特許第5983153号(P5983153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983153
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】給水システム
(51)【国際特許分類】
   F22D 5/26 20060101AFI20160818BHJP
   F22D 5/18 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F22D5/26 Z
   F22D5/18
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-167311(P2012-167311)
(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公開番号】特開2014-25661(P2014-25661A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】遠山 和紅
(72)【発明者】
【氏名】畑中 宏之
(72)【発明者】
【氏名】植村 辰美
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝治
(72)【発明者】
【氏名】小林 立季
(72)【発明者】
【氏名】三浦 正敏
【審査官】 鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−002385(JP,A)
【文献】 特開2006−105442(JP,A)
【文献】 特開平06−117605(JP,A)
【文献】 特開2011−122736(JP,A)
【文献】 特開2012−032032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22D 5/26
F22D 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の燃焼により生じた熱で補給水を加熱する加熱装置に対し補給水を供給する給水システムであって、
補給水を前記加熱装置に流通させる補給水ラインと、
前記補給水ラインに設けられ、前記加熱装置において燃料が燃焼したときに生じる廃熱により、前記加熱装置に供給される前の補給水を予め加熱する補給水加熱器と、
前記補給水ラインにおける前記補給水加熱器よりも上流側に設けられ、補給水を前記加熱装置に向けて供給可能に構成された補給水供給手段と、
前記加熱装置における燃料の燃焼中において、前記加熱装置への補給水の供給が必要な場合には、前記加熱装置に予め設定された第1給水量の補給水が供給されるように前記補給水供給手段を制御し、前記加熱装置への補給水の供給が不要な場合には、前記加熱装置に予め設定された前記第1給水量よりも少ない第2給水量の補給水が少なくとも予め設定された期間だけ供給されるように前記補給水供給手段を制御する制御部と、
を備え
前記補給水供給手段は、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、補給水を前記加熱装置に向けて圧送する加圧ポンプと、入力された電流値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するポンプ駆動部と、前記補給水ラインにおいて前記加圧ポンプよりも下流側における補給水の流量を調節可能な補給水流量調節弁と、を備え、
前記制御部は、前記加熱装置において燃料が第1燃焼状態であって、前記加熱装置への補給水の供給が必要な場合には、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が予め設定された第1駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第1給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御し、前記加熱装置への補給水の供給が不要な場合には、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が前記第1駆動周波数よりも高い第2駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御する給水システム。
【請求項2】
前記補給水ラインにおける前記加圧ポンプと前記補給水流量調節弁との間に接続され、前記補給水ラインを流通する補給水の一部を補給水の供給源に還流させる補給水還流ラインを備え、
前記補給水供給手段は、前記補給水還流ラインを流通する補給水の流量を調節可能な補給水還流弁を更に備え、
前記制御部は、前記加熱装置において燃料が前記第1燃焼状態よりも熱量の低い第2燃焼状態であって、前記加熱装置への補給水の供給が必要な場合には、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が予め設定された第1駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第1給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御し、且つ前記補給水還流ラインを補給水が流通しないように前記補給水還流弁の流量を制御し、前記加熱装置への補給水の供給が不要なことが検出されると、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が前記第1駆動周波数よりも低い第3駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御し、且つ前記補給水還流ラインを補給水が流通するように前記補給水還流弁の流量を制御する請求項に記載の給水システム。
