(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ハイブリダイズ温度が不適正であることによって生じる誤判定を防止するための標的遺伝子検出用試験片を含むキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ハイブリダイズ温度モニター用プローブを試験片に固定することによって、ハイブリダイズ温度が不適正であることによって生じる誤判定を防止できることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明は、標的遺伝子を検出するためのキットを提供し、該キットは、試験片および標準遺伝子を含み、該試験片には、T
min℃からT
max℃の温度で該標的遺伝子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなる検出用プローブ、ならびにハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プローブが固定されており、該第1プローブは、T
min℃よりも低い温度では該標準遺伝子とハイブリダイズするが、T
min℃以上の温度では該標準遺伝子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドからなり、該第2プローブは、T
max℃以下の温度では該標準遺伝子とハイブリダイズするが、T
max℃よりも高い温度では該標準遺伝子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドからなる。T
min℃からT
max℃の温度範囲は、検出用プローブが標的遺伝子と適切にハイブリダイズし得る温度範囲である。
【0007】
1つの実施態様では、上記標準遺伝子の5’または3’末端のいずれか一方は、放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質またはビオチンで修飾されている。
【0008】
1つの実施態様では、上記キットはさらに、上記標準遺伝子を含有する遺伝子変性用試薬を含む。
【0009】
本発明はまた、標的遺伝子を検出するための方法を提供し、該方法では、上記キットを用い、(1)上記第1プローブが前記標準遺伝子とハイブリダイズするが、上記第2プローブが上記標準遺伝子とハイブリダイズしない場合は、上記検出用プローブと前記標的遺伝子とのハイブリダイズ温度は適正であると判定し、(2)上記第1プローブおよび上記第2プロ−ブがともに上記標準遺伝子とハイブリダイズする場合、または上記第1プローブおよび上記第2プロ−ブがともに上記標準遺伝子とハイブリダイズしない場合は、上記検出用プローブと上記標的遺伝子とのハイブリダイズ温度は適正でないと判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハイブリダイズ温度が不適正であることによって生じる誤判定を防止するための標的遺伝子検出用試験片を含むキットを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、標的遺伝子を検出するためのキットを提供し、該キットは、試験片および標準遺伝子を含む。
【0013】
標的遺伝子としては、特に限定されず、例えば、微生物を同定するための遺伝子、微生物の薬剤感受性または耐性に関する遺伝子、野生型または変異型の遺伝子が挙げられる。
【0014】
(試験片)
試験片には、所定の温度(T℃)で標的遺伝子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなる検出用プローブ、ならびにハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プローブがそれぞれ異なる位置に固定されている。好ましくは、各プローブは一定の間隔で固定されている。さらに、発色を確認するためのコントロールまたはマーカーが固定されていてもよい。
【0015】
試験片は、各プローブを担体表面上に物理的または化学的に固定して作製することができる。担体としては、特に限定されず、例えば、ビニル系ポリマー、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ニトロセルロースなどの有機材料;ガラス、シリカなどの無機材料;金、銀などの金属材料などが挙げられる。成形加工性が容易である点で、有機材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類がより好ましい。これらの担体は、発色法での検知において、その発色を視認しやすくするために白色であることが好ましい。
【0016】
