特許第5983177号(P5983177)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983177
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】収納ケース付きベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/22 20060101AFI20160818BHJP
   A47C 17/52 20060101ALI20160818BHJP
   A47B 88/04 20060101ALI20160818BHJP
   A47B 88/12 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   A47C19/22 A
   A47C17/52 Z
   A47B88/04 E
   A47B88/12
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-181443(P2012-181443)
(22)【出願日】2012年8月20日
(65)【公開番号】特開2014-36782(P2014-36782A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】鳥原 孝一
(72)【発明者】
【氏名】本並 洋二
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−065854(JP,A)
【文献】 特開昭59−014807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C19/22
A47C17/52−17/62
A47B88/04−88/12
A47B81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドフレームと、前記ベッドフレームに固定部を介して取り付けられたケース本体部及び前記ケース本体部に対して出し入れ可能な引き出し部を有する収納ケースと、を備えた収納ケース付きベッドであって、
前記固定部の少なくとも一部を覆う被覆部材をさらに備え、
前記固定部は、前記ベッドフレームに固設された固定部材と、前記固定部材及び前記ケース本体部及び前記被覆部材を共締めする締結部材とを含み、
前記被覆部材は、前記固定部材の一部を覆う収納ケース付きベッド。
【請求項2】
ベッドフレームと、前記ベッドフレームに固定部を介して取り付けられたケース本体部及び前記ケース本体部に対して出し入れ可能な引き出し部を有する収納ケースと、を備えた収納ケース付きベッドであって、
前記固定部の少なくとも一部を覆う被覆部材をさらに備え、
前記固定部は、前記ベッドフレームに固設された固定部材と、前記固定部材及び前記ケース本体部及び前記被覆部材を共締めする締結部材とを含み、
前記被覆部材は、前記固定部材の表面のうちで前記ケース本体部から前記引き出し部を引き出したときに外部から見える範囲を覆う収納ケース付きベッド。
【請求項3】
前記被覆部材の外観は、前記引き出し部の前板の外観または前記ケース本体部の前面の外観と同じである請求項1または2に記載の収納ケース付きベッド。
【請求項4】
前記被覆部材の前面は、前記ケース本体部の前面に連なっている請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納ケース付きベッド。
【請求項5】
前記被覆部材は、前記ベッドフレームに載置されるボトムボードの裏面に形成された簀子を係止する請求項1〜4のいずれか一項に記載の収納ケース付きベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収納ケース付きベッドに関し、より詳細には、収納ケースの外観に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドフレームに収納ケースを設けた収納ケース付きベッドが普及している。例えば、特許文献1に開示されたベッド装置は、一側面に開口する箱状体の内部に仕切り体を設けて収納部としたベッド本体と、収納部に出し入れ可能で幅方向の寸法が異なる複数の引き出しとを備え、箱状体に複数の溝を等間隔で設けて、仕切り板の挿入位置を変更できるようにしている。これにより、幅寸法の異なる引き出しを任意の位置に変更できるようになっている。また、特許文献1の実施形態には、箱状体の幅方向の途中に仕切り板が挿入され、幅方向の両端に端板が配置された態様が開示されている。2つの端板の一方はヘッドボードに固定され、他方はフットボードに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−159827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のベッド装置では、ヘッドボードやフットボードなどのベッドフレーム側の部材と、箱状体や端板などの収納ケース側の部材とで素材が異なっている。このため、外観上の美観が低下して見た目が悪くなっている。さらに、収納ケースをベッドフレームに取り付けるために固定部を用いる構成では、固定部の外観が見た目に影響を及ぼすこともある。