【請求項3】
前記補給水還流ラインにおいて前記補給水還流弁をバイパスする補給水バイパスラインを備え、
前記補給水供給手段は、前記補給水バイパスラインを流通する補給水の流量を調節可能な補給水バイパス弁を更に備え、
前記制御部は、前記加熱装置において燃料が第2燃焼状態であって、前記加熱装置への補給水の供給が不要なことが検出されると、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が前記第3駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に補給水が供給されないように前記補給水流量調節弁が全閉となるように制御し、且つ前記補給水還流ラインを補給水が流通するように前記補給水還流弁の流量を制御して補給水の供給を所定の時間停止した後、前記加熱装置に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁及び補給水バイパス弁の流量を制御する請求項に記載の給水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラへ供給する補給水を予め加熱する補給水加熱器を備えた給水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱装置としてのボイラに補給水を供給する給水システムにおいては、ボイラへ供給される前の補給水を、エコノマイザとも呼ばれる補給水加熱器により予め加熱することにより、ボイラ効率を向上させることが行われている(特許文献1参照)。エコノマイザは、ボイラから排出される排ガス(廃熱)とボイラに供給される補給水とを熱交換させることにより、補給水を加熱する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−105442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ボイラに補給水を供給する給水システムでは、ボイラ缶体の水位が下限水位まで下がると補給水の供給を開始し、ボイラ缶体の水位が目標水位に達したときに補給水の供給を停止する、いわゆる、オン−オフ制御が行われている。このようなオン−オフ制御は、ボイラの燃焼状態に係わらず行われる。そのため、ボイラ缶体の水位が下限水位以上の所定範囲内にあるときには、ボイラが燃焼中であっても補給水の供給は停止される。この間、エコノマイザ内に滞留する高温の水が排ガスにより加熱されて沸騰することがある。エコノマイザ内に滞留している水が沸騰すると、圧損により補給水の供給効率が低下したり、振動や圧力変動の影響によりエコノマイザの配管に破損等が発生したりするおそれがある。
【0005】
本発明は、加熱装置の燃焼中において、補給水加熱器内に滞留する高温の水が沸騰するのを抑制できる給水システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、燃料の燃焼により生じた熱で補給水を加熱する加熱装置に対し補給水を供給する給水システムであって、補給水を前記加熱装置に流通させる補給水ラインと、前記補給水ラインに設けられ、前記加熱装置において燃料が燃焼したときに生じる廃熱により、前記加熱装置に供給される前の補給水を予め加熱する補給水加熱器と、前記補給水ラインにおける前記補給水加熱器よりも上流側に設けられ、補給水を前記加熱装置に向けて供給可能に構成された補給水供給手段と、前記加熱装置における燃料の燃焼中において、前記加熱装置への補給水の供給が必要な場合には、前記加熱装置に予め設定された第1給水量の補給水が供給されるように前記補給水供給手段を制御し、前記加熱装置への補給水の供給が不要な場合には、前記加熱装置に予め設定された前記第1給水量よりも少ない第2給水量の補給水が少なくとも予め設定された期間だけ供給されるように前記補給水供給手段を制御する制御部と、を備え、前記補給水供給手段は、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、補給水を前記加熱装置に向けて圧送する加圧ポンプと、入力された電流値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するポンプ駆動部と、前記補給水ラインにおいて前記加圧ポンプよりも下流側における補給水の流量を調節可能な補給水流量調節弁と、を備え、前記制御部は、前記加熱装置において燃料が第1燃焼状態であって、前記加熱装置への補給水の供給が必要な場合には、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が予め設定された第1駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第1給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御し、前記加熱装置への補給水の供給が不要な場合には、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が前記第1駆動周波数よりも高い第2駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御する給水システム。
【0008】
