(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信制御手段は、前記受信手段に受信を開始させなかった場合に、所定の時間間隔で前記姿勢変動計測手段により前記姿勢変動の計測を行わせ、前記所定レベル以上の姿勢変動が計測されなくなったと判別された場合に、前記受信を開始させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電波受信装置。
前記受信制御手段は、予め設定された前記受信動作の開始予定時刻よりも、前記姿勢変動計測手段による計測、及び、前記姿勢変動判別手段による判別に要する所定時間前に、当該姿勢変動計測手段による計測、及び、前記姿勢変動判別手段による判別を行わせる
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電波受信装置。
前記受信制御手段は、前記受信動作の実行中に、間欠的に前記姿勢変動の計測を行わせ、前記所定レベル以上の姿勢変動が計測されたと判別された場合には、所定期間に亘り、前記受信動作を中断させることを特徴とする請求項3又は4記載の電波受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の電波受信部2及び電波受信部2を備えた電波時計1の内部構成を示すブロック図である。
【0011】
電波時計1は、受信手段としての電波受信部2と、コンパレータ(比較器)21と、CPU(Central Processing Unit)22(受信制御手段、姿勢変動判別手段、受信時刻設定手段、時刻情報取得手段、時刻補正手段)と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24(記憶手段)と、表示手段としての表示部25と、操作部26と、発振器27と、分周回路28と、計時手段としての計時回路29と、加速度センサ30(姿勢変動計測手段)及びそのドライバ31などを備える。本実施形態の電波時計1は、例えば、上記の各構成要素が筐体に納められた本体部分にバンドが取り付けられ、腕に装着可能な腕時計である。
【0012】
CPU22は、電波時計1の全体動作を統括制御し、各種演算処理を行う。ROM23は、CPU22が実行する各種制御処理の制御プログラムや設定データを格納する。この制御プログラムには、標準電波(放送電波)を受信して時刻情報を取得するための標準電波受信処理プログラムが含まれている。RAM24は、CPU22に作業用メモリ空間を提供し、一時データを記憶する揮発性メモリである。このRAM24には、加速度計測に基づく自動受信の可否の履歴を示す受信履歴24a(履歴)が記憶されている。
【0013】
表示部25は、時刻を表示するためのものであり、ここでは、液晶表示ディスプレイと液晶駆動回路とを備えたデジタル表示部である。或いは、この表示部25は、複数の指針を備え、目盛が設けられた文字盤上でこれらの指針を回転させることで時刻を表示するアナログ表示部であっても良い。操作部26は、押しボタンスイッチやりゅうずなどを備え、ユーザによる外部からの入力操作を受け付けて電気信号に変換し、入力信号としてCPU22に出力する。
【0014】
発振器27は、所定の周波数信号を生成して出力する。この発振器27としては、例えば、水晶発振回路が用いられる。分周回路28は、発振器27から入力された周波数信号をCPU22や計時回路29が利用する種々の周波数信号に分周して、CPU22及び計時回路29に出力する。計時回路29は、分周回路28から入力された設定周波数のパルス信号の入力回数を計数し、初期時刻に加算していくことで、現在時刻を計数する回路である。この計時回路29の計数する現在時刻は、電波受信部2により受信された標準電波に基づいて取得された現在時刻情報に合わせて修正可能である。
【0015】
加速度センサ30は、直交する3軸方向の加速度の値を計測するセンサであり、小型軽量な半導体センサが用いられる。この加速度センサ30は、ドライバ31を介して動作し、計測値(電圧値)に基づいて得られた3軸方向の加速度の値を所定のサンプリング周波数でデジタル化して、ドライバ31を介してCPU22に出力する。この加速度センサ30は、重力加速度方向を取得して電波時計1の姿勢を検知することが可能なものである。
【0016】
