(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変更手段は、当該端末装置の識別情報を前記共有識別情報へ一時的に変更するものであり、前記受信手段による前記所定情報の受信の後にあって、当該端末装置の識別情報を前記共有識別情報から前記固有識別情報へ復帰させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1〜第3の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1〜
図4を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。先ず、
図1及び
図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1は、本実施の形態の端末管理システム1を示すブロック図である。
図2は、端末装置10Aの機能構成を示すブロック図である。
【0016】
端末管理システム1は、端末装置の納品業者あるいは複数の端末装置を所有するユーザのシステムであり、端末管理システム1に含まれる全ての端末装置に同一のデータをコピーして記憶させるシステムである。納品業者は、端末管理システム1により作成した、同一のデータが記憶された複数の端末装置を顧客に納品する。複数の端末装置を所有するユーザ(例えば、事業者)は、端末管理システム1により作成した、同一のデータが記憶された複数の端末装置を複数の従業員に使用させる。
【0017】
図1に示すように、端末管理システム1は、端末装置10A,10B,10C,10Dを備える。但し、
図1において、親端末の端末装置を白色の塗りつぶしで表し、子端末の端末装置を灰色の塗りつぶし(網掛け)で表しており、
図5、
図8、
図10でも同様である。
【0018】
端末装置10A,10B,10C,10Dは、情報収集を行う端末装置としてのハンディターミナルであるものとするが、これに限定されるものではない。端末装置10A,10B,10C,10Dは、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(Personal Computer)等、他の端末装置としてもよく、他の実施の形態の端末装置でも同様である。
【0019】
データのコピー元の端末装置を親端末とし、データのコピー先の端末装置を子端末とする。端末管理システム1において、端末装置10Aが親端末であり、端末装置10B,10C,10Dが子端末であるものとする。しかし、親端末の台数は、1台に限定されるものではなく、複数台としてもよい。但し、親端末が複数台ある場合に、親端末から子端末にコピーするデータは、各親端末で同一のデータとする。また、子端末の台数は、3台に限定されるものではない。また、端末管理システム1に含まれる端末装置の台数は、4台に限定されるものではない。
【0020】
また、親端末から子端末にコピーする同一のデータは、親端末のバックアップイメージのファイルとするが、これに限定されるものではない。
【0021】
次いで、
図2を参照して、端末装置10A,10B,10C,10Dの内部の機能構成を説明する。ここでは、端末装置10Aの構成を代表して説明するが、端末装置10B,10C,10Dも同様である。
【0022】
図2に示すように、端末装置10Aは、判別部、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、第1、第2、第3の操作部としての操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、ROM(Read Only Memory)15と、通信部16と、記憶部17と、端末間通信部18と、を備える。端末装置10Aの各部は、バス19を介して互いに接続されている。
【0023】
CPU11は、端末装置10Aの各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0024】
CPU11は、第1のデータコピープログラム151に従い、自装置が親端末である場合に、通信可能な端末装置を検索し、検索した端末装置のうち、仮端末名称の子端末の端末装置の存在を判別し、端末間通信部18により当該存在する子端末の端末装置とペアリングを行ってコピー対象のデータを送信し、前記端末装置の検索から前記データ送信の処理を繰り返し行う。CPU11は、自装置が子端末である場合に、端末間通信部18により親端末の端末装置からデータを受信して記憶部17に記憶する。
【0025】
操作部12は、文字入力キーや機能キー等のキー群を備え、ユーザからの各キーへの押下入力を受け付け、その押下入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。また、端末装置10Aがスキャナ部を有する場合に、操作部12は、スキャナ部のスキャンのトリガキーを含む。また、操作部12は、表示部14の画面上に設けられるタッチパネルを含み、ユーザからのタッチ入力を受け付ける構成としてもよい。
【0026】
RAM13は、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0027】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示パネルを備える表示部であり、CPU11から入力される表示情報に応じて表示パネルに各種表示を行う。
【0028】
ROM15は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用の半導体メモリである。ROM15には、第1のデータコピープログラム151が記憶されている。
【0029】
通信部16は、無線LAN通信を行う無線通信部である。例えば、端末装置10A,10B,10C,10Dが導入される店舗において、アクセスポイント(図示略)が設置され、通信部16は、アクセスポイントとの無線通信を行い、アクセスポイントを介して店舗内のサーバ等の機器と通信を行う。通信部16は、クレードルを介したUSB、LAN等の有線通信を行う通信部を含めてもよい。通信部16による通信は、第1のデータコピー処理において行われない。
【0030】
記憶部17は、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶するフラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又は電池でバックアップされたRAM等の不揮発性のメモリである。