また、前記補給水ラインにおける前記加圧ポンプと前記補給水流量調節弁との間に接続され、前記補給水ラインを流通する補給水の一部を補給水の供給源に還流させる補給水還流ラインを備え、前記補給水供給手段は、前記補給水還流ラインを流通する補給水の流量を調節可能な補給水還流弁を更に備え、前記制御部は、前記加熱装置において燃料が前記第1燃焼状態よりも熱量の低い第2燃焼状態であって、前記加熱装置への補給水の供給が必要な場合には、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が予め設定された第1駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第1給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御し、且つ前記補給水還流ラインを補給水が流通しないように前記補給水還流弁の流量を制御し、前記加熱装置への補給水の供給が不要なことが検出されると、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が前記第1駆動周波数よりも低い第3駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁の流量を制御し、且つ前記補給水還流ラインを補給水が流通するように前記補給水還流弁の流量を制御することが好ましい。
【0009】
また、前記補給水還流ラインにおいて前記補給水還流弁をバイパスする補給水バイパスラインを備え、前記補給水供給手段は、前記補給水バイパスラインを流通する補給水の流量を調節可能な補給水バイパス弁を更に備え、前記制御部は、前記加熱装置において燃料が第2燃焼状態であって、前記加熱装置への補給水の供給が不要なことが検出されると、前記加圧ポンプに入力される駆動周波数が前記第3駆動周波数となる電流値信号を前記ポンプ駆動部に出力すると共に、前記加熱装置に補給水が供給されないように前記補給水流量調節弁が全閉となるように制御し、且つ前記補給水還流ラインを補給水が流通するように前記補給水還流弁の流量を制御して補給水の供給を所定の時間停止した後、前記加熱装置に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように前記補給水流量調節弁及び補給水バイパス弁の流量を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加熱装置の燃焼中において、補給水加熱器内に滞留する高温の水が沸騰するのを抑制できる給水システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る給水システム1の全体構成図である。
図2】ボイラ2の一部断面概略図である。
図3】ボイラ2が高燃焼状態の場合における動作の一例を示すタイムチャートである。
図4】ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合における動作の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る給水システムの実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る給水システム1の全体構成図である。図2は、ボイラ2の一部断面概略図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る給水システム1は、加熱装置としてのボイラ2と、補給水加熱器としてのエコノマイザ3と、スチームヘッダ4と、負荷装置5と、ドレンタンク6と、給水タンク7と、を備える。
【0014】
また、給水システム1は、加圧ポンプとしての給水ポンプ8と、ポンプ駆動部としてのインバータ9と、制御部10と、補給水流量調節弁としての流量調節弁V1と、補給水還流弁V2と、補給水バイパス弁V3と、を備える。給水ポンプ8、インバータ9及び流量調節弁V1は、本実施形態における補給水供給手段を構成する。図1では、電気的な接続の経路を破線で示す。
【0015】
更に、給水システム1は、補給水ラインL1と、燃料供給ラインL2と、蒸気供給ラインL3と、ドレンラインL4と、補給水補充ラインL5と、フラッシュ蒸気排出ラインL6と、補給水供給ラインL7と、補給水還流ラインL8と、補給水バイパスラインL9と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、径路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0016】
なお、各ラインには、各種バルブ、各種センサ、逆止弁、オリフィス、ストレーナ等の機器が必要に応じて設けられるが、図1では適宜に図示を省略する。
【0017】
補給水ラインL1は、ドレンタンク6に貯留された補給水W1をボイラ2に向けて供給するラインである。補給水ラインL1の上流側の端部は、ドレンタンク6の補給水排出口に接続されている。補給水ラインL1の下流側の端部は、ボイラ2の補給水導入口に接続されている。また、補給水ラインL1には、給水ポンプ8と、流量調節弁V1と、が設けられている。
【0018】
給水ポンプ8は、補給水W1を吸入し、ボイラ2に向けて圧送する装置である。給水ポンプ8に併設されたモータ(不図示)は、インバータ9と電気的に接続されている。給水ポンプ8には、インバータ9から周波数が変換された駆動電力が供給される。給水ポンプ8は、インバータ9から供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0019】
インバータ9は、給水ポンプ8に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。インバータ9は、制御部10と電気的に接続されている。インバータ9には、制御部10から電流値信号が入力される。インバータ9は、入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を給水ポンプ8に出力する。