【0005】
本発明は上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、収納ケースの外観、特に引き出し部を引き出したときの固定部やケース本体部の外観の美観性を向上して、見た目を良くした収納ケース付きベッドを提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収納ケース付きベッドは、ベッドフレームと、前記ベッドフレームに固定部を介して取り付けられたケース本体部及び前記ケース本体部に対して出し入れ可能な引き出し部を有する収納ケースと、を備えた収納ケース付きベッドであって、前記固定部の少なくとも一部を覆う被覆部材をさらに備え、前記固定部は、前記ベッドフレームに固設された固定部材と、前記固定部材及び前記ケース本体部及び前記被覆部材を共締めする締結部材とを含み、前記被覆部材は、前記固定部材の一部を覆う
【0008】
また、本発明の収納ケース付きベッドは、ベッドフレームと、前記ベッドフレームに固定部を介して取り付けられたケース本体部及び前記ケース本体部に対して出し入れ可能な引き出し部を有する収納ケースと、を備えた収納ケース付きベッドであって、前記固定部の少なくとも一部を覆う被覆部材をさらに備え、前記固定部は、前記ベッドフレームに固設された固定部材と、前記固定部材及び前記ケース本体部及び前記被覆部材を共締めする締結部材とを含み、前記被覆部材は、前記固定部材の表面のうちで前記ケース本体部から前記引き出し部を引き出したときに外部から見える範囲を覆うことが好ましい。
【0009】
さらに、前記被覆部材の外観は、前記引き出し部の前板の外観または前記ケース本体部の前面の外観と同じであることが好ましい。
【0010】
また、前記被覆部材の前面は、前記ケース本体部の前面に連なっているようにしてもよい。
【0011】
また、前記被覆部材は、前記ベッドフレームに載置されるボトムボードの裏面に形成された簀子を係止するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の収納ケース付きベッドでは、収納ケースのケース本体部をベッドフレームに取り付ける固定部のうちベッドフレームに固設された固定部材の一部が被覆部材で覆われる。被覆部材には、美観性の高い部材、例えば化粧パネルや、化粧パネルを貼設した部材を用いることができるので、見た目を良くすることができる。
【0013】
さらに、固定部が固定部材と締結部材とを含み、固定部材、ケース本体部、及び被覆部材の三者が締結部材で共締めされる。ここで、固定部材とケース本体部との締め付けは元々必要な作業工程であるので、被覆部材を取り付ける独立した作業工程が不要となり、手間が軽減される。また、固定部材には一般的に固定金具などが用いられるので、あまり見た目が良くない。この固定部材の前側に被覆部材を共締めして固定部材の前面を覆うことにより、見た目を良くすることができる。
【0014】
さらに、固定部材の表面のうち引き出し部を引き出したときに外部から見える範囲を被覆部材が覆う態様では、引き出し部を引き出したときの見た目を良くすることができる。
【0015】
さらに、被覆部材の外観を引き出し部の前板の外観またはケース本体部の前面の外観と同じにした態様では、複数箇所の外観の統一性が保たれるので、見た目を良くすることができる。
【0016】
また、被覆部材の前面がケース本体部の前面に連なる態様では、被覆部材とケース本体部の間に段差や隙間が生じないので、見た目を良くすることができる。加えて、収納ケースに入れる衣類などを誤って引っかけたりするおそれが生じない。
【0017】
また、被覆部材がボトムボードの裏面に形成された簀子を係止する態様では、被覆部材を簀子の係止の用途に兼用して、簀子を係止する専用の部材を不要とし、ベッドの構成部材点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態の収納ケース付きベッドを説明する平面図である。
