(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続メタルで支持する2つの螺旋軸に対応して、2つのライナーが、前記接続メタルの内周面における各螺旋軸の径方向の外方に位置する部分に装着されている請求項1または2に記載の螺旋式搬送装置の軸受構造。
前記ライナーは、2つの螺旋軸のうちの一方の螺旋軸の軸心方向から見て、前記接続メタルにおける他方の螺旋軸が接続メタルから延在する方向とは反対側の部位に装着されている請求項3に記載の螺旋式搬送装置の軸受構造。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る螺旋式搬送装置の軸受構造の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る軸受構造を備えるコンバインの側面図である。
図2は、
図1に示すコンバインの反対側の側面図である。
図3は、
図1に示すコンバインの平面図である。なお、以下の説明では、本実施形態に係るコンバイン1の通常の使用態様時における前後方向、左右方向、上下方向を、各部位においてもそれぞれ前後方向、左右方向、上下方向として説明する。具体的には、前後方向は、コンバイン1の長さ方向であり、左右方向は幅方向、上下方向は高さ方向である。このうち、前方は、刈取り作業時におけるコンバイン1の進行方向であり、左方は、前方に向かって左手方向であり、下方は、重力が作用する方向である。なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
<コンバインの全体構成>
作業車両の一例であるコンバイン1は、機体フレーム2と、機体フレーム2の前方側に取り付けられた刈取装置7と、機体フレーム2の下方側に取り付けられた走行装置3と、機体フレーム2の後方側に取り付けられた脱穀装置5とを有している。また、コンバイン1には、動力源となるエンジン(図示省略)が搭載されている。
【0020】
走行装置3は、左右一対の履帯4を有し、左右一対の履帯4には、エンジンから動力が伝達される。左右一対の履帯4は、エンジンから動力が伝達されることで周回し、走行装置3は、周回する左右一対の履帯4により、コンバイン1を走行させる。
【0021】
刈取装置7は、穀稈を分草する分草具7aと、分草された穀稈を引き起こす引起し装置7bと、引き起こされた穀稈の根元を切断する刈刃とを有している。刈取装置7は、圃場に立毛する穀稈を分草具7aで分草し、分草した穀稈を引起し装置7bで引き起こし、引き起こした穀稈を刈刃で刈り取る。刈り取られた穀稈は、穀稈搬送装置27により脱穀装置5へ向けて搬送される。なお、穀稈搬送装置27の詳細については、後述する。
【0022】
刈取装置7の後方側において左右方向の一方側(右側)には、操縦室となるキャビン6が設けられている。キャビン6には、運転席6Sと、運転席6Sの前方側に設けられた走行操作レバー6H及び操作パネル等の操作装置6Cと、各種情報を表示可能なモニタ6Dとが設けられている。また、キャビン6には、各種操作レバーおよび計器類が配設されている。また、キャビン6の後方側には、脱穀装置5が脱穀した穀粒を一時的に貯蔵するためのグレンタンク8が配置されている。
【0023】
<脱穀装置>
図4は、
図1に示すコンバインに搭載される脱穀装置の内部構造を示す説明図である。
図5は、
図4に示す脱穀装置の平面図である。脱穀装置5は、穀稈搬送装置27により穀稈が後方に搬送される過程で、刈取装置7により刈り取った穀稈から穀粒を切離して藁等の夾雑物と穀粒とを分離するものである。脱穀装置5は、グレンタンク8が配置されている側とは反対側に、穀稈搬送装置27が配置されている。穀稈搬送装置27は、挟扼杆27Bと供給搬送チェーン27Cとを有している。穀稈搬送装置27は、刈取装置7が刈り取った穀稈を挟扼杆27Bと供給搬送チェーン27Cとの間に挟み込み、供給搬送チェーン27Cによって脱穀装置5に搬送し、供給する。脱穀装置5を通過し、穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、穀稈搬送装置27の後方側に配置された排藁搬送装置22A、22Bによって、コンバイン1の後方側に配置されている排藁切断装置23へ搬送される。排藁切断装置23は、複数の回転刃23A、23Bを備えている。一対の回転刃23A、23Bは、回転軸方向から見ると、一部が重なり合っている。排藁搬送装置22A、22Bから排藁切断装置23に投入された排藁は、回転刃23A、23Bの間で切断され、例えば、圃場に放出される。
【0024】
脱穀装置5は、脱穀部5Aと選別部5Bとを有する。脱穀部5Aは、扱室5Dと、二番処理室5P(
図5参照)と、排塵処理室5W(
図5参照)とを含んでいる。選別部5Bは、選別棚(揺動選別棚)18と、唐箕13と、排塵排出手段としての排塵ファン24と、一番回収部19と、二番回収部21とを含んでいる。選別部5Bは、脱穀部5Aの下方、即ち、鉛直方向(矢印Gで示す方向)側に配置されている。脱穀部5Aは、穀稈の穂先部から穀粒を脱粒させる。選別部5Bは、脱穀部5Aで脱粒された穀粒を含む被処理物から夾雑物を除去して、穀粒を回収する。被処理物とは、脱穀装置5の扱胴10が穀稈から脱穀したものである。まず、脱穀部5Aについて説明する。
【0025】
<脱穀部>
図6は、
図4に示す脱穀装置が有する脱穀部の平面図である。脱穀部5Aの扱室5Dと、二番処理室5Pと、排塵処理室5Wとは、脱穀装置5の筐体5Cで囲まれる空間である。扱室5Dの内部には、扱胴10が配置されている。扱胴10は、円筒形状の構造物であり、外周面から複数の扱歯10Bが径方向外側に向かって延出している。扱胴10は、回転軸Zr(
図8参照)を中心に回転する回転体である。本実施形態において、扱胴10の回転方向は
図8の矢印Rで示す方向である。扱胴10は、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により駆動されて回転する。
【0026】
この扱胴10の下方側には、扱網11が配置されている(
図4参照)。より具体的には、
図9に示すように、扱網11は、扱胴10の下方から二番処理室5Pの上方まで、扱胴10の外側を包囲している。扱網11は、扱胴10が脱穀した被処理物に含まれる穀粒寸法の大きい藁屑を取り除き、被処理物に含まれる穀粒及び寸法の小さい藁屑等を選別部5Bに落下させるものである。
【0027】
二番処理室5P及び排塵処理室5Wは、脱穀装置5の第1の側部側に設けられる。第1の側部は、後述する選別部5Bの選別棚18が被処理物を移送する方向(移送方向、
図4、
図5等の矢印Mで示す方向)に対して片側の側部である。排塵処理室5Wは、二番処理室5Pの後方に配置される。二番処理室5Pの後方は、二番処理室5Pの移送方向における上手側である。二番処理室5P内には、二番処理胴29が配置され、排塵処理室5W内には排塵処理胴30が配置される。二番処理胴29及び排塵処理胴30は、いずれも円筒形状の構造体であり、それぞれの外周面から径方向外側に向かって複数の処理歯が延出している。本実施形態において、二番処理胴29と排塵処理胴30とは一体の構造物であり、両者は共に回転する。二番処理胴29及び排塵処理胴30の回転軸は、扱胴10の回転軸Zrと平行な軸である。二番処理胴29及び排塵処理胴30は、扱胴10と同様に、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により駆動されて回転する。
【0028】
二番処理室5Pは、後述する選別部5Bの二番回収部21で回収された被処理物が移送される。二番回収部21で回収された被処理物は、二番還元装置26(
図5参照)が、二番処理室5Pへ移送する。二番処理室5P内の二番処理胴29は、回転する過程で、二番回収部21で回収された被処理物に含まれる穀粒に付着している枝梗を取り除く。排塵処理室5Wは、一部が扱室5Dの後端部近傍と連通部Tで連通している(
図8参照)。扱網11を通過しなかった寸法の大きい藁屑は、連通部Tから排塵処理室5Wへ移動する。排塵処理室5Wの排塵処理胴30は、扱室5Dから移動してきた寸法の大きい藁屑を細かく切断して、選別棚18に戻す。次に、選別部5Bについて説明する。
【0029】
<選別部>
図7は、
図4に示す脱穀装置が有する選別部の側面図である。
図8は、
図5のA−A矢視図である。
図9は、
図5のB−B矢視図である。
図10は、
図5のC−C矢視図である。
図11は、
図5のD−D矢視図である。選別部5Bは、脱穀部5Aの下方に、唐箕13からの送風等により穀粒と異物とを風選することができる風選室5Sを有している。選別部5Bは、選別棚18の揺動運動と、唐箕13による選別風及び排塵ファン24による吸引の作用により、脱穀部5Aからの被処理物から穀粒を選別する。選別部5Bの選別棚18は、風選室5S内に配置されており、コンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて、コンバイン1の前後方向に揺動する。扱室5Dからの被処理物は、選別棚18の前後方向の揺動によって、コンバイン1の後方に向かう方向である移送方向Mへ移送される。選別棚18は、移送棚18Tと、前側第1シーブ15と、前側第2シーブ16と、後側シーブ17とを含む。前側第1シーブ15と前側第2シーブ16とを合わせて、前側シーブということもある。前側第1シーブ15は、移送方向Mの上手側に配置され、後側シーブ17は、移送方向Mの下手側に配置される。前側第2シーブ16は、前側第1シーブ15と後側シーブ17との間に配置される。移送棚18Tは、前側第1シーブ15よりも移送方向Mの上手側に配置される。即ち、移送棚18Tと、前側第1シーブ15と、前側第2シーブ16と、後側シーブ17とは、移送方向Mの下手側に向かってこの順に配置される。
【0030】
