(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施例1〕
図1は実施例1の電動車両の充電ポート制御装置を備えた車両の充電時の様子を表す概略図である。車両3の前方であって、ボンネットフード31より更に前方側には、車両3のフロアに搭載された車載バッテリ6とケーブル43により電気的に接続された充電ポート4が設けられている。この充電ポート4は、タイヤホイルアーチ33の上端と略同じ高さであってサイドミラー34よりも低い位置に設けられ、非充電時は充電リッド32により閉塞されている。充電スタンド1には、電力供給用の充電用コネクタ2が設けられており、充電時には、充電リッド32を開き、充電用コネクタ2を充電ポート4に差し込んで接続することで、充電を実施する。
【0010】
図2は実施例1の充電用コネクタと充電ポートとを接続した状態を表す概略断面図である。充電ポート4は、ボディ構成部材B1にブラケット74を介して車両側に固定され充電用コネクタ2が挿入される被挿入部材41と、被挿入部材41と車体内側において接続されたケーブル43と、このケーブル43の接続部を被覆するチューブ42とを有する。被挿入部材41の外周には凸部41aが形成され、被挿入部材41の内周には挿入部22と所定の位置関係においてのみ挿入可能とする挿入穴が形成されている。
【0011】
充電用コネクタ2は、一般に広く設置されるタイプであり、統一規格により形式やサイズが決定された規格品であり、操作者によって車両の充電ポート4に接続される。充電用コネクタ2は、操作者が把持するグリップ部21と、車両側の充電ポート4に対して挿入される挿入部22と、操作者により充電ポート4との間で係合・解除が可能な係合部材23とを有する。係合部材23は、充電用コネクタ2を充電ポート4に接続したときに、充電ポート4側に設けられた凸部41aと係合することで、充電ポート4から充電用コネクタ2を抜き出す方向への移動を規制する。
【0012】
係合部材23は、充電用コネクタ2のケース部材に対して固定された支持点23cを中心として回動する部材である。係合部材23は、図示しない弾性体により解除ボタン23aが
図2中上方に位置するように(爪部23dが
図2中下方に位置するように)付勢されている。グリップ部21側の端部には、操作者がグリップ部21を把持したまま押圧可能な解除ボタン23aを有する。一方、挿入部22側の端部には、凸部41aと係合する爪部23dを有する。爪部23dは先端部分が挿入方向に対して滑らかな曲面を有する曲面部23d1と、抜き方向に対して鋭角な段部23d2と、を有するカギ爪形状である。一方、凸部41aの車体外側となる端面には斜面41a1が形成され、車体内側となる端面には抜き方向に対して略垂直な係合面41a2が形成され、これにより異方凸形状を形成している。
【0013】
充電用コネクタ2を充電ポート4に挿入するときには、特段の解除ボタン23a操作をすることなく、爪部23dの先端部分の曲面部23d1が凸部41aの斜面を乗越えられる。その後、段部23d2が係合面41a2を通過すると、図外の弾性体の作用により爪部23dが下方に押し下げられ、爪部23dと凸部41aとが係合する。尚、解除ボタン23aを押しながら充電用コネクタ2を挿入してもよい。これにより、操作者が解除ボタン23aを操作しない状態で充電用コネクタ2を抜き出す方向に引っ張ったとしても、段部23d2と係合面41a2とが係合することで抜き出す方向への移動を規制する。この係合を解除する際には、解除ボタン23aを押し込むことで係合部材23を支持点23c中心に回動させ、爪部23dを係合面41a2よりも上方に移動させることで係合が解除される。
【0014】
図3は実施例1のロック機構の構成を表す側面図、
図4は実施例1のロック機構の構成を表す底面図である。
充電ポート4の上方には、係合部材23の回動を制限するロック機構7が設けられている。ロック機構7は、爪部23dが凸部41aから離間する方向に位置することで離間を制限する状態を達成し、離間する方向に位置しないことで離間を制限しない状態を達成するスイングアーム71と、このスイングアーム71を駆動するロックアクチュエータ73と、ロックアクチュエータ73及び充電ポート4の被挿入部材41を固定支持するブラケット74とを有する。
【0015】
図3の側面図及び
図4の底面図に示すように、ブラケット74は、ロックアクチュエータ73をボルト74eにより固定支持する上面部74dと、上面部74dからスイングアーム71の可動範囲を覆うように延設された支持延設部74bと、上面部74dに対して略直角に折り曲げられ被挿入部材41等がボルトにより取り付けられる側面部74cと、上面部74dに対向する側から取り付けられ、ロックアクチュエータ73を上面部74dと挟み込むカバー部材74gを有する。上面部74dとロックアクチュエータ73とカバー部材74gとは、複数のボルト74e及びナット74fにより一体に組み付けられる。上面部74dには、後述する固定ネジ72を操作可能なフェール時強制作動用開口74aが形成され(