図2】実施形態の収納ケース付きベッドの側面図である。
図3】実施形態の収納ケース付きベッドをフット方向から見た図である。
図4】ケース本体部の平面図である。
図5】ケース本体部の正面図である。
図6】引き出し部の平面図である。
図7】引き出し部の正面図である。
図8】ケース本体部をサイドフレームの他端に配置した状態を示す部分拡大平面図である。
図9】ケース本体部をサイドフレームの他端に配置した状態を示すフット方向から見た部分拡大図である。
図10】ケース本体部をサイドフレームの他端に取り付けた状態を示す部分拡大平面図である。
図11】ケース本体部をサイドフレームの他端に取り付けた状態を示すフット方向から見た部分拡大図である。
図12】実施形態のベッドにおいて、引き出し部を引き出してフット方向から見た部分拡大図であり、一部断面が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための実施形態を、図1図12を参考にして説明する。図1は、本発明の実施形態の収納ケース付きベッド1を説明する平面図である。また、図2は実施形態の収納ケース付きベッド1の側面図、図3は実施形態の収納ケース付きベッド1をフット方向から見た図である。
【0020】
ベッド1は、ヘッドフレーム2、2つのサイドフレーム41、42、2枚のボトムボード51、52、マットレス6、及び収納ケース7などで構成されている。ヘッドフレーム2は、直立した矩形板状の部材である。2つのサイドフレーム41、42は、それぞれ横長の矩形板状の部材であり、互いに平行配置とされている。2つのサイドフレーム41、42のそれぞれの一端411、421は、図略の締結部材を用いてヘッドフレーム2の一方の面に固定されている。2つのサイドフレーム41、42のそれぞれの他端412、422には、後述するように、収納ケース7のケース本体部71が取り付けられている。
【0021】
図3に示されるように、2つのサイドフレーム41、42の間隔Dは、ヘッドフレームの幅寸法Wよりも小とされている。したがって、ヘッドフレーム2の両端は、サイドフレーム41、42よりも側方に張り出している。2つのサイドフレーム41、42の高さ寸法Hに対して、ヘッドフレーム2は高く突出している。
【0022】
ヘッドフレーム2及び2つのサイドフレーム41、42は木製とすることができ、他の材質を用いて形成してもよい。各フレーム2、41、42の外観は、美観性の高い共通フレームデザインで統一されており、見た目が良好になっている。共通フレームデザインには、例えば、特定色のモノトーンや木目調デザインを採用でき、これに限定されない。
【0023】
ボトムボードは、正方形に近い矩形のヘッド側ボトムボード51及びフット側ボトムボード52に二分割されている。フット側ボトムボード52は、図1に破線で示されるように、枠木54、上板55、4本の簀子木56、及び縁部材53などで構成されている。枠木54は、正方形に近い矩形の枠を形成する部材である。上板55は、枠木54の枠形状に相当する正方形に近い薄板であり、枠木54の上面に一体的に結合されている。4本の簀子木56は、上板55の下側の枠木54の間に幅方向に配設されている。4本の簀子木56は、互いに平行しており、かつ概ね等間隔に配置されている。4本の簀子木56は、フット側ボトムボード52の構造的な強度を確保する簀子を形成している。縁部材53は、枠木54の両側及びフット側の端部に付設されており、端面に向かうにつれて上面高さが漸減している。
【0024】
ヘッド側ボトムボード51は、詳細な構造が図1には省略されているが、フット側ボトムボード52と同様に枠木、上板、簀子木、及び枠木の両側の端部に付設された縁部材53などで構成されている。ヘッド側ボトムボード51及びフット側ボトムボード52は、2つのサイドフレーム41、42上に架け渡されるように載置されて使用される。
【0025】
ヘッド側ボトムボード51及びフット側ボトムボード52は、縁部材53を含む幅寸法Wがヘッドフレームの幅寸法Wに略一致しており、サイドフレーム41、42よりも側方に張り出している。また、ヘッド側ボトムボード51とフット側ボトムボード52とを足し合わせた長さは、サイドフレーム41、42の長さよりも大とされている。ヘッド側ボトムボード51のヘッド側はヘッドフレーム2に付き当たっており、フット側ボトムボード52のフット側はサイドフレーム41、42の他端412、422よりも張り出している。ヘッド側ボトムボード51及びフット側ボトムボード52の上面に、縁部材53にかからない程度の大きさのマットレス6が載置されて使用される。