前側シーブ(前側第1シーブ15及び前側第2シーブ16)は、扱網11から落下した被処理物に含まれる穀粒及び異物から穀粒を選別して、一番回収部19又は二番回収部21へ落下させるものである。後側シーブ17は、排塵処理室5Wから排出された被処理物に含まれる穀粒及び裁断された排藁から穀粒を選別して二番回収部21へ落下させるものである。後側シーブ17は、穀粒の選別性能がストローラックよりも高いため、二番回収部21に混入する夾雑物の量を低減することができる。その結果、二番回収部21から二番処理室5Pに移送された処理物から二番処理胴29が夾雑物を除去する際の負荷を低減できる。また、後側シーブ17が穀粒を選別するので、穀粒の回収効率も向上する。
【0031】
図4、
図7に示すように、移送棚18Tは、唐箕カバー13Cの上方に配置される。移送棚18Tは、移送棚18Tの移送方向の下手側に配置された前側第1シーブ15に向けて扱網11から落下する被処理物を移送する。移送棚18Tは、例えば、移送方向Mの下手側に向かうに従って下側に傾斜させたり、移送棚18Tの上面に突起又は凹凸等を有したりしてもよい。
図6、
図7に示すように、前側第1シーブ15は、複数の前側シーブ部材として、複数の第1フィン15Pを有している。前側第2シーブ16は、複数の前側シーブ部材として、複数の第2フィン16Pを有している。また、後側シーブ17は、複数の後側シーブ部材として、複数の後側フィン17Pを有している。第1フィン15P、第2フィン16P及び後側フィン17Pは、いずれも平面視が長方形の板状部材であり、長手方向が移送方向と交差(本実施形態では直交)する方向(
図5、
図6のWで示す方向)に延在している。
【0032】
図12は、
図7に示す選別部が有するそれぞれのフィンの間隔を示す説明図である。第1フィン15P、第2フィン16P及び後側フィン17Pは、いずれも移送方向に向かって所定の間隔をおいてそれぞれ配置されている。移送方向において隣接する後側シーブ部材同士の間隔は、移送方向において隣接する前側シーブ部材同士の間隔よりも大きく設定されている。具体的には、後側シーブ部材としての後側フィン17P同士の間隔Pcは、前側シーブ部材としての第1フィン15P同士の間隔Pa及び前側シーブ部材としての第2フィン16P同士の間隔Pbよりも大きい。このように、前側シーブ部材同士の間隔を後側シーブ部材同士の間隔よりも大きくすることで、前側シーブ部材からの藁屑の落下を抑制することができる。また、枝梗が付着した穀粒及び鍵叉粒が後側シーブ17から落下せずに後方へ移送されると、脱穀装置5の外部に排出されてしまい、穀粒の回収率が低下するおそれがある。後側シーブ17が有する後側フィン17P同士の間隔Pcを第1フィン15P同士の間隔Pa及び第2フィン16P同士の間隔Pbよりも大きくすることにより、枝梗が付着した穀粒及び鍵叉粒を、隣接する後側フィン17Pの間から二番回収部21に落下させて、回収効率の低下を抑制することができる。
【0033】
第1フィン15P、第2フィン16P及び後側フィン17Pは、いずれも移送方向の下手側に向かうに従って、移送方向の下手側(後側)が上方、即ち脱穀部5Aに向かって傾斜している。本実施形態において、第1フィン15P及び後側フィン17Pは傾斜の程度が一定となるように固定されているが、第2フィン16Pは傾斜の程度が変更できるようになっている。なお、後述するように、後側フィン17Pも、傾斜の程度が変更できるようにしてもよい。
【0034】
図7に示すように、後側フィン17Pは、移送方向(
図7の矢印Mで示す方向)の上手側における端部が、移送方向の下手側に向かって折れ曲がっている。このようにすることで、後側フィン17Pの移送方向Mの上手側の折れ曲がり部が、後側シーブ17からの穀粒の放出を抑制するので、穀粒の回収効率が向上する。また、折れ曲がり部が選別風の流れを乱すことにより、後側フィン17Pの上部に処理物が滞留する時間を長くすることができる。その結果、選別棚18での選別時間を確保できるので、穀粒の選別精度が向上する。
【0035】
選別棚18が有する第1フィン15P、第2フィン16P及び後側フィン17Pは、選別方向下手側に向かうに従って、選別方向下手側の端部が上方に向かって傾斜している。また、第2フィン16P及び後側フィン17Pは、選別方向下手側に向かうに従って、選別方向下手側の端部の高さが高くなっている。このように、第1フィン15P、第2フィン16P及び後側フィン17Pは、移送方向の下手側の部位ほど高くなるように傾斜させられている。このようにすることで、穀粒の回収効率を向上させている。
【0036】
前側シーブ、即ち前側第1シーブ15及び前側第2シーブ16の下方には、精選別網12が配置されている。より具体的には、
図4、
図7に示すように、精選別網12は、前側第1シーブ15及び前側第2シーブ16と一番回収部19との間に配置される。精選別網12は、扱網11よりも目合いが細かい網である。精選別網12は、前側シーブを通過し、夾雑物(主として比重の小さい藁屑)が除去された被処理物から、穀粒を通過させて一番回収部19へ落下させる。精選別網12を通過する穀粒は、清粒が大半である。清粒とは、枝梗(細かい枝)等がない、籾のみの穀粒である。次に、選別部5Bの唐箕13について説明する。
【0037】
<唐箕>
唐箕13は、回転することにより、選別棚18に向かって風(選別風)を送る。唐箕13から送られる風により、脱穀部5Aを通過した被処理物から穀粒が比重選別される。唐箕13は、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により駆動されて回転する。唐箕13が選別風を吹き出す部分には、導風板としてのフラッパ14が設けられている。フラッパ14は、唐箕13から送られる選別風の向きを変更して、選別棚18に送る装置である。即ち、フラッパ14は、唐箕13から送られる選別風の流れ方向(送風方向)上流側(唐箕13よりも選別風の送風方向下流側)に設けられて、選別風の送風方向を選別棚18における移送方向の上手側の部位と下手側の部位との間で変更可能な装置である。
【0038】
フラッパ14は、第1導風板14Uと、第2導風板14Bと、連結部材14Jとを含む。第1導風板14U及び第2導風板14Bは、いずれも板状の部材である。第1導風板14Uは、第2導風板14Bよりも上方、即ち、選別棚18側に配置されている。第1導風板14Uは、選別風の流れ方向における中央部分よりも選別風の流れ方向上流側(軸Zuの位置)で、筐体5Cによって回動可能に支持されている。このため、第1導風板14Uは、軸Zuの周りを回動することができる。また、第2導風板14Bは、第1導風板14Uよりも、選別風の流れ方向における中央部分側(軸Zbの位置)で、筐体5Cによって回動可能に支持されている。このため、第1導風板14Uは、軸Zbの周りを回動することができる。連結部材14Jは、第1導風板14Uと第2導風板14Bとをピン結合により連結している。
【0039】
本実施形態では、
図9に示すように、第2導風板14Bにシャフト14Sが取り付けられている。シャフト14Sの中心軸は、軸Zuである。シャフト14Sに入力部材14Aが取り付けられている。入力部材14Aを軸Zbの周りに回動させると、シャフト14Sが第2導風板14Bとともに軸Zbの周りを回動する。第2導風板14Bが回動すると、その動きが連結部材14Jを介して第1導風板14Uに伝達され、第1導風板14Uが軸Zuの周りを回動する。このような構造により、第1導風板14Uと第2導風板14Bとは、連動して同じ方向に回動することができる。
【0040】
また、第1導風板14Uは、選別風の流れ方向における上流側の軸Zuを中心として回動するのに対し、第2導風板14Bは、選別風の流れ方向における中央近傍の軸Zbを中心として回動する。このため、選別風の流れ方向の上流側における第1導風板14Uの端部は、軸Zuからの距離はほとんど離れていないため、第1導風板14Uが回動してもほとんど位置は変化しない。これに対して、選別風の流れ方向の上流側における第2導風板14Bの端部は、軸Zbからの距離が離れているため、第2導風板14Bが回動すると、選別風の流れ方向の上流側における第1導風板14Uの端部よりも位置が大きく変化する。その結果、
図7に示す、第1導風板14U側における選別風の入口(第1入口)14UIの開口面積と、第2導風板14B側における選別風の入口(第2入口)14BIの開口面積とは、第1導風板14U及び第2導風板14Bの回動によって変化する。第1導風板14U及び第2導風板14Bを回動させることによって、フラッパ14を通過した後における選別風が流れる方向(例えば、
図7のWIで示す方向)を変化させることができる。これに加え、第1導風板14U及び第2導風板14Bの回動により、第1入口14UIの開口面積と第2入口14BIの開口面積とが変化するので、第1導風板14U側における選別風の出口(第1出口)14UEから流出する選別風の流量及び第2導風板14B側における選別風の出口(第2出口)14BEから流出する選別風の流量も変化する。その結果、フラッパ14は、選別風が流れる方向とともに、移送方向の上手側と下手側とを流れる選別風の流量も変更することができるという機能を有する。
【0041】
フラッパ14は、上述したような機能により、後述する一番回収棚19Lに沿って流す選別風の風量と風向とが同時に調整できる。例えば、被処理物が少ない場合、選別風が選別棚18の後寄りの部位、即ち移送方向Mの下手側に流れてしまうと、三番排塵口53(
図4参照)及び排塵ファン24から穀粒も排出されてしまうおそれがある。このような場合、第1導風板14U及び第2導風板14Bの第1出口14UE及び第2出口14BE側の端部を上方、即ち選別棚18側に移動させることにより、選別風が流れる方向は、移送方向Mの上手側に変更される。同時に、移送方向Mの上手側に流れる選別風の風量が多くなり、一番回収棚19Lに沿って流れる選別風の風量は少なくなる。その結果、選別棚18から一番回収部19に落下してきた穀粒が、選別風で後方に流されることを低減できるので、三番排塵口53及び排塵ファン24から排出される穀粒の量を低減して、穀粒の損失を低減できる。
【0042】