電波受信部2は、標準電波を含む長波長帯の電波を受信するモジュールである。この電波受信部2は、アンテナ11と、RFアンプ12と、ミキサ(混合器)13と、局部発振器(OSC)14と、第1低域通過フィルタ(LPFa)15と、IFアンプ16と、帯域通過フィルタ(BPF)17と、検波回路(DET)18と、第2低域通過フィルタ(LPFb)19と、自動利得制御回路(AGC)20などを備える。
加速度センサ30及び電波受信部2は、図示略の電源部から各々動作期間にのみ電力供給が受けられるように切り替えられる。
【0017】
アンテナ11は、長波長帯の電波受信に適したアンテナであり、棒状のコア、例えば、フェライトコアに導線を巻きつけたバーアンテナである。このバーアンテナは、コアの延びる方向(軸方向)に対して垂直な方向に指向性を持つ。
【0018】
RFアンプ12は、受信電波に係る信号を増幅してミキサ13に出力する。このRFアンプ12には、低ノイズアンプが用いられる。ミキサ13には、このRFアンプ12の出力信号と、OSC14から出力された所定の周波数の信号が入力されて、これらの信号が混合されることで中間周波数帯の信号が生成され、LPFa15に出力される。
【0019】
OSC14は、受信対象の標準電波局からの電波の受信周波数に応じて変更される周波数信号を出力する。これにより、ミキサ13からは、受信周波数によらず一定の中間周波数帯の信号が出力可能となっている。
【0020】
LPFa15は、入力された中間周波数帯の信号から、更に復調に必要な周波数範囲の信号だけを透過させる。
【0021】
IFアンプ16は、LPFa15から出力された中間周波数信号を増幅してBPF17に出力する。BPF17で更に周波数限定がなされた中間周波数信号は、検波回路18で復調され、標準電波で送られた時刻情報を表す符号列(タイムコード)に係る信号波形が、更にLPFb19を介して出力される。
【0022】
AGC20は、LPFb19から出力されるタイムコードの信号強度に基づいて、RFアンプ12及びIFアンプ16の増幅レベル(ゲイン)を制御する。AGC20の構成は、周知のものであり、LPFb19から出力された入力信号強度の低周波変動に基づいてゲインの調整を行う。ここで、標準電波で送られるタイムコードの各符号は、後述するように、1秒周期であり、AGC20で入力信号強度の変動を取得するために用いられるLPFのカットオフ周波数も各符号に係る振幅強度変動の間隔に対応して低く(時定数が大きく)設定されている。
【0023】
コンパレータ21は、所定の電圧レベルを基準として電波受信部2から出力された信号を二値化する。受信された標準電波で送信される時刻情報は、後述するように、ハイレベル信号とローレベル信号の組み合わせである。従って、受信された信号は、コンパレータ21により二値化されてCPU22に出力され、CPU22は、当該二値データを用いて解読処理を行う。
これらの構成要素のうち、電波受信部2と、CPU22と、RAM24と、加速度センサ30及びドライバ31とにより、電波受信装置が構成される。
【0024】
次に、標準電波で送信される時刻情報とタイムコードについて説明する。
【0025】
標準電波では、時刻情報として、分以上の時刻、日付データ及び付属情報が標準電波局ごとに所定の符号化フォーマットで符号化されて、毎分送信されている。複数の符号が配列された符号列信号は、振幅変調され、各符号が毎秒の先頭のタイミングに同期して送信されている。長波長帯の電波を利用して放送されている標準電波には、現在、日本のJJY、米国のWWVB、英国のMSF、ドイツのDCF77といった複数の送信局があり、受信、復調された符号列信号を上述の各送信局の符号化フォーマットに基づいて復号することで時刻データ及び付属情報が得られる。
【0026】
各符号は、二値信号レベルの期間の組み合わせにより表される。例えば、JJYでは、0.8秒間のハイレベル信号に引き続いて0.2秒間のローレベル信号が出力されることで符号「0」が表わされ、0.5秒間のハイレベル信号に引き続いて0.5秒間のローレベル信号が出力されることで符号「1」が表され、0.2秒間のハイレベル信号に引き続いて0.8秒間のローレベル信号が出力されることで符号「P」が表される。このうち、マーカ符号「P」の位置により各分の0、9、19、29、39、49、59秒の位置が示されており、このマーカ符号「P」が59秒と0秒において連続することで毎分の先頭のタイミングが特定される。そして、その他の符号「0」、「1」の配列を符号化フォーマットに従って解読(復号)することで、時刻データと付属情報が取得される。