担体表面にプローブを物理的に固定化する方法としては、公知の種々の方法が用いられる。例えば、担体表面をポリリジンなどのポリカチオン性の高分子で被覆する方法があり、この方法によれば、ポリアニオンであるプローブとの静電相互作用により、固定化の効率を上げることができる。プローブの末端に無関係な塩基配列(ポリチミン鎖など)を付加し、固定されるプローブ自体の分子量を増大させることによって、固定化の効率を上げる方法もある。例えば、ポリチミン付加オリゴヌクレオチドプローブを含む溶液をディスペンサからニトロセルロース膜上に吐出して、紫外線を照射することによって、比較的容易に種々のプローブを固定化することができる。具体的には、各プローブをそれぞれ24ゲージの針を備えたディスペンサに入れ、0.5〜1.0μL/分の量を吐出させながら2.5〜8.5mm/秒の塗布速度で、それぞれ一定の間隔をあけてニトロセルロース膜上に塗布すると、各プローブが、一定の間隔で並んだ約1〜2mmの幅のストライプとして塗布される。このプローブのストライプが塗布された担体に紫外線を照射することによって、プローブが担体上に固定される。さらに、必要に応じて、これらのストライプを横断するように細く切断すると、各プローブが順に配置された多数の試験片を一挙に得ることができる。
【0017】
担体表面が金などの金属材料である場合には、2−アミノエタンチオールなどのアミノ基を有するチオールもしくはジスルフィド化合物などで担体表面を処理することによって、ポリアニオンであるプローブとの静電相互作用を介して固定化の効率がよくなることも知られている。
【0018】
プローブに官能基を導入して化学的に固定化する方法としては、公知の種々の方法が用いられる。例えば、担体の材料がガラス、シリコンなどの無機材料の場合には、プローブの末端をトリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのシランカップリング反応が可能な官能基で修飾する方法があり、修飾プローブを含む溶液に担体を24〜48時間浸漬し、取り出した後、洗浄することによって試験片が得られる。あるいは、ガラス、シリコンなどの無機材料担体をアミノエトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤で処理することによって、担体の表面をアミノ化し、次いで、末端にカルボン酸を導入したプローブとアミノカップリング反応させることによって、プローブを固定化する方法もある。さらに、担体の材料が金、銀などの金属材料の場合には、プローブの末端をチオール基、ジスルフィド基などの金属と結合可能な官能基で修飾し、この修飾プローブを含む溶液に担体を24〜48時間浸漬し、取り出した後、洗浄することによって固定化することができる。
【0019】
また、合成されたプローブを固定するのでなく、リソグラフィー技術を利用して、所望の配列を有するプローブを担体表面上で直接合成する方法も知られている。
【0020】
(検出用プローブ)
検出用プローブは、標的遺伝子を検出するためのプローブであり、所定の温度(T℃)で標的遺伝子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなる。好ましくは、標的遺伝子と任意の位置で1塩基異なる遺伝子とはハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドからなる。例えば、標的遺伝子の塩基配列に相補的な塩基配列のオリゴヌクレオチドからなる。オリゴヌクレオチド長は、特に限定されないが、好ましくは10〜30ヌクレオチド長、より好ましくは12〜26ヌクレオチド長である。ハイブリダイズ温度(T℃)は、オリゴヌクレオチド長、オリゴヌクレオチドの塩基配列などにより、適宜設定される。検出用プローブは、標準遺伝子とはハイブリダイズしない。
【0021】
検出用プローブを構成するオリゴヌクレオチドは、標準的なプログラムおよびプライマー解析ソフトウェア、例えばPrimer Express(Perkin Elmer社)を用いることによって、塩基配列を適宜設計することができ、自動化オリゴヌクレオチドシンセサイザーなどの標準的な方法を用いて適宜合成することができる。
【0022】
検出用プローブは、試験片に固定するために、好ましくは5’または3’末端のいずれか一方が修飾されている。
【0023】
(標準遺伝子ならびにハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プローブ)
標準遺伝子ならびにハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プローブを構成するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド長および塩基配列は、特に限定されず、標的遺伝子を検出するための検出用プローブがT
min℃からT
max℃の温度で標的遺伝子とハイブリダイズする場合、該第1プローブは、T
min℃よりも低い温度では該標準遺伝子とハイブリダイズするが、T
min℃以上の温度では該標準遺伝子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドからなり、そして該第2プローブは、T