また、例えば、移送棚18T上の被処理物の量が多い場合、一番回収部19には、穀粒とともに藁屑等の夾雑物も混入しやすくなる。このような場合、第1導風板14U及び第2導風板14Bの第1出口14UE及び第2出口14BE側の端部を下方、即ち選別棚18から遠ざかる方向に移動させて、選別風が流れる方向を、移送方向Mの下手側に変更する。すると、移送方向Mの上手側に流れる選別風の風量が少なくなり、一番回収棚19Lに沿って流れる選別風の風量が多くなる。すると、被処理物中の夾雑物(藁屑等)は後方、即ち移送方向Mの下手側に吹き飛ばされて二番回収部21で回収されたり、排塵ファン24により脱穀装置5の外部に放出されたりする。その結果、一番回収部19に混入する夾雑物を低減して、穀粒の選別効率が向上する。また、選別風が流れる方向が、移送方向Mの下手側に変更されると、二番還元量、即ち、二番回収部21から二番処理室5Pへ移送される処理物の量が抑制される。
【0043】
本実施形態において、フラッパ14は、選別風の送風方向を選別棚18における移送方向Mの最も下手側としたときには、選別風の少なくとも一部を後側シーブ17に向かわせるようにすることが好ましい。例えば、移送棚18T上の被処理物の量が増えた場合、フラッパ14の傾斜が一番回収棚19Lと平行に近くなることにより、一番回収棚19L先の選別風の風量が増加する。上述したように、フラッパ14が、選別風の方向を移送方向Mの最も下手側としたときにおいて、選別風の少なくとも一部を後側シーブ17に向かわせるようにすると、後側シーブ17に衝突した選別風が後側シーブ17によって上方(脱穀部5A側)に向かう。その結果、後側シーブ17で上方に向かう選別風の流れが生成されるので、脱穀装置5の外部に放出される穀粒の量を抑制することができる。次に、排塵ファン24について説明する。
【0044】
<排塵ファン>
図4に示す排塵ファン24は、唐箕13からの選別風によって上方(脱穀部5A側)に吹き飛ばされた藁屑を吸引して、脱穀装置5の外部へ排出する装置である。排塵ファン24は、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により駆動されて回転する。排塵ファン24は、
図5、
図6、
図11に示すように、移送方向M(
図5、
図6の矢印Mで示す方向)と交差する方向(
図5、
図6の矢印Wで示す方向)の一方側、且つ、後側シーブ17の上方(脱穀部5A側)に吸引口24I(
図5、
図11)が開口している。本実施形態において、排塵ファン24は、排塵処理室5Wと対向している。即ち、本実施形態において、排塵ファン24は移送方向Mと交差(本実施形態では直交)する方向の一方側に配置され、排塵処理室5Wは移送方向Mと交差(本実施形態では直交)する方向の他方側に配置される。なお、排塵ファン24は移送方向Mに対して右側に、排塵処理室5Wは移送方向Mに対して左側に配置される。
【0045】
排塵ファン24は、移送方向Mと交差する方向の一方側に配置されているので、移送方向Mと交差する方向(本実施形態では直交する方向)から選別部5B内の空気を吸引する。また、排塵処理室5Wは、排塵ファン24と対向して配置されて、排塵処理胴30の後端部(移送方向Mの下手側における端部)から排出される藁屑等を多く含んだ被処理物を、選別棚18の後側シーブ17上に排出する。排塵処理室5Wは、移送方向Mと交差(本実施形態では直交)する方向に延在している後側シーブ17上に被処理物を排出することで、篩い選別が促進されるとともに、穀粒が選別された藁屑等の夾雑物は後側フィン17Pの間から流出する選別風によって浮き上がり、排塵処理室5Wと対向する位置に配置されている排塵ファン24に吸引される。また、後側シーブ17は、穀粒の選別性能がストローラックよりも高いため、排塵処理室5Wが排出した被処理物から穀粒を効率よく選別することができる。さらに、排塵ファン24によって、選別棚18による前後方向(移送方向Mに対する両方向)の動きと交差(本実施形態では直交)する方向の流れができるので、被処理物の選別工程を長くすることができる。これらの作用により、被処理物から穀粒を選別する精度が向上するとともに、選別処理の能力も向上する。さらに、排塵ファン24は、排塵処理室5Wと対向する位置に配置されているので、排塵処理室5Wの排出方向の延長線上で藁屑等の夾雑物を吸引することができる。このため、排塵ファン24による夾雑物の排出効率が向上するので、二番回収部21に落下する夾雑物の量を低減できる。その結果、二番処理室5Pでの処理量を低減できるので、穀粒の選別効率を向上させることができる。次に、一番回収部19について説明する。
【0046】
<一番回収部>
一番回収部19は、
図4に示すように、一番回収棚19Lと、一番回収装置20とを含む。これらは、選別棚18及び精選別網12の下方に配置される。一番回収棚19Lは、
図4に示すように、移送方向Mの下手側に向かって上方、即ち選別棚18に向かって傾斜している。そして、一番回収棚19Lは、棚先が後側シーブ17に向かっている。このようにすることで、移送棚18T上の被処理物が増加して、フラッパ14の傾斜が緩くなり(第1出口14UE及び第2出口14BE側の端部が下方に移動する)、一番回収棚19Lに沿って流れる選別風の風量が増加しても、後側シーブ17が選別風を立ち上げる、即ち、より上方に向けて流すことができる。その結果、脱穀装置5の外部へ排出される穀粒の量を低減して、穀粒の損失を抑制できる。
【0047】
一番回収棚19Lの底部には、一番回収装置20が配置される。
図8に示すように、一番回収装置20は、脱穀装置5の幅方向(
図8の矢印Wで示す方向)に延在する螺旋軸である。脱穀装置5の幅方向は、移送方向Mと直交する方向である。なお、
図8は、便宜上、
図5のA−Aにおける断面と、一番回収装置20と、一番揚穀装置25と、一番揚穀筒25Tとを同じ図面に示している。一番回収装置20は、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により駆動されて回転する。一番回収装置20は、回転することによって、一番回収棚19Lの底部に貯まった穀粒を、グレンタンク8(
図1、
図2参照)が配置される側(排塵処理室5W側であり、移送方向Mの下手側に向かって左側)に移送する。
【0048】
図8に示すように、一番回収装置20の排塵処理室5W側における端部は、一番揚穀装置25の一端部と向かい合っている。
図5、
図8に示す一番揚穀装置25は、螺旋軸であって円筒形状の一番揚穀筒25Tの内部に配置されている。一番回収装置20の排塵処理室5W側における端部と一番揚穀装置25の一端部とは、例えば、傘歯車を介してつながっており、一番回収装置20が回転すると一番揚穀装置25も回転する。一番回収装置20と一番揚穀装置25とは、それぞれの回転軸が互いに直交している。一番回収装置20によって排塵処理室5W側まで移送されてきた穀粒は、一番回収装置20の排塵処理室5W側における端部で90度向きを変えて、一番揚穀装置25によって上方に移送されて、グレンタンク8内へ投入される。次に、二番回収部21について説明する。
【0049】
<二番回収部>
二番回収部21は、
図4に示すように、二番回収棚21Lと、二番回収装置22とを含む。これらは、前側第2シーブ16及び後側シーブ17の下方に配置される。二番回収部21は、一番回収部19に落下せず、選別棚18上を後方、即ち移送方向Mの下手側に移送された被処理物(枝梗付着粒及び鍵叉等)の一部が落下する。なお、二番回収部21に落下しなかった残りの被処理物は、選別棚18の後方に開口した三番排塵口53から排出される。
【0050】
二番回収棚21Lは、
図4に示すように、移送方向Mの下手側に向かって上方、即ち後側シーブ17に向かって傾斜している。二番回収装置22は、二番回収棚21Lの底部であって一番回収棚19Lの下方に配置されている。二番回収装置22は、一番回収装置20と同様に、脱穀装置5の幅方向に延在する螺旋軸である。二番回収装置22は、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により駆動されて回転する。二番回収装置22は、回転することによって、二番回収棚21Lの底部に貯まった被処理物を、グレンタンク8(
図1、
図2参照)が配置される側に移送する。グレンタンク8が配置される側は、
図9に示す二番処理室5P側であり、移送方向Mの下手側に向かって左側である。なお、
図9には、便宜上、
図5のB−Bにおける断面と、二番還元装置26と、二番還元筒26Tとを同じ図面に示している。
【0051】
図5、
図9に示す二番還元装置26は、螺旋軸であって円筒形状の二番還元筒26Tの内部に配置されている。二番回収装置22の排塵処理室5W側における端部と二番還元装置26の一端部とは、例えば、傘歯車を介してつながっており、二番回収装置22が回転すると二番還元装置26も回転する。二番回収装置22と二番還元装置26とは、それぞれの回転軸が互いに直交している。二番回収装置22によって二番処理室5P側まで移送されてきた被処理物は、二番回収装置22の二番処理室5P側における端部で90度向きを変えて、二番還元装置26によって上方に移送されて、
図9に示す二番処理室5P内へ投入される。二番処理室5P内へ投入された被処理物は、二番処理胴29が回転することによって脱穀装置5の前方、即ち、選別棚18における移送方向Mとの上手側に移送される過程で穀粒に付着している枝梗の分離(穀粒の単純化)が行われる。枝梗が分離された穀粒は、選別棚18、より具体的には選別棚18の移送棚18Tに放出されて、扱室5Dから落下してきた被処理物と合流する。これらは、選別棚18の前側第1シーブ15、前側第2シーブ16及び後側シーブ17で穀粒が夾雑物と選別される。次に、選別部5Bの他の構造について説明する。
【0052】
<選別部の他の構造>
図4、