図2等参照)、操作者がボンネットフードを開けてドライバ等で回動可能とされている。
【0016】
図5は実施例1の充電用コネクタと充電ポートとを接続した状態における斜視図である。充電ポート4に充電用コネクタ2を挿入し、ロック機構7を作動させてスイングアーム71が爪部23dの離間方向に位置することで、解除ボタン23aを押しても爪部23dが離間方向に移動できない。これにより、凸部41aと爪部23dとの係合を外すことができず、充電用コネクタ2を抜き出すことを禁止している。このとき、車両の充電ポート4には、ロック機構7等へのゴミ等の侵入を保護するためのカバー部材9が設けられている。カバー部材9は、ロック機構7を充電用コネクタ2の抜き差し方向側から覆うと共に、爪部23dを挿入可能であってスイングアーム71の一部が露出する開口部91を有する。
【0017】
操作者が充電ポート4に充電用コネクタ2を挿入し、ロック機構7を作動させることで、その場を離れ、充電を開始したとする。このとき、
図5のように、スイングアーム71の最外径部71fは露出した状態となる。仮に、カバー部材9と最外径部71fとの隙間が大きいと、その隙間に指等を入れてスイングアーム71を強制的にこじ開けることが可能となる。そこで、スイングアーム71とカバー部材9との間の隙間は接触しない範囲で狭く設定する。
【0018】
更に、ロック機構7により充電用コネクタ2の取り外しが制限されている状態では、開口部91の全てがスイングアーム71の最外径部71fにより閉塞された状態とする。言い換えると、最外径部71fの回動方向長さは、開口部91の開口幅(回動方向の長さ)よりも長く設定した。これは、上述のように、開口部91の端部と、スイングアーム71の端部との間に隙間があった場合、そこに指等を入れてスイングアーム71が強制的にこじ開けられる可能性を排除するためである。
【0019】
(ロック機構のモード選択制御処理)
次に、ロック機構7の制御構成について説明する。まず、ロック機構7の作動を制御する必要がある背景について説明する。充電スタンドとしては、例えば一軒家において確実に占有が可能な場所(占有可能エリア)に設置してある場合と、公共の充電スタンド等であって充電が完了した後は、速やかに充電スタンドから退去することが望ましい場所(占有不可能エリア)に設置してある場合とが考えられる。占有可能エリアでは、ロック機構7の作動状態は他者に何ら影響を与えないことから、いたずら等によって不意に充電用コネクタ2が外れることを防ぐ観点から、ロック機構7を常時ロック状態とするモードである第2モードを選択すればよい。しかし、占有不可能エリアでは、ロック機構7が常時ロック状態であると、充電完了後に他者が充電しようとしても、充電行為を阻害するという問題がある。
【0020】
一方、ロックが禁止されている充電スタンドの場合や、ロック状態のときにロックを解除したい場合には、ロック機構7を常時アンロック状態にする必要があるため、ロック機構7を常時アンロック状態とするモードである第3モードを選択すればよい。しかし、充電用コネクタ2が誰にでも簡単に外せてしまうため、充電中に不意に充電用コネクタが解除されるおそれがあり、充電ケーブルの盗難や、予定の充電時間経過後にドライバが戻ってきても充電が完了してないという事態を招くことになる。
【0021】
そこで、いたずら防止と、占有不可能エリアにおける占有回避との両立を図る観点から、充電中にあってはロック機構7によるロック状態を維持し、充電が完了した場合にはロック機構7をアンロック状態として、他者が充電用コネクタ2を取り外し、自分の車両に取り付けられる第1モードを設定することとした。以下、これらモード選択処理について説明する。
【0022】
図6は実施例1のロック状態制御部の制御構成を表すブロック図である。ロック状態制御部100は、充電スタンド1から外部充電ポートに関する所定の情報を受信し、また、車両内において充電スタンド1側から供給される電力の使途に関する情報を演算する車両側制御情報を入力し、後述するモード選択スイッチ8により選択された情報を受信する。そして、それぞれの情報に基づいてロック機構7のロックモードを選択し、選択されたロックモードの内容に沿ってロック機構7を作動させる。
【0023】
図7は実施例1のモード選択スイッチの構成を表す概略図である。モード選択スイッチ8は3段シーソー型スイッチであり、上段が第1モードを選択するAUTO81a、中段が常時アンロック状態とする第3モードを選択するアンロック81b、下段が常時ロック状態とする第2モードを選択するロック81cである。このように、アンロック状態である第3モードを中心としてその両側に第1モードと第