max℃以下の温度では該標準遺伝子とハイブリダイズするが、T
max℃よりも高い温度では該標準遺伝子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドからなる。T
min℃からT
max℃の温度範囲は、検出用プローブが標的遺伝子と適切にハイブリダイズし得る限り、特に限定されず、例えば2〜4℃、好ましくは2℃である。
【0024】
標準遺伝子ならびにハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プローブを構成するオリゴヌクレオチドは、標準的なプログラムおよびプライマー解析ソフトウェア、例えばPrimer Express(Perkin Elmer社)を用いることによって、塩基配列を適宜設計することができ、自動化オリゴヌクレオチドシンセサイザーなどの標準的な方法を用いて適宜合成することができる。
【0025】
ハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プローブは、試験片に固定するために、好ましくは5’または3’末端のいずれか一方が修飾されている。
【0026】
標準遺伝子は、ハイブリダイズモニター用プローブとのハイブリダイズを検出するために、好ましくは5’または3’末端のいずれか一方が放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質、ビオチンなどで修飾されている。
【0027】
(キット)
本発明のキットは、上記試験片および上記標準遺伝子を含む。さらに、例えば、検体から遺伝子DNAを抽出するための試薬、遺伝子増幅用試薬、遺伝子変性用試薬、ハイブリダイズ用試薬、プローブと遺伝子のハイブリダイズを検出するための試薬を含む。遺伝子DNAを抽出するための試薬としては、特に限定されず、例えば、フェノール抽出法、グアニジンチオシナネート抽出法、バナジルリボヌクレオシド複合抽出法などに基づく試薬が挙げられる。遺伝子増幅用試薬は、遺伝子増幅用プライマー対を含み、遺伝子増幅用プライマーは、プローブと遺伝子のハイブリダイズを検出するために、好ましくは放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質、ビオチンなどで修飾されている。遺伝子増幅法としては、特に限定されず、例えば、PCR法、LAMP法、ICAN法が挙げられる。遺伝子変性用試薬としては、遺伝子を1本鎖DNAに変性する限り、特に限定されない。好ましくは、上記標準遺伝子を含む。ハイブリダイズ用試薬は、相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするように塩濃度、界面活性剤およびその濃度が適宜設定される。プローブと遺伝子のハイブリダイズを検出するための試薬としては、特に限定されず、例えば、遺伝子増幅用プライマーがアルカリホスファターゼで修飾される場合は、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)/5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスファターゼp−トルイジニル塩(BCIP)発色試薬が挙げられる。
【0028】
(標的遺伝子を検出するための方法)
(1.検体)
検体としては、特に限定されず、例えば、喀痰、咽頭ぬぐい液、胃液、気管支肺胞洗浄液、気管内吸引物、喉からの拭取物および/または組織生検物などの体液、ならびにこれらから培養して得られた培養物などが挙げられる。
【0029】
(2.遺伝子DNAの抽出)
上記検体から遺伝子DNAを抽出する方法としては、特に限定されず、例えば、フェノール抽出法、グアニジンチオシナネート抽出法、バナジルリボヌクレオシド複合抽出法が挙げられる。この工程は省略してもよい。
【0030】
(3.標的遺伝子の増幅)
遺伝子増幅法としては、特に限定されず、例えば、PCR法、LAMP法、ICAN法が挙げられる。遺伝子増幅用プライマーは、プローブと遺伝子のハイブリダイズを検出するために、好ましくは放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質、ビオチンなどで修飾されている。検体から遺伝子DNAを抽出することなく、検体から直接標的遺伝子を増幅してもよい。検出感度を上げるために、例えば、検体から直接標的遺伝子を増幅する場合、PCR法の前にNestedPCR法(特公平6−81600号公報)などで標的遺伝子を増幅してもよい。NestedPCR法におけるプライマーには、通常、PCR法で用いるプライマーよりも標的遺伝子の外側に位置する塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを用いる。
【0031】
(4.標的遺伝子の検出)
