特許第5983235号(P5983235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5983235
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】調湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/14 20060101AFI20160818BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F24F3/14
   F24F11/02 102D
【請求項の数】5
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2012-209930(P2012-209930)
(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-66375(P2014-66375A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 博資
(72)【発明者】
【氏名】松井 伸樹
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−318150(JP,A)
【文献】 特開2004−353887(JP,A)
【文献】 特開2008−145018(JP,A)
【文献】 特開2012−083086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(53)と、それぞれが吸着剤を担持する第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)とが設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、
放熱器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第1空気が通過する第1動作と、放熱器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第1空気が通過する第2動作とを行い、
上記第1空気と上記第2空気の一方として吸い込んだ室外空気を室内空間(200)へ供給し、上記第1空気と上記第2空気の他方として吸い込んだ室内空気を室外空間(201)へ排出する調湿装置であって、
上記第1動作と上記第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う調湿運転と、
上記第1動作と上記第2動作の一方だけを行い、又は上記第1動作と上記第2動作を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う顕熱処理運転と、
上記圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する単純換気運転とを選択的に実行可能であり、
室内空間(200)へ供給する室外空気の湿度調節が必要であることを示す調湿条件が成立するときは、上記調湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記顕熱処理運転と上記単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する制御器(95)を備え、
上記制御器(95)が選択した運転を実行する一方、
実行する運転を上記顕熱処理運転から上記単純換気運転へ変更する際には、上記第1吸着熱交換器(51)と上記第2吸着熱交換器(52)の一方を通過する空気を室外空気から室内空気へ切り換え、上記第1吸着熱交換器(51)と上記第2吸着熱交換器(52)の他方を通過する空気を室内空気から室外空気へ切り換えて上記単純換気運転を実行する
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
圧縮機(53)と、それぞれが吸着剤を担持する第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)とが設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、
放熱器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第1空気が通過する第1動作と、放熱器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第1空気が通過する第2動作とを行い、
上記第1空気と上記第2空気の一方として吸い込んだ室外空気を室内空間(200)へ供給し、上記第1空気と上記第2空気の他方として吸い込んだ室内空気を室外空間(201)へ排出する調湿装置であって、
上記第1動作と上記第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う調湿運転と、
上記第1動作と上記第2動作の一方だけを行い、又は上記第1動作と上記第2動作を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う顕熱処理運転と、
上記圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する単純換気運転とを選択的に実行可能であり、
室内空間(200)へ供給する室外空気の湿度調節が必要であることを示す調湿条件が成立するときは、上記調湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記顕熱処理運転と上記単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する制御器(95)を備え、
上記制御器(95)が選択した運転を実行する一方、
第1空気として室外空気を吸い込み且つ第2空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記調湿運転を除湿運転とし、
第1空気として室外空気を吸い込み且つ第2空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を冷却運転とした場合に、
上記制御器(95)は、
上記調湿条件が成立するときは、上記除湿運転を選択する一方、
上記調湿条件が成立しないときは、上記調湿装置と同じ室内空間(200)へ空気を吹き出す空気調和機(150)が冷房運転を行っており、且つ室外気温が室内気温以上であり、且つ室外気温が上記空気調和機(150)の冷房設定温度以上であるという判定条件が成立する場合に上記冷却運転を選択し、該判定条件が成立しない場合に上記単純換気運転を選択する
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項3】
圧縮機(53)と、それぞれが吸着剤を担持する第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)とが設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、
放熱器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第1空気が通過する第1動作と、放熱器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第1空気が通過する第2動作とを行い、
上記第1空気と上記第2空気の一方として吸い込んだ室外空気を室内空間(200)へ供給し、上記第1空気と上記第2空気の他方として吸い込んだ室内空気を室外空間(201)へ排出する調湿装置であって、
上記第1動作と上記第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う調湿運転と、
上記第1動作と上記第2動作の一方だけを行い、又は上記第1動作と上記第2動作を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う顕熱処理運転と、
上記圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する単純換気運転とを選択的に実行可能であり、
室内空間(200)へ供給する室外空気の湿度調節が必要であることを示す調湿条件が成立するときは、上記調湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記顕熱処理運転と上記単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する制御器(95)を備え、
上記制御器(95)が選択した運転を実行する一方、
第1空気として室外空気を吸い込み且つ第2空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を冷却運転とした場合に、
上記制御器(95)は、上記冷却運転中に上記冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、上記調湿装置の運転を上記冷却運転から上記単純換気運転へ強制的に切り換える
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項4】
圧縮機(53)と、それぞれが吸着剤を担持する第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)とが設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、
放熱器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第1空気が通過する第1動作と、放熱器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第1空気が通過する第2動作とを行い、
上記第1空気と上記第2空気の一方として吸い込んだ室外空気を室内空間(200)へ供給し、上記第1空気と上記第2空気の他方として吸い込んだ室内空気を室外空間(201)へ排出する調湿装置であって、
上記第1動作と上記第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う調湿運転と、
上記第1動作と上記第2動作の一方だけを行い、又は上記第1動作と上記第2動作を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う顕熱処理運転と、
上記圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する単純換気運転とを選択的に実行可能であり、
室内空間(200)へ供給する室外空気の湿度調節が必要であることを示す調湿条件が成立するときは、上記調湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記顕熱処理運転と上記単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する制御器(95)を備え、
上記制御器(95)が選択した運転を実行する一方、
第2空気として室外空気を吸い込み且つ第1空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記調湿運転を加湿運転とし、
第2空気として室外空気を吸い込み且つ第1空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を加熱運転とした場合に、
上記制御器(95)は、
上記調湿条件が成立するときは、上記加湿運転を選択する一方、
上記調湿条件が成立しないときは、上記調湿装置と同じ室内空間(200)へ空気を吹き出す空気調和機(150)が暖房運転を行っており、且つ室外気温が室内気温以下であり、且つ室外気温が上記空気調和機(150)の暖房設定温度以下であるという判定条件が成立する場合に上記加熱運転を選択し、該判定条件が成立しない場合に上記単純換気運転を選択する
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項5】
圧縮機(53)と、それぞれが吸着剤を担持する第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)とが設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、
放熱器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第1空気が通過する第1動作と、放熱器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第1空気が通過する第2動作とを行い、
上記第1空気と上記第2空気の一方として吸い込んだ室外空気を室内空間(200)へ供給し、上記第1空気と上記第2空気の他方として吸い込んだ室内空気を室外空間(201)へ排出する調湿装置であって、
上記第1動作と上記第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う調湿運転と、