【0031】
端末間通信部18は、機器間近距離無線通信が可能なBluetooth(登録商標)通信方式の通信部である。端末間通信部18により、端末装置10A,10B,10C,10Dの機器間で直接無線通信が可能である。
【0032】
また、端末装置10Aは、ハンディターミナルの図示していない機能部として、シンボルを読み取るレーザスキャナ、イメージャ等のスキャナ部や、RFID(Radio Frequency IDentification)タグのリーダ/ライタ部や、印刷部等を備える構成としてもよい。また、端末装置10Aは、端末装置10A内の各部に電源供給する二次電池又は一次電池の電源部(図示略)を有する。
【0033】
次に、
図3及び
図4を参照して、端末管理システム1の動作を説明する。
図3は、第1のデータコピー処理を示すフローチャートである。
図4は、端末管理システム1のデータ転送工程のタイムチャートである。
【0034】
端末管理システム1の各端末装置で実行される第1のデータコピー処理を説明する。第1のデータコピー処理は、親端末の端末装置から子端末の端末装置にデータを送信してコピーする処理である。端末装置10Aで第1のデータコピー処理が実行される例を説明するが、端末装置10B,10C,10Dでも同様である。
【0035】
予め、親端末の端末装置において、納品の作業者からの操作部12を介する操作入力に応じて、アプリケーションプログラムのインストールや、各種設定等がなされて運用可能な状態に仕立てられ、当該端末装置のデータとしてのバックアップイメージのファイルが作成されて記憶部17に記憶されているものとする。
【0036】
また、端末装置10A,10B,10C,10Dは、互いに端末間通信が可能な位置に配置されているものとする。Bluetooth(登録商標)通信方式の通信可能範囲は、数m〜数十mである。さらに、端末装置10A,10B,10C,10Dの端末名称(BT(BlueTooth(登録商標))名)が、予め設定されていた本端末名称として、例えば、「Windows(登録商標)CE」に設定されているものとし、データコピー時の子端末の仮端末名称が、例えば「HT_1」に予め決められているものとする。
【0037】
端末装置10Aにおいて、例えば、作業者から操作部12を介して第1のデータコピー処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第1のデータコピープログラム151との協働で、第1のデータコピー処理を実行する。また、親端末の端末装置10Aにおいて第1のデータコピー処理が実行されているときに、子端末の端末装置10B,10C,10Dにおいても第1のデータコピー処理が実行される。
【0038】
図3に示すように、先ず、CPU11は、操作部12を介して作業者からの自装置を親端末又は子端末として使用するかの選択入力を受け付ける(ステップS11)。そして、CPU11は、ステップS11で親端末が選択されたか否かを判別する(ステップS12)。親端末が選択された場合(ステップS12;YES)、CPU11は、端末間通信部18の通信モードをステルスモードに設定する(ステップS13)。ステルスモードとは、ペアリング中の機器以外の機器からの通信要求に応答をしないモードである。
【0039】
そして、CPU11は、端末間通信部18の通信により、自装置の周辺の端末間通信が可能な端末装置を検索する(ステップS14)。ステップS14では、CPU11は、検索された端末装置から端末名称を受信して取得する。そして、CPU11は、作業者から操作部12を介してデータコピー処理の中断の操作入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS15)。ステップS15の中断の操作入力は、例えば、全ての子端末の端末装置へのデータコピーが完了した後に行われる。中断の操作入力がない場合(ステップS15;NO)、CPU11は、ステップS14で検索された端末装置に、予め設定された仮端末名称(「HT_1」)の子端末が存在するか否かを判別する(ステップS16)。仮端末名称の子端末が存在しない場合(ステップS16;NO)、ステップS14に移行される。
【0040】
仮端末名称の子端末が存在する場合(ステップS16;YES)、CPU11は、端末間通信部18により、存在する仮端末名称の子端末のうちの1台の子端末の端末装置からMAC(Media Access Control)アドレスを受信して取得する(ステップS17)。
【0041】
そして、CPU11は、端末間通信部18の通信により、ステップS17で取得したMACアドレスを用いて、当該MACアドレスの端末装置にペアリングを要求してペアリングを開始する(ステップS18)。そして、CPU11は、記憶部17に記憶されているコピー対象のデータ(自装置のバックアップイメージのファイル)を読み出し、当該データのMD(Message Digest Algorithm)5等のチェックサムを算出し、端末間通信部18により、ペアリング中の子端末の端末装置に送信する(ステップS19)。
【0042】
そして、CPU11は、端末間通信部18を介して、ステップS19で読み出したデータをペアリング中の子端末の端末装置に送信する(ステップS20)。そして、CPU11は、端末間通信部18の通信により、ステップS18で開始したペアリングを解除し(ステップS21)、ステップS14に移行される。
【0043】
中断の操作入力がある場合(ステップS15;YES)、CPU11は、ステップS13で設定したステルスモードを解除する(ステップS22)。そして、CPU11は、第1のデータコピー処理の終了通知を示すダイアログを表示部14に表示し(ステップS23)、第1のデータコピー処理を終了する。
【0044】
親端末が選択されていない場合(ステップS12;NO)、子端末が選択されており、CPU11は、予め設定された本端末名称(「Windows(登録商標)CE」)を記憶部17に記憶する(ステップS24)。そして、CPU11は、自装置の端末名称を予め決められた仮端末名称(「HT_1」)に変更する(ステップS25)。
【0045】
そして、CPU11は、端末間通信部18の通信モードをペアリングモードに設定する(ステップS26)。そして、CPU11は、親端末の端末装置で実行されるステップS18に対応して、端末間通信部18の通信により、当該親端末の端末装置からのペアリング要求に応答してペアリングを開始する(ステップS27)。そして、CPU11は、端末間通信部18の通信モードをステルスモードに設定する(ステップS28)。
【0046】