増幅した標的遺伝子を1本鎖DNAに変性し、試験片とのハイブリダイズ処理を行う。ハイブリダイズ処理の温度などの条件、時間は適宜設定される。ハイブリダイズ処理の結果、例えば、標的遺伝子の遺伝子増幅用プライマーがビオチンで修飾されている場合、増幅したビオチン標識標的遺伝子は、試験片に固定された検出用プローブとハイブリダイズすると、試験片にアルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジンを反応させ、次いでNBT/BCIPを反応させることによって、試験片上のプローブにアルカリホスファターゼが結合し、NBT/BCIPにより発色する。
【0032】
例えば、5’または3’末端がビオチンで修飾されている標準遺伝子は、試験片に固定されたハイブリダイズモニター用プローブとハイブリダイズすると、試験片にアルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジンを反応させ、次いでNBT/BCIPを反応させることによって、試験片上のプローブにアルカリホスファターゼが結合し、NBT/BCIPにより発色する。
【0033】
ここで、標的遺伝子を検出するための検出用プローブがT℃で標的遺伝子とハイブリダイズする場合、ハイブリダイズモニター用第1プローブが標準遺伝子とハイブリダイズするが、ハイブリダイズモニター用第2プローブが標準遺伝子とハイブリダイズしないときは、検出用プローブと標的遺伝子とのハイブリダイズ温度は適正であると判定し、ハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プロ−ブがともに標準遺伝子とハイブリダイズするとき、またはハイブリダイズモニター用第1プローブおよび第2プロ−ブがともに標準遺伝子とハイブリダイズしないときは、検出用プローブと標的遺伝子とのハイブリダイズ温度は適正でないと判定する。
【0034】
ハイブリダイズ温度が適正でないと判定した場合、検出用プローブと標的遺伝子とのハイブリダイズの結果に基づく判定は誤判定である可能性が高いので、再検出を行う。
【実施例】
【0035】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0036】
(実施例1:適正温度における試験片を用いるRFP感受性の検出)
(1.試験片の作製)
ハイブリダイズモニター用プローブとして、以下の配列番号1および2で示される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなる第1プローブおよび第2プローブをそれぞれ調製する。また、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のリファンピシン(RFP)感受性を検出するためにプローブとして、以下の配列番号3〜7で示される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるプローブS1〜S5をそれぞれ調製する。さらに、結核菌のRFP耐性を検出するためのプローブとして、以下の配列番号8〜11で示される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるプローブR2、R4a、R4bおよびR5をそれぞれ調製する。これらのプローブは、61〜63℃の温度範囲で標的遺伝子とハイブリダイズするように設計されている。すなわち、T
min=61℃およびT
max=63℃である。
【0037】
第1プローブ:5'-atgcatggatgcatgc-3'(配列番号1)
第2プローブ:5'-atgcatgaatgcatgc-3'(配列番号2)
プローブS1:5'-gccagctgagccaattcat-3'(配列番号3)
プローブS2:5'-ttcatggaccagaacaacccg-3'(配列番号4)
プローブS3:5'-ccgctgtcggggttgacc-3'(配列番号5)
プローブS4:5'-gacccacaagcgccgact-3'(配列番号6)
プローブS5:5'-cgactgtcggcgctgggg-3'(配列番号7)
プローブR2:5'-aattcatggtccagaacaaccc-3'(配列番号8)
プローブR4a:5'-gttgacctacaagcgccga-3'(配列番号9)
プローブR4b:5'-ttgaccgacaagcgccgact-3'(配列番号10)
プローブR5:5'-cgactgttggcgctggg-3'(配列番号11)
【0038】
上記各プローブを構成するオリゴヌクレオチドの5’末端にターミナルトランスフェラーゼ(Promega社)を用いてポリチミンの付加を行う。具体的には、上記各プローブ(50mM)2μL、ターミナルトランスフェラーゼ(30unit/μL)0.4μL、チミジン三リン酸(10pmol/μL)2μL、ターミナルトランスフェラーゼに添付の反応緩衝液2μL、および精製水3.6μLを混合して反応溶液を調製し、37℃にて4時間反応させた後、10×SSC緩衝液90μLを反応溶液に加えることによって、ポリチミン付加されたオリゴヌクレオチドプローブ(1pmol/μL)を得る。