上記第1動作と上記第2動作の一方だけを行い、又は上記第1動作と上記第2動作を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う顕熱処理運転と、
上記圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する単純換気運転とを選択的に実行可能であり、
室内空間(200)へ供給する室外空気の湿度調節が必要であることを示す調湿条件が成立するときは、上記調湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記顕熱処理運転と上記単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する制御器(95)を備え、
上記制御器(95)が選択した運転を実行する一方、
第2空気として室外空気を吸い込み且つ第1空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を加熱運転とした場合に、
上記制御器(95)は、上記加熱運転中に上記冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、上記調湿装置の運転を上記加熱運転から上記単純換気運転へ強制的に切り換える
ことを特徴とする調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着剤を担持する吸着熱交換器を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、吸着剤を利用して空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。特許文献1及び2には、表面に吸着剤が担持された吸着熱交換器を備えた調湿装置が開示されている。
【0003】
特許文献1及び2に開示された調湿装置には、2つの吸着熱交換器を備えた冷媒回路が設けられている。この冷媒回路は、第1の吸着熱交換器が凝縮器となって第2の吸着熱交換器が蒸発器となる動作と、第2の吸着熱交換器が凝縮器となって第1の吸着熱交換器が蒸発器となる動作とを交互に行う。蒸発器として動作する吸着熱交換器では、吸着剤に空気中の水分が吸着される。凝縮器として動作する吸着熱交換器では、水分が吸着剤から脱離して空気に付与される。
【0004】
特許文献1及び2に開示された調湿装置は、室内の換気を行う。除湿運転中の調湿装置は、吸い込んだ室外空気を蒸発器として動作する吸着熱交換器で除湿してから室内空間へ供給すると同時に、吸い込んだ室内空気を凝縮器として動作する吸着熱交換器から脱離した水分と共に室外空間へ排出する。一方、加湿運転中の調湿装置は、吸い込んだ室外空気を凝縮器として動作する吸着熱交換器で加湿してから室内空間へ供給すると同時に、吸い込んだ室内空気を蒸発器として動作する吸着熱交換器で除湿してから室外空間へ排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−353887号公報
【特許文献1】特開2006−078108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、室外空気の絶対湿度と室内空気の絶対湿度が同程度である場合は、調湿装置が室内空間へ供給する室外空気の湿度を調節する必要はない。一方、室内の換気は、室外空気と室内空気の絶対湿度に拘わらず、常に行う必要がある。このため、室内空間へ供給する室外空気の湿度調節が不要である場合、特許文献1に開示された調湿装置は、室外空気を湿度調節せずにそのまま室内空間へ供給する運転を行う。
【0007】
ところが、室外空気の絶対湿度と室内空気の絶対湿度が同程度であっても、室外空気の温度と室内空気の温度が相違する場合がある。このため、室外空気をそのまま室内空間へ供給すると、室内空間の快適性を損なうおそれがある。つまり、室内気温よりも高温の室外空気をそのまま冷房中の室内空間へ供給したり、室内気温よりも低温の室外空気をそのまま暖房中の室内空間へ供給すると、在室者に不快感を与えるおそれがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、調湿装置による室外空気の湿度調節が不要な運転条件においても、室内空間の快適性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1〜第5の各発明は、圧縮機(53)と、それぞれが吸着剤を担持する第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)とが設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、放熱器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第1空気が通過する第1動作と、放熱器として機能する上記第2吸着熱交換器(52)を第2空気が通過し且つ蒸発器として機能する上記第1吸着熱交換器(51)を第1空気が通過する第2動作とを行い、上記第1空気と上記第2空気の一方として吸い込んだ室外空気を室内空間(200)へ供給し、上記第1空気と上記第2空気の他方として吸い込んだ室内空気を室外空間(201)へ排出する調湿装置を対象とする。そして、上記第1動作と上記第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う調湿運転と、上記第1動作と上記第2動作の一方だけを行い、又は上記第1動作と上記第2動作を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う顕熱処理運転と、上記圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する単純換気運転とを選択的に実行可能であり、室内空間(200)へ供給する室外空気の湿度調節が必要であることを示す調湿条件が成立するときは、上記調湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記顕熱処理運転と上記単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する制御器(95)を備え、上記制御器(95)が選択した運転を実行するものである。
【0010】
第1〜第5の各発明の調湿装置(10)は、調湿運転と、顕熱処理運転と、単純換気運転とを選択的に行う。調湿装置(10)は、第1動作と第2動作を第1所定時間ずつ交互に繰り返し行う運転を、調湿運転として行う。調湿装置(10)は、第1動作と第2動作の一方だけを行う運転と、第1動作と第2動作を第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う運転とのいずれか一方を、顕熱処理運転として行う。調湿装置(10)は、圧縮機(53)を停止させた状態で室外空気を室内空間(200)へ供給し且つ室内空気を室外空間(201)へ排出する運転を、単純換気運転として行う。
【0011】
調湿運転中の調湿装置(10)では、第1空気の温度と絶対湿度が、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に低下し、第2空気の温度と絶対湿度が、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に上昇する。そして、調湿装置(10)は、吸着熱交換器(51,52)を通過した第1空気と第2空気の一方を室内空間(200)へ供給し、他方を室外空間(201)へ排出する。
【0012】
調湿装置(10)が第1動作と第2動作の一方だけを行う運転を顕熱処理運転として行う場合について説明する。調湿装置(10)が第1動作だけを行う場合は、第1吸着熱交換器(51)が常に放熱器として機能し、第2吸着熱交換器(52)が常に蒸発器として機能する。また、調湿装置(10)が第2動作だけを行う場合は、第2吸着熱交換器(52)が常に放熱器として機能し、第1吸着熱交換器(51)が常に蒸発器として機能する。この顕熱処理運転の開始直後には、第1空気および第2空気の温度と絶対湿度が吸着熱交換器(51,52)を通過する際に変化する。しかし、顕熱処理運転の継続時間がある程度に達すると、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)の吸着剤が実質的に飽和状態となり、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)の吸着剤の含水率が極めて低くなる。このため、顕熱処理運転の継続時間がある程度に達した後は、第1空気および第2空気の温度だけが吸着熱交換器(51,52)を通過する際に変化し、第1空気および第2空気の絶対湿度は吸着熱交換器(51,52)を通過する際に殆ど変化しない。
【0013】
調湿装置(10)が第1動作と第2動作を第2所定時間ずつ交互に繰り返し行う運転を顕熱処理運転として行う場合について説明する。第2所定時間は、第1所定時間(即ち、調湿運転中における第1動作および第2動作の継続時間)よりも長い。第1動作および第2動作の継続時間が長くなるほど、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)の吸着剤の含水率が上昇し、この吸着熱交換器(51,52)に空気中の水分が吸着されにくくなる。また、第1動作および第2動作の継続時間が長くなるほど、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)の吸着剤の含水率が低下し、この吸着熱交換器(51,52)から水分が脱離しにくくなる。このため、第1動作および第2動作の継続時間が調湿運転よりも長くなる顕熱処理運転では、吸着熱交換器(51,52)を通過する際の第1空気および第2空気の温度の変化量が大きくなり、吸着熱交換器(51,52)を通過する際の第1空気および第2空気の絶対湿度の変化量が小さくなる。
【0014】
単純換気運転中の調湿装置(10)では、圧縮機(53)が停止し、冷媒回路(50)を冷媒が循環しない。このため、調湿装置(10)に吸い込まれた室外空気は、その温度と絶対湿度を調節されずに、そのままの状態で室内空間(200)へ供給される。また、調湿装置(10)に吸い込まれた室内空気は、その温度と絶対湿度を調節されずに、そのままの状態で室外空間(201)へ排出される。
【0015】
第1〜第5の各発明の調湿装置(10)には、制御器(95)が設けられる。調湿装置(10)は、制御器(95)が選択した運転を実行する。調湿条件が成立する場合、制御器(95)は、調湿運転を選択する。一方、調湿条件が成立しない場合、制御器(95)は、顕熱処理運転と単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する。室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給した場合に室内空間(200)の快適性が損なわれるか否かは、室外気温に基づいて判断することができる。そこで、制御器(95)は、顕熱処理運転と単純換気運転のどちらを選択するか、室外気温に基づいて判断する。
【0016】
第1の発明は、上記の構成に加えて、実行する運転を上記顕熱処理運転から上記単純換気運転へ変更する際には、上記第1吸着熱交換器(51)と上記第2吸着熱交換器(52)の一方を通過する空気を室外空気から室内空気へ切り換え、上記第1吸着熱交換器(51)と上記第2吸着熱交換器(52)の他方を通過する空気を室内空気から室外空気へ切り換えて上記単純換気運転を実行するものである。
【0017】
第1の発明の調湿装置(10)は、実行する運転を顕熱処理運転から単純換気運転へ変更する際に、空気の流通経路を切り換える。例えば、顕熱処理運転中に室外空気が第1吸着熱交換器(51)を通過して室内空気が第2吸着熱交換器(52)を通過していた場合、調湿装置(10)は、室外空気が第2吸着熱交換器(52)を通過して室内空気が第1吸着熱交換器(51)を通過するように空気の流通経路を変更して単純換気運転を行う。また、顕熱処理運転中に室外空気が第2吸着熱交換器(52)を通過して室内空気が第1吸着熱交換器(51)を通過していた場合、調湿装置(10)は、室外空気が第1吸着熱交換器(51)を通過して室内空気が第2吸着熱交換器(52)を通過するように空気の流通経路を変更して単純換気運転を行う。
【0018】
例えば、顕熱処理運転の終了時に、放熱器として機能する第1吸着熱交換器(51)を室内空気が通過し、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過していたとする。この場合、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率は比較的低くなっており、第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率は比較的高くなっている。そして、空気の流通経路を変更せずに単純換気運転を行うと、吸着剤の含水率が比較的高い第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過することとなり、室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度が第2吸着熱交換器(52)を通過する際に上昇するおそれがある。
【0019】