【0027】
次に、電波時計1において実行される標準電波受信処理について説明する。
本実施形態の電波時計1では、電波受信の前、及び、中途で、加速度センサ30の計測データに基づいてアンテナ11の姿勢変動の検出を行う。上述のように、バーアンテナには指向性があり、例えば、腕時計型の電波時計1のユーザが腕に装着して歩行や走行する際の腕の振りに従ってアンテナ11の姿勢も変動することで、腕振りの周期で受信強度が大きく変化することになる。また、上述のように、電波受信部2に含まれるAGC20には、時定数の大きいLPFが用いられていて、腕振り周期に従って受信強度の補正を行うことが困難である。従って、このような周期でアンテナ11の姿勢変動がある状況では、コンパレータ21が正確にハイレベル信号の期間とローレベル信号の期間とを識別することができず、1秒周期の各符号を誤り無く判別して時刻情報を取得することが困難になる場合がある。そこで、本実施形態の電波時計1では、このような腕の振れに相当する加速度変化が検出された場合には、標準電波の受信が中止される。
【0028】
図2は、標準電波受信処理のCPU22による制御手順を示すフローチャートである。また、
図3は、標準電波受信処理中で呼び出される受信時刻設定処理のCPU22による制御手順を示すフローチャートである。
この標準電波受信処理は、例えば、一日に一回予め設定された所定の時刻に呼び出されて起動される処理である。この所定の時刻は、後述する加速度の計測処理と判別処理とに必要な時間以上で長過ぎないことが望ましく、標準電波の受信開始予定時刻の数秒前、例えば、5秒前に設定される。
【0029】
標準電波受信処理が開始されると、
図2に示すように、CPU22は、先ず、電波受信部2による標準電波の受信開始予定時刻の所定時間t1前(5秒>t1)に、加速度センサ30への電力供給をオンする(ステップS11)。次いで、CPU22は、加速度センサ30から所定の時間t2(t1>t2)に亘って計測値を所定のサンプリング周波数で取得して、加速度変化を求める(ステップS12)。この加速度変化としては、例えば、時間t2内で最も差の大きい計測値の差であってもよいし、所望の周波数範囲に対応する時間間隔ごとに所定回数ずつ取得された計測値の変化量を求めても良い。或いは、より正確に、フーリエ変換などで所定の周波数範囲のパワーを算出することとしても良い。また、ここで求めるべき加速度変化は、電波時計1の姿勢変動に対応するものであるので、本実施形態の電波時計1では、必ずしも加速度センサ30の3軸方向の計測出力を鉛直、水平成分に座標変換する必要はない。加速度の計測が終了すると、CPU22は、加速度センサ30への電力供給をオフし、それから、求められた加速度変化量が設定値以下であるか否かを判別する(ステップS13)。
【0030】
加速度変化量が基準レベルとして定められた設定値(所定レベル)以下ではないと判別された場合には(ステップS13で“NO”)、CPU22は、受信開始予定時刻における電波受信部2による自動受信の開始を中止させて、処理をステップS19に移行させる。
【0031】
一方、加速度変化量が設定値以下であると判別された場合には(ステップS13で“YES”)、CPU22は、電波受信部2に電力を供給して、受信開始予定時刻に標準電波の自動受信を開始させる(ステップS14)。このとき、CPU22は、別途バックグラウンド処理で、後述する加速度検出処理を開始させる。この加速度検出処理で出力される自動受信の中断命令及び中断解除命令は、随時標準電波受信処理に割り込んでステップS15〜S17の処理を中断、及び、中断の解除を行わせる。
【0032】
CPU22は、検波回路18で復調されてコンパレータ21で二値化された符号列信号を用い、各秒の先頭タイミングである秒同期点の検出処理を行う(ステップS15)。この秒同期点の検出方法には、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、JJYの受信において、CPU22は、所定のサンプリング周波数で取得された信号を一秒周期で重畳してゆき、ローレベルからハイレベルへの切り替わりが最も明確に現れるタイミングを秒同期点として決定する。
