4a〜4e)が接続される。また、基板3は、外部からの図示しない電源線等が接続される。
【0034】
基板3では、配線4a〜4eが接続されるコネクタ等の端子30は、基板3に実装される素子の配置及び種類に応じて設定され、一部の端子30は、基板3の外周に沿って配置される。
【0035】
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、所定の配線4が配線誘導部材5で誘導される。本例では、ヒータ7からの配線4aと、イオン発生器9からの配線4bと、図示しないリモートコントロール装置からの配線4cが、配線誘導部材5で所定の経路に誘導されて、基板3に接続される。また、ファンモータ61からの配線4dと、ダンパモータ81からの配線4eは、配線誘導部材5を通らない経路で基板3と接続される。
【0036】
<本実施の形態の配線誘導部材の構成例>
図3は、本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す斜視図、図4は、本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す平面図、図5は、本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す正面図、図6は、本実施の形態の配線誘導部材の一例を示す側面図である。次に、図1図6を参照して、本実施の形態の配線誘導部材の構成及び作用効果について説明する。
【0037】
配線誘導部材5は、所定の配線4、本例では配線4a〜4c等を保持する配線保持部50a,50bと、配線誘導部材5を本体シャーシ20のファンケース部23に固定する固定部51を備える。配線誘導部材5は、難燃性の樹脂材料で構成され、複数の配線保持部50a,50bと固定部51が一体に成形される。
【0038】
配線誘導部材5は、一の方向である下方に凸状で、下方から配線4を保持する配線保持部50aと、他の方向である上方に凸状で、上方から配線4を保持する配線保持部50bが交互に設けられ、配線保持部50aと配線保持部50bが並列される方向に沿って、配線4が通される空間が形成される。
【0039】
配線誘導部材5は、配線保持部50aと配線保持部50bとの間に通された配線4を保持し、配線保持部50aと配線保持部50bの配置に合わせて配線4を誘導する。
【0040】
配線誘導部材5は、配線保持部50a及び配線保持部50bが、本例では、基板3の一の辺である第1の辺31aに沿って設けられると共に、基板3の第1の辺31aと交差する他の辺である第2の辺31bと第3の辺31cに沿って設けられる。
【0041】
配線誘導部材5は、下方に凸状で上側が開口した配線保持部50aの間に、上方に凸状の配線保持部50bが設けられることで、並列される配線保持部50aの間に、下方から配線4が出し入れ可能な隙間が形成される。同様に、上方に凸状で下側が開口した配線保持部50bの間に、下方に凸状の配線保持部50aが設けられることで、並列される配線保持部50bの間に、上方から配線4が出し入れ可能な隙間が形成される。
【0042】
更に、配線誘導部材5は、下方に凸状の配線保持部50aの一部分を上方に突出させ、上方に凸状の配線保持部50bの一部分を下方に突出させることで、並列される配線保持部50aと配線保持部50bで、配線4が通される方向に対して上下方向に重なる部位を設けて、配線4の外れ防止部52が形成される。
【0043】
これにより、配線誘導部材5では、配線保持部50aと配線保持部50bとの間に配線4が通されることで、基板3の第1の辺31aと第2の辺31bと第3の辺31cに沿って配線4が誘導され、かつ、外れ防止部52によって側方から配線4が抜けることが防止される。
【0044】
また、配線誘導部材5では、基板3の第1の辺31aと第2の辺31bが交差する第1の角部32aと、基板3の第1の辺31aと第3の辺31cが交差する第2の角部32bに沿って配線4が誘導される。更に、配線誘導部材5では、並列される配線保持部50aと配線保持部50bの間の任意の箇所から、配線4が出し入れされる。
【0045】
配線誘導部材5は、本体シャーシ20のファンケース部23の上面と基板3との間に形成された取付空間26に固定部51により取り付けられる。固定部51は、ファンケース部23の上面に形成された脚部20aに挿入される穴部51aと、配線誘導部材5の取付空間26での高さ方向の位置が固定される突起部51bを備える。
【0046】