一方、第1の発明の調湿装置(10)は、実行する運転を顕熱処理運転から単純換気運転へ切り換える際に、空気の流通経路を変更する。そして、上記の例では、調湿装置(10)は、顕熱処理運転の終了時に室内空気が通過していた第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過し、顕熱処理運転の終了時に室外空気が通過していた第2吸着熱交換器(52)を室内空気が通過するように空気の流通経路が変更して単純換気運転を行う。つまり、室外空気は、吸着剤の含水率が比較的低い第1吸着熱交換器(51)を通過後に室内空間(200)へ供給される。従って、単純換気運転の開始後に室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度の上昇が抑えられる。
【0020】
また、例えば、顕熱処理運転の終了時に、放熱器として機能する第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過し、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器(52)を室内空気が通過していたとする。この場合、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率は比較的低くなっており、第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率は比較的高くなっている。そして、空気の流通経路を変更せずに単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的低い第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過することとなり、室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度が第1吸着熱交換器(51)を通過する際に低下するおそれがある。
【0021】
一方、第1の発明の調湿装置(10)は、実行する運転を顕熱処理運転から単純換気運転へ切り換える際に、空気の流通経路が変更される。そして、上記の例では、調湿装置(10)は、顕熱処理運転の終了時に室内空気が通過していた第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過し、顕熱処理運転の終了時に室外空気が通過していた第1吸着熱交換器(51)を室内空気が通過するように空気の流通経路を変更して単純換気運転を行う。つまり、室外空気は、吸着剤の含水率は比較的高い第2吸着熱交換器(52)を通過後に室内空間(200)へ供給される。従って、単純換気運転の開始後に室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度の低下が抑えられる。
【0022】
第2の発明は、上記の構成に加えて、第1空気として室外空気を吸い込み且つ第2空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記調湿運転を除湿運転とし、第1空気として室外空気を吸い込み且つ第2空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を冷却運転とした場合に、上記制御器(95)は、上記調湿条件が成立するときは、上記除湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記調湿装置と同じ室内空間(200)へ空気を吹き出す空気調和機(150)が冷房運転を行っており、且つ室外気温が室内気温以上であり、且つ室外気温が上記空気調和機(150)の冷房設定温度以上であるという判定条件が成立する場合に上記冷却運転を選択し、該判定条件が成立しない場合に上記単純換気運転を選択するものである。
【0023】
第2の発明の調湿装置(10)は、調湿運転として除湿運転を行い、顕熱処理運転として冷却運転を行う。除湿運転中の調湿装置(10)は、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に除湿された室外空気を室内空間(200)へ供給し、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加湿された室内空気を室外空間(201)へ排出する。冷却運転中の調湿装置(10)は、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に冷却された室外空気を室内空間(200)へ供給し、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加熱された室内空気を室外空間(201)へ排出する。
【0024】
第2の発明において、調湿条件が成立するときは、制御器(95)が除湿運転を選択し、調湿装置(10)が除湿運転を行う。調湿条件が成立しないとき、制御器(95)が判定条件の成否を判断する。判定条件は、上記調湿装置(10)と同じ室内空間(200)へ空気を吹き出す空気調和機(150)が冷房運転を行っており、且つ室外気温が室内気温以上であり、且つ室外気温が上記空気調和機(150)の冷房設定温度以上であるという条件である。この空気調和機(150)が冷房運転を行っている場合は、在室者が室内の冷房を望んでいると判断できる。また、室外気温が室内気温以上である場合、及び室外気温が上記空気調和機(150)の冷房設定温度以上である場合に室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給すると、在室者に不快感を与えるおそれがある。そこで、制御器(95)は、判断条件が成立している場合に冷却運転を選択する。一方、この判定条件が成立していない場合は、在室者が室内の冷房を望んでおらず、あるいは室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給しても在室者に不快感を与えるおそれは無いと判断できる。そこで、制御器(95)は、判断条件が成立していない場合に単純換気運転を選択する。
【0025】
第3の発明は、上記の構成に加えて、第1空気として室外空気を吸い込み且つ第2空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を冷却運転とした場合に、上記制御器(95)は、上記冷却運転中に上記冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、上記調湿装置の運転を上記冷却運転から上記単純換気運転へ強制的に切り換えるものである。
【0026】
第3の発明の調湿装置(10)は、顕熱処理運転として冷却運転を行う。冷却運転中の調湿装置(10)は、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に冷却された室外空気を室内空間(200)へ供給し、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加熱された室内空気を室外空間(201)へ排出する。
【0027】
ここで、冷却運転中には、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を室外空気が通過する。この冷却運転中において、冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度(即ち、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)における冷媒の蒸発温度)が室外空気の露点温度を下回ると、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を室外空気が通過する際に、室外空気中の水分が凝縮するおそれがある。つまり、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)において、ドレン水が生成するおそれがある。そこで、第3の発明の制御器(95)は、冷却運転中に冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の運転を冷却運転から単純換気運転へ強制的に切り換える。
【0028】
第4の発明は、上記の構成に加えて、第2空気として室外空気を吸い込み且つ第1空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記調湿運転を加湿運転とし、第2空気として室外空気を吸い込み且つ第1空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を加熱運転とした場合に、上記制御器(95)は、上記調湿条件が成立するときは、上記加湿運転を選択する一方、上記調湿条件が成立しないときは、上記調湿装置と同じ室内空間(200)へ空気を吹き出す空気調和機(150)が暖房運転を行っており、且つ室外気温が室内気温以下であり、且つ室外気温が上記空気調和機(150)の暖房設定温度以下であるという判定条件が成立する場合に上記加熱運転を選択し、該判定条件が成立しない場合に上記単純換気運転を選択するものである。
【0029】
第4の発明の調湿装置(10)は、調湿運転として加湿運転を行い、顕熱処理運転として加熱運転を行う。加湿運転中の調湿装置(10)は、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加湿された室外空気を室内空間(200)へ供給し、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に除湿された室内空気を室外空間(201)へ排出する。加熱運転中の調湿装置(10)は、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加熱された室外空気を室内空間(200)へ供給し、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に冷却された室内空気を室外空間(201)へ排出する。
【0030】
第4の発明において、調湿条件が成立するときは、制御器(95)が加湿運転を選択し、調湿装置(10)が加湿運転を行う。調湿条件が成立しないとき、制御器(95)が判定条件の成否を判断する。判定条件は、上記調湿装置(10)と同じ室内空間(200)へ空気を吹き出す空気調和機(150)が暖房運転を行っており、且つ室外気温が室内気温以下であり、且つ室外気温が上記空気調和機(150)の暖房設定温度以下であるという条件である。この空気調和機(150)が暖房運転を行っている場合は、在室者が室内の暖房を望んでいると判断できる。また、室外気温が室内気温以下である場合、及び室外気温が上記空気調和機(150)の暖房設定温度以下である場合に室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給すると、在室者に不快感を与えるおそれがある。そこで、制御器(95)は、判断条件が成立している場合に加熱運転を選択する。一方、この判定条件が成立していない場合は、在室者が室内の暖房を望んでおらず、あるいは室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給しても在室者に不快感を与えるおそれは無いと判断できる。そこで、制御器(95)は、判断条件が成立していない場合に単純換気運転を選択する。
【0031】
第5の発明は、上記の構成に加えて、第2空気として室外空気を吸い込み且つ第1空気として室内空気を吸い込む状態で行われる上記顕熱処理運転を加熱運転とした場合に、上記制御器(95)は、上記加熱運転中に上記冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、上記調湿装置の運転を上記加熱運転から上記単純換気運転へ強制的に切り換えるものである。
【0032】
第5の発明の調湿装置(10)は、顕熱処理運転として加熱運転を行う。加熱運転中の調湿装置(10)は、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加熱された室外空気を室内空間(200)へ供給し、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に冷却された室内空気を室外空間(201)へ排出する。
【0033】
ここで、加熱運転中には、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を室内空気が通過する。この加熱運転中において、冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度(即ち、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)における冷媒の蒸発温度)が室内空気の露点温度を下回ると、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を室内空気が通過する際に、室内空気中の水分が凝縮するおそれがある。つまり、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)において、ドレン水が生成するおそれがある。そこで、第5の発明の制御器(95)は、加熱運転中に冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の運転を加熱運転から単純換気運転へ強制的に切り換える。