【0033】
秒同期点が検出されると、CPU22は、次に、毎秒入力される各符号を同定していく。そして、CPU22は、同定された符号の配列におけるマーカ符号「P」の位置に基づいて、各分の先頭のタイミングである分同期点の検出処理を行う(ステップS16)。
【0034】
分同期点が検出されると、CPU22は、同定された符号列を復号、解読していくことで、時刻情報を取得する(ステップS17)。この符号列の解読に係る処理は、各符号が同定されるごとに順次行われても良いし、1分間の全符号が取得されてからまとめて行われても良い。また、CPU22は、複数分の符号列データから複数個の時刻情報を取得して、互いに整合性を確認するといった処理を更に行うこととしても良い。時刻情報の取得に成功すると、CPU22は、当該時刻情報に基づいて計時回路29の計数する現在時刻を修正する。なお、時刻情報の取得に失敗した場合は、CPU22は、同一の処理を繰り返し、所定回数又は所定時間続けて失敗した場合には、現在時刻情報の取得処理をエラー終了して、処理を次のステップに移行させる。
【0035】
現在時刻情報の取得処理が終了すると、CPU22は、バックグラウンドで実行させていた加速度検出処理を終了する(ステップS18)。それから、CPU22は、次の受信タイミングを設定する受信時刻設定処理を行う(ステップS19)。次の受信開始予定時刻の設定が終了すると、CPU22は、標準電波受信処理を終了する。
【0036】
CPU22の処理がステップS19に移行して受信時刻設定処理が呼び出されると、
図3に示すように、CPU22は、時刻情報の取得に成功したか否かを判別する(ステップS191)。時刻情報の取得に成功していない、即ち、ステップS13の判別処理で“NO”に分岐して自動受信が行われなかった場合、又は、ステップS17の処理で受信された標準電波から時刻情報を正確に復号出来なかった場合には、CPU22は、延期回数に1を加算してRAM24に記憶させると共に、この延期回数が所定回目であるか否かを判別する(ステップS192)。所定回目であると判別された場合には(ステップS192で“YES”)、CPU22の処理は、ステップS195に移行する。未だ所定回目ではないと判別された場合には(ステップS192で“NO”)、CPU22は、予め設定された設定間隔(所定の時間間隔)後(例えば、10分後)の時刻に次の受信予定時刻を延期設定する(ステップS193)。そして、CPU22の処理は、受信時刻設定処理を抜けて標準電波受信処理に戻る。
【0037】
一方、時刻情報の取得に成功したと判別された場合には(ステップS191で“YES”)、CPU22は、次に、RAM24に記憶させた延期回数を参照し、延期回数が1以上、即ち、延期された受信時刻における標準電波受信処理において時刻情報が取得されたか否かを判別する(ステップS194)。延期された受信時刻における標準電波受信処理での時刻情報の取得ではない、即ち、延期回数が0であると判別された場合には(ステップS194で“NO”)、CPU22は、翌日の同時刻に次の受信予定時刻を設定する(ステップS196)。そして、CPU22の処理は、受信時刻設定処理を抜けて標準電波受信処理に戻る。
【0038】
延期された受信時刻における標準電波受信処理で時刻情報が取得されたと判別された場合、即ち、延期回数が1以上であると判別された場合(ステップS194で“YES”)、又は、延期回数が所定回目以上と判別された場合(ステップS192の判別処理で“YES”)には、CPU22は、受信履歴24aを参照して、状況に応じ、翌日の受信予定時刻を本日の最初の受信予定時刻とは変更して設定する(ステップS195)。例えば、所定日数に亘り続けて同一時刻での時刻情報の取得に失敗している場合には、CPU22は、当該時刻と異なる時刻に翌日の受信予定時刻を変更設定することができる。また、所定日数に亘り続けて同一の延期された受信時刻に時刻情報の取得に成功している場合には、CPU22は、当該時刻に翌日の受信予定時刻を変更設定することができる。受信予定時刻の設定が終了すると、CPU22は、延期回数の値をリセットし、CPU22の処理は、受信時刻設定処理を抜けて標準電波受信処理に戻る。
【0039】
次に、標準電波受信処理における標準電波の自動受信中にバックグラウンドで実行される加速度検出処理について説明する。