そして、CPU11は、親端末の端末装置で実行されるステップS19に対応して、端末間通信部18を介して、当該親端末の端末装置からデータのチェックサムを受信する(ステップS29)。そして、CPU11は、親端末の端末装置で実行されるステップS20に対応して、端末間通信部18を介して、当該親端末の端末装置からデータを受信し記憶部17に記憶する(ステップS30)。
【0047】
そして、CPU11は、端末間通信部18の通信により、ステップS27で開始したペアリングを解除する(ステップS31)。そして、CPU11は、ステップS30で受信したデータのチェックサムを算出し、当該算出したチェックサムとステップS29で受信したチェックサムとを比較し、同一であってチェックサムの確認がOKであるか否かを判別する(ステップS32)。チェックサムの確認がNGである場合(ステップS32;NO)、ステップS30で受信したデータに不整合(誤り)があり、ステップS26に移行される。
【0048】
チェックサムの確認がOKである場合(ステップS32;YES)、ステップS30で受信したデータに不整合がなく、CPU11は、自装置の端末名称を、仮端末名称から記憶部17に記憶されている本端末名称に復帰設定する(ステップS33)。そして、CPU11は、ステップS28で設定したステルスモードを解除する(ステップS34)。そして、CPU11は、第1のデータコピー処理の終了通知を示すダイアログを表示部14に表示する(ステップS35)。
【0049】
そして、CPU11は、ソフトウェアリセットを行い(ステップS36)、第1のデータコピー処理を終了する。ステップS36でソフトウェアリセットされた子端末の端末装置は、当該リセット後に、ステップS30で記憶部17に記憶されたデータ(親端末のバックアップイメージのファイル)が展開されて、親端末の端末装置の複製として起動される。
【0050】
次いで、
図4を参照して、端末管理システム1における第1のデータコピー処理の具体例を説明する。
図1に示すように、端末装置10Aが親端末であり、端末装置10B,10C,10Dが子端末であるケースである。
【0051】
端末装置10A,10B,10C,10Dのそれぞれで第1のデータコピー処理が実行開始される。
図4に示すように、先ず、端末装置10Aにおいて、ステップS12で親端末が選択され、データの送信準備が開始される。端末装置10B,10C,10Dにおいて、ステップS12で子端末が選択され、ステップS25で端末名称が仮端末名称「HT_1」に変更され、ステップS26でペアリングモードが開始される。
【0052】
そして、端末装置10Aにおいて、ステップS16で仮端末名称の端末装置10B,10C,10Dの存在が確認され、ステップS17で端末装置10BのMACアドレスが取得される。そして、1番目のデータコピーのサイクルである第1サイクルとして、ステップS18,S27で端末装置10Aと端末装置10Bとのペアリングが開始され、ステップS19,S20,S29,S30でチェックサム及びデータが端末装置10Aから端末装置10Bに送信され、ステップS21,S31でペアリングが解除される。端末装置10Bにおいて、ステップS32でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS33〜S36が実行され、端末装置10Bが、本端末名称に戻され、端末装置10Aの複製となる。
【0053】
そして、端末装置10Aにおいて、ステップS16で仮端末名称(「HT_1」)の端末装置10C,10Dの存在が確認され、ステップS17で端末装置10CのMACアドレスが取得される。そして、2番目のデータコピーのサイクルである第2サイクルとして、第1サイクルと同様に、ステップS18〜S21,S27〜S31で、チェックサム及びデータが端末装置10Aから端末装置10Cに送信される。端末装置10Cにおいて、ステップS32でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS33〜S36が実行され、端末装置10Cが、本端末名称に戻され、本端末名称の端末装置10Aの複製となる。
【0054】
そして、端末装置10Aにおいて、ステップS16で仮端末名称の端末装置10Dの存在が確認され、ステップS17で端末装置10DのMACアドレスが取得される。そして、3番目のデータコピーのサイクルである第3サイクルとして、第1サイクルと同様に、ステップS18〜S21,S27〜S31で、チェックサム及びデータが端末装置10Aから端末装置10Dに送信される。端末装置10Dにおいて、ステップS32でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS33〜S36が実行され、本端末名称に戻され、端末装置10Dが端末装置10Aの複製となる。
【0055】
以上、本実施の形態によれば、端末装置は、自装置が親端末である場合に、端末間通信部18の通信によりコピー対象のデータを送信していないデータコピー先の端末装置としての子端末の端末装置が存在するか否かを判別する(通信可能な端末装置を検索し、当該検索された端末装置に子端末の端末装置が存在するか否かを判別する)。端末装置は、子端末の端末装置が存在すると判別された場合に、記憶部17からデータを読み出して端末間通信部18により当該存在する子端末の端末装置に送信し、前記子端末の端末装置の存在の判別(端末装置の検索)から前記データの送信までの処理が繰り返し行われる。
【0056】
このため、複数の端末装置で同一のデータをコピーするにあたり、作業者によるデータのコピー処理の監視作業やデータのコピー経路を作成及び設定する作業も不要となり、作業者の作業負担を低減でき、人的コストの削減を実現でき、人為的ミスを低減でき、安全にデータのコピー処理を行うことができる。また、親端末の端末装置が、子端末の端末装置の存在の判別からデータの送信までの処理を繰り返し行うので、端末管理システム1の全端末装置についてのデータのコピー時間を短くできる。
【0057】
また、端末装置は、自装置が子端末である場合に、端末間通信部18により親端末の端末装置からデータを受信して記憶部17に記憶する。このため、子端末の端末装置のデータコピーを容易に行うことができるとともに、端末装置を親端末としても子端末としても使用できる。
【0058】
また、端末装置は、操作部12に入力された情報に応じて、自装置が親端末であるか子端末であるかを判別する。このため、端末装置を親端末とする子端末とするかを容易に設定できる。
【0059】
