特許第5983178号(P5983178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983178
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】管体用キャップ
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/00 20060101AFI20160818BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F16L57/00 C
   F16L55/00 S
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-182553(P2012-182553)
(22)【出願日】2012年8月21日
(65)【公開番号】特開2014-40855(P2014-40855A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2015年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128968
【氏名又は名称】株式会社オンダ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】二ッ谷 伸
【審査官】 鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−121894(JP,U)
【文献】 特開2004−364469(JP,A)
【文献】 実開昭63−062694(JP,U)
【文献】 特開2004−270930(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0218654(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 57/00
F16L 55/00、 55/11 − 55/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂により形成され、管体端部に設けられたナット部に装着される管体用キャップであって、
有底筒状に形成され前記ナット部に嵌め込まれるキャップ本体と、その開口端部に設けられたフランジ部とにより一体的に構成され、前記キャップ本体の外周面には前記ナット部の雌ねじ溝に係合する複数の係合突起が設けられ、該係合突起の近傍位置におけるフランジ部にはナット部の雌ねじ溝に対する係合突起の係合を解除するための把持体を突出形成し、かつ係合突起に対向する部位のフランジ部を切欠いて切欠き部を形成するとともに、把持体側の切欠き部を他の切欠き部よりも大きく切欠き形成したことを特徴とする管体用キャップ。
【請求項2】
前記把持体は、係合突起のうちキャップ本体の開口端部に近い係合突起の近傍位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載の管体用キャップ。
【請求項3】
前記把持体は、把持体側の切欠き部に臨むようにフランジ部の端部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の管体用キャップ。
【請求項4】
前記係合突起は、基端側が厚肉で先端側ほど薄肉に形成された係合突条で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の管体用キャップ。
【請求項5】
前記フランジ部のキャップ本体側の面にはキャップ本体が管体端部のナット部に嵌め込まれたときナット部の外端面に当接する係止突起を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の管体用キャップ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に流路が形成された管体や管継手などの管体端部に設けられたナット部に装着され、パッキンの離脱防止や管体内への異物侵入防止などのために使用される管体用キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の管体用キャップは合成樹脂により形成され、管体端部のナット部内にパッキンが収納された状態でナット部の開口部を塞ぐように装着される。その状態で管体を他の管体に接続する場所まで搬送され、管体の接続時には管体用キャップが管体端部から脱着される。このような管体用キャップを使用することにより、管体の搬送中におけるパッキンの脱落や管体内への塵埃の侵入を防止することができる。
【0003】