【発明の効果】
【0034】
本発明の調湿装置(10)には、制御器(95)が設けられる。そして、調湿条件が成立しない場合、制御器(95)は、顕熱処理運転と単純換気運転のいずれか一方を室外気温に基づいて選択する。このため、室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給すると室内空間(200)の快適性が損なわれる場合に制御器(95)が顕熱処理運転を選択すれば、吸着熱交換器(51,52)を通過する際に温度調節された室外空気が室内空間(200)へ供給される。顕熱処理運転中の調湿装置(10)において、吸着熱交換器(51,52)において変化するのは主に室外空気の温度であり、室外空気の絶対湿度はそれほど変化しない。
【0035】
このように、室内空間(200)へ供給される室外空気の湿度調節が不要である状況で行われる顕熱処理運転では、主に温度を調節された室外空気が室内空間(200)へ供給される。従って、本発明によれば、室内空間(200)へ供給される室外空気の湿度調節は不要だが、室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給すると室内空間(200)の快適性が損なわれる場合に、調湿装置(10)に顕熱処理運転を行わせることによって、主に温度を調節された室外空気を室内空間(200)へ供給ができ、室内空間(200)の快適性を確保できる。
【0036】
上記第1の発明の調湿装置(10)は、実行する運転を顕熱処理運転から単純換気運転へ変更する際に、室外空気および室内空気の流通経路を切り換える。具体的には、顕熱処理運転の終了時に室内空気が通過していた吸着熱交換器(51,52)を室外空気が通過し、顕熱処理運転の終了時に室外空気が通過していた吸着熱交換器(51,52)を室内空気が通過するように、室外空気および室内空気の流通経路を切り換える。このため、単純換気運転の開始後に室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度の変化を抑えることができ、単純換気運転の開始後における室内空間(200)の快適性を確保することができる。
【0037】
上記第2の発明において、制御器(95)は、所定の判定条件の成否に応じて冷却運転と単純換気運転の一方を選択する。このため、冷却運転と単純換気運転のうち適切な方を選択することができ、室内空間(200)の快適性を確保することができる。
【0038】
上記第3の発明の制御器(95)は、冷却運転中に冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の運転を冷却運転から単純換気運転へ強制的に切り換える。このため、冷却運転中に蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)において、ドレン水の生成を防ぐことができる。その結果、ドレン水の発生に起因する故障等を未然に防いで調湿装置(10)の信頼性を向上させることができる。
【0039】
上記第4の発明において、制御器(95)は、所定の判定条件の成否に応じて加熱運転と単純換気運転の一方を選択する。このため、加熱運転と単純換気運転のうち適切な方を選択することができ、室内空間(200)の快適性を確保することができる。
【0040】
上記第5の発明の制御器(95)は、加熱運転中に冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の運転を加熱運転から単純換気運転へ強制的に切り換える。このため、加熱運転中に蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)において、ドレン水の生成を防ぐことができる。その結果、ドレン水の発生に起因する故障等を未然に防いで調湿装置(10)の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、実施形態の調湿装置の設置状態を示す建物の概略断面図である。
図2図2は、実施形態の調湿装置の概略構造を示す平面図、右側面図、及び左側面図である。
図3図3は、冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、(A)は第1動作中の冷媒の流れを示し、(B)は第2動作中の冷媒の流れを示す。
図4図4は、実施形態の調湿装置のコントローラの構成を示すブロック図である。
図5図5は、除湿運転の第1動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
図6図6は、除湿運転の第2動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
図7図7は、加湿運転の第1動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
図8図8は、加湿運転の第2動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
図9図9は、単純換気運転中に空気の流通経路が第1経路に設定された状態を示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
図10図10は、単純換気運転中に空気の流通経路が第2経路に設定された状態を示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
図11図11は、コントローラの運転モード決定部の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0043】
本実施形態の調湿装置(10)は、室内空間(200)の湿度調節と共に室内空間(200)の換気を行うものであり、吸い込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内空間(200)へ供給すると同時に、吸い込んだ室内空気(RA)を室外空間(201)へ排出する。
【0044】
図1に示すように、本実施形態の調湿装置(10)は、空気調和機(150)と共に建物に設置される。空気調和機(150)は、室外ユニット(152)と室内ユニット(151)とを備え、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。調湿装置(10)は、空気調和機(150)の室内ユニット(151)が空気を吹き出す室内空間(200)に、ダクト(102,103)を介して接続される。具体的に、調湿装置(10)は、給気ダクト(102)及び内気吸込ダクト(103)を介して室内空間(200)に接続され、排気ダクト(101)及び外気吸込ダクト(104)を介して室外空間(201)に接続される。
【0045】
〈調湿装置の全体構成〉
調湿装置(10)について、図2を参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
【0046】
調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。冷媒回路(50)の詳細は後述する。
【0047】
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。このケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)には外気吸込ダクト(104)が、内気吸込口(23)には内気吸込ダクト(103)が、給気口(22)には給気ダクト(102)が、排気口(21)には排気ダクト(101)が、それぞれ接続される。
【0048】
外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、ケーシング(11)の背面パネル部(13)に設けられている。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に設けられている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に設けられている。給気口(22)は、ケーシング(11)の第1側面パネル部(14)に設けられている。第1側面パネル部(14)において、給気口(22)は、ケーシング(11)の前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、ケーシング(11)の第2側面パネル部(15)に設けられている。第2側面パネル部(15)において、排気口(21)は、前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
【0049】
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)とが設けられている。これらの仕切板(71〜73)は、何れもケーシング(11)の底板に起立した状態で設置されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
【0050】
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。中央仕切板(73)の配置については、後述する。
【0051】
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下二つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内空間(200)と連通している。外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間(201)と連通している。
【0052】
内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と、内気温度センサ(91)と、内気湿度センサ(92)とが設置されている。内気温度センサ(91)は、内気側通路(32)を流れる室内空気の温度を計測する。内気湿度センサ(92)は、内気側通路(32)を流れる室内空気の相対湿度を計測する。一方、外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と、外気温度センサ(93)と、外気湿度センサ(94)とが設置されている。外気温度センサ(93)は、外気側通路(34)を流れる室外空気の温度を計測する。外気湿度センサ(94)は、外気側通路(34)を流れる室外空気の相対湿度を計測する。なお、図5〜8では、内気温度センサ(91)、内気湿度センサ(92)、外気温度センサ(93)、及び外気湿度センサ(94)の図示を省略している。
【0053】
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
【0054】
各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものである。この吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水分を吸着できる材料が用いられている。なお、本明細書の「吸着剤」には、水蒸気の吸着と吸収の両方を行う材料(いわゆる収着剤)も含まれる。
【0055】
各吸着熱交換器(51,52)は、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。そして、各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に起立した状態で設置されている。
【0056】
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
【0057】
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が四つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。上流側仕切板(71)に設けられた四つのダンパ(41〜44)は、空気の流通経路を切り換える切換機構(40)を構成している。
【0058】
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が四つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。下流側仕切板(72)に設けられた四つのダンパ(45〜48)は、空気の流通経路を切り換える切換機構(40)を構成している。
【0059】
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
【0060】
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
【0061】
給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
【0062】
〈冷媒回路の構成〉
図3に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。また、図示しないが、冷媒回路(50)には、複数の温度センサ及び圧力センサが取り付けられている。