本体シャーシ20に基板3が取り付けられた本体部2では、本体シャーシ20のファンケース部23の上面と基板3との間に、脚部20aの高さに応じて取付空間26が形成される。配線誘導部材5は、ファンケース部23の脚部20aに固定部51の穴部51aが挿入され、脚部20aに載せられた基板3がネジ20bにより本体シャーシ20に固定されることで、突起部51bが本体シャーシ20と基板3との間に挟持され、取付空間26に固定される。
【0047】
取付空間26に取り付けられた配線誘導部材5は、配線保持部50aと配線保持部50bが、基板3の辺から外側に突出して、基板3の第1の辺31a、第2の辺31b及び第3の辺31cに沿って配置される。
【0048】
配線誘導部材5は、複数の配線保持部50a,50bと、固定部51が一体に構成されるので、基板3の辺に沿った複数箇所で配線4を誘導する配線誘導部材5の構成を簡略化して、低コスト化を図ることができる。
【0049】
また、配線誘導部材5は、本体シャーシ20に基板3を取り付けることで、基板3と共に本体シャーシ20に取り付けられるので、取付作業も容易に行え、製造コストの低コスト化を図ることができる。
【0050】
本体シャーシ20と基板3との間の取付空間26に配線誘導部材5が取り付けられた本体部2では、所定の配線4、本例では配線4a〜4c等が、配線誘導部材5によって誘導される。
【0051】
配線誘導部材5は、下方に凸状で上側が開口した配線保持部50aと、上方に凸状で下側が開口した配線保持部50bが交互に設けられることで、配線保持部50aが設けられる部位では、上方から配線4が入れられる。また、配線保持部50bが設けられる部位では、下方から配線4が入れられる。
【0052】
これにより、配線誘導部材5は、配線保持部50aと配線保持部50bとの間に、容易に配線4を通すことができる。特に、配線4にコネクタ40が接続されている場合でも、コネクタ40自体は、配線保持部50aと配線保持部50bとの間を通す必要はない。
【0053】
また、並列される配線保持部50aと配線保持部50bで、配線4が通される方向に対して上下方向に重なる部位を設けて外れ防止部52が形成されることで、配線保持部50aと配線保持部50bとの間に通された配線4が、不用意に外れることを防止できる。
【0054】
更に、並列される配線保持部50aと配線保持部50bの間の任意の箇所から、配線4が出し入れできるので、配線4の誘導経路を、電気部品の配置等に応じて容易に異ならせることができる。
【0055】
例えば、ヒータ7からの配線4aは、基板3の第1の辺31aに沿って配置される配線保持部50aと配線保持部50bの途中から出し入れされることで、第1の辺31aの一部と、第2の辺31bに沿った経路とすることができる。ヒータ7と接続される配線4aは、高電流が流れる。そこで、配線誘導部材5を使用することで、基板3上の各種素子等から離れた位置で、かつ、配線自体が必要十分に最短の長さとなるように、配線4aの誘導経路を決定することができる。
【0056】
これに対して、イオン発生器9からの配線4bと、図示しないリモートコントロール装置からの配線4cは、基板3の各辺に沿って配置される配線保持部50aと配線保持部50bとの間に通されることで、基板3の第1の辺31a、第2の辺31b及び第3の辺31cに沿った経路とすることができる。
【0057】
このように、配線誘導部材5では、配線保持部50aと配線保持部50bとの間に、容易に配線4を通すことができるので、配線の取り回し作業を簡略化でき、配線4を所定の経路で配線保持部50a,50bで保持する組み立て作業のバラツキを抑えることができる。これにより、ネジで締結される部材間に配線を挟む等、配線4の損傷につながるような作業を排除して、配線4を保護することができる。
【0058】
また、配線誘導部材5では、単一の部材で、配線4を異なる経路で誘導できるので、イオン発生器9の有無等、仕様の違う装置であっても、単一の配線誘導部材5で対応して、最適な経路で配線4を誘導することができる。
【0059】
更に、基板3の周縁に沿って所定の配線4を誘導することができるので、配線の取り回し作業で、基板3上の素子等の損傷を防止することができる。また、基板3上の素子等が損傷した場合に、配線4への影響を抑えることができる。
【0060】
なお、配線誘導部材5では、基板3の例えば強電エリア等、所定の位置を覆う形状で固定部51を構成すると共に、固定部51に金属板材等を一体で成形することで、樹脂材料で構成される本体シャーシ20を保護する構成を、配線誘導部材5と一体に設けて、部品点数の削減、及び組立工数の削減を図ることができる。
【0061】