2モードを配置したことで、運転者は容易にモード選択が可能となる。また、中立位置からいずれかの方向にスイッチ操作を行うと、ロックが行われるため、ロック状態を所望する際の操作性が簡易である。このスイッチの文字もしくはイラスト部分は光透過性の樹脂により形成されており、モード選択スイッチ8の各モードに対応した位置の下面には、LEDランプ82a,82b,82cが設けられている。モード選択スイッチ8が運転者により操作されると、選択されたモードに対応するLEDランプが、イグニッションスイッチがオフとなってから第1所定時間点灯し続け、その後、消灯する。これにより、運転者がイグニッションオフとなった状態で車外に出て充電用コネクタ2を操作等しているときに、車外から現在選択されているモードを視認しやすくしている。
【0024】
図8は実施例1のモニタディスプレイを表す概略図である。モニタディスプレイ10は、運転席前方に配置され、車速やトルク、バッテリ残量メータ10aや、シフトレバーポジション10bを表示する。そして、ディスプレイ10内には、ロック状態制御部100(もしくはモード選択スイッチ8)により選択されたモード内容を表示する表示部10cを有する。この表示部10cは、イグニッションオフとなってから第1時間よりも長い第2時間の間、継続的に表示される。これにより、まずイグニッションオフ直後は、運転者は運転席に座っている。よって、この時点において最も視認性の高い場所でモードを表示することで、運転者のモード認識程度を高めることができる。また、降車後は、ディスプレイ10は見えにくく、また、ディスプレイ表示にはLEDランプの点灯に比べて多くの電力を消費する。そこで、降車後、車外からの視認性が高く、かつ、電力消費の少ないLEDランプの点灯を長くすることで、消費電力を抑制しつつ運転者のモード認識程度を高めることができる。
【0025】
図9は実施例1の車両のインテリジェントキーを表す概略図である。このキーデバイス200は、上から順にドアロックボタン201,ドアロック解除ボタン202,トランクオープナー203,ロック解除ボタン204等が設けられている。運転者が降車後にこれらボタンを操作すると、無線によって車両に信号が送信され、それぞれのボタンの機能に応じた動作が行われる。第1モードによるロック状態もしくは第2モードによる常時ロック状態のいずれの場合であっても、ロック解除ボタン204が押されると、アンロック状態とされる。一方、アンロック状態の場合には、状態は何ら変化しない。よって、運転者は、仮に充電が完了しておらずロック状態となっている場合に、ロックを解除したければロック解除ボタン204を操作することで、ロックを解除でき、充電用コネクタ2を外すことができる。
【0026】
〔モード制御処理について〕
次に、ロック状態制御部100内におけるモード制御処理について説明する。
図10は実施例1のモード制御処理を表すフローチャートである。
ステップS0では、充電用コネクタ2を接続した際に充電スタンド1側から送信される情報に基づいて占有可能エリアか否かを判断し、占有可能エリアと判断したときはステップS1に進み、それ以外のとき、すなわち占有不可能エリアであると判断した時はステップS01へ進んで第1モードに設定し、ステップS2へと進む。言い換えると、占有不可能エリアでは、運転者の選択したモード選択スイッチ8の情報に関わらず第1モードを選択し、これにより、占有不可能エリアにおける過剰な占有を回避するものである。
【0027】
ステップS1では、モード選択スイッチ8がAUTO81a(第1モード)を選択しているか否かを判断し、選択している場合はステップS2に進み、それ以外の場合はステップS7に進む。
ステップS2では、充電フラグがオンか否かを判断し、オンのときはステップS3に進み、それ以外のときはステップS6に進む。ここで、充電フラグとは、車両側制御情報に基づいて検知されるフラグであり、バッテリ側において充電可能な容量スペースの有無を判定し、充電可能な容量スペースが有る場合は充電フラグがオンとなり、それ以外の場合、満充電状態の場合は充電フラグがオフとなる。
【0028】
ステップS3では、充電ポート4に電流が流れているか否かを判断し、流れているときはステップS4に進み、それ以外のときはステップS6に進む。電流が流れていなければ、充電用コネクタ2を接続しておく意味がないからである。尚、電流の有無を検知する必要については別途説明する。
ステップS4では、アンロック要求の有無を判断し、アンロック要求が有ると判断した時はステップS6に進み、それ以外のときはステップS5に進む。
ステップS5では、ロック機構7をロック状態とする。
ステップS6では、ロック機構7をアンロック状態とする。
【0029】
ステップS7では、第2モードが選択されているか否かを判断し、選択されている場合はステップS4→S5に進んでロック機構7をロック状態とする。一方、第2モードが選択されていない場合は第3モードが選択されていると判断してステップS8に進み、ロック機構7をアンロック状態とする。