図4は、加速度検出処理のCPU22による制御手順を示すフローチャートである。
【0040】
ステップS14の処理で加速度検出処理が開始されると、CPU22は、経過時間の計数を開始する。そして、CPU22は、所定の動作間隔(所定期間)が経過したか否かを判別する(ステップS21)。所定の動作間隔が経過していないと判別された場合には(ステップS21で“NO”)、CPU22の処理は、ステップS27に移行する。
【0041】
所定の動作間隔が経過したと判別された場合には(ステップS21で“YES”)、次に、CPU22は、加速度センサ30を一時的にオンして、所定の時間t2に亘り加速度の計測を行わせて所定のサンプリング周波数で計測データを取得する(ステップS22)。そして、CPU22は、計測データにおける加速度変化量が設定値以上であるか否かを判別する(ステップS23)。設定値以上であると判別された場合には(ステップS23で“YES”)、CPU22は、自動受信の中止命令を割込み信号として標準電波受信処理に出力して、ステップS15〜S17に係る各処理を途中で中断させる(ステップS24)。そして、CPU22の処理は、ステップS27に移行する。
【0042】
一方、加速度変化量が設定値以上ではないと判別された場合には(ステップS23で“NO”)、CPU22は、続いて、現在標準電波受信処理において、自動受信の中断中であるか否かを判別する(ステップS25)。自動受信の中断中であると判別された場合には(ステップS25で“YES”)、CPU22は、自動受信の中断解除命令を割込み信号として標準電波受信処理に出力して、ステップS15〜S17に係る各処理を中断させた処理の中断時点、または、先頭から再開させる(ステップS26)。そして、CPU22の処理は、ステップS27に移行する。自動受信の中断中ではないと判別された場合には(ステップS25で“NO”)、CPU22の処理は、そのままステップS27の処理に移行する。
【0043】
ステップS21、S25、S26の何れかの処理からステップS27の処理に移行すると、CPU22は、加速度検出処理の終了命令が標準電波受信処理におけるステップS18の処理に基づいて出力されたか否かを判別する。そして、終了命令が出力されたと判別された場合には(ステップS27で“YES”)、CPU22は、加速度検出処理を終了し、終了命令が出力されていないと判別された場合には(ステップS27で“NO”)、CPU22の処理は、ステップS21に戻る。
【0044】
以上のように、上記実施形態の電波時計1は、アンテナ11を含む電波受信部2と、加速度センサ30と、CPU22とを備え、CPU22は、標準電波の受信を開始する前に加速度センサ30をオンさせて所定時間加速度の計測を行わせ、計測された加速度の所定時間内における加速度の変化量に基づいてアンテナ11の姿勢変化の有無を判別する。そして、この姿勢変化があると判別された場合には、CPU22は、標準電波の受信処理を開始させずに次回の受信予定時刻を設定する。このように、加速度センサ30の計測に基づき、アンテナ11の振れにより標準電波の受信強度が変化し、受信電波信号から適切に符号が同定されず、時刻情報が取得されないと判断される場合には、電波受信部2の動作を開始させずに受信動作を延期、又は、中止するので、時刻情報の取得失敗可能性が高い場合に、加速度センサ30の消費電力と比較して遥かに消費電力の大きい電波受信部2を実際に動作させない分、電力消費を削減することができる。
【0045】
また、単なる電波時計1の移動計測ではなく、アンテナ11の姿勢変動を計測して、ユーザの歩行や走行などによるAGC20が応答できない周期での受信強度の変化に対して速やかに受信動作の中止を定めるので、標準電波の受信自体は可能であるのに符号の同定や復号が困難であるといった、時刻情報の取得に失敗したと判断されるまでに時間を要する場合の多い処理を行わせないので、より無駄な電力消費を抑えることができる。
【0046】
また、このようにユーザの歩行や走行などを理由として、受信開始直前の計測データに基づいて標準電波の受信延期を決定することで、比較的短時間で状況が変化して時刻情報の取得が困難な場合と可能な場合とが変わる場合に柔軟に対応することができる。
【0047】