【0039】
次いで、ポリチミン付加されたプローブをそれぞれ24ゲージの針を備えたディスペンサに入れ、0.7μL/分の量で吐出させながら2.5mm/秒の塗布速度で、2mmの幅のストライプになるようにニトロセルロース膜(縦75mm×横150mm:Whatman社)上に2mm間隔で縦方向に塗布する。その後、ニトロセルロース膜に312nmの紫外線を2分間照射して、プローブを固定化する。次いで、ニトロセルロース膜を、全てのストライプを含むように切断して、5mm×150mmの試験片を作製する。
図1に試験片を模式的に示す。
【0040】
(2.rpoB遺伝子の増幅)
本実施例では、結核菌の培養物を検体とし、これらの菌の同定ならびに結核菌のRFP感受性を検出する例を示す。検体の結核菌はすべて野生型とする。RFP感受性を検出するために、検体中に存在し得るRNAポリメラーゼβサブユニットをコードするrpoB遺伝子を増幅する必要がある。以下の配列番号12で示される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなる結核菌用プライマーF、配列番号13で示される塩基配列のオリゴヌクレオチドでかつ5’末端にビオチンを結合させたオリゴヌクレオチドからなる結核菌用プライマーR、およびTaqDNAポリメラーゼ(ロシュ・ダイアグノスティクス社)を用いるPCR法により、検体中のrpoB遺伝子を増幅する。
【0041】
結核菌用プライマーF:5'-ggatggagcgggtggtccggga-3'(配列番号12)
結核菌用プライマーR:5'-gcacgtcgcggacctccagc-3'(配列番号13)
【0042】
PCRの反応条件は、変性工程を94℃にて30秒、アニール工程を55℃にて20秒、鎖伸長工程を72℃にて20秒とし、これらの工程を30サイクル行って、rpoB遺伝子を増幅する。これにより増幅されたDNAの5’末端にはビオチンが結合している。
【0043】
(3.RFP感受性の検出)
増幅したDNA溶液10μLに、以下の配列番号14で示される塩基配列のオリゴヌクレオチドでかつ5’末端にビオチンを結合させたオリゴヌクレオチドからなる標準遺伝子(10nM〜100nM)、水酸化ナトリウム(0.4M)およびエチレンジアミン四酢酸(10mM)を含有する溶液10μLを加えてよく攪拌し、5分間放置して、増幅したDNAを1本鎖に変性する。この試料溶液に、ドデシル硫酸ナトリウム(0.01w/v%)、塩化ナトリウム(1.8w/v%)およびクエン酸ナトリウム(1.0w/v%)を含有する溶液1mLを加えてよく攪拌し、この溶液中で、上記実施例1で作製した試験片を、T
min(=61)℃とT
max(=63)℃との中間値である62℃にて30分間振とうする。次いで、試験片にアルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジンを加え、試験片上の各プローブと結合している遺伝子の5’末端に存在するビオチンに結合させる。さらに、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)および5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスファターゼp−トルイジニル塩(BCIP)を加えて、試験片上の各プローブに結合しているアルカリホスファターゼを発色により検出する。
図1および2にハイブリダイズ結果を例示する。
【0044】
標準遺伝子:5'-gcatgcatgcatgcatgcatgcat-3'(配列番号14)
【0045】
この結果によれば、第1プローブを塗布した領域は発色するが、第2プローブを塗布した領域は発色しない。これにより、ハイブリダイズ温度が適正であったと判定できる。
【0046】
(比較例1:低い温度における試験片を用いるRFP感受性の検出)
RFP感受性の検出におけるハイブリダイズ温度をT
min(=61)℃よりも低い温度である60℃とした以外は全て実施例1と同様に実施する。
図1および2にハイブリダイズ結果を例示する。
【0047】
この結果によれば、検出用プローブを塗布した領域に適正な温度では見られない発色が認められるが、第1プローブを塗布した領域および第2プローブを塗布した領域がともに発色しているため、ハイブリダイズ温度が低かったと判定できる。
【0048】
(比較例2:高い温度における試験片を用いるRFP感受性の検出)
RFP感受性の検出におけるハイブリダイズ温度をT
max(=63)℃よりも高い温度である64℃とした以外は全て実施例1と同様に実施する。
図1および2にハイブリダイズ結果を例示する。
【0049】
この結果によれば、検出用プローブを塗布した領域に適正な温度では見られる発色が認められない(無発色または弱発色)が、第1プローブを塗布した領域および第2プローブを塗布した領域がともに発色していないため、ハイブリダイズ温度が高かったと判定できる。