図6に示すように、選別部5Bは、排塵処理室5Wの前方(移送方向Mの上手側)且つ脱穀部5A(より具体的には扱胴10)の下方に、平板状の受け板50を有している。受け板50は、前側第1シーブ15の後側と前側第2シーブ16の前側との間に配置される。また、受け板50の上方には、排塵ファン24に向かって傾斜する一対の寄せ板51、52が立設している。排塵処理室5Wの前方からは、排塵処理胴30で裁断された藁屑等の被処理物が選別棚18上に排出される。扱網11から落下する被処理物は穀粒が多いが、排塵処理室5Wから排出される被処理物は藁屑が多いため、受け板50は排塵処理室5Wからの被処理物を一旦受けて、扱網11から落下する被処理物との混合を抑制する。このようにすることで、穀粒の選別精度及び選別能力が向上する。また、一対の寄せ板51、52は、排塵処理室5Wからの被処理物を排塵ファン24に向かって導く機能を有している。この機能により、排塵処理室5Wからの被処理物に多く含まれる藁屑は、排塵ファン24によって効率よく脱穀装置5の外部へ放出される。
【0053】
図4、
図6、
図9に示すように、選別棚18の移送棚18Tの上方には、移送棚18T上の被処理物の厚みを計測するための厚み検出装置28が設けられている。厚み検出装置28は、センサとしての層厚センサ28Sと、検出体28Tとを有する。層厚センサ28Sは、入力シャフトの回転角度又は回転量を検出するものである。検出体28Tは、層厚センサ28Sの入力シャフトに取り付けられており、移送棚18Tの表面に向かって層厚センサ28Sから垂下されている。移送棚18T上の被処理物は、検出体28Tと接触する。移送棚18Tの被処理物が移送棚18T上を移送されると、検出体28Tは、被処理物の厚みに応じて回動軸Zaを中心として回動する。検出体28Tの回動量は、被処理物の厚みと相関があるので、検出体28Tの回動量を層厚センサ28Sが検出することにより、移送棚18T上の被処理物の厚みを検出することができる。
【0054】
また、厚み検出装置28は、移送棚18Tよりも検出体28Tの回動中心を高い位置に配置しているので、移送棚18T上の被処理物の移送を阻害しない。また、層厚センサ28Sのシャフトは、排塵ファン24に向かって傾斜する一対の寄せ板51、52に対して直交している。このため、厚み検出装置28の検出体28Tは、寄せ板51、52と平行な方向に回動する。その結果、二番処理室5Pからの被処理物と扱室5Dからの被処理物との厚みを正確に検出することができる。また、検出体28Tは、二番処理室5Pの排出口よりも移送方向Mの下手側に配置されるので、二番処理室5Pからの被処理物と扱室5Dからの被処理物との厚みを正確に検出することができる。
【0055】
図6、
図7に示すように、前側第1シーブ15が有する複数の第1フィン15Pのうち少なくとも1つは、清掃部材としてのスクレーパ31を有している。本実施形態では、すべての第1フィン15Pがスクレーパ31を備えている。スクレーパ31は、第1フィン15Pの上手側の表面(上面)と接し、且つ、第1フィン15Pが延在する方向と平行な方向に往復運動可能な部材である。即ち、スクレーパ31は、第1フィン15Pをレール(案内体)として、第1フィン15Pの延在方向と平行な方向に移動することができる。
【0056】
複数のスクレーパ31は、スクレーパ支持体32に取り付けられて、スクレーパ支持体32よって支持される。スクレーパ支持体32の下方からは、一番回収部19に向かってピン32Pが突出している。ピン32Pは、スクレーパ駆動体33が有する溝33Sと係り合っている。スクレーパ駆動体33は、平面視が長方形である第1の板状部材と、第1の板状部材と直交して第1の板状部材の長手方向中央部近傍から延出する平面視が長方形である第2の板状部材とを有している。このように、スクレーパ駆動体33は、平面視が略T字形状の部材である。溝33Sは、第2の板状部材の一端部に設けられる。
【0057】
第1の板状部材は、長手方向中央近傍で回動できるように支持されている。また、第1の板状部材の両端部には、それぞれ駆動ワイヤ34が取り付けられている。一方の駆動ワイヤ34を引っ張ることにより、第1の板状部材及び第2の板状部材が回動する。第2の板状部材が回動することにより、第2の板状部材の一端部に設けられている溝33Sと係り合っているピン32Pは、第1フィン15Pの延在方向と平行な方向に移動するので、ピン32Pと連結されているスクレーパ支持体32もピン32Pと同様に移動する。その結果、複数のスクレーパ31は、第1フィン15Pの延在方向と平行な方向に移動する。一方の駆動ワイヤ34と他方の駆動ワイヤ34とを交互に引っ張ることにより、複数のスクレーパ31を第1フィン15Pが延在する方向と平行な方向に往復運動させることができる。
【0058】
スクレーパ31は、それぞれの第1フィン15Pに付着して、隣接する第1フィン15Pの間を閉塞する藁屑を取り除き、第1フィン15Pを清掃する機能を有する。スクレーパ31の機能により、穀粒の回収ロスが軽減される。即ち、湿った穀稈の脱穀作業では、それぞれの第1フィン15Pに藁屑が付着しやすく、この付着した藁屑により穀粒の落下が阻害され、穀粒の回収効率が低下するおそれがある。スクレーパ31は、脱穀作業中に第1フィン15Pに付着した湿った藁屑等を除去して、それぞれの第1フィン15P間の隙間を確保して、穀粒の落下を円滑にさせて、穀粒の回収効率を向上させることができる。また、脱粒後の被処理物は、扱室5Dに供給された穀稈の穂先側、即ち二番処理室5P側に偏って選別棚18上に落下する傾向がある。スクレーパ31は、第1フィン15Pが延在する方向と平行な方向に往復運動することで、移送棚18Tから移送されてきた被処理物を、前側第1シーブ15の幅方向(
図6の矢印Wで示す方向)に均等に拡散する。その結果、脱穀装置5は穀粒の選別効率が向上する。
【0059】
スクレーパ31は、三角錐台形状の部材である。より具体的には、スクレーパ31は、三角形状の底面と、底面と相似形、且つ、底面よりも小さい頂面と、底面及び頂面のそれぞれの辺を接続する3個の側面とを含んでいる。スクレーパ31の側面は、底面及び頂面に対して傾斜している。スクレーパ31は、三角形状の頂面及び底面の1つの頂点が、移送方向Mの下手側に向くように配置されている。スクレーパ31は、底面が第1フィン15Pの表面(移送方向Mの上手側における表面)と接している。このため、スクレーパ31の側面は、第1フィン15Pの表面に対して傾斜している。このため、スクレーパ31が第1フィン15Pの表面で往復運動すると、スクレーパ31の底面とスクレーパ31の移動方向に位置する側面との間に形成される端縁によって、第1フィン15Pの表面に付着した被処理物をそぎ取る。また、この端縁に対する垂線が、移送方向Mの下手側を向いているため、スクレーパ31がそぎ取った被処理物の後方へ跳ね飛ばす効果があり、前側第1シーブ15での被処理物の移送を促進する。なお、スクレーパ31と第1フィン15Pとが接する部分は、直線ではなくジグザグの形状としてもよい。このようにすると、スクレーパ31は、第1フィン15Pの表面に付着した被処理物をより効果的に除去することができる。
【0060】
<穀粒排出オーガ>
図1、
図2に示すように、穀粒を貯蔵するグレンタンク8の後方側には、内部に貯蔵された穀粒を外部へ排出する穀粒排出オーガ9が設けられている。穀粒排出オーガ9は、グレンタンク8に接続された揚穀筒60と、揚穀筒60に接続された伸縮可能な搬送筒70と、グレンタンク8、揚穀筒60及び搬送筒70の内部に設けられた複数の螺旋軸40とを有する、螺旋式搬送装置として構成されている。搬送筒70には、穀粒を排出する排出口が設けられ、穀粒排出オーガ9は、搬送筒70を適宜伸縮させつつ昇降や旋回させることにより、排出口を所定の場所に位置させることが可能になっている。そして、穀粒排出オーガ9は、複数の螺旋軸40を回転させることで、グレンタンク8の内部から揚穀筒60へ穀粒を搬送し、揚穀筒60から搬送筒70へ穀粒を搬送することで、搬送筒70へ搬送された穀粒は、搬送筒70に設けられた排出口を介して外部に排出される。
【0061】
図13は、グレンタンクの要部断面図である。グレンタンク8内には、タンク内排出装置90が設けられており、グレンタンク8の下端付近の後端には、グレンタンク8における内部に貯蔵された穀粒を排出する排出口が形成されている。このグレンタンク8の排出口には、接続メタル100が取り付けられており、タンク内排出装置90のタンク螺旋91の終端は、この接続メタル100内に位置している。
【0062】
タンク螺旋91は、グレンタンク8の底部付近に略前後方向に向かって延在しており、即ち、水平方向に延在するようにグレンタンク8内に配設されている。タンク螺旋91は、回転時には穀粒を前方側から後方側に送ることができるように構成されている。グレンタンク8の排出口に取り付けられる接続メタル100内には、略前後方向に延在するタンク螺旋91の後端付近が入り込んでいる穀粒排出オーガ9の揚穀筒60は、グレンタンク8の後端に取り付けられる接続メタル100に接続されることにより、グレンタンク8の後方側に配設されている。
【0063】
図14は、穀粒排出オーガの中継部の断面斜視図である。揚穀筒60は、接続メタル100から上方に向って延在し、揚穀筒60の上端には、中継部80が接続されている。この中継部80は、2つの接続メタル100を有して構成されており、中継部80には、搬送筒70が接続されている。即ち、揚穀筒60と搬送筒70とは、中継部80を介して接続されている。
【0064】
穀粒排出オーガ9が有する螺旋軸40は、これらの揚穀筒60、中継部80、搬送筒70のそれぞれに内設されており、揚穀筒60には揚穀螺旋61、中継部80には中継螺旋81、搬送筒70にはオーガ排出螺旋71がそれぞれ内設されている。また、各螺旋軸40には、ベベルギヤが設けられており、螺旋軸40間で回転を伝達することが可能になっている。
【0065】