【0063】
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出管が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入管が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(51)と、電動膨張弁(55)と、第2吸着熱交換器(52)とが配置されている。
【0064】
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図3(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図3(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
【0065】
圧縮機(53)は、圧縮機構とそれを駆動する電動機とが一つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。この圧縮機(53)の電動機には、インバータを介して交流が供給される。インバータの出力周波数(即ち、圧縮機(53)の運転周波数)を変更すると、電動機とそれによって駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、圧縮機(53)の運転容量が変化する。圧縮機構の回転速度を上昇させると圧縮機(53)の運転容量が増加し、圧縮機構の回転速度を低下させると圧縮機(53)の運転容量が減少する。
【0066】
〈コントローラの構成〉
調湿装置(10)には、制御器であるコントローラ(95)が設けられている。コントローラ(95)には、内気湿度センサ(92)、内気温度センサ(91)、外気湿度センサ(94)、及び外気温度センサ(93)の計測値が入力されている。また、コントローラ(95)には、冷媒回路(50)に設けられた温度センサや圧力センサの計測値が入力されている。また、コントローラ(95)には、空気調和機(150)の運転状態を示す信号(例えば、空気調和機(150)が運転中か否かを示す信号や、空気調和機(150)の運転が冷房運転か暖房運転かを示す信号)が入力されている。コントローラ(95)は、入力されたこれらの計測値や信号に基づいて、調湿装置(10)の運転制御を行う。つまり、コントローラ(95)は、各ダンパ(41〜48)、各ファン(25,26)、圧縮機(53)、電動膨張弁(55)、及び四方切換弁(54)の動作を制御する。
【0067】
また、図4に示すように、コントローラ(95)は、圧縮機制御部(96)と、運転モード決定部(97)とを備えている。圧縮機制御部(96)は、上述したセンサ(91〜94)の計測値等に基づいて、圧縮機(53)の運転周波数の目標値を設定する。運転モード決定部(97)は、上述したセンサ(91〜94)の計測値や、空気調和機(150)の運転状態を示す信号などに基づいて、調湿装置(10)が実行すべき運転を決定する。
【0068】
−運転動作−
本実施形態の調湿装置(10)は、除湿運転と、加湿運転と、冷却運転と、加熱運転と、単純換気運転とを選択的に行う。除湿運転および加湿運転は、室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度の調節を目的とした調湿運転である。つまり、除湿運転および加湿運転は、主に室内空間(200)の潜熱負荷(除湿負荷または加湿負荷)を処理するための運転である。冷却運転及び加熱運転は、室内空間(200)へ供給される室外空気の温度の調節を目的とした顕熱処理運転である。つまり、冷却運転及び加熱運転は、主に室内空間(200)の顕熱負荷(冷房負荷または暖房負荷)を処理するための運転である。単純換気運転は、室内空間(200)の換気だけを行うための運転である。
【0069】
除湿運転、加湿運転、冷却運転、加熱運転、および単純換気運転のそれぞれでは、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が作動する。そして、調湿装置(10)は、吸い込んだ室外空気(OA)を供給空気(SA)として室内空間(200)へ供給し、吸い込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外空間(201)へ排出する。
【0070】
〈除湿運転〉
除湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として吸い込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として吸い込まれる。また、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。そして、除湿運転中の調湿装置(10)は、後述する第1動作と第2動作を3分間ずつ交互に繰り返し行う。つまり、除湿運転では、第1動作および第2動作の継続時間である第1所定時間が、3分に設定される。
【0071】
先ず、除湿運転の第1動作について説明する。
【0072】
図5に示すように、除湿運転の第1動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第2経路に設定する。具体的には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1動作中には、四方切換弁(54)が第1状態(図3(A)に示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第2吸着熱交換器(52)が蒸発器として機能する。
【0073】
外気側通路(34)へ流入した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。また、第2吸着熱交換器(52)では、第1空気の温度が幾分低下する。第2吸着熱交換器(52)において除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間(200)へ供給される。
【0074】
一方、内気側通路(32)へ流入した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)において水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間(201)へ排出される。
【0075】
次に、除湿運転の第2動作について説明する。
【0076】
図6に示すように、除湿運転の第2動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路に設定する。具体的には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2動作中には、四方切換弁(54)が第2状態(図3(B)に示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器として機能する。
【0077】
外気側通路(34)へ流入した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。また、第1吸着熱交換器(51)では、第1空気の温度が幾分低下する。第1吸着熱交換器(51)において除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間(200)へ供給される。
【0078】
一方、内気側通路(32)へ流入した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)において水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間(201)へ排出される。
【0079】
〈加湿運転〉
加湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として吸い込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として吸い込まれる。また、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。そして、加湿運転中の調湿装置(10)は、後述する第1動作と第2動作を3分30秒ずつで交互に繰り返し行う。つまり、加湿運転では、第1動作および第2動作の継続時間である第1所定時間が、3分30秒に設定される。
【0080】
先ず、加湿運転の第1動作について説明する。
【0081】
図7に示すように、加湿運転の第1動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路に設定する。具体的には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1動作では、四方切換弁(54)が第1状態(図3(A)に示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第2吸着熱交換器(52)が蒸発器として機能する。
【0082】
内気側通路(32)へ流入した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)において水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間(201)へ排出される。
【0083】
一方、外気側通路(34)へ流入した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。また、第1吸着熱交換器(51)では、第2空気の温度が幾分上昇する。第1吸着熱交換器(51)において加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間(200)へ供給される。
【0084】
次に、加湿運転の第2動作について説明する。
【0085】
図8に示すように、加湿運転の第2動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第2経路に設定する。具体的には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2動作では、四方切換弁(54)が第2状態(図3(B)に示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器として機能する。
【0086】
内気側通路(32)へ流入した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)において水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間(201)へ排出される。
【0087】
一方、外気側通路(34)へ流入した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。また、第2吸着熱交換器(52)では、第2空気の温度が幾分上昇する。第2吸着熱交換器(52)において加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間(200)へ供給される。
【0088】
〈冷却運転〉
冷却運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として吸い込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として吸い込まれる。また、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。冷却運転中の調湿装置(10)は、後述する第1動作と第2動作のいずれか一方だけを行う。
【0089】
先ず、冷却運転の第1動作について説明する。この第1動作は、図5に示す除湿運転の第1動作と同じ動作である。つまり、冷却運転の第1動作では、室外空気である第1空気が、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器(52)を通過し、室内空気である第2空気が、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器(51)を通過する。
【0090】
冷却運転の第1動作中には、第2吸着熱交換器(52)に吸着された水分の量が次第に増加してゆく。つまり、第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が次第に上昇する。第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が上昇するにつれて、第1空気中の水分が第2吸着熱交換器(52)に吸着されにくくなる。そして、冷却運転の第1動作の継続時間がある程度(例えば、20分程度)に達すると、第2吸着熱交換器(52)の吸着剤が実質的に飽和状態となり、第1空気中の水分が第2吸着熱交換器(52)に吸着されなくなる。
【0091】
このように、冷却運転の第1動作中において、第2吸着熱交換器(52)では、第1空気の温度は低下するが、その絶対湿度はそれ程低下しない。このため、冷却運転の第1動作中には、第2吸着熱交換器(52)を通過する際に冷却された第1空気(室外空気)が室内空間(200)へ供給される。
【0092】