また、端末装置は、自装置が親端末である場合に、端末間通信部18の通信により予め決められた子端末の仮端末名称を有する子端末の端末装置が存在するか否かを判別する。これに対応して、端末装置は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を当該子端末の仮端末名称に変更する。このため、親端末の端末装置は、予め決められた仮端末名称により、子端末の端末装置を容易に認識できるとともに、ペアリングを自動化できる。
【0060】
また、端末装置は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を仮端末名称に変更するとともに変更前の本端末名称を記憶部17に記憶し、データを受信後に、自装置の端末名称を記憶部17に記憶された変更前の本端末名称に復帰する。このため、親端末の端末装置は、仮端末名称により、データコピーの完了していない子端の端末装置を容易に認識できるとともに、データのコピー処理後に、子端末の端末装置が、端末名称を本端末名称に容易に復帰できる。
【0061】
また、端末装置は、自装置が親端末である場合に、端末間通信部18により存在する子端末の端末装置とペアリングを開始して、記憶部17から読み出したデータを当該子端末の端末装置に送信する。これに対応して、端末装置は、自装置が子端末である場合に、端末間通信部18により親端末の端末装置とペアリングを開始して、当該親端末の端末装置からデータを受信する。このため、ペアリングによりデータを親端末の端末装置から子端末の端末装置に確実に送信できる。
【0062】
また、端末装置は、自装置が親端末である場合に、端末間通信部18の通信モードをステルスモードに設定する。これに対応して、端末装置は、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置とのペアリングを開始すると、端末間通信部18の通信モードをステルスモードに設定する。このため、親端末の端末装置と子端末の端末装置とのペアリングにおいて、他の機器の通信対象にならないため、無駄な処理を避けることができ、通信の安定性及び処理速度を向上できる。
【0063】
また、端末装置は、自装置が親端末である場合に、記憶部17から読み出したデータからチェックサムを算出し、当該データと当該算出したチャックサムとを存在する子端末の端末装置に送信する。これに対応して、端末装置は、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置からデータ及びチェックサムを受信し、当該受信したデータからチェックサムを算出し、受信したチェックサムと算出したチェックサムとを比較し、当該チェックサムが異なる場合に、親端末の端末装置からのデータ及びチェックサムの送信を再度待機する。このため、子端末の端末装置は、チェックサムの比較結果に応じて、受信したデータの不整合性を検出することができ、通信環境に一時的な変化又は障害が発生し、データ化や通信エラーが発生した場合でも、データ及びチェックサム受信をリトライできる。
【0064】
また、端末間通信部18の通信方式がBluetooth(登録商標)であるので、接続ケーブルや無線LANのアクセスポイント等の別途デバイスを必要とせずに、端末間通信及びデータコピーを実行できる。特に、本実施の形態では、標準搭載されているBluetooth(登録商標)の端末間通信部18をそのまま用いることができる。
【0065】
なお、本実施の形態において、親端末の端末装置は端末装置10Aのみであったが、親端末の端末装置を複数用意することで、データのコピー処理を親端末別に並列に実行でき、データのコピー効率を飛躍的に向上できる。
【0066】
(第2の実施の形態)
図5〜
図7を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。先ず、
図5を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図5は、本実施の形態の端末管理システム2を示すブロック図である。
【0067】
本実施の形態では、端末管理システムに少なくとも1つのグループを設定し、各グループで互いに異なる親端末の複製の端末装置を作成する。各グループは、親端末の端末装置と子端末の端末装置とが所属する。
図5に示すように、端末管理システム2は、端末装置10E,10F,10G,10H,10I,10J,10Kを備える。
【0068】
端末管理システム2には、一例として、2つのグループg1,g2が設定されている。端末装置10E,10G,10J,10Kがグループg1に所属する。端末装置10Eがグループg1の親端末であり、端末装置10G,10J,10Kがグループg1の子端末である。また、端末装置10F,10H,10Iがグループg2に所属する。端末装置10Fがグループg2の親端末であり、端末装置10H,10Iがグループg2の子端末である。
【0069】
つまり、グループg1において、親端末の端末装置10Eのデータ(バックアップイメージのファイル)が、子端末の端末装置10G,10J,10Kにコピーされる。グループg2において、親端末の端末装置10Eのデータ(バックアップイメージのファイル)が、子端末の端末装置10H,10Iにコピーされる。
【0070】
なお、端末管理システム2の端末装置の台数と、グループの数と、グループ内の親端末の台数と、グループ内の子端末の台数とは、
図5の例に限定されない。但し、グループ内に親端末が複数台ある場合に、親端末から子端末にコピーするデータは、当該グループ内の各親端末で同一のデータとする。
【0071】
また、端末装置10E〜10Kの内部の機能構成は、
図2の第1の実施の形態の端末装置10Aの機能構成と同様である。但し、端末装置10E〜10KのROM15には、第1のデータコピープログラム151に代えて、第2のデータコピープログラムが記憶されているものとする。
【0072】
次に、
図6及び
図7を参照して、端末管理システム2の動作を説明する。
図6は、第2のデータコピー処理を示すフローチャートである。
図7(a)は、グループg1の端末装置のデータ転送工程のタイムチャートである。
図7(b)は、グループg2の端末装置のデータ転送工程のタイムチャートである。
【0073】
端末管理システム2の各端末装置で実行される第2のデータコピー処理を説明する。第2のデータコピー処理は、所定グループに所属する親端末の端末装置から当該グループの子端末の端末装置にデータを送信しコピーする処理である。端末装置10Eで第2のデータコピー処理が実行される例を説明するが、端末装置10F〜10Kでも同様である。
【0074】