タンク内排出装置90のタンク螺旋91と穀粒排出オーガ9の揚穀筒60との接続部分について説明すると、双方を接続する接続メタル100は、2つの螺旋軸40に設けられるギヤを噛み合わせた状態で2つの螺旋軸40を回転可能に支持することができるように形成されている。詳しくは、接続メタル100は、タンク内排出装置90と揚穀筒60とのそれぞれに対応した接続部101をそれぞれ有している。この接続部101は、便宜上、タンク内排出装置90が接続される側の接続部101を入口側接続部102とし、揚穀筒60が接続される側の接続部101を出口側接続部104として説明する。
【0066】
これらの入口側接続部102と出口側接続部104とは、互いに90°向きが異なる方向に開口する挿入部を有しており、入口側接続部102の挿入部103は、タンク螺旋91が入り込む方向、即ち、前方に向かって開口している。これに対し、出口側接続部104の挿入部105は、入口側接続部102に対して90°向きが異なり、上方に向かって開口している。揚穀筒60は、出口側接続部104に接続されて出口側接続部104から上方に向って延在しており、揚穀筒60に内設される揚穀螺旋61は、下端側が出口側接続部104の挿入部105から接続メタル100内に入り込んでいる。
【0067】
接続メタル100の接続部101には、端面にネジ孔(図示省略)が形成されており、接続メタル100は、取付ボルト(図示省略)によって入口側接続部102がグレンタンク8に取り付けられ、揚穀筒60は、下端側の部分が取付ボルト(図示省略)によって出口側接続部104に取り付けられている。
【0068】
また、接続メタル100には、螺旋軸40を支持する軸受部117が形成されている。この軸受部117は、入口側接続部102側と出口側接続部104側との双方に形成されており、入口側接続部102側に入り込む螺旋軸40と、出口側接続部104側に入り込む螺旋軸40とをそれぞれ支持することが可能になっている。この接続メタル100の軸受部117は、螺旋軸40との間に軸受130を介在させて螺旋軸40を支持することにより、螺旋軸40を回転可能に支持している。
【0069】
また、接続メタル100には、入口側接続部102側の軸受部117に対する入口側接続部102の挿入部103が位置する側の反対側から、出口側接続部104側の軸受部117に対する出口側接続部104の挿入部105が位置する側の反対側にかけてギヤ収容部116が形成されている。このギヤ収容部116は、螺旋軸40に設けられるベベルギヤを収容することが可能になっている。これらのギヤ収容部116と軸受部117とは、共に伝動部118に設けられており、換言すると、伝動部118として一体に形成されている。
【0070】
詳しくは、タンク螺旋91における接続メタル100内に位置する側の端部には、ベベルギヤからなるタンク螺旋ギヤ95が設けられており、揚穀螺旋61におけるタンク螺旋91側の端部、即ち、下方側の端部には、ベベルギヤからなる揚穀螺旋第1ギヤ65が設けられている。ギヤ収容部116は、タンク螺旋91のタンク螺旋ギヤ95と揚穀螺旋61の揚穀螺旋第1ギヤ65とを噛み合わせた状態で収容することが可能な空間として形成されている。タンク螺旋91と揚穀螺旋61とは、タンク螺旋ギヤ95と揚穀螺旋第1ギヤ65とがギヤ収容部116内で噛み合い、延在する方向が90°異なる状態で、接続メタル100によって支持されている。換言すると、接続メタル100は、2つの螺旋軸40に夫々設けられるベベルギヤを噛み合わせ、2つの螺旋軸40の軸心を互いに交差させた状態で螺旋軸40を支持している。次に、接続メタル100について説明する。
【0071】
<接続メタル>
図15は、接続メタルを挿入部側から見た際における斜視図である。
図16は、接続メタルを
図15に示す方向の反対側から見た際における斜視図である。接続メタル100は、入口側接続部102と出口側接続部104とが共に略円筒形の形状で形成され、互いに直交する向きで配置されており、直交の内角側が連結部107によって連結されている。このため、入口側接続部102の挿入部103と出口側接続部104の挿入部105とは、90°向きが異なる方向に開口している。
【0072】
さらに、入口側接続部102と出口側接続部104との直交の外角側は、フレーム115が配設されており、フレーム115によって連結されている。詳しくは、入口側接続部102と出口側接続部104とは、それぞれの軸心の方向において挿入部103、105が位置する側の反対側が開口しており、この開口した部分は開口部106として形成されている。
【0073】
これらの入口側接続部102の開口部106と出口側接続部104の開口部106とは、連結部107寄りの部分で互いに接続されると共に大部分が他方の開口部106から離間しており、双方の開口部106において最も他方の開口部106から離れている部分同士に、フレーム115の両端部が連結されている。即ち、2つの接続部101の開口部106間には、両端がそれぞれの開口部106に連結されたフレーム115が形成されている。また、フレーム115は、互いに直交する向きで配設されている入口側接続部102と出口側接続部104とにおけるそれぞれの開口部106同士を、直交の外角側の部分で連結しているため、フレーム115は、入口側接続部102と出口側接続部104との双方の軸心に対して傾斜する向きに形成されている。
【0074】
また、接続メタル100は、このように入口側接続部102と出口側接続部104との開口部106同士の大部分が互いに離間しているので、入口側接続部102と出口側接続部104とは、共に内側部分が外側に対して開放されている。つまり、入口側接続部102と出口側接続部104とは、開口部106が連結部107寄りの部分で接続され、他方の開口部106から離れている部分同士が、フレーム115によって連結されているため、入口側接続部102と出口側接続部104との内側部分は、外部に対して開放された状態になっている。
【0075】
このように、入口側接続部102と出口側接続部104とのそれぞれの開口部106と、フレーム115と、によって形成される接続メタル100内の開口部分である開放口は、接続メタル100内の掃除に用いる掃除穴114として形成されている。換言すると、接続メタル100における接続部101に対して螺旋軸40が入り込む側とは反対側の部位には、開放口が掃除穴114として形成されている。また、フレーム115は、掃除穴114における一方の螺旋軸40側の端部と他方の螺旋軸40側の端部を連結して掃除穴114に形成されている。
【0076】
また、伝動部118は、フレーム115に設けられている。つまり、伝動部118は、フレーム115における入口側接続部102や出口側接続部104に対向する側の面に連結されている。これにより、ギヤ収容部116と軸受部117とは、共にフレーム115に連結されている。
【0077】
このうち、入口側接続部102に対応する軸受部117は、伝動部118における入口側接続部102側に形成され、出口側接続部104に対応する軸受部117は、伝動部118における出口側接続部104側に形成されている。これにより伝動部118は、入口側接続部102側に入り込む螺旋軸40を支持する軸受130を、入口側接続部102の軸心に合わせて保持することができ、出口側接続部104側に入り込む螺旋軸40を支持する軸受130を、出口側接続部104の軸心に合わせて保持することが可能になっている。
【0078】
伝動部118は、このようにフレーム115に連結されており、入口側接続部102内と出口側接続部104内とに直接設置されていないため、入口側接続部102の内側部分と出口側接続部104の内側部分とは、連通した状態になっている。
【0079】
また、このように形成される接続メタル100は、入口側接続部102の軸心と出口側接続部104の軸心とを共に通る平面上で2つに分割されており、分割面を境に対称に形成されている。即ち、接続メタル100は、接続メタル100によって支持する2つの螺旋軸40の軸心を通る平面上で2つに分割されている。連結部107とフレーム115とは、このように2つに分割されている部材同士を分割面で合わせてボルト(図示省略)等の結合部材によって結合する際におけるフランジ部120としても設けられている。
【0080】
図17は、
図15に示す接続メタルを分割した状態を示す斜視図である。
図18は、
図15に示す接続メタルを分割面から見た平面図である。
図19は、
図18のE−E矢視図である。
図20は、
図18のF−F矢視図である。2つに分割された状態で形成される接続メタル100は、鋳造により形成されており、例えばアルミ素材を鋳造することによって形成されている。また、分割された接続メタル100は、フランジ部120において分割面に相当する部分、即ち、フランジ部120において、分割された接続メタル100の他方側に対向する面である合わせ面121同士を合わせて結合部材で結合することにより、1つの接続メタル100として用いることが可能になっている。
【0081】
また、接続メタル100は、入口側接続部102の軸心と出口側接続部104の軸心とを共に通る平面上で分割されているため、入口側接続部102や出口側接続部104の内周面108や、軸受部117の内周面108は、半円状になっており、分割された接続メタル100を結合することにより、これらは円形に形成される。
【0082】
分割された状態では、共に半円状に形成される入口側接続部102と出口側接続部104との内周面108は、分割された接続メタル100を結合した際に、螺旋軸40を入り込ませることができるように、螺旋軸40の外径よりも大きい曲率半径を有する曲面状に形成されている。同様に、分割された状態では半円状に形成され、ギヤ収容部116と共にフレーム115に連結されている軸受部117の内周面108は、分割された接続メタル100を結合した際に、軸受130を保持することができるように、軸受130の外径よりも若干大きい曲率半径を有する曲面状に形成されている。なお、ここでいう螺旋軸40の外径とは、螺旋軸40が有する螺旋羽根を含めた外径、つまり、螺旋軸40を軸方向に見た場合における螺旋軸40全体の外径をいう。
【0083】