【0020】
流量調節弁V1は、補給水ラインL1において、給水ポンプ8よりも下流側における補給水W1の流量を調節可能な弁である。流量調節弁V1は、制御部10と電気的に接続されている。流量調節弁V1における弁開度(弁体の開度)は、制御部10からの駆動信号により制御される。
【0021】
ボイラ2は、ドレンタンク6から供給された補給水W1を加熱して、蒸気W2を発生させる設備である。ここで、ボイラ2の構造を、図2を参照して説明する。
【0022】
図2に示すように、ボイラ2は、下部管寄せ21と、水管22と、上部管寄せ23と、バーナ部20と、を備える。図2において、下部管寄せ21、水管22及び上部管寄せ23は、蒸気を発生するボイラ缶体を構成する。
【0023】
下部管寄せ21は、環状に形成された中空の容器である。下部管寄せ21には、補給水W1が貯留される。下部管寄せ21の一端には、補給水ラインL1が接続されている。
【0024】
水管22は、補給水W1を蒸発させて蒸気を発生させる筒状の伝熱管である。水管22は、下部管寄せ21の上面に沿って、環状に複数本設けられている(図2では2本のみ示す)。各水管22の下端部は、下部管寄せ21と連通している。下部管寄せ21に供給された補給水W1は、下部管寄せ21から各水管22へ流入する。また、環状に設けられた水管22の中央部は、液体燃料又は気体燃料が燃焼する燃焼室24となる。
【0025】
上部管寄せ23は、環状に形成された中空の容器である。各水管22の上端部は、上部管寄せ23と連通している。上部管寄せ23の上端には、蒸気供給ラインL3の上流側の端部が接続されている。複数の水管22で発生した蒸気W2は、上部管寄せ23を介して蒸気供給ラインL3へ送出される。蒸気供給ラインL3は、水管22で発生した蒸気W2を負荷装置5へ供給するラインである。蒸気供給ラインL3の下流側の端部は、負荷装置5(図1参照)に接続されている。
【0026】
バーナ部20は、燃料(液体又は気体等)を燃焼させる燃焼装置である。バーナ部20には、燃料供給ラインL2が接続されている。燃料供給ラインL2は、燃料供給源(不図示)から送出された燃料を、バーナ部20に供給するラインである。
【0027】
バーナ部20は、環状に形成された上部管寄せ23の中央(内部空間)に配置されている。バーナ部20は、燃焼室24に向けて燃焼ガス(火炎)を放射することにより、各水管22を加熱する。各水管22内に貯留された水は、燃焼ガスにより加熱され、蒸気W2を発生する。また、バーナ部20は、制御部10(図1参照)と電気的に接続されている。バーナ部20における燃焼の開始(点火)、停止等の動作は、制御部10から送信される燃焼制御信号により制御される。
【0028】
本実施形態のバーナ部20は、制御部10により、高燃焼状態(熱量100%)、中燃焼状態(熱量45%)、低燃焼状態(熱量20%)、及び燃焼停止状態(熱量0%)のいずれかの燃焼状態となるように燃焼量が制御される。バーナ部20における燃料の燃焼状態は、負荷装置5で消費される蒸気の量やスチームヘッダ4内における蒸気の圧力等に基づいて、後述する制御部10により設定される。
【0029】
また、ボイラ2には、水位センサ25(図1参照)が設けられている。水位センサ25は、ボイラ缶体内の水位を検出する機器である。水位センサ25は、制御部10と電気的に接続されている。水位センサ25で検出されたボイラ缶体内の水位は、検出信号として制御部10に送信される。
【0030】
再び、図1を参照しながら給水システム1の構成を説明する。
エコノマイザ3は、補給水ラインL1に設けられ、ボイラ2において燃料が燃焼したときに生じる廃熱により、ボイラ2に供給される前の補給水W1を予め加熱する設備である。エコノマイザ3で加熱された補給水W1は、補給水ラインL1を介してボイラ2のボイラ缶体(図2参照)内に供給される。
【0031】
スチームヘッダ4は、ボイラ2から蒸気供給ラインL3を介して供給された蒸気W2を一時的に溜めて、蒸気W2を使用する負荷装置5へ供給する機器である。スチームヘッダ4は、蒸気供給ラインL3において、ボイラ2と負荷装置5との間に設けられている。
【0032】
負荷装置5は、ボイラ2から供給された蒸気W2により動作する装置(例えば、熱交換器)である。負荷装置5において使用された蒸気W2は、熱を奪われて凝縮し、ドレンW3となって排出される。負荷装置5から排出されたドレンW3は、ドレンラインL4を介してドレンタンク6に回収される。
【0033】
ドレンラインL4は、負荷装置5から排出されたドレンW3を、ドレンタンク6に送出するラインである。ドレンラインL4の上流側の端部は、負荷装置5のドレン排出口に接続されている。ドレンラインL4の下流側の端部は、ドレンタンク6のドレン導入口に接続されている。なお、ドレンラインL4には、ドレンW3に含まれる蒸気を除去するスチームトラップ(不図示)が設けられている。
【0034】
ドレンタンク6は、ボイラ2に供給する補給水W1を貯留する密閉型のタンクである。ドレンタンク6には、負荷装置5から排出された高温高圧のドレンW3が貯留される。ドレンタンク6の下部(補給水排出口)には、補給水ラインL1の上流側の端部が接続されている。ドレンタンク6は、ボイラ2に対して、補給水W1の供給源となる。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る給水システム1は、密閉型のドレンタンク6に回収した高温高圧のドレンW3を、補給水W1としてボイラ2に供給するクローズド方式のドレン回収システムを備える。
【0036】