予め、親端末の端末装置において、納品の作業者からの操作部12を介する操作入力に応じて、アプリケーションプログラムのインストールや、各種設定等がなされて運用可能な状態に仕立てられ、当該端末装置のデータとしてのバックアップイメージのファイルが作成されて記憶部17に記憶されているものとする。
【0075】
また、端末装置10E〜10Kは、互いに端末間通信が可能な位置に配置されているものとする。さらに、端末装置10E〜10Kの端末名称が、予め設定されていた本端末名称として、例えば、「Windows(登録商標)CE」に設定されているものとし、グループg1,g2のグループ名がそれぞれ例えば「g1」、「g2」に設定されているものとし、データコピー時の子端末の仮端末名称が、例えば「HT_(グループ名)」に決められているものとする。
【0076】
端末装置10Eにおいて、例えば、作業者から操作部12を介して第2のデータコピー処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第2のデータコピープログラムとの協働で、第2のデータコピー処理を実行する。また、グループg1の親端末の端末装置10Eにおいて第2のデータコピー処理が実行されているときに、子端末の端末装置10G,10J,10Kにおいても第2のデータコピー処理が実行される。グループg2の親端末の端末装置10Fにおいて第2のデータコピー処理が実行されているときに、子端末の端末装置10H,10Iにおいても第2のデータコピー処理が実行される。
【0077】
図6に示すように、第2のデータコピー処理のステップS41,S42は、第1の実施の形態の第1のデータコピー処理のステップS11,S12と同様である。親端末が選択された場合(ステップS42;YES)、CPU11は、操作部12を介して作業者からの自装置が所属するグループのグループ名の入力を受け付ける(ステップS43)。ステップS45〜S46は、第1の実施の形態の第1のデータコピー処理のステップS13〜S15と同様である。
【0078】
中断の操作入力がない場合(ステップS46;NO)、CPU11は、ステップS45で検索された端末装置に、ステップS43で入力されたグループ名に対応する同一グループの仮端末名称(「HT_(グループ名)」)の子端末が存在するか否かを判別する(ステップS47)。同一グループの仮端末名称の子端末が存在しない場合(ステップS47;NO)、ステップS45に移行される。
【0079】
同一グループの仮端末名称の子端末が存在する場合(ステップS47;YES)、ステップS48が実行される。ステップS48〜S54は、第1の実施の形態の第1のデータコピー処理のステップS17〜S23と同様である。
【0080】
親端末が選択されていない場合(ステップS42;NO)、子端末が選択されており、CPU11は、操作部12を介して作業者からの自装置が所属するグループのグループ名の入力を受け付ける(ステップS55)。ステップS56は、第1の実施の形態の第1のデータコピー処理のステップS24と同様である。そして、CPU11は、自装置の端末名称をステップS55で入力されたグループ名に対応する仮端末名称(「HT_(グループ名)」)に変更する(ステップS57)。ステップS58〜S68は、第1の実施の形態の第1のデータコピー処理のステップS26〜S36と同様である。
【0081】
次いで、
図7を参照して、端末管理システム2における第2のデータコピー処理の具体例を説明する。
図5に示すように、グループg1において、端末装置10Eが親端末であり、端末装置10G,10J,10Kが子端末であり、グループg2において、端末装置10Fが親端末であり、端末装置10H,10Iが子端末であるケースである。
【0082】
端末装置10E〜10Kのそれぞれで第2のデータコピー処理が実行開始される。
図7(a)に示すように、先ず、端末装置10Eにおいて、ステップS42で親端末が選択され、ステップS43でグループ名「g1」が入力され、データの送信準備が開始される。端末装置10G,10J,10Kにおいて、ステップS42で子端末が選択され、ステップS55でグループ名「g1」が入力され、ステップS57で端末名称が仮端末名称「HT_g1」に変更され、ステップS58でペアリングモードが開始される。
【0083】
そして、端末装置10Eにおいて、ステップS47で仮端末名称「HT_g1」の端末装置10G,10J,10Kの存在が確認され、ステップS48で端末装置10GのMACアドレスが取得される。そして、第1サイクルとして、ステップS49,S59で端末装置10Eと端末装置10Gとのペアリングが開始され、ステップS50,S51,S61,S62でチェックサム及びデータが端末装置10Eから端末装置10Gに送信され、ステップS52,S63でペアリングが解除される。端末装置10Gにおいて、ステップS64でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS65〜S68が実行され、端末装置10Gが、本端末名称に戻され、端末装置10Eの複製となる。
【0084】
そして、端末装置10Eにおいて、ステップS47で仮端末名称「HT_g1」の端末装置10J,10Kの存在が確認され、ステップS48で端末装置10JのMACアドレスが取得される。そして、第2サイクルとして、第1サイクルと同様に、ステップS49〜S52,S59〜S63で、チェックサム及びデータが端末装置10Eから端末装置10Jに送信される。端末装置10Jにおいて、ステップS64でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS65〜S68が実行され、端末装置10Jが、本端末名称に戻され、本端末名称の端末装置10Eの複製となる。
【0085】
そして、端末装置10Eにおいて、ステップS47で仮端末名称「HT_g1」の端末装置10Kの存在が確認され、ステップS48で端末装置10KのMACアドレスが取得される。そして、第3サイクルとして、第1サイクルと同様に、ステップS49〜S52,S59〜S63で、チェックサム及びデータが端末装置10Eから端末装置10Kに送信される。端末装置10Kにおいて、ステップS64でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS65〜S68が実行され、端末装置10Kが、本端末名称に戻され、本端末名称の端末装置10Eの複製となる。
【0086】
上記グループg1のデータコピーの工程と並行して、グループg2のデータコピーの工程が行われる。