次に、冷却運転の第2動作について説明する。この第2動作は、図6に示す除湿運転の第2動作と同じ動作である。つまり、冷却運転の第2動作では、室外空気である第1空気が、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器(51)を通過し、室内空気である第2空気が、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器(52)を通過する。
【0093】
冷却運転の第2動作中には、第1吸着熱交換器(51)に吸着された水分の量が次第に増加してゆく。つまり、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が次第に上昇する。第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が上昇するにつれて、第1空気中の水分が第1吸着熱交換器(51)に吸着されにくくなる。そして、冷却運転の第2動作の継続時間がある程度(例えば、20分程度)に達すると、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤が実質的に飽和状態となり、第1空気中の水分が第1吸着熱交換器(51)に吸着されなくなる。
【0094】
このように、冷却運転の第2動作中において、第1吸着熱交換器(51)では、第1空気の温度は低下するが、その絶対湿度はそれ程低下しない。このため、冷却運転の第2動作中には、第1吸着熱交換器(51)を通過する際に冷却された第1空気(室外空気)が室内空間(200)へ供給される。
【0095】
〈加熱運転〉
加熱運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として吸い込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として吸い込まれる。また、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。加熱運転中の調湿装置(10)は、後述する第1動作と第2動作のいずれか一方だけを行う。
【0096】
先ず、加熱運転の第1動作について説明する。この第1動作は、図7に示す加湿運転の第1動作と同じ動作である。つまり、加熱運転の第1動作では、室外空気である第2空気が、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器(51)を通過し、室内空気である第1空気が、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器(52)を通過する。
【0097】
加熱運転の第1動作中には、第1吸着熱交換器(51)に吸着された水分の量が次第に減少してゆく。つまり、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が次第に低下する。第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が低下するにつれて、第1吸着熱交換器(51)から水分が脱離しにくくなる。そして、加熱運転の第1動作の継続時間がある程度(例えば、20分程度)に達すると、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が極めて低くなり、第1吸着熱交換器(51)から第2空気へ付与される水分の量が殆どゼロになる。
【0098】
このように、加熱運転の第1動作中において、第1吸着熱交換器(51)では、第1空気の温度は上昇するが、その絶対湿度はそれ程上昇しない。このため、加熱運転の第1動作中には、第1吸着熱交換器(51)を通過する際に加熱された第2空気(室外空気)が室内空間(200)へ供給される。
【0099】
次に、加熱運転の第2動作について説明する。この第2動作は、図8に示す加湿運転の第2動作と同じ動作である。つまり、加熱運転の第2動作では、室外空気である第2空気が、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器(52)を通過し、室内空気である第2空気が、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器(51)を通過する。
【0100】
加熱運転の第2動作中には、第2吸着熱交換器(52)に吸着された水分の量が次第に減少してゆく。つまり、第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が次第に低下する。第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が低下するにつれて、第2吸着熱交換器(52)から水分が脱離しにくくなる。そして、加熱運転の第2動作の継続時間がある程度(例えば、20分程度)に達すると、第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が極めて低くなり、第2吸着熱交換器(52)から第2空気へ付与される水分の量が殆どゼロになる。
【0101】
このように、加熱運転の第2動作中において、第2吸着熱交換器(52)では、第1空気の温度は上昇するが、その絶対湿度はそれ程上昇しない。このため、加熱運転の第2動作中には、第2吸着熱交換器(52)を通過する際に加熱された第2空気(室外空気)が室内空間(200)へ供給される。
【0102】
〈単純換気運転〉
単純換気運転中の調湿装置(10)では、冷媒回路(50)の圧縮機(53)が停止する。また、電動膨張弁(55)は、通常、全閉状態に保持される。また、単純換気運転中の調湿装置(10)では、切換機構(40)が停止し、空気の流通経路が第1経路と第2経路の何れか一方に固定される。
【0103】
空気の流通経路が第1経路に設定されている場合、調湿装置(10)では、図9に示すように室外空気と室内空気が流れる。つまり、室外空気が第1吸着熱交換器(51)を通過後に室内空間(200)へ供給され、室内空気が第2吸着熱交換器(52)を通過後に室外空間(201)へ排出される。
【0104】
一方、空気の流通経路が第2経路に設定されている場合、調湿装置(10)では、図10に示すように室外空気と室内空気が流れる。つまり、室外空気が第2吸着熱交換器(52)を通過後に室内空間(200)へ供給され、室内空気が第1吸着熱交換器(51)を通過後に室外空間(201)へ排出される。
【0105】
単純換気運転中において、吸着熱交換器(51,52)は、そこを通過する空気との間で水分や熱の授受は行わない。従って、室外空気は、温度と絶対湿度を調節されることなく、そのままの状態で室内空間(200)へ供給される。また、室内空気は、温度と絶対湿度を調節されることなく、そのままの状態で室外空間(201)へ排出される。
【0106】
−コントローラの制御動作−
上述したように、コントローラ(95)は、圧縮機制御部(96)と、運転モード決定部(97)とを備えている(図4を参照)。ここでは、圧縮機制御部(96)が行う動作と、運転モード決定部(97)が行う制御動作とを説明する。また、ここでは、単純換気運転を開始する際にコントローラ(95)が行う制御動作についても説明する。
【0107】
〈圧縮機制御部の動作〉
圧縮機制御部(96)は、所定の判定時間(例えば、10分)が経過する毎に、圧縮機(53)の運転周波数の目標値(目標周波数)を設定する。
【0108】
圧縮機制御部(96)は、内気湿度センサ(92)及び内気温度センサ(91)の計測値を用いて室内空気の絶対湿度(室内絶対湿度)を算出し、外気湿度センサ(94)及び外気温度センサ(93)の計測値を用いて室外空気の絶対湿度(室外絶対湿度)を算出する。また、圧縮機制御部(96)には、ユーザによって設定された室内空気の設定温度および設定相対湿度が入力されている。圧縮機制御部(96)は、室内空気の設定温度および設定相対湿度を用いて、室内空気の目標絶対湿度を算出する。
【0109】
圧縮機制御部(96)は、室内空気の絶対湿度と、室外空気の絶対湿度と、室内空気の目標絶対湿度と、現在の圧縮機(53)の運転周波数とに基づいて、圧縮機(53)の目標周波数を設定する。つまり、室内空気の絶対湿度を目標絶対湿度に近付けるために除湿量または加湿量を増やす必要がある場合、圧縮機制御部(96)は、圧縮機(53)の目標周波数を現在の圧縮機(53)の運転周波数よりも高い値に設定する。一方、室内空気の絶対湿度が既に目標絶対湿度と同程度になっていて除湿量または加湿量を減らす必要がある場合、圧縮機制御部(96)は、圧縮機(53)の目標周波数を現在の圧縮機(53)の運転周波数よりも低い値に設定する。
【0110】
コントローラ(95)は、インバータの出力周波数が圧縮機制御部(96)によって設定された目標周波数となるように、インバータに対して制御信号を出力する。そして、インバータの出力周波数が目標周波数になると、圧縮機(53)の回転速度(即ち、圧縮機構を駆動する電動機の回転速度)が、目標周波数に対応した値となる。
【0111】
〈運転モード決定部の動作〉
運転モード決定部(97)は、所定の判定時間(例えば、10分)が経過する毎に、調湿装置(10)が実行すべき運転を決定する。つまり、運転モード決定部(97)は、除湿運転、加湿運転、冷却運転、加熱運転、及び単純換気運転のうちのいずれか一つを、調湿装置(10)が実行すべき運転として選択する。
【0112】
以下では、運転モード決定部(97)が行う動作について、図11を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、室外絶対湿度は、外気湿度センサ(94)及び外気温度センサ(93)の計測値を用いて圧縮機制御部(96)が算出した室外空気の絶対湿度であり、室内絶対湿度は、内気湿度センサ(92)及び内気温度センサ(91)の計測値を用いて圧縮機制御部(96)が算出した室内空気の絶対湿度であり、目標絶対湿度は、室内空気の設定温度および設定相対湿度を用いて圧縮機制御部(96)が算出した室内空気の目標絶対湿度である。また、室外気温は、外気温度センサ(93)の計測値であり、室内気温は、内気温度センサ(91)の計測値である。
【0113】
最初に、運転モード決定部(97)は、条件(1−1)の成否を判定する。条件(1−1)は、“室外絶対湿度が目標絶対湿度以上であり、且つ室外絶対湿度が所定の基準湿度以上である”という条件である。条件(1−1)の基準湿度は、例えば9g/kg(DA)に設定される。
【0114】
条件(1−1)は、室外絶対湿度が目標絶対湿度以上となっており、しかも室外絶対湿度が比較的高いときに成立する条件である。このため、条件(1−1)が成立する場合は、室内へ供給される室外空気の除湿が必要となる可能性がある。そこで、条件(1−1)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、除湿運転と冷却運転と単純換気運転のうちの一つを選択するための動作を行う。
【0115】
具体的に、条件(1−1)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、条件(2−1)の成否を判定する。条件(2−1)は、“圧縮機(53)の目標周波数が最低周波数以上である”という条件である。なお、圧縮機(53)の最低周波数とは、圧縮機(53)の運転周波数の調節範囲の下限値である。
【0116】
条件(2−1)が成立する場合は、室内へ供給される室外空気を除湿する必要性が高いと判断できる。そこで、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として除湿運転を選択する。この場合、コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が除湿運転となるように、ダンパ(41〜48)等に対して制御信号を出力する。本実施形態の運転モード決定部(97)では、条件(1−1)と条件(2−1)の両方が成立することが、室内へ供給する室外空気の湿度調節(除湿)が必要であることを示す調湿条件となっている。
【0117】
条件(2−1)が成立しない場合は、必ず条件(2−2)が成立する。条件(2−2)は、“圧縮機(53)の目標周波数が最低周波数未満である”という条件である。条件(2−2)が成立する場合は、室内へ供給される室外空気を除湿する必要性が低いと判断できる。つまり、条件(2−2)が成立する場合は、調湿装置(10)に除湿運転を実行させる必要性が低いと判断できる。そこで、条件(2−2)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、冷却運転と単純換気運転のうちの一つを選択するための動作を行う。
【0118】
条件(2−2)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、条件(3−2)の成否を判定する。条件(3−2)は、“室外気温が室内気温以上である”という条件である。条件(3−2)が成立する状況では、室外空気をそのまま室内へ供給すると、在室者に不快感を与えるおそれがある。そこで、条件(3−2)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として冷却運転を選択する。この場合、コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が冷却運転となるように、ダンパ(41〜48)等に対して制御信号を出力する。本実施形態の運転モード決定部(97)では、条件(3−2)が冷却運転を選択すべきことを示す判定条件となっている。