また、この軸受部117は、接続部101側から入り込んだ螺旋軸40を支持することができるように、ギヤ収容部116に対して、入口側接続部102の挿入部103側や出口側接続部104の挿入部105側に位置し、これらの挿入部103、105と軸心が一致する向きで形成されている。
【0084】
接続メタル100は、これらの形状で、分割された部分同士が合わせ面121を基準として対称に形成されており、分割された2つを合わせ面121で合わせて結合部材で結合することにより、1つの接続メタル100として用いる。
【0085】
<防摩耗ライナー>
図21は、防摩耗ライナーの側面図である。
図22は、
図21のG−G矢視図である。
図23は、
図21に示す防摩耗ライナーの斜視図である。接続メタル100は、接続メタル100の摩耗を防ぐために用いられるライナーである防摩耗ライナー140が、接続部101の内周面108に装着されて使用される。このように接続メタル100の内周面108に装着される防摩耗ライナー140は、接続メタル100の内周面108における螺旋軸40の径方向の外方に位置する部位に沿って湾曲して形成される。詳しくは、防摩耗ライナー140は、矩形状の板を湾曲させることにより形成されており、湾曲の曲率半径が、接続部101の内周面108の曲率半径と同程度の大きさになっている。
【0086】
このように湾曲する防摩耗ライナー140は、接続メタル100を形成する材料よりも強度が高い材料からなり、円周の約半周分の形状、即ち、半円状に形成されている。なお、ここでいう強度とは、引張強さ等の機械的強度を示しており、アルミ素材の鋳造により形成される接続メタル100に対して、防摩耗ライナー140は、鋼板などの機械的強度が高い材料によって形成される。また、防摩耗ライナー140は、円周方向における両端部分が、湾曲の径方向における外側方向に折り曲げられており、この部分は、防摩耗ライナー140を接続メタル100に装着する際に用いるはめ込み部141になっている。このはめ込み部141は、防摩耗ライナー140から、当該防摩耗ライナー140の湾曲の外方に突出しており、防摩耗ライナー140の湾曲方向における両側、或いは湾曲の径方向における両端側に形成されている。即ち、はめ込み部141は、半円状に形成される防摩耗ライナー140の両端に形成されており、2つのはめ込み部141は、防摩耗ライナー140の形状である半円の径方向における反対方向に互いに突出して形成されている。
【0087】
図24は、防摩耗ライナーの装着部の説明図である。防摩耗ライナー140は、接続メタル100の入口側接続部102と出口側接続部104との双方に装着可能になっており、これらの双方の接続部101には、内周面108に、防摩耗ライナー140を装着する部分であるライナー装着部110(
図18、
図24参照)が形成されている。
【0088】
このライナー装着部110は、接続部101に内周面108における他の部分よりも、径方向における外側方向に、防摩耗ライナー140の厚さ程度の深さで凹んで形成されている。また、接続部101の軸心方向におけるライナー装着部110の長さは、防摩耗ライナー140や接続部101の軸心方向における防摩耗ライナー140の長さよりも、若干長くなっている。
【0089】
このように形成されるライナー装着部110は、接続部101の内周面108における、他方の接続部101が位置する側の反対側の面に、約180°の範囲に形成されている。つまり、入口側接続部102に形成されるライナー装着部110は、入口側接続部102から見た場合における出口側接続部104の延在方向において、出口側接続部104が位置する側の反対側の入口側接続部102の内周面108に、約180°の範囲に形成されている。同様に、出口側接続部104に形成されるライナー装着部110は、出口側接続部104から見た場合における入口側接続部102の延在方向において、入口側接続部102が位置する側の反対側の出口側接続部104の内周面108に、約180°の範囲に形成されている。
【0090】
また、接続メタル100の内周面108には、接続メタル100の内周面108への防摩耗ライナー140の装着時に防摩耗ライナー140のはめ込み部141が入り込む溝部であるライナー装着溝111(
図18、
図24参照)が形成されている。このライナー装着溝111は、ライナー装着部110の円周方向における両端に形成されており、防摩耗ライナー140の厚さよりも若干幅が広く、防摩耗ライナー140の径方向におけるはめ込み部141の幅よりも深さが深い溝状の形状で形成されている。接続メタル100の使用時は、防摩耗ライナー140をライナー装着部110に配置し、防摩耗ライナー140のはめ込み部141をライナー装着溝111に入り込ませることにより、防摩耗ライナー140をライナー装着部110に装着する。
【0091】
その際に、ライナー装着部110は、接続部101の内周面108における、他方の接続部101が位置する側の反対側の面に形成されているため、防摩耗ライナー140は、接続メタル100で支持する2つの螺旋軸40に対応して2つの防摩耗ライナー140が、それぞれの螺旋軸40に対応して装着される。つまり、接続メタル100の内周面108に装着される防摩耗ライナー140は、2つの螺旋軸40のうちの一方の螺旋軸40の軸心方向から見て、接続メタル100における他方の螺旋軸40が接続メタル100から延在する方向とは反対側の部位に装着され、接続メタル100の内周面108における、各螺旋軸40の径方向の外方に位置する部分に装着される。換言すると、防摩耗ライナー140は、2つの螺旋軸40のうち、防摩耗ライナー140が対応する螺旋軸40とは異なる螺旋軸40が接続メタル100から延在する方向の反対側の位置の接続メタル100の内周面108に装着される。
【0092】
例えば、オーガ排出螺旋71と揚穀螺旋61とを支持する接続メタル100では、オーガ排出螺旋71に対応する防摩耗ライナー140は、揚穀螺旋61が接続メタル100から延在する方向の反対側の位置で、接続メタル100の内周面108における、オーガ排出螺旋71の径方向における外方に位置する部分に装着される。同様に、揚穀螺旋61に対応する防摩耗ライナー140は、オーガ排出螺旋71が接続メタル100から延在する方向の反対側の位置で、接続メタル100の内周面108における、揚穀螺旋61の径方向における外方に位置する部分に装着される。
【0093】
このように、接続メタル100の内周面108に防摩耗ライナー140を装着した場合における防摩耗ライナー140の内周面は、曲率半径が螺旋軸40の外径よりも大きい状態になり、螺旋軸40からは離間した状態で装着される。
【0094】
図25は、
図14に示す中継部の側面図である。
図26は、
図25に示す中継部の斜視図である。
図27は、
図26に示す中継部を
図26に示す方向の反対方向から見た斜視図である。
図28は、
図25に示す中継部の要部断面図である。
図29は、
図25に示す中継部の構造説明図である。穀粒排出オーガ9の中継部80は、接続メタル100を2つ使用し、接続メタル100間には中継螺旋81が配設され、一方の接続メタル100には揚穀筒60が接続され、他方の接続メタル100には搬送筒70が接続される。このうち、上下方向に延在する揚穀筒60は、上端部が一方の接続メタル100の入口側接続部102に接続されている。揚穀筒60に内設される揚穀螺旋61における中継螺旋81側の端部、即ち、上方側の端部には、ベベルギヤからなる揚穀螺旋第2ギヤ66が設けられている。
【0095】
この揚穀螺旋第2ギヤ66は、揚穀筒60が接続される接続メタル100のギヤ収容部116内に位置している。揚穀螺旋61は、このように揚穀螺旋第2ギヤ66が、揚穀筒60が接続される接続メタル100のギヤ収容部116に収容された状態で、軸受130を介して当該接続メタル100の軸受部117によって回転可能に支持されている。
【0096】
また、他方の接続メタル100には、搬送筒70の下端部が出口側接続部104に接続されている。この搬送筒70が接続されている側の接続メタル100は、入口側接続部102が、揚穀筒60が接続されている側の接続メタル100の出口側接続部104に接続されている。搬送筒70に内設されるオーガ排出螺旋71における中継螺旋81側の端部、即ち、下方側の端部には、ベベルギヤからなる排出螺旋ギヤ75が設けられている。
【0097】
この排出螺旋ギヤ75は、搬送筒70が接続される接続メタル100のギヤ収容部116内に位置している。オーガ排出螺旋71は、このように排出螺旋ギヤ75が、搬送筒70が接続される接続メタル100のギヤ収容部116に収容された状態で、軸受130を介して当該接続メタル100の軸受部117によって回転可能に支持されている。
【0098】
中継螺旋81は、これらの2つの接続メタル100のうち、揚穀筒60が接続されている接続メタル100の出口側接続部104側と搬送筒70が接続されている接続メタル100の入口側接続部102にかけて内設されている。また、中継螺旋81には、両端にベベルギヤが設けられている。
【0099】
詳しくは、中継螺旋81における揚穀筒60が接続されている接続メタル100側の端部には、ベベルギヤからなる中継螺旋第1ギヤ85が設けられており、中継螺旋81における搬送筒70が接続されている接続メタル100側の端部には、ベベルギヤからなる中継螺旋第2ギヤ86が設けられている。これらの中継螺旋第1ギヤ85と中継螺旋第2ギヤ86とは、共にそれぞれを収容する接続メタル100のギヤ収容部116内に位置している。中継螺旋81は、このように中継螺旋第1ギヤ85と中継螺旋第2ギヤ86とが2つの接続メタル100のギヤ収容部116に収容された状態で、軸受130を介してそれぞれの接続メタル100の軸受部117によって回転可能に支持されている。
【0100】
その際に、中継螺旋81は、中継螺旋第1ギヤ85が、当該中継螺旋第1ギヤ85を収容するギヤ収容部116内で揚穀螺旋61の揚穀螺旋第2ギヤ66と噛み合い、中継螺旋第2ギヤ86が、当該中継螺旋第2ギヤ86を収容するギヤ収容部116内でオーガ排出螺旋71の排出螺旋ギヤ75と噛み合った状態で支持されている。