給水タンク7は、ドレンタンク6に補給水W1を補給する設備である。ドレンタンク6と給水タンク7との間は、補給水補充ラインL5により接続されている。補給水補充ラインL5は、ドレンタンク6からボイラ2へ供給される補給水W1の流量が多い場合等において、補給水W1をドレンタンク6へ補充するためのラインである。補給水補充ラインL5の上流側の端部は、給水タンク7の補給水供給口に接続されている。補給水補充ラインL5の下流側の端部は、ドレンタンク6の補給水導入口に接続されている。
【0037】
補給水補充ラインL5には、加圧ポンプ等(不図示)が設けられている。補給水補充ラインL5に設けられた加圧ポンプは、制御部10と電気的に接続されている。ドレンタンク6の水位が下限水位まで低下すると、制御部10により加圧ポンプが駆動され、給水タンク7からドレンタンク6へ補給水W1が補充される。
【0038】
また、ドレンタンク6(気相部)と給水タンク7との間は、フラッシュ蒸気排出ラインL6により接続されている。フラッシュ蒸気排出ラインL6は、ドレンタンク6内で発生したフラッシュ蒸気を排出するためのラインである。フラッシュ蒸気排出ラインL6の上流側の端部は、ドレンタンク6のフラッシュ蒸気排出口に接続されている。フラッシュ蒸気排出ラインL6の下流側の端部は、給水タンク7のフラッシュ蒸気導入口に接続されている。
【0039】
給水タンク7の下部には、給水タンク7に補給水W1を供給するための補給水供給ラインL7が接続されている。補給水供給ラインL7の上流側の端部は、補給水W1の供給元(不図示)に接続されている。補給水供給ラインL7の下流側の端部は、給水タンク7の補給水補充口に接続されている。
【0040】
次に、給水システム1において、補給水ラインL1を流通する補給水W1の一部を、補給水W1の供給源となるドレンタンク6に還流させる構成について説明する。
【0041】
図1に示すように、補給水ラインL1には、補給水還流ラインL8が接続されている。補給水還流ラインL8は、補給水ラインL1を流通する補給水W1の一部をドレンタンク6に還流させるラインである。補給水還流ラインL8の上流側の端部は、接続部J1において補給水ラインL1に接続されている。接続部J1は、補給水ラインL1において、給水ポンプ8と流量調節弁V1との間に配置されている。補給水還流ラインL8の下流側の端部は、ドレンタンク6の補給水還流口に接続されている。
【0042】
補給水還流ラインL8には、補給水還流弁V2が設けられている。補給水還流弁V2は、補給水還流ラインL8を流通する補給水W1の流量を調節可能な弁である。補給水還流弁V2は、制御部10と電気的に接続されている。補給水還流弁V2における弁開度は、制御部10からの駆動信号により制御される。
【0043】
また、補給水還流ラインL8には、補給水バイパスラインL9が接続されている。補給水バイパスラインL9は、補給水還流ラインL8において、補給水還流弁V2をバイパスして補給水W1を流通させるためのラインである。補給水バイパスラインL9の上流側の端部は、接続部J2において補給水還流ラインL8に接続されている。補給水バイパスラインL9の下流側の端部は、接続部J3において補給水還流ラインL8に接続されている。接続部J2は、補給水還流ラインL8において、接続部J1と補給水還流弁V2との間に配置されている。接続部J3は、補給水還流ラインL8において、補給水還流弁V2とドレンタンク6との間に配置されている。
【0044】
補給水バイパスラインL9には、補給水バイパス弁V3が設けられている。補給水バイパス弁V3は、補給水バイパスラインL9を流通する補給水W1の流量を調節可能な弁である。補給水バイパス弁V3は、制御部10と電気的に接続されている。補給水バイパス弁V3における弁開度は、制御部10からの駆動信号により制御される。
【0045】
制御部10は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。また、マイクロプロセッサのメモリには、給水システム1の制御に必要な制御プログラムや各種データ等が記憶されている。
【0046】
制御部10は、ボイラ2の燃焼中において、ボイラ2への補給水W1の供給が必要な場合には、ボイラ2に予め設定された第1給水量の補給水W1が供給されるように給水ポンプ8及び流量調節弁V1を制御する。また、制御部10は、ボイラ2の燃焼中において、ボイラ2への補給水W1の供給が不要な場合には、ボイラ2に予め設定された第2給水量(<第1給水量)の補給水W1が、少なくとも予め設定された期間だけ供給されるように給水ポンプ8及び流量調節弁V1を制御する。以下、具体的に説明する。
【0047】
制御部10は、ボイラ2における燃料の燃焼状態を、負荷装置5で消費される蒸気の量やスチームヘッダ4内における蒸気の圧力等に基づいて、高燃焼状態、中燃焼状態、低燃焼状態、及び燃焼停止状態のいずれかに設定する。先に説明したように、中燃焼状態及び低燃焼状態は、高燃焼状態よりも熱量の低い燃焼状態である。
【0048】
また、制御部10では、水位センサ25から送信されたボイラ缶体内の水位に関する検出信号に基づいて、給水要求に関するステータスが変更される。
【0049】
ボイラ缶体内の水位が下限水位まで低下した場合には、制御部10において、給水要求に関するステータスが給水要求ONに変更される。本実施形態において、「ボイラ2への補給水W1の供給が必要な場合」とは、給水要求に関するステータスが給水要求ONの場合をいう。
【0050】
また、ボイラ缶体内の水位が上限水位に達した場合には、制御部10において、給水要求に関するステータスが給水要求OFFに変更される。本実施形態において、「ボイラ2への補給水W1の供給が不要な場合」とは、給水要求に関するステータスが給水要求OFFの場合をいう。
【0051】
次に、ボイラ2が高燃焼状態(第1燃焼状態)である場合、及びボイラ2が中燃焼又は低状態(第2燃焼状態)である場合における制御部10の動作について、更に詳細に説明する。
【0052】