【0119】
条件(3−2)が成立しない場合は、必ず条件(3−3)が成立する。条件(3−3)は、“室外気温が室内気温未満である”という条件である。条件(3−3)が成立する状況では、室外空気をそのまま室内へ供給しても、在室者に不快感を与えるおそれはない。そこで、条件(3−3)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として単純換気運転を選択する。この場合、コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が単純換気運転となるように、ダンパ(41〜48)等に対して制御信号を出力する。
【0120】
条件(1−1)が成立しない場合、運転モード決定部(97)は、条件(1−4)の成否を判定する。条件(1−4)は、“室外絶対湿度が目標絶対湿度以下であり、且つ室外絶対湿度が所定の基準湿度以下である”という条件である。条件(1−4)の基準湿度は、例えば9g/kg(DA)に設定される。
【0121】
条件(1−4)は、室外絶対湿度が目標絶対湿度以下となっており、しかも室外絶対湿度が比較的低いときに成立する条件である。このため、条件(1−4)が成立する場合は、室内へ供給される室外空気の加湿が必要となる可能性がある。そこで、条件(1−4)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、加湿運転と加熱運転と単純換気運転のうちの一つを選択するための動作を行う。
【0122】
具体的に、条件(1−4)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、条件(2−4)の成否を判定する。条件(2−4)は、“圧縮機(53)の目標周波数が最低周波数以上である”という条件である。
【0123】
条件(2−4)が成立する場合は、室内へ供給される室外空気を加湿する必要性が高いと判断できる。そこで、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として加湿運転を選択する。この場合、コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が加湿運転となるように、ダンパ(41〜48)等に対して制御信号を出力する。本実施形態の運転モード決定部(97)では、条件(1−4)と条件(2−4)の両方が成立することが、室内へ供給する室外空気の湿度調節(加湿)が必要であることを示す調湿条件となっている。
【0124】
条件(2−4)が成立しない場合は、必ず条件(2−5)が成立する。条件(2−5)は、“圧縮機(53)の目標周波数が最低周波数未満である”という条件である。条件(2−5)が成立する場合は、室内へ供給される室外空気を加湿する必要性が低いと判断できる。つまり、条件(2−5)が成立する場合は、調湿装置(10)に加湿運転を実行させる必要性が低いと判断できる。そこで、条件(2−5)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、加熱運転と単純換気運転のうちの一つを選択するための動作を行う。
【0125】
条件(2−5)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、条件(3−5)の成否を判定する。条件(3−5)は、“室外気温が室内気温以下である”という条件である。条件(3−5)が成立する状況では、室外空気をそのまま室内へ供給すると、在室者に不快感を与えるおそれがある。そこで、条件(3−5)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として加熱運転を選択する。この場合、コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が加熱運転となるように、ダンパ(41〜48)等に対して制御信号を出力する。本実施形態の運転モード決定部(97)では、条件(3−5)が加熱運転を選択すべきことを示す判定条件となっている。
【0126】
条件(3−5)が成立しない場合は、必ず条件(3−6)が成立する。条件(3−6)は、“室外気温が室内気温を上回る”という条件である。条件(3−6)が成立する状況では、室外空気をそのまま室内へ供給しても、在室者に不快感を与えるおそれはない。そこで、条件(3−6)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として単純換気運転を選択する。この場合、コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が単純換気運転となるように、ダンパ(41〜48)等に対して制御信号を出力する。
【0127】
条件(1−1)と条件(1−4)の両方が成立しない場合は、室内へ供給される室外空気を湿度調節する必要性が低いと判断できる。そこで、この場合、運転モード決定部(97)は、冷却運転と加熱運転と単純換気運転のうちの一つを選択するための動作を行う。
【0128】
具体的に、条件(1−1)及び条件(1−4)が成立しない場合、運転モード決定部(97)は、条件(1−7)の成否を判定する。条件(1−7)は、“室外気温が室内気温以上であり、且つ室外気温が空気調和機(150)の冷房設定温度以上であり、且つ空気調和機(150)が冷房運転を行っている”という条件である。この条件(1−7)が成立する場合に室外空気をそのまま室内へ供給すると、冷房中の室内空間(200)へ温度の比較的高い室外空気がそのまま吹き出されるため、在室者に不快感を与えるおそれがある。そこで、条件(1−7)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として冷却運転を選択する。本実施形態の運転モード決定部(97)では、条件(1−7)が冷却運転を選択すべきことを示す判定条件となっている。
【0129】
条件(1−7)が成立しない場合(即ち、条件(1−1)と条件(1−4)と条件(1−7)の全てが成立しない場合)、運転モード決定部(97)は、条件(1−8)の成否を判定する。条件(1−8)は、“室外気温が室内気温以下であり、且つ室外気温が空気調和機(150)の暖房設定温度以下であり、且つ空気調和機(150)が暖房運転を行っている”という条件である。この条件(1−8)が成立する場合に室外空気をそのまま室内へ供給すると、暖房中の室内空間(200)へ温度の比較的低い室外空気がそのまま吹き出されるため、在室者に不快感を与えるおそれがある。そこで、条件(1−8)が成立する場合、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として加熱運転を選択する。本実施形態の運転モード決定部(97)では、条件(1−8)が加熱運転を選択すべきことを示す判定条件となっている。
【0130】
条件(1−8)が成立しない場合(即ち条件(1−1)と条件(1−4)と条件(1−7)と条件(1−8)の全てが成立しない場合)、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として単純換気運転を選択する。例えば、空気調和機(150)が停止している場合は、条件(1−7)及び条件(1−8)が成立しないため、運転モード決定部(97)は、調湿装置(10)が実行すべき運転として単純換気運転を選択する。つまり、運転モード決定部(97)は、空気調和機(150)が停止しているときに冷却運転および加熱運転を禁止している。
【0131】
冷却運転と加熱運転の実行中には、運転モード決定部(97)が次のような動作を行う。
【0132】
調湿装置(10)が冷却運転を行っている場合、運転モード決定部(97)は、冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度と、室外露点温度とを監視する。そして、運転モード決定部(97)は、冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態が所定の基準時間(例えば、3分)に亘って継続すると、調湿装置(10)が実行すべき運転を冷却運転から単純換気運転へ強制的に切り換える動作を行う。
【0133】
冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態では、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を室外空気が通過する際に、室外空気中の水分が凝縮することによってドレン水が生成するおそれがある。そこで、運転モード決定部(97)は、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)においてドレン水が生成し得る状況が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の冷却運転を停止させて単純換気運転を開始させるための動作を行う。単純換気運転では圧縮機(53)が停止するため、吸着熱交換器(51,52)において室外空気が冷却されることはなく、従って、吸着熱交換器(51,52)においてドレン水が生成することもない。
【0134】
また、調湿装置(10)が加熱運転を行っている場合、運転モード決定部(97)は、冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度と、室内露点温度とを監視する。そして、運転モード決定部(97)は、冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態が所定の基準時間(例えば、3分30秒)に亘って継続すると、調湿装置(10)が実行すべき運転を加熱運転から単純換気運転へ強制的に切り換える動作を行う。
【0135】
冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態では、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を室内空気が通過する際に、室内空気中の水分が凝縮することによってドレン水が生成するおそれがある。そこで、運転モード決定部(97)は、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)においてドレン水が生成し得る状況が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の加熱運転を停止させて単純換気運転を開始させるための動作を行う。単純換気運転では圧縮機(53)が停止するため、吸着熱交換器(51,52)において室内空気が冷却されることはなく、従って、吸着熱交換器(51,52)においてドレン水が生成することもない。
【0136】
〈単純換気運転を開始する際の制御動作〉
コントローラ(95)は、調湿装置(10)の運転状態が冷却運転または加熱運転から単純換気運転に切り換わる際に、室外空気および室内空気の流通経路を変更する動作を行う。
【0137】
調湿装置(10)が冷却運転の第1動作を停止して単純換気運転を開始する場合におけるコントローラ(95)の動作を説明する。
【0138】
冷却運転の第1動作では、ダンパ(41〜48)によって構成された切換機構(40)が、空気の流通経路を第2経路(図5に示す流通経路)に設定する。冷却運転の第1動作中には、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が次第に上昇し、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が次第に低下する。このため、空気の流通経路を変更せずに単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的高い第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過することとなり、室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度が第2吸着熱交換器(52)を通過する際に上昇するおそれがある。そうすると、湿った室外空気が室内へ供給されることとなり、在室者に不快感を与えるおそれがある。
【0139】
そこで、調湿装置(10)が冷却運転の第1動作を停止して単純換気運転を開始する際に、コントローラ(95)は、空気の流通経路が第2経路(図5に示す流通経路)から第1経路(図9に示す流通経路)へ切り換わるようにダンパ(41〜48)を操作する。空気の流通経路が第1経路に切り換わって調湿装置(10)が単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的低い第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過する。このため、第1吸着熱交換器(51)を通過する際に室外空気の絶対湿度は上昇せず、従って、在室者に不快感を与えるおそれはない。
【0140】
調湿装置(10)が冷却運転の第2動作を停止して単純換気運転を開始する場合におけるコントローラ(95)の動作を説明する。
【0141】