また、予め設定された自動受信時刻の直前に加速度センサ30による計測と、受信動作の可否の判定とを行うので、従来の標準電波の受信処理に影響を与えず、その直前に容易に受信処理の可否のみを判定することができる。
【0048】
また、加速度センサ30による計測に基づく受信可否の履歴をRAM24に記憶させてゆき、この履歴に基づいて受信が可能と判断された時刻を優先的に自動受信の予定時刻として設定するので、ユーザの日常的な生活リズムに合わせて適切に加速度センサ30の動作に係る処理回数も低減させて、電力消費を抑えることができる。
【0049】
また、受信開始時の判断だけではなく、受信中にも間欠的に加速度センサ30を動作させて加速度の計測を行い、ユーザの一時的な歩行や走行に対応して受信を中断させることができる。従って、秒同期や分同期といった処理が既になされている場合には、これらの情報を生かしつつ、必要な符号の同定処理や復号処理といった適切な処理から再開させることが出来るので、部分的に符号の同定や復号に失敗する部分による処理時間の延長といった電力消費の増大の要因を容易に排除して効率よく時刻情報を取得することができる。
【0050】
また、加速度センサ30により検出するアンテナ11の姿勢変化を、特にAGC20の応答速度に係る時定数に基づいて定められた時間長内でのものに限ることで、符号の同定や復号処理に与える悪影響が軽微、又は、悪影響がない姿勢変化の検出に対しては受信動作を中止させず、速やかに時刻情報を取得することができる。
【0051】
また、加速度の計測が不要な期間には、加速度センサ30への電力供給を切断することで、更に加速度センサ30の電力消費も抑えることができる。
【0052】
また、電波時計1において、上記のような標準電波の受信制御を行うことを可能とすることで、サイズや重量の制限により十分なバッテリ容量を確保し難い腕時計などで有効に電力消費を制御することができる。
【0053】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、自動受信の開始前と実行中との何れにも加速度センサ30による計測を行わせることとしたが、自動受信の開始前だけに計測を行わせることとしても良い。一般的に自動受信が行われることの多い時間帯(例えば、深夜)には、一度加速度変化の検出がなされなければ、その後の自動受信処理中に電波時計1が動き出す可能性も低いと考えられ、加速度センサ30自体の電力消費を抑えることができる。
【0054】
また、上記実施の形態では、加速度センサ30を用いて計測された3軸方向の加速度変化からアンテナ11の姿勢変動の有無を判別することとしたが、ジャイロセンサなど他のセンサを用いてもよい。また、加速度センサ30などの計測値を変位量に換算した上で直接的に姿勢変動の有無を判断してもよい。例えば、加速度センサ30を鉛直方向の検出に用い、必要に応じて地磁気センサによる方位計測と組み合わせるなどで、アンテナ11の姿勢を検出することとしても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、加速度センサ30により計測された加速度の変化量に基づいてアンテナの動きを求めているので、電波の入射方向とアンテナ11の向き変化との関係から必ずしも大きな受信強度の変化に繋がらない場合もあり得る。そこで、例えば、アンテナ11の軸が水平面となす角度が所定の角度以上変化する場合に限って受信動作を中止又は延期させるなど、より条件を絞ることとしても良い。
【0056】
また、上記実施の形態では、加速度変化量に基づいて受信を行わなかった場合と、自動受信を行ったものの時刻情報の取得に失敗した場合とで、次の受信開始予定時刻までの動作間隔を同一とした例を挙げて説明したが、異なる動作間隔が設定されても良い。或いは、延期せずに当該日における標準電波受信処理を中止してしまっても良い。また、受信履歴24aに基づく受信開始予定時刻の変更動作を必ずしも行わなくても良い。
【0057】
また、上記実施の形態では、長波の標準電波の受信処理について説明したが、時刻情報を示す短波放送などに関しても、受信アンテナの指向性が強いものや、AGCの応答速度と受信電波中の各符号長の関係上、アンテナの姿勢変動が復号に影響を及ぼすものについては、有効に本発明を適用することができる。
【0058】