【0026】
収納ケース7は、図1図3に示されるように、2つのサイドフレーム41、42の間のフット側ボトムボード52の下方に配設されている。収納ケース7は、ケース本体部71及び引き出し部75で構成されている。引き出し部75は、図1に矢印Aで示されるように、フット方向に引き出されるようになっており、フット方向が収納ケース7の正面になる。図4は、ケース本体部71の平面図であり、図5は、ケース本体部71の正面図である。ケース本体部71は、底板711、2枚の側板712、713、2枚の天板714、715、及び2つの取付部716、717で形成されている。
【0027】
詳述すると、矩形の底板711の短辺上にそれぞれ矩形の側板712、713が立設されている。2つの側板712、713の上面の前側同士及び後側同士を橋絡するように、それぞれ細長い矩形の天板714、715が架け渡されている。底板711、2つの側板712、713、及び前側の天板714の前面には、化粧パネルが貼設されている。化粧パネルの外観には、美観性の高いケース共通デザインが採用されている。ケース共通デザインは、フレーム共通デザインと同じでもよいし、異なっていてもよい。上述した化粧パネルは、ケース本体部71の少なくとも一部を覆う本発明の被覆部材に相当している。
【0028】
前側の天板714の上面には、ベッド1の幅方向に係合溝719が刻設されている。係合溝719には、フット側ボトムボード52の一番フット側の簀子木56が係入する。また、2枚の側板712、713の前方寄りから側方外向きに突出するように、それぞれ取付部716、717が一体的に設けられている。各取付部716、717の上部寄り及び略中間高さにそれぞれ、共締孔718が穿設されている。共締孔718の内周には、雌ねじが刻設されている。
【0029】
次に、図6は引き出し部75の平面図であり、図7は引き出し部75の正面図である。引き出し部75は、5枚の矩形板すなわち底板761、2枚の側板762、763、前板764、及び後板765で形成されており、上方に開口する浅い箱形状になっている。前板764の幅方向寸法Dは、2つのサイドフレーム41、42の間隔Dに概ね一致しており、底板761の幅や2枚の側板762、763の間隔よりも大きい。したがって、前板764の両端は、底板761及び側板762、763よりも側方に張り出している。前板764の下部中央は、部分的に切り欠かれており、把手766が形成されている。また、前板764の前面には、ケース本体部71の前面と同様に、ケース共通デザインの化粧パネルが貼設されている。
【0030】
次に、2つのサイドフレーム41、42のそれぞれの他端412、422にケース本体部71を取り付ける構造について説明する。ケース本体部71の取付構造は両側で同じであるので、以下では一方のみ図示して説明する。図8は、ケース本体部71をサイドフレーム42の他端422に配置した状態を示す部分拡大平面図であり、図9は同じ状態をフット方向から見た部分拡大図である。また、図10は、ケース本体部71をサイドフレーム42の他端422に取り付けた状態を示す部分拡大平面図であり、図11は同じ状態をフット方向から見た部分拡大図である。
【0031】
ケース本体部71の取り付けには、本発明の固定部材に相当する固定金具91、及び本発明の締結部材に相当する固定ねじ94を用いる。固定金具91は、断面が直角に屈曲したL字状で、幅がサイドフレーム41、42の高さHよりも小さい金属性板状の部材である。図8及び図9に示されるように、固定金具91の直交する2つの面92、93のうちの小さい側の面92の上部寄りに取付孔921が穿設されている。また、小さい側の面92の下方縁には、U字状に切り欠かれた取付溝922が形成されている。固定金具91の大きい側の面93は、予めサイドフレーム42の他端422に固着されている。
【0032】
図8及び図9に示されるように、固定金具91の小さい側の面92にケース本体部71の取付部716を位置合わせして、取り付けの準備をする。このとき、固定金具91の取付孔921及び取付溝922は、取付部716の2つの共締孔718にそれぞれ対向して取り付け可能な状態になる。次に、図10及び図11に示されるように、固定金具91の前側に駒部材8を位置合わせする。
【0033】
駒部材8は、固定部の少なくとも一部を覆う本発明の被覆部材に相当しており、矩形の板材で形成されている。駒部材8の高さ寸法H1は、サイドフレーム42の高さHよりもわずかに大とされている。駒部材8の幅寸法W1は、固定金具91の小さい側の面92の幅寸法にサイドフレーム42の板厚を加算した寸法に略一致している。駒部材8の厚さ寸法T1は、サイドフレーム42の他端422のフット側に配設されたときに、駒部材8の前面81とケース本体部71の前面とが揃うように設定されている。駒部材8の表面のうち、少なくとも外部から見える前面81には、ケース本体部71の前面と同様に、ケース共通デザインの化粧パネルが貼設されている。