【0101】
<穀粒排出オーガの動作>
接続メタル100を用いて穀粒排出オーガ9を組み立てる際には、接続メタル100に形成される掃除穴114に、掃除穴114を閉塞する閉止部材である蓋125を取り付ける。即ち、入口側接続部102の開口部106と出口側接続部104の開口部106、フレーム115により形成される掃除穴114に、掃除穴114に対する着脱、または開閉が可能な蓋125を取り付けることにより、入口側接続部102と出口側接続部104との内側部分を、外部に対して閉塞する状態にする。
【0102】
このように組み立てた穀粒排出オーガ9を用いて、グレンタンク8内の穀粒を外部に排出する際には、コンバイン1のエンジンから取り出された動力により、タンク内排出装置90を駆動し、グレンタンク8内の穀粒を排出口側に送る方向に、タンク螺旋91を回転させる。これにより、グレンタンク8内の穀粒は排出口から排出され、排出口に取り付けられている接続メタル100内に入り込む。
【0103】
タンク螺旋91は、接続メタル100の入口側接続部102に入り込んでいるため、グレンタンク8内から排出された穀粒は、接続メタル100の入口側接続部102内に入り込む。接続メタル100は、入口側接続部102の内側部分と出口側接続部104の内側部分とが連通した状態になっており、入口側接続部102と出口側接続部104との内側部分は、掃除穴114に取り付けられた蓋125によって外部に対して閉塞されているため、次々に入口側接続部102内に送り込まれる穀粒は、伝動部118と連結部107の間に形成される主流路と、伝動部118と掃除穴114の蓋125の間の副流路から、出口側接続部104の方向に流れる。
【0104】
一方、接続メタル100内では、タンク螺旋91のタンク螺旋ギヤ95と揚穀螺旋61の揚穀螺旋第1ギヤ65とが噛み合っているため、タンク螺旋91の回転は、タンク螺旋ギヤ95と揚穀螺旋第1ギヤ65とを介して揚穀螺旋61に伝達される。これにより、揚穀螺旋61は、穀粒を上方へ搬送する方向に回転し、入口側接続部102内から出口側接続部104内に流れてきた穀粒を、上方に搬送する。即ち、グレンタンク8から排出された穀粒を、揚穀筒60によって上方に搬送する。
【0105】
揚穀筒60の上端は、中継部80を構成する接続メタル100に接続されており、揚穀螺旋61は、この接続メタル100の入口側接続部102内に入り込んでいるため、揚穀筒60で搬送した穀粒は、揚穀筒60の上端が接続される接続メタル100の入口側接続部102内に入り込む。揚穀螺旋61の上端に設けられる揚穀螺旋第2ギヤ66は、この接続メタル100内で、中継螺旋81の中継螺旋第1ギヤ85と噛み合っているため、揚穀螺旋61の回転は、中継螺旋81に伝達される。
【0106】
揚穀筒60から、当該揚穀筒60に接続される接続メタル100の入口側接続部102内に入り込んだ穀粒は、接続メタル100の出口側接続部104に流れ、中継螺旋81の回転により、搬送筒70が接続される接続メタル100側にさらに搬送される。搬送筒70が接続される接続メタル100側に搬送された穀粒は、当該接続メタル100の入口側接続部102内に入り込む。
【0107】
搬送筒70が接続される接続メタル100内では、中継螺旋81の中継螺旋第2ギヤ86とオーガ排出螺旋71の排出螺旋ギヤ75とが噛み合っているため、中継螺旋81の回転は、オーガ排出螺旋71に伝達される。中継螺旋81により、揚穀筒60が接続される接続メタル100内から、搬送筒70が接続される接続メタル100の入口側接続部102内に入り込んだ穀粒は、この入口側接続部102内から、当該接続メタル100の出口側接続部104側に流れる。
【0108】
揚穀筒60は、この接続メタル100の出口側接続部104に接続され、オーガ排出螺旋71は、この出口側接続部104内に入り込んでいるため、出口側接続部104内に流れた穀粒は、オーガ排出螺旋71の回転により、揚穀筒60を移動する。揚穀筒60を移動する穀粒は、揚穀筒60の排出口側、即ち、穀粒排出オーガ9の排出口側に搬送され、穀粒排出オーガ9の排出口から排出される。これにより、グレンタンク8内の穀粒は、穀粒排出オーガ9によって外部に排出される。
【0109】
グレンタンク8内の穀粒を外部に排出する際には、このように穀粒排出オーガ9を用いて排出するため、穀粒排出オーガ9を構成する接続メタル100内にも、多くの穀粒が通過する。ここで、接続メタル100は、機械的強度が比較的低いアルミ素材によって形成されているため、穀粒の螺旋軸40での搬送時に穀粒が接続メタル100の内周面108に擦り付けられた場合、接続メタル100の内周面108は削られてしまうことが考えられる。
【0110】
このため、接続メタル100の接続部101の内周面108には、鋼板製の防摩耗ライナー140が装着されている。鋼板製の防摩耗ライナー140は、アルミ素材からなる接続メタル100よりも強度が高いため、螺旋軸40での穀粒の搬送時に穀粒が擦り付けられた場合でも、削られ難くなっている。この結果、穀粒の搬送時に接続メタル100の内周面108が摩耗することを抑制できる。
【0111】
また、防摩耗ライナー140は、接続メタル100で支持する2つの螺旋軸40に対応して2つの防摩耗ライナー140が、接続メタル100の内周面108における、それぞれの螺旋軸40の径方向における外方に位置する部分に装着されているため、穀粒の搬送時に、いずれの螺旋軸40側も、接続メタル100の内周面108が削られ難くなっている。この結果、穀粒の搬送時に接続メタル100の内周面108が摩耗することを、より確実に抑制できる。
【0112】
また、接続メタル100は、2つの螺旋軸40を直交する状態で支持しているため、穀粒の搬送時は、一方の螺旋軸40を支持する側の接続部101の内周面108における、他方の螺旋軸40が延在する方向の反対側の位置が削られ易くなる。つまり、一方の螺旋軸40を支持する側の接続部101の内周面108における、他方の螺旋軸40が位置する側では、穀粒の搬送時に穀粒が他方の螺旋軸40が位置する側に移動し易いため、穀粒が停滞し難くなっており、内周面108は穀粒によって削られ難くなっている。
【0113】
これに対し、一方の螺旋軸40を支持する側の接続部101の内周面108における、他方の螺旋軸40が延在する方向の反対側の位置では、穀粒の逃げ場がないため、螺旋軸40の回転によって穀粒が接続部101の内周面108に押し付けられ、内周面108が削られ易くなっている。このため、接続メタル100の接続部101の内周面108に装着する防摩耗ライナー140は、接続メタル100で支持する2つの螺旋軸40のうち、防摩耗ライナー140が対応する螺旋軸40とは異なる螺旋軸40が接続メタル100から延在する方向の反対側の位置に装着することにより、接続メタル100内において穀粒が逃げ難い部分が穀粒によって削られることを抑制することができる。この結果、穀粒の搬送時に接続メタル100の内周面108が摩耗することを、より確実に抑制できる。
【0114】
また、防摩耗ライナー140にははめ込み部141を形成し、接続メタル100の接続部101の内周面108にはライナー装着溝111を形成し、接続メタル100の内周面108への防摩耗ライナー140の装着時には、ライナー装着溝111に、防摩耗ライナー140のはめ込み部141を入り込ませることによって防摩耗ライナー140を装着している。これにより、穀粒排出オーガ9の動作時に振動等が発生した場合でも、ライナー装着溝111に入り込んだはめ込み部141により、防摩耗ライナー140はライナー装着部110から外れ難くなる。この結果、防摩耗ライナー140の保持性を確保することができる。
【0115】
また、防摩耗ライナー140のはめ込み部141は、半円状に形成されている防摩耗ライナー140の径方向における両端側に形成されているため、より確実に、ライナー装着溝111にはめ込み部141が入り込んだ状態を維持することができる。この結果、防摩耗ライナー140の保持性をより確実に確保することができる。
【0116】
これらのように、グレンタンク8内の穀粒を外部に排出するために、穀粒排出オーガ9を作動させた場合、穀粒は接続メタル100内も通るため、接続メタル100内には穀粒が堆積することがある。この場合、接続メタル100の掃除穴114に取り付けられる蓋125を開ける、または、蓋125を取り外すことにより、接続メタル100内の穀粒を除去する。このように、接続メタル100に蓋125を設けることにより、接続メタル100を装置から取り外すことなく、接続メタル100内の清掃を行うことができる。この結果、メンテナンス性を向上させることができる。
【0117】
また、接続メタル100の接続部101の開口部106間にフレーム115を形成し、ギヤ収容部116や軸受部117を有する伝動部118は、このフレーム115に設けるため、大きな掃除穴114を形成しつつ、剛性を確保することができる。この結果、メンテナンス性の向上と剛性の確保とを両立することができる。
【0118】
また、接続メタル100は、鋳造によって製造をするため、容易に製造することができる。また、入口側接続部102や出口側接続部104の内部が、掃除穴114によって外部に対して開放した状態で製造し、掃除穴114に蓋125を取り付けることによって穀粒の流路を形成しているため、広い流路を確保することができる。この結果、搬送性能を確保した接続メタル100の製造コストを低減することができる。
【0119】
また、接続メタル100は、ニ分割で形成されているため、防摩耗ライナー140を交換する際には、接続メタル100を分割することにより、容易に交換することができる。この結果、メンテナンス性を向上させることができる。
【0120】
<スクレーパの動作制御>