<本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の動作例>
次に、各図を参照して、本実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の動作の一例について説明する。
【0062】
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ8の位置を、図2に実線で示すように換気吹出口25を閉じる循環位置とすると、循環吹出口24bが開いて、吸込口24aから循環吹出口24bへ連通した循環風路が形成される。
【0063】
また、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ8の位置を、図2に一点鎖線で示すように循環吹出口24bを閉じる換気位置とすると、換気吹出口25が開いて、吸込口24aから換気吹出口25へ連通した換気風路が形成される。
【0064】
更に、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ8の位置を、図2に破線で示す循環位置と換気位置の間の循環換気位置とすると、循環吹出口24bと換気吹出口25の双方が開いて、循環風路と換気風路の双方が形成される。
【0065】
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、羽根車60がファンモータ61に駆動されて回転することで、フロントパネル10の吸込口グリル11か浴室内の空気が吸い込まれる。浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ8が循環位置にあると、吸込口グリル11から吸い込まれた浴室内の空気は、フロントパネル10の吹出口グリル12から浴室内に吹き出される。
【0066】
また、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ8が換気位置にあると、吸込口グリル11から吸い込まれた浴室内の空気は、換気吹出口25から図示しないダクトを通り屋外へ排気される。
【0067】
更に、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ8が循環換気位置にあると、吸込口グリル11から吸い込まれた浴室内の空気の所定量は、換気吹出口25から屋外へ排気され、残量がフロントパネル10の吹出口グリル12から浴室内に吹き出される。
【0068】
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、ヒータ7が駆動されることで、吹出口グリル12から温風が吹き出される。また、イオン発生器9が駆動されることで、吹出口グリル12から正イオンと負イオンを含む空気が吹き出される。
【0069】
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、浴室内の空気を吸い込んで、屋外に排気する動作、ヒータ7を駆動することで、温風を浴室内に吹き出して暖房を行う動作、換気を行いながら温風を吹き出して、衣類等の乾燥を行う動作が行われる。また、イオン発生器9を駆動することで、正イオンと負イオンを含む空気を浴室内に吹き出す動作が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、配線で接続される各種電気部品を有した設備機器に適用される。
【符号の説明】
【0071】
1A・・・浴室換気乾燥暖房機、10・・・フロントパネル、11・・・吸込意口グリル、12・・・吹出口グリル、13・・・ダクトジョイント、2・・・本体部、20・・・本体シャーシ、20a・・・脚部、20b・・・ネジ、21・・・金属ケース、22・・・フランジ部、23・・・ファンケース部、24・・・下カバー、24a・・・吸込口、24b・・・循環吹出口、25・・・換気吹出口、26・・・取付空間、3・・・基板、30・・・端子、31a・・・第1の辺、31b・・・第2の辺、31c・・・第3の辺、32a・・・第1の角部、32b・・・第2の角部、4(4a〜4e)・・・配線、40・・・コネクタ、5・・・配線誘導部材、50a,50b・・・配線保持部、51・・・固定部、51a・・・穴部、51b・・・突起部、52・・・外れ防止部、6・・・ファン部、60・・・羽根車、61・・・ファンモータ、7・・・ヒータ、8・・・風路切替ダンパ、80・・・軸、81・・・ダンパモータ、9・・・イオン発生器
図1
図2
図3
図4
図5
図6