【0030】
図11は実施例1の第1モード選択時におけるロック状態変化を表すタイムチャートである。このタイムチャートは、最初の状態としてバッテリ側において充電可能な容量スペースが有り、ロック機構7はアンロック状態であって、モード選択スイッチ8はAUTO81a(第1モード)が選択されている。
時刻t1において、運転者が充電用コネクタ2を接続すると、ロック機構7がロック状態とされ、充電が開始される。
時刻t2において、停電が生じると、充電要求があったとしても充電ポート4に電流が流れないため、ロック機構7はアンロック状態とされる。これは、例えば充電中であったとしても、何らかの理由で充電施設の管理者等が充電ポート4から充電用コネクタ2を抜き取る必要が生じた際、充電スタンド1のブレーカーを落とすことで、アンロック状態とすることを可能とするものである。
【0031】
時刻t3において、停電が終了すると、充電ポート4に電流が流れ始めるため、再度ロック状態が選択される。
時刻t4において、充電が終了すると、充電フラグがオフとなり、これに伴ってロック機構7はアンロック状態となる。尚、その後、車両側の設定により、充電スタンド1側からの電力によりバッテリ温度を管理する加熱制御であるバッテリ温調や、設定時刻に適度な車室内温度を確保するためのプリ空調といった制御が行われる場合は、電流が流れるが、ロック機構7はアンロック状態であるため、占有が不適切である場合は、他者が充電ポート4から充電用コネクタ2を取り外すことができる。
【0032】
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を奏する。
(1)使用者の操作により充電用コネクタ2の爪部23d(係合部)と係合する凸部41a(被係合部)を有し、係合状態において外部電源からの電力が供給される充電ポート4と、爪部23dと凸部41aとが係合状態にある時に、爪部23dの解除操作を規制することで、係合状態の解除を制限するロック状態と、解除操作を許容することでアンロック状態とを達成するロック機構7と、ロック機構7をロック状態もしくはアンロック状態に制御するロック状態制御部100と、を有し、ロック状態制御部100は、車両側から充電要求が出力されている間のみロック状態に制御する第1モードを有する。
よって、充電中に不意に充電用コネクタ2が解除されることを回避することができるため、充電ケーブルの盗難回避性や、予定の充電時間経過後にドライバが戻ってきても充電が完了してないという事態を防止することができると共に、公共充電施設などにおいて不必要に充電設備を占有することを回避できるため、充電効率を向上できる。
【0033】
(2)使用者の操作により充電用コネクタ2の爪部23d(係合部)と係合する凸部41a(被係合部)を有し、係合状態において外部電源からの電力が供給される充電ポート4と、爪部23dと凸部41aとが係合状態にある時に、爪部23dの解除操作を規制することで、係合状態の解除を制限するロック状態と、解除操作を許容することでアンロック状態とを達成するロック機構7と、ロック機構7をロック状態もしくはアンロック状態に制御するロック状態制御部100と、を有し、ロック状態制御部100は、充電ポート4に電力が供給されている間のみロック状態とする第1モードを有する。
よって、充電中に不意に充電用コネクタ2が解除されることを回避することができるため、充電ケーブルの盗難回避性や、予定の充電時間経過後にドライバが戻ってきても充電が完了してないという事態を防止することができると共に、公共充電施設などにおいて不必要に充電設備を占有することを回避できるため、充電効率を向上できる。また、充電設備管理者等が充電用コネクタ2を外したい場合には、充電スタンド1のブレーカーを落とすことで電力供給を停止でき、それによりアンロック状態とすることで充電用コネクタ2を外すこともできるため、様々な場面に対応できる。
【0034】
(3)ロック状態制御部100は、常時ロック状態を維持する第2モードを有する。よって、占有可能な充電設備であれば充電ケーブルを不意に取り外されることがなく、盗難防止等を図ることができる。
【0035】
(4)ロック状態制御部100は、常時アンロック状態を維持する第3モードを有する。よって、ロック不要またはロック禁止の充電設備において、アンロック状態を選択することができる。また、ロック状態のときにモードを切り換えることで、容易にアンロック状態とすることができる。
【0036】
(5)車室内に、ロック状態制御部のモードを選択可能なモード選択スイッチ8を有する。
よって、運転者等が充電設備に応じて容易にモードを切り換えることができる。
【0037】
(6)モード選択スイッチ8は、選択されたモード部分が点灯するLEDライト82a,82b,82c(ライト)を有し、このLEDライト82は、イグニッションスイッチがオフとなってから第1所定時間、選択されたモード部分を点灯し、その後消灯する。