この種の管体用キャップとしての保護キャップが特許文献1に開示されている。すなわち、この保護キャップは、雌ねじ部を有するねじ部材が回転可能に支持された管体の端部に装着される。保護キャップは、ねじ部材の端部に接触する基部と、その基部の一面からねじ部材の雌ねじ部内に挿入される挿入部と、該挿入部の外周面に形成されて雌ねじ部と係合する突起部と、基部の他面から延出された把持部とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−270930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示されている従来構成の保護キャップにおいては、挿入部の突起部の形状がねじ部材の雌ねじ部のねじ溝形状に倣うように形成されている。このため、保護キャップの着脱時には、挿入部が弾性構造で撓むとしても、一対の突起部が雌ねじ部のねじ溝に係合した状態からねじ山を乗り越えてねじ溝に係合又は離脱しなければならず、いずれの操作も容易ではない。
【0006】
さらに、保護キャップの把持部が一対の突起部から周方向にそれぞれ90度離れた位置を結ぶ面方向に延びていることから、保護キャップを、ねじ部材から脱着するときに把持部を引っ張ってもその引き抜き力が突起部に直接作用し難く、保護キャップの脱着は容易ではない。
【0007】
そこで本発明の目的とするところは、管体端部に装着しやすく、装着安定性に優れるとともに、脱着を容易に行うことができる管体用キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の管体用キャップは、合成樹脂により形成され、管体端部に設けられたナット部に装着される管体用キャップであって、有底筒状に形成され前記ナット部に嵌め込まれるキャップ本体と、その開口端部に設けられたフランジ部とにより一体的に構成され、前記キャップ本体の外周面には前記ナット部の雌ねじ溝に係合する複数の係合突起が設けられ、該係合突起の近傍位置におけるフランジ部にはナット部の雌ねじ溝に対する係合突起の係合を解除するための把持体を突出形成し、かつ係合突起に対向する部位のフランジ部を切欠いて切欠き部を形成するとともに、把持体側の切欠き部を他の切欠き部よりも大きく切欠き形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の管体用キャップは、請求項1に係る発明において、前記把持体は、係合突起のうちキャップ本体の開口端部に近い係合突起の近傍位置に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の管体用キャップは、請求項2に係る発明において、前記把持体は、把持体側の切欠き部に臨むようにフランジ部の端部に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の管体用キャップは、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記係合突起は、基端側が厚肉で先端側ほど薄肉に形成された係合突条で構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明の管体用キャップは、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、前記フランジ部のキャップ本体側の面にはキャップ本体が管体端部のナット部に嵌め込まれたときナット部の外端面に当接する係止突起を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明の管体用キャップは、可撓性を有する軟質ポリエチレン樹脂で形成され、キャップ本体の外周面には複数の係合突起が管体端部のナット部の雌ねじ溝に係合されるようになっている。さらに、前記係合突起の近傍位置におけるフランジ部には把持体が突出形成されている。そして、係合突起に対向する部位のフランジ部が切欠かれて切欠き部が形成され、把持体側の切欠き部が他の切欠き部よりも大きく切欠き形成されている。
【0014】
このため、管体用キャップを管体端部のナット部に装着する場合、キャップ本体をナット部の雌ねじ孔に嵌入することにより、両係合突起が撓み変形して雌ねじ溝に容易に係合することができる。そして、雌ねじ溝に対する両係合突起19,20の係合が維持される。
【0015】
管体用キャップをナット部から脱着する場合、把持体を把持して引っ張ったときその引き抜き力は把持体の近傍位置にある係合突起に直接的に作用する。加えて、管体用キャップの把持体側の切欠き部が他の切欠き部よりも大きく切欠き形成されているため、把持体により管体用キャップに引き抜き力が作用したとき、把持体の近傍位置におけるキャップ本体が撓み変形しやすい。その結果、把持体側の係合突起がナット部から脱着されやすく、把持体側の係合突起が脱着されると、他の係合突起がナット部から簡単に脱着される。
【0016】
従って、本発明の管体用キャップによれば、管体端部に装着しやすく、装着安定性に優れるとともに、脱着を容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態における管体用キャップを示す斜視図。
図2】管体用キャップを示す正面図。
図3】(a)は管体用キャップを示す背面図、(b)は(a)の3b−3b線における断面図。
図4図3の4−4線における半断面図。
図5】管体端部のナット部、パッキン及び管体用キャップを示す分解斜視図。