冷却運転の第2動作では、ダンパ(41〜48)によって構成された切換機構(40)が、空気の流通経路を第1経路(図6に示す流通経路)に設定する。冷却運転の第2動作中には、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が次第に上昇し、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が次第に低下する。このため、空気の流通経路を変更せずに単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的高い第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過することとなり、室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度が第1吸着熱交換器(51)を通過する際に上昇するおそれがある。そうすると、湿った室外空気が室内へ供給されることとなり、在室者に不快感を与えるおそれがある。
【0142】
そこで、調湿装置(10)が冷却運転の第2動作を停止して単純換気運転を開始する際に、コントローラ(95)は、空気の流通経路が第1経路(図6に示す流通経路)から第2経路(図10に示す流通経路)へ切り換わるようにダンパ(41〜48)を操作する。空気の流通経路が第2経路に切り換わって調湿装置(10)が単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的低い第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過する。このため、第2吸着熱交換器(52)を通過する際に室外空気の絶対湿度は上昇せず、従って、在室者に不快感を与えるおそれはない。
【0143】
調湿装置(10)が加熱運転の第1動作を停止して単純換気運転を開始する場合におけるコントローラ(95)の動作を説明する。
【0144】
加熱運転の第1動作では、ダンパ(41〜48)によって構成された切換機構(40)が、空気の流通経路を第1経路(図7に示す流通経路)に設定する。加熱運転の第1動作中には、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が次第に上昇し、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が次第に低下する。このため、空気の流通経路を変更せずに単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的低い第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過することとなり、室内空間(200)へ供給され
る室外空気の絶対湿度が第1吸着熱交換器(51)を通過する際に低下するおそれがある。そうすると、乾燥した室外空気が室内へ供給されることとなり、在室者に不快感を与えるおそれがある。
【0145】
そこで、調湿装置(10)が加熱運転の第1動作を停止して単純換気運転を開始する際に、コントローラ(95)は、空気の流通経路が第1経路(図7に示す流通経路)から第2経路(図10に示す流通経路)へ切り換わるようにダンパ(41〜48)を操作する。空気の流通経路が第2経路に切り換わって調湿装置(10)が単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的高い第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過する。このため、第2吸着熱交換器(52)を通過する際に室外空気の絶対湿度は低下せず、従って、在室者に不快感を与えるおそれはない。
【0146】
調湿装置(10)が加熱運転の第2動作を停止して単純換気運転を開始する場合におけるコントローラ(95)の動作を説明する。
【0147】
加熱運転の第2動作では、ダンパ(41〜48)によって構成された切換機構(40)が、空気の流通経路を第2経路(図8に示す流通経路)に設定する。加熱運転の第2動作中には、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器(51)の吸着剤の含水率が次第に上昇し、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器(52)の吸着剤の含水率が次第に低下する。このため、空気の流通経路を変更せずに単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的低い第2吸着熱交換器(52)を室外空気が通過することとなり、室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度が第2吸着熱交換器(52)を通過する際に低下するおそれがある。そうすると、乾燥した室外空気が室内へ供給されることとなり、在室者に不快感を与えるおそれがある。
【0148】
そこで、調湿装置(10)が加熱運転の第2動作を停止して単純換気運転を開始する際に、コントローラ(95)は、空気の流通経路が第2経路(図8に示す流通経路)から第1経路(図9に示す流通経路)へ切り換わるようにダンパ(41〜48)を操作する。空気の流通経路が第1経路に切り換わって調湿装置(10)が単純換気運転を開始すると、吸着剤の含水率が比較的高い第1吸着熱交換器(51)を室外空気が通過する。このため、第1吸着熱交換器(51)を通過する際に室外空気の絶対湿度は低下せず、従って、在室者に不快感を与えるおそれはない。
【0149】
−実施形態の効果−
本実施形態のコントローラ(95)の運転モード決定部(97)は、室内空間(200)へ供給される室外空気の湿度調節は不要であるが、室外空気をそのまま室内空間(200)へ供給すると在室者に不快感を与えるおそれがある場合に、冷却運転または加熱運転を選択する。冷却運転中の調湿装置(10)は、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に冷却された室外空気を室内空間(200)へ供給する。また、加熱運転中の調湿装置(10)は、凝縮器として機能する吸着熱交換器(51,52)を通過する際に加熱された室外空気を室内空間(200)へ供給する。従って、本実施形態によれば、室内空間(200)へ供給される室外空気の湿度調節は不要であるがその温度調節は必要な場合に、温度調節した室外空気を室内空間(200)へ供給することができ、室内空間(200)の快適性を確保することができる。
【0150】
本実施形態のコントローラ(95)は、調湿装置(10)が実行する運転を顕熱処理運転から単純換気運転へ変更する際に、空気の流通経路が第1経路と第2経路の一方から他方へ切り換わるようにダンパ(41〜48)を操作する。つまり、顕熱処理運転(即ち、冷却運転または加熱運転)の終了時に室内空気が通過していた吸着熱交換器(51,52)を室外空気が通過し、顕熱処理運転の終了時に室外空気が通過していた吸着熱交換器(51,52)を室内空気が通過するように、室外空気および室内空気の流通経路が切り換わる。このため、単純換気運転の開始後に室内空間(200)へ供給される室外空気の絶対湿度の変化を抑えることができ、単純換気運転の開始後における室内空間(200)の快適性を確保することができる。
【0151】
本実施形態のコントローラ(95)の運転モード決定部(97)は、冷却運転中に冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室外露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の運転を冷却運転から単純換気運転へ強制的に切り換える。また、この運転モード決定部(97)は、加熱運転中に冷媒回路(50)における冷媒の蒸発温度が室内露点温度を下回る状態が所定の基準時間に亘って継続すると、調湿装置(10)の運転を加熱運転から単純換気運転へ強制的に切り換える。このため、冷却運転中または加熱運転中に蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)において、ドレン水の生成を防ぐことができる。その結果、ドレン水の発生に起因する故障等を未然に防いで調湿装置(10)の信頼性を向上させることができる。
【0152】
本実施形態の調湿装置(10)は、冷却運転中および加熱運転中に、第1動作と第2動作だけを行う。従って、冷却運転中および加熱運転中に四方切換弁(54)は切り換わらない。このため、冷媒回路(50)において行われる冷凍サイクルの高圧と低圧の差(即ち、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の圧力と圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力の差)を小さくすることができ、冷却運転中および加熱運転中における圧縮機(53)の消費電力を低く抑えることができる。
【0153】
その理由を説明する。冷却運転および加熱運転は、室外気温と室内気温の差が比較的小さい状況で行われる場合がある。一方、冷媒回路(50)において行われる冷凍サイクルの高圧と低圧の差は、室外気温と室内気温の差に応じて設定される。このため、原則的には、室外気温と室内気温の差が小さければ、冷媒回路(50)において行われる冷凍サイクルの高圧と低圧の差を小さくすることができる。
【0154】
ところが、一般的な四方切換弁(54)は、冷媒回路(50)内の冷媒の圧力を利用して駆動される弁体を備えている。このため、弁体を移動させて四方切換弁(54)を切り換えるためには、冷媒回路(50)において行われる冷凍サイクルの高圧と低圧の差をある程度の基準圧力差(例えば、0.4MPa程度)以上に設定する必要がある。
【0155】
一方、本実施形態の調湿装置(10)では、冷却運転中および加熱運転中に四方切換弁(54)が切り換わらない。従って、本実施形態によれば、冷却運転中および加熱運転中に、冷媒回路(50)において行われる冷凍サイクルの高圧と低圧の差を、四方切換弁(54)作動させるのに必要な基準圧力差よりも小さい値に設定することが可能となる。その結果、上述したように、冷却運転中および加熱運転中における圧縮機(53)の消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0156】
−実施形態の変形例−
本実施形態の調湿装置(10)は、顕熱処理運転中(即ち、冷却運転中および加熱運転中)に第1動作と第2動作を第2所定時間ずつ交互に繰り返すものであってもよい。この第2所定時間は、例えば30分〜60分程度に設定される。つまり、第2所定時間は、除湿運転中における第1動作及び第2動作の継続時間(即ち、第1所定時間)である3分よりも長く、加湿運転中における第1動作及び第2動作の継続時間(即ち、第1所定時間)である3分30秒よりも長い。
【0157】
ここで、第1動作および第2動作の継続時間が長くなるほど、蒸発器として機能する吸着熱交換器(51,52)の吸着剤の含水率が上昇し、この吸着熱交換器(51,52)に空気中の水分が吸着されにくくなる。また、第1動作および第2動作の継続時間が長くなるほど、放熱器として機能する吸着熱交換器(51,52)の吸着剤の含水率が低下し、この吸着熱交換器(51,52)から水分が脱離しにくくなる。このため、第1動作および第2動作の継続時間が調湿運転(即ち、除湿運転と加湿運転)よりも長くなる顕熱処理運転(即ち、冷却運転と加熱運転)では、吸着熱交換器(51,52)を通過する際の第1空気および第2空気の温度の変化量が大きくなり、吸着熱交換器(51,52)を通過する際の第1空気および第2空気の絶対湿度の変化量が小さくなる。従って、本変形例の調湿装置(10)の顕熱処理運転においても、主に温度を調節された室外空気が室内空間(200)へ供給される。
【0158】
なお、本変形例の調湿装置(10)のコントローラ(95)も、調湿装置(10)の運転状態が顕熱処理運転(即ち、冷却運転と加熱運転)から単純換気運転に切り換わる際に、室外空気および室内空気の流通経路を変更する動作を行う。その際、コントローラ(95)は、顕熱処理運転の終了時における空気の流通経路に基づいて、単純換気運転における空気の流通経路を決定する。つまり、コントローラ(95)は、顕熱処理運転の終了時における空気の流通経路が第1経路(図6,図7に示す流通経路)である場合は、単純換気運転における空気の流通経路を第2経路(図10に示す流通経路)に設定する。一方、コントローラ(95)は、顕熱処理運転の終了時における空気の流通経路が第2経路(図5,図8に示す流通経路)である場合は、単純換気運転における空気の流通経路を第1経路(図9に示す流通経路)に設定する。
【産業上の利用可能性】
【0159】
以上説明したように、本発明は、吸着剤を担持する吸着熱交換器を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置について有用である。
【符号の説明】
【0160】
10 調湿装置
50 冷媒回路
51 第1吸着熱交換器
52 第2吸着熱交換器
53 圧縮機
95 コントローラ(制御器)
150 空気調和機
200 室内空
201 室外空
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11