図7(b)に示すように、先ず、端末装置10Fにおいて、ステップS42で親端末が選択され、ステップS43でグループ名「g2」が入力され、データの送信準備が開始される。端末装置10H,10Iにおいて、ステップS42で子端末が選択され、ステップS55でグループ名「g2」が入力され、ステップS57で端末名称が仮端末名称「HT_g2」に変更され、ステップS58でペアリングモードが開始される。
【0087】
そして、端末装置10Fにおいて、ステップS47で仮端末名称「HT_g2」の端末装置10H,10Iの存在が確認され、ステップS48で端末装置10HのMACアドレスが取得される。そして、第1サイクルとして、ステップS49,S59で端末装置10Fと端末装置10Hとのペアリングが開始され、ステップS50,S51,S61,S62でチェックサム及びデータが端末装置10Fから端末装置10Hに送信され、ステップS52,S63でペアリングが解除される。端末装置10Hにおいて、ステップS64でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS65〜S68が実行され、端末装置10Hが、本端末名称に戻され、端末装置10Fの複製となる。
【0088】
そして、端末装置10Fにおいて、ステップS47で仮端末名称「HT_g2」の端末装置10Iの存在が確認され、ステップS48で端末装置10IのMACアドレスが取得される。そして、第2サイクルとして、第1サイクルと同様に、ステップS49〜S52,S59〜S63で、チェックサム及びデータが端末装置10Fから端末装置10Iに送信される。端末装置10Iにおいて、ステップS64でチェックサムの確認がOKとなり、ステップS65〜S68が実行され、端末装置10Iが、本端末名称に戻され、本端末名称の端末装置10Fの複製となる。
【0089】
以上、本実施の形態によれば、端末装置は、自装置が親端末である場合に、端末間通信部18の通信により自装置が所属するグループの仮端末名称を有する子端末の端末装置が存在するか否かを判別する。これに対応して、端末装置は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を自装置が所属するグループの仮端末名称に変更する。このため、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、異なるグループの端末装置に異なるデータをコピーさせることができるとともに、データのコピー処理をグループ別に並列に行うことができ、全グループにおけるデータのコピー効率を飛躍的に向上できる。
【0090】
また、端末装置は、自装置が親端末である場合に、端末間通信部18の通信により、操作部12により入力された識別情報としてのグループ名に対応するグループの仮端末名称を有する端末装置が存在するか否かを判別する。これに対応して、端末装置は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を操作部12により入力されたグループ名に対応するグループの仮端末名称に変更する。このため、端末装置のグループの仮端末名称を容易に設定できる。
【0091】
(第3の実施の形態)
図8〜
図10を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。先ず、
図8を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図8は、本実施の形態の端末管理システム3を示すブロック図である。
【0092】
本実施の形態では、端末管理システムに少なくとも1つのグループを設定し、各グループで互いに異なる親端末の複製の端末装置を作成するとともに、複製された子端末が親端末として再帰する。なお、本実施の形態で「親端末として再帰する」とは、複製された子端末が親端末として設定され、以降は、親端末として動作するようになることを意味する。
図8に示すように、端末管理システム3は、端末装置10−0〜10−48を備える。
【0093】
端末管理システム3には、一例として、1つのグループg1が設定されている。つまり、端末装置10−0〜10−48がグループg1に所属する。端末装置10−0がグループg1の親端末であり、端末装置10−1〜10−48がグループg1の子端末である。
【0094】
つまり、グループg1において、親端末の端末装置10−0のデータ(バックアップイメージのファイル)が、子端末の端末装置10−1〜10−48にコピーされる。
【0095】
また、端末装置10−1〜10−48の内部の機能構成は、
図2の第1の実施の形態の端末装置10Aの機能構成と同様である。但し、端末装置10−1〜10−48のROM15には、第1のデータコピープログラム151に代えて、第3のデータコピープログラムが記憶されているものとする。
【0096】
次に、
図9及び
図10を参照して、端末管理システム3の動作を説明する。
図9は、第3のデータコピー処理を示すフローチャートである。
図10(a)は、データコピーの途中の端末管理システム3の構成を示す図である。
図10(b)は、データコピーの完了時の端末管理システム3の構成を示す図である。
【0097】
端末管理システム3の各端末装置で実行される第3のデータコピー処理を説明する。第3のデータコピー処理は、所定グループに所属する親端末の端末装置から当該グループに所属する子端末の端末装置にデータを送信してコピーし、データコピーされた子端末の端末装置が親端末の端末装置として再帰する処理である。端末装置10−0で第3のデータコピー処理が実行される例を説明するが、端末装置10−1〜10−48でも同様である。
【0098】
予め、親端末の端末装置において、納品の作業者からの操作部12を介する操作入力に応じて、アプリケーションプログラムのインストールや、各種設定等がなされて運用可能な状態に仕立てられ、当該端末装置のデータとしてのバックアップイメージのファイルが作成されて記憶部17に記憶されているものとする。
【0099】
また、端末装置10−0〜10−48は、互いに端末間通信が可能な位置に配置されているものとする。さらに、端末装置10−0〜10−48の端末名称が、予め設定されていた本端末名称として、例えば、「Windows(登録商標)CE」に設定されているものとし、グループg1のグループ名が例えば「g1」に設定されているものとし、データコピー時の子端末の仮端末名称が、例えば「HT_(グループ名)」に決められているものとする。
【0100】