図6】(a)は管体用キャップを管体端部のナット部に装着した状態を示す側断面図、(b)はフランジ部の係止突起がナット部の外端面に当接している状態を示す側断面図。
図7】管体用キャップを管体端部のナット部に装着した状態を示す正断面図。
図8】管体用キャップの係合突起を管体端部のナット部の雌ねじ溝に係合させた状態を示す拡大断面図。
図9】管体用キャップを射出成形法で製造する場合の固定型、可動型及びPL面を示す説明図。
図10】本発明の別例の管体用キャップを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1図9に基づいて詳細に説明する。
図5及び図6(a)に示すように、管体11は内部に水等の流体が流通可能に構成され、その端部には全周が拡径するように屈曲形成された鍔部11aが設けられている。ナット部12は一端側に全周が縮径された縮径部12aを有し、内部に雌ねじ孔13が形成されて他端側に開口されている。図8に示すように、雌ねじ孔13には雌ねじ溝14が形成され、その雌ねじ孔13の開き角度βは55°に設定されている。
【0019】
そして、図6(a)に示すように、ナット部12の雌ねじ孔13に他端側から管体11が挿入され、ナット部12の縮径部12aに管体11の鍔部11aが係合してナット部12が管体11端部に連結されるようになっている。前記ナット部12の雌ねじ孔13にはパッキン15が挿入され、その状態で図示しない他の管体の雄ねじがナット部12の雌ねじ孔13に螺合されることにより、両管体11間が接続されるようになっている。
【0020】
両管体11が接続される前には、前記ナット部12にパッキン15を介して管体用キャップ16が装着され、パッキン15の脱落を防止するとともに、雌ねじ孔13内、さらには管体11内への塵埃の侵入を防止するようになっている。管体用キャップ16がナット部12に装着されたとき、キャップ本体17がナット部12の雌ねじ孔13内のパッキン15に接触しない程度に、キャップ本体17の深さが設定されている。
【0021】
図1及び図4に示すように、管体用キャップ16は可撓性を有するポリエチレン樹脂等の軟質合成樹脂により、略有底円筒状に形成されている。この管体用キャップ16は、前記ナット部12の雌ねじ孔13に嵌め込まれるキャップ本体17と、そのキャップ本体17の開口端部に形成されたフランジ部18とにより一体的に構成されている。前記キャップ本体17の外周面には前記ナット部12の雌ねじ溝14に係合する一対の係合突起19,20が180度対向する位置に設けられている。
【0022】
図6(a)に示すように、管体用キャップ16のキャップ本体17をナット部12の雌ねじ孔13内に装着したとき、管体用キャップ16の係合突起19,20がナット部12の雌ねじ溝14に同時に入り込んで係合する。このため、一方の係合突起19は管体用キャップ16の開口端部に近い位置に設けられ、他方の係合突起20は管体用キャップ16の開口端部から若干離れた位置に設けられる。開口端部側の係合突起19を第1係合突起19、他方の係合突起20を第2係合突起20と称する。
【0023】
前記第1係合突起19の近傍位置におけるフランジ部18には、ナット部12の雌ねじ溝14に対する第1係合突起19の係合を主として解除する把持体としての把持片21が突出形成されている。この把持片21の先端部には、把持片21に指を掛けて引っ張ったとき滑り止めの機能を発揮する指掛け部21aがキャップ本体17の周方向及び軸線方向に膨出するように形成されている。
【0024】
図2及び図3(a)に示すように、前記フランジ部18において、両係合突起19,20に各々対向する部位のフランジ部18がそれぞれ切欠かれて切欠き部22,23が形成されている。両切欠き部22,23のうち、把持片21側の第1切欠き部22が他方の第2切欠き部23よりも大きく切欠き形成されている。前記把持片21は、一対の係合突起19,20のうちキャップ本体17の開口端部に近い第1係合突起19の近傍位置において、第1切欠き部22に臨むように、フランジ部18の端部からキャップ本体17の径方向外方に延びている。
【0025】
図8に示すように、前記両係合突起19,20は、基端側が厚肉で先端側ほど次第に薄肉になるようにテーパ状(断面略二等辺三角形状)に形成された係合突条で構成されている。両係合突起19,20の傾斜角度(頂角)αは30°に設定されている。このため、両係合突起19,20がナット部12の雌ねじ溝14に係合されたとき、係合突起19,20と雌ねじ溝14との間には空間が形成される。また、一対の係合突起19,20の頂縁19a,20aは雌ねじ溝14の谷底14aに位置するように設定されている。
【0026】
両係合突起19,20の高さは、前記ナット部12の雌ねじ溝14の深さと略同じに設定されている。従って、図7及び図8に示すように、係合突起19,20がナット部12の雌ねじ溝14に係合されたとき、係合突起19,20と雌ねじ溝14との係合力が得られるとともに、雌ねじ溝14に対する係合突起19,20の着脱の容易性を図ることができるようになっている。