また、上記実施の形態では、標準電波の受信開始時刻を基準として、その前に加速度の計測を行わせたが、加速度計測の開始時刻を処理の開始基準時刻として、アンテナ11の姿勢変動がないと判別された場合には、適宜標準電波の受信を開始させることとしても良い。このような処理は、自動受信だけではなく、ユーザによる手動受信命令に基づく処理にも適用可能である。このようにすることで、判別後、受信開始までのタイムラグを短くすることができる。また、ユーザによる手動受信の場合には、単にアンテナ11の姿勢変動に基づいて受信を開始させないだけではなく、表示部25にその旨の表示を行わせてユーザに報知する動作を追加しても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、標準電波受信処理、及び、加速度検出処理に関して必要な期間にのみ加速度センサ30をオンする構成としたが、例えば、他の用途で日常的に加速度センサ30が用いられる電波時計1では、標準電波受信処理や加速度検出処理において加速度が計測される期間に限らず、加速度センサ30がオンされている構成であっても良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、数値、手順などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0061】
[付記]
<請求項1>
アンテナを有し、時刻情報を含む放送電波を受信する受信手段と、
前記受信手段による受信動作の可否を制御する受信制御手段と、
前記アンテナの姿勢変動を計測する姿勢変動計測手段と、
前記姿勢変動計測手段により所定レベル以上の姿勢変動が計測されたか否かを判別する姿勢変動判別手段と
を備え、
前記受信制御手段は、
前記放送電波の受信を行う場合に、前記姿勢変動判別手段により前記所定レベル以上の姿勢変動が計測されたと判別された場合には、前記受信手段による受信を開始させない
ことを特徴とする電波受信装置。
<請求項2>
前記受信制御手段は、前記受信手段に受信を開始させなかった場合に、所定の時間間隔で前記姿勢変動計測手段により前記姿勢変動の計測を行わせ、前記所定レベル以上の姿勢変動が計測されなくなったと判別された場合に、前記受信を開始させることを特徴とする請求項1記載の電波受信装置。
<請求項3>
前記受信制御手段は、予め設定された前記受信動作の開始予定時刻よりも、前記姿勢変動計測手段による計測、及び、前記姿勢変動判別手段による判別に要する所定時間前に、当該姿勢変動計測手段による計測、及び、前記姿勢変動判別手段による判別を行わせる
ことを特徴とする請求項1記載の電波受信装置。
<請求項4>
前記受信動作の可否に係る履歴を記憶する記憶手段と、
当該記憶手段に記憶された前記履歴に応じて次回以降の前記開始予定時刻を変更設定する受信時刻設定手段と
を備えることを特徴とする請求項3記載の電波受信装置。
<請求項5>
前記受信制御手段は、前記受信動作の実行中に、間欠的に前記姿勢変動の計測を行わせ、前記所定レベル以上の姿勢変動が計測されたと判別された場合には、所定期間に亘り、前記受信動作を中断させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電波受信装置。
<請求項6>
前記受信手段は、自動利得制御回路を備え、
前記姿勢変動判別手段は、当該自動利得制御回路の応答速度に応じた時間長よりも短い時間周期での姿勢変動の有無に基づき前記受信動作の可否を判別する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電波受信装置。
<請求項7>
前記姿勢変動計測手段は、前記姿勢変動の計測が行われない期間にはオフされることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電波受信装置。
<請求項8>
請求項1〜7の何れか一項に記載の電波受信装置と、
前記電波受信装置により受信された放送電波から時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
現在時刻を計数する計時手段と、
前記計時手段の現在時刻を前記時刻情報取得手段により取得された時刻情報に基づいて補正する時刻補正手段と、
前記現在時刻を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする電波時計。