端末装置10−0において、例えば、作業者から操作部12を介して第3のデータコピー処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第3のデータコピープログラムとの協働で、第3のデータコピー処理を実行する。また、グループg1の親端末の端末装置10−0において第3のデータコピー処理が実行されているときに、子端末の端末装置10−0〜10−48においても第3のデータコピー処理が実行される。
【0101】
図9に示すように、第3のデータコピー処理のステップS71〜S84は、第2の実施の形態の第2のデータコピー処理のステップS41〜S54と同様である。親端末が選択されていない場合(ステップS72;NO)、子端末が選択されており、CPU11は、操作部12を介して作業者からの自装置のデータコピー完了後の親端末としての再帰設定の入力があるか否かを判別する(ステップS85)。
【0102】
再帰設定の入力がある場合(ステップS85;YES)、CPU11は、自装置を再帰設定する(ステップS86)。再帰設定の入力がない場合(ステップS85;NO)、ステップS87に移行される。ステップS87〜S97は、第2の実施の形態の第2のデータコピー処理のステップS55〜S65と同様である。
【0103】
そして、CPU11は、ステップS86で自装置が再帰設定されたか否かを判別する(ステップS98)。自装置が再帰設定された場合(ステップS98;YES)、CPU11は、自装置を親端末として再帰し、ステップS75に移行される。自装置が再帰設定されていない場合(ステップS98;NO)、ステップS99に移行される。ステップS99〜S101は、第2の実施の形態の第2のデータコピー処理のステップS66〜S68と同様である。
【0104】
次いで、
図10を参照して、端末管理システム3における第3のデータコピー処理の具体例を説明する。
図8に示すように、第3のデータコピー処理実行前に、グループg1において、端末装置10−0が親端末であり、端末装置10−1〜10−48が子端末であるケースである。
【0105】
端末装置10−0〜10−48のそれぞれで第3のデータコピー処理が実行開始される。ステップS85において、子端末の端末装置10−1〜10−48は、全て再帰設定入力がなされるものとする。
【0106】
先ず、親端末の端末装置10−0から、子端末の端末装置10−1にデータがコピーされ、端末装置10−1が端末装置10−0の複製となる。端末装置10−1は、再帰設定されているので、ステップS98;YESで、ステップS75に移行され、親端末として再帰する。即ち、端末装置10−1は、親端末として動作するようになる。
【0107】
そして、親端末の端末装置10−0から子端末の端末装置10−9にデータがコピーされ、端末装置10−9が端末装置10−0の複製となるとともに、親端末の端末装置10−1から子端末の端末装置10−2にデータがコピーされ、端末装置10−2が端末装置10−1の複製となる。同様にして、端末装置10−2,10−9が親端末として再帰する。このようにして、
図10(a)に示すように、端末管理システム3の親端末の端末装置の台数が、1台→2台→4台→8台…のように増加していく。
【0108】
そして、
図10(b)に示すように、全ての端末装置10−0〜10−48が親端末となり、全ての端末装置10−0〜10−48で第3のデータコピー処理が終了する。
【0109】
以上、本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、端末装置は、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置から受信したデータを記憶部17に記憶した後に、自装置を親端末として動作するように設定する(再帰する)。このため、時間経過とともに、親端末の端末装置の数を増加していくことができ、データのコピー処理を親端末別に並列に行うことができ、端末管理システム3の全端末装置のデータのコピー時間を短縮でき、データのコピー効率を飛躍的に向上できる。
【0110】
また、端末装置は、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置から受信したデータを記憶部17に記憶した後に、操作部12により親端末として動作する設定情報(再帰設定)が入力されたか否かを判別し、当該設定情報が入力された場合に、自装置を親端末として動作するように設定する。このため、端末装置の子端末としての動作終了後の親端末としての動作を容易に設定できる。
【0111】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ(記憶部17)、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0112】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る端末装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0113】
上記第3の実施の形態では、端末管理システム3の端末装置のグループが設定されている構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、端末管理システム3において、第1の実施の形態のように、グループが設定されておらず、グループ名の入力の処理もなく、仮端末名称も1種類である構成としてもよい。
【0114】
また、上記各実施の形態では、端末装置間の通信方式が、Bluetooth(登録商標)であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置間の通信方式が、Zigbee(登録商標)や、UWB(Ultra Wide Band)等、端末間の無線通信が可能な他の通信方式であってもよい。
【0115】
また、上記各実施の形態では、第1、第2又は第3のデータコピー処理の実行中に、自装置が親端末であるか子端末であるか、グループ名、再帰設定の入力を、操作部12を介して行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2又は第3のデータコピー処理の実行前に、自装置が親端末であるか子端末であるかの情報、グループ名、再帰設定の有無の情報を作成して予め記憶部17に記憶しておき、各データコピー処理の実行中に、CPU11が、記憶部17に記憶されたこれらの情報を読み出して判別を行う構成としてもよい。
【0116】