【0027】
図1及び図3(a)に示すように、前記フランジ部18のキャップ本体17側の面にはキャップ本体17がナット部12の雌ねじ孔13に嵌め込まれたときナット部12の外端面に当接する一対の係止突起24が180度対向する位置に設けられている。図3(b)に示すように、この係止突起24は断面円弧状に形成されている。図6(b)に示すように、これらの係止突起24がナット部12の外端面に当って、キャップ本体17をナット部12の雌ねじ孔13に嵌め込んだとき、係合突起19,20を雌ねじ溝14の斜面14bに係合させることができる。このため、雌ねじ溝14に対する係合突起19,20の係合を維持しやすくなり、キャップ本体17の係合突起19,20が螺旋状の雌ねじ溝14に沿って回り、管体用キャップ16がナット部12から外れることを抑制することができる。
【0028】
図9に示すように、管体用キャップ16は、固定型25と可動型26とを有する射出成形用金型27を使用し、ポリエチレン樹脂等の軟質合成樹脂の射出成形法により形成される。固定型25と可動型26とのPL面(型割り面)28は、管体用キャップ16のフランジ部18の位置に設定されるとともに、第1切欠き部22及び第2切欠き部23においては第1係合突起19及び第2係合突起20の位置に設定されている。前記固定型25と可動型26との間には、管体用キャップ16の成形用凹部29(キャビティ)が形成されている。
【0029】
そして、固定型25に可動型26を型締めした状態で、固定型25と可動型26間の成形用凹部29にポリエチレン樹脂の溶融物を射出する。その後、射出成形用金型27を冷却し、可動型26を固定型25から型開きして成形用凹部29から成形物を取り出すことにより、管体用キャップ16を製造することができる。従って、スライドコアや中子を用いることなく、固定型25と可動型26だけを使用して簡単に管体用キャップ16を成形できるようになっている。
【0030】
次に、以上のように構成された管体用キャップ16についてその作用を説明する。
さて、図5に示すように、管体用キャップ16を管体11端部のナット部12に装着する場合には、まず管体用キャップ16をそのキャップ本体17側がナット部12の雌ねじ孔13に対向するように配置する。続いて、図6(a)に示すように、管体用キャップ16のフランジ部18をナット部12の外端面に向けて押圧し、キャップ本体17を、パッキン15を介してナット部12の雌ねじ孔13内に真っ直ぐに挿入する。
【0031】
このとき、一対の係合突起19,20はナット部12の雌ねじ溝14に係合するが、管体用キャップ16が可撓性を有する軟質のポリエチレン樹脂で形成され、両係合突起19,20がテーパ状に形成され、その傾斜角度αが30°という雌ねじ孔13の開き角度βの55°より小さな角度となるように薄く形成されている。このため、両係合突起19,20は、特にその先端側が良好な可撓性を発現することができる。従って、ナット部12の雌ねじ孔13に対する管体用キャップ16の装着を速やかに行うことができる。そして、管体用キャップ16のフランジ部18に設けられた両係止突起24が管体11端部のナット部12の外端面に当たることにより、管体用キャップ16の挿入が完了する。
【0032】
図7及び図8に示すように、ナット部12の雌ねじ孔13に管体用キャップ16が装着された状態では、管体用キャップ16の両係合突起19,20がナット部12の螺旋状に形成された雌ねじ溝14の所定位置に係合される。このとき、図6(b)に示すようにフランジ部18の係止突起24がナット部12の外端面に当接していることから、両係合突起19,20が雌ねじ溝14内に収容されるとともに、両係合突起19,20の頂縁19a,20aが雌ねじ溝14の斜面14bに接触する。従って、管体用キャップ16に抜き出し方向への力が作用しても装着状態を良好に保持することができる。
【0033】
図6(a)に示すように、管体用キャップ16がナット部12の雌ねじ孔13に装着された状態から管体用キャップ16を脱着する場合には、把持片21を指で把持し、キャップ本体17の軸線方向外方へ引っ張る。このとき、把持片21は第1係合突起19の近傍位置に設けられていることから、把持片21による引き抜き力がナット部12の雌ねじ溝14に係合している第1係合突起19の係合を解除するために有効に働く。同時に、該第1係合突起19に対向する位置の第1切欠き部22が第2切欠き部23よりも大きく切欠かれていることから、第1係合突起19より開口端部側のキャップ本体17が撓み変形しやすく、第1係合突起19の係合が解除されやすくなる。
【0034】
そして、ナット部12の雌ねじ溝14に対する管体用キャップ16の第1係合突起19の係合が外れると、キャップ本体17がナット部12の軸線に対して傾くことから、ナット部12の雌ねじ溝14に対する第2係合突起20の係合が解除されやすくなる。このため、第1係合突起19の係合解除に続いて第2係合突起20の係合解除が順に行われ、キャップ本体17をナット部12の雌ねじ孔13から速やかに抜き出すことができる。
【0035】
以上の実施形態により得られる効果を以下にまとめて記載する。