よって、イグニッションオフ後の充電操作に意識が向いたときに、選択したモードを確認することができる。
【0038】
(7)モード選択スイッチ8は、第1モードと、常時ロック状態を維持する第2モードと、常時アンロック状態を維持する第3モードとを選択するスイッチであって、第3モードを中心に、その両側に第1モードと第2モードとを配置した。
よって、運転者は容易にモード選択が可能となる。また、中立位置からいずれかの方向にスイッチ操作を行うと、ロックが行われるため、ロック状態を所望する際の操作性が簡易である。
【0039】
(8)イグニッションスイッチがオフとなってから第2所定時間、車室内に設けられたディスプレイ内にロック状態制御部100により行われるモード内容を表示する。よって、運転者の視認性の良好な場所に表示することで、充電施設に応じた適切なモードを選択することができる。
【0040】
(9)車室内に、ロック状態制御部100のモードを選択可能であって、選択されたモード部分が点灯するLEDライト82を有し、このLEDライト82は、イグニッションスイッチがオフとなってから第1所定時間、選択されたモード部分を点灯し、その後消灯するモード選択スイッチ8を有し、第2所定時間は、第1所定時間よりも短い。
よって、イグニッションオフ時点において最も視認性の高い場所と考えられるディスプレイ10内でモードを表示することで、運転者のモード認識程度を高めることができる。また、降車後は、ディスプレイ10は見えにくく、また、ディスプレイ表示にはLEDランプの点灯に比べて多くの電力を消費する。そこで、降車後、車外からの視認性が高く、かつ、電力消費の少ないLEDランプの点灯を長くすることで、消費電力を抑制しつつ運転者のモード認識程度を高めることができる。
【0041】
(10)ロック状態制御部100は、充電の際に当該充電場所が占有可能か否かを判断するステップS0(占有可否判断部)を有し、占有不可能と判断した場合は第1モードを選択し、それ以外の場合は第2モードもしくは常時アンロック状態を維持する第3モードを選択する。
よって、占有不可能エリアでは、運転者の選択したモード選択スイッチ8の情報に関わらず第1モードを選択し、これにより、占有不可能エリアにおける過剰な占有を回避することができる。
【0042】
(11)ロック状態制御部100のモードに関わらずアンロック要求を出力可能なインテリジェントキー200のロック解除ボタン204(アンロックスイッチ)を有し、ロック状態制御部100は、ロック解除ボタン204からアンロック要求が出力された場合は、アンロック要求を優先する。
よって、運転者の意図に沿ってロック状態を解除することができ、利便性を向上することができる。
【0043】
〔他の実施例〕
次に、他の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。
図12は実施例2の充電スタンドの構成を表す概略図である。実施例2では、充電スタンド1側に選択されたモードを表示する表示部1aを有し、車両側からモード情報を送信する。これにより、充電設備を使用する他の使用者にとっても、ロックが解除可能なモードで充電しているか否かを理解することができ、例え車両の所有者が充電完了後に戻ってこない場合であっても、充電用コネクタ2を取り外して自車両に接続することができ、充電設備の効率を向上できる。
【0044】
(12)ロック状態制御部100は、現在のモード情報を外部充電ポート側に出力する。よって、モード情報を充電スタンド側で活用することで、利便性を向上することができる。
【0045】
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図13は実施例3のロック状態制御部の制御構成を表すブロック図である。ロック状態制御部100には、外部情報に基づいて第1モードに設定可能な外部指令受信部100aを備えている。よって、運転者が占有不可能な充電設備であるにも係わらず、誤ったモード選択スイッチ8の操作によって第1モード以外が選択されていた場合であっても、例えば充電設備管理者側から信号を送信することで第1モードへの変更を強制的に行うものである。
(13)ロック状態制御部100は、ロック状態制御部が実行しているモード状態に関わらず、車両外部指令に基づいて第1モードに設定可能な外部指令受信部100aを有する。
よって、運転者の誤ったモード選択があったとしても、強制的に適切なモードに切り換えることができ、充電設備における利便性及び効率を高めることができる。
【0046】
以上、各実施例に基づいて本願発明を説明してきたが、他の構成であってもよい。実施例1では充電ポートとして車両前方に備えられた例を示したが、車両後方に備えた場合や車両側面に備えた場合でもよい。また、実施例では電気自動車について説明したが、プラグインハイブリッド車両等でも構わない。