(1)ボイラ2が高燃焼状態の場合
(1−1)制御部10は、ボイラ2への補給水W1の供給が必要な場合には、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が予め設定された第1駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力すると共に、ボイラ2に予め設定された第1給水量の補給水W1が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御する。この制御により、ボイラ2へは、第1給水量の補給水W1が供給される。
【0053】
(1−2)制御部10は、ボイラ2への補給水W1の供給が不要な場合には、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が第1駆動周波数よりも高い第2駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力すると共に、ボイラ2に予め設定された第2給水量(<第1給水量)の補給水が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御する。この制御により、ボイラ2へは、第2給水量の補給水W1が供給される。なお、第2給水量は、ボイラ缶体内の水位が上昇することなく、且つ、エコノマイザ3内に滞留する水が沸騰しない程度の流量とすることが好ましい。
【0054】
(2)ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合
(2−1)制御部10は、ボイラ2への補給水W1の供給が必要な場合には、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が第1駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力すると共に、ボイラ2に第1給水量の補給水が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御し、且つ補給水還流ラインL8を補給水W1が流通しないように補給水バイパス弁V3の流量を制御する。
【0055】
(2−2)制御部10は、ボイラ2への補給水W1の供給が不要な場合には、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が第1駆動周波数よりも低い第3駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力すると共に、ボイラ2に予め設定された第2給水量の補給水が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御し、且つ補給水還流ラインL8を補給水W1が流通するように補給水還流弁V2の流量を制御する。この場合に、制御部10は、ボイラ2に予め設定された第2給水量の補給水W1が供給されるタイミングが、ボイラ2が高燃焼状態の場合よりも遅くなるように流量調節弁V1及び補給水バイパス弁V3の流量を制御する。本実施形態では、後述のように、待機時間t1の期間において、流量調節弁V1及び補給水バイパス弁V3の弁開度を0%(全閉)とする。
【0056】
次に、本実施形態に係る給水システム1において、ボイラ2の燃焼状態に応じて補給水W1等の流量を制御する動作を、図面を参照しながら説明する。図3は、ボイラ2が高燃焼状態の場合における動作の一例を示すタイムチャートである。図4は、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合における動作の一例を示すタイムチャートである。図3及び図4において、ボイラ2は、燃焼ONの期間において燃焼状態(高燃焼状態〜低燃焼状態)となり、燃焼OFFの期間において燃焼停止状態となる。
【0057】
まず、ボイラ2が高燃焼状態の場合における動作を、図3(及び図1)を参照しながら説明する。
【0058】
図3に示すように、ボイラ缶体内の水位が下限水位まで低下すると、制御部10において、給水要求に関するステータスが給水要求ONに変更される。すると、制御部10は、給水ポンプ8に入力される駆動周波数(加圧ポンプ駆動周波数)が第1駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力する。本実施形態における第1駆動周波数は、40Hzである。また、制御部10は、ボイラ2に予め設定された第1給水量の補給水W1が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御する。本実施形態において、流量調節弁V1の弁開度は、100%(全開)となるように制御される。
【0059】
上記制御により、ボイラ2へは、第1給水量の補給水W1が供給される。図3では、第1給水量(ボイラ給水量)を100%で示している。なお、補給水還流弁V2(及び補給水バイパス弁V3)の弁開度は、ボイラ2の燃焼中においては、補給水W1の給水量に係わらず0%(全閉)となるように制御される。
【0060】
続いて、図3に示すように、ボイラ缶体内の水位が上限水位に達すると、制御部10において、給水要求に関するステータスが給水要求OFFに変更される。すると、制御部10は、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が第1駆動周波数よりも高い第2駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力する。本実施形態における第2駆動周波数は、60Hz(定格駆動周波数)である。また、制御部10は、ボイラ2に予め設定された第2給水量(<第1給水量)の補給水が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御する。このとき、流量調節弁V1の弁開度は、35%となるように制御される。