【0034】
また、駒部材8の2箇所には、取付部716の2つの共締孔718の位置に対応して、貫通孔82が厚さ方向に穿設されている。さらに、駒部材8の前面81には、貫通孔82の周りを切欠いて下穴83が形成されている。一方、固定ねじ94は、外周面に雄ねじが刻設された軸部95及び、軸部95よりも大径の頭部96で形成されている。貫通孔82の内径は、固定ねじ94の軸部95の外径よりも大きく、頭部96の外径よりも小さい。下穴83の内径は、固定ねじ94の頭部96の外径よりも大きい。
【0035】
固定ねじ94を駒部材8の前側から下穴83及び貫通孔82に差し込むと、固定ねじ94の頭部96は下穴83の底面で規制される。一方、軸部95は、貫通孔82を通り抜けて固定金具91の取付孔921または取付溝922に係合し、さらに、取付部716の共締孔718に係入する。固定ねじ94を回転駆動すると、軸部95の雄ねじが共締孔718の雌ねじに対して螺進する。これにより、前側から順番に駒部材8、固定金具91、及びケース本体部71の三者が共締めされる。
【0036】
両側各2本、合計で4本の固定ねじ94により、ケース本体部71がサイドフレーム41、42の他端412、422に取り付けられる。このとき、固定金具91及び取付部716、717は、駒部材8に覆われて外部から見えなくなっている。また、ケース本体部71の前面と駒部材8の前面81とは、段差や隙間がなく連続している。ケース本体部71に引き出し部75を収納すると、引き出し部75の前板764は、ケース本体部71及び駒部材8を覆う。フット方向から見える引き出し部75の前板764の前面、ケース本体部71の前面、及び駒部材8の前面81は、ケース共通デザインに統一されており、見た目が極めて良好になる。
【0037】
この後、サイドフレーム41、42にフット側ボトムボード52が載置されて図12に示される状態となる。図12は、実施形態のベッド1において、引き出し部75を引き出してフット方向から見た部分拡大図であり、一部断面が示されている。図示されるように、フット側ボトムボード52の一番フット側の簀子木56は、駒部材8の上部によって係止されており、フット方向(図12では紙面手前向き方向)の移動が規制されている。なお、簀子木56は、ケース本体部71の天板714の係合溝719に係入しているが、係合溝719の深さは必ずしも係止に十分でない。このため、簀子木56は、駒部材8によって確実に係止される。
【0038】
実施形態の収納ケース付きベッド1では、固定金具91及びケース本体部71の取付部716、717が駒部材8で覆われる。駒部材8の前面81には、美観性の高いケース共通デザインの化粧パネルが貼設されている。さらに、駒部材8の前面81、ケース本体部51の前面、及び引き出し部75の前板764の外観は、ケース共通デザインに統一されている。したがって、引き出し部75を引き出した状態及び収納した状態に関わらず、外観の統一性が保たれて見た目を極めて良くすることができる。
【0039】
さらに、固定金具91、ケース本体部71、及び駒部材8の三者が固定ねじで共締めされる。ここで、固定金具91とケース本体部71との締め付けは元々必要な作業工程であるので、駒部材8を取り付ける独立した作業工程が不要となり、手間が軽減される。
【0040】
また、駒部材8がフット側ボトムボード52の裏面に形成された簀子(簀子木56)を係止するので、簀子を係止する専用の部材が不要になり、ベッド1の構成部材点数を削減できる。
【0041】
なお、ケース本体部71の取付部716、717、駒部材8、固定金具91、及び固定ねじ94などを組み合わせた取付構造は実施形態に限定されず、変形が可能である。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:収納ケース付きベッド
2:ヘッドフレーム 41、42:サイドフレーム
51:ヘッド側ボトムボード 52:フット側ボトムボード
56:簀子木(簀子)
6:マットレス
7:収納ケース 71:ケース本体部 716、717取付部
718:共締孔
75:引き出し部 764:前板
8:駒部材(被覆部材) 81:前面 82:貫通孔 83:下穴
91:固定金具(固定部材) 94:固定ねじ(締結部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12