(1)この実施形態の管体用キャップ16は可撓性を有する軟質ポリエチレン樹脂で形成され、キャップ本体17の外周面には一対の係合突起19,20がナット部12の雌ねじ溝14に係合されるようになっている。さらに、第1係合突起19の近傍位置におけるフランジ部18には把持片21が突出形成されている。そして、把持片21側の第1切欠き部22が第2切欠き部23よりも大きく切欠き形成されている。
【0036】
このため、管体用キャップ16をナット部12に装着する場合、キャップ本体17をナット部12の雌ねじ孔13に嵌入することにより、両係合突起19,20が撓み変形して雌ねじ溝14に容易に係合する。また、管体用キャップ16をナット部12から脱着する場合、把持片21を把持して引っ張ったときの引き抜き力が、第1係合突起19に直接的に作用する。加えて、把持片21側の第1切欠き部22が第2切欠き部23よりも大きく切欠き形成されているため、把持片21による引き抜き力により、把持片21の近傍位置におけるキャップ本体17が撓みやすい。その結果、第1係合突起19がナット部12から容易に脱着され、第1係合突起19が脱着されると、第2係合突起20がナット部12から簡単に脱着される。
【0037】
従って、本実施形態の管体用キャップ16によれば、管体11端部のナット部12に装着しやすく、装着安定性に優れるとともに、脱着を容易に行うことができるという効果を奏する。
(2)前記把持片21は、一対の係合突起19,20のうちキャップ本体17の開口端部に近い第1係合突起19の近傍位置に形成されている。このため、把持片21を引っ張ることにより、ナット部12の雌ねじ溝14に対する第1係合突起19の係合を容易に解除することができる。
(3)前記把持片21は、第1切欠き部22に臨むようにフランジ部18の端部に設けられている。従って、把持片21の強度を高めることができるとともに、第1切欠き部22に臨んで第1係合突起19周囲におけるキャップ本体17の変形を大きくし、雌ねじ溝14に対する第1係合突起19の係合解除を有効に行うことができる。
(4)前記係合突起19,20は、基端側が厚肉で先端側ほど薄肉に形成されたテーパ状の係合突条で構成されている。そのため、係合突起19,20は先端側ほど撓み性が大きくなり、ナット部12の雌ねじ溝14に対する係合突起19,20の係合や係合の解除を円滑に行うことができる。
(5)前記フランジ部18のキャップ本体17側の面にはキャップ本体17がナット部12に嵌め込まれたときナット部12の外端面に当接する係止突起24が設けられている。このため、キャップ本体17をナット部12の雌ねじ孔13に嵌入したとき、係合突起19,20を雌ねじ溝14の斜面14bに係合させることができ、雌ねじ溝14に対する係合突起19,20の係合を良好に維持することができる。
(6)管体用キャップ16は、固定型25と可動型26とを有する射出成形用金型27を使用し、軟質合成樹脂の射出成形法により形成される。従って、スライドコアや中子を用いることなく、射出成形用金型27の構成を簡易にすることができ、管体用キャップ16を射出成形法により容易かつ迅速に製造することができる。
【0038】
なお、前記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
図10に示すように、前記把持片21を、正面から見て第1係合突起19を取り囲むように環状に形成してもよい。このように構成した場合には、把持片21を指でしっかりと把持することができ、第1係合突起19の周囲におけるキャップ本体17を容易に撓ませることができ、ナット部12の雌ねじ溝14に対する第1係合突起19の係合を簡単に解除することができる。なお、この場合には、第1切欠き部22は前記実施形態の場合よりも小さくなるが、差し支えない。
【0039】
・ 前記キャップ本体17外周の第1係合突起19及び第2係合突起20の位置(キャップ本体17の軸線方向における間隔)を、両係合突起19,20がナット部12の雌ねじ溝14の斜面14bに係合するように設定することも可能である。
【0040】
・ 前記係合突起19,20としての係合突条を、キャップ本体17の軸線と直交する方向に対し、ナット部12の雌ねじ溝14に沿って延びるように、若干斜め方向に形成してもよい。
【0041】
・ 前記一対の係合突起19,20の位置を180度対向する位置からずらして配置してもよい。また、係合突起19,20の数を3つ以上に増加させてもよい。
・ 前記係合突起19,20を、断面台形状等の形状に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0042】
11…管体、12…ナット部、14…雌ねじ溝、16…管体用キャップ、17…キャップ本体、18…フランジ部、19…第1係合突起、20…第2係合突起、21…把持体としての把持片、22…第1切欠き部、23…第2切欠き部、24…係止突起、25…固定型、26…可動型、27…射出成形用金型。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10