また、上記各実施の形態における端末管理システム1,2,3の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0117】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
他の端末装置と無線通信する端末間通信部と、
記憶部と、
自装置がデータコピー元の端末装置としての親端末である場合に、前記端末間通信部の通信によりコピー対象のデータを送信していないデータコピー先の端末装置としての子端末の端末装置が存在するか否かを判別する判別部と、
前記判別部により前記子端末の端末装置が存在すると判別された場合に、前記記憶部からコピー対象のデータを読み出して前記端末間通信部により当該存在する子端末の端末装置に送信する制御部と、を備え、
前記判別部による前記子端末の端末装置の存在の判別から前記制御部によるデータの送信までの処理が繰り返し行われる端末装置。
<請求項2>
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、前記端末間通信部により親端末の端末装置からデータを受信して前記記憶部に記憶する請求項1に記載の端末装置。
<請求項3>
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置から受信したデータを前記記憶部に記憶した後に、自装置を親端末として動作するように設定する請求項2に記載の端末装置。
<請求項4>
親端末として動作する設定情報の入力を受け付ける第1の操作部を備え、
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置から受信したデータを前記記憶部に記憶した後に、前記第1の操作部により設定情報が入力されたか否かを判別し、当該設定情報が入力された場合に、自装置を親端末として動作するように設定する請求項3に記載の端末装置。
<請求項5>
自装置が親端末であるか子端末であるかの情報の入力を受け付ける第2の操作部を備え、
前記制御部は、前記第2の操作部に入力された情報に応じて、自装置が親端末であるか子端末であるかを判別する請求項1から4のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項6>
前記判別部は、自装置が親端末である場合に、前記端末間通信部の通信により予め決められた子端末の仮端末名称を有する子端末の端末装置が存在するか否かを判別し、
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を当該子端末の仮端末名称に変更する請求項1から5のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項7>
親端末の端末装置と子端末の端末装置とが所属する少なくとも1つのグループが設定され、
前記判別部は、自装置が親端末である場合に、前記端末間通信部の通信により自装置が所属するグループの仮端末名称を有する子端末の端末装置が存在するか否かを判別し、
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を自装置が所属するグループの仮端末名称に変更する請求項1から5のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項8>
自装置が所属するグループの識別情報の入力を受け付ける第3の操作部を備え、
前記判別部は、自装置が親端末である場合に、前記端末間通信部の通信により、前記第3の操作部により入力された識別情報に対応するグループの仮端末名称を有する子端末の端末装置が存在するか否かを判別し、
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を前記第3の操作部により入力された識別情報に対応するグループの仮端末名称に変更する請求項7に記載の端末装置。
<請求項9>
前記制御部は、自装置が子端末である場合に、自装置の端末名称を前記仮端末名称に変更するとともに変更前の端末名称を前記記憶部に記憶し、前記データを受信後に、自装置の端末名称を前記記憶された変更前の端末名称に復帰する請求項6から8のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項10>
前記制御部は、自装置が親端末である場合に、前記端末間通信部により前記存在する子端末の端末装置とペアリングを開始して、前記読み出したデータを当該子端末の端末装置に送信し、自装置が子端末である場合に、前記端末間通信部により親端末の端末装置とペアリングを開始して、当該親端末の端末装置からデータを受信する請求項1から9のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項11>
前記制御部は、自装置が親端末である場合に、前記端末間通信部の通信モードをステルスモードに設定し、自装置が子端末である場合に、前記親端末の端末装置とのペアリングを開始すると、前記端末間通信部の通信モードをステルスモードに設定する請求項10に記載の端末装置。
<請求項12>
前記制御部は、自装置が親端末である場合に、前記読み出したデータからチェックサムを算出し、当該データと当該算出したチャックサムとを前記存在する子端末の端末装置に送信し、自装置が子端末である場合に、親端末の端末装置からデータ及びチェックサムを受信し、当該受信したデータからチェックサムを算出し、前記受信したチェックサムと当該算出したチェックサムとを比較し、当該チェックサムが異なる場合に、親端末の端末装置からのデータ及びチェックサムの送信を再度待機する請求項1から11のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項13>
前記端末間通信部の通信方式は、Bluetooth(登録商標)である請求項1から12のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項14>
コンピュータを、
他の端末装置と無線通信する端末間通信部、
記憶部、
自装置がデータコピー元の端末装置としての親端末である場合に、前記端末間通信部の通信によりコピー対象のデータを送信していないデータコピー先の端末装置としての子端末の端末装置が存在するか否かを判別する判別部、
前記判別部により前記子端末の端末装置が存在すると判別された場合に、前記記憶部からコピー対象のデータを読み出して前記端末間通信部により当該存在する子端末の端末装置に送信する制御部、として機能させ、
前記判別部による前記子端末の端末装置の存在の判別から前記制御部によるデータの送信までの処理が繰り返し行われるプログラム。