コンバイン1には、スクレーパ31の駆動用のモータ(図示省略)が搭載されており、スクレーパ31は、このモータで発生する駆動力により作動する。即ち、モータで発生する駆動力によって複数の駆動ワイヤ34を交互に引っ張ることにより、複数のスクレーパ31は往復運動をする。また、スクレーパ31は、エンジンの回転数に応じてモータの回転速度を変えることにより、作動速度を変更する。具体的には、コンバイン1の運転時におけるエンジンの定格回転数に対して上下方向のそれぞれに閾値を設定し、エンジンの回転数が、その閾値を超えたら、スクレーパ31の作動速度を変更する。
【0121】
即ち、エンジンの定格回転数よりも高い所定の回転数を、エンジンの回転数が高い場合における閾値として設定し、エンジンの定格回転数よりも低い所定の回転数を、エンジンの回転数が低い場合における閾値として設定し、現在のエンジンの回転数が、これらの閾値を超えたら、スクレーパ31の作動速度を変更する。例えば、エンジンの回転数が、エンジンの回転数が高い場合における閾値よりも高くなったら、スクレーパ31の作動速度を上げる。
【0122】
ここで、エンジンの回転数が高くなる状態について説明すると、エンジンの回転数が定格回転数よりも高い状態とは、脱穀作業を行う脱穀装置5の出力が不足していると作業者が感じて、作業者が意図的にエンジンの回転数を上げている状態が推定される。例えば、脱穀を行う穀桿の量が多い場合は、作業者は脱穀作業時における処理量を増加させるために、エンジンの回転数を上昇させる。また、何らかの原因で処理負荷が高い状態が続いていることが推定される場合も、処理物が多いと判断して、作業者はエンジンの回転数を上昇させる。
【0123】
このように、エンジンの回転数が高い場合は、脱穀装置5での脱穀時の処理量が多いことが推定されるため、エンジンの回転数が高い場合は、スクレーパ31の作動速度を上げ、スクレーパ31による第1フィン15Pの清掃能力を高める必要がある。このため、エンジンの回転数が、定格回転数よりも高い側の閾値よりも高くなったら、スクレーパ31の作動速度を上げることにより、単位時間当たりのスクレーパ31での清掃量を増加させる。これにより、脱穀装置5での処理量が多い場合でも、第1フィン15Pの表面に付着した被処理物を効果的に除去することができ、脱穀装置5での穀粒の選別効率を向上させることができる。
【0124】
また、エンジンの回転数が低くなる状態ついて説明すると、エンジンの回転数が定格回転数よりも低い状態とは、脱穀装置5の処理負荷が大き過ぎることに起因して、処理負荷に対するエンジンの出力が不足してエンジンの回転が下がってしまっている状態が推定される。つまり、エンジンは、定格回転数を維持することができるように構成されており、エンジンの回転数が低下した場合には、自動的に回転数を上昇させる機構が備えられている。それにも関わらず、エンジンの回転数が低下したということは、処理負荷が大き過ぎるため、定格回転数を維持することができる機構で補うことができる範囲以上にエンジンの回転数が低下し、脱穀装置5全体の作動速度が落ちていることが推定される。
【0125】
この場合、被処理物の量が多いため、スクレーパ31を速く動かしてしまうと、被処理物が拡散し過ぎ、被処理物がスクレーパ31の作動方向における端の方に寄ってしまう虞がある。このため、エンジンの回転数が、定格回転数よりも低い側の閾値よりも低くなったら、スクレーパ31の作動速度を下げることにより、被処理物に対するスクレーパ31の移動速度を低下させる。これにより、前側第1シーブ15での処理速度に対してスクレーパ31が速く動き過ぎることに起因して被処理物が前側第1シーブ15の端の方に寄ってしまい、被処理物が前側第1シーブ15から漏れてしまうことを抑制することができる。この結果、脱穀装置5での穀粒の選別性能を向上させることができる。
【0126】
なお、スクレーパ31の作動速度は、作動速度を切り替える切替スイッチを設けて、切替スイッチを操作することにより、作業者の任意で作動速度を切り替えることができるように構成してもよい。切替スイッチを操作し、作業者の好みに応じた作動速度でスクレーパ31を作動させることができるようにすることにより、脱穀装置5での処理状態に応じた清掃動作をスクレーパ31に行わせることができ、脱穀装置5での穀粒の選別効率を、より適切に向上させることができる。
【0127】
また、スクレーパ31は、脱穀装置5の作動時にスクレーパ31も作動するように構成されているが、スクレーパ31は、その他の要件も含めて作動するように構成してもよい。例えば、脱穀装置5の作動時でも、エンジンの回転数が所定の回転数よりも低い場合は、スクレーパ31は作動させないように構成してもよい。
【0128】
例えば、手扱ぎ作業による脱穀処理では、所定量の穀桿の束を作業者が投入することによって行うため、脱穀処理の処理量としては、比較的少ないものになっている。このため、このような状態で脱穀処理を行う場合には、スクレーパ31を作動させず、止めた状態でもよい。これにより、エンジンで発生した駆動力を効率よく脱穀作業に用いることができ、また、必要以上にスクレーパ31を作動させないため、スクレーパ31の耐久性を向上させることができる。一方、脱穀装置5の作動時に、エンジンの回転数が所定の回転数よりも高くなったら、スクレーパ31を作動させることにより、スクレーパ31での清掃性能を確保することができ、脱穀装置5での穀粒の選別効率を向上させることができる。
【0129】
また、このように脱穀装置5の作動時にエンジンの回転数に応じてスクレーパ31の作動と非作動とを切り替えるエンジンの閾値は、任意に設定できるようにしてもよい。このように、スクレーパ31が作動するエンジンの回転数の閾値を任意に設定できるようにすることにより、スクレーパ31を作動させる脱穀装置5の運転状態を、作業者の任意で切り替えることができる。この結果、スクレーパ31を作動させるための条件適応性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0130】
また、スクレーパ31は、作動速度が一定ではなく、脱穀装置5の状態に応じて作動速度が変化するように構成してもよい。例えば、脱穀装置5での処理量に応じて、スクレーパ31の作動速度が変化するように構成してもよく、その一例として、厚み検出装置28で検出する移送棚18T上の被処理物の厚みに応じて、スクレーパ31の作動速度を変化させてもよい。具体的には、厚み検出装置28で検出する被処理物の厚みの検出値に対して、被処理物が多いと判断することができる閾値を予め設定し、移送棚18T上の被処理物の量が多く、厚み検出装置28での検出値が閾値を越えた場合に、スクレーパ31の作動速度を上げる。これにより、脱穀装置5での処理量が多い場合に、第1フィン15Pの表面に付着した被処理物を効果的に除去することができ、脱穀装置5での穀粒の選別効率を向上させることができる。
【0131】
反対に、厚み検出装置28で検出する被処理物の厚みの検出値に対して、被処理物が少ないと判断することができる閾値を予め設定し、移送棚18T上の被処理物の量が少なく、厚み検出装置28での検出値が閾値以下の場合に、スクレーパ31の作動速度を下げる。これにより、脱穀装置5での処理量が少ない場合に、必要以上にスクレーパ31を作動させないため、スクレーパ31の耐久性を向上させることができる。また、エンジンで発生する動力を、スクレーパ31の作動に不必要に用いることを抑制でき、エンジンの燃料消費量を低減することができる。
【0132】
〔変形例〕
なお、実施形態に係る軸受構造では、螺旋軸40は、接続メタル100の接続部101に入り込んでベベルギヤが噛み合った状態で回転可能に支持されているのみであるが、軸受130やベベルギヤ側への埃の侵入を防ぐ構造にしてもよい。
図30は、実施形態に係る軸受構造の変形例を示す説明図である。螺旋軸40には、接続メタル100の内周面108側とギヤ収容部116側とを遮蔽する遮蔽部材である遮蔽カップリング150を設け、この遮蔽カップリング150によって、軸受130やベベルギヤ側への埃の侵入を防いでもよい。
【0133】
具体的には、遮蔽カップリング150は、深さが浅く、一端が閉塞した略円筒形の形状で形成し、円筒形の開口部がベベルギヤ側を向き、閉塞している側が螺旋軸40の螺旋羽根側に位置する向きで、螺旋軸40における軸受130によって支持される部分と螺旋羽根との間に取り付ける。また、接続メタル100には、伝動部118における遮蔽カップリング150に対向する部分に、遮蔽カップリング150の方向に突出した突出部155を設ける。この突出部155は、円筒形の形状で形成される遮蔽カップリング150の内径よりも、若干径が小さい略円柱状の形状で形成する。
【0134】
螺旋軸40を接続メタル100で支持する際には、螺旋軸40の遮蔽カップリング150を、伝動部118の突出部155に被せた状態にすることにより、螺旋軸40とギヤ収容部116側との隙間を塞ぐ。これにより、穀粒排出オーガ9の運転時に、接続メタル100の接続部101側から埃等が伝動部118側に流れることを抑制することができ、ギヤ収容部116内や軸受部117内に埃等が侵入することを抑制することができる。この結果、ベベルギヤや軸受130の耐久性を向上させることができる。
【0135】
また、実施形態に係る軸受構造では、防摩耗ライナー140を装着するライナー装着部110は、接続メタル100の接続部101の内周面108における他の部分よりも、凹んで形成されているが、ライナー装着部110は、段差を設けなくてもよい。ライナー装着部110は、接続部101の内周面108における他の部分に対して加工を施さず、ライナー装着溝111を形成するのみでもよい。この場合、防摩耗ライナー140を装着した場合には、接続部101の内周面108と防摩耗ライナー140との間で段差が発生するが、防摩耗ライナー140が螺旋軸40から離間していれば、防摩耗ライナー140と内周面108との間には段差があってもよい。
【0136】
また、実施形態に係る軸受構造は、螺旋式搬送装置の一例であるコンバイン1の穀粒排出オーガ9を構成する接続メタル100について説明しているが、接続メタル100は、コンバイン1の穀粒排出オーガ9以外に用いられてもよい。接続メタル100は、2つの螺旋軸40を回転可能に支持するものであれば、その用途は問わない。