【0061】
上記制御により、ボイラ2へは、第2給水量の補給水W1が供給される。図3に示すように、第2給水量(ボイラ給水量)は、第1給水量の25%の給水量となる。このように、本実施形態では、ボイラ2が高燃焼状態において、給水要求ONから給水要求OFFに変更された場合でも、第2給水量の補給水W1がボイラ2へ供給されるので、エコノマイザ3内で高温の水が滞留することがない。そのため、エコノマイザ3内に滞留する高温の水が排ガスにより過熱されて沸騰するのを抑制することができる。
【0062】
また、ボイラ2が高燃焼状態の場合において、給水ポンプ8に入力される駆動周波数は、40Hz(第1駆動周波数)−60Hz(第2駆動周波数)の狭い範囲で制御される。そのため、給水ポンプ8に入力される駆動周波数を0Hz−60Hzの広い範囲で制御する場合に比べて、給水ポンプ8の回転速度を速やかに変更することができる。
【0063】
なお、ボイラ2の燃焼状態が高燃焼状態から燃焼停止状態に移行すると、制御部10は、給水ポンプ8がアイドリングの回転速度で駆動されるように、所定の駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力する。また、制御部10は、図3に示すように、流量調節弁V1の弁開度が0%(全閉)となるように制御すると共に、補給水還流弁V2の弁開度が100%(全開)となるように制御する。そのため、ボイラ2が燃焼停止状態の間、補給水ラインL1を流通する補給水W1は、ボイラ2へ供給されることなく、補給水還流ラインL8を介してドレンタンク6へ回収される。
【0064】
次に、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合における動作を、図4を参照しながら説明する。
【0065】
図4に示すように、ボイラ缶体内の水位が下限水位まで低下すると、制御部10において、給水要求に関するステータスが給水要求ONに変更される。すると、制御部10は、給水ポンプ8に入力される駆動周波数(加圧ポンプ駆動周波数)が第1駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力する。また、制御部10は、ボイラ2に予め設定された第1給水量の補給水W1が供給されるように流量調節弁V1の流量を制御する。このとき、流量調節弁V1の弁開度は、100%(全開)となるように制御される。更に、制御部10は、補給水還流ラインL8を補給水W1が流通しないように、補給水還流弁V2の流量を制御する。本実施形態において、補給水還流弁V2の弁開度は、0%(全閉)となるように制御される(補給水バイパス弁V3も同じ)。
【0066】
上記制御により、ボイラ2へは、第1給水量の補給水W1が供給される。図4では、第1給水量(ボイラ給水量)を100%で示している。
【0067】
続いて、図4に示すように、ボイラ缶体内の水位が上限水位に達すると、制御部10において、給水要求に関するステータスが給水要求OFFに変更される。すると、制御部10は、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が第1駆動周波数よりも低い第3駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力する。本実施形態における第3駆動周波数は、20Hzである。
【0068】
ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態であっても、給水要求ONから給水要求OFFに変更された場合には、高燃焼状態(図3参照)のときと同様に、第2給水量の補給水W1がボイラ2へ供給される。しかし、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合に、制御部10は、図4に示すように、ボイラ2に第2給水量の補給水W1が供給されるタイミングが、高燃焼状態のときよりも遅くなるように、待機時間t1の間、流量調節弁V1及び補給水バイパス弁V3の弁開度が0%(全閉)となるように制御する。また、制御部10は、待機時間t1の間、補給水還流弁V2の弁開度が100%(全開)となるように制御する。そのため、待機時間t1の間、補給水ラインL1を流通する補給水W1は、ボイラ2へ供給されることなく、補給水還流ラインL8を介してドレンタンク6へ回収される。なお、待機時間t1は、制御部10のマイクロプロセッサに組み込まれたITUにより計時される。
【0069】
そして、制御部10は、待機時間t1が経過すると、給水ポンプ8に入力される駆動周波数が第2駆動周波数となる電流値信号をインバータ9に出力する。第2駆動周波数は、図4に示すように、60Hz(定格駆動周波数)である。
【0070】
また、制御部10は、待機時間t1が経過すると、ボイラ2に予め設定された第2給水量(<第1給水量)の補給水W1が供給されるように流量調節弁V1及び補給水バイパス弁V3の流量を制御する。すなわち、制御部10は、流量調節弁V1及び補給水バイパス弁V3の弁開度が35%となるように制御すると共に、補給水還流弁V2の弁開度が0%(全閉)となるように制御する。
【0071】
なお、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合にボイラ2に供給される第2給水量は、流量調節弁V1の最小流量よりも少ない。そのため、制御部10は、流量調節弁V1の弁開度を35%に制御するだけでなく、補給水バイパス弁V3の弁開度を35%に制御する。これにより、流量調節弁V1を流通する補給水W1の流量が減少するため、ボイラ2に第2給水量の補給水W1を供給することができる。
