【実施例】
【0024】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
<実施例1>
図3は、実施例1に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
印刷インキ層/紙層/ポリエチレン層/アルミニウム箔層の層構成を有する基材を用いた。
【0026】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−アクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.910g/cm
3、MFR:20g/10min)30wt%、低密度ポリエチレン(融点:105℃、MFR:25g/10min)を40wt%、ポリブテン−1を30wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚及び第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は、いずれも15μmとした。
【0027】
<実施例2>
図4は、実施例2に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
実施例1と同様の基材を用いた。
【0028】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−メタクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.905g/cm
3、MFR:15g/10min)20wt%、低密度ポリエチレン(融点:100℃、MFR:15g/10min)を50wt%、ポリブテン−1を30wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚及び第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は、いずれも15μmとした。
【0029】
<実施例3>
図5は、実施例3に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
実施例1と同様の基材を用いた。
【0030】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−アクリル酸エステル−酸無水物三元共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.915g/cm
3、MFR:30g/10min)20wt%、低密度ポリエチレン(融点:115℃、MFR:40g/10min)を40wt%、ポリブテン−1を20wt%、ポリエチレン−ブテン共重合体20wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚は5μmとし、第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は15μmとした。
【0031】
<実施例4>
図6は、実施例4に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
実施例1と同様の基材を用いた。
【0032】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−メタクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.915g/cm
3、MFR:30g/10min)10wt%、低密度ポリエチレン(融点:115℃、MFR:40g/10min)を60wt%、ポリブテン−1を10wt%、ポリエチレン−ブテン共重合体20wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚は15μmとし、第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は15μmとした。
【0033】
<実施例5>
図7は、実施例5に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
PET層/印刷インキ層/紙層/エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂層/アルミニウム箔層の層構成を有し、紙層と印刷インキ層を設けたPET層とがポリエステル、ポリウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して積層されている基材を用いた。
【0034】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−メタクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.910g/cm
3、MFR:20g/10min)30wt%、低密度ポリエチレン(融点:105℃、MFR:25g/10min)を40wt%、ポリブテン−1を30wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚及び第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は、いずれも10μmとした。
【0035】
<実施例6>
図8は、実施例6に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
PET層/印刷インキ層/紙層/遮光印刷を付与したPET層の層構成を有し、紙層と印刷インキ層を設けたPET層と、また紙層と遮光印刷を付与したPET層とをポリエステル、ポリウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて積層されている基材を用いた。また、紙層には、紙層とその上層のPET層とを部分的に剥離するためにミシン目線を設けた。
【0036】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−メタクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.910g/cm
3、MFR:20g/10min)30wt%、低密度ポリエチレン(融点:105℃、MFR:25g/10min)を40wt%、ポリブテン−1を30wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材の遮光印刷を付与したPET層上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚及び第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は、いずれも10μmとした。
【0037】
<比較例1>
図9は、比較例1に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材)
実施例1と同様の基材を用いた。
【0038】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−アクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.910g/cm
3、MFR:20g/10min)45wt%、低密度ポリエチレン(融点:105℃、MFR:25g/10min)を50wt%、ポリブテン−1を5wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚及び第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は、いずれも15μmとした。
【0039】
<比較例2>
図10は、比較例2に係る蓋材の層構成を示す断面模式図である。
(基材の形成)
実施例1と同様の基材を用いた。
【0040】
(シーラント層の形成)
第1の熱可塑性樹脂層の形成材料として、エチレン−メタクリル酸共重合体を用い、第2の熱可塑性樹脂層の形成材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.910g/cm
3、MFR:20g/10min)25wt%、低密度ポリエチレン(融点:105℃、MFR:25g/10min)を25wt%、ポリブテン−1を50wt%の重量比で混合したブレンド樹脂を用いた。上記の基材のアルミニウム箔上にアンカーコート層を設けて、第1の熱可塑性樹脂層の形成材料及び第2の熱可塑性樹脂層の形成材料を共押し出ししてシーラント層を形成した。第1の熱可塑性樹脂層の膜厚及び第2の熱可塑性樹脂層の膜厚は、いずれも15μmとした。
【0041】
上記、実施例1〜6、比較例1および2で得られた
図3〜10で示した層構成を有する蓋材を用いて、以下の測定および評価をおこなった。
【0042】
(シール強度の測定)
上記で得られた蓋材を、ポリプロピレン樹脂で覆われたシール部を有する容器に130〜160℃でヒートシールし、ヒートシール強度を測定した。このときのシール圧は0.15MPaとし、シール時間は1秒とした。この各蓋材をヒートシールした容器を用いて、90度剥離試験を行い、シール強度を測定した。
【0043】
(剥離面の糸引きの評価)
シール強度の測定と同様に各蓋材をヒートシールした容器を用いて、手で蓋材を開封した際の、剥離面の糸引きを目視で評価した。
【0044】
(開封感の評価)
シール強度の測定と同様に各蓋材をヒートシールした容器を用いて、手で蓋材を開封した際の開封感を評価した。
【0045】
表1に、シール強度の測定結果および剥離面の糸引き、開封感の評価結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1より、実施例1〜6で得られた蓋材にあっては、比較例1、2で得られた蓋材と比べて、蓋材と容器との間で強接着であることを満たし、易開封性を有する蓋材であることが確認できた。また、実施例1〜6で得られた蓋材は、比較例1、2で得られた蓋材と比べて、開封時にも糸引きの発生を低減でき、開封感も良好であることが確認された。