【0072】
上記制御により、給水要求ONから給水要求OFFに変更されてから、待機時間t1の経過後に、ボイラ2へ第2給水量の補給水W1が供給される。図4に示すように、第2給水量(ボイラ給水量)は、第1給水量の25%の給水量となる。このように、本実施形態では、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態において、給水要求ONから給水要求OFFに変更された場合でも、待機時間t1の経過後に、第2給水量の補給水W1がボイラ2へ供給されるので、エコノマイザ3内に高温の水が滞留することがない。そのため、エコノマイザ3内に滞留する高温の水が排ガスにより過熱されて沸騰するのを抑制することができる。
【0073】
また、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合において、給水ポンプ8に入力される駆動周波数は、20Hz(第3駆動周波数)−60Hz(第2駆動周波数)の範囲で制御される。これによれば、給水ポンプ8に入力される駆動周波数を0Hz−60Hzの範囲で制御する場合に比べて、給水ポンプ8の回転速度の変動幅が狭くなるため、給水ポンプ8の負担を軽減することができる。
【0074】
なお、ボイラ2の燃焼状態が中燃焼状態又は低燃焼状態から燃焼停止状態に移行したときの動作は、ボイラ2の燃焼状態が高燃焼状態から燃焼停止状態に移行したときと同じ(図3参照)であるため説明を省略する。
【0075】
上述した実施形態に係る給水システム1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
【0076】
本実施形態における給水システム1は、ボイラ2の燃焼中において、ボイラ2への補給水W1の供給が不要な場合でも、第2給水量の補給水W1がボイラ2へ供給されるので、エコノマイザ3内で高温の水が滞留することがない。そのため、エコノマイザ3内に滞留する高温の水が排ガスにより過熱されて沸騰するのを抑制することができる。
【0077】
また、給水システム1では、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合には、第2給水量の補給水W1を供給するタイミングが、高燃焼状態の場合よりも遅くなるように流量調節弁V1及び補給水バイパス弁V3の流量が制御される。ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合は、ボイラ2から排出される排ガスが少ないため、第2給水量の補給水W1を供給するタイミングを高燃焼状態のときより遅くしても、エコノマイザ3内に滞留している水がすぐに沸騰することがない。そのため、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態の場合に、第2給水量の補給水W1を供給するタイミングを遅くすることにより、ボイラ缶体内の水位が必要以上に上昇するのを抑制することができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0079】
本実施形態では、ボイラ2が中燃焼状態又は低燃焼状態であって、ボイラ2への補給水W1の供給が不要な場合に、少なくとも予め設定された期間だけ第2給水量の補給水W1をボイラ2へ供給する例について説明した。この例に限らず、例えば、ボイラ缶体内の水位に応じて、補給水W1の第2給水量を変更してもよい。すなわち、ボイラ缶体内の水位が基準となる水位よりも高ければ、第2給水量を少なくし、ボイラ缶体内の水位が基準水位よりも低ければ、第2給水量を多くする。これによれば、ボイラ缶体内の水位が基準となる水位よりも高い場合において、ボイラ缶体内の水位が必要以上に上昇するのを抑制することができる。また、ボイラ缶体内の水位が基準水位よりも低い場合において、エコノマイザ3内に滞留する水の温度を十分に低下させることができるので、エコノマイザ3内に滞留する水の沸騰をより確実に抑制することができる。
【0080】
本実施形態では、制御部10において、水位センサ25の検出信号に基づいて、給水要求に関するステータス(給水要求ON/OFF)を変更する例について説明した。この例に限らず、制御部10において、ボイラ2の運転を制御する制御機器(不図示)から出力される給水要求信号の有無に基づいて、補給水W1の供給を開始又は停止するタイミングを判定してもよい。なお、その場合に、水位センサ25の検出信号は、前記制御機器に送信される。
【0081】
本実施形態では、給水ポンプ8に入力される駆動周波数として、第1駆動周波数を40Hz、第2駆動周波数を60Hz、第3駆動周波数を20Hzとした例について説明した。この例に限らず、各駆動周波数は、使用条件等に応じて適宜に設定される。
【0082】
本実施形態では、ボイラ2の燃焼状態として、高燃焼状態、中燃焼状態、低燃焼状態(及び燃焼停止状態)について説明した。この例に限らず、少なくとも、高燃焼状態、低燃焼状態(及び燃焼停止状態)で動作可能なボイラに適用することができる。また、各燃焼状態における熱量は、適宜に設定される。
【符号の説明】
【0083】
1 給水システム
2 ボイラ(加熱装置)
3 エコノマイザ(補給水加熱器)
6 ドレンタンク
8 給水ポンプ(加圧ポンプ:補給水供給手段)
9 インバータ(ポンプ駆動部:補給水供給手段)
10 制御部
L1 補給水ライン
L8 補給水還流ライン
L9 補給水バイパスライン
V1 流量調節弁(補給水流量制御弁:補給水供給手段)
V2 補給水還流弁
V3 補給水バイパス弁
W1 補給水
W2 蒸気
W3 ドレン
図1
図2
図3
図4